JP2016186779A - 工程診断装置、工程診断方法および工程診断プログラム - Google Patents

工程診断装置、工程診断方法および工程診断プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】品質に影響を及ぼす要因を早期にかつ自動的に検出することができる工程診断装置、工程診断方法および工程診断プログラムを提供する。【解決手段】製品の製造工程で良否判定用に取得された画像データに対して画像処理を行うことにより、製造工程を工程診断する際に用いる画像計測値を算出する計測値算出用画像処理部と、計測値算出用画像処理部が算出した画像計測値を用いてデータマイニングを実行することによって製造工程の工程診断を行うデータ解析部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、製品の製造工程を診断する工程診断装置、工程診断方法および工程診断プログラムに関する。
従来、さまざまな製品の製造工程(製造ライン)を診断する工程診断技術において、製造工程内の計器制御量を直接モニタリングして異常状態を検知して制御する、または画像検査装置等を用いて不良状態を検査することにより、製品の品質の安定化を図る技術が知られている。この技術では、製造工程中の各計器を単独で制御することによって製品の品質の安定化を図っている。
近年、製造技術の進歩や要求品質の高度化により、製品の品質に影響を与える要因が複雑化してきており、各計器を単独で制御するだけでは品質が安定化しないというケースも多く見られるようになっている。また、全不良モードに対して画像検査装置を用いた検査を実施する場合、製造工程全体の費用に対する検査費用の割合が増加し、収益性を圧迫するという問題も生じている。
このような状況の下、人間のデータ処理能力、経験則または勘等に依存することなく、大量のデータを有効に活用することによって製造ラインの品質を自動的に制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、まず製造ラインにおける製造条件データおよび製品の出来映えデータをモニタリングし、出来映えデータから製造ラインでの品質阻害事象を検出すると、製造条件データも加味して品質阻害要因を抽出する。その後、この抽出結果と予め記憶された品質改善履歴データとを照合してその妥当性を確認するとともに、品質阻害要因について製造ラインに関する現象のシミュレーションを実行して正当性を検証する。品質阻害要因が妥当性および正当性を有する場合には、その品質阻害要因を改善するように製造条件を変更して製造ラインにフィードバックする。
また、製造工程において製品の品質に影響を与える可能性がある要因と製品の品質との関係を解析する作業の容易化を支援する製造工程解析支援方法も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。この技術では、製造工程における製品画像を仮想空間で表示し、ユーザである製造工程解析者が指定した製品画像に共通する要因の抽出等を行うことにより、ユーザがその要因と製品の品質との関係についての仮説を立案して検証していく作業を支援する。
特開2002−149221号公報 国際公開第2004/97703号
ところで、製品によっては、製造工程が複雑であるとともに大量のロット数を有する場合がある。この場合には、不具合が発生してからでは復旧するまでに多くの時間を費やすこととなり、製造工程が非効率的なものとなってしまう。このような事態を回避するには、製品自体の不具合ではなく、製造工程における不具合の早期発見が求められる。しかしながら、上述した従来技術では、品質に影響を及ぼす要因を早期にかつ自動的に検出することが困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、品質に影響を及ぼす要因を早期にかつ自動的に検出することができる工程診断装置、工程診断方法および工程診断プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る工程診断装置は、製品の製造工程を診断する工程診断装置であって、前記製造工程で良否判定用に取得された画像データに対して画像処理を行うことにより、前記製造工程を工程診断する際に用いる画像計測値を算出する計測値算出用画像処理部と、前記計測値算出用画像処理部が算出した画像計測値を用いてデータマイニングを実行することによって前記製造工程の工程診断を行うデータ解析部と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記データ解析部は、前記製造工程における工程稼働情報および前記製品の良否判定情報の少なくともいずれか一方をさらに用いて前記データマイニングを実行することを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記データ解析部は、相関ルール抽出、回帰分析、クラス分類およびクラスタリングのうち少なくとも1つの手法により前記データマイニングを実行することを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記製造工程が有する製造装置群を構成する複数の装置またはプロセスのいずれかの下流に設けられて前記画像データを取得する画像取得部と、前記画像取得部が取得した画像データに対して良否判定を行うための画像処理を行う良否判定用画像処理部と、前記良否判定用画像処理部が行った画像処理に基づいて前記製品の良否判定を行う良否判定部と、をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記良否判定用画像処理部および前記良否判定部の処理と、前記計測値算出用画像処理部の処理とを並行して行わせる制御部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記製品は、筒状のケースと、該ケースに収容された糸状物と、前記糸状物の長手方向の端部を固定する固定部とを有するモジュールであることを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記糸状物が、中空糸膜または中実糸であることを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記計測値算出用画像処理部は、前記モジュール内の前記糸状物の配置情報または形状情報を前記画像計測値として算出することを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記計測値算出用画像処理部は、前記画像データに対して前記糸状物と、前記ケースと、前記固定部とを識別する処理を行い、前記糸状物、前記ケースおよび前記固定部それぞれの特徴量を前記画像計測値として算出することを特徴とする。
