JP2008031938A - 遠心式ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】製作コストを上げることなく、遠心式ポンプにおける低流量運転時のシュラウド側羽根前縁付近の負圧面側における流れの剥離を抑制することが可能で、広範な流量域で遠心式ポンプを安定に動作させることを可能とする遠心式ポンプを提供することを目的とする。
【解決手段】ケーシングと、このケーシング内に収容され、1枚の板状部材の長手方向の各位置が所定の角度になるように折り曲げて作成した羽根3を、スポット溶接によりシュラウドとハブの間に周方向に沿って複数枚配置した遠心式羽根車とを有する遠心式ポンプにおいて、主流の流れ方向上流側に当たる前記羽根の前縁部8に切り込みを入れて2つに分割したことを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】ケーシングと、このケーシング内に収容され、1枚の板状部材の長手方向の各位置が所定の角度になるように折り曲げて作成した羽根3を、スポット溶接によりシュラウドとハブの間に周方向に沿って複数枚配置した遠心式羽根車とを有する遠心式ポンプにおいて、主流の流れ方向上流側に当たる前記羽根の前縁部8に切り込みを入れて2つに分割したことを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、前記羽根車に取り付けてある複数枚の羽根がそれぞれ1枚の板状部材から製作される遠心式ポンプに関するものである。
従来、流体の圧送に用いられるポンプとして遠心式ポンプがある。
この遠心式ポンプは、他の方式のポンプと比較すると比較的大きな揚程を得る事が出来るため、地下に貯水槽を有するビルやマンションといった高層建造物の給水系として利用されている。
この遠心式ポンプは、他の方式のポンプと比較すると比較的大きな揚程を得る事が出来るため、地下に貯水槽を有するビルやマンションといった高層建造物の給水系として利用されている。
このような給水系として用いられる遠心式ポンプの羽根車は、ポンプ羽根車の腐食による赤水発生を防止するため、腐食に強いステンレス材が用いられている。この羽根車の制作にあたっては、ハブ,シュラウド,羽根車をそれぞれ部品毎に別々にステンレス鋼の板金から作成し、ステンレス鋼をプレス加工により所定の形状に変形させてからスポット溶接により接合するというものである。このような手法によって製造されているため低コストな遠心式羽根車が得られる。
ところで、給水系に用いられる前記遠心式ポンプは、地下式貯水槽などの低所から吸い上げ運転を行う場合吐出流量が少ない締め切り運転点付近で運転を行うと、図9に示すように羽根車に取り付けられた羽根入口に流入する流体の流入角β1は、流量即ちCm1の減少に伴い次第に小さくなっていく。この前記流入角β1が、流量の低下とともに羽根前縁の羽根角度β1bよりも小さくなると、羽根前縁における流体の流入方向に対して下流側の羽根負圧面側において、流体が剥離することがある。
この剥離は図10に示す羽根車の回転軸に沿った断面で見た場合に、特にシュラウド側羽根前縁に形成される事が知られており(例えば、ターボポンプ ターボ機械協会 日本工業出版 参照)、前記シュラウド側羽根前縁から上流側へと向かう大きな逆流域が形成される。
このような剥離が生じると、前記羽根から流体へ十分な仕事が与えられなくなり、通常は流量の減少に伴い単調に増加するポンプの吸い上げ揚程が、流量が減少しても単調に増加せずに図11に示すように揚程特性に平らな部分が生じたり、流量が減少するとともに揚程が減少する右上がり特性が生じたり締切り運転付近で望まれる大きな揚程が実現出来なくなる。また、前記の羽根前縁部での剥離が生じると剥離部で渦流が発生し激しい圧力変動が生じる。
