JP2008032999A - 光ファイバデバイスと、その出射方向調整方法と、スイッチング方法およびスイッチング機構と、光学特性検査方法および光学特性検査システム - Google Patents
光ファイバデバイスと、その出射方向調整方法と、スイッチング方法およびスイッチング機構と、光学特性検査方法および光学特性検査システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】安価かつ簡単な構成で容易に出射光の透過または遮断の切り替えが可能なスイッチング機構を含む、光ファイバデバイスの光学特性検査システムを提供する。
【解決手段】光ファイバデバイスの入射側光ファイバにレーザ光源が接続され、複数の出射側光ファイバ4cの前方に、スリット部材3を介して受光器2が配置されている。出射側光ファイバ4cの端面4dは斜めにカットされており、この端面4d上に選択的にマッチングオイル5が塗布されている。レーザ光源から光ファイバデバイスに検査光を入射させると、端面4dにマッチングオイル5が付着した出射側光ファイバ4cからの出射光6は、スリット3aを介して受光器2の受光面2aに入射する。しかし、端面4dにマッチングオイル5が付着していない出射側光ファイバ4cからの出射光6は、スリット3aを通過せず受光器2の受光面2aに入射しない。
【選択図】図6
【解決手段】光ファイバデバイスの入射側光ファイバにレーザ光源が接続され、複数の出射側光ファイバ4cの前方に、スリット部材3を介して受光器2が配置されている。出射側光ファイバ4cの端面4dは斜めにカットされており、この端面4d上に選択的にマッチングオイル5が塗布されている。レーザ光源から光ファイバデバイスに検査光を入射させると、端面4dにマッチングオイル5が付着した出射側光ファイバ4cからの出射光6は、スリット3aを介して受光器2の受光面2aに入射する。しかし、端面4dにマッチングオイル5が付着していない出射側光ファイバ4cからの出射光6は、スリット3aを通過せず受光器2の受光面2aに入射しない。
【選択図】図6
Description
本発明は光ファイバデバイスと、その出射方向調整方法と、スイッチング方法およびスイッチング機構と、光学特性検査方法および光学特性検査システムに関する。
従来、光ファイバを含む光ファイバデバイスにおいては、光ファイバ同士の光軸調整工程、機能部品と光ファイバおよび/または他の機能部品との光軸調整工程、または光ファイバデバイスを収容するケーシングの組み立て工程等の後に、その光ファイバデバイスの光学特性を検査してその性能を確認する必要がある。特に、光ファイバデバイスを通過した光の光量の測定は、光ファイバデバイスを製造する上で基本となる光学特性検査である。
前記した光学特性検査を効率よく行うために、出射側光ファイバを複数本有する光ファイバデバイスの光学特性検査を行う場合や、複数の光ファイバデバイスの光学特性検査を一括して行う場合がある。このような場合には、例えば、図9に示すように、検査光の光源であるレーザ光源12と、光ファイバデバイス本体10aと入射側光ファイバ10bと出射側光ファイバ10cとからなる光ファイバデバイス10と、複数の受光器11とを有する構成が用いられる。または、図10に示すように、複数の出射側光ファイバ10cと単一の受光器11とを接続する光学スイッチ13を有する構成の検査システムが必要である。
光ファイバデバイス10としては、例えば出射側光ファイバ10cの端面における反射光が出射側光ファイバ10c内を伝播するのを防ぐなどの理由で、出射側光ファイバ10cの端面が斜めにカットされている構成(特許文献1参照)や、出射側光ファイバ10cの端面にマッチングオイルが塗布された構成(特許文献2参照)が採用されることがある。
特開平7−168061号公報(図1,2)
特開平7−294780号公報(図8)
特許文献1に開示されているように出射側光ファイバ10cの端面が斜めにカットされている場合、端面において光の進路が変化して、ある出射角度で光ファイバから外部に出射する。このように出射側光ファイバ10cの端面を斜めにカットすることにより、反射光の影響を防ぐことができるが、出射光が出射側光ファイバの光軸に対して斜めになる問題が生じる。この場合、受光器11の受光面を出射光に対して直角になるように配置することが好ましく、従って、受光器11を出射側光ファイバ10cの長手方向に対して斜めに配置せざるを得なくなる。