本発明に係る工程診断装置は、上記発明において、前記データ解析部が行った工程診断の結果を表示する表示部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る工程診断方法は、製品の製造工程を診断する工程診断装置が行う工程診断方法であって、前記製造工程で良否判定用に取得された画像データを記憶部から読み出して該画像データに対して画像処理を行うことにより、前記製造工程を工程診断する際に用いる画像計測値を算出する計測値算出用画像処理ステップと、前記計測値算出用画像処理ステップで算出した画像計測値を用いてデータマイニングを実行することによって前記製造工程の工程診断を行うデータ解析ステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係る工程診断プログラムは、製品の製造工程を診断する工程診断装置に、前記製造工程で良否判定用に取得された画像データを記憶部から読み出して該画像データに対して画像処理を行うことにより、前記製造工程を工程診断する際に用いる画像計測値を算出する計測値算出用画像処理ステップと、前記計測値算出用画像処理ステップで算出した画像計測値を用いてデータマイニングを実行することによって前記製造工程の工程診断を行うデータ解析ステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、品質に影響を及ぼす要因を早期にかつ自動的に検出することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る工程診断装置を備えた工程診断システムの構成を示すブロック図である。 図2は、製造工程における製造装置群の構成を示す図である。 図3は、製品の一例である中空糸膜モジュールの構成を示す断面図である。 図4は、中空糸膜モジュールの製造工程におけるカッター工程終了後の中空糸膜束の端面の状態を画像取得部が撮像した画像を模式的に示す図である。 図5は、検査装置の記憶部が記憶する工程稼働情報および良否判定情報の概要を示す図である。 図6は、検査装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態1に係る工程診断装置が行う工程診断処理の概要を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態1に係る工程診断装置のデータ解析部が、製品が中空糸膜モジュールである場合に行うデータマイニングの概要を模式的に示す図(その1)である。 図9Aは、本発明の実施の形態1に係る工程診断装置のデータ解析部が、製品が中空糸膜モジュールである場合に行うデータマイニングの概要を模式的に示す図(その2)である。 図9Bは、本発明の実施の形態1に係る工程診断装置のデータ解析部が、製品が中空糸膜モジュールである場合に行うデータマイニングの概要を模式的に示す図(その3)である。 図9Cは、本発明の実施の形態1に係る工程診断装置のデータ解析部が、製品が中空糸膜モジュールである場合に行うデータマイニングの概要を模式的に示す図(その4)である。 図10は、本発明の実施の形態1に係る工程診断装置の表示部における診断結果の表示例を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る工程診断装置の表示部が表示する診断結果表示画面の表示例を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る工程診断装置の表示部が表示する診断結果表示画面の表示例を示す図である。 図13は、本発明の実施の形態2に係る工程診断装置を備えた工程診断システムの構成を示すブロック図である。 図14は、本発明の実施の形態2に係る工程診断装置が行う工程診断処理の概要を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る工程診断装置を備えた工程診断システムの構成を示すブロック図である。同図に示す工程診断システム1は、製品を製造する製造工程2と、製造工程2を診断する工程診断装置3とを備える。
まず、製造工程2の構成を説明する。製造工程2は、複数の装置からなる製造装置群4と、製造装置群4の稼働状況および製品の良否判定等を行う検査装置5とを有する。製造装置群4を構成する装置は、製造条件、装置に付随する計器の測定データなどの情報を取得する。製造装置群4が、1つのプロセスにおいて複数台の同型の装置を有している場合には、装置ごとの製造履歴の情報などが工程稼働情報として取得される。
図2は、製造装置群4の構成を示す図である。同図に示す製造装置群4は、第1〜第5プロセスの5つのプロセスにそれぞれ設けられた複数の装置を含む。第1プロセスには第1装置411〜第3装置413が設けられる。第2プロセスには第1装置421〜第4装置424が設けられる。第3プロセスには第1装置431〜第3装置433が設けられる。第4プロセスには第1装置441〜第4装置444が設けられる。第5プロセスには第1装置451および第2装置452が設けられる。
