JP2008032601A - 中空糸膜モジュールの検査方法および検査装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、中空糸膜モジュールの不通糸欠陥の有無およびその発生の程度を中空糸膜モジュールを劣化させることなく非接触の方法によって判断することが可能であり、良否の判定を従来の方法よりも正確に行うことができる方法およびその装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
中空糸膜モジュールのポッティング端面に光源による光を照射し、前記端面からの反射光を撮像し、前記撮像によって得られた画像と予め定めるモデル画像との相関をとって中空部分が空洞になっている中空糸膜を検出し、前記中空部分が空洞になっている中空糸膜をマスクし、前記撮像画像について前記中空部分が閉塞している中空糸膜部分と樹脂部分との2値化処理を行い、前記2値化処理画像から中空部分が閉塞している中空糸膜を検出し、前記中空部分が閉塞している中空糸膜の本数が予め定める閾値を上回る場合は中空糸膜モジュールを不良品と判定する検査方法およびかかる手段を有する装置。
【選択図】図5
Description
(1)予め定めるモデル画像との相関をとって中空部分が空洞になっている中空糸膜を検出し、前記中空部分が空洞になっている中空糸膜をマスクすることで、正常な中空糸膜領域を検査範囲から除外することができるので誤検出なく不通糸欠陥を検出することができる。
(2)撮像画像とモデル画像との比較の手段として正規化相関を用いることによって、照明から照射される光の光量の変動などの影響を受けることなく、正常な中空糸膜を高精度に検出することができる。
(3)中空部分が空洞になっている中空糸膜の検出位置を中心とした予め定める領域をマークし、前記マーク群に対して予め定める距離の膨張収縮処理を行うことによって検査範囲を絞り込み、正常な中空糸膜群に囲まれた、形状および面積が樹脂で閉塞した中空糸膜の中空部分に似た樹脂領域による誤検出を減らすことができる。
(4)前記2値化処理画像が、マスク部分を樹脂部分と同じ明るさで塗りつぶし、フィルタ処理により中空糸膜部分を強調し、中空糸膜部分と樹脂部分とで2値化することで、中空糸膜部分を精度良く認識することができる。
(5)前記2値化処理画像から独立した背景領域を検出することで、中空部分の空洞が樹脂で閉塞した不通糸を検出することができる。
(6)前記2値化処理画像からの前景領域を検出することで、中空糸膜がつぶれて閉塞状態となった不通糸を検出することができる。
(7)判定結果に基づいて中空糸膜モジュールの選別を行うので、不良品流出の防止と、生産性の向上を実現できる。
図1は、本発明の一実施形態における中空糸膜モジュール検査装置の全体構成を示している。図1において、Mは中空糸膜モジュール、1はモジュール移載装置、2はモジュール支持装置、3は光照射装置、4は撮像装置、5は中空糸膜検出装置、6は欠陥判定装置、7は操作指令装置、8は表示装置、9はモジュール排出装置をそれぞれ示している。なお、中空糸膜モジュールMはこの形態では1本ずつ検査する構成となっているが、複数を同時に載置・検査する構成でもよい。
以下、これら各部の構成をその作用と共に詳細に説明する。
<モジュール移載装置>
モジュール移載装置1は前工程から移送されてくる中空糸膜モジュールMを後述するモジュール支持装置2上に載置するものである。
<モジュール支持装置>
モジュール支持装置2は前記移載装置1により載置された中空糸膜モジュールMを支持するものである。なお、中空糸膜モジュールMのポッティング端面と後述する撮像装置4間との距離を一定に保つために当て止め治具によりポッティング端面の位置を調整してもよい。また、測長器を設置してポッティング端面と測長器間の距離を測定し、後述する撮像装置4の下部に設けたスライダを光軸方向に前後させてポッティング端面と撮像装置4間とを一定距離に保つ方法でもよい。なお、この実施形態においては後述する撮像装置4にラインセンサカメラを用いていることから、モジュール支持機構2a上に載置した中空糸膜モジュールMをモジュール走査機構2bにより所定の速度で水平方向に移動させることができるようにしている。
<光照射装置>
