JP2008027596A - 電線処理システム - Google Patents
電線処理システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008027596A JP2008027596A JP2006195237A JP2006195237A JP2008027596A JP 2008027596 A JP2008027596 A JP 2008027596A JP 2006195237 A JP2006195237 A JP 2006195237A JP 2006195237 A JP2006195237 A JP 2006195237A JP 2008027596 A JP2008027596 A JP 2008027596A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electric wire
- wire
- drum
- length
- receiving box
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
Abstract
【課題】稼動率を高めるとともに、多品種少量生産に適した電線供給を可能にし、しかも間違った電線供給による不良品の生成を防止する電線処理システムの提供。
【解決手段】電線処理システムは、端末加工処理を行う端末処理装置と、一端側に挿入口23を有する受箱部15を複数個備える供給装置本体、及び挿入口23を介して夫々の受箱部15内に挿脱可能に収容されるカセット式電線繰出し部を有する電線供給装置とを具備する。また、カセット式電線繰出し部は、ケース部33と、ケース部33内で電線ドラム36を回動可能に支持するドラム支持部38と、ケース部33に設けられ電線ドラム36に巻かれた電線をケース部33における所定の部位から一定方向に繰出させる電線ガイド部43と、ケース部33に取付けられケース部33内に収容された電線を特定するための情報(識別番号)を記憶するバーコードとを有する。
【選択図】図4
【解決手段】電線処理システムは、端末加工処理を行う端末処理装置と、一端側に挿入口23を有する受箱部15を複数個備える供給装置本体、及び挿入口23を介して夫々の受箱部15内に挿脱可能に収容されるカセット式電線繰出し部を有する電線供給装置とを具備する。また、カセット式電線繰出し部は、ケース部33と、ケース部33内で電線ドラム36を回動可能に支持するドラム支持部38と、ケース部33に設けられ電線ドラム36に巻かれた電線をケース部33における所定の部位から一定方向に繰出させる電線ガイド部43と、ケース部33に取付けられケース部33内に収容された電線を特定するための情報(識別番号)を記憶するバーコードとを有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、電線処理システムに関するものであり、特に、端子圧着装置等、電線の端末加工処理を行う端末処理装置に対して、多数の種類の電線を供給することが可能な電線処理システムに関するものである。
端末処理装置として、電線の端部の被覆材を除去し、その端部に端子を圧着するとともに、電線を所定の長さに切断する端子圧着装置が知られている。この端子圧着装置の中には、電線の先端部と後端部の両方に端子を圧着することのできるものもある。
具体的には、図7に示すように、端子圧着装置101は、電線癖取装置102と、電線Lの先端側及び後端側に端子を圧着させるための第一圧着機構103,第二圧着機構104と、電線Lを切断するとともに電線Lの端部の被覆材を除去する切断機構105と、電線Lの先端側を第一圧着機構103に送り込む電線送り機構106と、切断後の電線Lを保持し電線Lの後端側を第二圧着機構104に送り込むチャック機構(図示しない)と、端子Tを圧着し終えた電線Lを蓄えた後に所定数の電線Lを纏めて外部へ排出する排出装置(図示しない)とを備えている。
第一圧着機構103と第二圧着機構104とは基本的な構成が等しく、端子を圧着するためのアプリケータ109がフレーム部材110に取付けられている。つまり、フレーム部材110の側面には、切欠き111が形成され、その切欠き111内にアプリケータ109が取付けられている。詳しくは、切欠き111の上方にはアプリケータ109の上側ユニット112が、また、切欠き111の下方には、アプリケータ109の下側ユニット113が夫々取付けられている。
また、電線送り機構106は、電線取込みガイド157、電線Lの長さを測長するエンコーダ158、及び、所定距離離間して配置される一対のローラ159等から構成されている。(特許文献1参照)。
一方、端子圧着装置101に電線を供給する方法として、例えば互いに異なる電線が巻かれた複数の電線ドラムを備え、複数の電線ドラムの中から加工処理する電線を、手作業で端子圧着装置101に供給することが一般的に行われている。つまり、電線ドラムに巻かれた電線の先端を、端子圧着装置101の電線癖取装置102を通して電線送り機構106にセットする方法であり、その後は、電線送り機構106の設けられた一対のローラ159の動力(引張操作)によって、電線ドラムから電線を繰出させることができる。
ところで、電気製品には配線用の被覆電線 が数多く使用されている。これらの被覆電線 は、銅等で形成された芯線と、塩化ビニール等の樹脂で形成され芯線を絶縁するための被覆とから構成され、配線場所、用途、消費電力、及び接続方法等の使用条件に適するように、その全長、芯線の直径、及び芯線の露出長さ等が夫々設定される。
また、複数の電気部品を電気的に接続するために、複数の電線を束ねたワイヤーハーネスが使用されることもある。そして、このワイヤーハーネスでは複数の色(例えば13色)の被覆電線が用いられている。
なお、近年、電気製品の多品種化に伴い、それに使用される被覆電線の種類も極めて多様になってきており、しかも在庫をもたずに適切なタイミングで適切な分だけ納品できるように少量生産が一般的に行われている。特に車両に用いられるワイヤーハーネスでは、複数の色の被覆電線を単品生産することも要望されている。
しかし、従来の電線供給方法では、電線の種類が変わるごとに電線を手作業で掛け換える作業が必要となることから、端子圧着装置の稼動率が大幅に低下していた。具体的には、端子圧着装置101の加工処理能力が3000本/時間であっても、電線の掛け換えに1分間要する場合には、1時間当りの生産量は60本以下となっていた。つまり、多品種少量生産の場合、生産性が極めて悪くなり、ひいては製造コストの増加、及び作業者の負担の増加が問題となっていた。
