JP2008031845A - 圧縮機およびそれを用いたヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機と膨張機を連結した場合の「密度比=一定」という制約条件を排除するとともに、高圧の作動流体から最大限に動力回収を行い、常時高い運転効率を得る膨張機一体型の圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機の膨張機部20は、シリンダ21と、ロータ23と、ベーン24と、シャフト26と、バルブ機構30と、電磁弁40とを含み構成され、シリンダ21に設けられた吸入孔27に電磁弁40を配設し、この電磁弁40の開閉タイミングを制御して、ロータ23とベーン24で形成された作動室25に入る作動流体の流量を調節することにより、膨張機一体型の圧縮機の「密度比=一定」という制約を排除し、作動流体から常時動力を回収することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高圧の作動流体を供給して回転動力を発生する膨張機と連結された膨張機一体型の圧縮機に関する。
図6には、従来の一般的な動力回収式の空気調和装置のシステム構成を示している。図において、本システムは、凝縮器101、蒸発器102、圧縮機103及び膨張機104を含み構成され、作動流体を圧縮する圧縮機103と、高圧の作動流体から回転動力を発生させる膨張機104とはモータ105に対して一軸に連結されている。すなわち、膨張機104において、高圧の作動流体が等エントロピー膨張を行い、回転動力を発生させ、直接圧縮機103の駆動動力を補助する構成となっている。このように圧縮機103と膨張機104とを一軸に連結するのは、構造が単純で動力回収ロスが少ないためである。
しかし、圧縮機103と膨張機104とを一軸に連結した上記の構成では、圧縮機103と膨張機104とが常時同一回転数で回転するため、一定の冷媒循環量でシステムが運転される場合には、「作動流体の密度比=一定」の運転条件(制約)が発生し、例えば、システムの効率に影響を与える圧縮機の吐出圧力を適切に制御し難いなど、必ずしも高効率運転が実現できるとは限らない。
そこで、このような「密度比=一定」の運転条件(制約)を排除するための技術として、特許文献1記載の公知技術がある。図7に、従来の他の空気調和装置の構成を示す。本空気調和装置では、膨張機104の吐出管路110と吸入管路111との間に、両者を連通させるバイパス管路112を設け、このバイパス管路112にその通路面積を増減調整する制御弁106を設けている。
このような構成の空気調和機は、以下の動作を行う。
圧縮機103の吐出温度の目標値を設定し、次に圧縮機103の吐出温度が該目標値になるように、制御弁106の開度を制御する。制御弁106が閉じる方向に制御されると、バイパス管路110を通る作動流体の量が少なくなり、膨張機104に入る作動流体の量が増加する。逆に、制御弁106が開く方向に制御されると、バイパス管路110を通る作動流体の量が多くなり、膨張機104に入る作動流体の量が減少する。このように制御弁106の開度を制御することによって、膨張機を利用しながら高い運転効率を得るようにシステムの運転条件を自由に定めることができる。
特開2001−116371号公報
しかしながら、上記技術では、バイパス管路を通る作動流体に関しては動力回収を行うことができず、高圧の作動流体の持つ潜在的なエネルギーを無条件に破棄することになっていた。
したがって本発明は、上記従来の課題を解決するもので、「密度比=一定」の制約条件を排除することで、高圧の作動流体から最大限に動力回収を行い、常時高い運転効率を得る膨張機一体型の圧縮機を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の圧縮機は、圧縮室と、駆動シャフトとを有し、前記駆動シャフトを回転させることにより前記圧縮室に吸入した作動流体を低圧から高圧へと圧縮する圧縮機部と、膨張室と、前記膨張室に作動流体を導く吸入孔と、前記膨張室から作動流体を送り出す吐出孔と、前記駆動シャフトに連結された動力回収シャフトとを有し、前記膨張室に吸入した作動流体を高圧から低圧に膨張させることにより前記動力回収シャフトの回転動力を得る膨張機部とを備える圧縮機であって、前記吸入孔に吸入バルブを設けて前記吸入バルブの開閉タイミングを可変する構成にしたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の圧縮機において、前記吸入バルブを電磁弁としたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の圧縮機において、前記吸入バルブを閉から開にする前記開タイミングを前記膨張室の容積が最小となる吸入開始時間とし、前記吸入バルブを開から閉にする前記閉タイミングを前記吸入開始時間から前記膨張室の容積が最大となるまでの間の時間とする制御機能を有する構成にしたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧縮機において、前記膨張機部のシリンダとロータとが接する基点から前記動力回収シャフトの回転方向へ所定角度だけ移動した位置に前記吐出孔としての第1の吐出孔を設け、当該第1の吐出孔に吐出バルブを設けたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の圧縮機において、前記吐出バルブをリードバルブとし、前記膨張室の圧力が所定の値になったときに前記吐出バルブが開く構成にしたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧縮機において、前記圧縮室から吐出される作動流体の吐出圧力が目標圧力よりも大きいときは前記吸入バルブを開から閉とする時間幅を大きくし、前記吐出圧力が目標圧力よりも小さいときは該時間幅を小さくする制御機能を有する構成にしたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の圧縮機において、液相あるいは超臨界相から気液二相に膨張する作動流体を用いて運転することを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の圧縮機において、二酸化炭素を主成分とする作動流体を用いて運転することを特徴とする。
請求項9記載の本発明のヒートポンプ装置は、前記吸入バルブの開閉タイミングを変えて前記膨張室に入る作動流体の流量を制御することができる請求項1から請求項8のいずれかに記載の圧縮機を用いたことを特徴とする。
本発明の圧縮機およびそれを用いたヒートポンプ装置によれば、「密度比=一定」の運転条件(制約)を排除するとともに、高圧の作動流体から最大限に動力回収を行い、常時高い運転効率を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態による圧縮機は、圧縮室と、駆動シャフトとを有し、駆動シャフトを回転させることにより圧縮室に吸入した作動流体を低圧から高圧へと圧縮する圧縮機部と、膨張室と、膨張室に作動流体を導く吸入孔と、膨張室から作動流体を送り出す吐出孔と、駆動シャフトに連結された動力回収シャフトとを有し、膨張室に吸入した作動流体を高圧から低圧に膨張させることにより動力回収シャフトの回転動力を得る膨張機部とを備える圧縮機の、吸入孔に吸入バルブを設けて吸入バルブの開閉タイミングを可変する構成にしたものである。本実施の形態によれば、該吸入バルブの開閉タイミングを変化させて膨張機の膨張室に入る作動流体の流量を制御し、膨張機一体型の圧縮機の「密度比=一定」の制約条件を排除するとともに、高圧の作動流体から常時最大限に動力回収を行い、常時高い運転効率を得ることが可能となる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による圧縮機において、吸入バルブを電磁弁としたものである。本実施の形態によれば、開閉タイミングを容易に計ることが可能であり、また電気的なトラブルで弁が閉じた場合の不膨張弊害を防止することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1または第2の実施の形態による圧縮機において、吸入バルブを閉から開にする開タイミングを膨張室の容積が最小となる吸入開始時間とし、吸入バルブを開から閉にする閉タイミングを吸入開始時間から膨張室の容積が最大となるまでの間の時間とする制御機能を有する構成にしたものである。本実施の形態によれば、ブレーキロスを最小とすることができ、且つ膨張室に入る作動流体の流量を可変することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態による圧縮機において、膨張機部のシリンダとロータとが接する基点から動力回収シャフトの回転方向へ所定角度だけ移動した位置に吐出孔としての第1の吐出孔を設け、当該第1の吐出孔に吐出バルブを設けたものである。本実施の形態によれば、過膨張損失の発生を防止することができる。