図9に示すように多数の出射側光ファイバ10cを多数の受光器11に接続する場合、各受光器11を各出射側光ファイバ10cに対して斜めに配置すると、スペース効率が非常に悪くなる。また、図10に示すように多数の出射側光ファイバ10cを1つの光学スイッチ13に接続する構成においても、多数の出射側光ファイバ10cの全てに対して斜めになるように光学スイッチ13を配置するのは面倒であり、そのような斜めの位置関係で、出射側光ファイバ10cおよび光学スイッチ13を安定して保持するのは容易ではない。
さらに、図9に示すように多数の受光器11を配置してそれぞれ出射側光ファイバ10cと接続する構成は、組み立て作業が繁雑で効率が悪く、しかもコスト高である。図10に示す構成では、多数の出射側光ファイバ10cを接続してスイッチングできる複雑な構成の光学スイッチ13が必要であるため、コスト高である。
そこで本発明の目的は、多数の受光器や光学スイッチを必要とせず、安価で、組み立て作業が簡単な、光ファイバデバイスの光学特性検査方法および光学特性検査システムと、そのための光ファイバデバイスと、出射方向調整方法と、スイッチング方法およびスイッチング機構を提供することにある。
本発明の特徴は、少なくとも1つの出射側光ファイバを有する光ファイバデバイスの出射方向調整方法において、出射側光ファイバの端面を斜めにカットしておき、斜めにカットされた端面に、出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルを付着させるところにある。
この方法によると、出射側光ファイバの端面が斜めにカットされているため、この端面による反射光が出射側光ファイバ内を伝播するのを防ぐことができる。そして、端面を斜めにカットする角度にかかわらず、出射側光ファイバからの出射光がマッチングオイルを透過して、出射側光ファイバの光軸に概ね沿って直進するように、出射方向を調整することができる。なお、端面を斜めにカットする角度とマッチングオイルの形状を調整することによって、出射方向の調整範囲を広げることができる。
また、本発明の他の特徴は、少なくとも1つの出射側光ファイバを有する光ファイバデバイスにおいて、出射側光ファイバの端面が斜めにカットされており、斜めにカットされている端面に、出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルが付着していることを特徴とするところにある。
この光ファイバデバイスによると、出射側光ファイバの端面が斜めにカットされていることの効果を保ちつつ、出射方向が出射側光ファイバの光軸から大きく逸れてしまうことが防げる。
本発明の他の特徴は、少なくとも1つの出射側光ファイバを有する光ファイバデバイスのスイッチング方法において、出射側光ファイバの端面を斜めにカットしておき、斜めにカットされた端面に近接するスリットを有するスリット部材を配置するステップと、斜めにカットされた端面に、出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルを付着させることによって、出射側光ファイバからの出射光を、スリットを通過させる状態と、斜めにカットされた端面にマッチングオイルを付着させず、出射側光ファイバからの出射光を、スリットを通過させずに遮断する状態とを適宜切り替えるステップとを含むところにある。
本発明の他の特徴は、少なくとも1つの出射側光ファイバを有し、出射側光ファイバの端面が斜めにカットされている、光ファイバデバイスのスイッチング機構において、斜めにカットされた端面に近接するスリットを有するスリット部材を有し、斜めにカットされた端面に、出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルを付着させることによって、その出射側光ファイバからの出射光を、スリットを通過させる状態と、斜めにカットされた端面にマッチングオイルを付着させず、その出射側光ファイバからの出射光を、スリットを通過させずに遮断する状態とを適宜切り替え可能であるところにある。
本発明の他の特徴は、複数の出射側光ファイバを有し、複数の出射側光ファイバの端面がそれぞれ斜めにカットされている、光ファイバデバイスのスイッチング機構において、複数の出射側光ファイバの斜めにカットされた端面にそれぞれ対向する、少なくとも出射側光ファイバと同数のスリットを有するスリット部材を有し、複数の出射側光ファイバのうち、斜めにカットされた端面に出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルが付着している出射側光ファイバからの出射光を、スリットを通過させ、複数の出射側光ファイバのうち、斜めにカットされた端面にマッチングオイルが付着していない出射側光ファイバからの出射光を、スリットを通過させずに遮断するところにある。