また、一般の電線ドラムは比較的大型であることから、それらを数多く並べるには極めて広いスペースが必要となり、設備の導入が困難となっていた。また、電線ドラムに巻かれている電線が残り少なくなった場合には、新たな電線ドラムと交換しなければならないが、この際、大きな電線ドラムを現場で取外したりセットしたりする作業が必要となり、稼動率の低下、及び作業者の負担の増加が助長されていた。
また、現場に十分な配設スペースがない場合には、一つまたは頻繁に使用する電線ドラムのみを端子圧着装置の近傍に配置し、残り全ての電線ドラムを倉庫や収納庫で保管しておくことも一般的に行われているが、これによれば、保管された電線ドラムを使用する際に、倉庫等から端子圧着装置の近傍まで電線ドラムを搬送しなければならず、電線の掛け換えが完了するまでに一層長い時間を要していた。
特に、端子圧着装置では、電線ドラムに巻かれている電線の残り長さを認識することができなかった。つまり、供給される電線がなくなり端子圧着装置側で加工することができなくなった時点でしか、電線切れを報知することができなかった。このため、電線ドラムを交換するまで加工処理を再開することができず、端子圧着装置を効率的に稼動させることができなかった。
なお、収納庫に保管された複数の電線ドラムの中から加工処理する電線ドラムを適宜選択し、その電線ドラムを端子圧着装置まで自動で搬送しセットする装置、所謂、自動搬送システムを構築することも考えられるが、これのようなシステムは極めて大掛かりな設備となり、膨大な費用が必要となる。
さらに、電線を手作業で掛け換えることから、例えば被覆の色が異なる等、間違った種類の電線が端子圧着装置に供給されても、それに気づかない場合には、その電線を用いて加工処理が行われることがあり、不良品を生成する要因となっていた。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、端末処理装置の稼動率を高めるとともに、多品種少量生産に適した電線供給を可能にし、しかも間違った電線供給による不良品の生成を防止することが可能な電線処理システムの提供を課題とする。
本発明にかかる電線処理システムは、「電線端末の皮剥や端子圧着等の端末加工処理を行う端末処理装置と、
少なくとも一端側に挿入口を有する筒状の受箱部を複数個備える供給装置本体、及び電線ドラムを収容するとともに前記挿入口を介して夫々の前記受箱部内に挿脱可能に収容されるカセット式電線繰出し部、を有する電線供給装置と
を具備し、
前記電線供給装置の前記カセット式電線繰出し部は、
箱状のケース部と、
該ケース部内で電線ドラムを回動可能に支持するドラム支持部と、
前記ケース部に設けられ前記電線ドラムに巻かれた電線を前記ケース部における所定の部位から一定方向に繰出させる電線ガイド部と、
前記ケース部または前記電線ドラムに取付けられ、前記ケース部内に収容された電線を特定するための情報を、読出し可能に記憶する記憶手段と
を有する」ものである。
少なくとも一端側に挿入口を有する筒状の受箱部を複数個備える供給装置本体、及び電線ドラムを収容するとともに前記挿入口を介して夫々の前記受箱部内に挿脱可能に収容されるカセット式電線繰出し部、を有する電線供給装置と
を具備し、
前記電線供給装置の前記カセット式電線繰出し部は、
箱状のケース部と、
該ケース部内で電線ドラムを回動可能に支持するドラム支持部と、
前記ケース部に設けられ前記電線ドラムに巻かれた電線を前記ケース部における所定の部位から一定方向に繰出させる電線ガイド部と、
前記ケース部または前記電線ドラムに取付けられ、前記ケース部内に収容された電線を特定するための情報を、読出し可能に記憶する記憶手段と
を有する」ものである。
ここで、「受箱部」は複数個設けられ、夫々の受箱部に対して、互いに異なる種類の電線(電線ドラム)を収容させることが好ましい。また、「カセット式電線繰出し部」を「受箱部」に収容する際、「電線ガイド部」を、受箱部の一端側(すなわち挿入口側)に位置させるようにしてもよく、受箱部の他端側に位置させるようにしてもよい。但し、電線ガイド部を受箱部の他端側に位置させる場合には、受箱部の他端側も開放させるか、あるいは他端側の閉塞面に電線を通すための貫通孔を穿設する必要がある。また、「記憶手段」としてはICチップ、またはバーコードを例示することができる。ICチップは、情報を記憶する記憶回路を備え、内蔵された電源、あるいは、外部から供給される電源により、記憶回路に情報を書込んだり、記憶された情報を外部に発信するものである。
本発明の電線処理システムによれば、電線ドラムがドラム支持部によって支持されると、電線ドラムをケース部内で回動させることが可能になる。電線ドラムから延出された電線は、電線ガイド部を通ってケース部の外部へ配線されているため、ケース部の外部において、ケース部から突出した電線の先端部分を引張れば、電線ドラムに巻かれた電線を繰出すことが可能になる。このケース部は、カセット式電線繰出し部を構成しており、供給装置本体に設けられた筒状の受箱部内に収容させることが可能となっている。そして、カセット式電線繰出し部を受箱部内に収容すると、その受箱部から電線を繰出すことが可能になる。このため、供給装置本体に複数の受箱部を設けるようにすれば、供給装置本体から互いに異なる種類の電線を供給することが可能になる。
また、カセット式であるため、供給装置本体に電線ドラムを装着する作業が極めて容易になる。また、決められた位置から一定の方向に電線が繰出されるため、端末処理装置に対して電線を機械的に供給することが可能となる。さらに、電線ドラムを交換する際には、受箱部からカセット式電線繰出し部を取出し、そのケース部内に収容された電線ドラムを交換することとなるため、安全な場所での交換作業が可能になるとともに、電線ドラムの交換作業中でも、他の電線ドラムが収容された受箱部から電線を供給し続けることが可能になる。
また、ケース部または電線ドラムに記憶手段が取付けられており、ケース部内に収容された電線を特定するための情報が記憶手段に記憶される。なお、「電線を特定するための情報を記憶する」とは、電線に関する情報(例えば電線の径、電線の色、電線の初期長さ)を直接記憶手段に記憶させるようにしてもよく、あるいは、ケース部または電線ドラムを識別するための識別番号を記憶手段に記憶させ、電線に関する情報を識別番号に対応付けて別の記憶装置に記憶させるようにしてもよい。このように、本発明では、電線を特定するための情報が記憶されているため、取出位置まで移動した受箱部に対し、その内部に収容されている電線の種別等を受箱部の外部から認識することが可能になる。
