JP2008033633A - 移動ロボット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移動ロボットは、測距センサと路面状態判定手段と障害物判定手段と測距センサの測定周期を制御する制御手段を有している。路面の濡れ状態が検出されると測距センサの測定周期を路面が濡れていないときの値(TL)よりも短い値(TS)として走行距離に対するデータサンプリング間隔を短くし、サンプル数を増加させて走行路面と障害物の距離差をより細密に得られるようにし、これにより閾値を高い値として障害物を見落としなくより正しい距離差で検出するとともに、誤報を避ける。
【選択図】図5
Description
前記路面に対して距離計測用の検知波を送波するとともに反射波を受波して移動ロボットまでの距離を測定する測距センサと、
前記測距センサにて計測した距離データに基づき、前記路面上に存在する所定閾値を越える大きさの障害物を検出する障害物判定手段と、
前記路面の濡れ状態を検知する路面状態判定手段と、
前記測距センサの測定周期を制御する制御手段を具備し、
前記制御手段は、前記路面状態判定手段にて路面の濡れ状態を検出すると、前記測定周期を前記路面の濡れ状態を検出していないときよりも短くするよう制御することを特徴としている。
前記障害物判定手段は、前記路面状態判定手段にて路面の濡れ状態を検出すると、前記所定閾値を前記路面の濡れ状態を検出していないときの閾値よりも前記障害物を検出しにくい値とすることを特徴としている。
前記所定閾値は、前記路面からの障害物の高さに相当する値に基づいて定めることを特徴としている。
前記路面状態判定手段は、前記測距センサにて計測した所定範囲外または計測不能な距離データに基づき前記路面の濡れ状態を検知することを特徴としている。
さらに、前記移動ロボットが路面上を走行する速度を検出する速度検出手段と、
路面が濡れている場合と乾燥している場合について、前記移動ロボットの速度と該速度に対応する前記測距センサの測定周期との対応関係をそれぞれ規定した速度周期対応データを記憶する記憶部を有しており、
前記制御手段は、前記路面状態判定手段の検出結果と前記速度検出手段の検出結果に応じて前記速度周期対応データに基づき前記測定周期を制御することを特徴としている。
図1は、本発明の一実施形態に係る移動ロボット1が利用される環境である監視区域の平面図と、同移動ロボット1の外観を示す斜視図である。
この移動ロボット1は、例えば警備目的のために使用される自律移動型のロボットであり、監視区域内の所定経路を巡回しながら図示しない異常判定用のセンサや撮像ユニット7、レーザセンサ2にて監視区域内の異常の検出を行うものである。
図2は、本例の移動ロボット1の具体的な構成を示す機能ブロック図である。
この移動ロボット1は、移動手段6,8、ガイド検出部10、移動制御部9、自己位置検出部13、測距センサ16、記憶部17、処理部18、撮像ユニット7、通信部20及びこれら各部を制御する制御部21、各部に電力を供給する電源部22を有している。以下に各部ごとに説明する。
移動ロボット1は図1(b)に示すように4つの車輪6を有しており、それらのうち右前輪6、左前輪6の2つが駆動輪として機能する。移動手段は、右前輪6,左前輪6と左右各前輪6を独立に駆動する2つのモータ8で構成されており、左右各前輪6の回転速度により直進走行速度、旋回走行速度が制御され、旋回方向も制御される。この左右各前輪6の回転速度は移動制御部9により制御される。なお、左右前輪6を独立に制御する代わりに、舵角を制御して旋回速度を制御する方式でもよいし、車輪駆動でなく、左右のクローラを独立に制御する方式でもよい。
ガイド検出部10は、移動経路上のガイド手段である前述した白線テープ3を検出する。ガイド検出部10は、白線検出カメラ11と路面情報抽出部12とから成る。白線検出カメラ11は、走行路面を撮影可能な様に移動ロボット1の底面に設置されている。路面情報抽出部12は、エッジ抽出やハフ変換などの処理により、白線検出カメラ11の撮影画像から、移動ロボット1の経路を誘導すべき白線テープ3及び指示マーカ4を検出して制御部21に出力する。
移動制御部9は、移動手段の車輪6を駆動するモータ8を制御するための手段である。移動制御部9は、ガイド検出部10による白線テープ3の検知出力に応じて、例えば周知のPID制御などにより、移動ロボット1が白線テープ3に沿って移動するようモータ8を制御する。また、移動制御部9は、後述する自己位置検出部13の位置算出部15による走行区間の検出に応じて、予め設定された経路情報に基づき移動速度を制御し、位置算出部15による特定地点の検出に応じて走行停止する。
