JP2008025493A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の内燃機関と同様にピストンの往復運動と出力軸の回転運動とを同期させつつ、トルク変動の発生原因を直接的に低減することができる内燃機関を提供する。
【解決手段】本発明の内燃機関は、クロスヘッド4に接続されたラック11と、ラック11と噛合する歯を部分的に備えたカム歯車12と、カム歯車12に接続された出力軸13と、から構成される動力出力機構により、クロスヘッド4(ピストン2)の往復運動を回転運動に直接的に変換して出力するとともに、クロスヘッド4(ピストン2)の往復運動(1往復)とカム歯車12の回転運動(1回転)とを同期させる同期機構を備える。同期機構は、例えば、カム歯車12、駆動歯車14、中間歯車17、従動歯車15及びリンク機構16から構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、海洋や陸上の推進用、発電用等に用いられる内燃機関に関し、特に、固有のトルク変動を低減することができる内燃機関に関する。
図5は、クロスヘッド型のピストン形状を備えた2サイクル内燃機関の模式図である。
2サイクル内燃機関は、吸気と圧縮、膨張と排気の2工程で動力を生み出す機関である。具体的には、図5に示すように、シリンダ1内に吸気弁(図示せず)より空気を吸入し、これを急激に圧縮して高温になった状態で燃料を燃料噴射弁(図示せず)より噴射してシリンダ1内で燃焼させ、燃焼ガスがシリンダ1内で膨張してピストン2を押し下げた後、排気弁(図示せず)より排気ガスとなって大気中に放出され、再びシリンダ1内に新しい空気が吸入される、という行程を繰り返すことにより動力を取り出している。なお、図5において、排気孔は省略してある。
また、前記ピストン2の往復運動は、ピストン2に接続されたピストン棒3を介してクロスヘッド4に伝達され、該往復運動は、連接棒5及びクランクアーム6から構成されるリンク機構を介してクランク軸7に伝達され、回転運動に変換される。クランク軸7には、被駆動体であるプロペラや発電機等が接続される。
かかる従来の内燃機関では、図5に示したように、クロスヘッド4において、燃料の爆発によってピストン2に生じる力Fpが生じ、その連接棒5の方向には力Fが生じる。この力Fはクランク軸7において、クランク接線力Ft(クランク軸7の回転方向の接線方向成分)とクランク半径力Fr(クランク軸7の回転半径方向成分)とに分力される。これらの力Ft,Frは、クランク軸7が1回転する間に大きく周期的に変化する。その結果、クランク軸7はトルク変動を生じ、クランク軸系の捩り振動や縦振動を発生する(例えば、非特許文献1参照)。これらの振動は、致命的な軸系の損傷を生じることもある。また、連接棒5の水平分力Fhと、その反力がジャーナル軸受(図示せず)に作用して、内燃機関の架構(図示せず)を横方向に周期的に揺らす起振モ−メントとなり、横振れ振動を発生する。かかる横振れ振動は、前記捩り振動及び縦振動と相俟って、船舶の場合においては、船体構造そのものや乗組員が居住又は作業する居住区の振動や騒音、艤装品の振動等がたびたび問題となることがある。
日本マリンエンジニアリング学会誌 第40巻 第5号(2005) P.42〜P.50 梶原 修平著 「舶用推進軸系の捩り振動」
これらの弊害を解消するために、クランク軸7に釣合錘、チューニングホイール(フライホイール)、ダンパーの装備、プロペラ翼数の変更又はシリンダの着火順序や着火タイミング(間隔・角度)の調節等のバランシング対策がとられている。また、前記捩り振動が結果として避けられない場合は、クランク軸7の直径を変更する等の方法で捩り振動の共振点(回転数)と軸系の固有振動数をずらし、トルク変動の影響を極力小さくしている。しかしながら、かかる対策においては、クランク軸7に発生するトルク変動を部分的に減じることができるに留まり、トルク変動の発生原因(クランク接線力Ft、クランク半径力Fr、水平分力Fh等)を直接的に低減する対策とはなっていない。