また、本発明の電線処理システムにおいて、「前記電線を特定するための情報には、夫々の前記電線ドラムに巻かれた電線の色、電線の径、及び電線の初期長さを認識するための情報が含まれている」ことが好ましい。
本発明の電線処理システムによれば、記憶手段には、少なくとも夫々の電線ドラムに巻かれた電線の色(詳しくは被覆材の色や被覆材の模様)及び電線の径に関する情報を認識するための情報が記憶される。電線は、材質を同一とした場合、色と径との組合せによって区分けすることができるが、これらを認識するための情報を記憶手段に記憶したことにより、記憶手段に記憶された情報を基に電線の種類を特定することが可能になる。したがって、電線の種類を確認した上でその電線を端末処理装置に供給したり、電線の加工処理中、その電線の種別を表示装置に表示させたりすることが可能になる。つまり、複数の受箱部と、夫々の受箱部に収容される電線の種類とが整合していない場合でも、間違った種類の電線が端末処理装置に供給されることを抑制できる。
また、電線の初期長さに関する情報も認識可能となるため、例えば、端末処理装置において、これから加工生成する電線の必要長さと電線ドラムに巻かれた電線の初期長さとを比較したり、電線ドラムに巻かれた電線の残り長さを電線の種類と対応させて管理したりすることが可能になる。
また、本発明の電線処理システムにおいて、「前記端末処理装置は、
前記記憶手段に記憶されている前記情報を読出して電線の初期長さを認識する初期長さ認識手段と、
端末加工処理された夫々の電線の長さを個別に測長する電線測長手段と、
前記初期長さ認識手段によって認識された電線の初期長さ、及び前記電線測長手段によって測長された夫々の電線の長さに基づいて、夫々の前記電線ドラムに巻かれている電線の残り長さを算出する残長算出手段と
を具備する」ことができる。
前記記憶手段に記憶されている前記情報を読出して電線の初期長さを認識する初期長さ認識手段と、
端末加工処理された夫々の電線の長さを個別に測長する電線測長手段と、
前記初期長さ認識手段によって認識された電線の初期長さ、及び前記電線測長手段によって測長された夫々の電線の長さに基づいて、夫々の前記電線ドラムに巻かれている電線の残り長さを算出する残長算出手段と
を具備する」ことができる。
本発明の電線処理システムによれば、端末処理装置において、電線の種別に関する情報、特に、夫々の電線ドラムに巻かれた電線の初期長さに関する情報が認識され、その情報と、電線測長手段によって測長された夫々の電線の長さ、すなわち端末加工処理された夫々の電線の長さとに基づいて、夫々の電線ドラムに巻かれている電線の残り長さが算出される。つまり、電線の種類毎に、元の長さから、使用した分の長さが差し引かれることにより、残りの長さが求められる。したがって、端末処理装置において、夫々の電線ドラムに巻かれている残りの長さを一元的に管理することが可能になる。
さらに、本発明の電線処理システムにおいて、「前記端末処理装置は、前記残長算出手段によって算出された電線の残り長さが、所定量以下になった場合、その電線の種別を知らせる報知制御手段をさらに備える」ように構成してもよい。
本発明の電線処理システムによれば、算出された電線の残り長さが、所定量以下になった場合、その電線の種別(すなわち電線ドラムの種別)が作業者等に報知される。このように、残量が少なくなったことを認識させることにより、新たな電線ドラムを予め準備させることが可能になり、供給する電線がなくなったことによる端末処理の突然の中断を抑制することが可能になる。このため、端末処理装置の稼動率を高めることが可能になる。特に、報知する際には、電線の種別を特定して報知することから、交換の必要な電線ドラムを容易に把握させることができる。
このように、本発明の電線処理システムによれば、夫々の電線ドラムがカセット式のケースに収容されるため、供給装置本体に電線ドラムを装着する作業が極めて容易になり、作業者の負担を大幅に軽減することができる。また、決められた位置から一定の方向に電線が繰出されるため、端末処理装置に対して電線を機械的に受渡すことが可能となり、多品種少量生産に適した電線供給を実現することができる。したがって、端末処理装置における稼動率を高め、生産性を大幅に増加させることができる。
さらに、電線の種別を特定するための情報が記憶手段に記憶されているため、取出位置の受箱部に収容されている電線の種別等を受箱部の外部から認識することができ、間違った電線供給による不良品の生成等を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態である電線処理システムについて、図1乃至図6に基づき説明する。図1は本実施形態の電線処理システム全体の概略構成を示す模式図であり、図2は電線処理システムにおける電線供給装置の構成を示す平面図であり、図3は電線供給装置における受箱部の構成を示す斜視図であり、図4は受箱部及びカセット式電線繰出し部の構成を示す分解斜視図であり、図5はカセット式電線繰出し部の構成を示す平面図であり、図6は電線供給制御に関する機能的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電線処理システム1は、電線の端部の被覆材を除去し、その端部に端子を圧着するとともに、電線を所定の長さに切断する端子圧着装置2と、端子圧着装置2に対して、複数の種類の電線を供給することを可能にする電線供給装置3と、電線供給装置3から電線を繰出させるとともに電線の先端部分を端子圧着装置2に受渡す電線送り装置4と、を具備して構成されている。ここで、端子圧着装置2が本発明の端末処理装置に相当する。
端子圧着装置2としては、図7に基づいて先に説明した従来の端子圧着装置101と略同様の構成が採用され、加工中の電線Lの向きを変えることなく、直線状に電線Lを送りながら加工することが可能になっている。すなわち、図1に示すように、端子圧着装置2は、電線Lの先端側に端子を圧着させるための第一圧着機構103と、電線Lの後端側に端子を圧着させるための第二圧着機構104と、電線Lの端部の被覆材を除去する切断刃を有する第一切断機構105aと、電線Lを切断する切断刃を有する第二切断機構105bと、電線Lの先端側を第一圧着機構103に送り込む電線送り機構106とを具備している。また、従来の端子圧着装置101に設けられていない新たな構成として、第二圧着機構104の下流側に配設され、電線Lを挟持し回転によって送ることが可能な一対の送りローラ110が備えられている。