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による圧縮機において、吐出バルブをリードバルブとし、膨張室の圧力が所定の値になったときに吐出バルブが開く構成にしたものである。本実施の形態によれば、リードバルブは圧力が所定値になれば自動的に開き、過膨張損失を発生させないための再圧縮が可能になる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5の実施の形態による圧縮機において、圧縮室から吐出される作動流体の吐出圧力が目標圧力よりも大きいときは吸入バルブを開から閉とする時間幅を大きくし、吐出圧力が目標圧力よりも小さいときは該時間幅を小さくする制御機能を有する構成にしたものである。本実施の形態によれば、圧縮機を用いたシステム全体の効率を最も良くすることができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1から第6の実施の形態による圧縮機において、液相あるいは超臨界相から気液二相に膨張する作動流体を用いて運転するものである。
本発明の第8の実施の形態は、第1から第7の実施の形態による圧縮機において、二酸化炭素を主成分とする作動流体を用いて運転するものである。
本発明の第9の実施の形態によるヒートポンプ装置は、吸入バルブの開閉タイミングを変えて膨張室に入る作動流体の流量を制御することができる第1から第8のいずれかに記載の圧縮機を用いたものである。本実施の形態によれば、「密度比=一定」の運転条件を排除でき、高圧の作動流体から常時最大限に動力回収を行うことができ、ヒートポンプ装置の運転効率を常に高いものとすることができる。
図1は本発明による実施例の圧縮機の縦断面図であり、図2は本実施例の圧縮機における膨張機部の横断面図である。図1及び図2には、ロータリーベーン式の圧縮機及び膨張機を示しているが、圧縮機及び膨張機の方式はこれに限るものではなく、ロータリー式、レシプロ式、又はスクロール式など他のタイプでもよい。また、作動流体としては、液相あるいは超臨界相から気液二相に膨張する作動流体や、二酸化炭素を主成分とする作動流体を用いる。
図1において、本実施例の圧縮機は、密閉容器10の内部に、圧縮機部12と、電動機部16と、膨張機部20とを備えて構成される。そして、圧縮機部12は、圧縮室13と駆動シャフト14とロータ15とを有し、駆動シャフト14及びロータ15を回転させることにより圧縮室13に吸入した作動流体を低圧から高圧へと圧縮する。また、電動機部16は、固定子17と回転子18とを有し、回転子18は駆動シャフト14に固定されている。そして、膨張機部20は、シリンダ21とロータ23と動力回収シャフト26(以下、シャフト26)とを有し、作動流体を吸入経路32及び吸入孔27を経て吸入し、シリンダ21及びロータ23で形成する膨張室としての作動室25で高圧から低圧に膨張させ、作動室25から吐出室33及び吐出経路34を経て吐出することにより、シャフト26に回転動力を得る。この回転動力は、シャフト26から駆動シャフト14に伝達され、圧縮機部12の駆動力として回収される。
さらに、膨張機部の構成について詳説する。
図2において、膨張機部20は、シリンダ21と、ロータ23と、4個のベーン24と、シャフト26と、バルブ機構30と、カバー31と、吸入管35と、電磁弁40とを含み構成される。
即ち、シリンダ21は、筒状の内壁21aを有し、その両端には側板21b,21c(図1参照)が設けられている。シリンダ21の内部には、円柱形状のロータ23が配設されていて、ロータ23の外周の一部がシリンダ21の内壁21aと小隙間22を形成している。そして、小隙間22の基点(接点)で内壁21aとロータ23の外周とが接している。
また、ロータ23には、90degのピッチで上下端面に垂直な溝23aが4箇所に設けられている。各溝23aには、各々のベーン24が摺動自在に挿入されており、ベーン24の先端はシリンダ21の内壁21aと接している。
作動室25は、シリンダ21の内壁21a、ロータ23および各々のベーン24に囲まれた空間25a,25b,25c,25d,25eとして形成されている。シャフト26は、ロータ23と一体的に形成され、側板21b,21cに回転自在に軸支持されているとともに、圧縮機部12の駆動シャフト14と連結されている。
また、シリンダ21には、作動室25に作動流体を流入させる吸入孔27と、作動室25から作動流体を流出させる第1の吐出孔28(以下、吐出孔28)及び第2の吐出孔29(以下、吐出孔29)が設けられている。そして、吐出孔28は、ベーン24の枚数をnとすれば、小隙間22の基点からシャフト26の矢印で示す回転方向に{180×(1+1/n)}degの角度だけ移動した位置に設けられている。本実施例では、ベーン24が4枚なので、225degの位置である。また、吐出孔28には、吐出バルブのリードバルブ30aとバルブストップ30bとから成るバルブ機構30が備えられている。