また、図5に示したような従来の内燃機関の効率性を改善する発明として、特許文献1に記載された内燃機関が提案されている。かかる特許文献1に記載された内燃機関は、クランク機構の代わり、ピストンのスカート側にピストンの往復運動に連動して往復運動を行うラック2条をそれぞれ向かい合わせに設け、その2条のラックに同一形状のピニオンをそれぞれ噛み合わせるとともに、各ピニオン軸の他端に別に取り付けた歯車を回転駆動軸(内燃機関の外部へ回転運動を伝達する歯車の軸)の歯車に噛み合わせ、しかもピストンの往復運動を連続的に回転運動に変換できるように各ピニオンとそのピニオン軸の間などにピストンの運動方向に連動して機能するフリー機構を介在させたものである。かかる内燃機関においては、前記捩り振動や横振れ振動の問題は生じないが、ピストンの往復運動と回転駆動軸との同期をとる機構がなく、回転出力の制御上の問題が生ずる。
特開平11−159339号公報
本発明は上述した問題に鑑み、従来の内燃機関と同様にピストンの往復運動と出力軸の回転運動とを同期させつつ、トルク変動の発生原因(クランク接線力Ft、クランク半径力Fr、水平分力Fh等)を直接的に低減することができる内燃機関を提供することを目的とする。
本発明によれば、シリンダ内で摺動するピストンの往復運動を回転運動に変換して出力する内燃機関であって、前記ピストンに接続されたラックと、該ラックと噛合する歯を部分的に備えたカム歯車と、該カム歯車に接続された出力軸と、前記ピストンの往復運動と前記カム歯車の回転運動とを同期させてピストンの往路時に前記ラックと前記カム歯車とを噛合させる同期機構とを備えたことを特徴とする内燃機関が提供される。
前記同期機構は、前記カム歯車と同軸に設けられた駆動歯車と、該駆動歯車によって回転される従動歯車と、該従動歯車と前記ピストンを連結するリンク機構とから構成するようにしてもよいし、さらに、前記駆動歯車と前記従動歯車との間には中間歯車を設けるようにしてもよい。また、前記シリンダを複数備えている場合には、各シリンダの前記従動歯車には同軸にクランク軸が接続されており、各シリンダのクランク軸どうしは連結されないように構成してもよい。
また、前記同期機構は、前記カム歯車と同軸に設けられた駆動カサ歯車と、該カサ歯車によって回転される従動カサ歯車と、該従動カサ歯車と同軸に設けられたウォームと、該ウォームに連結されたウォーム歯車と、該ウォーム歯車に連結された立体カムと、該立体カムの溝を摺動するとともに前記ピストンに接続された従動ピンとから構成してもよい。
さらに、前記ピストンにクロスヘッドを連結し該クロスヘッドに前記ラックを接続してもよいし、該クロスヘッドに第二のクロスヘッドを連結し該第二のクロスヘッドに前記ラックを接続してもよいし、前記カム歯車の歯を前記ピストンが上死点から下死点まで移動する間だけ前記ラックと噛合する範囲に形成してもよいし、前記同期機構を前記ピストンの1往復と前記カム歯車の1回転とを同期させる機構としてもよい。
上述した本発明によれば、従来のリンク機構そのものから、トルク変動の発生原因であるクランク接線力Ft、クランク半径力Fr、水平分力Fh等を大幅に低減することができるため、クランク軸系の捩り振動、縦振動、横振れ振動及び騒音を大幅に減らすことができる。また、出力軸とピストンの同期機構を設けたため、往復運動と回転運動とを同期させることができ、制御上の問題も生じない。
また、トルク変動の発生原因そのものを低減したことにより、例えば、本発明の内燃機関を採用した船舶では、居住区の構造及び振動対策として求められる補強を少なくすることができるとともに、居住区の設計自由度が増えることとなる。さらに、ピストンを押し下げる力から直接的に動力を出力しているため、トルク伝達効率を向上させることができ、燃料消費量を削減することもできる。したがって、例えば、本発明の内燃機関を採用した船舶では、燃料消費量が減った分だけ燃料タンクの容量を削減でき、貨物の量をその分だけ多く積み込むことができる。
また、内燃機関のシリンダ数は伝達トルクの増加率に逆比例して削減することができ、その分だけ内燃機関と機関室の長さを短くすることができ、内燃機関そのものの製造コストを削減することができるとともに、船舶等の内燃機関を使用している装置全体の長さも短くすることができる。
