JP2008027909A - ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末からなるワイヤ及びその製作方法 - Google Patents

ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末からなるワイヤ及びその製作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末からなるワイヤを提供する。
【解決手段】金属マトリックス(102)を有するワイヤ(98)を提供する。ワイヤ(98)はさらに、該金属マトリックス(102)内に配置された複数のフィラメント(100)であって、そのうちの少なくとも1つがドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を含む複数のフィラメント(100)を含む。このドープされた2ホウ化マグネシウム粉末は、化学式MgB2−x(ここで、xは原子百分率を表し、またSは炭素、ホウ素、窒素、酸素、あるいはこれらの組み合わせを表す)を有する複数の2ホウ化マグネシウム粒子を有する第1相を含む。この粉末はさらに、複数の2ホウ化マグネシウム粒子のそれぞれを囲繞する第2相であって、炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、オキシ炭化物、あるいはこれらの組み合わせを含む第2相を含む。
【選択図】図7

Description

本発明は全般的には、2ホウ化マグネシウム粉末を製作する方法に関する。具体的に本発明は、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を製作する方法に関する。
磁気共鳴撮像(MRI)、発電機、モータ及び障害電流制限器などの用途の超伝導体としては2ホウ化マグネシウム(magnesium diboride)が利用されるのが典型的である。2ホウ化マグネシウム粉末は、薄膜内に概ね10A/cmの大きな臨界電流密度(J)を有する極めて強力にリンクした電流を表出するので有利である。さらにワイヤ、テープまたはリボンの形状とした2ホウ化マグネシウム粉末は、概ね10A/cmのJ値を表出する。さらに、これらの粉末の上側臨界磁場(H)及び不可逆性磁場(Hirr)は薄膜内において約30テスラより大きい。
典型的には、2ホウ化マグネシウム粉末は元素のマグネシウムとホウ素を反応させることによって形成される。この処理過程の結果、大型で強力なマグネットが必要となるMRIなどの用途において望ましい特性である高磁場における大きな電流搬送能力を示す微細粉末が生産される。しかし、これらの粉末を製作する既存の方法では、2ホウ化マグネシウムが極めて大きな動作磁場及び臨界電流値を実現することが妨げられる(特に、ワイヤの形に処理される場合)。これによって、MRIなどの用途でこのテクノロジーを利用することが妨げられる。このため、こうした用途を可能にするようにこれらの粉末をカスタマイズする必要がある。例えばMRI用途では、従来の延伸法を利用しながら破断させずに細いワイヤに延伸できるような2ホウ化マグネシウム粉末があることが望ましい。幾つかのケースでは、これらの特性は、粉末の処理中に2ホウ化マグネシウム粉末の組成内へのドーピングと別の添加剤の追加とを組み合わせることによって実現することができる。しかし、このドーピング/追加の処理過程は、2ホウ化マグネシウムの粒子に対する非超伝導性の不純物によるコートティングが防止されるような方式で実施する必要がある。さらに、2ホウ化マグネシウム粉末全体にわたって添加剤を均一に分散させることが望ましい。
米国特許出願公開第2005/0245400号
したがって、高いJ値及びH値を有する2ホウ化マグネシウム粉末及びワイヤを製作するための方法であってMRIなどの用途向けに構成させた方法に対する要求が存在する。
本技法の一態様では、金属マトリックスを有するワイヤを提供する。本ワイヤはさらに、この金属マトリックス内に配置させた複数のフィラメントであって、該複数のフィラメントのうちの少なくとも1つがドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を含む複数のフィラメントを含む。この粉末は、化学式MgB2−x(ここで、xは原子百分率を表し、かつSは炭素、ホウ素、窒素、酸素、あるいはこれらの組み合わせを表す)を有する複数の2ホウ化マグネシウム粒子を有する第1相を含む。この粉末はさらに、複数の2ホウ化マグネシウム粒子のそれぞれを囲繞する第2相であって、炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、オキシ炭化物、あるいはこれらの組み合わせを含む第2相を含む。
本技法の別の態様では、ワイヤを製作する方法を提供する。本方法は、金属チューブ内の穴をドープされた2ホウ化マグネシウム粉末で満たす工程と、金属チューブの端部を封止する工程と、金属チューブの長さを増加させるために金属チューブを変形させる工程と、を含む。
