JP2008026511A - 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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史明 目羅
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Abstract

【課題】安定した帯電性と狭い粒度分布を確保し、細線再現性及び経時安定性に優れた画像が得られる静電荷像現像トナーを提供すること。さらに、水系媒体中での分散安定性に優れた静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液を提供し、これを用いて所望の粒子径及び粒度分布を有する静電荷像現像トナーの製造方法を提供すること。また、前記静電荷像現像トナーを使用した静電荷像現像剤を提供すること。さらに、これらを使用した画像形成方法及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフフィー測定における重量平均分子量500以下の面積比が総面積の5%〜10%であり、かつ該ポリエステル樹脂のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量が500ppm以上5,000ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像トナーに関するものであり、特に、電子写真法又は静電記録法等により形成される静電潜像を現像する際に用いられる静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
従来、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液を得る方法としては、有機溶剤に樹脂を溶解させ、これを中和させて水に分散させる転相乳化の方法が知られている。
また、このような結着樹脂分散液を使用した静電荷像現像トナーとしては、例えば、特許文献1〜特許文献4では、有機溶剤に結着樹脂・顔料などを溶解させて、塩基性中和剤存在下で中和させて水に乳化させるトナーの製法が提案されている。これらのトナーにおいて、結着樹脂としては、ビニルポリマー樹脂が使用されている。また、これらの方法では、有機溶剤を使用するので、水媒体中に残る残溶媒の問題があり、その残溶媒が、定着、転写などに影響を与えることや、有機溶剤の蒸発による環境への影響が懸念される。さらに、有機溶剤が、トナー中に残ることにより、コピー機使用時の臭気の問題の原因となり、好ましくない。
特許文献5には、熱可塑性樹脂を有機溶剤で膨潤させて膨潤体を製造した後、分散剤の存在下で水性媒体中に分散させ、さらに有機溶剤を除去することによる熱可塑性樹脂微粒子水性分散体の製造方法が開示されている。ここで、熱可塑性樹脂がゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による重量平均分子量が10,000〜500,000のポリエステル樹脂であり、かつ、分散剤がGPC法による重量平均分子量が300〜20,000で、酸価が80〜500であるポリエステル樹脂を塩基性化合物で中和して得られる水可溶性ポリエステル樹脂であることが好ましい旨が開示されている。この方法では、樹脂としてポリエステル樹脂が用いられているが、樹脂微粒子水性分散体は、転相乳化法で得ており、残溶剤の問題が懸念される。また、分散剤も用いており、残渣によるトナー特性への影響も懸念される。
特許文献6には、ポリエステル樹脂が、親水性基としてカルボキシル基を有し、このカルボキシル基の一部ないし全部を塩基性化合物で中和することにより水溶性となるポリエステル樹脂であり、かつ、水性媒体がこのポリエステル樹脂を水溶性化するのに十分な塩基性化合物を含有させて樹脂粒子分散液を調製することによる電子写真用球形トナーの製造方法が提案されている。
特許文献7においては、トナーバインダーにビニル樹脂を用いて、電荷調節補助剤として、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸及び酸官能ポリマーよりなる群から選択された酸を含むことを特徴とするトナー組成物が提案されている。
特開2001−92176号公報 特開2001−100454号公報 特開2002−351139号公報 特開2001−154404号公報 特開2004−263027号公報 特開2002−148866号公報 特開2005−107543号公報
本発明の目的は、安定した帯電性と狭い粒度分布を確保し、細線再現性の優れた画像が得られる静電荷像現像トナーを提供することである。さらに本発明の他の目的は、水系媒体中での分散安定性に優れた静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液を提供し、これを用いて所望の粒子径及び粒度分布を有する静電荷像現像トナーの製造方法を提供することである。また、本発明は、前記静電荷像現像トナーを使用した静電荷像現像剤を提供することを目的とする。さらに、本発明はこれらを使用した画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は以下の<1>〜<4>に記載の手段により解決された。
<1> 結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における重量平均分子量500以下の面積比が総面積の5%〜10%であり、かつ該ポリエステル樹脂のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量が500ppm以上5,000ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像トナー、
<2> <1>に記載の静電荷像現像トナー及びキャリアを含む静電荷像現像剤、
<3> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、前記現像剤として<1>に記載の静電荷像現像トナー又は<2>に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法、
<4> 潜像保持体と、前記潜像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記潜像保持体を露光して該潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記潜像保持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、前記現像剤として<1>に記載の静電荷像現像トナー又は<2>に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、安定した帯電性と狭い粒度分布を確保し、細線再現性に優れた画像が得られる静電荷像現像トナーを提供することができる。さらに本発明によれば、水系媒体中での分散安定性に優れた静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液を提供することができ、これを用いて所望の粒子径及び粒度分布を有する静電荷像現像トナーの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、前記静電荷像現像トナーを使用した静電荷像現像剤を提供することができる。さらに、本発明によれば、これらを使用した画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の静電荷像現像トナーは結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における重量平均分子量500以下の面積比が総面積の5%〜10%であり、かつ該ポリエステル樹脂のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量が500ppm以上5,000ppm以下であることを特徴とする。
なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ゲル浸透クロマトグラフィー)を、GPCともいうこととする。また、本発明において、静電荷像現像トナーを単にトナーともいうこととし、静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液を単に樹脂粒子分散液ともいうこととする。
また、GPC測定における重量平均分子量500以下の面積比が総面積の5%〜10%であり、かつアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量が500ppm以上5,000ppm以下であるポリエステル樹脂を、本発明のポリエステル樹脂ともいうこととする。
本発明の静電荷像現像トナーは、少なくとも結着樹脂を含有し、結着樹脂中の本発明のポリエステル樹脂の含有量は15重量%以上であることが好ましく、20〜80重量%であることがより好ましく、30〜70重量%であることがさらに好ましい。本発明において、結着樹脂として他の樹脂を併用することができ、例えば他のポリエステル樹脂、付加重合性樹脂等が例示できる。
本発明において、結着樹脂としてGPC測定における重量平均分子量が500以下の面積比が総面積の5%以上10%以下であるポリエステル樹脂を含有する。重量平均分子量が500以下の面積比は、総面積の6.0%〜9.5%であることが好ましく、7.0%〜9.0%であることがより好ましい。
重量平均分子量が500以下のポリエステル樹脂は、乳化分散時に塩基によって中和され、末端のカルボキシル基が塩構造に変わると、分子量の大きいポリエステル樹脂と比較して親水性が高く、樹脂粒子表面に出やすいため、樹脂中で乳化助剤の役割を果たすと考えられる。これにより、結着樹脂粒子の乳化に寄与すると考えられる。
すなわち、GPC法による分子量が500以下の面積比が総面積の5%以上10%以下であるポリエステル樹脂を使用すると、塩基によって中和された部分が、乳化粒子に効果的に配向しやすく、樹脂粒子分散液の分散安定性に寄与するという効果に基づくと考えられる。
GPC法による分子量が500以下の面積比が5%未満であると、水系媒体へ配向するカルボキシル基が少なく、水系媒体への分散が困難となる。また、10%より多いと、トナー用結着樹脂として、十分な強度を得ることができない。
このような分子量分布を有する結着樹脂の樹脂粒子分散液が、水系媒体中に安定に分散することを見出し、また、このように安定した分散性を有する樹脂粒子分散液を使用して静電荷像現像トナーを作製することにより、粒度分布及び帯電性に優れたトナーを得ることができることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
なお、本発明において、水系媒体とは、水又は水を50重量%以上含み、水に水混和性の有機溶媒が混合されていても良い混合溶媒を意味する。混合溶媒における水の混合割合は、好ましくは60〜100重量%であり、より好ましくは、70〜100重量%である。水混和性の有機溶媒としては、エチルアルコール、メチルアルコール、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトンが例示でき、エチルアルコールが好ましい。水系媒体として、最も好ましくは、水であり、軟水又はイオン交換水が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記面積比は以下のようにして測定することができる。