その他に、(1)出力軸を直線的な一本ものの軸とすることができ、従来のようにクランク状に成形する必要がなく、加工が簡単で、内燃機関の可動部のバランスをとるための釣合錘やフライホイ−ルなどを設ける必要がない、(2)出力軸は、内燃機関の架構の中ではなく内燃機関の側面に取り付けられ、連接棒と連結していないので、簡単に取り外すことができ、保守・点検や修理が容易である、(3)クランク軸は、従来のように全シリンダ一体の大型鍛鋼品ではなく、一つのシリンダ用を分割製作すれば良いので、製造が容易であり、容易かつ安価に調達することができる、(4)クランク軸は1シリンダごとに取り付け又は取り外しすることができ、保守・点検や修理が容易となる等の効果も奏する。
以下、本発明の実施形態について図1〜図4を用いて説明する。図1は、本発明を採用した2サイクル内燃機関の第一実施形態を示す説明図であり、(A)は部分断面正面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。なお、図5に示した従来の内燃機関と同じ部品については同じ符号を付し重複した説明は省略する。
図1(A)及び(B)に示すように、本発明の内燃機関は、シリンダ1内を摺動するピストン2の往復運動を回転運動に変換して動力を出力する内燃機関であって、ピストン2にはピストン棒3を介してクロスヘッド4が接続されており、クロスヘッド4を介して動力を取り出すものである。この動力は、クロスヘッド4に接続されたラック11と、ラック11と噛合する歯12aを部分的に備えたカム歯車12と、カム歯車12に接続された出力軸13と、から構成される動力出力機構により、クロスヘッド4(ピストン2)の往復運動を回転運動に変換されて出力される。
本発明は、さらにクロスヘッド4(ピストン2)の往復運動とカム歯車12の回転運動とを同期させる同期機構を備えている。同期機構は、少なくともカム歯車12と同軸に出力軸13に設けられた駆動歯車14と、駆動歯車14によって回転される従動歯車15と、従動歯車15とクロスヘッド4を連結するリンク機構16と、から構成され、図1に示す第一実施形態においては、駆動歯車14と従動歯車15との間に中間歯車17が設けられており、中間歯車17は、駆動歯車14及び従動歯車15の両方に噛合するように配置されている。この従動歯車15及び中間歯車17は、それぞれクランク軸15a及び中間歯車軸17aを有し、各軸15a,17aは所定の軸受15b,17bに支持されている。なお、中間歯車17は必ずしも必要ではなく、駆動歯車14と従動歯車15とを直接噛合させるようにしてもよい。
また、リンク機構16は、一端がクランク軸15aに固定されたクランクアーム16aと、クランクアーム16aの他端及びクロスヘッド4の中心部とピン結合された連接棒16bとから構成されている。このリンク機構16は、いわゆる往復スライダクランク機構をなしており、クランク軸15aとクロスヘッド4の中心部は略一直線上に並ぶ位置に配置され、クランクアーム16aが1回転(360°)する間にクロスヘッド4がシリンダ1内を1往復する関係にある。また、図1(B)に示すように、クランク軸15a及びクランクアーム16aは対をなしており、一方のクランク軸15aのみが従動歯車15に固定されており、一対のクランクアーム16aは、連接棒16bを連結するピン16cにより連結されている。なお、図1(A)において、リンク機構16の図は、理解しやすくするために実線で透過して表示している。
カム歯車12には、図1(A)に示すように、外周の一部分にのみ歯12aが切られており、この歯12aがラック11と噛合するようになっている。歯12aが設けられる範囲は、ラック11がクロスヘッド4とともに往復運動をするため、ラック11の往路(ラック11が上死点から下死点に移動する間)時のみラック11の歯と噛合するように設定される。また、ラック11は、シリンダ1内を摺動するように設けられており、ラック11とカム歯車12の歯12aとが噛合する部分のシリンダ1の外壁は切り欠かかれている。なお、ラック11をシリンダ1の外側で摺動するように配置してもよい。
かかる構成により、ラック11の往路(ラック11が上死点から下死点に移動する間)時には、カム歯車12がラック11の移動に伴って回転する。このカム歯車12の回転により、出力軸13及び駆動歯車14も回転し、出力軸13の回転により出力が得られる。また、駆動歯車14の回転により中間歯車17が回転し、さらに従動歯車15が回転する。ここで、従動歯車15とラック11(クロスヘッド4)とは、リンク機構16を介して連結されているが、リンク機構16は、従動歯車15とラック11(クロスヘッド4)の運動を同期させるように設定されているため、互いの運動が阻害されることはない。
