JP2008029172A - 渦電流減速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】永久磁石の退避スペースを有効利用することができる渦電流減速装置を提供する。
【解決手段】 回転軸2に設けられた導電体ロータ31と、その導電体ロータ31の径方向外側に位置させて設けられた可動ヨーク4と、そのヨーク4に設けられた複数の永久磁石41とを備えた渦電流減速装置10であって、上記導電体ロータ31に対して軸方向に並べて上記回転軸2に設けられた非磁性体ロータ32と、その非磁性体ロータ32に設けられた複数のポールピース33と、上記非磁性体ロータ32の径方向内側に設けられた発電側環状体5と、その発電側環状体5に設けられた複数の鉄心51と、これら鉄心に巻回された導電性コイル52と、上記ヨーク4を、軸方向に往復動させて、そのヨーク4の永久磁石41が上記導電体ロータ31に対向する制動位置と上記非磁性体ロータ32に対向する発電位置とで切り替えるための切替手段9とを備えたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、渦電流により回転軸を制動可能でかつ、その回転軸の回転による発電が可能な渦電流減速装置に関するものである。
従来、渦電流を用いた渦電流ブレーキ(渦電流減速装置)が知られている。
図12に示すように、渦電流ブレーキは、磁石131および導体(ロータ)132の相互運動により発生する渦電流133と、磁石131からの磁界134との相互作用により発生する制動力135を利用して、導体132を減速するようにしている。ここで、磁界134を発生するための磁石131には、永久磁石と電磁石とがある。
この図12の原理を用いた渦電流ブレーキを自動車用ブレーキの補助ブレーキとして利用したものに図13のような永久磁石式リターダがある。
この図13のリターダは、制動・非制動を切り替えるON−OFF機構として、磁石101が固定されたヨーク102をエアシリンダ(図示せず)などで回転軸方向にスライドさせるスライドスイッチング機構106を備えている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述した永久磁石式リターダでは、制動OFF時に、ロータへ磁束が漏れないように、永久磁石101を軸方向に退避させるが、その退避させるためのスペースが必要となり、軸方向寸法が大きくなり無駄な空間ができてしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、永久磁石の退避スペースを有効利用することができる渦電流減速装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、回転軸に同芯的に設けられた導電体からなるリング状の導電体ロータと、その導電体ロータの径方向内側または外側に位置させて、固定側に設けられた軸方向移動可能なリング状の可動ヨークと、その可動ヨークに周方向に沿ってN極、S極が交互になるよう、かつ各磁極を上記導電体ロータに対向させて設けられた複数の永久磁石とを備えた渦電流減速装置であって、上記回転軸に同芯的に、かつ上記導電体ロータに対して軸方向に並べて上記回転軸に設けられた非磁性体からなるリング状の非磁性体ロータと、その非磁性体ロータに周方向に沿って間隔を隔てて設けられた磁性体からなる複数のポールピースと、上記可動ヨークに対して上記非磁性体ロータを挟んで径方向の反対側に位置させて上記固定側に設けられた発電側環状体と、その発電側環状体に周方向に沿って間隔を隔てて、かつ上記非磁性体ロータに対向させて設けられた複数の鉄心と、これら鉄心に巻回された導電性コイルと、上記可動ヨークを、軸方向に往復動させて、その可動ヨークの永久磁石が上記導電体ロータに対向する制動位置と上記非磁性体ロータに対向する発電位置とで切り替えるための切替手段とを備えたものである。
好ましくは、上記導電体ロータと非磁性体ロータとが軸方向に接合されて一体的に形成されたものである。
好ましくは、上記切替手段は、上記可動ヨークを、上記制動位置と、上記発電位置と、それら制動位置と発電位置との間で、上記可動ヨークの永久磁石が上記導電体ロータおよび上記非磁性体ロータの両方に対向する中間位置とで切り替えるものである。