本技法の別の態様では、ワイヤを製作する方法を提供する。本方法は、第1の超伝導ワイヤの第1の端部を第2の超伝導ワイヤの第2の端部と接触させる工程であって、該超伝導ワイヤはドープされた2ホウ化マグネシウムを含む超伝導組成を有する超伝導フィラメントを含む接触工程を含む。本方法はさらに、第1の超伝導ワイヤの第1の端部を第2の超伝導ワイヤの第2の端部と共にある点で加熱してジョイントを形成する工程を含んでおり、このジョイントが形成された後に、超伝導組成を有する超伝導フィラメントは超伝導フィラメントの別の任意の部分と連続した電気的な接触状態となる。
本技法に関するこれらの特徴、態様及び利点、並びにその他の特徴、態様及び利点については、同じ参照符号が図面全体を通じて同じ部分を表している添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより理解が深まるであろう。
ここで図1を参照すると、スキャナ12、スキャナ制御回路14及びシステム制御回路16を含むようにして磁気共鳴撮像(MRI)システム10を模式的に表している。MRIシステム10は適当な任意のMRIスキャナや検出器を含むことがあるが、図示した実施形態のシステムは、患者22を希望するスキャン位置に配置させるためにその内部にテーブル20が位置決めされる患者ボア18を備えた全身用スキャナを含む。スキャナ12は、0.5テスラ定格から1.5テスラ定格及びこれを超える定格までの様々なスキャナを含む適当な任意のタイプの定格とすることがある。
スキャナ12は、制御磁場を発生させるため、無線周波数励起パルスを生成するため、かつこのパルスに応答して患者内部の磁気回転材料からの放出を検出するために一連の対応コイルを含む。図1の模式図では、全体的に患者ボア18と一致させた主磁場を発生させるために主マグネットコイル24が設けられている。検査シーケンスの間に制御された傾斜磁場を発生させるためにコイルアセンブリ内で一連の傾斜コイル26、28及び30がグループ分けされている(これについては以下でより完全に説明することにする)。磁気回転材料を励起するようなRFパルスを生成するために無線周波数コイル(RF)32が設けられている。図1に示した実施形態では、コイル32は受信コイルの役割も果たしている。したがってRFコイル32は、磁気回転材料からの放出を受け取ること及び無線周波数励起パルスを印加することのそれぞれのために受動モード及び能動モードで駆動回路及び受信回路と結合させることがある。別法として、RFコイル32と別に受信コイルの様々な構成を提供することがある。これらのコイルは、頭部コイルアセンブリなどの目標の解剖部位向けに特に適応させた構造、その他を含むことがある。さらに受信コイルは、フェーズドアレイコイルを含む適当な任意の物理的構成やその他の形で設けられることがある。
目下企図されている構成では、傾斜コイル26、28及び30は、撮像システム10内におけるその機能に適応させた異なる物理的構成を有している。これらのコイルは、以下に記載するような制御パルスを印加したときに傾斜磁場を発生させるコイル構造を形成するために巻きつけまたは切断されたワイヤ、ケーブル、棒材、プレートなどの超伝導素子からなることは当業者であれば理解されよう。ある種の実施形態では、その超伝導素子は第1相及び第2相を有するドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を含む。ある種の実施形態では、その第1相は、第2相によって囲繞された複数の2ホウ化マグネシウム粒子を含むことがある。以下で詳細に記載することにするが、この第2相は、炭化物、ホウ化物、窒化物、酸化物、オキシ炭化物、オキシホウ化物、オキシ窒化物、あるいはこれらの組み合わせからなる粒子または薄膜を含むことがある。これらのコイルの傾斜コイルアセンブリ内部への配置は、幾つかの異なる順序で実施されることがあるが、本実施形態では、z軸コイルを最内側箇所に位置決めすると共に、これをRF磁場に対する影響が比較的小さい全体的にソレノイド様の構造として形成させている。したがって図示した実施形態では、傾斜コイル30がz軸ソレノイドコイルであり、またコイル26及び28がそれぞれy軸コイルとx軸コイルである。
スキャナ12のコイルは、所望の磁場及びパルスの生成のため、並びに制御された方式による磁気回転材料からの信号の読み取りのために外部回路によって制御を受けている。患者の組織内に典型的には拘束されている材料が主磁場を受けると、組織内の常磁性の原子核の個々の磁気モーメントが該磁場と整列することは当業者であれば理解されよう。正味の磁気モーメントが偏向磁場の方向に生成されると、垂直面内で該モーメントのランダムな方向を向いた成分が全体として相殺される。
傾斜コイル26、28及び30は、精細に制御された磁場を、その強度が事前定義の視野域全体にわたり典型的には正極性と負極性に伴って変化するように発生させる役割をする。各コイルが既知の電流によって付勢されると、得られる磁場傾斜は、主磁場の上に重なり合うと共に、望ましくは視野域全体にわたる磁場強度のz軸方向成分の線形変動を生じさせる。この磁場はある方向では線形に変動するが、別の2つの方向では、同質性(homogenous)となる。
スキャナ12のコイルは、所望の磁場及び無線周波数パルスを生成するようにスキャナ制御回路14によって制御を受ける。図1の模式図では、制御回路14は検査中に利用するパルスシーケンスを指令するため並びに受信した信号を処理するための制御回路36を含む。制御回路36は、汎用または用途特定のコンピュータのCPUやディジタル信号プロセッサなどの適当な任意のプログラム可能論理デバイスを含むことがある。制御回路36はさらに、スキャナにより実現させた検査シーケンス中に使用される物理及び論理軸構成パラメータ、検査パルスシーケンス記述、収集画像データ、プログラミングルーチン、その他を保存するための揮発性及び不揮発のメモリデバイスなどのメモリ回路38を含む。