次に復路(ラック11が下死点から上死点に移動する間)について説明する。復路では、ラック11とカム歯車12とは噛合していないので、ラック11の移動に伴ってカム歯車12に動力が伝達されることはない。しかし、ラック11(クロスヘッド4)と従動歯車15とはリンク機構16を介して連結されているため、従動歯車15を回転させれば、ラック11(クロスヘッド4)を移動させることができる。図1では図示していないが、内燃機関は一般に複数のシリンダが出力軸13に連接されており、各シリンダのピストン2の駆動を適宜調整することによって、連接された他のシリンダから出力軸13の駆動力を得ることができる。この出力軸13の駆動力は、駆動歯車14及び中間歯車17を介して従動歯車15に伝達され、クランクアーム16aを回転させ、クロスヘッド4及びラック11を下死点から上死点に移動させる。その結果、ラック11(クロスヘッド4)が復路の終点(上死点)に到達し、再び往路に移行しようとするときには、ラック11とカム歯車12の歯12aが再び噛合する位置に到達している。すなわち、ラック11(クロスヘッド4)の1往復とカム歯車12の1回転が同期するように構成されている。かかる運動を繰り返すことにより、ピストン2の往復運動は出力軸13の回転運動に変換されて動力を得ることができる。
かかる内燃機関では、駆動歯車14から連接棒16bまでの部分は、出力軸13に動力を伝達するものではなく、出力軸13の1回転とピストン2の1往復を同期させるとともに、クロスヘッド4からピストン2までの部分を駆動させるための動力を伝達するものであるため、従来のものよりも強度を必要とせず、軽量化することができる。また、リンク機構16と出力軸13との位置関係から、出力軸13に反作用するトルク変動を大幅に低減することができる。さらに、第一実施形態の変形例として、出力軸13の軸端(プロペラや発電機等の被駆動体側)に駆動歯車と被駆動歯車を追加して設け、被駆動歯車の回転中心に出力軸を設けることで軸心の位置を下げることができ、従来の内燃機関を採用している推進用又は発電用の設備に使用することもできる。
上述したように本発明の内燃機関では、シリンダ1内で発生させた燃料の爆発力でピストン2、ピストン棒3、クロスヘッド4及びラック11を下方に押し下げ、カム歯車12を回転させている。したがって、カム歯車12は、常に回転半径が一定の状態で出力軸13を回転させる力を受けることとなり、ピストン2を押し下げる力(ピストン2の下降とともに変化するシリンダ1内の燃焼ガス圧力)の変化分を除いたトルク変動を大幅に低減することができる。
例えば、図5に示す従来の内燃機関では、ピストン2から連接棒5に伝わる力Fはピストン2が下端(下死点)に達するまでの間に連接棒5とクランクアーム6のなす角度(α+β)が変化するため、クランク接線力FtがF・sin(α+β)となり、クランク軸7を回転させる伝達トルクはF・r・sin(α+β)となる。連接棒5に伝わる力F自体もその間変化するが、F=一定としてピストン2の上死点から下死点までの伝達トルクを積分するとおよそ2・F・rとなる。ところが、本発明の内燃機関の場合は、図1(A)に示すように、従来の内燃機関における正弦成分(sin(α+β))がないため、伝達トルクはFp・rとなる。同様にFp=一定としてピストン2が下端に達するまでの間を積分するとおよそπ・Fp・rとなり、F≒Fpとすれば、従来の内燃機関との伝達トルクの比率はπ・Fp・r/(2・F・r)≒1.5となり、トルクの伝達効率を向上させることができる。したがって、内燃機関のシリンダ数を伝達トルクの増加率に逆比例して削減することでき、内燃機関と機関室の長さを短くすることでき、内燃機関そのものの製造コストを抑えることができ、船舶等の設備全体の長さを短くすることもできる。
また、本発明の内燃機関では、クロスヘッド4の往復運動をラック11とカム歯車12によって直接的に回転運動に変換し出力しているため、出力軸13を直線的な一本ものの軸とすることができ、従来のようにクランク状に成形する必要がなく、加工が簡単で、内燃機関の可動部のバランスをとるための釣合錘やフライホイ−ルなどを設ける必要がない。さらに、出力軸13は、内燃機関の架構の中ではなく内燃機関の側面に取り付けられ、連接棒16bと連結していないので、簡単に取り外すことができ、保守・点検や修理が容易である。