電線送り機構106は、電線取込みガイド157、電線Lの長さを測長するエンコーダ158、所定距離離間して配置される一対のローラ159、及び電線Lの先端が通過したことを検出する先端検出センサ160等から構成されている。なお、一対のローラ159は、互いに接近および離反するように移動可能とされ、また、ローラ159は、ローラ駆動手段(図示しない)により回転駆動され、回転方向及び回転数を制御することにより、電線Lを任意の長さ送るとともに、エンコーダ158によるフィードバック制御も行われている。
なお、図7に示す従来の端子圧着装置101では、電線の曲り癖等を矯正する電線癖取装置102が備えられていたが、本例の端子圧着装置2には電線癖取装置が設けられておらず、電線供給装置3内において癖取りが行われるようになっている(詳細は後述する)。
電線供給装置3は、図1及び図2に示すように、板状のベース板10の上に載置された複数の受箱部15と、これらの受箱部15を可動させる駆動機構11とを具備して構成されている。駆動機構11は、ベース板10の平面に沿ってループ状に配列された複数の受箱部15を、ループ状を維持したまま旋回させるとともに、複数の受箱部15の中から選択された一つの受箱部15を所定の取出位置、例えば、図1においては「A」位置まで移動させるものである。詳しく説明すると、電線供給装置3は、夫々の受箱部15における挿入口23(詳細は後述する)が所定の回転軸心を中心として遠心方向を向くように、複数の受箱部15をベース板10(水平面)に沿って放射状に配列しており、選択された所定の受箱部15が取出位置Aに位置するように、放射状を維持したまま水平面上で回転させる構成となっている。具体的に、駆動機構11は、水平面に沿って配設され四つのスプロケット12と、それらのスプロケット12に巻き掛けられた無端のチェーン13と、いずれか一つのスプロケット12を介してチェーン13に回転力を付与するモータ17とを有している。なお、モータ17の回転軸18と一つのスプロケット12とが無端のベルト19によって連結されており、モータ17の回転力がベルト19を介してチェーン13に伝達されるようになっている。
図3及び図4に示すように、受箱部15は、略直方体形状を呈する筒状の部材であり、一端側の側面にはカセット式電線繰出し部30を挿入させるための挿入口23が設けられている。また、受箱部15の挿入口23側には、固定部24aを支点として外方に弾性変形可能な係止部材24が設けられており、弾性力に抗して係止部材24を手で外方に撓ませることによりカセット式電線繰出し部30の挿脱が可能となり、カセット式電線繰出し部30を受箱部15内に挿入した後、係止部材24から手を離すと、係止部材24は弾性力によって元の状態に戻り、先端の爪部24aによって受箱部15からカセット式電線繰出し部30(以下、単に「カセット部30」と称す)が脱離することが防止されるようになっている。
また、受箱部15の内底面には、カセット部30の挿入位置を規制するストッパー25が突設されている。このストッパー25は、略G字形の部材であり、端部側25aのみが固定され、一端が切欠かれた中央側の片部25bは挿脱方向に対して弾性変形可能となっている。つまり、受箱部15内にカセット部30が挿入されると、その端部が片部25bに当接し、片部25bを弾性変形させた状態、すなわちカセット部30を挿入口23側に向って押圧した状態となる。なお、この際、カセット部30の先端は係止部材24によって係止されるため、受箱部15が挿入口23から飛び出すことはなく、カセット部30の先端が挿入口23に一致した状態で保持される。一方、解除操作によって係止部材24が弾性変形すると、係止部材24の係止状態が解消され、カセット部30はストッパー25における片部25bの弾性力によって挿入口23から押し出される。これにより、カセット部30を容易に引き出しことが可能になる。
また、受箱部15の底面には、複数のローラ(図示しない)が転動可能に設けられており、複数の受箱部15をベース板10上で滑らかに移動させることが可能となっている。
一方、カセット部30は、図4及び図5に示すように、底板31とその両側から立設された一対の側面板32とを有する断面略コ字形のケース部33と、一対の側面板32の上面に架け渡され、電線Lが巻かれた電線ドラム36を回動可能に支持するドラム支持部38とを具備して構成されている。なお、電線ドラム36の大きさは特に限定されるものではないが、本例では、直径が約15〜20cmで、幅が約5〜10cmである比較的小型のドラムが用いられている。
また、図5に示すように、カセット部30は、電線ドラム36に圧接し電線ドラム36の回転を制動する制動部材39と、電線Lを繰出す際、電線ドラム36に対する制動部材39の圧接状態を解除する制動解除機構40とを具備している。具体的には、制動部材39は、電線ドラム36に圧接し電線ドラム36との間で摩擦力を発生させる圧接部48を備えている。圧接部48は、全体的に逆U字形の形状を呈した板バネ状の部材からなり、一端側が取付部材47を介して底板31に固定され、他端側が側面板32に沿って延出された操作杆46に連結されている。操作杆46は、長手方向に摺動可能な状態で支持されており、圧接部48が電線ドラム36に当接する位置(制動位置)と、電線ドラム36から離れる位置(解除位置)との間でスライドさせることが可能になっている。また、一定方向(圧接部48が電線ドラム36に圧接する方向)に付勢する弾性体(図示しない)が取付けられている。
制動解除機構40は、操作杆46上で回動可能に支持された可動ローラ51から構成されている。そして、電線ドラム36から延出された電線Lは、可動ローラ51を経由してガイドローラ41に掛けられているため、電線Lをカセット部30から繰出す際、電線Lに引張り力が作用すると、可動ローラ51には電線ドラム36側に向う力が作用し、その力によって操作杆46は、弾性体の弾性力に抗して変位することとなる。つまり、電線Lを繰出す際の引張り力が所定量よりも大きくなると、操作杆46が変位して圧接部48によるロック状態が解除される。換言すれば、電線Lの繰出し操作が行われるまでは、制動状態が維持され電線ドラム36の回転が防止されるが、電線Lの繰出し操作が行われると、制動状態が解除され電線ドラム36の回転負荷が軽くなる。