以上の現象が生じると、ポンプの制御が不可能となったり或いはポンプの騒音や振動が問題となったりするため、低流領域でポンプの安定な運転状態を実現することは非常に重要な問題である。
前記の問題を解決するため例えば渦巻きポンプの設計と製図(寺田進著 理工図書)に記載されているように、流体の流入角に適合させるためシュラウド側からハブ側へと向かって羽根前縁の羽根角度を変化させた3次元羽根が導入される。
また、特開2002−257093号公報に記載されているように、低流量運転時に剥離渦の発生が予測される箇所に対応してシュラウドに連通孔を設け、高エネルギー領域の流体を剥離が発生している低エネルギー領域に向かって噴射することで剥離を抑制する手法が提案されている。
また、特開平9−297593号公報に記載されているように、低流量運転時に剥離渦の発生が予測される箇所に突出部を形成し、羽根前縁での剥離を抑制する手法が提案されている。
この手法において、羽根前縁付近の流路が絞られる状態となるため中・高流量域においては羽根前縁付近の流速の増大によるキャビテーション発生の可能性があるが、過度の流速増大を抑制するため前記突出部をシュラウドとハブの間に部分的に形成する手法も同時に提案されている。
或いは、特開2002−364591号公報に記載されているように、羽根前縁を段差面を供えた翼幅方向に不連続な形状とするとともに、該段差面を回転軸線に垂直な面に対して所定の傾斜角をもつ傾斜面とする手法も提案されている。このような構成とする事で、羽根不連続面に衝突する流体は流れが乱され、縦渦を形成する。この縦渦により、羽根負圧面付近の境界層に、高いエネルギーを持った主流からエネルギーが供給され、剥離を抑制する効果が期待される。
しかし、非特許文献1に記載されている3次元羽根を製作するには鋳造を実施するか、或いは板金にて製作する場合には複雑なプレス加工を行う必要があり、製作コストが増大するという問題がある。また、特許文献1に記載されている羽根車の剥離領域付近に貫通孔を設けるジェット方式や、特許文献2に記載の羽根前縁で突出部を形成する手法は、流れに乱れを発生させる。この乱れによりポンプ運転時の振動・騒音が大きくなったり、羽根車の効率が落ちるといった問題がある。
一方、特許文献3に記載の羽根前縁に段差面を供えた翼幅方向に不連続な形状とする手法は、3次元羽根のように羽根前縁での羽根取り付け角度を低流量域での流体の羽根への流入角度へ積極的に合わせたものではなく、従って羽根前縁での流れの剥離の抑制に効果はあるものの、根本的な解決手段とはなり得ていなかった。
本発明の目的は、給水用ポンプに使用される遠心式羽根車において前記不具合を解決するものであり、板金から羽根車を製作することでコストを低く抑えながら、低流量運転時に発生する羽根前縁付近の流体の剥離を抑制し、ポンプを幅広い運転点で安定に使用可能な手法を提供することにある。
上記目的は、ケーシングと、このケーシング内に収容され、1枚の板状部材の長手方向の各位置が所定の角度になるように折り曲げて作成した羽根を、スポット溶接によりシュラウドとハブの間に周方向に沿って複数枚配置した遠心式羽根車とを有する遠心式ポンプにおいて、主流の流れ方向上流側に当たる前記羽根の前縁部に切り込みを入れて2つに分割したことにより達成される。
また上記目的は、分割した前縁部のうちシュラウド側を羽根車回転方向に折り曲げ、前記分割した前縁部のうちハブ側は前記シュラウド側と回転方向に対して逆側に折り曲げたことにより達成される。
また上記目的は、前記羽根前縁部の切り込みのハブ面からの回転軸方向高さが、羽根前縁部の回転軸方向全高さの50%から70%になることにより達成される。
また上記目的は、前記遠心式羽根車が板金により製作されることにより達成される。
本発明によれば、遠心式ポンプにおける低流量運転時のシュラウド側羽根前縁付近の負圧面側における流れの剥離を抑制することが可能で、広範な流量域で安定した動作が可能な遠心式ポンプを提供出来る。