すなわち、ポリエステル樹脂のTHF可溶物を、TSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)等を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して溶出時間に対応した分子量を算出することによって測定することができる。
具体的には、本発明においては以下のようにして測定を行う。
GPC装置としては「HLC−8220GPC(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。
測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃とする。また、検出器としてはIR検出器を用いる。検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作成する。
次に、本発明のポリエステル樹脂中のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量は500ppm以上5,000ppm以下であり、500〜3,000ppmであることが好ましく、500〜1,000ppmであることがより好ましい。
ポリエステル樹脂中のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩が500ppmより少ないと、樹脂粒子の水系媒体への分散安定性が充分ではなく、これを使用した静電荷像現像トナーでは、粒度分布が不良となる。また、ポリエステル樹脂中のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩が5,000ppmより多いと、乳化は行えるが、トナーとした場合に凝集剤や顔料と結合してしまうなど、帯電特性が不良となる。
アルキルベンゼンスルホン酸金属塩がポリエステル樹脂中に存在することにより、界面活性剤の役割をすると考えられる。ポリエステル樹脂単独では、上記の分子量500以下の低分子ポリエステル樹脂の面積比が5%以上10%以下の範囲であれば、ポリエステル樹脂末端の中和塩だけでも、乳化は可能である。しかし、アルキルベンゼンスルホン酸を加えることにより、樹脂中に水を吸収しやすくなり、樹脂自体が膨潤しやすくなる。その結果として、樹脂が水を含むことにより、ポリエステル樹脂が粒子状になりやすくなり、水への分散が容易になると考えられる。さらに、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩を含有することにより、水系媒体中への安定性が増し、水系媒体へのポリエステル樹脂の乳化性が改善され、粒度分布が狭くなり、ポリエステル末端の中和のみを行う場合よりも親水基が粒子表面に均一方向に配位するので、長期保存での樹脂粒子分散液の分散安定性が改善されると考えられる。さらに、このような樹脂粒子分散液を使用することにより、粒子径分布及び耐電特性にすぐれた静電荷像現像トナーを得ることができる。
アルキルベンゼンスルホン酸は、金属と塩を形成すると、水に不溶なインタラクションを生じ、トナーの帯電性に影響を与えることがある。この傾向は、特に金属が重金属となる程大きくなるので、本発明のポリエステル樹脂に含まれる残金属が重金属ではないことが好ましい。従って、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩は、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であることが好ましく、アルカリ金属塩であることがより好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が好ましく例示でき、ナトリウム塩及びカリウム塩であることがより好ましい。
さらに、アルキルベンゼンスルホン酸には次の効果がある。すなわち、アルキルベンゼンスルホン酸は、ポリエステル樹脂を重縮合する際の重縮合触媒として使用することも可能であり、触媒の機能を果たした後、中和によって金属塩にすることにより、ポリエステル樹脂の乳化時には界面活性剤の役割をはたす。
ポリエステル樹脂中のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量は以下の方法で測定できる。
トナーをテトラヒドロフランに溶解した後、水中へ再沈殿を行う。この溶液をろ過して、ろ液を濃縮する。
次に、固相抽出カラムPresep−C C18(ODS)(和光純薬工業(株)製)を用いる。このカラムをメタノール5ml、水5mlでコンディショニングした後、水試料1lを20ml/minのペースになるようにしてカラムに流し込む。その後5分間窒素をパージしてカラムを乾燥させる。さらに、メタノール5mlで抽出し、これに、窒素ガスを吹き付けることにより2mlになるまで濃縮をおこなう。
単離されたサンプルはHPLCで測定することが可能である。得られたサンプルをHPLC(日立HPLC L2130)で、流速0.6ml/min、溶離液に0.1M過塩素酸ナトリウム一水和物を含有した、アセトニトリル/水=65/35を用いる。カラムにHitachi Inertsil ODS−3を使用し、カラム温度を40℃とし、サンプル20μlを試料として注入して測定する。定量を行なうにあたり、含有量があらかじめわかっている標準液数点で検量線を作成する。
また、単離したサンプルはNMRで構造を確認する。濃縮したサンプルをNMR管に入れて各磁気共鳴スペクトル法(NMR)で測定をおこなう。7.3〜7.5ppmにベンゼン環に起因するピーク、1.5〜1.6ppmにアルキル鎖に起因するピークがあり、これにより構造を確認することができる。
アルキルベンゼンスルホン酸金属塩のアルキル基としては炭素数1〜15のアルキル基が好ましく、炭素数3〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数6〜9のアルキル基がさらに好ましい。アルキル基は、置換基を有していても良く、置換基としてはニトロ基、メトキシ基、フッ素等が例示できる。
アルキルベンゼンスルホン酸金属塩のアルキルベンゼンスルホン酸の具体例として、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸が例示でき、特に好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸が例示できる。
また、本発明のポリエステル樹脂にアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を含有させる方法としては、
(1)アルキルベンゼンスルホン酸の存在下にポリエステル樹脂を重縮合し、これを水系媒体中に乳化する時に塩基を用いて中和することによって金属塩にする方法、及び
(2)ポリエステル樹脂を水系媒体中へ乳化する時にアルキルベンゼンスルホン酸又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の形で含有させ、その後アルカリを滴下して乳化に対する助剤とする方法
が例示できる。
これらの中でも(1)の方法が好ましい。
本発明では、塩基によってポリエステル樹脂末端のカルボン酸の中和を行うことにより、水系媒体中にポリエステル樹脂を分散させることが好ましい。このとき、中和に使う塩基の強度も重要である。すなわち、pKb(塩基解離定数)が4以下の強塩基を用いることにより、ポリエステル樹脂末端は、弱塩基を使用した場合と比較して中和されやすく、塩を形成しやすい。その結果、弱塩基で中和したポリエステル樹脂に比べて水系媒体中に分散しやすく、また、水系媒体への親和性が増し、水系媒体に溶解する樹脂の比率が高くなるので好ましい。
本発明において中和剤としては、pKb(塩基解離定数)が4以下であることが好ましい。pKbが3.5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。pKbが4以下であると、塩基により中和されたポリエステル樹脂の水親和性が良好で、水への安定性が良好であり、好適な粒子径を得ることができるので好ましい。
具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、ジエチエルアミンなどが挙げられる。また、塩基としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。
pKbが4以下である塩基とpKbが4を超えるアンモニアとで中和されたものと比べると、例えばpKbが4を超えるアンモニアで中和されたものは、水溶解性樹脂の比率が低くなる傾向がある。このため、水系媒体への分散安定性が悪くなったり、粒径が大きくなるなどの弊害が出る場合がある。
さらに、当該強塩基物質は、樹脂との相溶性が低く、塩基物質自体の親水性が高いため、ポリエステル樹脂中の存在比率に比べて水系媒体中の存在比率が高く、ポリエステル樹脂を、より水系媒体に近いところで中和して、樹脂粒子表面上で塩構造をとりやすくして、水系媒体への分散安定化に寄与すると考えられる。
樹脂の親水性は、上記の中和に使われる塩基の強度、量、及び中和により親水基となりうる官能基の量によりコントロールされる。さらに、親水性により分散時の粒子の大きさが決定される。従って、中和による親水基の量をコントロールすることにより任意の粒径を得ることが可能である。
上記のように、塩基の強度及び、分子量分布を規定することにより、粒子径、粒度分布、分散安定性に優れた樹脂粒子分散液を得ることができる。さらに、このような樹脂粒子分散液を用いて静電荷像現像トナーを製造することにより、粒子径分布及び帯電性等に優れた静電荷像現像トナーを得ることができる。
ポリエステル樹脂を、120℃以下の低温で水中へ乳化するときには、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩含有量を規定するだけでは、ポリエステル樹脂表面と界面活性剤との表面濡れ性が不十分であるため、乳化時の粒径をサブミクロンサイズまで達成することが困難である。本発明のように、GPC法による分子量500以下の面積比が5〜10%のポリエステルを使用することにより、この分子量500以下の低分子量ポリエステルが、一種の界面活性剤的な働きと、水との親和性を向上させる働きを持ち、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩含有量のみを規定した場合よりも、水系媒体への乳化を容易にさせ、さらに、乳化分散液が安定化する。
本発明において、ポリエステル樹脂は重縮合性単量体、それらのオリゴマー及びプレポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種を重縮合して得られる。
これらの中でも重縮合性単量体を使用することが好ましい。重縮合に用いる重縮合性単量体としては、ポリカルボン酸及びポリオールが挙げられる。
本発明において、ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環族、芳香族のポリカルボン酸、それらのアルキルエステルを含み、ポリオールは、多価アルコール、それらのエステル化合物、ヒドロキシカルボン酸などを含む。ポリエステル樹脂は、重縮合性単量体を用いた直接エステル化反応、エステル交換反応等により重縮合を行い作製することができる。この場合、重合されるポリエステル樹脂としてはアモルファス(無定形・非晶性)ポリエステル、結晶性ポリエステル、などのいずれかの形態、又はそれらの混合形態をとることができる。
これらの中でも本発明においては、多価カルボン酸としてジカルボン酸を使用し、ポリオールとしてジオールを使用することが好ましい。