自己位置検出部13は、前記移動手段の各モータ8にそれぞれ設置された回転量検出部としてのレゾルバ14と、各レゾルバ14にそれぞれ接続された位置算出部15からなる。レゾルバ14はモータ8の回転軸の絶対位置を所定周期毎にそれぞれ検出する。位置算出部15はレゾルバ14の出力から得られるモータ8の回転軸の回転量から左右各前輪6それぞれの回転量を算出し、左右各前輪6それぞれの回転量と車輪半径から算出された左右各前輪6の走行距離の平均から移動ロボット1の走行距離を算出する。又レゾルバ14がモータ8の回転軸の絶対位置を検出する周期と算出された走行距離の関係から移動ロボット1の走行速度を算出する。
測距センサ16は、移動ロボット1の前方に検知波を送波して走行路面の状態、走行路面上の異物その他の被検出対象を検出するための手段である。
測距センサ16は、図3に示すように移動ロボット1の本体の前面側に、進行方向の前方下方に向けて設置されたレーザセンサ2からなり、レーザ発振器より照射される検知波としてのレーザ光が光路上にある物体にて反射した際の反射光を受光する。測距センサ16は、走査鏡とこの走査鏡を回転駆動する手段とによりレーザ発振器から発射されるレーザ光の照射方向を制御して、移動ロボット1の前方を含む所定の範囲を所定の走査周期(測定周期)で空間走査している。本例において、走査周期とは、一走査毎の時間間隔のことである。この走査周期は制御部21からの要求により変更可能であり、後に詳述するが路面状態判定部23により路面が濡れていると判定するとレーザセンサの走査周期を短く(例えば33msから16.5ms)する。
記憶部17は、移動ロボット1の各種処理に使用される情報を記憶している。記憶部17が記憶する情報には、以下1)〜4)のものが含まれる。
1)移動経路の情報を示した経路情報
2)障害物マップ
3)位置算出部15により算出された移動ロボット1の位置情報
4)障害物判定用の閾値
処理部18は路面状態判定部23と障害物判定部19を備えている。路面状態判定部23は、レーザセンサ2の出力結果に基づき路面状態が乾燥しているか、濡れているかを判定し、判定結果を制御部21に出力する。この結果、制御部21は路面状態に応じたレーザセンサ2の走査周期(TL又はTS)で路面を走査するよう制御部21に信号を出力する。障害物判定部19は、測距センサ16の出力に基づき異常の有無を判定する。障害物判定部19は、測距センサ16の一周期の走査結果として出力されたデータに含まれる距離値の差を閾値(thH又はthL)と比較して、所定以上の高さを持つ障害物が存在するか否かを判定する。前述したように、測距センサ16が路面を走査した結果として出力したデータに含まれる距離値の差は、障害物の高さに相当する値となる。この障害物高さに相当する値を閾値処理することで、移動ロボット1の走行に支障を与える高さの障害物が存在するか否かを判定するのである。そして、移動ロボット1の走行に支障を与える高さの障害物が検出され異常と判定されると、後述する通信部20より異常信号が出力され、また、移動制御部9が移動ロボット1の停止や減速などの予め定められた処理を行う。障害物判定部19は、前記障害物マップを用いて異常を判定する。具体例は後述する。なお、本例では、レーザセンサ2の出力結果から路面の濡れを判定しているが、路面の濡れを判定する手段を別途設けてもよい。この場合、レーザセンサ2の反射波から判定する方法に限られず超音波、赤外線の反射波、或いは画像解析、車輪から発生する走行音の違いを解析するなどにより判定してもよい。
撮像ユニット7は、移動ロボット1の本体上面に搭載されて移動ロボット1の周囲を撮像する手段である。本例では、複数のカメラを周方向に外向きに並べて全周をカバーするようにしている。
通信部20は、遠隔の監視センタと信号を送受信する無線通信手段である。通信部20は、移動ロボット1が監視領域内で異常を検知した場合、遠隔の監視センタに無線等で異常信号を出力する。また、通信部20は、撮像ユニット7が撮像した画像と自己位置検出部13が算出した移動ロボット1の位置を遠隔の監視センタに送信し、監視センタから送信された制御コマンドの信号を受信して後述する制御部21に入力する。
制御部21は、移動ロボット1の各構成部分を統括的に制御する手段であり、CPU等を備えたコンピュータで構成される。
以下、本例の移動ロボット1の走行時における制御動作を説明するが、まず本例の移動ロボット1の走行時における障害物検知の全体的な制御手順を説明し(図5)、次に図5の手順で取得した情報等を用いて行う移動ロボット1の走行制御を説明する(図6)。次に、前記障害物検知時の制御手順における濡れ路面検知制御(図7)と、障害物検知制御(図8)についてそれぞれ詳細に説明する。各フローチャートを用いた以下の説明では、Sで始まる連続番号により制御手順の各ステップを示すものとする。