これらのスイッチング方法およびスイッチング機構によると、出射側光ファイバの斜めにカットされた端面にマッチングオイルを滴下するか否かによって、安価かつ簡単な構成で、非常に容易に出射光の透過または遮断の切り替えが可能である。
本発明の他の特徴は、少なくとも1つの出射側光ファイバおよび入射側光ファイバを有する光ファイバデバイスの光学特性検査方法において、出射側光ファイバの端面を斜めにカットしておき、入射側光ファイバに検査光の光源を接続するステップと、出射側光ファイバの斜めにカットされた端面に、出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルを付着させるステップと、受光面が出射側光ファイバのマッチングオイルが付着している斜めにカットされた端面に近接するように受光器を配置するとともに、マッチングオイルが付着している斜めにカットされた端面と受光面との間に、スリットを有するスリット部材を介在させるステップと、光源から検査光を照射し、検査光を、入射側光ファイバ、光ファイバデバイス本体、出射側光ファイバ、およびスリットを介して、受光器により受光するステップとを含むところにある。
光ファイバデバイスは複数の出射側光ファイバを有し、スリット部材には、少なくとも出射側光ファイバと同数のスリットが設けられており、複数の出射側光ファイバのうちの1つまたは複数を選択し、選択した出射側光ファイバの端面にのみマッチングオイルを付着させることによって、選択した出射側光ファイバからの出射光を、スリットを介して受光器の受光面に入射させ、選択されない出射側光ファイバの端面にはマッチングオイルを付着させず、その出射側光ファイバからの出射光を、スリットを通過させずに遮断してもよい。
本発明の他の特徴は、光ファイバデバイスの光学特性検査システムにおいて、光ファイバデバイス本体と、光ファイバデバイス本体に接続されている入射側光ファイバと、光ファイバデバイス本体に接続されており、端面が斜めにカットされている出射側光ファイバと、出射側光ファイバの斜めにカットされた端面に付着している、出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルとを含む、光ファイバデバイスと、入射側光ファイバに接続される、検査光の光源と、出射側光ファイバの斜めにカットされた端面に近接する受光面を有する受光器と、出射側光ファイバの斜めにカットされた端面と、受光器の受光面との間に位置するスリットを有するスリット部材と、を有するところにある。
本発明の他の特徴は、光ファイバデバイスの光学特性検査システムにおいて、光ファイバデバイス本体と、光ファイバデバイス本体に接続されている入射側光ファイバと、光ファイバデバイス本体に接続されており、端面が斜めにカットされている複数の出射側光ファイバと、複数の出射側光ファイバのうちの1つまたは複数の、斜めにカットされた端面に付着している、出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルとを含む、光ファイバデバイスと、入射側光ファイバに接続される、検査光の光源と、複数の出射側光ファイバの斜めにカットされた端面に近接する受光面を有する受光器と、複数の出射側光ファイバの斜めにカットされた端面と受光器の受光面との間にそれぞれ位置する、少なくとも出射側光ファイバと同数のスリットを有するスリット部材と、を有するところにある。
このような方法およびシステムによると、多数の受光器や複雑な光学スイッチを必要とせず、安価で信頼性の高い光学特性検査が可能である。
本発明によると、光ファイバデバイスの出射側光ファイバの端面を斜めにカットすることで、この端面による反射光が光ファイバ内を伝播することが防げるとともに、斜めにカットされた端面にマッチングオイルを付着させることにより、端面の角度にかかわらず出射方向を制御することができる。特に、出射方向を、出射側光ファイバの光軸に実質的に一致させて、受光のための装置の配設を容易にすることができる。
また、出射側光ファイバの斜めにカットされた端面へのマッチングオイルの付着の有無を利用して、出射光の透過または遮断を容易に切り替えられるスイッチングを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の光ファイバデバイスの光学特性検査システムを図1に示している。本実施形態の検査装置は、主に、検査光の光源であるレーザ光源1と、受光器(パワーメータ)2と、スリット部材3と、被検査対象である光ファイバデバイス4とからなる。
