JP2008032497A - 温度検出回路およびその補正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出用ダイオード2と、温度検出用ダイオード2からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路5と、を温度検出回路1に具備し、かつ、パルス密度変調回路5が出力するパルス信号の密度が、温度検出用ダイオード2を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、温度検出用ダイオード2を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となるように温度検出回路1を構成した。
【選択図】図1
Description
よって、従来は温度検出回路を用いてパワー半導体の温度を検出し、当該検出された温度に基づいて、パワー半導体が所定の温度を超える前に予め駆動を停止または制限することにより、パワー半導体の破損等を防止する。
温度検出回路の検出誤差は、(1)温度検出素子たるダイオード自体の検出信号(通常はアナログ信号)の強度(電圧)の誤差、(2)温度検出素子からのアナログ信号からパルス信号への変換に伴う誤差、(3)温度検出回路から外部(制御回路等)への伝達時(特に、フォトカプラの入出力時)の誤差、等で構成される。
このうち、(1)温度検出素子たるダイオード自体の検出信号の強度の誤差は、主としてダイオードの形成時におけるドーパントの濃度等のバラツキにより生じるが、同一の個体における検出誤差、すなわち検出温度と実際の保持温度との差には温度依存性が無いため、制御側での補正が比較的容易である。
温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路と、
を具備し、
前記パルス密度変調回路が出力するパルス信号の密度は、前記温度検出素子を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、前記温度検出素子を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となるものである。
温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路と、
を具備する温度検出回路において、
前記パルス密度変調回路が出力するパルス信号の密度を、
前記温度検出素子を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、前記温度検出素子を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となるように構成した温度検出回路の補正方法であって、
前記温度検出回路を補正温度に保持する補正温度保持工程と、
前記補正温度に保持された温度検出回路からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、前記使用温度に保持された温度検出回路からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じであるとみなして前記誤差成分の補正を行う出力信号補正工程と、
を具備するものである。
なお、本発明に係る温度検出回路による温度の検出対象はパワー半導体に限られず、種々の対象の温度を検出することが可能である。
温度検出ダイオード2は温度検出回路1による温度検出の対象物であるパワー半導体上に形成される。温度検出ダイオード2のアノードは抵抗3の一端に接続され、温度検出ダイオード2のカソードはグラウンドに接続される。また、抵抗3の他端は基準電圧に接続される。
従って、抵抗3および温度検出ダイオード2の抵抗比に応じた基準電圧の分圧が、温度検出信号としてコンパレータ6の非反転入力端子に入力される。
温度検出ダイオード2の参照温度検出素子に限らず、一般に温度検出ダイオード2等のダイオードは、温度の上昇に伴い出力が低下する。
ここで、「参照用温度検出素子」は、製造工程に起因する品質のバラツキを包含しない温度検出素子を指すものとする。
本実施例の場合、温度検出ダイオード2の参照用検出素子を25℃に保持したときの出力電圧(コンパレータ6の非反転入力端子への入力電圧)は1.2Vであり、150℃に保持したときの出力電圧は0.8Vである。
ここで、「パルス密度変調方式」は、入力されたアナログ信号を、その振幅に比例するパルス密度を有するパルス信号に変換して出力する方式を指すものとする。
本実施例の場合、パルス密度変調回路5は温度検出ダイオード2からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力する。
コンパレータ6の非反転入力端子には温度検出ダイオード2からの温度検出信号が入力され、コンパレータ6の反転入力端子にはフィードバック回路8からのフィードバック信号が入力される。また、コンパレータ6の出力端子はパルス信号生成回路7の入力端子に接続される。
パルス信号生成回路7が出力するパルス信号は、コンパレータ6からの出力信号の電圧の平均値に比例する密度を有する。
図3の(a)および図3の(c)に示す如く、クロック周期中において、パルス密度が10%のときにパルス信号生成回路7から出力されるパルス信号と、パルス密度が90%のときにパルス信号生成回路7から出力されるパルス信号と、を比較すると、ちょうどHi信号とLo信号が入れ替わったものとなっている。
従って、クロック周期中において、パルス信号がHi信号からLo信号に切り替わる回数とLo信号からHi信号に切り替わる回数との合計は、パルス密度が10%のときとパルス密度が90%のときとは、同じ(図3の(a)および図3の(c)に示す例の場合、2回)である。