検査装置5は、工程診断装置3および製造装置群4を構成する装置と通信ネットワークを介した情報の送受信が可能である。本明細書でいう通信ネットワークとは、例えば既存の公衆回線網、専用線網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのいずれかまたは複数の組み合わせによって実現されるものであり、有線、無線を問わない。
検査装置5は、製造工程2を流れる製品または仕掛品を撮像して画像データを取得する画像取得部51と、製造装置群4を構成する各装置および工程診断装置3と情報の送受信を行う送受信部52と、各種情報の入力を受け付ける入力部53と、画像取得部51が取得した画像データに対して製品の良否判定に必要な画像処理(第1の画像処理)を行う第1画像処理部(良否判定用画像処理部)54と、第1画像処理部54が行った画像処理の結果をもとに製造工程2を流れる製品または仕掛品の良否判定を行う良否判定部55と、製造装置群4の稼働情報および良否判定部55による判定結果を含む各種情報を記憶する記憶部56と、検査装置5の動作を統括して制御する制御部57とを有する。
画像取得部51は、装置被写体からの光を集光する光学系と、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等からなる撮像素子とを複数組有する。光学系および撮像素子の組は、製造装置群4を構成する各装置の下流または各プロセスの下流にそれぞれ配設され、各製造装置または各プロセスを通過した製品または仕掛品を撮像して画像データを取得する。
記憶部56は、製造装置群4の工程稼働情報を記憶するとともに、良否判定部55による製品の良否判定結果を含む良否判定情報を記憶する。記憶部56は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の各種ICメモリ、ハードディスク、またはCD−ROM等の情報記録装置およびその読取装置等によって実現される。記憶部56は、画像取得部51が取得した製品の画像データの他、検査装置5が有する種々の機能を実行させるためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等を記憶する。このようなデータとして、例えば第1画像処理部54が第1の画像処理を行う際に用いる各種パラメータや、良否判定部55が製品の良否判定を行う際に用いる各種パラメータ等を挙げることができる。
制御部57は、演算および制御機能を有するCPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサを用いて実現される。制御部57は、記憶部56が記憶する各種プログラムや各種データを記憶部56から読み出し、検査装置5を構成する各部への指示やデータの転送等を行い、検査装置5の全体の動作を統括して制御する。
つぎに、工程診断装置3の構成を説明する。工程診断装置3は、検査装置5との間で情報の送受信を行う送受信部31と、各種情報の入力を受け付ける入力部32と、送受信部31が検査装置5から受信した画像データに対して工程診断の際に必要な画像処理(第2の画像処理)を行う第2画像処理部(計測値算出用画像処理部)33と、第2画像処理部33が行った画像処理の結果をもとにデータ解析を行うデータ解析部34と、データ解析部34が行った解析結果を工程診断結果として表示する表示部35と、データ解析部34による解析結果を含む各種情報を記憶する記憶部36と、工程診断装置3の動作を統括して制御する制御部37とを有する。
データ解析部34は、画像計測値と工程稼働情報および/または良否判定情報との対応づけを行い、対応づけたデータを頻出パターン抽出、クラス分類、回帰分析、クラスタリングなどのうち少なくとも1つ以上を用いたデータマイニング手法を用いたデータ解析を行うことによって製造工程2を診断する。
表示部35は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを有する。なお、工程診断装置3が表示部35を有する代わりに、外部の表示装置と接続可能な構成としてもよい。
記憶部36は、検査装置5から送られてくる画像データ、工程稼働情報および良否判定情報を記憶する。また、記憶部36は、第2画像処理部33が算出した画像計測値およびデータ解析部34によるデータ解析結果を記憶する。記憶部36は、ROMおよびRAM等の各種ICメモリ、ハードディスク、またはCD−ROM等の情報記録装置およびその読取装置等によって実現される。記憶部36は、工程診断装置3が有する種々の機能を実行させるためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等を記憶する。このようなデータとして、例えば第2画像処理部33が第2の画像処理を行う際に用いる各種パラメータや、データ解析部34がデータマイニングを実行する際に用いる各種パラメータ等を挙げることができる。
記憶部36が記憶する工程診断プログラム等の各種プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも可能である。また、各種プログラムの記憶部36または記録媒体への記録は、コンピュータまたは記録媒体を製品として出荷する際に行ってもよいし、通信ネットワークを介したダウンロードにより行ってもよい。
制御部37は、演算および制御機能を有するCPU等の汎用プロセッサを用いて実現される。制御部37は、記憶部36が記憶する各種プログラムや各種データを記憶部36から読み出し、工程診断装置3を構成する各部への指示やデータの転送等を行い、工程診断装置3の全体の動作を統括して制御する。
以上の構成を有する工程診断装置3は、1つのコンピュータを用いて実現してもよいし、複数のコンピュータを用いて実現してもよい。後者の場合には、通信ネットワークを介してデータの送受信を行いながら、互いに連携して処理を行うようにすることも可能である。なお、ここでいうコンピュータは、例えば汎用のパーソナルコンピュータやサーバ等によって構成することができる。