本実施形態において用いられる光ファイバデバイス4は、光ファイバデバイス本体4aに、入射側光ファイバ4bと、複数の出射側光ファイバ4cが接続された構成である。図示しないが、光ファイバデバイス本体4aは、レンズ、プリズム、光学フィルタ等の様々な光学部品を内蔵しており、入射側光ファイバ4bから入射した光を透過させて、出射側光ファイバ4cに伝達する。図2に示すように、出射側光ファイバ4cのそれぞれの端面4dは、例えば8度以上の角度A1で斜めにカットされている。このように斜めにカットすることは、この端面4dにおける反射光が出射側光ファイバ4c内を伝播することを防ぐために効果的である。出射側光ファイバ4cの端面4dのカットは、一般に使用されているクリーバ(図示せず)を用いて行うことができる。
このように、端面4dが斜めにカットされた出射側光ファイバ4cにおける出射方向について図2に示している。出射側光ファイバ4cの屈折率n1と斜めにカットした角度A1と、外部(空気)の屈折率n2と出射角度A2の間には、n1×sinA1=n2×sinA2の関係が成り立つ。そして、n1=1.5、n2=1の場合の角度A1とA2の関係を、図3のグラフに示している。このグラフから明らかなように、出射側光ファイバ4cの端面4dを8度以上の角度で斜めにカットすると、出射光6は、出射側光ファイバ4cの光軸4eからA2/2=6度以上傾いた方向に出射される。そこで、本実施形態では、複数の出射側光ファイバ4cのうちの1つ以上において、図4に示すように、斜めにカットされた端面4dに、出射側光ファイバ4cと等しい屈折率を有するマッチングオイル5が塗布されている。出射側光ファイバ4cとマッチングオイル5は屈折率が等しいので、出射側光ファイバ4cを伝播してきた光は、出射側光ファイバ4cの端面4d、すなわちマッチングオイル5との界面で屈折することはなく、出射側光ファイバ4cの光軸4eに沿って直進して出射する。
さらにマッチングオイル5は、図4に示すように、カットされた端面4d上に、表面張力によって半球状または楕円半球を形成し、出射光6がマッチングオイル5の表面と垂直に交わるように液量を調整する。この調整によって、出射光6は、光軸4eに沿って直進して出射する。ただし、出射光6とマッチングオイル5の表面との角度は、厳密に垂直である必要はなく、スリット3aの幅と、マッチングオイル5の表面とスリット3aとの距離に、応じた誤差を許容する。
本実施形態では、図1,5に示すように、出射側光ファイバ4cの、斜めにカットされた端面4dの前方(下流側)に受光器2が配置され、斜めにカットされた端面4dと受光器2の間に、スリット部材3が介在している。そして、出射側光ファイバ4cの斜めにカットされた端面4dと、受光器2の受光面2aとが、スリット部材3のスリット3aを介して近接対向している。
本実施形態において、複数の出射側光ファイバ4cのうちの全ての、斜めにカットされた端面4dにマッチングオイル5を付着させると、全ての出射側光ファイバ4cからの出射光6が、スリット部材3のスリット3aをそれぞれ通過して、受光器2の受光面2aに入射可能な状態になる。すなわち、図9に示す従来例のように、多数の受光器11を用いる必要がなく、しかも受光器11を出射側光ファイバ10cに対して斜めに配置する必要がなく、出射側光ファイバ4cから受光器2への出射光6の入射が信頼性高く行える。従って、コスト低減と、組み立て作業および構成の簡略化が達成できる。さらに、出射側光ファイバ4cの端面4d上のマッチングオイル5は表面張力によって半球状になるため、このマッチングオイル5が、出射光6を集光するレンズとして機能する。その結果、マッチングオイル5を透過した出射光6がスリット3aを通過し易くなる。
以上説明したような構成の光学特性検査システムにおいて、レーザ光源1から検査光を照射し、入射側光ファイバ4bおよび光ファイバデバイス本体4aを通過した後に各出射側光ファイバ4cに伝わる光は、各スリット3aを介して全て受光器2の受光面2aに入射する。この受光器2が光量を測定し、レーザ光源1から光ファイバデバイス4への検査光の入射強度と比較することによって、光ファイバデバイス4による損失の測定など、光学特性検査を実施することができる。
また、本実施形態の構成を、複数の出射側光ファイバ4cのうちの一部のみの、斜めにカットされた端面4dにマッチングオイル5を付着させることによって、図6に示すようなスイッチング機構として機能させることもできる。すなわち、斜めにカットされた端面4dにマッチングオイル5が付着している出射側光ファイバ4c(図6中では左側の2つ)のみにおいて、前記した通り、出射光6が出射側光ファイバ4cの光軸4eに沿って直進し、スリット部材3のスリット3aを通過して、受光器2の受光面2aに入射する。しかし、斜めにカットされた端面4dにマッチングオイル5が付着していない出射側光ファイバ4c(図6中では右側の2つ)においては、出射光6が出射側光ファイバ4cの光軸4eに対して斜めに進行し、スリット部材3のスリット3aを通過せず遮断されて、受光器2の受光面2aに入射しない。このように、本実施形態によると、各出射側光ファイバ4cの斜めにカットされた端面4dに選択的にマッチングオイル5の滴下を行うことによって、出射光6を受光器2に入射させる出射側光ファイバ4cと入射させない出射側光ファイバ4cとを、容易かつ任意に分けることができる。すなわち、本実施形態によると、図10に示すような従来の光学スイッチ13を用いる必要がなく、非常に簡単な構成のスイッチング機構が実現する。