さらに、図3の(b)に示す如く、クロック周期中において、パルス密度が50%のときにパルス信号生成回路7から出力されるパルス信号がHi信号からLo信号に切り替わる回数およびLo信号からHi信号に切り替わる回数の合計(図3の(b)に示す例の場合、10回)は、パルス密度が0%から100%の範囲のうち、最も多くなる。
MOSFET17のソース端子はグラウンドに接続され、MOSFET17のドレイン端子はフォトカプラ18の入力端子に接続される。また、MOSFET17のゲート端子はパルス信号生成回路7の出力端子に接続される。MOSFET17のドレイン端子とフォトカプラ18の入力端子との間には、抵抗19を介して基準電圧(電源)が接続される。
MOSFET17は、パルス信号生成回路7からの出力信号がHi信号であるときにはゲートが開き、パルス信号生成回路7からの出力信号がLo信号であるときにはゲートが閉じる。
フォトカプラ18は、発光ダイオード18a、フォトダイオード18b、トランジスタ18cを具備する。
発光ダイオード18aのアノードはフォトカプラ18の入力端子側に接続され、カソードはグラウンドに接続される。発光ダイオード18aはMOSFET17からの出力信号がオン信号のときに発光する。
フォトダイオード18b、トランジスタ18cは合わせてフォトトランジスタを形成する。フォトダイオード18bのアノードはトランジスタ18cのベースに接続され、フォトダイオード18bのカソードはフォトカプラ18の出力端子に接続される。トランジスタ18cのエミッタはグラウンドに接続され、トランジスタ18cのコレクタはフォトカプラ18の出力端子に接続される。フォトカプラ18の出力端子には抵抗20を介して基準電圧(電源)が接続される。
フォトダイオード18bは、発光ダイオード18aが発する光を受光するとフォトダイオード18bのアノード−カソード間に起電力を発生する。その結果、トランジスタ18cのエミッタ−コレクタの間が通電され、フォトカプラ18の出力端子から出力信号が出力される。
そして、これらのタイムラグは、MOSFET17やフォトカプラ18等を構成する半導体素子(ダイオード)の性質上、オンになるときとオフになるときとではその長さが異なる。従って、MOSFET17やフォトカプラ18からの出力信号は、入力信号と比較すると単に時間軸に対してシフトするものではなく、出力信号が「Hi」の状態を保持している時間、および出力信号が「Lo」の状態を保持している時間に誤差を含むものとなる。よって、クロック周期内のMOSFET17やフォトカプラ18等のスイッチング素子のスイッチング回数が多いほど出力信号に上記「誤差」が累積し、出力信号に占める誤差成分の割合が大きくなる。
また、パルス密度がX%のときとパルス密度が(100−X)%のときには、MOSFET17やフォトカプラ18が当該パルス信号を受けてクロック周期中にスイッチングする回数が同じであるため、当該スイッチング素子の出力信号に含まれる誤差、ひいては温度検出誤差も同じである。
フィードバック回路8は主としてスイッチ9、設定回路10、LPF14等を具備する。
スイッチ9は二つの端子9a・9bを備え、パルス信号生成回路7から入力されるパルス信号がHi信号である場合には端子9aと設定回路10の高圧側出力端子10aとを接続し、パルス信号生成回路7から入力されるパルス信号がLo信号である場合には端子9bと設定回路10の低圧側出力端子10bとを接続する。
ここで、高圧側出力端子10aの電位が「温度検出ダイオード2の参照温度検出素子を(温度検出ダイオード2に代えて温度検出回路1に設けた状態で)補正温度に保持したときの温度検出信号と同じ電圧」となり、かつ、低圧側出力端子10bの電位が「温度検出ダイオード2の参照温度検出素子を(温度検出ダイオード2に代えて温度検出回路1に設けた状態で)使用温度に保持したときの温度検出信号と同じ電圧」となるように、基準電圧および第一抵抗11・第二抵抗12・第三抵抗13の抵抗の比が定められる。
また、「使用温度」は本発明に係る温度検出回路の実際の使用時に特に温度の検出精度が要求される温度域に含まれる温度を指す。
なお、本発明に係る使用温度は150℃に限定されず、温度検出回路による温度検出の対象物に応じて適宜選択することが可能である。また、補正温度も室温(25℃)に限定されず、製造工程等の状況に応じて適宜選択することが可能である。
スイッチ9が切り替わるタイミングはパルス信号生成回路7から入力されるパルス信号がHi信号からLo信号へ切り替わるタイミングおよびLo信号からHi信号へ切り替わるタイミングに同期する。
そのため、スイッチ9からLPF14を経てコンパレータ6に帰還されるフィードバック信号の電圧の平均値はパルス信号生成回路7から出力されるパルス信号のパルス密度に対応する「温度検出ダイオード2の参照温度検出素子の温度検出信号の強度」に一致し、コンパレータ6からの出力信号の電圧の平均値が当該フィードバック信号の電圧の平均値と一致するようにフィードバック制御が行われる。
すなわち、温度検出ダイオード2を補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、温度検出ダイオード2を使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となる。
なお、パルス信号生成回路7のクロック周波数は、パルス信号生成回路7から出力されるパルス信号に含まれる誤差成分のうち、非対称な成分を低減する観点から、LPF14を通過するフィードバック信号の周波数よりも十分に大きくすることが望ましい。
温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出用ダイオード2と、
温度検出用ダイオード2からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路5と、