重縮合に用いる単量体として用いられるポリカルボン酸は、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する化合物である。このうち、2価のカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等を挙げることができる。また、2価のカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。さらにまた、これらの低級エステルなどが挙げられる。さらにまた酸塩化物もこの限りでは無い。これらは一種単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。さらに前述した脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に二重結合を持つジカルボン酸成分を含有する事もできる。
本発明におけるポリエステルの製造方法においては、上記の多価カルボン酸のうち、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を用いることが好ましい。これらの多価カルボン酸は水に難溶あるいは不溶であるため、多価カルボン酸が水に分散した懸濁液中でエステル合成反応が進行するので好ましい。
本発明の製造方法における単量体としてのポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。このうち、2価のポリオールは1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等を挙げることができる。また、2価のポリオール以外のポリオールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等を挙げることができる。これらは一種単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
本発明のポリエステルの製造方法においては、上記のポリオールのうち、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の2価のポリオールを用いることが好ましい。
これらのポリオールは水に難溶あるいは不溶であるため、ポリオールが水に分散した懸濁液中でエステル合成反応が進行するので好ましい。
またこれらの重縮合性単量体の組み合わせにより結晶樹脂や非結晶性樹脂を容易に得ることができる。
結晶性ポリエステルを得るために使用される多価カルボン酸としては、上記カルボン酸のうち、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸(1,10−デカメチレンジカルボン酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、これらの酸無水物、低級エステルあるいは酸塩化物を挙げることができる。また後述する二価以上の多価カルボン酸を併用することもできる。
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールP、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、ビフェノール、ナフタレンジオール、アダマンタンジオール、アダマンタンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等も挙げることができる。また二価以上の多価アルコールを併用することもできる。例えば、グリコール、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等を挙げることができる。
上記ビスフェノール類が少なくとも一つのアルキレンオキサイド基を有することが好ましい。アルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド等を挙げることができるが、これらに限定されない。好適には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドであり、その付加モル数は1〜3が好ましい。この範囲である場合、作製するポリエステルの粘弾性やガラス転移温度がトナーとして使用するために適切に制御することができる。
このような結晶性の重縮合性樹脂としては、1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸、又はシクロヘキサンジオールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、1,9−ノナンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができる。これらの中でも特に1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸、1,9−ノナンジオールとセバシン酸、及び、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応させて得られるポリエステルがさらに好ましいがこの限りでは無い。
また本発明における非結晶性ポリエステルを得るために使用される多価カルボン酸としては、上記の多価カルボン酸のうち、ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、マロン酸、メサコニン酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、アダマンタンジ酢酸を挙げることができる。また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。また、これらカルボン酸のカルボキシル基を酸無水物、酸塩化物、又は、エステル等に誘導したものを用いてもよい。
これらの中でも、テレフタル酸やその低級エステル、ジフェニル酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることが好ましい。なお、低級エステルとは、炭素数1から8の脂肪族アルコールのエステルをいう。
また本発明における非結晶性ポリエステルを得るために使用されるポリオールとしては、上記ポリオールのうち、特に、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビスフェノールS、ビフェノール、ナフタレンジオール、アダマンタンジオール、アダマンタンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール等を用いることが好ましい。
前記多価カルボン酸及びポリオールは、1種のポリエステル樹脂を作製するために、それぞれ1種ずつを単独で用いても、一方が1種で他方が2種以上用いても、それぞれ2種以上ずつを用いてもよい。また、1種の重縮合性樹脂を作製するためヒドロキシカルボン酸を用いる場合、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよく、多価カルボン酸やポリオールを併用してもよい。
非晶性のポリエステル樹脂としては、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド1モル付加物(両末端換算2モル付加物)とテレフタル酸ジメチルの重縮合物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド1モル付加物(両末端換算2モル付加物)とシクロヘキサンジカルボン酸の重縮合物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド1モル付加(両末端換算2モル付加物)とフェニレンジ酢酸の重縮合物が特に好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂として結晶性ポリエステルを使用する場合、結晶融点Tmは50〜120℃であることが好ましく、55〜90℃であることがより好ましい。Tmが50℃以上であると、剥離性が向上し、さらにオフセットが低減できるので好ましい。また、Tmが120℃以下であると、より低い温度で定着できるので好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121:87に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性ポリエステル樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
一方、ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合、非結晶性ポリエステルのガラス転移点(Tg)は40〜100℃であることが好ましく、より好ましくは50〜80℃の範囲である。Tgが上記範囲内であると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が良好であるため、定着の際にホットオフセットが生じ難く、さらに十分な溶融が得られ、最低定着温度が上昇しにくく好ましい。
ここで、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値のことをいう。
また、本発明におけるガラス転移点の測定は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば、「DSC−20」(セイコー電子工業社製)によって測定でき、具体的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との交点よりガラス転移点を得ることができる。
本発明において、ポリエステル樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合、そのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量は1,000〜60,000であることが好ましく、1,500〜50,000であることがより好ましく、2,000〜40,000であることがさらに好ましい。
また、ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合、THF可溶分のGPC法による分子量測定で、その重量平均分子量は1,000〜60,000であることが好ましく、3,000〜50,000であることがより好ましく、5,000〜40,000であることがさらに好ましい。
重量平均分子量が上記範囲内であると、耐オフセット性が向上するので好ましい。
本発明において、樹脂の分子量は、THF可溶物を、TSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)等を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出することができる。
なお、本発明において、ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂のいずれも使用することができるが、少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステルを使用すると、トナーの粘弾性を制御できるので好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂を一種単独で用いることもできるが、複数を組み合わせて使用することも好ましい。
ここで、本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」における「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が15℃以内であることを意味する。一方、吸熱ピークの半値幅が15℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)であることを意味する。
