JP2008025044A - 織布及びそれを含む抄紙用プレスフェルト - Google Patents

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Abstract

【解決すべき課題】 製造上、溶剤等による問題の発生がなく、かつ製造が容易な表面平滑な織布を提供する。
【解決手段】 MD糸材およびCD糸材とからなる織布であって、該MD糸材はCD方向の両端部のみに存在し、中央部にはMD糸材を有さない、前記織布。
【選択図】 図3

Description

本発明は、織布に関し、特に抄紙用プレスフェルトのベース部材として使用される織布およびそれを含む抄紙用プレスフェルト(以下、単にフェルトということがある)に関する。
従来より抄紙工程のプレスパートにおいては、ニードルフェルトを介してプレス装置やシュープレス装置により湿紙の搾水が行われている。
フェルトは、例えば、織布によるベース部材と、該ベース部材の表裏にバット層を備えている。バット層は、ベース部材上に積層された短繊維からなるバット層をニードルパンチにて絡合一体化することにより構成されるが、抄紙用プレスフェルトの表面平滑性は、抄紙された紙質に大きく影響を与えるものである。フェルトのベース部材は、MD方向の糸材(以下、MD糸材という)と、CD方向の糸材(以下、CD糸材という)を製織することにより構成された場合、その織構造による凹凸(製織により生ずる糸のナックルによる凹凸)は、抄紙された紙の表面性に影響を与えてしまう。したがって、表面平滑性を得るため、ベース部材をCD糸材のみで構成するもの(MD糸材を除去したもの)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。かかる技術では、MD糸材を除去する方法として、CD糸材には通常の糸材を用い、MD糸材に可溶性材料を用いて織布を製織後、MD糸材を溶解によって除去するものである。しかしながら、かかる織布は、一方の糸材に可溶性材料を用いているため、製織が困難であったり、糸材の強度が不足するなどして、ベース部材としては非常に不安定で扱いにくいものであり、また溶解に用いる溶剤によっては、作業性や廃液の問題を有するものであった。
一方、かかるフェルトとしては、エンドレスの袋状のものが知られている。袋状のフェルトは、CD方向に幅を有し、MD方向に長さを有する両表面を有し、両表面は、外周面と内周面を構成する。この場合、外周面は湿紙を載置する面となり、内周面はプレスロールやシュープレスベルトと接触する面となる。ここで、図1及び図2に基づき、袋状ベース部材Bの製造方法を説明する。
図1は、袋織織機にて製造する場合の概略図である(なお、袋織織機は周知の構造であるためここでは図示しない)。この場合、CD糸材1がヘルドにより上下する整経糸として、MD糸材2がシャトルの移動により配置される打ち込み糸としてそれぞれ選択される。そして、最端部の整経糸として、端部糸Sが配置される。
周知の袋織織機においては、ヘルドにより選択された整経糸が移動し、移動した整経糸と、移動しない整経糸との間に形成された空間に、打ち込み糸を内蔵したシャトルが走行し、空間に打ち込み糸が配置される。そして、シャトルの移動後、ヘルドが駆動されることにより、打ち込み糸が整経糸間に挟持される。その後、リード(筬)にて、整経糸へ打ち込み糸を押し込む。この作業の連続により、織布が形成される。
ベース部材Bは、CD糸材1とMD糸材2とにより構成されている。MD糸材2は、端部糸を周回し折り返すことにより、上下一対の構成をなす。すなわち、この場合、並列するMD糸材2同士は層を構成し、それぞれの層における糸材表面が連続することにより、ベース部材Bの両表面が形成される。CD糸材1は、MD糸材2の両表面を連結すべく、任意の配置形態によりCD方向に配置される。
図2は、シャトルの走行順を示す概略図であるが、前述の如く、シャトルは織機の端部間を往復走行することにより、打ち込み糸を配置するものである。
まず、シャトルが方向(1)に走行するが、シャトルが走行される側における最端部の整経糸としては、端部糸Sが配置されているため、シャトルは端部糸Sを通過し、織機端部に到達する。この場合、端部糸Sの上側をシャトルが周回するように、端部糸Sはヘルドにより移動する。