上記目的を達成するために本発明は、回転軸に同芯的に設けられたディスク状のロータと、そのロータに周方向に沿って設けられた導電体部と、上記ロータに対して軸方向に並べて固定側に設けられたヨークと、そのヨークに周方向に沿ってN極、S極が交互になるよう、かつ各磁極が上記ロータの導電体部に対向するように設けられた複数の永久磁石と、それら永久磁石を径方向に移動させるための磁石移動手段とを備えた渦電流減速装置であって、上記ロータにおける上記導電体部の径方向内側または外側に、周方向に沿って間隔を隔てて設けられた磁性体からなる複数のポールピースと、隣り合うポールピースの間に各々設けられた非磁性体部と、上記ヨークに対して上記ロータを挟んで軸方向に反対側に位置させて上記固定側に設けられたステータと、そのステータに周方向に沿って間隔を隔ててかつ上記ロータのポールピースに対向するよう設けられた複数の鉄心と、これら鉄心に巻回された導電性コイルと、上記磁石移動手段を作動させて、ヨークの永久磁石を、その永久磁石が上記ロータの導電体部に対向する制動位置と上記ロータのポールピースに対向する発電位置とで切り替えるための切替手段とを備えたものである。
好ましくは、上記切替手段は、上記ヨークの永久磁石を、上記制動位置と、上記発電位置と、それら制動位置と発電位置との間で、上記ヨークの永久磁石が上記ロータの導電体部およびポールピースの両方に対向する中間位置とで切り替えるものである。
本発明によれば、永久磁石の退避スペースを有効利用することができるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
[第一の実施形態]
本実施形態の渦電流減速装置(リターダ)は、例えば、車両の補助ブレーキに適用され、変速機の出力軸(回転軸)に制動力を付与する。
本実施形態の渦電流減速装置(リターダ)は、例えば、車両の補助ブレーキに適用され、変速機の出力軸(回転軸)に制動力を付与する。
まず、図1から図8に基づき本実施形態の渦電流減速装置の概略構造を説明する。
図1から図3に示すように、渦電流減速装置1は、回転軸2(図6参照)と、その回転軸2に同芯的に設けられたリング状の導電体ロータ31と、その導電体ロータ31の径方向内側に位置させて固定側に設けられ軸方向に移動可能なリング状の可動ヨーク(以下、ヨークという)4と、導電体ロータ31に対して軸方向に並べて設けられたリング状の非磁性体ロータ32と、その非磁性体ロータ32の径方向の外側に位置させて固定側に設けられた発電側環状体5と、ヨーク4を、軸方向に往復動させて、制動位置(導電体ロータ31の内周側)と発電位置(非制動位置)(非磁性体ロータ32の内周側)とで切り替えるための切替手段6(図6参照)とを備える。
図4および図5に示すように、本実施形態では、導電体ロータ31と非磁性体ロータ32とが軸方向に接合されて一体的に形成され、一体型のロータ3をなす。すなわち、ロータ3は、良導電材料(磁性・非磁性を問わず)からなる良導電体部31(導電体ロータ)と、非磁性材料(非金属・金属を問わず)からなる非磁性体部32(非磁性体ロータ)とを接合した複合材で構成される。
そのロータ3は、回転軸2の軸方向に延出する円筒形状を有し、図示しない支持材(例えば、スポーク状の支持材)にて、回転軸2に同芯的に取り付けられる。
良導電体部31を構成する良導電材料(導電体)としては、回転に耐えうる強度を持ち、かつ渦電流が発生しやすいように電気抵抗の小さい材料が使用され、例えば、銅、アルミ、低炭素鋼などが考えられる。
非磁性体部32を構成する非磁性材料(非磁性体)としては、回転に耐えうる強度を持ち、かつ渦電流が発生しにくい電気抵抗の大きい材料が使用され、例えば、ステンレスや真ちゅうなどが考えられる。
非磁性体部32には、磁性材料(磁性体)(例えば、鉄など)からなる複数のポールピース33が設けられる。
具体的には、ポールピース33は、非磁性体部32に、周方向に等間隔でかつ非磁性体部32の外周面および内周面から露出させて埋め込まれる。本実施形態では、非磁性体部32のポールピース33が、後述するヨーク4の永久磁石41(および発電側環状体5のコイル鉄心51)と同数設けられる。また、それらポールピース33間には、非磁性体部32自身を構成する非磁性材料からなる磁気遮蔽部34が位置する。
ポールピース33の磁性材料は、できるだけヨーク4の永久磁石41の磁束が、発電側環状体5のコイル鉄心51を通過するよう透磁率の高い材料が望ましく、かつ渦電流が発生しにくいように電気抵抗の大きな材料(絶縁体や半導体など)が好ましい。例えば、ポールピース33の磁性材料としては、積層鋼板などが考えられる。