図3は、製品の一例である中空糸膜モジュールの構成を示す断面図である。同図に示す中空糸膜モジュール100は、筒状のケース101と、複数の中空糸膜が束化されてケース101に挿入される中空糸膜束102と、中空糸膜束102の長手方向の両端部をそれぞれ固定する樹脂(ポッティング剤)からなる固定部103および104と、ケース101の長手方向の両端部にそれぞれ取り付けられるヘッダ105および106と、を有する。ケース101の長手方向の両端部には、ケース101の径方向に互いに平行に延在する中空糸膜外側ノズル111および112が形成される。中空糸膜外側ノズル111が処理液注入口であるとすると、中空糸膜外側ノズル112は処理液排出口である。ヘッダ105には中空糸膜内側入口151が形成され、ヘッダ106には中空糸膜内側出口161が形成される。
以上の構成を有する中空糸膜モジュール100を製造する製造工程は、中空糸膜束102を構成する中空糸膜を製造する製糸工程と、中空糸膜束102をケーシングしてその長手方向の両端部を樹脂によって封止する封止工程と、樹脂による封止後の中空糸膜束102の両端面の均一性を担保するためにその両端面を長手方向と直交する方向に切断するカッター工程と、ケース101の両端部にヘッダ105、106をそれぞれ取り付けることによって中空糸膜モジュール100を組み立てる組立工程とを含む。このような中空糸膜モジュール100の製造工程2は、1ラインに複数台の装置を組み合わせた製造装置群4を用いて大量生産を行う。このため、中空糸膜モジュール100の製造工程2は、複雑でロット数が多い構成を有している。
以下、製造工程2においてカッター工程によって切断された端面の表面状態に対して検査装置5が良否判定を行う場合を例にとって説明する。図4は、カッター工程終了後の中空糸膜束102の切断された端面の状態を画像取得部51が撮像した画像を模式的に示す図である。同図に示す端面画像120には、ケース101、中空糸膜束102、および固定部103が表示されている。端面画像120における中空糸膜束102の内周側には、正常な中空糸膜である正常糸121のほか、端面において樹脂が埋まっている中空糸膜である不通糸122や、外力により断面がつぶれたつぶれ123が映っている。また、中空糸膜束102の外周側には、中空糸膜束102から外れているはぐれ糸124、および何らかの原因によって混入した異物125が映っている。
この場合、第1画像処理部54は、画像取得部51が取得した画像データに対して、製品の良否判定に必要な情報として、不通糸122およびつぶれ123の本数、ならびに異物125の個数を第1の画像処理によって検出し、それぞれの発生数をカウントして記憶部56に記憶させる。なお、第1画像処理部54は、良否判定用として、中空糸膜の扁平、汚れ等を抽出してもよい。
良否判定部55は、第1画像処理部54が算出した不通糸およびつぶれの本数、ならびに異物の個数をもとに良否判定を行う。この際、良否判定部55は、例えば全ての異常の数の合計が所定の閾値を超えた場合に不良と判定してもよいし、不通糸、つぶれ、および異物に対して個別に設定した閾値を少なくとも1つ超えた場合に不良と判定してもよい。なお、不通糸を判定する技術として、例えば特開2008−32601号公報が開示されている。
図5は、検査装置5の記憶部56が記憶する工程稼働情報および良否判定情報の概要を示す図である。同図に示すテーブル200には、製造番号ごとに工程稼働情報201と良否判定情報202が対応づけて記憶されている。工程稼働情報201は、乾燥温度、露光時間、露光機番号、および挿入機番号などを含む。また、良否判定情報202は、不通糸およびつぶれの本数と、異物の個数と、良否判定部55による良否判定結果とを含む。図5に示す場合、良否判定結果は、良品を○、不良品を×で記載している。なお、良否判定部55が良品と判定した場合には良否判定結果を記憶部56に記憶させないようにしてもよい。
製品が中空糸膜モジュールである場合、工程診断装置3の第2画像処理部33は、画像計測値として、正常糸の本数、中空糸膜束の重心座標および糸密度、不通糸の座標および集中エリア、つぶれの方向性、座標および集中エリア、はぐれの本数、座標および集中エリア、異物の座標および形状、樹脂部分の輝度の最大値、最小値またはばらつき、ケース部分の輝度の最大値、最小値またはばらつき、ケース部分の形状、重心座標および形状、ならびにケースと中空糸膜束の重心位置のずれ等の情報の一部または全部を計測する。このように、第2画像処理部33は、中空糸膜束の切断された端面を撮像した画像データから、中空糸膜部分以外の樹脂部分とケース部分とを切り分けて認識することによって識別し、それぞれの部分から得た輝度や面積の情報を画像計測値として数値化する。これにより、専用の測定器やセンサを設けることなく樹脂部分やケース部分の表面状態に関する情報を得ることができる。
図6は、検査装置5が行う処理の概要を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、画像取得部51が製造装置群4における1つの箇所の画像データを取得して、その画像データをもとに製品の検査を行う場合を示している。なお、検査装置5は、製造装置群4から工程稼働情報を逐次受信して記憶部56に記憶しているものとする。
まず、画像取得部51は、製品の画像データを取得して記憶部56に書き込んで記憶させる(ステップS1)。
続いて、制御部57は、記憶部56から画像データを読み出し、読み出した画像データを、送受信部52を介して工程診断装置3へ送信する制御を行う(ステップS2)。
この後、第1画像処理部54は、取得した画像データに対して第1の画像処理を行う(ステップS3)。例えば、製品が中空糸膜モジュールであり、かつ画像取得部51がカッター工程後の画像を取得する場合、第1画像処理部54は、不通糸およびつぶれの本数、ならびに異物の個数を抽出する。
続いて、良否判定部55は、第1の画像処理の結果に基づいて良否判定を行う(ステップS4)。例えば、製品が中空糸膜モジュールである場合、良否判定部55は、不通糸およびつぶれの本数、ならびに異物の個数をそれぞれの閾値と比較して良否判定を行う。