次に、シャトルは端部糸Sを周回し折り返して、逆向きの方向(2)に走行する。この場合、シャトルが端部糸Sの下側を通過するように、端部糸Sは走行する。そしてシャトルは、方向(3)へ端部糸Sの上側に打ち込み糸を配置すべく走行し、さらに、方向(4)へ端部糸Sの下側に打ち込み糸を配置すべく走行する。この際、整経糸は、方向(1)及び(2)の打ち込み糸を挟持するグループと、方向(3)及び(4)の打ち込み糸を挟持するグループとして、選択的にヘルドにより移動される。
以下、フェルトにおける所望のCD方向幅を形成するまで、これら一連の動作が繰り返され、所望のCD幅形成後、織機上からベース部材を取り外すことによりベース部材Bが完成される。
すなわち、MD糸材2は、連続する打ち込み糸をスパイラル状に配置することにより、構成される。そして、方向(1)及び方向(4)の打ち込み糸と、方向(2)と方向(3)の打ち込み糸とにより、ベース部材Bにおける内周面および外周面のそれぞれの表面が形成される。
抄紙用プレスフェルトは、抄紙機の幅寸法に適合するように製作され、最近の大型抄紙機においては広幅のものが多く、従ってフェルトの幅寸法としては小さいものでも5m以上のものが多く、10mを超える非常に大きな幅寸法のものが主流になってきている。したがって、織機によって製造するベース部材の製織は、コストおよび時間のかかるものである。
また、通常の織布はCD糸材とMD糸材とが交織され交絡しているため、交絡点でCD糸材は浮き沈みしてナックル(凹凸)を形成して、組織化される。この場合には糸材の撚りの方向による影響は少ない。しかし、単にCD糸材またはMD糸材を並べただけの不織布状の構成のものは、交絡点がないため組織力がなく、従って糸材の撚りの方向による影響が著しくなる。それは、撚糸に内在する撚りのトルク(撚り戻す方向に働く回転力で、一般にビリと称される)によって、該不織布状のものは波打つようにトルクが開放される。従ってこのような波打った該不織布状のものにニードルパンチしてバット層を形成すると、波打ちのパターン(畝のようなマーク)がバット層の表面に現れ、結局は紙質の平滑性に影響することがあった。
特開昭52−137010号公報
したがって、本発明の課題は、上記の問題点を解決し、製造上、溶剤等による問題の発生がなく、かつ製織が容易で表面平滑な織布を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、織布の幅方向、即ち、CD方向の両端部のみをCD糸材およびMD糸材で構成させることで、フェルト製造上の強度および織布としての強度を保つことを可能とし、幅方向両端部以外の中央部は実際には、MD糸材を織り込むことなく製造する織布が、上記課題を解決することを見出し、さらに研究を進めた結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、MD糸材およびCD糸材とからなる織布であって、該MD糸材はCD方向の両端部のみに存在し、幅方向両端部以外の中央部はMD糸材を有さない、前記織布に関する。
また、本発明は、袋状である、前記織布に関する。
さらに、本発明は、CD糸材が、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、該第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸を含む、前記織布に関する。 また、本発明は、CD糸材が、沸騰収縮率5%以下の撚糸を含む、前記織布に関する。
さらに、本発明は、抄紙用プレスフェルトのベース部材に用いる、前記織布に関する。
また、本発明は、製織されたまたは無製織の下布がさらに積層された、前記織布に関する。
さらに、本発明は、前記織布を含むことを特徴とする、抄紙用プレスフェルトに関する。
本発明の織布において、織布の中央部は湿紙を載置する部分で、MD糸材が存在しないため抄紙用プレスフェルトのベース部材に用いる場合には、表面平滑性に優れるので、抄紙された紙質は平滑であり紙表面に凹凸斑等を与えないものである。
本発明の織布は、織布の幅方向両端部をCD糸材およびMD糸材で構成させることで、フェルト製造上および織布としての強度を保たせることが可能となる。実際には、織布の幅方向両端部のみMD糸材を織り込んで製造するため、フェルト幅が10mを超える広幅の抄紙用プレスフェルトの製造において、製織の手間を大幅に省くことができ、製造コストおよび製織時間を大幅に削減でき、生産性アップにつながるものである。
また、可溶性材料を用いるものと比較して、可溶性材料を一方の糸材に用いて製織し、それを除去するために溶解するといった工程を省くことができ、また製織の難易度や糸材の強度不足や取扱にくいといった問題もなく、溶剤等の廃液の問題を有さないものである。