また、カセット部30には、ケース部33内に、ガイドローラ41と癖取り部42とが設けられている。癖取り部42は複数のローラを組合せてなり、夫々のローラ間で張力を作用させることにより、電線Lのねじり癖や曲がり癖を矯正している。また、ケース部33には、電線ドラム36に巻かれた電線Lをケース部33の先端部分から一定方向に繰出させる電線ガイド部43が設けられている。この電線ガイド部43は円錐筒状であり、先端から真直ぐに電線Lを突出させることが可能となっている。
さらに、カセット部30におけるケース部33の先端側(図5では上端側)には、カセット部30を持ち運ぶ際に把持される円柱状の把持部55が設けられ、把持部55の表面には、夫々のカセット部30に付与された識別番号を記憶したバーコード56が貼着されている。このバーコード56に記憶された識別番号は、電線Lの種別に関する情報、具体的には、夫々の電線ドラム36に巻かれた電線の色、電線の径、及び被覆材の材質と、対応付けられており、後述する情報読出制御手段86(具体的にはバーコードリーダー)によって識別番号を読出すことにより、電線Lの種別に関する情報を認識することが可能となっている。ここで、バーコード56が本発明の記憶手段に相当する。なお、バーコード56の代りにICチップを設け、電線Lの種別に関する情報を書込み及び読出し可能に記憶させるようにしてもよい。なお、ICチップでは、高周波などの電波を受信すると、その電波を電気に変換して蓄え、その電力が所定量に達すると、ICチップの記憶部に情報を書込んだり、情報を発信したりすることが可能になる。
一方、図1に示すように、電線送り機構4は、送り機構本体60とガイド部材61とを具備して構成されている。送り機構本体60は、所定の取出位置Aとガイド部材61との間に配置されるとともに、矢印Yの方向に摺動可能に支持された可動ベース板62と、可動ベース板62を駆動させる動力源(図示しない)と、可動ベース板62上で鉛直方向の軸を中心として回転する一対の送りローラ63とを備えている。なお、一対の送りローラ63は、所定距離離間して配置され、電線Lを挟持しながら繰出させるものである。また、一対の送りローラ63は、互いに接近および離反するように移動可能とされ、離反させることにより一対の送りローラ63の間に電線Lを挿脱させることが可能になり、接近させて回転させることにより電線Lを繰出させることが可能になる。一対の送りローラ63によって繰出された電線Lは、筒状のガイド部材61に挿入され、端子圧着装置2の電線送り機構106に向って案内される。
一方、図1に示すように、電線送り機構4は、送り機構本体60とガイド部材61とを具備して構成されている。送り機構本体60は、所定の取出位置Aとガイド部材61との間に配置されるとともに、矢印Yの方向に摺動可能に支持された可動ベース板62と、可動ベース板62を駆動させる動力源(図示しない)と、可動ベース板62上で鉛直方向の軸を中心として回転する一対の送りローラ63とを備えている。なお、一対の送りローラ63は、所定距離離間して配置され、電線Lを挟持しながら繰出させるものである。また、一対の送りローラ63は、互いに接近および離反するように移動可能とされ、離反させることにより一対の送りローラ63の間に電線Lを挿脱させることが可能になり、接近させて回転させることにより電線Lを繰出させることが可能になる。一対の送りローラ63によって繰出された電線Lは、筒状のガイド部材61に挿入され、端子圧着装置2の電線送り機構106に向って案内される。
また、可動ベース板62には、一対の第二切断刃53が配設されており、繰出された電線Lを、端子圧着装置2から送信された指令に基づいて切断するようになっている。これによれば、電線供給装置3から繰出された電線Lを根元側である電線供給装置3内で切断することにより、電線Lを交換する場合でも、既に繰出されている電線Lを電線ドラム36に巻き戻す等の処理が不要となり、カセット部30内での構成を簡素化することが可能である。
また、可動ベース板62には、電線Lの先端位置を検出する先端検出センサ64が設けられており、この先端検出センサ64で電線Lが検出された時点を基準として、繰出される電線Lが測長されるようになっている。これによれば、夫々のカセット部30から突出する電線Lの長さにバラツキがあっても、先端検出センサ64を利用して電線の初期長さを補正することにより、正確な長さの電線Lを生成することが可能になる。
さらに、可動ベース板62の先端面には、取出位置Aのカセット部30に向って突出した突起部が形成されており、その先端部分に位置決めローラ65が回転可能に支持されている。この位置決めローラ65は、可動ベース板62をカセット部30側に摺動させた際に、ケース部33の底板31に形成された略三角形状の切欠57(図5参照)内に挿入されるものであり、取出位置Aにおけるカセット部30を、位置決めローラ65を基準とした正規の位置までスライドさせることにより、カセット部30から突出する電線Lを、一対の送りローラ63に対向させることが可能になる。なお、切欠57に位置決めローラ65が挿入された状態では、受箱部15の位置も固定されることから、位置決めローラ65は受箱部15の回転止めとしても機能している。
次に、電線Lの供給制御に関する機能的構成、及びその作用を、図6に基づき説明する。なお、これらの機能的構成は、中央演算装置としてのCPU、読み出し専用メモリとしてのROM、読み書き可能メモリとしてのRAM等により実現されている。端子圧着装置2には、電線ドラム選択手段70が設けられており、加工処理する電線Lに対応した電線ドラムを、複数の電線ドラム36の中から選択する。具体的には、夫々の受箱部15には予め番号が付与されているため、各受箱部15の番号を特定することで、一つの電線ドラム36を選択する。
電線ドラム選択手段70によって選択された受箱部15の番号は、送受信制御手段71によって電線供給装置3に送信される。すると、電線供給装置3では、その番号が送受信制御手段83によって受信され、電線供給制御手段84に送られる。電線供給制御手段84は、回転位置制御手段85によってモータ17を駆動し、電線ドラム選択手段70によって特定された受箱部15が所定の取出位置に位置するように制御する。なお、モータ17は正転及び反転が可能であり、現在取出位置に位置する受箱部15と、選択された受箱部15との位置関係を基に回転方向を決定する。すなわち、回転角度が少なくなるように回転方向を決定する。なお、各受箱部15の位置はモータ17の回転量を検出するエンコーダ(図示しない)によって認識されるようになっている。