図1および図2に戻り、リング状のヨーク4は、回転軸2に対して同芯的に、かつ回転軸2の軸方向に沿って移動可能に、図示しないケースに取り付けられる。本実施形態のヨーク4は、後述するヨーク支持材61(図6参照)により、ロータ3の良導電体部31側と非磁性体部32側との間を移動可能に支持される。また、ヨーク4は、磁性体からなる。
そのヨーク4には、複数の永久磁石41が、周方向に沿ってN極、S極が交互になるよう、かつ各磁極をロータ3の内周面に対向させて設けられる。
具体的には、永久磁石41は、一方の磁極を径方向外側(ロータ3側)に向けて突出するよう、かつ他方の磁極がヨーク4の外周面に当接するよう、ヨーク4に等間隔で取り付けられる。
発電側環状体5は、回転軸2に対して同芯的に位置させて、図示しないケースに取り付けられる。発電側環状体5は、磁性体からなる。
発電側環状体5には、周方向に沿って所定の間隔で複数のコイル鉄心51(鉄心)と、これらコイル鉄心51に巻回された導電性コイル(以下、発電用コイルという)52とが設けられる。
具体的には、コイル鉄心51は、発電側環状体5の内周面に沿って等間隔で形成され、内周面から径方向内側に突出する。本実施形態では、コイル鉄心51が、ヨーク4の永久磁石41と同数設けられ、各永久磁石41に対応する周方向位置に各々配置される。
発電用コイル52は、例えば、一本の電線にて全てのコイル鉄心51を巻回してなり、その発電用コイル52は、車両のバッテリなどに接続される。
切替手段6は、ヨーク4の内周面に摺接してヨーク4を軸方向移動可能に支持するヨーク支持材61と、ヨーク4の軸方向の一端部に取り付けられ、軸方向に伸縮可能なエアシリンダ(図示せず)とを備える。
切替手段6は、エアシリンダを伸縮させてヨーク4を軸方向(図1および図2において左右方向)に沿って往復動させることで、ヨーク4を、ヨーク4の永久磁石41が良導電体部31に対向する制動位置と非磁性体部32に対向する発電位置(非制動位置)とで切り替える。
さらに、本実施形態の切替手段は6、ヨーク4を、制動位置と発電位置との間で、ヨーク4の永久磁石41が良導電体部31および非磁性体部32の両方に対向する中間位置とで切り替える。
次に、本実施形態の渦電流減速装置1の作用を説明する。
本実施形態の渦電流減速装置1は、制動時には、図1に示すように、ヨーク4の永久磁石41によりロータ3の良導電体部31に渦電流を発生させて回転軸2の回転を減速させ、非制動時には、図2に示すように、ロータ3の非磁性体部32およびポールピース33によりヨーク4の永久磁石41から発電側環状体5のコイル鉄心51に進入する磁束の量を増減させて、発電用コイル52に起電力を発生させるものである。
まず、図6に基づき制動時の渦電流減速装置1について説明する。
図6に示すように、リターダ制動時(ON時)は、切替手段6によりヨーク4が制動位置に配置される。
このとき、ヨーク4の永久磁石41は、良導電体部31(良導電材)の内周側に位置され、各磁極が良導電体部31の内周面と対向する。これにより、永久磁石41のN極から良導電体部31を通り永久磁石41のS極に至る磁気回路C1が形成される。
この磁気回路C1の磁束と良導電体部31の回転とにより、良導電体部31に渦電流が発生し、その渦電流と磁気回路C1により、良導電体部31に回転軸2の回転を減速する制動力が付与される。
次に、図7および図8に基づき発電・非制動時の渦電流減速装置1について説明する。
非制動時(OFF時)は、切替手段6によりヨーク4が発電位置に配置される。このとき、ヨーク4の永久磁石41は、非磁性体部32(および発電側環状体5)の内周側に位置され、各磁極が非磁性体部32の内周面(ポールピース33および磁気遮蔽部34)と対向する。
図7に示すように、ロータ3のポールピース33が、環状体のコイル鉄心51およびヨーク4の永久磁石41と同じ周方向位置に位置するときは、永久磁石41のN極からポールピース33、コイル鉄心51を通り、さらにヨーク4、隣接するコイル鉄心51、ポールピース33、永久磁石41のS極に至る磁気回路C2が形成される。このとき、コイル鉄心51を通る磁束は最大となる。
この図7の位置からロータ3が回転すると、ポールピース33を通過してコイル鉄心51を通る磁束の量が徐々に減少する。
図8に示すように、ロータ3の磁気遮蔽部34が、環状体のコイル鉄心51およびヨーク4の永久磁石41と同じ周方向位置に位置するときは、その磁気遮蔽部34により、永久磁石41からコイル鉄心51への磁束が遮断され、永久磁石41のN極から、ポールピース33を通り隣接する永久磁石41のS極に至る磁気回路C3が形成される。このとき、コイル鉄心51を通る磁束は最小(ほぼ0)となる。