また、クランク軸15aは、複数のシリンダ1を備えた内燃機関であっても、各シリンダ1のクランク軸15aどうしは連結されていないため、従来のように全シリンダ一体の大型鍛鋼品として製作する必要はなく、一つのシリンダ用のクランク軸15aを分割製作すれば良いので、製造が容易であり、容易かつ安価に調達することができる。また、1シリンダごとにクランク軸15aを取り付け又は取り外しすることができ、保守・点検や修理が容易となる。
図2は、本発明を採用した2サイクル内燃機関の第ニ実施形態を示す説明図であり、(A)は部分断面正面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。なお、図1と同じ部品に関しては同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図2に示した第二実施形態は、図1に示した第一実施形態と同期機構の構成が異なるものである。第二実施形態における同期機構は、第一実施形態と同様に、駆動歯車14、従動歯車15、中間歯車17及びリンク機構21を備えているが、従動歯車15及び中間歯車17の配置ならびにリンク機構21の構成が第一実施形態とは異なっている。
リンク機構21は、クランク軸15aの従動歯車15とは反対側に設けられた円板21a(第一実施形態のクランクアーム16aに相当する部品)と、円板21aの縁部近傍にピン結合された第一連接棒21bと、第一連接棒21bの先端に中間部分がピン結合されるとともに一端がクロスヘッド4にピン結合された第二連接棒21cと、第二連接棒21cの他端に一端がピン結合されるとともに他端が軸支された第三連接棒21dとから構成されている。本発明の内燃機関では、駆動歯車14から連接棒16bまでの部分は、出力軸13に動力を伝達するものではなく、出力軸13の1回転とピストン2の1往復を同期させるとともに、クロスヘッド4からピストン2までの部分を駆動させるための動力を伝達するものであるため、従来のものよりも強度を必要とせず、軽量化することができることに着目し、第二実施形態では、内燃機関そのものを小型化・軽量化することを目的としている。なお、図2(A)において、リンク機構21の図は、理解しやすくするために実線で透過して表示している。
第二実施形態のリンク機構21では、円板21aの回転により第一連接棒21bの後端(円板21aにピン結合された側の端部)が回転し、それにともなって第一連接棒21bが第二連接棒21cを引っ張り、第三連接棒21dを軸21eを中心に揺動させるようになっている。このリンク機構21により、カム歯車12の1回転(すなわち、従動歯車15の1回転)と第三連接棒21dの1揺動が同期され、さらにこれらの1揺動と第二連接棒21cに接続されたクロスヘッド4の1往復とが同期されるようになっている。なお、駆動歯車14、従動歯車15、中間歯車17及び円板21aの回転半径の大きさや歯数、各連接棒21b,21c,21dの長さ、第一連接棒21bと第二連接棒21cとの連結位置、第三連接棒21dの軸21eの配置位置等は、各内燃機関又はシリンダに合わせて適宜調整・設定される。なお、図2(B)において、図を見やすくするために、軸21eの図は省略してある。
図3は、本発明を採用した2サイクル内燃機関の第三実施形態を示す説明図であり、(A)は部分断面正面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。なお、図1と同じ部品に関しては同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図3に示した第三実施形態は、上述した第一実施形態及び第二実施形態と同期機構の構成が異なるものである。第三実施形態における同期機構では、リンク機構を用いていない点が上述した実施形態とは異なっている。
第三実施形態における同期機構は、カム歯車12と同軸に設けられた駆動カサ歯車31と、駆動カサ歯車31によって回転される従動カサ歯車32と、従動カサ歯車32と同軸に設けられたウォーム33と、ウォーム33に連結されたウォーム歯車34と、ウォーム歯車34に連結された立体カム35と、立体カム35の溝35aを摺動するとともにクロスヘッド4に接続された従動ピン36とから構成される。かかる構成によっても、第二実施形態と同様に、内燃機関そのものを小型化・軽量化することができる。