以下、本発明の一実施例を説明する。
以下、本発明を適用してなる遠心式ポンプの一実施例を図1〜図5を用いて説明する。
図1は本発明の遠心式ポンプの羽根車を羽根車吸込口側から見た正面図である。
図2は図1中に記載されたa−a′断面図である。
図1において、遠心式羽根車は、羽根車回転軸方向に対して前後に対向するハブ1とシュラウド2を備えるとともに、前記ハブ1とシュラウド2との間に複数枚の羽根3を有している。本発明の羽根車は、主たる用途が給水用であるためステンレスの板金製が通常用いられる。ハブ1,シュラウド2と羽根3とは、スポット溶接により接合される。但し、本発明は給水用のポンプのみに限るものではなく、羽根車が板金製であれば良い。また、4は羽根車の吸込口、5は羽根車の吐出口を示している。前記羽根車のハブ1には、電動機7と連結され羽根車を駆動するポンプ回転軸6が備えてある。
図1は本発明の遠心式ポンプの羽根車を羽根車吸込口側から見た正面図である。
図2は図1中に記載されたa−a′断面図である。
図1において、遠心式羽根車は、羽根車回転軸方向に対して前後に対向するハブ1とシュラウド2を備えるとともに、前記ハブ1とシュラウド2との間に複数枚の羽根3を有している。本発明の羽根車は、主たる用途が給水用であるためステンレスの板金製が通常用いられる。ハブ1,シュラウド2と羽根3とは、スポット溶接により接合される。但し、本発明は給水用のポンプのみに限るものではなく、羽根車が板金製であれば良い。また、4は羽根車の吸込口、5は羽根車の吐出口を示している。前記羽根車のハブ1には、電動機7と連結され羽根車を駆動するポンプ回転軸6が備えてある。
図3は図2の拡大図である。
図3において、前記羽根前縁8には切込み部9が入れられており、この前記切込み部9により前記羽根前縁8は2つのシュラウド側羽根前縁8aとハブ側羽根前縁8bとに分割されている。そして図4に示すように、前記分割した前縁部のうちシュラウド側羽根前縁8aは羽根車回転方向と同じ方向に折り曲げられ、前記分割した前縁部のうちハブ側羽根前縁8bは前記シュラウド側と回転方向に対して逆側に折り曲げられている。折り曲げ方としては、折り目を羽根車回転軸線に対して平行にしたり、或いは羽根車回転軸線に対してある傾斜角を持たせたりというように種々の方法が考えられる。しかし、製作の容易さを考慮した場合には、折り目としては図2中の羽根前縁部折り曲げ線12のように、羽根車回転軸線に平行な線分に沿って折り曲げるのが良い。
図3において、前記羽根前縁8には切込み部9が入れられており、この前記切込み部9により前記羽根前縁8は2つのシュラウド側羽根前縁8aとハブ側羽根前縁8bとに分割されている。そして図4に示すように、前記分割した前縁部のうちシュラウド側羽根前縁8aは羽根車回転方向と同じ方向に折り曲げられ、前記分割した前縁部のうちハブ側羽根前縁8bは前記シュラウド側と回転方向に対して逆側に折り曲げられている。折り曲げ方としては、折り目を羽根車回転軸線に対して平行にしたり、或いは羽根車回転軸線に対してある傾斜角を持たせたりというように種々の方法が考えられる。しかし、製作の容易さを考慮した場合には、折り目としては図2中の羽根前縁部折り曲げ線12のように、羽根車回転軸線に平行な線分に沿って折り曲げるのが良い。
図3に示すように、前記羽根前縁部の切り込みのハブ面からの回転軸方向高さh′が、羽根前縁部の回転軸方向全高さhの50%から70%となるように、切込み部9が入れられる。
このような構造の遠心式ポンプの作用を説明する。電源より電力を供給され電動機7が作動しポンプ回転軸6が駆動されると、羽根車は回転する。すると、羽根車のハブ1とシュラウド2との間に備えつけてある複数枚の羽根3のうち、隣り合う羽根で形成される流路内に存在する流体は、羽根3から角運動量を与えられることで、前記吸込口4から吸い込まれた後昇圧され、前記吐出口5から吐き出される。