また、従来のCD糸材およびMD糸材で製織したものと比較して、本発明の織布は、大部分がCD糸材のみから構成されているため、織布全体として柔らかいものとなり、抄紙機への掛け入れ作業が容易となる。
本発明の織布の製造方法の例を以下に説明する。以下は袋織機を用いて製造する袋状織布の一例であるが、織布の幅方向両端部のみにMD糸材層を有する本発明の織布を製造できるのであれば、いずれの方法を用いてもよい。
かかる方法ではCD糸材を袋織機の整経糸として準備し、MD糸材は、シャトルの移動により配置される打ち込み糸として用いる。
本発明の織布は袋製織して、ある程度の長さを有するエンドレス製織部(織布の一方の幅方向端部が形成される)を成形する。かかる部分は、MD糸材およびCD糸材で構成される。その後、織機出口側に配置した巻き取りロールで所定の長さのCD糸材のみを引き出し、MD糸材を有さない中央部を作る。そしてその後は織布の他方の幅方向端部であるエンドレス製織部を製織する。
このようにして、図3に示すように織布の幅方向両端部がMD糸材とCD糸材とで交織された部分(C1)と、幅方向両端部以外の中央部がCD糸材のみの部分(C2)からなる袋状織布が得られる。
その後、短繊維からなるバット層を該織布上に積層し、ニードルパンチにて絡合一体化して図4に示すようなフェルトを構成する。
本発明の織布は、抄紙用プレスフェルトのベース部材に用いるのが好ましく、好ましくは、少なくとも3m以上の、とくに好ましくは、5〜15mさらに好ましくは、10〜15mのベース部材に用いると、その製造を大幅に簡約化でき、生産性向上に寄与するため好ましい。
また、ベース部材の幅方向両端部のCD糸材およびMD糸材で織成された部分は、フェルト製造上およびベース部材としての強度を保つためのものであり、強度を保つのに十分な幅方向両端部の幅があればよく、好ましくは、5〜50cm、さらに好ましくは、10〜20cmである。
本発明の織布は、上述のように織布の幅方向両端部以外の中央部は、CD糸材のみからなるものであるため、CD糸材に撚りを与えられた糸材を用いる場合には、その撚りの方向の影響を受けやすい。その場合には、CD糸材は、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸から構成させるのが走行安定性を向上させるために好ましい。または、熱セットをするなどしてCD糸材を沸騰収縮率5%以下とした撚糸で構成させても良い。
撚糸の具体例を、図5及び図6を参照して説明する。
本発明に用いられる撚糸としては、図5に示す、複数本の単糸211を束ねて、撚りをかけてなる片撚糸(かたよりいと=single twist yarn, tram)を使用することができる。
また、図6に示す、2本以上の単糸を引き揃えて撚り(下撚り)を加えた糸材213を用意し、この糸材213を複数本引き揃えて下撚りと反対方向に撚り(上撚り)をかけてなる諸撚糸(もろよりいと=plied yarn, folded yarn)を使用することができる。
なお、片撚糸、諸撚糸の用語は、JISの定義による。
また、「撚りの方向」とは、一般的な撚り方向を示す。すなわち、「一の糸材における撚り方向と、他の糸材における撚り方向が異なる」とは、一の糸材における撚り方向が右回り(S方向)であり、他の糸材における撚り方向が左回り(Z方向)である状態を指す。
この際、例えば、諸撚糸のように、一本の糸材中に複数の撚り方向を有するものがある。この場合は、撚糸の製造工程における「最終的な撚り方向」を本発明の「撚り方向」とする。すなわち、諸撚糸の場合であれば「上撚」の方向を指す。
第1の撚糸および第2の撚糸を構成させる態様としては、その用いる糸材によって適宜配置させればよく、第1の撚糸と第2の撚糸をランダムに配置させてもよいが、より一層効果を得るために一定の配列、たとえば、第1の撚糸と第2の撚糸を1本ずつ交互にまたは2本ずつ交互に配置させるなどしてもよい。
また、第1の撚糸と第2の撚糸が、同数配置されるのが理想的である。
一方、第1の撚糸と第2の撚糸が、同数でない場合であっても、混在していれば、所望の目的を或る程度は達成することができる。
なお、第1の撚糸と第2の撚糸は、撚り方向が異なるのみで、構成すべき素材や、糸種類、撚り回数等は同一であるものを使用することが、品質を安定させるために好ましい。
しかし、第1の撚糸と第2の撚糸が、撚り方向以外にも、異なる構成を有していても、本発明の撚糸として採用することが可能である。更に、第1の撚糸と第2の撚糸を、熱セットをするなどして沸騰収縮率を5%以下の撚糸としたもの、すなわち第3の撚糸を採用することもできる。