また、電線供給装置3には、カセット部30のケース部33に取付けられたバーコード56から識別番号を読出す情報読出手段86(バーコードリーダを有する)が設けられており、取出位置の受箱部15に収容されている電線ドラム(または電線)に関しての情報(具体的には電線の色、電線の径、及び被覆材の材質、さらには電線ドラム36に巻かれた電線Lの初期長さ)を、バーコード56に記録された識別番号と、その識別番号に対応付けて予め記憶されている情報とを基に取得する。この情報は送受信制御手段83を介して端子圧着装置2に送信され、端子圧着装置2に設けられた電線表示手段72によってディスプレイに表示される。なお、電線ドラム36に関する情報は、電線ドラム36に電線が巻かれる毎に、識別番号と対応づけて記憶させるようにしてもよいが、電線Lの初期長さのみが毎回変化し、その他の情報が一定の場合には(すなわち、夫々のカセット部30に収容される電線Lの種類が変化しない場合には)、電線Lの初期長さに関する情報のみを更新するようにしてもよい。
また、端子圧着装置2には、情報読出手段86によって読出された電線Lの初期長さを記憶する初期長記憶手段74と、端末加工処理された夫々の電線Lの長さ(累計)を個別に測長する電線測長手段75と、初期長記憶手段74に記憶された電線Lの初期長さ、及び電線測長手段75によって測長された夫々の電線Lの長さに基づいて、夫々の電線ドラム36に巻かれている電線Lの残り長さを算出する残長算出手段76とを備えている。つまり、電線Lの種類毎に、元の長さから、使用した分の長さが差し引かれ、残りの長さが求められる。これによれば、端子圧着装置2において、夫々の電線ドラム36に巻かれている残りの長さを一元的に管理することが可能になる。特に、本例では、算出された電線Lの残り長さが、所定量以下になった場合、報知制御手段73によってその電線Lの種別を知らせるようになっている。このため、残量が少なくなったことを作業者に認識させることが可能になり、新たな電線ドラム36を予め準備させることが可能になる。ここで、初期長記憶手段74が本発明の初期長さ認識手段に相当する。
ところで、電線ドラム36を交換する際には、第二切断刃53によって電線Lを切断することとなるが、端子圧着装置2において一連の処理が終わってから、すなわち所定長さの電線Lが生成された後に電線Lを切断するものでは、端子圧着装置2と電線供給装置3との間に繰出された電線Lが端尺として残ってしまい、材料に無駄が生じてしまう。特に、多品種少量生産の場合には、端尺の電線Lが数多く発生することから、材料費が大幅に増加することが懸念される。
そこで、本例では、端子圧着装置2におけるエンコーダ158と電線供給装置3における第二切断刃53との距離を予め記憶する距離記憶手段77と、加工処理する(生成する)電線Lの必要長さを認識する必要長認識手段78と、端子圧着装置2に供給された電線Lの長さ(すなわちエンコーダ158によって測長された電線の長さ)を検出する加工分測長手段79と、その必要長さと距離記憶手段77に記憶された距離との差が、加工分測長手段79によって測長された電線Lの長さと一致したとき、電線供給装置3に対して切断の指令を出力する切断指示制御手段80とを備えている。切断指示制御手段80の出力は、送受信制御手段71を介して電線供給装置3に送信され、電線供給装置3に設けられた切断制御手段54によって第二切断刃53を動作させる。これによれば、エンコーダ158によって実際に測長された電線Lの長さに、端子圧着装置2と電線供給装置3との間に繰出された電線Lの長さ、すなわち、第二切断刃53によって電線Lを切断した後、エンコーダ158によって測長されるはずの電線Lの長さ、を加味して、必要長さの電線Lを生成することが可能になり、端尺の電線Lが発生することを回避できる。なお、上記のように、電線供給装置3における第二切断刃53によって電線Lを前もって切断すると、電線Lの後端側を第二圧着機構104によって加工処理する場合に、電線送り機構106によって電線Lを保持することができなくなるが、本例の端子圧着装置2には、送りローラ110が備えられていることから、所定長さに切断された電線Lでも確実に送ることが可能になる。
また、端子圧着装置2には、切断指示制御手段80によって切断の指令を出力する際、電線送り機構106における一対のローラ159を一旦停止させる電線送り停止手段81がさらに備えられている。これによれば、電線ドラム36に対する電線Lの引張り操作を一旦停止させた状態、すなわち電線ドラム36の回転が停止した状態で電線Lを切断することから、切断位置の誤差を極力抑えるとともに、電線Lの切り口をきれいに生成することが可能になる。
なお、端子圧着装置2と電線送り機構4とは信号線で接続されており、電線送り機構4では、電線供給装置3から送信される処理状態に基づいて、適切なタイミングで電線Lを挟持し、その電線Lの先端を端子圧着装置2における電線送り機構106に受渡す制御が行われる。
このように、本例の電線処理システム1によれば、ケース部33から突出した電線Lの先端部分を引張れば、電線ドラム36に巻かれた電線Lをケース部33外へ繰出させることが可能になる。このケース部33は、カセット部30を構成しており、供給装置本体16に設けられた受箱部15内に収容されることから、供給装置本体16から互いに異なる種類の電線Lを供給することが可能になる。特に、決められた位置から一定の方向に電線Lが繰出されるため、端子圧着装置2に対して電線Lを自動で供給することが可能である。つまり、取出位置に対向して配設された電線送り機構4によって、カセット部30から延出された電線Lの先端を端子圧着装置2に受渡すことができる。さらに、電線ドラム36を交換する際には、受箱部15からカセット部30を取出し、そのケース部33内に収容された電線ドラム36を交換することとなるため、安全な場所での交換作業が可能となるとともに、電線ドラム36の交換作業中でも、他の電線ドラム36が収容された受箱部15から電線Lを供給し続けることが可能になる。また、複数のカセット部30が規則正しく配列され、しかも比較的簡易な構造で支持されるため、狭いスペースでも数多くの電線ドラム36を保持することが可能となる。
また、本例の電線処理システム1によれば、ケース部33にバーコード56が取付けられており、ケース部33内に収容された電線を特定するための識別番号がバーコード56に記憶されているため、取出位置まで移動した受箱部15に収容されている電線Lの種別等を受箱部15の外部から認識することが可能になる。特に、夫々の電線ドラム36に巻かれた電線Lの色及び電線Lの径に関する情報が認識されるため、これらの情報を基に電線Lの種類を特定することができる。したがって、電線Lの種類を視覚的に確認した上でその電線Lを端子圧着装置2に供給することが可能になる。つまり、複数の受箱部15と、夫々の受箱部15に収容される電線Lの種類とが整合していない場合でも、間違った種類の電線Lが端子圧着装置2に供給されることを抑制できる。