一方、吐出孔29は、小隙間22の基点近傍に設けられており、かつ、この吐出孔29の一部が小隙間22の基点からシャフト26の回転方向に315degの位置を含む形状としており、バルブ機構は備えられていない。なお、吐出孔29の位置はこの限りではなく、吸入孔27と吐出孔29の間の、シリンダ21の内壁21aのシャフト26周りの中心角が、ベーン24をn枚とすれば(360/n)deg以下となる位置であり、かつ、吐出孔29が小隙間22の基点近傍にある構成であれば良い。
また、シリンダ21の側方にはカバー31が備えられており、カバー31には吸入管35が挿入され、吸入管35の内部には吸入孔27に作動流体を導く吸入経路32が形成されている。そして、図1に示すように、密閉容器10の内部には、吐出孔28,29から流出した作動流体を一旦蓄える吐出室33が形成され、密閉容器10に接合された吐出管36の内部には、吐出室33から作動流体を外部へ流出させる吐出経路34が形成されている。
更に、制御装置(図示せず)から配線(図示せず)を介して電磁弁40に通電し、電磁弁40の開閉を電気的に行うことにより、吸入孔27と吸入経路32との連通を制御する構成としている。また、電磁弁40は電気的なトラブルを想定して常時開、通電時(制御時)に閉となるものが望ましい。この理由は、電磁弁であれば、容易に弁の開閉制御(開閉タイミングを計ること)が可能であり、また常時開の電磁弁とし、電気的なトラブルでも閉じることがないので、膨張機として機能しないという不膨張弊害が防止されるからである。
次に、以上のような構成の本実施例の圧縮機における膨張機部の動作を、まず、電磁弁40を常時開とした場合について、図2及び図3を参照して説明する。図3は本実施例における電磁弁の常時開時の作動室のPV線図であり、即ち膨張機部20の作動室25のPV線図である。なお、本発明の特徴に関わらない圧縮機部の説明は省略する。
作動室25は小隙間22の吸入孔27側の空間25aで生成する。その後、ロータ23の回転に伴い容積を増加しつつ、吸入孔27から高圧側の圧力Pbの作動流体を吸入する過程、すなわち、吸入過程を行う。吸入過程は図3のABに相当する。
作動室25が空間25bの位置に達すると、吸入孔27との連通が断たれて密閉空間となり、その後、ロータ23の回転に伴い容積は増加し、内部の作動流体の圧力が低下してゆく過程、すなわち、膨張過程を行う。膨張過程は図3のBCに相当する。
作動室25は空間25cの位置で容積が最大となる。この時点は、図3のCに相当し、作動室25の圧力はPcとなっている。そして、ロータ23が僅かに回転した瞬間、空間25cに位置する作動室25は吐出孔28と連通する。
ここで、吐出孔28にリードバルブ30aを設けず、かつ圧力Pcが吐出室33の圧力と等しければ、作動室25から吐出室33に作動流体が押し出され、圧力Pcの状態で作動流体を押し出しながら作動室25の容積が減少していく。すなわち、図3のCからDに移行する吐出過程を行う。その後作動室25は再び吸入孔27と連通して、図3のAの状態に戻る。
次に電磁弁40を開閉制御した場合について説明する。
図4に本実施例における電磁弁40の開閉タイミングと吸入過程において作動流体が作動室25に入る流量との関係を示す。ここで、電磁弁40が閉から開となる時間を時間Top、開から閉となる時間を時間Tclと表記する。
まず、電磁弁40は作動室25が吸入孔27と連通する直前に開となるように制御される。なお、この時電磁弁40を閉じたままにしておくと、作動室25は回転に伴って真空引きを行うことになり、ロータ23の回転にブレーキをかけるロスが発生するので好ましくない。即ち、電磁弁40を閉から開にする開タイミング(すなわち時間Topの時点)を、作動室25の容積が最小となる吸入開始時間とする制御機能を有する構成により、ブレーキロスを最小とすることができる。
次に、時間Topから、作動室25は吸入孔27と連通し、作動流体が作動室25に吸入される。そして、作動室25が吸入可能な最大容積Vbとなる事前の時間Tclに電磁弁40を閉じる。この結果、作動流体の吸入量はVbより小さいVb´となる。このように電磁弁40を閉じる時間Tclのタイミングを変えることにより、Vb´の大きさを可変する。即ち、電磁弁40を開から閉にする閉タイミング(すなわち時間Tclの時点)を、吸入開始時間から作動室25の容積が最大となるまでの間の時間とする制御機能を有する構成により、膨張室に入る作動流体の流量を可変することができる。