本発明の織布は、MD方向の強度と寸法安定性を保つために、本発明の織布の内周面に本発明の織布とな異なる、製織されたまたは無製織の下布をさらに積層して用いるのが好ましい。かかる織布としては、MD方向の強度と寸法安定性を保つものであればいずれの形態や材料であってもよく、MD糸材とCD糸材を交織せずに重ねた形態のもの、フィルム、編物、細い帯状体を螺旋状に巻回して広幅の帯状体に構成したもの、などの無製織のものも用いることができる。
以下、本発明の織布について、実施例を用いて詳しく説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
本発明に係る実施例にあたり、第1の撚糸A、第2の撚糸B及び第3の撚糸Cを準備した。これらの撚糸は、基本的には「3/2/330」で示される諸撚糸とした。なお、この撚糸の表示形式は「上撚り時における下撚り糸材束本数/下撚り時における単糸束本数/単糸繊度=dtex」である。
なお、単糸としてナイロン6のものを採用した。
第1および第2の撚糸A、Bは、撚り方向が異なるのみで、同一の諸撚糸である。第3の撚糸Cは、第1の撚糸Aと撚り方向は同一であるが、第3の撚糸Cは熱セットされているが、第1および第2の撚糸A、Bは熱セットなしである。第1および第2の撚糸A、Bの沸騰水収縮率は8%であるが、第3の撚糸Cでは熱セットすることで沸騰水収縮率は2%に低下していることが分かる。
第1、第2及び第3の撚糸A、B、Cの詳細な構成は次の通りである。
(第1の撚糸A)
下撚り: S方向 310回/50インチ
上撚り: Z方向 200回/50インチ
撚り比(下/上): 1.55
沸騰水収縮率 8%
(第2の撚糸B)
下撚り: Z方向 310回/50インチ
上撚り: S方向 200回/50インチ
撚り比(下/上): 1.55
沸騰水収縮率 8%
(第3の撚糸C)
下撚り: S方向 310回/50インチ
上撚り: Z方向 200回/50インチ
撚り比(下/上): 1.55
沸騰水収縮率 2%
この第1の撚糸A、第2の撚糸B、及び第3の撚糸Cを使用して、抄紙用プレスフェルトのベース部材となるべき織布を形成し、実施例および比較例とした。
この際、袋織織機のシャトル糸すなわちMD糸材としては、全ての実施例、比較例に同一のモノフィラメント単糸を使用した。
なお、実施例および比較例に係る織布の寸法は、MD方向の長さが40m、CD方向の長さが11mである。
なお、本発明に係る実施例にあたり、予め下布の織布を準備した。これは織布の糸密度がMD糸材およびCD糸材が共に70本/5cmの、1/1袋織の平織で構成した。
(実施例1)
工程1:第1および第2の撚糸A、Bを交互に配置してなる整経糸を、CD糸材として使用した。
ナイロン6のモノフィラメント単糸をMD糸材としてシャトルに配置して、前記整経糸と1/1平織りで交織を始めた。そして織り始めから0.5m織り進んだ所で交織を中断し、張力を掛けながら整経糸のみを繰り出し、織機の出口側に配置した巻き取りロールに巻き取りながら、織布のCD糸材のない織付け部分を10m形成した。その後、前記交織を再開し、織り再開位置から0.5m織り進んだ所で交織を終了した。交織を始めてから交織を終了するまでの織付け部分の11mをカットして、織布1を得た。なお、交織部分の糸密度はMD糸材およびCD糸材が共に:50本/5cmであった。また、交織部分のないCD糸材のみの部分の糸密度も50本/5cmであった。
工程2:ニードルパンチ装置に予め下布の織布を掛け入れておき、この上に前記織布を重ね、湿紙を載置する側の表面(湿紙側表面)と、その反対側の機械やロールに接する側の表面(機械側表面)の両面に、17dtexの短繊維からなるバット層を湿紙側表面に400g/m、機械側表面に100g/mの坪量でニードルパンチングして植毛し、ニードルフェルトを得た。
工程3:前記ニードルフェルトを温水洗浄後、脱水し熱風で乾燥しながら湿紙側表面に熱プレスロールを当て(30kg/cmで160℃の熱プレス)、湿紙側表面の平滑な抄紙用フェルト1を得た。
(実施例2)
工程1:第3の撚糸Cからなる整経糸を、CD糸材として使用した。それ以外は、実施例1と同様にして、交織の始めから交織を終了した織付け部分の11mをカットして、織布2を得た。
同様の工程2と3によって抄紙用フェルト2を得た。
(実施例3)