このように、本実施形態の構成をスイッチング機構として用いる場合の、スリット部材3のスリット3aの大きさについて以下に説明する。
図2に示すように、マッチングオイル5が端面4dに付着していない状態の出射側光ファイバ4cからの出射光6は、光軸4eに対して斜めに出射され、図4に示すように、マッチングオイル5が端面4dに付着している出射側光ファイバ4cからの出射光6は、光軸4eに沿って直進する。前記した例では、このようなマッチングオイル5の付着の有無に基づく出射方向の違いを利用してスイッチングを行う。従って、スリット3aは、出射側光ファイバ4cの光軸4eに沿う出射光6を通過させるように、光軸4eに沿って前方に位置するとともに、光軸4eに対して斜め方向への出射光6がスリット3aの側方の壁面に当たるように、スリット3aの幅を狭くしておく必要がある。
マッチングオイル5が付着していない状態の出射側光ファイバ4cから光軸4eに対して斜めに出射された出射光6の方向に基づいて、端面4dからの距離D1と、出射光が光軸から離れる距離D2との関係を、図7,8に示している。距離D1が大きくなるほど距離D2も大きくなり、その関係は、端面の角度A1と出射角度A2を用いて、D2=D1×tan(A2−A1)と表される。従って、図8のグラフを参照しながら、スリット部材3を出射側光ファイバ4cから距離D1の位置に配置する場合に、スリット3aの中心を出射側光ファイバ4cの光軸4eに合わせると、スリット3aの幅を2×D2未満に設定する。そうすることによって、マッチングオイル5が付着していない、角度A1で斜めにカットされた端面4dから出射角度A2で出射される出射光6が、スリット3aの外側になり、壁面に当たって遮断される。言うまでもないが、出射側光ファイバ4cの光軸4eに沿って直進する、マッチングオイル5が付着した端面4dからの出射光6は、スリット3aを通過して進行する。スリット3aの幅をこのように設定することによって、スイッチング機構として機能し得る構成になる。
以上説明したような構成の光学特性検査システムにおいて、レーザ光源1から検査光を照射し、入射側光ファイバ4bおよび光ファイバデバイス本体4aを通過した後に、斜めにカットされた端面4dにマッチングオイル5が付着している出射側光ファイバ4cに伝わる光は、スリット3aを介して受光器2の受光面2aに入射する。この受光器2が光量を測定し、レーザ光源1から光ファイバデバイス4への検査光の入射強度と比較することによって、光ファイバデバイスによる損失の測定など、光学特性検査を実施することができる。一方、斜めにカットされた端面4dにマッチングオイル5が付着していない出射側光ファイバ4cが存在する場合には、その出射側光ファイバ4cに伝わる光は、スリット3aを通過せず受光器2の受光面2aに入射しない。従って、出射側光ファイバ4cの斜めにカットされた端面4dへ、マッチングオイル5を順次滴下し、その都度、受光器2によって受光した光量を測定することによって、各出射側光ファイバ4cからの出射光量が測定できる。
なお、前記した光学特性検査が終了し、光学特性検査システムから取り外した光ファイバデバイス4を実用に供する際には、必要に応じて出射側光ファイバ4cの端面4dのマッチングオイル5を拭き取ってもよい。この光ファイバデバイス6は、出射側光ファイバ4cの端面4dが斜めにカットされているので、端面4dにおける反射光の影響を防ぐことができる。仮に、出射側光ファイバ4cの端面4dによる反射光が出射側光ファイバ4cのコア内に入ったとしても、端面4dが斜めにカットされているために反射光は全反射条件を満たすことができず、出射側光ファイバ4c内を伝播することはできない。なお、光ファイバの全反射臨界角度は一般に8度であることが知られているので、出射側光ファイバ4cの端面4dを8度以上の角度でカットすることによって、反射光が出射側光ファイバ4cに再入射しても、反射光は全反射条件を満たさず、出射側光ファイバ4c内を伝播せずにすぐに減衰する。
1 レーザ光源(検査光の光源)
2 受光器(パワーメータ)