本発明において、ポリエステル樹脂を作製するための重縮合工程として、既述の重縮合性単量体であるポリカルボン酸及びポリオールと、予め作製しておいたオリゴマー及び/又はプレポリマーとの重合反応とを含むこともできる。プレポリマーは、上記単量体に溶融又は均一混合できるポリマーであれば限定されない。
さらに本発明において、結着樹脂は、上述した重縮合成分の単独重合体、上述した重縮合成分を含む2種以上の単量体を組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していても良い。
本発明において、ポリエステル樹脂は、重縮合成分、好ましくは重縮合性単量体であるポリカルボン酸及びポリオール、さらに好ましくはジカルボン酸及びジオールを重縮合して得られ、特に触媒下で重縮合して得られたポリエステル樹脂であることが好ましい。本発明において、重縮合触媒として上述のアルキルベンゼンスルホン酸を含むことが好ましい。
本発明において、重縮合触媒としてアルキルベンゼンスルホン酸を使用する場合、アルキルベンゼンスルホン酸の使用量は重縮合成分の総重量に対し、0.001〜1.0重量%であることが好ましく、0.01〜0.5重量%であることがより好ましい。0.1〜0.5重量%であることがさらに好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸の使用量が上記範囲内であると、特に水系媒体中での粒子の安定性を保ち、さらに高い重縮合反応性を有し、またトナーの帯電性を適切に保つことができるので好ましい。また、アルキルベンゼンスルホン酸の使用量を0.001〜1.0重量%とすることにより、得られたポリエステル樹脂を金属塩で中和して、アルキルベンゼンスルホン酸をアルキルベンゼンスルホン酸金属塩とした場合、本発明に好適に使用できるアルキルベンゼンスルホン酸金属塩含有量とすることができるので好ましい。
その他の重縮合触媒について以下に説明する。
<触媒>
本発明において、重縮合触媒として硫黄酸を使用することができる。
(硫黄酸)
硫黄酸は、硫黄を含むブレンステッド酸であり、硫黄酸としては、無機硫黄酸又は有機硫黄酸等が挙げられる。無機硫黄酸としては、硫酸、亜硫酸、及び、これらの塩等が挙げられ、また、有機硫黄酸としては、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、及び、これらの塩等のスルホン酸類や、アルキル硫酸、アリール硫酸及びその塩等の有機硫酸類が挙げられる。
硫黄酸としては、有機硫黄酸であることが好ましく、界面活性効果を有する有機硫黄酸であることがより好ましい。なお、界面活性効果を有する酸とは、疎水基と親水基とからなる化学構造を有し、少なくとも親水基の一部がプロトンからなる酸の構造を有し、乳化機能と触媒機能とを併せ持つ化合物である。
界面活性効果を有する有機硫黄酸としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、長鎖アルキル硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、硫酸化脂肪、スルホ琥珀酸エステル、樹脂酸アルコール硫酸、及びこれらすべての塩化合物などが挙げられ、必要に応じて複数を組み合わせてもよい。これらの中でも、アルキル基若しくはアラルキル基を有するスルホン酸、アルキル基若しくはアラルキル基を有する硫酸エステル、又は、これらの塩化合物であることが好ましく、前記アルキル基又はアラルキル基の炭素数が7〜20であることがより好ましい。具体的には、しょうのうスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ジブチルフェニルフェノール硫酸、ドデシル硫酸、ナフテニルアルコール硫酸等が挙げられる。またこれらの硫黄酸はその構造中になんらかの官能基を有していてもよい。
上記硫黄酸触媒とともに、又は単独で、一般的に使用される他の重縮合触媒を用いることもできる。具体的には、界面活性効果を有する酸、金属触媒、加水分解酵素型触媒、塩基性触媒が例示できる。
(界面活性効果を有する酸)
界面活性効果を有する酸としては、例えば、各種脂肪酸、高級アルキルリン酸エステル、樹脂酸、及びこれらすべての塩化合物などが挙げられ、必要に応じて複数を組み合わせてもよい。
(金属触媒)
金属触媒としては以下のものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。例えば、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機アンチモン化合物、有機ベリリウム化合物、有機ストロンチウム化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機ハロゲン化スズ化合物、希土類含有触媒を挙げられる。
希土類含有触媒としては具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド元素として、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などを含むものが有効である。これらは、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、トリフラート構造を有するものが有効であり、前記トリフラートとしては、構造式では、X(OSO2CF33が例示できる。ここでXは、希土類元素であり、これらの中でも、Xは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)などであることが好ましい。
また、ランタノイドトリフラートについては、有機合成化学協会誌、第53巻第5号、p44−54に詳しい。
触媒として金属触媒を使用する場合には、得られる樹脂中の触媒由来の金属含有量を10ppm以下とすることが好ましい。7.5ppm以下とすることがより好ましく、5.0ppm以下とすることがさらに好ましい。したがって、金属触媒は使用しないか、又は金属触媒を使用する場合であっても、極少量使用することが好ましい。
(加水分解酵素型触媒)
加水分解酵素型触媒としてはエステル合成反応を触媒するものであれば特に制限はない。本発明における加水分解酵素としては、例えば、カルボキシエステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アセチルエステラーゼ、ペクチンエステラーゼ、コレステロールエステラーゼ、タンナーゼ、モノアシルグリセロールリパーゼ、ラクトナーゼ、リポプロテインリパーゼ等のEC(酵素番号)3.1群(丸尾・田宮監修「酵素ハンドブック」朝倉書店、(1982)、等参照)に分類されるエステラーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、キシロシダーゼ等のグリコシル化合物に作用するEC3.2群に分類される加水分解酵素、エポキシドヒドラーゼ等のEC3.3群に分類される加水分解酵素、アミノペプチダーゼ、キモトリプシン、トリプシン、プラスミン、ズブチリシン等のペプチド結合に作用するEC3.4群に分類される加水分解酵素、フロレチンヒドラーゼ等のEC3.7群に分類される加水分解酵素等を挙げることができる。
上記のエステラーゼのうち、グリセロールエステルを加水分解し脂肪酸を遊離する酵素を特にリパーゼと呼ぶが、リパーゼは有機溶媒中での安定性が高く、収率良くエステル合成反応を触媒し、さらに安価に入手できることなどの利点がある。したがって、本発明においても、収率やコストの面からリパーゼを用いることが望ましい。
リパーゼには種々の起源のものを使用できるが、好ましいものとして、シュードモナス(Pseudomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、カンジダ(Candida)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属、ムコール(Mucor)属等の微生物から得られるリパーゼ、植物種子から得られるリパーゼ、動物組織から得られるリパーゼ、さらに、パンクレアチン、ステアプシン等を挙げることができる。このうち、シュードモナス属、カンジダ属、アスペルギルス属の微生物由来のリパーゼを用いることが望ましい。
(塩基性触媒)
塩基性触媒としては、一般の有機塩基化合物、含窒素塩基性化合物、テトラブチルホスホニウムヒドロキシドなどのテトラアルキル又はアリールホスホニウムヒドロキシドを挙げることができるがこれに限定されない。有機塩基化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類、含窒素塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ジベンジルメチルアミン等のアミン類、ピリジン、メチルピリジン、メトキシピリジン、キノリン、イミダゾールなど、さらにナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム等のアルカリ金属類及びカルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属類の水酸化物、ハイドライド、アミドや、アルカリ、アルカリ土類金属と酸との塩、たとえば炭酸塩、燐酸塩、ほう酸塩、カルボン酸塩、フェノール性水酸基との塩を挙げることができる。
また、アルコール性水酸基との化合物やアセチルアセトンとのキレート化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
触媒の総添加量としては、重縮合成分に対して0.001〜40重量%であることが好ましく、0.01〜20重量%であることがより好ましい。前記の割合で1種類又は複数添加することができる。
触媒の総添加量が上記範囲内であると重縮合の反応性を十分に有する一方、逆反応や副反応を抑制することができるので好ましい。
<重縮合反応>
次に、重縮合反応について説明する。
本発明においては、従来の反応温度よりも低温で重縮合反応させても、結着樹脂を得ることができる。反応温度は70℃以上150℃以下であることが好ましい。より好ましくは、75℃以上130℃以下である。
反応温度が70℃以上であると、重縮合成分(好ましくは重縮合性単量体)の溶解性、触媒活性度の低下に起因する反応性の低下が生じず、分子量の増加が抑制されることがないので好ましい。また、反応温度が150℃以下であると、低エネルギーで製造することができるので好ましい。また、樹脂の着色や、生成した重縮合性樹脂の分解等を生じることがないので好ましい。
従来の高エネルギー消費型の製法を回避し、150℃以下の低温で重縮合性樹脂を製造する事は、トータルな意味での樹脂の製造エネルギー及びトナーの製造エネルギーを低減する為には極めて重要である。従来は、200℃を超える高温で重縮合反応が行われていたが、これより数十℃〜百数十℃低い150℃以下の低温での重合を行う為には、触媒としてアルキルベンゼンスルホン酸を使用することが好適である。これは従来のSn系、Ti系等の金属触媒が、特に200℃以上で高い触媒活性を示し、150℃以下の低温では非常に活性が低い為である。
アルキルベンゼンスルホン酸は160℃以上の高温では温度上昇に伴い触媒活性能力が減少していくが、触媒酸の求核付加をきっかけに反応が進む反応機構である為に、重合温度が約70℃〜約150℃と低温の範囲において触媒活性が高く、150℃以下での重縮合反応に好適に使用することができる。