制御回路36とスキャナ12のコイルの間インタフェースは、増幅/制御回路40によって、また送信/受信インタフェース回路42によって管理されている。回路40は、制御回路36からの制御信号に応答して磁場コイルに対して駆動電流を供給するための各傾斜磁場コイル向けの増幅器を含む。インタフェース回路42はRFコイル32を駆動するための追加的な増幅回路を含む。さらに、RFコイルが無線周波数励起パルスの放出とMR信号の受信の両方の役割をしている場合には、回路42は典型的には、能動モードすなわち送信モードと受動モードすなわち受信モードとの間でRFコイルをトグル切り替えするためのスイッチングデバイスを含む。主マグネット24を付勢させるために、その全体を図1の参照番号34で表した電源が設けられている。最後に回路14は、構成及び画像データをシステム制御回路16とやり取りするためのインタフェース構成要素44を含む。本記述は超伝導主磁場マグネットアセンブリを利用している水平円筒状ボア撮像システムに関連させているが、本技法は超伝導マグネット、永久磁石、電磁石あるいはこれら手段の組み合わせにより発生させた垂直磁場を利用しているスキャナなどの別の様々な構成に適用されることがあることに留意すべきである。
システム制御回路16は、オペレータや放射線医とスキャナ12の間のスキャナ制御回路14を介したインタフェースを容易にするために広範なデバイスを含むことがある。図示した実施形態では例えば、汎用または用途特定のコンピュータを利用するコンピュータワークステーションの形態をしたオペレータ制御装置46が設けられている。このワークステーションもまた典型的には、検査パルスシーケンス記述、検査プロトコル、ユーザ/患者データ、画像データ(未処理データと処理済みデータの両方)、その他を保存するためにメモリ回路を含んでいる。このワークステーションはさらに、データの受信及びローカル及びリモートのデバイスとのデータやり取りのために様々なインタフェース及び周辺ドライバを含むことがある。図示した実施形態では、こうしたデバイスには、従来のコンピュータキーボード50や、マウス52などの代替的入力デバイスが含まれる。ドキュメントや収集データから再構成した画像のハードコピー出力を作成するためにプリンタ54が設けられている。オペレータインタフェースを容易にするためにコンピュータモニタ48が設けられている。さらにシステム10は、様々なローカル及びリモートの画像アクセス/検査制御デバイス(図1において全体を参照番号56で表す)を含むことがある。これらのデバイスには、画像蓄積伝送システム(Picture archiving and Communication Systems:PACS)、遠隔放射線(teleradiology)システム、その他を含むことがある。
ここで図2及び3を見ると、第1相及び第2相を有するドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を表している。図示した実施形態では、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末は、粒子や薄膜などの第2相コートティングによって囲繞された複数の2ホウ化マグネシウム粒子を含む第1相を含む。ある種の実施形態では、その第2相は、炭化物、ホウ化物、窒化物、酸化物、オキシ炭化物、オキシホウ化物、オキシ窒化物、あるいはこれらの組み合わせを含むことがある。例示的な一実施形態では、その第2相は、炭化ケイ素を含むことがある。別の実施形態では、その第2相は、ケイ素のオキシ炭化物を含むことがある。
ある種の実施形態では、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末は、化学式MgB2−x(ここで、Sはドーパントを表し、またBは化学元素のホウ素を意味している)によって表現できる複数の2ホウ化マグネシウム粒子を含むことがある。ある種の実施形態では、Sは炭素、ホウ素、酸素、窒素あるいはこれらの組み合わせのうちの1つまたは幾つかを含むことがある。一実施形態では、Sが炭素を含む、すなわち2ホウ化マグネシウム粉末は炭素ドープされている。別の実施形態では、Sはホウ素、窒素または酸素を含む。これらの実施形態では、その2ホウ化マグネシウム粉末は、ホウ素ドープされている、窒素ドープされている、あるいは酸素ドープされている。さらに、xは2ホウ化マグネシウム格子内のホウ素を置換しているドーパントSの原子百分率を表している。幾つかの実施形態では、xの値は約5パーセント〜約15パーセント、約6パーセント〜約12パーセント、また好ましくは約8パーセント約10パーセントの範囲内で変動させることができる。2ホウ化マグネシウム格子のドーピングSは均一とさせることが好ましい。2ホウ化マグネシウム格子内へのSのドーピングによってより高い上側臨界磁場(H)を得ることができる。さらに、2ホウ化マグネシウムの微細構造全体にわたって炭化ケイ素粒子などの第2相を分散させることによって臨界電流密度(J)が増強される。MRI用途ではHとJの両方が高い値である必要があることが理解されよう。