ところで、一般に遠心ポンプを回転数一定条件の下で流量を絞って行き、設計点流量よりも極端に小さい低流量域で運転すると、図9に示すように羽根車に取り付けられた羽根3の入口に流入する流体の流入角β1は、流量即ちCm1の減少に伴い次第に小さくなっていく。この前記流入角β1が、流量の低下とともに羽根前縁8の羽根角度β1bよりも小さくなると、羽根前縁8における流体の流入方向に対して下流側の羽根負圧面側において、流体が剥離することになる。また、流量低下に伴い羽根に沿ってハブ1からシュラウド2へと向かう主流と直行する方向の流れ、所謂二次流れも大きくなり、二次流れはシュラウド壁と衝突しシュラウド側にて逆流域が成長するようになる。
一方、本発明の実施例1に示した羽根車構造を有する遠心式ポンプでは、切込み部9を入れ羽根前縁を二つのシュラウド側羽根前縁8a,ハブ側羽根前縁8bに分割し、前記シュラウド側逆流が生じている部分に相当するシュラウド側羽根前縁8aのみを羽根車回転方向と同じ方向へ折り曲げることにより、シュラウド側羽根前縁8a部分の羽根角β1b−aを低流領域での流体の羽根流入角β1に合致させる事が出来る。一方、ハブ1付近はシュラウド側よりも低流領域での逆流は発生しにくい。従って、ハブ側羽根前縁8bは、前記シュラウド側羽根前縁8aと回転方向反対側に折り曲げて羽根角を大きくし、中・大流量における流体の羽根流入角度にハブ側羽根前縁8bの入口角度β1b−bを合わせる。この時、前述のように羽根3は板金製であるため、羽根前縁8に切込み部9を入れたり曲げたりするのは容易に行うことが出来る。
こうすることで、低流量から大流量まで幅広いポンプ運転域で、流体の羽根への流入角に適合させた羽根前縁形状を実現することが出来る。板金製の羽根車のように羽根前縁が二次元形状である遠心式ポンプの低流量域特性改善のためには、通常羽根前縁全体で羽根角を小さくするが、その際に羽根間流路入口で流路が狭まることによる中・大流領域での特性悪化が問題となる。しかし本実施形態の羽根車では、羽根入り口角を小さくする領域をシュラウド2付近の羽根前縁のみに限定したため、中・大流量域での特性悪化を抑制することが出来る。更にシュラウド側羽根前縁8a,ハブ側羽根前縁8bを前記のように羽根車回転方向に対して反対側に折り曲げることによって、羽根3の翼面に沿ってハブ1からシュラウド2へと向かって流れる二次流れの形成が抑制され、低流量域での逆流抑制効果は更に高まる。
前記シュラウド側羽根前縁8aでの羽根角度β1b−aと、前記ハブ側羽根前縁8bでの羽根角度β1b−bとの比β1b−a/β1b−bは、0.25から0.45程度とするのが望ましい。また、シュラウド側での逆流域の発生領域広さを考慮すると、逆流域は羽根前縁8での羽根高さhの50%程度の領域まで達する場合があるため、前記羽根前縁部の切り込みのハブ面からの回転軸方向高さh′が、羽根前縁部の回転軸方向全高さhの
50%から70%となるように、切込み部9が入れられるのが望ましい。
50%から70%となるように、切込み部9が入れられるのが望ましい。
以下、本発明を適用してなる遠心式ポンプの第二実施形態について図6(a)(b)を用いて説明する。
図6(a)(b)は、図3に示した羽根子午面断面において、羽根前縁8の切込み部9をV字型としたものである。このV字切込み部9により前記羽根前縁8は2つのシュラウド側羽根前縁8aとハブ側羽根前縁8bとに分割されている。そして、前記分割した前縁部のうちシュラウド側羽根前縁8aは羽根車回転方向と同じ方向に折り曲げられ、前記分割した前縁部のうちハブ側羽根前縁8bは前記シュラウド側と回転方向に対して逆側に折り曲げられている。