良否判定部55が製品を良品であると判定した場合(ステップS5:Yes)、検査装置5はステップS6へ移行する。一方、良否判定部55が製品を不良品と判定した場合(ステップS5:No)、検査装置5はステップS8へ移行する。
ステップS6において、検査装置5は、製造装置群4の該当装置に対して、製品を下流側へ通過させる信号を送信する(ステップS6)。続いて、制御部57は、記憶部56に製品の良否判定結果の情報を記憶させる(ステップS7)。なお、ステップS6とステップS7の処理の順序はこれに限られない。すなわち、ステップS6とステップS7を逆の順序で行ってもよいし、並行して行ってもよい。
ステップS7の後、制御部57は、記憶部56から工程稼働情報および良否判定情報を読み出し、読み出した工程稼働情報および良否判定情報を、送受信部52を介して工程診断装置3へ送信する制御を行う(ステップS9)。
ステップS8において、検査装置5は、製造装置群4の該当装置に対して、製品を排出させる指示信号を送信する(ステップS8)。その後、検査装置5は、ステップS7へ移行する。この場合にも、ステップS8とステップS7の処理の順序を逆にして行ってもよいし、並行して行ってもよい。
なお、上述したステップS1において、画像取得部51が取得した画像データを記憶部56へ記憶させることなく、工程診断装置3へ送信するようにしてもよい。
また、検査装置5は、製造装置群4から受信した工程稼働情報を記憶部56で記憶しなくてもよい。この場合、検査装置5は、製造装置群4から工程稼働情報を受信するたびに、受信した工程稼働情報を工程診断装置3へ送信するようにすればよい。
検査装置5が工程稼働情報を記憶部56で記憶しない場合、検査装置5は、受信した工程稼働情報を、ネットワークを介して検査装置5および工程診断装置3と通信可能に接続されるデータベース等の外部装置へ送信するようにしてもよい。この場合、工程診断装置3は、その外部装置に対して工程稼働情報を要求し、その要求に対する返信として工程稼働情報を取得することとなる。
図7は、工程診断装置3が行う工程診断処理の概要を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、検査装置5の画像取得部51が取得した画像データをもとに算出した画像計測値と工程稼働情報および/または良否判定情報とを用いてデータマイニングにより工程診断を行う場合を示している。
第2画像処理部33は、製品の画像データを記憶部36から読み出して第2の画像処理を行うことにより、画像計測値を算出する(ステップS11)。製品が中空糸膜モジュールである場合の画像計測値は、上述した正常糸の本数、中空糸膜束の重心座標および糸密度等の一部または全部である。
続いて、制御部37は画像計測値を、検査装置5から送られてきた工程稼働情報および良否判定情報と対応づける(ステップS12)。
その後、データ解析部34は、画像計測値、工程稼働情報および良否判定情報を用いたデータマイニングを実行することにより、製造工程2の工程診断を行う(ステップS13)。図8および図9A〜図9Cは、データ解析部34が行うデータマイニングの概要を模式的に示す図である。具体的には、製品が中空糸膜モジュールである場合にデータ解析部34が行うデータマイニングの概要を模式的に示す図である。
図8に示す糸密度曲線301は、第2画像処理部33が算出する画像計測値が中空糸膜束の糸密度である場合に製造番号と中空糸膜束の糸密度との関係を示すグラフである。同図に示す糸密度曲線301においては、製造番号が大きい領域311において糸密度の低下が発生している。
図9A〜図9Cは、データ解析部34が製品の異常と不良との因果関係を検証するための処理を模式的に示すグラフであり、画像データを取得した装置ごとの糸密度と製造番号との関係を示すグラフである。図9A〜図9Cは、それぞれ糸密度と製造番号との関係を、第3プロセスの第1装置431〜第3装置433に切り分けて表示したグラフである。なお、図9A〜図9Cにおける製造番号は図8に示す製造番号を3つの装置に分散したものである。
データ解析部34は、生産ロット全体の糸密度の変動に対して最も優位性の高いプロセスおよび装置を診断する。具体的には、データ解析部34は、図9Aに示す糸密度曲線302、図9Bに示す糸密度曲線303および図9Cに示す糸密度曲線304のうち糸密度曲線304に、糸密度曲線301と同様に製造番号が大きい製品に糸密度の低下が発生している領域312があることを検知し、第3装置433が糸密度の変動に対して最も優位性が高い装置であると診断する。
以上説明したステップS13の後、制御部37は、記憶部36から診断結果を参照して診断結果を表示する画面を生成し、生成した画面を表示部35に表示させる(ステップS14)。図10は、表示部35における診断結果の表示例を示す図である。同図に示す診断結果表示画面401は、生産ロット全体の糸密度曲線と、不具合があると診断した第3プロセスの第3装置433の糸密度曲線とを表示して糸密度が低下している領域を囲んで明示するとともに、製造装置群における異常発生位置を明示する表示を行う。このような診断結果表示画面401を生成して表示部35に表示させることにより、ユーザは、中空糸膜束の不具合発生要因を容易にかつ確実に把握することができる。
なお、中空糸膜束の糸密度を画像計測値とする場合において、あらかじめ糸密度の理想的な変動幅がわかっているとき、データ解析部34はその理想的な変動幅を外れた際に異常を検出するようにしてもよい。また、データ解析部34は、生産ロット全体だけではなく、各プロセスまたは各装置の中空糸膜束の糸密度の変動を初めから検出するようにしてもよい。また、データ解析部34は、異なるプロセス、装置、画像計測値を選択し、それらのプロセス、装置、画像計測値に関してそれぞれ工程診断を行ってもよい。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、製造工程で良否判定用に取得された画像データに対して、製造工程を工程診断する際に用いる画像計測値を算出するための画像処理を行い、算出された画像計測値をもとにデータマイニングを実行し、該データマイニングの結果に基づいて製造工程の工程診断を行うため、製造工程において品質に影響を及ぼす要因を早期にかつ自動的に検出することができる。