図2に示すように、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末58のある種の実施形態では、2ホウ化マグネシウム粒子60を有する第1相が炭化ケイ素粒子などの比較的より小さい第2相粒子62によって囲繞されることがある。これらの実施形態では、2ホウ化マグネシウム粒子60のサイズが約20ナノメートル〜約500マイクロメートルの範囲内で変動することがあり、また第2相粒子62のサイズは約5ナノメートル〜約50ナノメートルの範囲内にあることがある。したがって、2ホウ化マグネシウム粉末58は粒子サイズが比較的より小さいために、より大きな比率の超伝導材料を有する(すなわち、2ホウ化マグネシウム粉末からなる別の従来式ケーブルと比較して2ホウ化マグネシウムがより大きい比率であるような)これらの粉末からワイヤを形成することが可能となる。これらのワイヤは一方、ケーブルを形成するために使用することができる。
超伝導材料の量をより大きくすると、高い電流密度(I)、臨界電流密度(J)及び上側臨界磁場(H)が可能となることが理解されよう。例示的な一実施形態では、自己磁場下で4KにおけるIは約80A〜約1000Aの範囲内にあることがある。別の実施形態では、Jは約10A/cm〜約10A/cmの範囲内にあることがある。一実施形態では、Hは約10テスラ〜約100テスラの範囲内にあることがある。
図3は、図2のドープされた2ホウ化マグネシウム粉末58に対する代替的な一実施形態を表している。図示した実施形態では、2ホウ化マグネシウム粉末64は、炭化ケイ素などの第2相からなる薄膜68によって囲繞された2ホウ化マグネシウム粒子66を有する第1相を含む。この実施形態では、2ホウ化マグネシウム粒子66及び炭化ケイ素薄膜68によって、2ホウ化マグネシウム粒子66がコアを形成し炭化ケイ素薄膜68がシェルを形成している1つのコア−シェル(core−shell)構造を形成させることができる。ある種の実施形態では、薄膜68の厚さ70は概ね数ナノメートルとすることがある。例示的な一実施形態では、薄膜68の厚さ70は、炭化ケイ素が非伝導性であることに由来するパーコレーション(percolation)電流密度の損失を防止するために約9ナノメートル未満とすることがある。
図4及び5は、本技法に従ってドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を製作する方法を表した例示的な実施形態である。図4に図示した実施形態では、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末が2つの工程により形成される。ブロック72では、第1相すなわち複数の2ホウ化マグネシウム粒子を有する2ホウ化マグネシウム粉末が高分子前駆体によってコートされており、この高分子前駆体は1つまたは複数の第2相粒子を産正するように構成された化学元素を含んでいる。例えば、高分子前駆体は、熱処理時に炭化ケイ素を生成するように構成された化学元素を含むことがある。引き続きブロック74では、コートされた2ホウ化マグネシウム粉末が熱処理を受け、第2相粒子すなわちコートティングをその上に配置させて含む2ホウ化マグネシウム粒子を含んだドープされた2ホウ化マグネシウム粉末が形成される。本明細書で使用する場合、「第2相コートティング」とは、2ホウ化マグネシウムの微細構造全体にわたって分散させた第2相を有する実施形態に言及したものであり、また2ホウ化マグネシウム粒子上に第2相薄膜コートティングを有する実施形態に言及したものでもある。
図5は、本技法の実施形態に従ってドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を形成するさらに詳細な方法を表している。ブロック76では、高分子前駆体が提供される、ここでこの高分子前駆体はさらに1つの第2相を生成するように構成させた化学元素を含む。高分子前駆体は、例えば炭化ケイ素を産生するように構成させた化学元素を含むことがある。一実施形態では、炭化ケイ素の有機金属前駆体を使用することがある。例示的な一実施形態では、炭化ケイ素高分子前駆体は、ポリシラザン、変性シロキサン、[RSiCH−][−SiRCH−]−[−SiR(CH2−)1.5[−Si(CH−)](ここでRは、H、−CHCH=CH、あるいは部分的アリル置換の誘導体「AHPCS」、すなわち[′Si(allyl)0.1H0.9CH2′]nとすることがある)のタイプをした多分岐のポリカルボシラン、ポリアクリルニトレート(polyacrylic nitrate)(炭素供給源とする)、ポリオキサン(polyoxane)、シアノオキサン(cyanoxane)、炭酸塩、あるいはこれらの組み合わせを含むことがある。
ブロック78では、高分子前駆体を溶剤内に溶解させて溶液を形成させる。高分子前駆体が熱可塑性樹脂であるような実施形態では、その高分子前駆体を制御された雰囲気下で液体になるように事前溶融させることがあり、また引き続いて2ホウ化マグネシウム粒子上に高分子前駆体の均一コートティングを形成するための高密度ミキシングであるミリング(milling)などの技法を用いて2ホウ化マグネシウム粉末をこの液体内に混合させることがある。幾つかの実施形態では、その溶剤は、1つまたは複数のケトン、アルコール、THF、あるいはこれらの組み合わせを含むことがある。一実施形態では、その溶剤はエタノールを含む。