2a 受光面
3 スリット部材
3a スリット
4 光ファイバデバイス
4a 光ファイバデバイス本体
4b 入射側光ファイバ
4c 出射側光ファイバ
4d 斜めにカットされた端面
4e 光軸
5 マッチングオイル
6 出射光
A1 端面の角度
A2 出射角度
n1 出射側光ファイバの屈折率
n2 空気の屈折率
D1 端面からの距離
D2 出射光が光軸から離れる距離
2 受光器(パワーメータ)
2a 受光面
3 スリット部材
3a スリット
4 光ファイバデバイス
4a 光ファイバデバイス本体
4b 入射側光ファイバ
4c 出射側光ファイバ
4d 斜めにカットされた端面
4e 光軸
5 マッチングオイル
6 出射光
A1 端面の角度
A2 出射角度
n1 出射側光ファイバの屈折率
n2 空気の屈折率
D1 端面からの距離
D2 出射光が光軸から離れる距離
Claims (9)
- 少なくとも1つの出射側光ファイバを有する光ファイバデバイスの出射方向調整方法において、
前記出射側光ファイバの端面を斜めにカットしておき、前記斜めにカットされた端面に、前記出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルを付着させる
ことを特徴とする、光ファイバデバイスの出射方向調整方法。 - 少なくとも1つの出射側光ファイバを有する光ファイバデバイスのスイッチング方法において、
前記出射側光ファイバの端面を斜めにカットしておき、
前記斜めにカットされた端面に近接するスリットを有するスリット部材を配置するステップと、
前記斜めにカットされた端面に、前記出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルを付着させることによって、該出射側光ファイバからの出射光を、前記スリットを通過させる状態と、前記斜めにカットされた端面に前記マッチングオイルを付着させず、該出射側光ファイバからの出射光を、前記スリットを通過させずに遮断する状態とを適宜に切り替えるステップと、
を含むことを特徴とする光ファイバデバイスのスイッチング方法。 - 少なくとも1つの出射側光ファイバおよび入射側光ファイバを有する光ファイバデバイスの光学特性検査方法において、
前記出射側光ファイバの端面を斜めにカットしておき、
前記入射側光ファイバに検査光の光源を接続するステップと、
前記出射側光ファイバの前記斜めにカットされた端面に、前記出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルを付着させるステップと、
受光面が前記出射側光ファイバの前記マッチングオイルが付着している前記斜めにカットされた端面に近接するように受光器を配置するとともに、前記マッチングオイルが付着している前記斜めにカットされた端面と前記受光面との間に、スリットを有するスリット部材を介在させるステップと、
前記光源から前記検査光を照射し、該検査光を、前記入射側光ファイバ、光ファイバデバイス本体、前記出射側光ファイバ、および前記スリットを介して、前記受光器により受光するステップと
を含むことを特徴とする、光ファイバデバイスの光学特性検査方法。 - 前記光ファイバデバイスは複数の前記出射側光ファイバを有し、前記スリット部材には、少なくとも前記出射側光ファイバと同数の前記スリットが設けられており、
複数の前記出射側光ファイバのうちの1つ以上を選択し、
前記選択した出射側光ファイバの前記端面にのみ前記マッチングオイルを付着させることによって、前記光源から前記検査光を照射した際に、前記選択した出射側光ファイバからの出射光を、前記スリットを介して前記受光器の前記受光面に入射させ、
選択されない前記出射側光ファイバの前記端面には前記マッチングオイルを付着させず、前記光源から前記検査光を照射した際に、該出射側光ファイバからの出射光を、前記スリットを通過させずに遮断する、
請求項3に記載の光ファイバデバイスの光学特性検査方法。 - 少なくとも1つの出射側光ファイバを有する光ファイバデバイスにおいて、
前記出射側光ファイバの端面が斜めにカットされており、
前記斜めにカットされている端面に、前記出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルが付着している
ことを特徴とする、光ファイバデバイス。 - 少なくとも1つの出射側光ファイバを有し、前記出射側光ファイバの端面が斜めにカットされている、光ファイバデバイスのスイッチング機構において、
前記斜めにカットされた端面に近接するスリットを有するスリット部材を有し、