また、機械的強度の面においても、金属触媒を用いて作製した樹脂よりもアルキルベンゼンスルホン酸を触媒として用いて作製した樹脂の方が優れる。アルキルベンゼンスルホン酸を触媒として使用した場合は求核付加反応機構によって重合が進むため、不純物の混入の可能性が低い。一方で、Sn系やTi系等の金属触媒を用いて作製した樹脂は、触媒金属表面上に酸とアルコールが集められる反応機構である為、触媒金属が樹脂中に取り込まれ易い。導電性を持つ金属が樹脂中に取り込まれると、樹脂の電荷が漏洩し易くなる。このような樹脂をトナーに用いた場合、特に高温高湿下でプリントする場合、電荷漏洩し易くなる為、帯電量が低くなり、非画像部へもトナーが飛散するバックグランドカブリを起こし易いといった問題を生じる場合がある。取り込まれた金属は樹脂中の微小な構造欠陥等の原因になり易い。
しかし、アルキルベンゼンスルホン酸を触媒として用いた場合においては、このような金属元素の混入が抑制でき、高温高湿下においても電荷漏洩が生じにくく、バックグランドカブリも発生しにくいので好ましい。この点においても金属触媒を用いるよりもアルキルベンゼンスルホン酸を用いることが好ましい。
この重縮合反応は、バルク重合、乳化重合、懸濁重合等の水中重合、溶液重合、界面重合等一般の重縮合法で実施することが可能であるが、バルク重合及び水中重合が好ましく用いられる。
これらの中でも、バルク重合を行うことが好ましい。
(バルク重合)
バルク重合の場合、大気圧下で反応が可能であるが、得られるポリエステル分子の高分子量化や分子量分布の制御等を目的とした場合、減圧、窒素気流下等の一般的な条件を用いることができる。
本発明において、バルク重合法にて重縮合成分(好ましくは重縮合性単量体)を重縮合する場合には、重縮合成分にアルキルベンゼンスルホン酸を添加し、重縮合する方法が例示できる。また、重縮合成分(好ましくは重縮合性単量体)を好ましくは触媒の存在下で重縮合した後、アルキルベンゼンスルホン酸及び/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を添加する方法が例示できる。これらの中でもアルキルベンゼンスルホン酸の存在下で重縮合を行うことが好ましい。粒子径分布に優れた静電荷像現像トナーに好適に使用できる静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液を低エネルギーに効率的に製造することができるので好ましい。
本発明において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定における重量平均分子量500以下の面積比が総面積の5〜10%であるポリエステル樹脂は、例えば、重合途中で重合条件を変更することによって得ることができる。より具体的には重合温度を重合中に上昇させる、触媒を重合中に加える、重合性単量体として、途中から反応が進みにくい種類のものを添加する、等の方法が例示できる。
上述のようにして得られた重縮合性樹脂を水系媒体中に乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を得ることができる。
重縮合性樹脂は、塩基(塩基性化合物)を加えて乳化分散することが好ましい。塩基は、塩基を水に溶解し、重縮合性樹脂に撹拌下で添加することが好ましい。塩基としては特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、各種アミン等の公知の塩基を使用することができるが、上述の通り、pKbが4以下の塩基を使用することが好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、ジエチルアミンが例示でき、これらの中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
塩基の添加量は水系媒体中への良好な分散が行われる範囲で適宜選択することができるが、0.001〜1mol/Lであることが好ましく、0.01〜0.8mol/Lであることがより好ましい。
すなわち、重縮合性単量体をアルキルベンゼンスルホン酸の存在下に重縮合したのち、塩基を加えて乳化し、樹脂粒子分散液を作製することが好ましく、又は、重縮合性単量体を、その他の触媒の存在下に重縮合したのち、アルキルベンゼンスルホン酸及び/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を混合し、さらに塩基を加えて乳化し、樹脂粒子分散液を作製することもできる。
本発明において、以上のように得られた樹脂粒子分散液の樹脂粒子の累積体積平均粒子径(メジアン径)D50は80〜500nmであることが好ましく、80〜300nmであることがより好ましい。メジアン径を上記範囲内とすることにより、粒子径分布がより狭いトナーができるため好ましい。
上記累積体積平均粒子径(メジアン径)は動的光散乱法測定機(例えば、堀場製作所製LA920)により測定することができる。
また、本発明の樹脂粒子分散液において、樹脂粒子の粒度分布は狭いことが好ましい。粒度分布が狭いことは、より均一な樹脂粒子を得ることができることを意味し、この結果、樹脂粒子分散液を用いて製造された静電荷像現像トナーの粒度分布は狭いものとなるので好ましい。
粒度分布は、GSDvで表し、樹脂粒子分散液の樹脂粒子のGSDvは1.00〜1.30であることが好ましく、1.00〜1.25であることがより好ましく、1.00〜1.20であることがさらに好ましい。GSDvが1.30を超えると得られるトナーの粒度分布が広くなる傾向があり、その結果帯電量の不均一等が生じやすくなる。
樹脂粒子分散液における樹脂粒子のGSDvは、前述の動的光散乱法測定機(例えば、堀場製作所製LA920)を用いて測定できる。
前述の動的光散乱法測定機(LA920)で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16、、累積50%となる粒径を累積体積平均粒子径D50、、累積84%となる粒径を体積D84、と定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84/D161/2、として算出される。
<トナーの製造方法>
本発明においてトナーの製造方法は、少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程(凝集工程)と、該凝集粒子を加熱して融合させる工程(融合工程)とを含む静電荷像現像トナーの製造方法であることが好ましい。そして、この乳化重合凝集法と呼ばれる製造方法において、樹脂粒子を分散させた分散液として、少なくとも本発明のポリエステル樹脂を含む樹脂粒子分散液を適用することが好ましい。また、樹脂粒子分散液は、他の樹脂粒子を含有していても良く、複数の樹脂粒子分散液を使用することもできる。
さらに詳述すれば、前述のようにして得られた静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液(樹脂粒子分散液)を、必要に応じて着色剤粒子分散液、離型剤液粒子分散液等と混合し、さらに凝集剤を添加しヘテロ凝集を生じさせることによりトナー径の凝集粒子を形成し、その後、樹脂粒子のガラス転移点以上又は融点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一し、さらに、洗浄、乾燥する事により得られる。
なおトナー形状は不定形から球形までのものが好ましく用いられる。
また、凝集剤としては界面活性剤の他、無機塩、2価以上の金属塩を好適に用いる事ができる。特に金属塩を用いる場合、凝集性制御及びトナー帯電性の特性において好ましい。
凝集工程では、樹脂粒子分散液を、離型剤粒子分散液及び必要に応じて着色剤粒子分散液等と混合し、さらに凝集剤を添加し、これら粒子をヘテロ凝集させることによりトナー径の凝集粒子を形成することができる。
また、このように凝集して第一の凝集粒子形成後、さらに上記の樹脂粒子分散液又は別の樹脂粒子分散液を添加し、第一の粒子表面に第2のシェル層を形成することも可能である。なお、この例示においては、着色剤分散液を別に調製しているが、重縮合性樹脂粒子に予め着色剤が配合されている場合には、着色剤分散液は必要ない。
ここで、凝集剤としては、界面活性剤のほか、無機塩、2価以上の金属塩を好適に用いることができる。特に、金属塩を用いる場合、凝集性制御及びトナー帯電性などの特性において好ましい。また、例えば、樹脂の乳化重合、顔料の分散、樹脂粒子の分散、離型剤の分散、凝集、凝集粒子の安定化などに界面活性剤を用いることができる。
分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものを使用できる。
本発明において、前述の凝集法としては、特に限定されるものではなく、従来より静電荷像現像トナーの乳化重合凝集法において用いられている凝集法、例えば、昇温、pH変化、塩添加等によってエマルジョンの安定性を低減化させてディスパーザー等で撹拌する方法、等が用いられる。
さらに、凝集処理後、粒子表面からの着色剤の滲出を抑える等の目的で、熱処理を施す等により粒子表面を架橋せしめてもよい。なお、用いられた界面活性剤等は、必要に応じて、水洗浄、酸洗浄、或いはアルカリ洗浄等によって除去してもよい。
なお、本発明の静電荷像現像トナーの製造方法には、必要に応じて、この種のトナーに用いられる帯電制御剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の公知の各種内添剤が用いられてもよい。
帯電制御剤は、乳化分散物(油相)の調製時、乳化分散時や、凝集時等の何れで添加することもできる。また、帯電制御剤は水性分散液等として添加されることが好ましく、添加される帯電制御剤の量は、油相100重量部に対して好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは5〜15重量部となるように添加されることが好ましい。
ここで、油相とは、バルク重合の場合には、少なくとも重縮合性樹脂を含み、水系媒体中に乳化分散される成分である。また、水中重合の場合には、少なくとも重縮合成分を含み、水系媒体中に乳化分散される成分である。
帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン系樹脂等の正荷電性帯電制御剤、又は、クロム、コバルト、アルミニウム、鉄等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸若しくはアキルサリチル酸やベンジル酸等のヒドロキシカルボン酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等の金属塩や金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物等の負荷電性帯電制御剤等、公知のものを用いることができる。
<離型剤>
また、本発明の静電荷像現像トナーの製造方法には、必要に応じて、この種トナーに用いられる離型剤として、ワックス類が用いられてもよく、その場合、離型剤の添加は、前記油相の調製時、乳化分散時、凝集時等の何れで添加することもできる。また、離型剤は水性分散液等として添加されることが好ましく、添加される離型剤の量は、油相100重量部に対して好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは5〜15重量部となるように添加されることが好ましい。