光照射装置3は光源3aと電源3bとを備えており、本発明においては、特に限定されるものではないが、図4に示す如く、光源3aは平面型光源であることが好ましい。この実施形態においては、光源3aにはハロゲンランプによる白色光を照射する平面型光源を用いる。ここで平面型光源とは、平面光源ともいい、一般的に平面型光源、平面光源とされる光源を含むものであり、発光面がLEDや電球などの点状の点光源や棒状蛍光灯などの1次元的広がりを持つ線状の線光源とは異なる、2次元的広がりを持つ平面型の形状を有した光源を含むものである。ただし、光源自体の形状が平面型ではなく、点状、線状であったとしても、例えば拡散板等の手段によって光が平面状に照射される様な構造を有したものも含むものである。より具体的には、測定対象である中空糸膜モジュールのポッティング端面全体の反射光が撮像され得る程度の大きさに光を平面状に照射し得るものであればよい。光の拡散手段を有するものが一般的に好ましく、また、1辺の長さあるいは直径がポッティング端面の一辺の長さあるいは直径の2〜3倍程度、具体的にはポッティング端面の一辺の長さあるいは直径が45mmの場合、90〜135mm程度の形状を有する光源であることがより好ましい。光の拡散手段としては、シート状物に照射した光を透過させることにより拡散光を得る手段や、シート状物に照射した光を反射させることにより拡散光を得る手段が好ましい。そして前記光源3aからの入射光のモジュールMのポッティング端面に対する入射角θiと後述する撮像装置4に対するモジュールMのポッティング端面からの反射光の反射角θoとが等しくなるようにしてポッティング端面からの正反射光を得る。なお、中空糸膜モジュールMのポッティング端面に角度θの反りもしくは傾きがあるとすると(角度θについては、図4を参照)、正反射光の向きはθi−2θの角度を有する方向となるため、前記した1次元的広がりを持つ光源を使用した場合、図4の左側に示すように、正反射光を後述する撮像装置4で受光することができなくなることがある。このような箇所は暗い状態で撮像されるため、後述する中空糸膜検出装置による誤検出や見逃しの要因となる。
<撮像装置>
撮像装置4は、モジュール支持装置2上の中空糸膜モジュールMのポッティング端面を撮像して画像を得るためのもので、この実施形態では2048画素のラインセンサカメラを用いている。
<中空糸膜検出装置>
中空糸膜検出装置5は、前記撮像装置4によって得られた撮像画像と予め定めるモデル画像との相関をとって中空糸中空部分12が空洞になっている中空糸膜を検出し、前記中空部分が空洞になっている中空糸膜をマスクすることで中空部分が空洞になっている中空糸膜を欠陥検査対象から除外し、前記撮像画像について中空部分が閉塞している中空糸膜部分と樹脂部分との2値化処理を行うことで中空部分が閉塞している中空糸膜部分を前景、樹脂部分を背景として分類し、前記2値化処理画像から中空部分が閉塞している中空糸膜を検出し、その本数を測定する。この中空糸膜検出装置5の処理の流れは、図5に示すようになっている。ここでいうマスクとは、画像の一部を一様な輝度値で塗りつぶして隠すことであり、塗りつぶして隠した領域を検査範囲としないことを意味するものである。
Do<Td
が成立すれば、正常な中空糸膜13に囲まれた領域には中空部分が樹脂で閉塞した中空糸膜15が存在しえない。そのため、図9に示すように正常な中空糸膜間の距離Doと中空糸膜外径設計値Tdとで以下の関係
Do≧Td
が成立する場合のみ、正常な中空糸膜13に囲まれた領域14には中空部分が樹脂で閉塞した中空糸膜15が存在する可能性がある。そのため、前記マーク領域に対して下記に定義する距離Dm
Dm=Td/2
で膨張・収縮処理を実施すると、正常な中空糸膜間の距離Doが中空糸膜外径設計値Tdよりも小さい領域は、隣り合うまたは向かい合うマークが正常な中空糸膜に囲まれた領域で結合してマークの一部となるため、前記独立した樹脂領域を中空部分が閉塞した中空糸膜として誤検出しない。
<欠陥判定装置>
欠陥判定装置6は、前記中空糸膜検出装置5により得られた中空糸膜本数Nと予め定める中空糸膜本数閾値Ntとを比較し、中空糸膜本数Nが前記閾値Ntを上回れば前記中空糸膜モジュールMを欠陥品と判定する。この欠陥判定装置6の処理の流れは、図10に示すようになっている。
<操作指令装置>
操作指令装置7は、測定する中空糸膜モジュールMの外径、中空糸膜の外径および内径、モジュールの組み立て方法等の違いに対応し、中空糸膜検出装置5および欠陥判定装置6に指令を送り、中空糸膜モジュールMに適したモデル画像や相関度閾値Rt、マスクの直径Td、マスクの膨張収縮距離Dm、などを設定するとともに、光照射装置の電源3bに指令を送り、光源3aのオン・オフや光量の調節を行う。また、中空糸膜モジュールMの移動が撮像装置4による撮像に適した速度で行われるようにモジュール支持装置2に指令を送る。
<表示装置>
表示装置8は検査結果の表示、また不通糸部分にマーク15をプロットした画像の表示に用いられる。
<モジュール排出装置>
モジュール排出装置9は、前記欠陥判定装置6での判定に従い、良品の中空糸膜モジュールMのみを次工程へ排出する。
1:モジュール移載装置