ブロック80では、この溶液に2ホウ化マグネシウム粉末を加えて混合物を形成させる。2ホウ化マグネシウム粉末は一般に入手可能である。引き続いて工程82では、ミリング(例えば、高密度ミキシング)によって2ホウ化マグネシウム粉末と高分子前駆体溶液を混合し、粉末と前駆体の均一混合物を形成させると共に、高分子前駆体溶液を2ホウ化マグネシウム粒子上にコートさせる。
さらに、炭素、酸素、窒素またはホウ素のドーピング量は、そのそれぞれの供給源の追加によって制御された方式で増加させることができる。例えば、炭素ドーピングの量は、適当な量の炭素繊維、炭素ナノ粒子などの炭素供給源を混合物に追加することによって増加させることができる。Jをさらに増強するためにこの混合物にはさらに、チタン、リチウム、イットリア、アルミニウム、ケイ素、及び/またはジルコニウムが追加されることもある。これらの添加物は2ホウ化マグネシウム粉末全体にわたるこれら添加物の均一分散を容易にさせるためにナノ粒子の形態とさせることが好ましい。
引き続きブロック84では、複数の2ホウ化マグネシウム粒子上に高分子前駆体のコートティングを形成するために溶液から溶剤が除去されることがある。一実施形態では、溶剤を溶液から気化させることがある。ある種の実施形態では、この溶剤の気化は不活性の雰囲気や真空内で実施し、これにより酸素など望ましくない汚染物質が、2ホウ化マグネシウム粉末全体に入り込むのを防止することがある。この溶剤は、約15℃〜約100℃の温度で混合物を加熱することによって除去されることがある。さらに、混合物は不活性の雰囲気や真空中で加熱されることがある。
代替的実施形態では、金属有機化学蒸着法、反応性プラズマ支援式化学蒸着法、反応性プラズマ支援式物理的蒸着法、化学気相含浸法(chemical vapor infiltration)、あるいはこれらの組み合わせなどの蒸着技法を利用することによって2ホウ化マグネシウム粒子を高分子前駆体でコートすることがある。
ブロック86では、均一粒子サイズを得るためにこの高分子前駆体でコートした2ホウ化マグネシウム粉末をふるい処理及び/または顆粒化処理にかけることがある。ブロック88では、2ホウ化マグネシウム粉末を熱処理にかけ、2ホウ化マグネシウム粒子上に炭化ケイ素コートティングなどの第2相コートティングを形成すると共に、炭素などのドーパントを2ホウ化マグネシウムの格子内に拡散させている。例示的な一実施形態では、加熱の間に、前駆体の高分子分解や熱分解によって炭化ケイ素が形成され、これによって2ホウ化マグネシウム粒子上に炭化ケイ素コートティングを形成させている。ある種の実施形態では、Jの低下を起こす可能性がある粉末内での非伝導性酸化物の形成を防止するために、その熱処理を無酸素環境内で実施することがある。別の実施形態では、その熱処理を不活性の雰囲気や真空中で実施することがある。
さらに、2ホウ化マグネシウム格子内へのドーパントの均一な拡散並びに該全体への第2相粒子の均一な分散を容易にするために、その熱処理が低速度で実施されることがある。一実施形態では、第2相粒子の均一分散及び均一ドーピングを容易にするために、高分子前駆体でコートした2ホウ化マグネシウム粒子が焼結処理を受けることがある。ある種の実施形態では、その熱処理は約1400℃〜約1900℃の範囲の温度で実施されることがある。幾つかの実施形態では、その熱処理が約1時間から約24時間までの範囲の時間期間にわたって実施されることがある。さらに、その熱処理は、約10−6atmから約1atmまでの範囲の圧力で実施されることがある。
上述した様々な技法によって製作した2ホウ化マグネシウム粉末はワイヤ、ケーブル、シートなどの様々な形状になるように延伸を受けることがある。一実施形態では、そのシートを金属内に収容することがある。この実施形態では、金属内に収容した2ホウ化マグネシウムシートからなるこうした合成構造を生成するために同時押出成形(co−extrusion)やスエージ加工(swagging)を利用することがある。本技法の2ホウ化マグネシウム粉末から形成させたケーブルはMRIなどの撮像用途に利用することができる。上述したように、これらのケーブルはI、J及びHが高いため、これらのケーブルをMRI用途における望ましい候補の1つとすることができる。さらに、本技法の2ホウ化マグネシウム粉末は、直径が約1mmから5mmまでの範囲の単一フィラメントまたはマルチフィラメントケーブルになるように容易に延伸させることができる。さらに、これらのケーブルの機械的強度は様々な用途に適合させることができる。例示的な一実施形態では、ワイヤ/ケーブルが受ける応力は約50MPaから約500MPaまでの範囲とすることができ、またワイヤ/ケーブルが受ける歪みは約−1%から約1%までの範囲内とすることができる。一実施形態では、ワイヤ/ケーブルの長さは約10cmから約10cmまでの範囲内とすることができる。