この図8の位置からロータ3が回転すると、ポールピース33を通過してコイル鉄心51を通る磁束の量が徐々に増大する。
以上のように本実施形態では、ロータ3の回転によりコイル鉄心51を通る磁束が増減することで、発電用コイル52に起電力が発生し、発電が行われる。
次に、図9に基づき、回転軸2(ロータ3)の回転角と、発電用コイル52の電圧およびコイル鉄心51内の磁束との関係を説明する。
図9は、一例として、極数が12の渦電流減速装置1におけるロータ3の回転角によるコイル鉄心51内の磁束(図9において、破線Mで示す)および起電力(電圧)(図9において、実線Eで示す)の変化を示す。ここで、ポールピース33が、コイル鉄心51および永久磁石41と同じ周方向位置に位置するときの回転角を、0度とし、60度までを示す。
図9に示すように、ポールピース33が、コイル鉄心51および永久磁石41と同じ周方向位置に位置する回転角0、30および60度(図9において、符号Hで示す)では、コイル鉄心51内の磁束が最大となる。
一方、ポールピース33が、極(永久磁石41)の中間位置に位置する回転角15、45度(図9において、符号Lで示す)では、コイル鉄心51内の磁束が最小となる。
以上のように、ロータ3の回転角によりコイル鉄心51内の磁束が変化し、その変化量に見合った起電力が発電用コイル52に発生して発電が行われる。
なお、図2の発電位置では、ヨーク4が良導電体部31に対して軸方向に離間しているので、良導電体部31側の磁気回路C1(図6参照)は形成されず、渦電流による制動力は発生しない。
また、中間位置では、永久磁石41の磁力が、良導電体部31およびコイル鉄心51の両方に作用し、発電と制動とが同時に行われる。
このように本実施形態では、従来、非制動時には利用されていなかった永久磁石41のエネルギを利用して発電することが可能となる。
また、非制動時に永久磁石41を退避させるための空きスペースの近傍に、非磁性体部32および発電側環状体5を配置することで、そのスペースを有効利用することができる。
また、本実施形態では、発電側環状体5を回転させずに発電を行うため、発電用コイル52から電力を容易に取り出すことができる。
すなわち、図13に示すような従来品のケースの外に(回転軸側に)、発電用コイル52を配置した場合、発電時には、発電用コイル52が回転してしまうが、本実施形態では、発電用コイル52と永久磁石41の間にポールピース33を埋め込んだロータ3(回転体)を配置することにより、コイル鉄心51および発電用コイル52を固定したままで発電可能なので、電気の取り出しが容易になる。
また、本実施形態では、良導電体部31と非磁性体部32とを接合させているため、軸方向の省スペース化を図ることができ、また、回転軸2に容易に取り付けることができる。
また、ヨーク4を中間位置に位置させることで、回転軸2に制動力を付与しつつ、発電を行うことができる。
[第二の実施形態]
次に、図10および図11に基づき第二の実施形態を説明する。本実施形態では、主に、ポールピースと良導電体部とが径方向に並べて配置されている点、および永久磁石が径方向に移動する点が、第一の実施形態と異なり、それ以外は、第一の実施形態と略同様となっている。したがって、第一の実施形態と同一の要素については、図中同一符号を付すに止め、詳細な説明は省略する。
次に、図10および図11に基づき第二の実施形態を説明する。本実施形態では、主に、ポールピースと良導電体部とが径方向に並べて配置されている点、および永久磁石が径方向に移動する点が、第一の実施形態と異なり、それ以外は、第一の実施形態と略同様となっている。したがって、第一の実施形態と同一の要素については、図中同一符号を付すに止め、詳細な説明は省略する。
図10および図11に示すように、本実施形態の渦電流減速装置10は、回転軸2に同芯的に設けられたディスク状のロータ130と、そのロータ130に対して軸方向に並べて固定側に設けられたリング状のヨーク140と、そのヨーク140に対してロータ130を挟んで軸方向に反対側に位置させて固定側に設けられたステータ150と、制動モードおよび非制動モードを切り替えるための切替手段(図示せず)とを備える。
ロータ130は、回転軸2に固定されたロータ本体131と、そのロータ本体131の外周部に周方向に沿って設けられたリング状の導電体部31(以下、良導電体部)とで構成される。
ロータ本体131は、中心部に、回転軸2が挿通する挿通穴132が形成され、その挿通穴132に回転軸2を嵌め込んでロータ130が回転軸2に固定される。