上記時間Tclのタイミングを変えた場合の動作を、図5の本実施例における電磁弁の開閉タイミングを変えた時の作動室のPV線図を用いて説明する。
作動室25は、図2の空間25aの状態から電磁弁40を閉じるまでの間、吸入孔27から高圧側の圧力Pbの作動流体を吸入する吸入過程を行う。すなわち、吸入過程は図5のAB´に相当する。そして、このときの吸入量はVb´である。
電磁弁40を時間Tclに閉じると、ロータ23に伴い容積を増加しつつ、内部の作動流体の圧力が低下して膨張過程を行う。この過程は図5のB´Hに相当する。
作動室25は空間25cの位置で容積が最大となる。この時点は図5のC´に相当し、作動室25の圧力は、電磁弁40を常時開とした場合の圧力Pcよりも低いPc´となる。この過程は図5のHC´に相当する。
そして、ロータ23が僅かに回転し、作動室25が吐出孔28と連通した瞬間、作動流体の吐出が開始される。
ここで、吐出孔28にリードバルブ30aを設けない場合、例えば、電磁弁40を常時開にしていた状態から、上記の開閉制御を行う状態に移行したときに、圧力Pcの吐出室33から作動室25に作動流体が逆流し、容積がVc一定のまま作動室25の圧力がPc´からPcまで上昇する。すなわち、図5のC´からCに移行し、CC´Hで囲まれた部分の面積の動力がロスとなる過膨張損失が発生する。
しかし、本実施例では、吐出孔28にリードバルブ30aを設けており、リードバルブ30aは吐出室33の圧力Pc´と作動室25の圧力Pcの圧力差により吐出孔28を閉じているため、吐出室33から作動室25に作動流体が流れ込むことを防止できる。
その後、作動室25は、ロータ3の回転に伴い容積を減少させてゆくが、吐出孔28がリードバルブ30aによって閉じられたままなので、作動室25cでは圧縮が起こり、圧力は再び図5のC´B´を辿って上昇する。
そして、作動室25の圧力がPcを超えた瞬間、すなわち、作動室25の圧力が所定の値になった時点の図5のHで、初めてリードバルブ30aが開く。このC´Hに相当する過程を再圧縮過程と呼ぶ。なお、吐出バルブをリードバルブ30aとするので、作動室25の圧力が所定値になったときに自動的に開き、再圧縮が行われるという利点が得られる。
その後、ロータ23の回転に伴い作動室25は容積を減少させつつ、吐出孔28から低圧側の圧力Pcの作動流体を吐出する過程、すなわち、吐出過程を行う。
この吐出過程において、作動室25が空間25dから空間25eの位置まで移動する間に、吐出孔28との連通が無くなるが、吐出孔29の一部が小隙間22の基点からシャフト26の回転方向に315degの位置、すなわち、ベーンをn枚とすると、吐出孔28からベーン24のピッチである(360/n)degだけ周方向に移動した位置を含む形状としたため、作動室25からの吐出は吐出孔29から継続して行われる。この吐出過程は図5のHDに相当する。
次に、電磁弁40を閉じる時間Tclの変更制御の一例について説明する。
例えばヒートポンプ装置のシステムにおいて、圧縮機から吐出される作動流体の吐出圧力を例えば圧力センサで計測し、その計測した吐出圧力と、圧縮機、膨張機を含むシステム全体の効率が最も良くなる目標圧力との比較を行い、圧縮機の吐出圧力と目標圧力との大小により、時間Topから時間Tclまでの間の時間幅を制御する。すなわち、圧縮機の吐出圧力が目標圧力よりも大きい時は、時間Topと時間Tclとの差の時間幅を大きくして作動流体の流量を増加させる。また、圧縮機の吐出圧力が目標圧力よりも小さい時は、時間Topと時間Tclの時間幅を小さくして作動流体の流量を減少させる。これによって、システム全体の効率を最も良くすることができる。
即ち、本実施例の圧縮機をヒートポンプ装置に用いて、その吸入バルブの開閉タイミングを変化させて膨張室に入る作動流体の流量を制御することにより、ヒートポンプ装置の運転効率を常に高いものとすることができる。
なお、目標圧力は、作動流体の物性値から決めることができる値である。
また、吸入バルブの開閉タイミングを可変すること、即ち時間幅を制御することは、例えば膨張機の回転数と基点からの回転角度を検出し、この回転数及び回転角度に基づき吸入開始時間(時点)や時間幅を設定して、電磁弁40を開閉する構成(図示せず)で行える。
以上により、本実施例では、膨張機部の吸入孔27と吸入経路32との間に電磁弁40を設置し、電磁弁40が開いている時間幅(Tcl−Top)を制御して、作動室25に入る作動流体の流量を調節するので、膨張機のロータ23を圧縮機の駆動シャフトと直結した場合でも、「密度比=一定」の運転条件(制約)を排除でき、高圧の作動流体から常時最大限に動力回収を行う膨張機一体型の圧縮機を提供することができる。