本発明において、離型剤として公知の成分を使用することができる。このような離型剤の具体例としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、グラフト化ポリエチレン、グラフト化ポリプロピレン、等のオレフィン系ワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル、等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス、水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基、フェニル基を有するシリコーン系ワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、等の高級脂肪酸アミド、長鎖脂肪酸アルコール、ペンタエリスリトール等の長鎖脂肪酸多価アルコール、及びその部分エステル体、パラフィン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、等が例示される。
離型剤粒子分散液は、メジアン径が1μm以下であることが好ましく、0.1〜0.8μmであることがより好ましい。離型剤粒子のメジアン径を上記範囲内にすることにより、粒子化の際の凝集性制御や、トナーとしての粒度分布を制御しやすくなり、定着時の剥離性やオフセットの発生温度を適切に保つことができるので好ましい。
離型剤は、トナー構成固体分総重量に対して5〜30重量%の範囲であることが好ましく、5〜25重量%の範囲であることがより好ましい。オイルレス定着システムにおける定着画像の剥離性を確保する上で、上記範囲内とすることが好ましい。
<着色剤>
本発明の静電荷像現像トナーは着色剤を含有することも好ましい。
本発明のトナーに用いる着色剤としては、カーボンブラック、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル(C.I.No.45435)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blue3)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート(C.I.No.42000)、チタンブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)などの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系、ニグロシン系染料(C.I.No.50415B)、などの各種染料などを1種単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
これらの着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。また、これらの着色剤粒子は、その他の粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段回で添加してもよい。
着色剤の使用量は、トナー100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。
本発明の静電像現像トナーは、必要に応じ磁性体を含有してもよい。
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若しくは合金又はこれらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化クロム、その他を挙げることができる。例えば黒色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色であり着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特に好ましく用いることができる。またカラートナーを得る場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないものが好ましい。またこれらの磁性体のなかには着色剤としての機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤として兼用してもよい。これらの磁性体の含有量は、磁性トナーとする場合にはトナー100重量部当り20〜70重量部が好ましく、より好ましくは40〜70重量部である。
さらに本発明のトナーは、流動性向上剤等の為に、無機粒子を混合して用いることが好ましい。
本発明において用いられる無機粒子は、一次粒子径が好ましくは5nm〜2μmであり、より好ましくは5nm〜500nmである粒子である。またBET法による比表面積は20〜500m2/gであることが好ましい。トナーに混合される割合は0.01〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜2.0重量%である。
このような無機粉末としては例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ粉末が特に好ましい。
ここでいうシリカ粉末はSi−O−Si結合を有する粉末であり、乾式法及び湿式法で製造されたもののいずれも含まれる。また、無水二酸化ケイ素の他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれでもよいが、SiO2を85重量%以上含むものが好ましい。
これらシリカ粉末の具体例としては種々の市販のシリカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好ましく、例えばAEROSIL R−972、R−974、R−805、R−812(以上アエロジル社製)、タラックス500(タルコ社製)等を挙げることができる。その他シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有するシリコンオイル等で処理されたシリカ粉末などが使用可能である。
<静電荷像現像トナー>
本発明の静電荷像現像トナーの製造方法により得られたトナーの累積体積平均粒子径D50は好ましくは3.0〜9.0μmであり、より好ましくは3.0〜7.0μmであり、さらに好ましくは3.0〜5.0μmである。D50が上記範囲内であると、付着力が強く、現像性が良好であるので好ましい。また、画像の解像性が良好であるので好ましい。
また、得られるトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.30以下であることが好ましい。GSDvが1.30以下であると、解像性が良好であり、トナー飛散やカブリ等の画像欠損の原因となることがないので好ましい。
ここで、累積体積平均粒子径D50や体積平均粒度分布指標は、例えばコールターカウンターTAII(日科機社製)、マルチサイザーII(日科機社製)等の測定器で測定できる。粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16P、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50P、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84Pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P1/2として算出される。
得られたトナーの形状係数SF1は、画像形成性の点より100〜140が好ましく、より好ましくは110〜135である。形状係数SF1は次のようにして求められる。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについてSF1を求め、これの平均を求めることによって得られる。SF1は以下のように定義される。
Figure 2008026511
ここでML:トナ−粒子の絶対最大長、A:トナ−粒子の投影面積である。
得られたトナーには、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥した後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を乾燥状態でせん断をかけながらトナー粒子表面に添加して使用することができる。
また、水系媒体中にてトナー表面に付着せしめる場合、無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
<静電荷像現像剤>
以上説明した本発明の静電荷像現像トナーの製造方法により得られるトナーは、静電荷像現像剤として使用される。この現像剤は、この静電荷像現像トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
キャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。
二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部である。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
<画像形成方法>
また、本発明の静電荷像現像トナー及び静電荷像現像剤は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明のトナー又は本発明の静電荷像現像剤を使用することを特徴とする。
上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用でき、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。
また、本発明の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよく、例えば、静電潜像保持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング工程等が好ましく挙げられる。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体及び誘電記録体等が使用できる。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され(定着工程)、最終的なトナー像が形成される。
なお、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、静電潜像保持体と、該静電潜像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段により帯電させられた該保持体の表面に、画像情報に応じて露光することにより静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成させる現像手段と、該トナー像を該保持体から被記録材に転写する転写手段とを有し、必要に応じて定着基材上のトナー像を定着する定着手段とを有する。上記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。
上記静電潜像保持体、及び、上記の各手段は、前記の画像形成方法の各工程で述べた構成を好ましく用いることができる。
上記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本発明で用いる画像形成装置は、上記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本発明で用いる画像形成装置は上記した手段のうちの複数を同時に行っても良い。
以下、本発明を実施例で詳しく説明するが、本発明を何ら限定するものではない。
トナーは、下記の樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液をそれぞれ調製し、これを所定の割合で混合し、撹拌しながら、金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させて凝集粒子を形成した。
次いで、無機水酸化物を添加して系内のpHを弱酸性から中性に調整した後、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合・合一した。