を具備し、
パルス密度変調回路5が出力するパルス信号の密度は、
温度検出用ダイオード2を所定の補正温度(25℃)に保持したときのパルス信号の密度(X%)と、温度検出用ダイオード2を所定の使用温度(150℃)に保持したときのパルス信号の密度((100−X)%)と、の和が100%となるものである。
このように構成することにより、温度検出回路1を補正温度に保持したときに温度検出回路1から出力される信号に含まれる誤差成分の大きさと、温度検出回路1を使用温度に保持したときに温度検出回路1から出力される信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じとなる。
従って、温度検出回路1を補正温度に保持したときの出力信号に基づいて、使用温度における温度検出回路1の出力信号の検出誤差、ひいては使用温度における検出温度の誤差を精度良く推定することが可能である。
その結果、温度検出回路1は、その検出温度の誤差を補正する段階において実際に使用温度に保持する必要が無く、製造時の生産性に優れるとともにエネルギーコストの削減に寄与し、ひいては製造コストの削減に寄与する。
補正温度を室温とするものである。
このように構成することにより、温度検出回路1の製造工程の環境温度を室温に設定することにより、温度検出回路1温度検出回路について別途加熱・冷却等の温度調整をせずとも、使用温度における温度検出回路1の検出温度の誤差を精度良く補正することが可能である。
従って、製造時の生産性に優れるとともにエネルギーコストの削減に寄与し、ひいては製造コストの削減に寄与する。
本実施例の場合、補正温度を室温(25℃)に設定していることから、特に温度検出回路1を加熱・冷却せずとも温度検出回路1を補正温度に保持することができる。
補正温度保持工程S100が終了したら、出力信号補正工程S200に移行する。
より具体的には、まず、温度検出回路1を補正温度(25℃)に保持した状態における温度検出回路1の出力信号のパルス密度(X%と仮定する)を検出する。
次に、温度検出回路1の出力信号のパルス密度が(100−X)%のときには温度検出回路1が使用温度(150℃)となるとみなす。
そして、(パルス密度,検出温度)=(X,25),(100−X,150)の二点を用いて温度検出回路1の制御側(本実施例の場合、IGBTの制御回路)における温度検出回路1の出力信号のパルス密度と検出温度の関係式を補正する。当該関係式の最も簡便な例としては、検出温度を縦軸、パルス密度を横軸とする一次関数が挙げられる。
温度検出回路1の補正方法であって、
温度検出回路1を補正温度(25℃)に保持する補正温度保持工程S100と、
補正温度(25℃)に保持された温度検出回路1からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、使用温度に保持された温度検出回路1からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じであるとみなして前記誤差成分の補正を行う出力信号補正工程S200と、
を具備するものである。
このように構成することにより、温度検出回路1は、その検出温度の誤差を補正する段階において実際に使用温度に保持する必要が無く、製造時の生産性に優れるとともにエネルギーコストの削減に寄与し、ひいては製造コストの削減に寄与する。
補正温度を室温とするものである。
このように構成することにより、温度検出回路1の製造工程の環境温度を室温に設定することにより、温度検出回路1について別途加熱・冷却等の温度調整をせずとも、使用温度における温度検出回路1の検出温度の誤差を精度良く補正することが可能である。
従って、製造時の生産性に優れるとともにエネルギーコストの削減に寄与し、ひいては製造コストの削減に寄与する。
2 温度検出用ダイオード
5 パルス密度変調回路
Claims (4)
- 温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路と、
を具備し、
前記パルス密度変調回路が出力するパルス信号の密度は、
前記温度検出素子を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、前記温度検出素子を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となることを特徴とする温度検出回路。 - 前記補正温度を室温とすることを特徴とする請求項1に記載の温度検出回路。
- 温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路と、
を具備する温度検出回路において、
前記パルス密度変調回路が出力するパルス信号の密度を、
前記温度検出素子を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、前記温度検出素子を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となるように構成した温度検出回路の補正方法であって、
前記温度検出回路を補正温度に保持する補正温度保持工程と、
前記補正温度に保持された温度検出回路からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、前記使用温度に保持された温度検出回路からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じであるとみなして前記誤差成分の補正を行う出力信号補正工程と、
を具備することを特徴とする温度検出回路の補正方法。 - 前記補正温度を室温とすることを特徴とする請求項3に記載の温度検出回路の補正方法。
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