ロータ本体131には、磁性材料(磁性体)からなる複数のポールピース33が、周方向に沿って所定の間隔(図例では等間隔)を隔てて設けられ、隣り合うポールピース33、33の間には、非磁性体部(磁気遮蔽部)34(図11参照)が各々設けられる。
ポールピース33は、良導電体部31の径方向内側に位置し、ロータ本体131の軸方向両側面から露出させてロータ本体131に埋め込まれる。本実施形態では、ポールピース33は、後述するヨーク140の永久磁石41(およびステータ150のコイル鉄心51)と同数設けられる。
ステータ150は、中央部に回転軸2が貫通する貫通穴151が形成されたリング形状を有する。
そのステータ150の外周部には、複数のコイル鉄心51およびそれらコイル鉄心51に巻回された導電性コイル52(以下、発電用コイルという)が設けられる。
コイル鉄心51は、ステータ150におけるロータ130に対向する側面に、周方向に所定の間隔(図例では等間隔)を隔てて、形成される。コイル鉄心51は、ステータ150からロータ130側に突出し、その先端部が、ロータ130のポールピース33と対向する。
ヨーク140は、中央部に回転軸2が貫通する貫通穴141が形成されたリング形状を有し、ロータ130と略同じ外径を有する。ヨーク140は、磁性材で形成される。
ヨーク140には、複数の永久磁石41が、周方向に沿って所定の間隔(図例では、等間隔)で設けられると共に、それら永久磁石41を径方向に移動させるための磁石移動手段(図示せず)が設けられる。
永久磁石41は、一方の磁極がロータ130のポールピース33に対向するよう、かつそれら対向する磁極が、周方向に沿ってN極、S極が交互になるように設けられる。
本実施形態では、それら永久磁石41は、ロータ130のポールピース33(およびステータ150のコイル鉄心51)と同数設けられる。
磁石移動手段は、例えば、ヨーク140におけるロータ130の対向面に設けられ永久磁石41を径方向に案内するための放射状のガイドと、そのガイド上の永久磁石41を径方向に往復動させるシリンダ装置とで構成される。
切替手段は、磁石移動手段を作動させて、ヨーク140の永久磁石41を、その永久磁石41がロータ130の良導電体部31に対向する制動位置(図10において、点線で示す)と、ロータ130のポールピース33に対向する発電位置と、それら制動位置および発電位置の間で、永久磁石41がロータ130の良導電体部31およびポールピース33の両方に対向する中間位置とで切り替える。
本実施形態でも、上述の第一の実施形態と同様に、制動時は、永久磁石41をロータ130の良導電体部31に対向させることで、回転軸2に制動力を付与し、非制動時は、永久磁石41を良導電体部31から離間させると共に、ポールピース33に対向させることで、回転軸2の回転を利用して発電を行う。
このように、本実施形態でも、上述の第一の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
例えば、上述の第一の実施形態では、ロータ3に対して径方向の外周側に発電側環状体5および制動側環状体7、内周側にヨーク4を各々配置したが、発電側環状体5および制動側環状体7とヨーク4の配置は内外周を反対にしてもよい。
また、第二の実施形態では、良導電体部31を外周側、ポールピース33および非磁性体部34を内周側に各々配置したが、これらは内外周を反対にしてもよく、その場合、コイル鉄心51および発電用コイル52は、ポールピース33および非磁性体部34に対向するよう外周側に配置される。
1 渦電流減速装置
2 回転軸
4 可動ヨーク
5 発電側環状体
6 切替手段
7 制動側環状体
8 電磁石
31 導電体ロータ
32 非磁性体ロータ
33 ポールピース
41 永久磁石
51 鉄心(コイル鉄心)
52 導電性コイル(発電用コイル)
2 回転軸
4 可動ヨーク
5 発電側環状体
6 切替手段
7 制動側環状体
8 電磁石
31 導電体ロータ
32 非磁性体ロータ
33 ポールピース
41 永久磁石
51 鉄心(コイル鉄心)
52 導電性コイル(発電用コイル)
Claims (5)
- 回転軸に同芯的に設けられた導電体からなるリング状の導電体ロータと、その導電体ロータの径方向内側または外側に位置させて、固定側に設けられた軸方向移動可能なリング状の可動ヨークと、その可動ヨークに周方向に沿ってN極、S極が交互になるよう、かつ各磁極を上記導電体ロータに対向させて設けられた複数の永久磁石とを備えた渦電流減速装置であって、