図6は、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末のワイヤを製作する方法を表した例示的な一実施形態である。ブロック90では、中空の金属チューブを画定している金属チューブを通過する穴がドープされた2ホウ化マグネシウム粉末で満たされる。ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末の粒子はかん状体、ペレット、粉末、粒子、フレーク状、あるいはこれらの組み合わせの形態をしている。一実施形態では、その金属チューブは銅、銅合金、ステンレス鋼、タンタル、マグネシウム、ニッケル合金、あるいはこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、チューブの半径に対する穴の半径の比は、変形(ブロック94)前において約0.1〜約0.99である。
ブロック92では、金属チューブの端部が封止される。引き続きブロック94では、長さを増大させかつ断面積を低下させるように金属チューブが変形される。このワイヤは、所望であればさらに、テープまたは薄膜まで平たくさせることがある。一実施形態では、その金属チューブは、押し出し成形、鍛造、圧延、スエージ加工、延伸あるいはこれらの組み合わせなどの処理を利用することによって変形させることがある。変形処理過程に続いて、このワイヤ、テープまたは薄膜を熱処理しその超伝導特性及び/または機械的特性を向上させることがある。一実施形態では、そのワイヤは約600℃以上の温度で約1時間以上の時間期間にわたって熱処理を受けることがある。
ワイヤは平坦にしたテープや巻きつけたマルチワイヤケーブルなど別の同様の導電性構造となるように形成すると有利なことがある。超伝導ワイヤに関する用途は、超伝導マグネット、モータ、変圧器、発電機などの電磁的デバイスに見出される。一方、こうした電磁的デバイスは、例えば磁気共鳴撮像システムなどのより大型のシステム内に組み込まれることがある。
図7は、超伝導ワイヤ98の例示的な一実施形態の断面像を表した概要図である。超伝導ワイヤ98は、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を有する少なくとも1つのフィラメント100を含む。フィラメント100は金属マトリックス102内に配置させている。例えば金属マトリックス102は、図6を参照しながら上述したような2ホウ化マグネシウム粉末を満たすために利用される金属チューブ材料を含むことがある。図7ではこうしたフィラメント100を7つ図示しているが、超伝導ワイヤ98のサイズ、フィラメント100のそれぞれのサイズ、及び超伝導ワイヤ98の所望の特性に応じて、超伝導ワイヤ98の内部には希望する任意の数のフィラメント100を存在させることができる。例示的な一実施形態では、その超伝導ワイヤ98は概ね0.5mm〜概ね1.0mmの範囲の直径を有することがある。さらに、フィラメント100はその各々が概ね0.02mm〜概ね0.1mmの範囲の直径を有することがある。
別の例示的な実施形態では、上述のように超伝導ワイヤ98を形成させた後、ワイヤを通過するAC損失を低下させるためにワイヤに撚りを加えることがある。ワイヤに撚りを加えることにより一般にワイヤを通過する磁束鎖交が低下し、これによりワイヤを通過するAC損失を低下させ得ることが理解されよう。超伝導ワイヤ98内に形成させる撚りの回数は、希望する効果に応じて様々とすることができる。この点は、撚りを加えた超伝導ワイヤ98の「ピッチ」を参照することによって定量化することができる。本明細書で使用する場合、撚りを加えた超伝導ワイヤ98の「ピッチ」とは、ワイヤが1回の完全な回転(捻り)を終えたときにワイヤがずれを生じる長さを意味している。例えば超伝導ワイヤ98が、50mmに等しいワイヤ長で1回の完全な撚りでワイヤが回転するような撚りを受けている場合、その超伝導ワイヤ98は50mmに等しい「ピッチ」を有すると言われる。例示的な一実施形態では、そのピッチは概ね20mm〜概ね200mmの範囲とすることがある。撚りは例えば、200Hz未満の周波数など低周波数用途で特に有利となることがある。
ワイヤ98などのドープされた2ホウ化マグネシウム超伝導ワイヤの製作に続いて、ワイヤを溶接または拡散結合させて、互いに溶接させた超伝導ワイヤのそれぞれの長さの和に少なくとも等しい長さを有するような連続長の超伝導ワイヤを生成させることがある。拡散結合は、結合させようとする超伝導ワイヤの一部分の微小変形による原子移動を通じて実現される固相処理である。
図8は、超伝導ワイヤ98の別の例示的な実施形態の断面像を表した概要図である。図7に示した実施形態の場合と同様に、図8に示した超伝導ワイヤ98は、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末を有する少なくとも1つのフィラメント100を含む。フィラメント100は金属マトリックス102内に配置させている。幾つかの実施形態では、金属マトリックス102はバリア層の役割をするように構成させることがある。別の実施形態では、バリア層101などの追加的なバリア層を、フィラメント100の周りに少なくとも部分的に配置させることがある。これらの実施形態では、ここで図示した実施形態に従ってフィラメント100を金属マトリックス102内に配置させる前に、各フィラメント100をバリア層101でコートすることがある。バリア層101は、例えばステンレス鋼、鋼鉄、ニッケル、ニオブなどの超伝導材料といった非超伝導材料を含むことがある。さらに、バリア層101は概ね0.001mm〜概ね0.05mmの範囲の厚さを有することがある。このバリア層101は個々のフィラメント100の間の抵抗値を増加させることによって超伝導ワイヤ98を通過するAC損失を低下させるために利用できるので有利である。さらに、バリア層101を使用すると、フィラメント100と金属マトリックス102の間の化学変化に由来した合金形成の可能性を低減させることができる。例示的な一実施形態では、フィラメント100を配置させる金属マトリックス102を導入する前に、ドープされた2ホウ化マグネシウム粉末をその内部に配置させる(例えば、図6のブロック90)ための金属チューブをバリア層101に包み込むことがある。