また、本実施の形態1によれば、検査装置5が取得した画像データから画像計測値を抽出し、それを製品の工程稼働情報および/または製品の良否判定情報と対応づけてデータマイニングを実行することで、良否判定情報だけでは分からない情報を得ることができ、精度の高い製造工程の診断を行うことができる。
また、本実施の形態1によれば、良否判定用とは別に第2画像処理部33がさまざまな画像計測値を算出することで、画像データという確度および感度の高い計測手法を用いて情報を効率的に取得することができる。その結果、データマイニングの負荷も小さくて済む。
これに対して、上述した特許文献1に記載の技術は、画像をパターン認識して扱っているに過ぎない。本実施の形態1は、特許文献1に記載の技術と異なり、パターン認識だけでは抽出できない情報を画像処理技術で数値化、文字化して画像計測値として扱い、不良コードから分る阻害事象だけでなく、画像計測値と工程稼働情報とを関連付けて製造工程の診断を行うことができるという効果を奏する。
また、本実施の形態1は、上述した特許文献2に記載の技術のように、ユーザが画像や要因などを選択しながら共通要因や類似画像を抽出して関係性を検証するというものではない。すなわち、本実施の形態1は、工程診断装置3が、品質に相当する指標に加えて、画像計測値を目的変数としたデータマイニングによる工程診断を自動的に行う。したがって、本実施の形態1によれば、画像計測値、工程稼働情報および良否判定情報を適宜組み合わせたデータマイニングを行うことにより、より詳細な工程診断を実現することができる。
本実施の形態1では、製品の良否判定に無関係な情報を画像計測値として取得することで、データマイニングの精度向上を図っている。例えば、中空糸膜の輝度、座標情報、切断された端面内の中空糸膜束の疎密情報や重心座標情報などは、複数台ある同タイプの製造装置であっても装置間の機差や調整の違いが現れる場合がある。このような場合、本実施の形態1では、製品の画像から算出した画像計測値を用いて装置の変調等に関する定量的な情報を得ることができるため、装置自体に発生している不具合を判断する材料として使用することができる。また、本実施の形態1では、装置の機差や調整の違いに関わる計測値情報と、製品の良否判定結果とを用いてデータマイニングを実行することにより、不良品の発生と装置の状態との間の因果関係の有無をより詳細に診断することができる。具体的には、本実施の形態1によれば、不良が多発するタイミングや発生位置の集中と、装置の変調が起こったタイミングやその変調の仕方との相関性等を判定することができる。この結果、本実施の形態1では、取り扱うデータの種類の増加および複雑化に伴って、品質に影響を及ぼす要因の統計的な解析の精度が上がらず、誤った解析結果を出すことで過剰に良品を除去してしまう、という従来技術の問題点を解決することができる。
また、本実施の形態1によれば、製造条件とは一見無関係と考えられる樹脂やケースなどの輝度、面積情報についてもデータマイニングを行うことで、製造条件の良し悪しを判断することができる。すなわち、本実施の形態1によれば、中空糸膜束の切断された端面を撮像した画像データから、中空糸膜部分以外の樹脂部分とケース部分とを切り分けて認識し、それぞれの部分から得た輝度や面積の情報を画像計測値として数値化することで、専用の測定器やセンサを設けることなく樹脂部分やケース部分の表面状態に関する情報を得ることができる。さらに、本実施の形態1によれば、データマイニングによってこれらの画像計測値の違いから不良要因を発見することができる。
また、本実施の形態1によれば、データマイニングを行った結果、製品の不良要因が発見された場合には、その発見に基づいて工程改善を行うことにより、収率を向上させることができる。また、本実施の形態1によれば、不良要因が発見されなかった場合においても、データマイニングの判断結果から製品の良否判定を行なうことで、検査装置5以外の検査工程を簡略化したり、不良品の生産を止めることで歩留まりを改善したりすることが可能となる。加えて、本実施の形態1によれば、新しい種類の製品を生産する場合においても、不良要因を早急に解析、診断することで、製品の生産条件を確立するまでの時間を大幅に短縮することができる。
また、本実施の形態1によれば、第2画像処理部33が検査装置5の第1画像処理部54と異なる画像処理を行うため、それらの画像処理を一括して行う場合と比較して複雑性を回避することができる。
(実施の形態1の変形例1)
本実施の形態1の変形例1は、データ解析部34が、製品の不良発生数とトレンド類似性を診断する。例えば、製品が中空糸膜モジュールであり、データ解析部34がデータマイニングの結果、図8に示す糸密度曲線301を得たものとする。この場合、本変形例1では、データ解析部34が、第3プロセスの第3装置433と良否判定情報における不良種との類似性を解析する。この際、データ解析部34は、不良種別ごとの製造番号と不良発生数との関係を解析し、糸密度曲線304との類似度を解析することにより、製品の不良発生数とトレンド類似性を診断する。
図11は、本変形例1において、表示部35が表示する診断結果表示画面の表示例を示す図である。同図に示す診断結果表示画面402は、第3プロセスの第3装置433の糸密度曲線304と、第3装置433における不良発生数と製造番号との関係を示す不良発生曲線との類似度を診断結果として表示する。具体的な不良発生曲線は、不通糸に対する不良発生曲線321、つぶれに対する不良発生曲線322および異物に対する不良発生曲線323である。図11に示す場合、糸密度曲線304は製造番号が大きいほど密度の低下が発生している。すなわち、第3装置433では、製造番号が大きいほど不良が多く発生している。この意味で、3つの不良発生曲線321〜323のうち、糸密度曲線304との類似度が最も高いのは、製造番号が大きくなるにつれてトレンドが増加する傾向にある不良発生曲線321である。診断結果表示画面402では、3つの不良発生曲線321〜323のうち最も類似度が高い不良発生曲線321を最も識別しやすい表示態様(図11の場合は実線)で表示する。また、診断結果表示画面402では、不良種別ごとの不良発生曲線と糸密度曲線304との類似度の表もあわせて表示し、最も類似度が高い不通糸の横に星印を記載している。