2:モジュール支持装置
2a:モジュール支持機構
2b:モジュール走査機構
3:光照射装置
3a:光源
3b:電源
4:撮像装置
5:中空糸膜検出装置
6:欠陥判定装置
7:操作指令装置
8:表示装置
9:モジュール排出装置
10:樹脂部分
11:中空糸膜部分
12:中空糸中空部分
13:中空部分が空洞の正常な中空糸膜
14:中空部分が空洞の正常な中空糸膜に囲まれた独立した樹脂領域
15:中空部分が樹脂で閉塞した中空糸膜
R:正規化相関による相関度
Rt:相関度閾値
θ:ポッティング端面の反り、傾きの角度
θi:光源3aからポッティング端面への照射光の入射角
θo:ポッティング端面から撮像装置4への正反射光の出射角
D:光源3aに用いる平面型光源の光軸中心と中空糸膜モジュールMのポッティング端面との間の距離
Td:中空糸膜の外径設計値
Do:中空部分が空洞の正常な中空糸膜間の距離
Dm:マーカの膨張収縮距離
N:中空糸膜検出本数
Nt:中空糸膜本数閾値
Claims (10)
- 中空糸膜モジュールのポッティング端面に光源による光を照射し、前記端面からの反射光を撮像し、前記撮像によって得られた画像と中空部分が空洞状態の中空糸膜によるモデル画像との相関をとって中空部分が空洞になっている中空糸膜を検出し、前記中空部分が空洞になっている中空糸膜をマスクし、前記撮像画像について中空部分が閉塞している中空糸膜部分と樹脂部分との2値化処理を行い、前記2値化処理画像から前記中空部分が閉塞している中空糸膜を検出し、前記中空部分が閉塞している中空糸膜の本数が予め定める閾値を上回る場合は中空糸膜モジュールを不良品と判定することを特徴とする中空糸膜モジュールの検査方法。
- 前記光源が平面型光源であることを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュールの検査方法。
- 前記モデル画像の画素群と前記撮像によって得られた画像の各画素を中心とした前記モデル画像に対応する領域を有する前記画像内の画素群との正規化相関によって算出された相関度が、予め定める相関度閾値より高い場合に、中空部分が空洞状態の中空糸膜として検出することを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜モジュールの検査方法。
- 前記マスクにおいて、中空部分が空洞になっている中空糸膜の検出位置を中心とした予め定める領域をマークし、前記マーク群に対して予め定める距離の膨張収縮処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの検査方法。
- 前記2値化処理画像が、マスク部分に対応する領域を樹脂部分と同じ輝度値で塗りつぶし、フィルタ処理により中空糸膜部分を強調し、中空糸膜部分と樹脂部分との2値化処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの検査方法。
- 前記2値化処理画像から中空部分が閉塞した中空糸膜を検出する検査において、独立した背景領域もしくは暗領域を該中空部分の空洞が樹脂で閉塞した中空糸膜として検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの検査方法。
- 前記2値化処理画像から中空部分が閉塞した中空糸膜を検出する検査において、前景領域もしくは明領域を中空糸膜がつぶれて閉塞状態となった中空糸膜として検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの検査方法。
- 中空糸膜モジュールのポッティング端面に平面型光源による光を照射する手段と、前記端面からの反射光を撮像する手段と、前記撮像によって得られた画像と予め定めるモデル画像との相関をとって中空部分が空洞になっている中空糸膜を検出する手段と、前記中空部分が空洞になっている中空糸膜をマスクする手段と、前記撮像画像について中空部分が閉塞している中空糸膜部分と樹脂部分との2値化処理を行う手段と、前記2値化処理画像から前記中空部分が閉塞している中空糸膜を検出する手段と、前記中空部分が閉塞している中空糸膜の本数が予め定める閾値を上回る場合は中空糸膜モジュールを不良品と判定する手段とを備えていることを特徴とする中空糸膜モジュールの検査装置。
- 請求項1から7のいずれかに記載の検査方法を用いて不良品を除外することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
- 請求項9に記載の製造方法を用いて製造された中空糸膜モジュール。
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