図6(a)(b)は、図3に示した羽根子午面断面において、羽根前縁8の切込み部9をV字型としたものである。このV字切込み部9により前記羽根前縁8は2つのシュラウド側羽根前縁8aとハブ側羽根前縁8bとに分割されている。そして、前記分割した前縁部のうちシュラウド側羽根前縁8aは羽根車回転方向と同じ方向に折り曲げられ、前記分割した前縁部のうちハブ側羽根前縁8bは前記シュラウド側と回転方向に対して逆側に折り曲げられている。
図3と同様に、前記羽根前縁部のV字切込み先端部10のハブ面からの回転軸方向高さh′が、羽根前縁部の回転軸方向全高さhの50%から70%となるように、V字切込み部9が入れられる。
本実施形態による作用は実施例1とほぼ同一であるが、前記切込み部9の形状をV字型としたことで、吸込口4から吸い込んだ流体を羽根3に導くことが可能となる。更に、実施例1の切り込み形状と比較すると、V字型にした分だけ切込み部9に力が作用した際の、切込み先端部10に作用する応力集中が緩和されて強度が増す。更に、切り込み形状を直線的でなく、先端部10の付近が緩やかな円弧状となるように切込み部9を入れると、更に応力集中が緩和されて強度が増す。また、切込み先端部10の付近を緩やかな円弧状とすることで、V字型切込み部9の先端部10での流れの乱れを抑制出来る。
なお、切り込み形状は完全なV字型に限定されるものではなく、羽根前縁8の形状が凹であったりV字型に類する形状であっても良い。
シュラウド側羽根前縁8aでの羽根角度β1b−aと、ハブ側羽根前縁8bでの羽根角度β1b−bとの比β1b−a/β1b−bは、0.25から0.45程度とするのが望ましい。また、シュラウド側での逆流域の発生領域広さを考慮すると、逆流域は羽根前縁8での羽根高さhの50%程度の領域まで達する場合があるため、前記羽根前縁部のV字切込み先端部10のハブ面からの回転軸方向高さh′が、羽根前縁部の回転軸方向全高さhの50%から70%となるように、V字切込み部9が入れられるのが望ましい。
以下、本発明を適用してなる遠心式ポンプの第三実施形態について図7を用いて説明する。
図7は、図3に示した羽根子午面断面において、羽根前縁8には切込み部9が入れられており、この前記切込み部9により前記羽根前縁8は2つのシュラウド側羽根前縁8aとハブ側羽根前縁8bとに分割されている。更に、前記シュラウド側羽根前縁8aが羽根車径方向内側へ向かって突出した構造となっている。そして、この突出した前記シュラウド側羽根前縁8aと、シュラウド2の内側壁とを結合するためにスポット溶接する際、シュラウド側の最内径側溶接点11が、前記突出したシュラウド側羽根前縁の頂点8a−pよりも羽根車径方向外側の点となるものである。このような状態で、前記分割した前縁部のうちシュラウド側羽根前縁8aは羽根車回転方向と同じ方向に、最内径側溶接点11からハブ1へと向かう羽根前縁部折り曲げ線12に沿って折り曲げられ、前記分割した前縁部のうちハブ側羽根前縁8bは前記シュラウド側と回転方向に対して逆側に折り曲げられている。
図7は、図3に示した羽根子午面断面において、羽根前縁8には切込み部9が入れられており、この前記切込み部9により前記羽根前縁8は2つのシュラウド側羽根前縁8aとハブ側羽根前縁8bとに分割されている。更に、前記シュラウド側羽根前縁8aが羽根車径方向内側へ向かって突出した構造となっている。そして、この突出した前記シュラウド側羽根前縁8aと、シュラウド2の内側壁とを結合するためにスポット溶接する際、シュラウド側の最内径側溶接点11が、前記突出したシュラウド側羽根前縁の頂点8a−pよりも羽根車径方向外側の点となるものである。このような状態で、前記分割した前縁部のうちシュラウド側羽根前縁8aは羽根車回転方向と同じ方向に、最内径側溶接点11からハブ1へと向かう羽根前縁部折り曲げ線12に沿って折り曲げられ、前記分割した前縁部のうちハブ側羽根前縁8bは前記シュラウド側と回転方向に対して逆側に折り曲げられている。
図3に示すように、前記羽根前縁部の切り込みのハブ面からの回転軸方向高さh′が、羽根前縁部の回転軸方向全高さhの50%から70%となるように、切込み部9が入れられる。