また、電線ドラム36に巻かれた電線Lの初期長さに関する情報も認識可能となるため、端子圧着装置2において、電線Lの初期長さを把握し、これから加工生成する電線Lの必要長さと電線ドラム36に巻かれた電線Lの初期長さとを比較したり、電線ドラム36に巻かれた電線の残り長さを電線の種類と対応させて管理したりすることができる。具体的には、電線Lの種類毎に、元の長さから、使用した分の長さが差し引かれることにより、残りの長さが求められるため、端子圧着装置2において、夫々の電線ドラム36に巻かれている残りの長さを一元的に管理することが可能になる。特に、算出された電線Lの残り長さが、所定量以下になった場合、その電線Lの種別(すなわち電線ドラム36の種別)が作業者等に報知されるため、新たな電線ドラム36を予め準備させることが可能になり、供給する電線Lがなくなったことによる端末処理の突然の中断を抑制することができる。このため、端子圧着装置2の稼動率を高めることが可能になる。
また、本例の電線処理システム1によれば、供給装置本体16に駆動機構11が設けられており、選択された一つの受箱部15を所定の取出位置に移動させる動作、及びその受箱部15から突出する電線Lを端子圧着装置2に受渡す動作、を機械的に行うため、一連の作業を自動化することが可能となり、作業者の負担を軽減するとともに、加工すべき電線Lを間違いなく且つ速やかに供給することが可能となる。
また、本例の電線処理システム1によれば、ケース部33内に設けられた癖取り部42によって電線Lのねじり癖や曲がり癖が矯正されるため、略直線形状の電線Lを電線ガイド部43に案内することができ、ひいては、ケース部33から突出する電線の延出方向に直進性を持たせることができる。したがって、電線Lの受渡しを一層確実なものとすることができる。
また、本例の電線処理システム1によれば、電線ドラム36の回転を制動する制動部材39が設けられているため、受箱部15の移動等に起因する電線ドラム36の回動による不具合、すなわち電線Lが自然に繰出されたり、ケース部33内で電線Lが撓んだり、電線ガイド部43から電線Lが抜けたりするという不具合を解消することができる。しかも、取出位置のカセット部30に対して制動解除機構40が作動するため、回転負荷を大きくすることなく、電線ドラム36を回転させることが可能になり、比較的小さな引張り力でも電線Lを容易に繰出させることが可能になる。特に、電線Lの引張り力を利用して制動状態を解除することから、制動及び解除操作においても自動化が可能である。
さらに、本例の電線処理システム1によれば、挿入口23から受箱部15内に挿入したカセット部30を、係止部材24によって係止するため、受箱部15からカセット部30が脱離することを防止でき、安定した状態で可動させることができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態の電線処理システム1では、ケース部33に取付けられる記憶手段としてバーコード56を用いるものを示したが、バーコード56の代りにICチップを用いてもよい。これによれば、情報を書込むことが可能になるため、電線に関する情報(例えば電線の径、電線の色、及び電線の初期長さ等)を直接記憶することが可能になり、識別番号と電線に関する情報とをリンクさせる等の処理が不要となる。ただし、上記実施形態のように記憶手段としてバーコード56を用いるようにすれば、比較的安価に構成することができ、特に、電線供給装置3に設けられる受箱部15の数が多い場合には、全体のコストを大幅に削減することができる。
また、上記実施形態の電線処理システム1では、バーコード56に記憶された情報を電線供給装置3側で読出し端子圧着装置2に送信するものを示したが、端子圧着装置2から電線供給装置3側に読出手段を延出して設け、その読出手段によって、バーコード56に記憶されている識別番号を読出すようにしてもよい。
また、上記実施形態の電線処理システム1では、ケース部33にバーコード56を取付けるものを示したが、電線ドラム36にバーコード56を取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施形態の電線処理システム1では、複数の受箱部15を旋回させる駆動機構11を、複数のスプロケット12と、それらに巻かれた無端のチェーン13とから構成するものを示したが、ベース板10に対して複数の受箱部15を固定状態で取付け、ベース板10ごと回転させるようにしてもよい。但し、本例のようにチェーン13を用いて構成すれば、ベース板10は回転しないことから、複数の受箱部15を略長方形のループに沿って配置するとともに、ベース板を長方形とすることが可能となり、円盤状のベース板を回転させるもの(すなわち外観が円筒状であるもの)に比べて、設置スペースを効率的に利用することが可能になる。
また、上記実施形態の電線処理システム1では、選択された受箱部15を所定の取出位置まで移動させるものを示したが、例えば複数の受箱部15を鉛直面に沿って棚状に配列させ、選択された受箱部15のところまで電線送り機構を移動させるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態の電線処理システム1では、電線が繰出される側を挿入口23とするものを示したが、反対側の側面に挿入口23を形成するようにしてもよい。ただし、本例のように、複数の受箱部15を放射状に配置する場合には、受箱部15の背面側にチェーン13が配設されることから、電線の繰出し側を挿入口23とする方が好適である。
1 電線処理システム
2 端子圧着装置(端末処理装置)
3 電線供給装置
15 受箱部
16 供給装置本体
23 挿入口
30 カセット式電線繰出し部
33 ケース部
36 電線ドラム
38 ドラム支持部
43 電線ガイド部
50 ICチップ(記憶手段)
73 報知制御手段
74 初期長記憶手段(初期長さ認識手段)
75 電線測長手段
76 残長算出手段
L 電線
2 端子圧着装置(端末処理装置)
3 電線供給装置
15 受箱部
16 供給装置本体
23 挿入口
30 カセット式電線繰出し部
33 ケース部
36 電線ドラム
38 ドラム支持部
43 電線ガイド部
50 ICチップ(記憶手段)
73 報知制御手段
74 初期長記憶手段(初期長さ認識手段)
75 電線測長手段
76 残長算出手段
L 電線