図9は、本技法の実施形態に従って伝導性ワイヤを製作する例示的な一方法を表している。ブロック104では、第1の超伝導ワイヤを第2の超伝導ワイヤに接触させて配置させてジョイントが形成される。ブロック104では、第1の超伝導ワイヤの第1の端部と第2の超伝導ワイヤの第2の端部をジョイント位置で加熱し単一のワイヤが形成される。一実施形態では、得られた超伝導ワイヤは、第2の超伝導ワイヤの長さや第1の超伝導ワイヤの長さ以上の長さを有することがある。一実施形態では、超伝導ワイヤの長さは約10668000cm以上となることがある。2つのワイヤを加熱する点は、単一の点とすることや、2つのワイヤを重ね合わせたセクションとすることがある。このジョイントは、スポット溶接や突合せ溶接とすること、あるいは所望の別の種類の溶接とすることがある。
この結合は一般に、光ビームにより提供されるエネルギーなど少なくとも1つのエネルギー源を用いて実施されており、供給源により提供されるこのエネルギーは、超伝導組成のうちの互いに結合させようとする部分に導かれる。このエネルギーと超伝導組成との相互作用によってこの組成の加熱が容易になると共に、この温度上昇は超伝導組成の結合を容易にするために利用できるので有利である。好ましい結合方法は、電子ビーム溶接、レーザー溶接、超音波溶接、プラスマアーク溶接、抵抗溶接、その他である。
さらに別の実施形態では、超伝導フィラメントの露出させた端部、並びにドープされた2ホウ化マグネシウム粉末、2ホウ化マグネシウム粉末、あるいはマグネシウム粉末とホウ素粉末の組み合わせを含む充填材料からなる重複セクションが抵抗性に加熱される。この加熱によって、2ホウ化マグネシウムを生成するためのマグネシウムとホウ素の間の化学変化が促進される。2ホウ化マグネシウムは超伝導ワイヤの結合を容易にするために使用されることがある。
一実施形態では、その結合が一般に約650〜約1000℃の温度で実施される。第1の超伝導ワイヤの第1の端部と第2の超伝導ワイヤの第2の端部の間に「ブリッジ超伝導断面」が得られるような方式で結合を実施することが一般に望ましい。ブリッジ超伝導断面がフィラメントまたテープ上の超伝導断面より小さいときは、接続された超伝導素子内の電流搬送容量がこのブリッジ超伝導断面によって制限される。したがって、ブリッジ超伝導断面は、フィラメントまたはテープ上の超伝導断面と少なくとも同程度の大きさとすることが好ましい。
形成させたジョイントの電流搬送容量は、当該溶接の両側で電圧探触子を超伝導フィラメントテープにはんだ付けすることによって試験することができる。ジョイントが超伝導体の臨界温度未満に冷却されると共に、探触子間の電圧変化を監視しながらこの溶接を通過する電流量を増加させる。十分な電圧変化(例えば、約0.02マイクロボルト)が検出された電流が臨界電流である。溶接の電流搬送容量がフィラメント及び/またはテープの電流搬送容量未満であれば、ジョイント内のブリッジの数またはブリッジのサイズを増加させ、より大きなブリッジ超伝導断面を形成することができる。
上で述べたように、これらの結合方法は、平たいテープ、複数のワイヤから形成させた積層式(laminated)ワイヤ、及び巻き付け式マルチワイヤケーブル(ただし、これらに限らない)を含む導電性構造内で有利に使用可能な超伝導ワイヤの拡張セクションを作成するために有効に使用することができる。超伝導ワイヤの用途は、モータ、変圧器及び発電機向けの超伝導マグネット(ただし、これに限らない)などの電磁的デバイスに見出される。一方、こうした電磁的デバイスは、例えば磁気共鳴撮像システムなどのこれよりより大きなシステム内に組み込まれることがある。
本技法の2ホウ化マグネシウム粉末についてMRI用途に関連して記載してきたが、上で開示した2ホウ化マグネシウム粉末は、発電、発電機、モータ、障害電流制限器、あるいは別の任意の超伝導用途など別の幾つかの技法でも利用され得ることが理解されよう。
本発明のある種の特徴についてのみ本明細書において図示し説明してきたが、当業者によって多くの修正や変更がなされるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲に属するこうした修正や変更のすべてを包含させるように意図したものであることを理解されたい。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
本技法のある種の実施形態による医用診断撮像で使用するためのMRIシステムを表した模式図である。 炭化ケイ素粒子を複数の粒子上に配置させて有する2ホウ化マグネシウム粉末の断面図である。 炭化ケイ素粒子を複数の粒子上に配置させて有する2ホウ化マグネシウム粉末の断面図である。 本技法のある種の実施形態に従って2ホウ化マグネシウム粉末を製作する例示的な方法を表した流れ図である。 本技法のある種の実施形態に従って2ホウ化マグネシウム粉末を製作する例示的な方法を表した流れ図である。 本技法のある種の実施形態に従ってワイヤを製作する例示的な方法を表した流れ図である。 図6の方法を用いて製作したワイヤの断面概要図である。 図7に示したワイヤの代替的実施形態の概要図である。 本技法のある種の実施形態に従ってワイヤを製作する例示的な方法を表した流れ図である。