上記回転軸に同芯的に、かつ上記導電体ロータに対して軸方向に並べて上記回転軸に設けられた非磁性体からなるリング状の非磁性体ロータと、その非磁性体ロータに周方向に沿って間隔を隔てて設けられた磁性体からなる複数のポールピースと、
上記可動ヨークに対して上記非磁性体ロータを挟んで径方向の反対側に位置させて上記固定側に設けられた発電側環状体と、その発電側環状体に周方向に沿って間隔を隔てて、かつ上記非磁性体ロータに対向させて設けられた複数の鉄心と、これら鉄心に巻回された導電性コイルと、
上記可動ヨークを、軸方向に往復動させて、その可動ヨークの永久磁石が上記導電体ロータに対向する制動位置と上記非磁性体ロータに対向する発電位置とで切り替えるための切替手段とを備えたことを特徴とする渦電流減速装置。 - 上記導電体ロータと非磁性体ロータとが軸方向に接合されて一体的に形成された請求項1記載の渦電流減速装置。
- 上記切替手段は、上記可動ヨークを、上記制動位置と、上記発電位置と、それら制動位置と発電位置との間で、上記可動ヨークの永久磁石が上記導電体ロータおよび上記非磁性体ロータの両方に対向する中間位置とで切り替える請求項1または2記載の渦電流減速装置。
- 回転軸に同芯的に設けられたディスク状のロータと、そのロータに周方向に沿って設けられた導電体部と、上記ロータに対して軸方向に並べて固定側に設けられたヨークと、そのヨークに周方向に沿ってN極、S極が交互になるよう、かつ各磁極が上記ロータの導電体部に対向するように設けられた複数の永久磁石と、それら永久磁石を径方向に移動させるための磁石移動手段とを備えた渦電流減速装置であって、
上記ロータにおける上記導電体部の径方向内側または外側に、周方向に沿って間隔を隔てて設けられた磁性体からなる複数のポールピースと、隣り合うポールピースの間に各々設けられた非磁性体部と、
上記ヨークに対して上記ロータを挟んで軸方向に反対側に位置させて上記固定側に設けられたステータと、そのステータに周方向に沿って間隔を隔ててかつ上記ロータのポールピースに対向するよう設けられた複数の鉄心と、これら鉄心に巻回された導電性コイルと、
上記磁石移動手段を作動させて、上記ヨークの永久磁石を、その永久磁石が上記ロータの導電体部に対向する制動位置と上記ロータのポールピースに対向する発電位置とで切り替えるための切替手段とを備えたことを特徴とする渦電流減速装置。 - 上記切替手段は、上記ヨークの永久磁石を、上記制動位置と、上記発電位置と、それら制動位置と発電位置との間で、上記ヨークの永久磁石が上記ロータの導電体部およびポールピースの両方に対向する中間位置とで切り替える請求項4記載の渦電流減速装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006202058A JP2008029172A (ja) | 2006-07-25 | 2006-07-25 | 渦電流減速装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006202058A JP2008029172A (ja) | 2006-07-25 | 2006-07-25 | 渦電流減速装置 |
Publications (1)
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ID=39119243
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2008029172A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012152060A (ja) * | 2011-01-20 | 2012-08-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 渦電流式減速装置 |
-
2006
- 2006-07-25 JP JP2006202058A patent/JP2008029172A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012152060A (ja) * | 2011-01-20 | 2012-08-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 渦電流式減速装置 |
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