反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経て所望のトナーを得た。
樹脂粒子のガラス転移点は、以下の方法で測定した。すなわち、樹脂粒子分散液をフリーズドライで乾燥して樹脂粒子を取り出した。この樹脂粒子を、示差走査熱量計で測定し、測定の結果から吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。なお測定は以下のプログラムで走査し、(3)における測定結果からガラス転移点をもとめた。
(1)室温から150℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、150℃温度で10分間保持した。
(2)−10℃/分で−10℃まで下温し、−10℃で10分間保持した。
(3)−10℃から150℃まで昇温速度10℃/分で昇温した。
本発明におけるトナーの累積体積平均粒子径及び体積平均粒度分布指標の測定は、測定装置としてコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加えた。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定し、前述のようにして累積体積平均粒子径、体積平均粒度分布指標(GSDv)を求めた。測定する粒子数は50,000であった。
樹脂粒子、着色剤、及び離型剤の累積体積平均粒子径及び体積平均粒度分布指標は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場制作所製、LA−920)を用いて測定した。
重量平均分子量の測定は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8220GPC、(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。
測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作成した。
重量平均分子量500以下の面積比は、東ソーGPC−8020のGPCサポートプログラムモデルIIを用いて上述のようにして得られたGPCでの測定結果を解析し、重量平均分子量500以下の面積が、全ピーク面積に占める割合を算出した。
次に、樹脂粒子中のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量の測定方法について述べる。
具体的にはトナーからアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を測定するために以下の手法で行った。
トナーをテトラヒドロフランに溶解して、水中へ再沈殿を行った。この溶液をろ過して、ろ液を濃縮した。
次に、固相抽出カラムPresep−C C18(ODS)(和光純薬工業(株)製)を用いた。このカラムをメタノール5ml、水5mlでコンディショニングした後、水試料1lを20ml/minのペースになるようにしてカラムに流し込んだ。その後5分間窒素をパージしてカラムを乾燥させた。その後、さらに、メタノール5mlで抽出した。抽出液に、窒素ガスを吹き付けることにより2mlになるまで濃縮をおこなった。
また、単離したサンプルはHLPCでも測定することが可能である。得られたサンプルをHPLC(日立HPLC L2130)で、流速0.6ml/min、溶離液に0.1M過塩素酸ナトリウム一水和物を含有した、アセトニトリル/水=65/35を用いた。カラムに日立Inertsil ODS−3を使用し、カラム温度は40℃とした。また、20μlの試料を注入して測定した。定量を行なうにあたり、含有量があらかじめわかっている標準液数点で検量線を作成した。
トナーのSF1は以下のようにして測定した。スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについてSF1を求め、これの平均を求めることによって得た。SF1は以下のように定義される。
Figure 2008026511
ここでML:トナ−粒子の絶対最大長、A:トナ−粒子の投影面積である。
(実施例1)
<樹脂粒子分散液(1)の調製>
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 17.4重量部
ビスフェノールA 1−EO 24.32重量部
(両末端換算 エチレンオキサイド2モル付加物)
ビスフェノールS 6.76重量部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.05重量部
上記成分を、撹拌装置を備えたフラスコ中に入れて、窒素雰囲気下で120℃20時間重縮合を行ない、その後125℃に昇温し、4時間継続して重合を行いポリエステル樹脂を得た。
上記樹脂50重量部を撹拌装置及び冷却管に接続された三口フラスコに入れて、95℃まで温度を上げてから、ラウリン酸1.4重量部を添加して、10分間撹拌した。1N NaOHを徐々に添加しながら撹拌を続けた。総量で100重量部のNaOH水溶液を投入すると、樹脂はスラリー状を呈した。
この樹脂水溶液50重量部を、イオン交換水100重量部を85℃に調整したフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で10分間乳化した後、さらに超音波バス中にて、10分間乳化し、室温水にてフラスコを冷却した。
得られた樹脂粒子分散液(1)の樹脂粒子のメジアン径は、300nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは、12,000、分子量500以下の割合は8%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は600ppmであった。
(実施例2)
<樹脂粒子分散液(2)の調製>
実施例1でドデシルベンゼンスルホン酸の量を0.25重量部に変えた以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(2)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(2)の樹脂粒子のメジアン径は200nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは、14,000、分子量500以下の割合は9%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は3,000ppmであった。
(実施例3)
<樹脂粒子分散液(3)の調製>
実施例1で重合時間を110℃で22時間、その後120℃に昇温し2時間重合を継続した以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(3)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(3)の樹脂粒子のメジアン径は350nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは、115,00、分子量500以下の割合は5%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は700ppmであった。
(実施例4)
<樹脂粒子分散液(4)の調製>
実施例1で120℃での重合時間を24時間とし、その後の昇温を行わず、また、ドデシルベンゼンスルホン酸の量を0.32重量部に変えた以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(4)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(4)の樹脂粒子のメジアン径は280nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは、15,000、分子量500以下の割合は9%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は4,100ppmであった。
(実施例5)
<樹脂粒子分散液(5)の調製>
実施例1で1N 水酸化ナトリウムを1N 水酸化カルシウム100重量部に変えた以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(5)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(5)の樹脂粒子のメジアン径は210nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは、11,000、分子量500以下の割合は8%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は500ppmであった。
(実施例6)
<樹脂粒子分散液(6)の調製>
実施例1で1N 水酸化ナトリウムを1N 炭酸ナトリウム100重量部に変えた以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(6)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(6)の樹脂粒子のメジアン径は550nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは12,000、分子量500以下の割合は7%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は500ppmであった。
(比較例1)
<樹脂粒子分散液(7)の調製>
実施例1でドデシルベンゼンスルホン酸の量を0.7重量部に変えた以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(7)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(7)の樹脂粒子のメジアン径は120nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは、16,000、分子量500以下の割合は8%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は7,000ppmであった。
(比較例2)
<樹脂粒子分散液(8)の調製>
実施例1でドデシルベンゼンスルホン酸の量を0.02重量部に変えた以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(8)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(8)の樹脂粒子のメジアン径は560nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは、8,000、分子量500以下の割合は7%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は400ppmであった。
(比較例3)
<樹脂粒子分散液(9)の調製>
実施例1でドデシルベンゼンスルホン酸の量を0.01重量部、重合時間を48時間に変えた以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(9)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(9)の樹脂粒子のメジアン径は610nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは、10,000、分子量500以下の割合は2%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は120ppmであった。