符号の説明
10 MRIシステム
12 スキャナ
14 スキャナ制御回路
16 システム制御回路
18 患者ボア
20 テーブル
22 患者
24 主マグネットコイル
26 傾斜コイル
28 傾斜コイル
30 傾斜コイル
32 RFコイル
34 電源
36 制御回路
38 メモリ回路
40 制御回路
42 回路
44 インタフェース構成要素
46 オペレータ制御装置
48 コンピュータモニタ
50 コンピュータキーボード
52 コンピュータマウス
54 プリンタ
56 検査制御デバイス
58 2ホウ化マグネシウム粉末
60 2ホウ化マグネシウム粒子
62 炭化ケイ素コートティング
64 2ホウ化マグネシウム粉末
66 2ホウ化マグネシウム粒子
68 炭化ケイ素薄膜
70 薄膜の厚さ
72 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
74 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
76 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
78 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
80 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
82 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
84 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
86 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
88 炭素ドープされた2ホウ化マグネシウムを製作する方法の一工程
90 ワイヤの製作方法の一工程
92 ワイヤの製作方法の一工程
94 ワイヤの製作方法の一工程
98 超伝導ワイヤ
100 フィラメント
101 バリア層
102 金属マトリックス
104 ワイヤの製作方法の一工程
106 ワイヤの製作方法の一工程

Claims (10)

  1. 金属マトリックスと、
    前記金属マトリックス(102)内に配置させた複数のフィラメント(100)であって、該複数のフィラメント(100)のうちの少なくとも1つはドープされた2ホウ化マグネシウム粉末(58)を含む複数のフィラメント(100)と、
    化学式MgB2−x(Sが1つのドーパントを表し、Sは炭素、窒素、ホウ素、酸素、あるいはこれらの組み合わせを含み、かつxは超伝導粉末内のドーパントの原子百分率を表す)を有する複数の2ホウ化マグネシウム粒子を有する第1相と、
    前記複数の2ホウ化マグネシウム粒子のそれぞれを囲繞する第2相であって、炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、オキシ炭化物、あるいはこれらの組み合わせを含む第2相と、
    を備えるワイヤ(98)。
  2. 前記第2相は複数の粒子、薄膜、あるいはこれら両者を含む、請求項1に記載のワイヤ(98)。
  3. その長さが約10cm〜約10cmの範囲内にある請求項1に記載のワイヤ(98)。
  4. xの値が約8パーセント〜約10パーセントの範囲内にある請求項1に記載のワイヤ(98)。
  5. 約50MPaから約500MPaまでの範囲内の応力を受けるように構成されている請求項1に記載のワイヤ(98)。
  6. 約−1%から約1%までの範囲内の歪みを受けるように構成されている請求項1に記載のワイヤ(98)。
  7. 前記複数のフィラメントのそれぞれは1つの周囲バリア層(101)を備える、請求項1に記載のワイヤ(98)。
  8. そのワイヤに撚りが加えられている請求項1に記載のワイヤ。
  9. その撚りピッチが概ね20mm〜概ね200mmの範囲内にある請求項1に記載のワイヤ。
  10. ワイヤ(98)を製作する方法であって、
    化学式MgB2−x(Sが1つのドーパントを表し、Sは炭素、窒素、ホウ素、酸素、あるいはこれらの組み合わせを含み、かつxは超伝導粉末内のドーパントの原子百分率を表す)を有する複数の2ホウ化マグネシウム粒子を有する第1相と、
    前記複数の2ホウ化マグネシウム粒子のそれぞれを囲繞する第2相であって、炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、オキシ炭化物、あるいはこれらの組み合わせを含む第2相と、を備えたドープされた2ホウ化マグネシウム粉末によって金属チューブ内の穴を満たす工程と、
    前記金属チューブの端部を封止する工程と、
    前記金属チューブの長さを増加させるために該金属チューブを変形させる工程と、
    を含む方法。
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