図5は、本例の移動ロボット1の走行時における障害物検知手順の全体を示すフローであり、この手順において、濡れ路面検知処理(S01)において走行路面の濡れを検知した場合にはレーザセンサ2の走査周期を短くする設定要求を行うとともに障害物ありと判定するための閾値を上げ、またレーザセンサ2による1回の走査結果から障害物検知処理(S07)を行っている。ここで障害物の有無を検出した場合には検出結果に応じた移動ロボット1の停止・減速の要求を行う。なお、本例では、障害物検知制御の一例を図8、図9に示しているが、これに限らず、測距センサ16で前方路面を走査して得られた距離値の差に基づき障害物の有無を判定する処理であればよい。
S02:走行路面が濡れていると判定された場合はS05へ進む。濡れていないと判定された場合はS03へ進む。
図6は本例の移動ロボット1の走行制御において、指示マーカ4と指示マーカ4の間を1走行区間とした場合のフローチャートを示すものであり、初期の設定に従い規定の移動経路を走行しながら、前述した障害物検知処理(図5)において出力された停止要求、減速要求等に基づいて行う情報処理手順を示すものである。
図7は、図5のS01においてサブルーチン化されているレーザセンサによる濡れ路面検知処理の具体的フローを示す。
この障害物検知制御は、図5のS07においてサブルーチン化されている平坦な走行路面上に存在する何らかの障害物を検知する処理を示している。
本例による作用効果を図10を参照して詳述する。
同図は、前述した図11、図9と同様に、レーザセンサ2が1周期走査したときの計測対象(障害物又は非障害物(誤報対象))と移動ロボットとの距離値を示すセンサデータをxy座標平面上にプロットして、レーザセンサ2の測定点の軌跡と、障害物判定用閾値との関係を示したものである。図10にプロットした各図において移動ロボット1は図中下方に位置している。また、図10(a)では、連続する各時刻(周期)毎に得られたセンサデータを重ねてxy座標平面上にプロットしている。図においてX軸は移動ロボット1の正面からの角度、Y軸は移動ロボット1からの距離値を示す。
2…測距センサとしてのレーザセンサ
16…測距センサ
19…障害物判定手段としての障害物判定部
21…制御手段としての制御部
23…路面状態判定手段としての路面状態判定部
Claims (5)
- 路面上を走行する移動ロボットであって、
前記路面に対して距離計測用の検知波を送波するとともに反射波を受波して移動ロボットまでの距離を測定する測距センサと、
前記測距センサにて計測した距離データに基づき、前記路面上に存在する所定閾値を越える大きさの障害物を検出する障害物判定手段と、
前記路面の濡れ状態を検知する路面状態判定手段と、
前記測距センサの測定周期を制御する制御手段を具備し、
前記制御手段は、前記路面状態判定手段にて路面の濡れ状態を検出すると、前記測定周期を前記路面の濡れ状態を検出していないときよりも短くするよう制御することを特徴とした移動ロボット。 - 前記障害物判定手段は、前記路面状態判定手段にて路面の濡れ状態を検出すると、前記所定閾値を前記路面の濡れ状態を検出していないときの閾値よりも前記障害物を検出しにくい値とする請求項1に記載の移動ロボット。
- 前記所定閾値は、前記路面からの障害物の高さに相当する値に基づいて定める請求項1または2に記載の移動ロボット。
- 前記路面状態判定手段は、前記測距センサにて計測した所定範囲外または計測不能な距離データに基づき前記路面の濡れ状態を検知する請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の移動ロボット。
- さらに、前記移動ロボットが路面上を走行する速度を検出する速度検出手段と、
路面が濡れている場合と乾燥している場合について、前記移動ロボットの速度と該速度に対応する前記測距センサの測定周期との対応関係をそれぞれ規定した速度周期対応データを記憶する記憶部を有しており、
前記制御手段は、前記路面状態判定手段の検出結果と前記速度検出手段の検出結果に応じて前記速度周期対応データに基づき前記測定周期を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の移動ロボット。
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