工程1:第1の撚糸Aからなる整経糸を、CD糸材として使用した。それ以外は、実施例1と同様にして、交織の始めから交織を終了した織付け部分の11mをカットして、織布3を得た。
同様の工程2と3によって抄紙用フェルト3を得た。
(比較例1)
工程1:第1の撚糸Aからなる整経糸を、CD糸材として使用した。ナイロン6のモノフィラメント単糸をMD糸材としてシャトルに配置して、前記整経糸とで1/1平織りで交織を始め、織付け部分が11mまで織り進んだ所で交織を終了した。織付け部分の11mをカットして、織布4を得た。
同様の工程2と3によって抄紙用フェルト4を得た。
(機能評価)
実施例及び比較例で得られた抄紙用フェルトを使用して、これらのフェルトの紙平滑性指数及び圧縮回復性能、走行安定性の評価を実施した。
(1) 紙平滑性指数
JIS B061−1982の「表面粗さ」に準拠し、抄紙用フェルトの表面凹凸の隣接する山と谷の距離の分散により求めた数値の逆数であって、該指数が高い程、凹凸の距離のバラツキが小さく、平滑性が高いことを示している。
(2) 圧縮回復性能
図7に示す抄紙機械のプレス装置にフェルトを通し、初期の無加圧時、プレスロールによる圧縮時及び圧力開放時の各段階におけるフェルト厚みをセンサーにより計測し、圧縮率と回復率を下記式により計算し、これによりフェルトの圧縮回復性能を評価した。
圧縮率=(圧縮時のフェルトの厚み/初期の無加圧でのフェルトの厚み)×100
回復率=(圧力開放直後のフェルトの厚み/圧縮時のフェルトの厚み)×100
プレス装置は、一対のプレスロールPRと、フェルトに一定の張力を掛けて支持する複数のガイドロールGRと、プレスロールによる加圧時のフェルト厚みを計測するセンサー(図示せず)とを有している。該プレス装置の駆動条件は、プレス圧力が100kg/cm、フェルト駆動速度が1000m/分である。
そして、駆動中のフェルトは巾方向の一方に片寄って駆動することがある。この場合、ボトム側ガイドロールGRの端部の一方を固定し、他方を左右に移動させて、フェルトの位置制御することになる。この場合の片寄量の大きさを比較することで、走行安定性を評価した。
それぞれの評価結果を表1に示す。
Figure 2008025044
表1から明らかなように本発明の織布を用いた抄紙用プレスフェルトは、表面平滑性と圧縮回復性に優れることがわかる。また撚り方向の異なる撚糸を交互に配置させたもの、および熱セットを行って沸騰水収縮率の低い撚糸を配置したものは、走行安定性に優れることがわかる。
本発明によれば、織布の中央部は湿紙を載置する面でありMD糸材が存在しないので、フェルト表面平滑性に優れた織布を安価で短時間に製造することができる。また、製造上、取り扱いにくいといった問題もなく、溶剤等の廃液の問題を有さないものである。
ベース部材の製造方法を示す概略図 ベース部材の製織の際のシャトルの走行順を示す概略図 本発明の袋状の織布を示す図 本発明の織布を含むフェルトの断面図 撚糸の具体例を示す概略図 撚糸の具体例を示す概略図 抄紙機械のプレス装置を示す概略図
符号の説明
B ベース部材
S 端部糸
C1 CD糸材端部
C2 中央部
W バット層
1 CD糸材
2 MD糸材
10 抄紙用プレスフェルト
21 撚糸(片撚糸)
211 単糸
212 片撚糸
213 片撚糸
214 撚糸(諸撚糸)
PR プレスロール
GR ガイドロール

Claims (7)

  1. MD糸材およびCD糸材とからなる織布であって、該MD糸材はCD方向の両端部のみに存在し、中央部にはMD糸材を有さない、前記織布。
  2. 袋状である、請求項1に記載の織布。
  3. CD糸材が、一方の方向に撚りが与えられた第1の撚糸と、該第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の撚糸を含む、請求項1または2に記載の織布。
  4. CD糸材が、沸騰収縮率5%以下の撚糸を含む、請求項1または2に記載の織布。
  5. 抄紙用プレスフェルトのベース部材に用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の織布。
  6. 製織されたまたは無製織の下布がさらに積層された、請求項1〜5のいずれかに記載の織布。
  7. 請求項1〜6に記載の織布を含むことを特徴とする、抄紙用プレスフェルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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