なお、本変形例1において、データ解析部34は、不良発生数以外に各装置や各装置に設けられたセンサ類から収集した信号値に対するトレンド類似性を解析することによって工程診断を行ってもよい。この際には、相関ルール抽出、回帰分析、クラス分類、クラスタリング等のデータマイニング手法を用いることも可能である。
(実施の形態1の変形例2)
本実施の形態1の変形例2は、データ解析部34が、製品における不良発生箇所をより詳細に分析する。例えば、製品が中空糸膜モジュールであり、データ解析部34がデータマイニングの結果、図8に示す糸密度曲線301を得たものとする。この場合、本変形例2では、データ解析部34が、中空糸膜束の切断された端面を互いに等しい面積を有する4つの領域へ分割し、各領域における糸密度曲線の糸密度曲線301への寄与度を解析することによって不良発生箇所を診断する。
図12は、本変形例2において、表示部35が表示する診断結果表示画面の表示例を示す図である。同図に示す診断結果表示画面403は、第3プロセスの第3装置433の糸密度曲線304と、領域別の糸密度曲線331〜334と、中空糸膜束102の端面における4つの領域1〜4とを図示している。糸密度曲線331〜334は、それぞれ領域1〜4における糸密度曲線である。図12に示す場合、糸密度曲線334が糸密度曲線304と類似している。このため、診断結果表示画面403では、糸密度曲線304との類似度が最も高い糸密度曲線、換言すれば最も寄与度が大きい糸密度曲線である糸密度曲線334を最も識別しやすい表示態様(図12の場合は実線)で表示するとともに、中空糸膜束102の端面において糸密度曲線334に対応する領域3を他の領域1、2および4と識別可能に表示する。
なお、本変形例2において、領域別の結果に基づいて変形例1と同様の診断を行ってもよい。また、本変形例2において、分割する座標領域は対象に応じて任意に変更してもよい。このように、データ解析部34が中空糸膜束の端面上で任意の領域に分割し、各領域における糸密度を解析することで、より詳細な変動の位置傾向や方向性に関する情報を得ることができ、この情報にもとづいた装置との因果関係の診断あるいは工程改善が可能となる。
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2に係る工程診断システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態2においては、工程診断装置が検査装置の機能も兼ね備えている。このため、本実施の形態2においては、検査装置における良否判定と、工程診断装置におけるデータ解析を並行して行うことができる。以下の説明において、実施の形態1で説明したものと同様の機能を有する構成要素には、実施の形態1と同様の符号を付して説明する。
図13に示す工程診断システム1Aは、製造工程6に製造装置群4および工程診断装置7を備える。工程診断装置7は、画像取得部51と、送受信部31と、入力部32と、第1画像処理部54と、第2画像処理部33と、良否判定部55と、データ解析部34と、表示部35と、記憶部71と、制御部72とを有する。
記憶部71は、実施の形態1で説明した工程診断装置3の記憶部36および検査装置5の記憶部56と同様の情報を記憶する。ただし、記憶部71は、制御部72の制御のもと、画像取得部51が取得した画像データを一時的に記憶するようにして、データ解析部34によるデータ解析が終了した後は削除するようにしてもよい。記憶部71は、上述した記憶部36と同様、ROMやRAMを用いて実現される。
制御部72は、第1画像処理部54の処理と第2画像処理部33の処理を並行して実行する制御を行う。制御部72は、上述した制御部37と同様、CPU等を用いて実現される。
以上の構成を有する工程診断装置7は、画像取得部51を除いて、1つのコンピュータを用いて実現してもよいし、複数のコンピュータを用いて実現してもよい。後者の場合には、通信ネットワークを介してデータの送受信を行いながら、互いに連携して処理を行うようにすることも可能である。
図14は、工程診断装置7が行う工程診断処理の概要を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、工程診断装置7の画像取得部51が製造装置群4における1つの箇所の画像データを取得して、その画像データをもとに製品の検査を行う場合を示している。
まず、画像取得部51は、製品の画像データを取得して記憶部71に書き込んで記憶させる(ステップS21)。
続くステップS22〜S27の処理は、図6で説明したステップS3〜S8の処理に順次対応している。
ステップS22〜S27の処理と並行して、第2画像処理部は、製品の画像データを記憶部71から読み出して第2の画像処理を行うことにより、画像計測値を算出する(ステップS28)。
ステップS22〜S27の処理およびステップS28の処理の後、工程診断装置7が実行するステップS29〜S31の処理は、図7で説明したステップS12〜S14の処理に順次対応している。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態2によれば、第1の画像処理と第2の画像処理を並行して行うことができるため、ユーザはほぼリアルタイムで診断結果を把握することができ、一段と早期に製造工程6の不具合を発見することが可能となる。
また、本実施の形態2によれば、画像の取得と工程診断を1つの装置内で行うため、データ容量に対してデータ転送能力が劣るなどの理由によりデータ容量を下げたり転送する画像データの数を間引いたりする必要がない。したがって、本実施の形態2によれば、全ての画像情報を有効に取り扱うことが可能となる。