(比較例4)
<樹脂粒子分散液(10)の調製>
実施例1でドデシルベンゼンスルホン酸の量を1.1重量部に変えた以外は同様に行い、樹脂粒子分散液(10)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(10)の樹脂粒子のメジアン径は95nmであった。また、この粒子を少量分収して、乾燥させてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂のMwは17,000、分子量500以下の割合は15%であった。また、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩の量は8,500ppmであった。
樹脂粒子分散液(1)〜樹脂粒子分散液(10)の安定性は以下のようにして評価した。35℃の恒温室に10日間静置し、粒子径の変化をLA920(堀場製作所製)で測定した。静置する前後での粒子径の変化は、以下に示す式で測定した。
粒子径安定性=10日間静置後メジアン径/10日間放置前メジアン径
○ ・・・ 1.2以下
△ ・・・ 1.2を超え、1.6未満
× ・・・ 1.6以上
結果を以下の表1に示す。
Figure 2008026511
<トナー樹脂の調製>
(アニオン性樹脂粒子分散液の調製)
スチレン 460重量部
n−ブチルアクリレート 140重量部
アクリル酸 12重量部
ドデカンチオール 9重量部
前記成分を混合溶解して溶液を調製した。
他方、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)12重量部をイオン交換水250重量部に溶解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化した。(単量体乳化液A)
さらに、同じくアニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)1重量部を555重量部のイオン交換水に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。
重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しながら、ゆっくりと撹拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウオーターバスで加熱し、保持した。過硫酸アンモニウム9重量部をイオン交換水43重量部に溶解し、重合用フラスコ中に定量ポンプを介して20分かけて滴下した後、単量体乳化液Aを同様に定量ポンプを介して200分かけて滴下した。その後、ゆっくりと撹拌を続けながら重合用フラスコを75℃に3時間保持して重合を終了した。これにより粒子のメジアン径が210nm、ガラス転移点が53.5℃、重量平均分子量が31,000、固形分量が42%のアニオン性樹脂粒子分散液を得た。
<着色剤粒子分散液(1)の調製>
青色顔料(大日精化工業社製、PB15:3) 20重量部
アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2重量部
イオン交換水 78重量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)により5分間分散後、さらに超音波バスにより10分間分散し、シアン顔料分散液を得た。分散液中の顔料のメジアン径は121nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整し、着色剤粒子分散液(1)を得た。
<離型剤粒子分散液の調製>
ポリエチレンワックス 30重量部
(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点103℃)
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 3重量部
イオン交換水 67重量部
前記成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で分散処理した。このとき、メジアン径は460nmであった。その後イオン交換水を加えて、分散液の固形分濃度を30%に調整し、離型剤粒子分散液を得た。
<トナーC1の調製>
樹脂粒子分散液(1) 120重量部
アニオン性樹脂粒子分散液 40重量部
着色剤粒子分散液(1) 60重量部
離型剤粒子分散液 40重量部(離型剤12重量部)
ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製10重量%水溶液) 15重量部
前記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで3分間分散した後、前記フラスコに磁力シールを有した撹拌装置、温度計とpH計を具備した蓋をしてから、加熱用マントルヒーターをセットし、フラスコ中の分散液全体が撹拌される最低の回転数に適宜調節して撹拌しながら62℃まで1℃/1minで加熱し、62℃で30分間保持し、凝集粒子の粒径をコールターカウンター(日科機社製、TA−II)で確認した。昇温停止後ただちに樹脂粒子分散液(1)を50重量部追加し、30分間保持したのち、系内のpHが8.5になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、1℃/1minで97℃まで加熱した。昇温後、硝酸水溶液を加えて系内のpHを7.0にして、10時間保持して凝集粒子を加熱融合した。この後系内を50℃まで降温し、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12.0に調節して10分間保持した。その後フラスコから取り出し、イオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄した後、さらに固形分量が10重量%となるようにイオン交換水中に分散し、硝酸を加えてpH3.0で10分間撹拌した後、再びイオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄した。得られたスラリーを凍結乾燥してサイアントナー(トナーC1)を得た。
得られたトナーC1は形状係数(SF1)が120の球形状であり、また、体積平均粒子径は6.7μm、体積平均粒度分布GSDvは1.15であった。
<帯電性の評価>
表1に示す実施例1〜6、及び比較例1〜4のそれぞれの得られたトナー粒子100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、表1の実施例1〜6、及び比較例1〜4に対応する表2に示す実施例1〜6、及び比較例1〜4の静電荷像現像トナーを得た。
フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒径50μm)100重量部とメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量95,000)1重量部とを、トルエン500重量部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩を用いて分粒することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。
このフェライトキャリアと、上記静電荷像現像トナーとを混合し、トナー濃度(現像剤中のトナーの重量割合)が7重量%である二成分系の静電荷像現像剤を作製した。Vブレンダーに入れ20分間撹拌し、A colorフルカラー複写機(富士ゼロックス(株)製)の現像機に入れ、セットアップ後にブローオフ帯電量測定機(東芝製)で帯電量を測定した(メッシュは20μm目開きを使用)。帯電量は、10〜40μC/gであれば判定を〇にし、それ以外の範囲を×とした。
夏環境:30℃、RH80%
冬環境:10℃、RH15%
<画質評価>
上記現像剤を使用し、富士ゼロックス社製のDocuCenterColor500 の改造機において、転写用紙として富士ゼロックス社製Jコート紙を使用し、プロセススピードを180mm/secに調整して下記に示す画像評価をおこなった。
〔細線再現性評価〕
冬環境下で、0.1mm、0.2mm幅の線画像が印刷されたオリジナル画像を複写して、顕微鏡で観察して目視で評価した。
◎:複写画像の線幅がオリジナル画像の75%以上で再現されている
○:複写画像の線幅がオリジナル画像の40%〜75%未満で再現されている
×:複写画像の線幅がオリジナル画像の40%未満で再現されている。
〔画像文字潰れ〕
夏環境下において画像を出し、文字潰れで評価した。3ポイント、5ポイントの文字画像を形成し、下記の判断基準で評価した。
◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭である
○:3ポイントは一部判読しにくいが、5ポイントは明瞭である
△:5ポイントも一部判読しにくく、実用上好ましくない
×:3ポイント、5ポイントとも殆ど判読不能、実用上明らかに問題
結果を下記表2に示す。
Figure 2008026511

Claims (4)

  1. 結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有し、
    該ポリエステル樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフフィー測定における重量平均分子量500以下の面積比が総面積の5%〜10%であり、かつ
    該ポリエステル樹脂のアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量が500ppm以上5,000ppm以下であることを特徴とする
    静電荷像現像トナー。
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像トナー及びキャリアを含む静電荷像現像剤。
  3. 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
    前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
    前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、
    前記現像剤として請求項1に記載の静電荷像現像トナー又は請求項2に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする
    画像形成方法。
  4. 潜像保持体と、
    前記潜像保持体を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記潜像保持体を露光して該潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
    現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
    前記トナー像を前記潜像保持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記現像剤として請求項1に記載の静電荷像現像トナー又は請求項2に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする
    画像形成装置。
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