第三実施形態の同期機構では、出力軸13の駆動力は、駆動カサ歯車31、従動カサ歯車32、ウォーム33、ウォーム歯車34、立体カム35へと順次伝達され、立体カム35を軸心を中心に回転させることができる。立体カム35の溝35aには、従動ピン36が連結されているため、立体カム35の回転に伴って溝35a内を従動ピン36が摺動し、クロスヘッド4をシリンダ1内で摺動させることができる。このとき、駆動カサ歯車31の1回転と従動カサ歯車32・ウォーム33・ウォーム歯車34・立体カム35の1回転とが同期されるようになっており、さらに立体カム35の1回転はクロスヘッド4の1往復と同期されるようになっている。なお、駆動カサ歯車31・従動カサ歯車32・ウォーム33・ウォーム歯車34の回転半径の大きさや歯数、立体カム35の溝35aの形状等は、各内燃機関又はシリンダに合わせて適宜調整・設定される。
図4は、本発明を採用した2サイクル内燃機関の第四実施形態を示す説明図であり、(A)は部分断面正面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。なお、図1と同じ部品に関しては同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図4に示した第四実施形態は、出力軸13を図5に示す従来の内燃機関と同じ位置になるように構成したものである。このような構成を採用することにより、従来の内燃機関を採用している推進用又は発電用の設備に本発明の内燃機関を使用することができる。
第四実施形態における内燃機関では、図1に示した第一実施形態に加えて、クロスヘッド4に第二クロスヘッド41がクロスヘッド棒(連接棒)42を介して連結されており、第二クロスヘッドにラック11が接続されている。ラック11の往復運動は、第一実施形態と同様に、カム歯車12によって出力軸13に回転運動に変換されて伝達される。第四実施形態における同期機構は、第一実施形態と同様に、駆動歯車43、従動歯車44、中間歯車45及びリンク機構46を備えているが、各歯車43,44,45の配置及びリンク機構46の構成が第一実施形態とは異なっている。なお、図4(A)において、リンク機構46の図は、理解しやすくするために実線で透過して表示している。
駆動歯車43は、出力軸13の所定の位置に同軸に配置され、駆動歯車43と横並びの位置に従動歯車44が配置され、その間に中間歯車45が配置される。したがって、図5(B)では、駆動歯車43の奥側に従動歯車44が隠れていることになる。この従動歯車44にはクランク軸44aが同軸に接続されており、従動歯車44とともに回転するようになっている。また、リンク機構46は、一端がクランク軸44aに接続されたクランクアーム46aと、一端がクランクアーム46aの先端にピン結合されるとともに他端がクロスヘッド4に連結された連接棒46bとから構成され、連接棒46bはクロスヘッド棒42と干渉しないように湾曲してシリンダ1の外部に延設されるようになっている。なお、連接棒46bが駆動する範囲のシリンダ1の外壁は切り欠かれている。
第四実施形態の同期機構では、出力軸13の駆動力は、駆動歯車43、中間歯車45、従動歯車44、クランク軸44a、クランクアーム46a、連接棒46bへと順次伝達され、クロスヘッド4をシリンダ1内で摺動させることができる。このとき、駆動歯車43の1回転と従動歯車44の1回転とが同期されるようになっており、さらに従動歯車44の1回転はクロスヘッド4の1往復と同期されるようになっている。なお、駆動歯車43、中間歯車45、従動歯車44の回転半径の大きさや歯数、クランクアーム46aや連接棒46bの長さ等は、各内燃機関又はシリンダに合わせて適宜調整・設定される。
本発明は上述した実施形態に限定されず、(1)駆動歯車から従動歯車の歯車式伝達機構に替えて、伝達力の大小によりベルトやチェーン式の伝達機構を使用してもよい、(2)2サイクル内燃機関に限らず4サイクル内燃機関にも適用してもよい、(3)クロスヘッドのない内燃機関の場合には、ピストンとラックの接続部がシリンダの燃焼室と重ならないようにピストンとラックを連結アーム等で接続すればよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