本実施例による作用は実施例1とほぼ同一であるが、前記シュラウド側羽根前縁8aを最内径側溶接点11を始点とした線分で折り曲げることにより、溶接を行った後でもシュラウド側羽根前縁8aの羽根角度βb1−aを調節することが可能となる。
前記突出したシュラウド側羽根前縁8aの形状は、図7では羽根車径方向に突出した半円弧状の形態として描いているが、例えば、羽根車径方向に或る1頂点が突出した三角形状の突出部形状としても良いし、他にも類似する突出形状であっても良い。
切込み部9の形状は、図7では直線的な一本の切り込みとして描いているが、図6に示す第二実施例のようにV字型の切り込み形状としても良い。この場合、切り込み形状の先端部10の付近を緩やかな円弧状とすることで、V字型切込み部9の先端部10での流れの乱れを抑制出来る。また、羽根前縁8の形状が凹であったりV字型に類する形状であっても良い。
最内径側溶接点11付近のシュラウド側羽根前縁8aの形状は、図7では半円弧状の線分の端点として描いているが、このような形状では最内径側溶接点11付近でシュラウド2内壁と羽根前縁8aとの間隔が急激に狭まる構造となっており、この付近で羽根車に流入する流体に大きな乱れが生ずる。これを回避するため、例えば最内径側溶接点11付近のシュラウド側羽根前縁8aの形状を、図8に示すように最内径側溶接点11の直前で変曲点を持つ形状とすると、シュラウド2内壁と羽根前縁8aとの間隙部が急激に狭まる構造を回避でき、最内径側溶接点11付近を通過する流れの乱れを抑制することが出来る。
シュラウド側羽根前縁8aでの羽根角度β1b−aと、ハブ側羽根前縁8bでの羽根角度β1b−bとの比β1b−a/β1b−bは、0.25から0.45程度とするのが望ましい。また、シュラウド側での逆流域の発生領域広さを考慮すると、逆流域は羽根前縁8での羽根高さhの50%程度の領域まで達する場合があるため、前記羽根前縁部の切り込みのハブ面からの回転軸方向高さh′が、羽根前縁部の回転軸方向全高さhの50%から70%となるように、切込み部9が入れられるのが望ましい。
1…ハブ、2…シュラウド、3…羽根、4…吸込口、5…吐出口、6…ポンプ回転軸、7…電動機、8…羽根前縁、8a…シュラウド側羽根前縁、8a−p…実施例3における、突出したシュラウド側羽根前縁の頂点、8b…ハブ側羽根前縁、9…切込み部、9−a…切込み部終端部、10…切込み先端部、11…実施例3における、最内径側溶接点、
12…羽根前縁部折り曲げ線。
12…羽根前縁部折り曲げ線。
Claims (4)
- ケーシングと、このケーシング内に収容され、1枚の板状部材の長手方向の各位置が所定の角度になるように折り曲げて作成した羽根を、スポット溶接によりシュラウドとハブの間に周方向に沿って複数枚配置した遠心式羽根車とを有する遠心式ポンプにおいて、
主流の流れ方向上流側に当たる前記羽根の前縁部に切り込みを入れて2つに分割したことを特徴とする遠心式ポンプ。 - 前記請求項1に記載の遠心式ポンプにおいて、
分割した前縁部のうちシュラウド側を羽根車回転方向に折り曲げ、前記分割した前縁部のうちハブ側は前記シュラウド側と回転方向に対して逆側に折り曲げたことを特徴とする遠心式ポンプ。 - 前記請求項1または請求項2のいずれかに記載の遠心式ポンプにおいて、
前記羽根前縁部の切り込みのハブ面からの回転軸方向高さが、羽根前縁部の回転軸方向全高さの50%から70%になることを特徴とする遠心式ポンプ。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の遠心式ポンプにおいて、
前記遠心式羽根車が板金により製作されることを特徴とする遠心式ポンプ。
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