また、本実施の形態2によれば、製造工程6に既設の検査装置を改良するだけで工程診断装置7を実現することができる。加えて、本実施の形態2によれば、データ解析部34を既存の検査装置へ組み入れることによって実現することができるため、データマイニングの結果によって製造条件を変更する必要が生じた場合などは、より短時間で条件変更を反映させることができ、収率改善の効果をより大きくすることができる。
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、製品として、中空糸膜に代わる糸状体として、中空糸膜よりも製造が容易である中実糸を複数備えた中実糸束を用いて形成される中実糸モジュールを適用してもよい。もちろん、本発明で適用される製品は、糸状体のモジュールに限定されるものではない。
本発明は、画像検査を用いたさまざまな製品の製造工程の工程診断に利用することができる。特に、本発明は、医療用の中空糸膜モジュール(人工透析器)や、水処理用の中空糸膜モジュール(下排水処理装置、浄水器等)等の製造工程における工程診断に利用することができる。
1、1A 工程診断システム
2、6 製造工程
3、7 工程診断装置
4 製造装置群
5 検査装置
33 第2画像処理部
34 データ解析部
35 表示部
36、56、71 記憶部
37、57、72 制御部
51 画像取得部
54 第1画像処理部
55 良否判定部
100 中空糸膜モジュール
101 ケース
102 中空糸膜束
103、104 固定部
120 端面画像
121 正常糸
122 不通糸
123 つぶれ
125 異物
201 工程稼働情報
202 良否判定情報
401、402、403 診断結果表示画面

Claims (12)

  1. 製品の製造工程を診断する工程診断装置であって、
    前記製造工程で良否判定用に取得された画像データに対して画像処理を行うことにより、前記製造工程を工程診断する際に用いる画像計測値を算出する計測値算出用画像処理部と、
    前記計測値算出用画像処理部が算出した画像計測値を用いてデータマイニングを実行することによって前記製造工程の工程診断を行うデータ解析部と、
    を備えたことを特徴とする工程診断装置。
  2. 前記データ解析部は、
    前記製造工程における工程稼働情報および前記製品の良否判定情報の少なくともいずれか一方をさらに用いて前記データマイニングを実行することを特徴とする請求項1に記載の工程診断装置。
  3. 前記データ解析部は、
    相関ルール抽出、回帰分析、クラス分類およびクラスタリングのうち少なくとも1つの手法により前記データマイニングを実行することを特徴とする請求項1または2に記載の工程診断装置。
  4. 前記製造工程が有する製造装置群を構成する複数の装置またはプロセスのいずれかの下流に設けられて前記画像データを取得する画像取得部と、
    前記画像取得部が取得した画像データに対して良否判定を行うための画像処理を行う良否判定用画像処理部と、
    前記良否判定用画像処理部が行った画像処理に基づいて前記製品の良否判定を行う良否判定部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の工程診断装置。
  5. 前記良否判定用画像処理部および前記良否判定部の処理と、前記計測値算出用画像処理部の処理とを並行して行わせる制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の工程診断装置。
  6. 前記製品は、筒状のケースと、該ケースに収容された糸状物と、前記糸状物の長手方向の端部を固定する固定部とを有するモジュールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の工程診断装置。
  7. 前記糸状物が、中空糸膜または中実糸であることを特徴とする請求項6に記載の工程診断装置。
  8. 前記計測値算出用画像処理部は、
    前記モジュール内の前記糸状物の配置情報または形状情報を前記画像計測値として算出することを特徴とする請求項6または7に記載の工程診断装置。
  9. 前記計測値算出用画像処理部は、
    前記画像データに対して前記糸状物と、前記ケースと、前記固定部とを識別する処理を行い、前記糸状物、前記ケースおよび前記固定部それぞれの特徴量を前記画像計測値として算出することを特徴とする請求項6または7記載の工程診断装置。
  10. 前記データ解析部が行った工程診断の結果を表示する表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の工程診断装置。
  11. 製品の製造工程を診断する工程診断装置が行う工程診断方法であって、
    前記製造工程で良否判定用に取得された画像データを記憶部から読み出して該画像データに対して画像処理を行うことにより、前記製造工程を工程診断する際に用いる画像計測値を算出する計測値算出用画像処理ステップと、
    前記計測値算出用画像処理ステップで算出した画像計測値を用いてデータマイニングを実行することによって前記製造工程の工程診断を行うデータ解析ステップと、
    を有することを特徴とする工程診断方法。
  12. 製品の製造工程を診断する工程診断装置に、
    前記製造工程で良否判定用に取得された画像データを記憶部から読み出して該画像データに対して画像処理を行うことにより、前記製造工程を工程診断する際に用いる画像計測値を算出する計測値算出用画像処理ステップと、
    前記計測値算出用画像処理ステップで算出した画像計測値を用いてデータマイニングを実行することによって前記製造工程の工程診断を行うデータ解析ステップと、
    を実行させることを特徴とする工程診断プログラム。
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