本発明を採用した2サイクル内燃機関を示す説明図であり、(A)は部分断面正面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。 本発明を採用したマルチリンク式2サイクル内燃機関を示す説明図であり、(A)は部分断面正面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。 本発明を採用した立体カム式2サイクル内燃機関を示す説明図であり、(A)は部分断面正面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。 本発明を採用した2サイクル内燃機関を示す説明図であり、(A)は部分断面正面図、(B)は(A)におけるB矢視図である。 クロスヘッド型のピストン形状を備えた2サイクル内燃機関の模式図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
3 ピストン棒
4 クロスヘッド
5 連接棒
6 クランクア−ム
7 クランク軸
11 ラック
12 カム歯車
13 出力軸
14,43 駆動歯車
15,44 従動歯車
16,21,46 リンク機構
17,45 中間歯車
31 駆動カサ歯車
32 従動カサ歯車
33 ウォーム
34 ウォーム歯車
35 立体カム
36 従動ピン
41 第二クロスヘッド
42 クロスヘッド棒(連接棒)

Claims (9)

  1. シリンダ内で摺動するピストンの往復運動を回転運動に変換して出力する内燃機関であって、前記ピストンに接続されたラックと、該ラックと噛合する歯を部分的に備えたカム歯車と、該カム歯車に接続された出力軸と、前記ピストンの往復運動と前記カム歯車の回転運動とを同期させてピストンの往路時に前記ラックと前記カム歯車とを噛合させる同期機構と、を備えたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記同期機構は、前記カム歯車と同軸に設けられた駆動歯車と、該駆動歯車によって回転される従動歯車と、該従動歯車と前記ピストンを連結するリンク機構と、からなることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記駆動歯車と前記従動歯車との間には中間歯車が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記シリンダを複数備えた内燃機関であって、各シリンダの前記従動歯車には同軸にクランク軸が接続されており、各シリンダのクランク軸どうしは連結されていない、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関。
  5. 前記同期機構は、前記カム歯車と同軸に設けられた駆動カサ歯車と、該カサ歯車によって回転される従動カサ歯車と、該従動カサ歯車と同軸に設けられたウォームと、該ウォームに連結されたウォーム歯車と、該ウォーム歯車に連結された立体カムと、該立体カムの溝を摺動するとともに前記ピストンに接続された従動ピンと、からなることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  6. 前記ピストンには、ピストン棒を介してクロスヘッドが連結され、該クロスヘッドに前記ラックが接続されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の内燃機関。
  7. 前記クロスヘッドには、連接棒を介して第二のクロスヘッドが連結され、該第二のクロスヘッドに前記ラックが接続されている、ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関。
  8. 前記カム歯車の歯は、前記ピストンが上死点から下死点まで移動する間だけ前記ラックと噛合する範囲に形成されている、ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の内燃機関。
  9. 前記同期機構は、前記ピストンの1往復と前記カム歯車の1回転とを同期させる機構である、ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の内燃機関。

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