また、本実施例では、吐出孔28にリードバルブ30aとバルブストップ30bから成るバルブ機構30を備えたことにより、電磁弁40を制御した場合に起こりうる過膨張の際に、吐出室33から作動室25に作動流体が逆流することを防止し、吐出圧力Pcまで再圧縮させることが可能になるので、過膨張損失(図5のCC´Hの面積に相当)の生じない膨張機一体型の圧縮機を提供することができる。
以上のように、本発明は、膨張機一体型の圧縮機やこれを用いたヒートポンプ装置に適用され、例えば、空気調和装置、給湯装置などのシステムに用いられる圧縮機として適している。
本発明による実施例の圧縮機の縦断面図 本実施例の圧縮機における膨張機部の横断面図 本実施例における電磁弁の常時開時の作動室のPV線図 本実施例における電磁弁の開閉タイミングと作動室に入る作動流体の流量との関係を示した図 本実施例における電磁弁の開閉タイミングを変えた時の作動室のPV線図 従来の空気調和装置のシステム構成図 従来の他の空気調和装置のシステム構成図
符号の説明
10 密閉容器
12 圧縮機部
13 圧縮室
14 駆動シャフト
15,23 ロータ
16 電動機部
17 固定子
18 回転子
20 膨張機部
21 シリンダ
22 小隙間
24 ベーン
25 作動室
26 動力回収シャフト
27 吸入孔
28 第1の吐出孔
29 第2の吐出孔
30 バルブ機構
30a リードバルブ
30b バルブストップ
31 カバー
32 吸入経路
33 吐出室
34 吐出経路
35 吸入管
36 吐出管
40 電磁弁

Claims (9)

  1. 圧縮室と、駆動シャフトとを有し、前記駆動シャフトを回転させることにより前記圧縮室に吸入した作動流体を低圧から高圧へと圧縮する圧縮機部と、
    膨張室と、前記膨張室に作動流体を導く吸入孔と、前記膨張室から作動流体を送り出す吐出孔と、前記駆動シャフトに連結された動力回収シャフトとを有し、前記膨張室に吸入した作動流体を高圧から低圧に膨張させることにより前記動力回収シャフトの回転動力を得る膨張機部とを備える圧縮機であって、
    前記吸入孔に吸入バルブを設けて前記吸入バルブの開閉タイミングを可変する構成にしたことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記吸入バルブを電磁弁としたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記吸入バルブを閉から開にする前記開タイミングを前記膨張室の容積が最小となる吸入開始時間とし、前記吸入バルブを開から閉にする前記閉タイミングを前記吸入開始時間から前記膨張室の容積が最大となるまでの間の時間とする制御機能を有する構成にしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記膨張機部のシリンダとロータとが接する基点から前記動力回収シャフトの回転方向へ所定角度だけ移動した位置に前記吐出孔としての第1の吐出孔を設け、当該第1の吐出孔に吐出バルブを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧縮機。
  5. 前記吐出バルブをリードバルブとし、前記膨張室の圧力が所定の値になったときに前記吐出バルブが開く構成にしたことを特徴とする請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記圧縮室から吐出される作動流体の吐出圧力が目標圧力よりも大きいときは前記吸入バルブを開から閉とする時間幅を大きくし、前記吐出圧力が目標圧力よりも小さいときは該時間幅を小さくする制御機能を有する構成にしたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧縮機。
  7. 液相あるいは超臨界相から気液二相に膨張する作動流体を用いて運転することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の圧縮機。
  8. 二酸化炭素を主成分とする作動流体を用いて運転することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の圧縮機。
  9. 前記吸入バルブの開閉タイミングを変えて前記膨張室に入る作動流体の流量を制御することができる請求項1から請求項8のいずれかに記載の圧縮機を用いたことを特徴とするヒートポンプ装置。
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