Claims (4)
- 電線端末の皮剥や端子圧着等の端末加工処理を行う端末処理装置と、
少なくとも一端側に挿入口を有する筒状の受箱部を複数個備える供給装置本体、及び電線ドラムを収容するとともに前記挿入口を介して夫々の前記受箱部内に挿脱可能に収容されるカセット式電線繰出し部、を有する電線供給装置と
を具備し、
前記電線供給装置の前記カセット式電線繰出し部は、
箱状のケース部と、
該ケース部内で電線ドラムを回動可能に支持するドラム支持部と、
前記ケース部に設けられ前記電線ドラムに巻かれた電線を前記ケース部における所定の部位から一定方向に繰出させる電線ガイド部と、
前記ケース部または前記電線ドラムに取付けられ、前記ケース部内に収容された電線を特定するための情報を、読出し可能に記憶する記憶手段と
を有することを特徴とする電線処理システム。 - 前記電線を特定するための情報には、夫々の前記電線ドラムに巻かれた電線の色、電線の径、及び電線の初期長さを認識するための情報が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の電線処理システム。
- 前記端末処理装置は、
前記記憶手段に記憶されている前記情報を読出して電線の初期長さを認識する初期長さ認識手段と、
端末加工処理された夫々の電線の長さを個別に測長する電線測長手段と、
前記初期長さ認識手段によって認識された電線の初期長さ、及び前記電線測長手段によって測長された夫々の電線の長さに基づいて、夫々の前記電線ドラムに巻かれている電線の残り長さを算出する残長算出手段と
を具備することを特徴とする請求項2に記載の電線処理システム。 - 前記端末処理装置は、前記残長算出手段によって算出された電線の残り長さが、所定量以下になった場合、その電線の種別を知らせる報知制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の電線処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006195237A JP2008027596A (ja) | 2006-07-18 | 2006-07-18 | 電線処理システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006195237A JP2008027596A (ja) | 2006-07-18 | 2006-07-18 | 電線処理システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008027596A true JP2008027596A (ja) | 2008-02-07 |
Family
ID=39118050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006195237A Pending JP2008027596A (ja) | 2006-07-18 | 2006-07-18 | 電線処理システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008027596A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110911911A (zh) * | 2019-12-10 | 2020-03-24 | 湖南匡楚科技有限公司 | 一种可收纳的数据线 |
-
2006
- 2006-07-18 JP JP2006195237A patent/JP2008027596A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110911911A (zh) * | 2019-12-10 | 2020-03-24 | 湖南匡楚科技有限公司 | 一种可收纳的数据线 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9669980B2 (en) | Feeder management system of component mounting apparatus | |
KR102061155B1 (ko) | 셋업 지원 장치, 부품 실장기, 셋업 지원 방법 | |
US7712208B2 (en) | Electronic component mounting apparatus | |
JP6650574B2 (ja) | 部品供給装置および部品供給方法 | |
CN116505446A (zh) | 模块化的电缆处理中心 | |
WO2010117041A1 (ja) | 電線端末処理装置及び電線端末処理方法 | |
US11570940B2 (en) | Component mounting apparatus with feeder control device | |
JP4096024B2 (ja) | 部品供給方法及び部品供給装置 | |
EP3422491A1 (en) | Terminal cassette assembly | |
JP4943073B2 (ja) | ワイヤハーネス製造装置 | |
JP2008027790A (ja) | 電線供給装置 | |
JP2008027596A (ja) | 電線処理システム | |
US20160301178A1 (en) | Wire discharge device | |
JP2008027595A (ja) | 電線供給装置 | |
US10548251B2 (en) | Component supply device and supply method for a component mounter | |
JP2008041363A (ja) | 電線供給装置 | |
WO2020090006A1 (ja) | フィーダ状態表示システム | |
JP2008027682A (ja) | 電線処理システム | |
JP2001267034A (ja) | 端子段取替装置 | |
JP7057758B2 (ja) | 部品実装システム及びフィーダ作業用アタッチメント | |
WO2015098522A1 (ja) | 端子送り装置 | |
CN113056966B (zh) | 部件补给系统及部件补给方法 | |
WO2016190079A1 (ja) | 端子付電線製造システム | |
JP2007299868A (ja) | 部品供給装置 | |
WO2021049025A1 (ja) | フィーダおよび部品実装機 |