前記斜めにカットされた端面に、前記出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルを付着させることによって、該出射側光ファイバからの出射光を、前記スリットを通過させる状態と、前記斜めにカットされた端面に前記マッチングオイルを付着させず、該出射側光ファイバからの出射光を、前記スリットを通過させずに遮断する状態とを適宜切り替え可能である、
ことを特徴とする光ファイバデバイスのスイッチング機構。 - 複数の出射側光ファイバを有し、前記複数の出射側光ファイバの端面がそれぞれ斜めにカットされている、光ファイバデバイスのスイッチング機構において、
前記複数の出射側光ファイバの前記斜めにカットされた端面にそれぞれ対向する、少なくとも前記出射側光ファイバと同数のスリットを有するスリット部材を有し、
前記複数の出射側光ファイバのうち、前記斜めにカットされた端面に前記出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルが付着している前記出射側光ファイバからの出射光を、前記スリットを通過させ、
前記複数の出射側光ファイバのうち、前記斜めにカットされた端面に前記マッチングオイルが付着していない前記出射側光ファイバからの出射光を、前記スリットを通過させずに遮断する、
ことを特徴とする光ファイバデバイスのスイッチング機構。 - 光ファイバデバイスの光学特性検査システムにおいて、
光ファイバデバイス本体と、前記光ファイバデバイス本体に接続されている入射側光ファイバと、前記光ファイバデバイス本体に接続されており、端面が斜めにカットされている出射側光ファイバと、前記出射側光ファイバの前記斜めにカットされた端面に付着している、前記出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルとを含む、前記光ファイバデバイスと、
前記入射側光ファイバに接続される、検査光の光源と、
前記出射側光ファイバの前記斜めにカットされた端面に近接する受光面を有する受光器と、
前記出射側光ファイバの前記斜めにカットされた端面と、前記受光器の前記受光面との間に位置するスリットを有するスリット部材と、
を有することを特徴とする、光ファイバデバイスの光学特性検査システム。 - 光ファイバデバイスの光学特性検査システムにおいて、
光ファイバデバイス本体と、前記光ファイバデバイス本体に接続されている入射側光ファイバと、前記光ファイバデバイス本体に接続されており、端面が斜めにカットされている複数の出射側光ファイバと、前記複数の出射側光ファイバのうちの1つ以上の前記出射側光ファイバの、前記斜めにカットされた端面に付着している、前記出射側光ファイバと等しい屈折率を有するマッチングオイルとを含む、前記光ファイバデバイスと、
前記入射側光ファイバに接続される、検査光の光源と、
前記複数の出射側光ファイバの前記斜めにカットされた端面に近接する受光面を有する受光器と、
前記複数の出射側光ファイバの前記斜めにカットされた端面と前記受光器の前記受光面との間にそれぞれ位置する、少なくとも前記出射側光ファイバと同数のスリットを有するスリット部材と、
を有することを特徴とする、光ファイバデバイスの光学特性検査システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006206188A JP2008032999A (ja) | 2006-07-28 | 2006-07-28 | 光ファイバデバイスと、その出射方向調整方法と、スイッチング方法およびスイッチング機構と、光学特性検査方法および光学特性検査システム |
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JP2006206188A JP2008032999A (ja) | 2006-07-28 | 2006-07-28 | 光ファイバデバイスと、その出射方向調整方法と、スイッチング方法およびスイッチング機構と、光学特性検査方法および光学特性検査システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019002723A (ja) * | 2017-06-13 | 2019-01-10 | 株式会社キーエンス | 共焦点変位計 |
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2006
- 2006-07-28 JP JP2006206188A patent/JP2008032999A/ja active Pending
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