JP2009068155A - 抄紙用フェルト - Google Patents

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Abstract

【課題】抄紙機械での搾水性(水透過性)や偏平化に対する耐久性が良く、圧縮回復性と走行安定性、表面平滑性、およびステープルファイバーの耐脱毛性に優れた抄紙用フェルトを提供する。
【解決手段】MD方向糸材23とCMD方向糸材30とを具えた基体210と、前記基体210に絡合一体化された短繊維バット層4からなる抄紙用フェルト10において、前記MD方向糸材23と前記CMD方向糸材30の少なくとも一方が、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に複数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸からなる、抄紙用フェルト10。
【選択図】図8

Description

本発明は抄紙用フェルト(以下、単に「フェルト」と記す場合がある。)に関し、特に、圧縮回復性と走行安定性、表面平滑性、および耐脱毛性に優れた抄紙用フェルトに関する。
従来から、抄紙工程又はスレート製造工程のプレスパートにおいては、抄紙用フェルトを用いて搾水作業が行われている。なお、以下、便宜上、抄紙工程を中心に本発明の抄紙用フェルトの説明を行う。
図1により、一般的なフェルトの構成を説明する。抄紙用フェルト(1)は無端状に形成されており、基体(200)と、基体(200)にニードルパンチングで絡合一体化された短繊維バット層(4)とにより構成される。
基体(200)は、フェルト(1)の機械的強度を発現させるためのもので、図1においては、MD方向糸材(2)と、CMD方向糸材(3)とを織成することにより得られた織布が使用されている。
フェルト(1)は、前述した通り、抄紙機のプレスパートで使用される。この際、プレスパート内に、複数のガイドロールに張力を掛けられ配置される。そしてフェルト(1)は、一対のプレスロール又はプレスロールとシューとにより構成されるプレス部で、湿紙とともに加圧されることにより、湿紙からの水分を搾水する。なお、フェルト(1)は、プレスロールの回転に追随して走行する。
ここで、従来から、基体(200)のMD方向糸材(2)としては、マルチフィラメントやモノフィラメント単糸またはその撚糸、紡績糸などが使用されてきたが、圧縮回復性の向上や水透過性等の目的のために、撚糸が採用される場合があった(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開昭55−128097号公報 特開平8−260378号公報
特許文献1の製紙用ニードルフェルトクロースでは、モノフィラメントを少なくとも2本撚り合わせた撚糸を少なくとも3本撚り合わせてなるコードを使用し、このコードを経方向糸としているが、該コードを使用したフェルトの圧縮回復性や表面平滑性について検討されていない。また、2本撚合わせた撚糸を3本撚り合わせてなるコードを使用した場合、このコードの断面形状は略三角形で嵩高いことから、該コードを使用したフェルトクロースの圧縮回復性や表面平滑性は良くないものであった。
この問題点を図2に基づき説明する。図2は、上記2本撚り合わせた撚糸を3本撚り合わせてなるコードの拡大図である。コード(25)はモノフィラメント(20)を2本撚り合わせた撚糸(21)を3本撚り合わせて上撚りしてなる諸撚糸(25)であるため、下撚りと上撚りとのバランスがその糸形状(断面形状)に影響する。従って図2から明らかなように、コード(25)のような下撚り本数2本では、糸間の締りが弱いため、これを3本束ねて上撚りしてなる諸撚糸(25)においては、糸の断面形状が崩壊しやすい略三角形になり、糸質として糸密度が低くバラケ易い虞があった。
このような理由で、下撚り本数2本の糸材を使用した基体においては、抄紙用フェルトとして圧縮回復性と走行安定性が悪くなる。すなわち糸密度が低くバラケ易い糸材からなる基体を使用した抄紙用フェルトでは、抄紙機のプレス部での加圧により糸材が扁平化し易く強度も落ちてくる結果、フェルトの水透過性や走行安定性が維持できなくなる。また下撚り本数2本の糸材は基体として表面平滑性が悪く、しかも短繊維バットとの固着が悪いためバット繊維(ステープルファイバー)の脱毛が多く、抄紙装置の安定した操業が困難となっていた。
本発明は、上述した欠点に鑑み、圧縮回復性と走行安定性、表面平滑性、およびステープルファイバーの耐脱毛性に優れた抄紙用フェルトを提供することをその目的とする。
本発明は、MD方向糸材とCMD方向糸材とを具えた基体と、前記基体に絡合一体化された短繊維バット層からなる抄紙用フェルトにおいて、
前記MD方向糸材と前記CMD方向糸材の少なくとも一方が、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に複数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸からなることを特徴とする抄紙用フェルトによって、前記の課題を解決した。
また、本発明の諸撚糸は好適には、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に3以上の奇数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸であることを特徴とする。
更に、本発明の諸撚糸は最も好ましくは、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に3本撚り合わせて上撚りした諸撚糸であることを特徴とする。
本発明では別の形態として、前記MD方向糸材が前記諸撚糸で構成されたものにおいて、一方の方向に撚りが与えられた第1の諸撚糸と、前記第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸が交互に、またはランダムに配置されていることを特徴とする抄紙用フェルトであってもよい。
本発明の諸撚糸をMD方向糸材とCMD方向糸材の少なくとも一方の諸撚糸として基体を構成することで、圧縮回復性と走行安定性、表面平滑性を改善し、および短繊維バット層からのステープルファイバーの脱毛を抑制することができる。
本発明の実施の形態を、図3から図7を参照して説明する。図3は本発明の諸撚糸の最も基本的かつ好適な形態の拡大図である。本発明の諸撚糸(26)は、モノフィラメント(20)を3本撚り合わせて下撚り糸(22)とし、更に下撚り糸(22)を3本撚り合わせて上撚りした諸撚糸(26)であるため、糸材として断面形状が図3のように三つ葉形になる。この構造は下撚り糸(22)相互の結合が蜜で強いため、糸材の密度が高く維持できるから、プレスに対する圧縮回復性が高く、抄紙機のプレス部での加圧によっても糸材が扁平化し難く強度が維持できる。
また、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に奇数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸の他の断面形状として、上撚り本数が5本のときは台形(図4)、7本のときは花びら型(図5)となって、それぞれプレスに対する圧縮回復性を高くすることができる。
次に、本発明のもうひとつの諸撚糸(26)の形態として、図6と図7ではモノフィラメント3本を下撚りした糸を更に偶数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸を示すものである。いずれも諸撚糸の断面形状として平板状になっており、上述した奇数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸に比べて糸材の密度はやや小さくなるものの、ある程度プレスに対する圧縮回復性が維持できる。
このように、密度の高い断面形状の糸材を使用した基体においては、抄紙用フェルトとして圧縮回復性と表面平滑性、走行安定性が良くなるため、フェルトの水透過性や走行安定性が維持できる。しかも短繊維バットとの固着が良いためバット繊維(ステープルファイバー)の脱毛が少なくなり、抄紙装置の安定した操業が可能となる。
すなわち、本発明の諸撚糸はその断面形状が緻密な糸材になるから、上述した性能を発揮することができる。
次に、本発明の諸撚糸を使用した織布からなる抄紙用フェルトの一例を図8で説明する。抄紙用フェルト(10)は、MD方向糸材(23)とCMD方向糸材(30)とを具えた基体(210)と、基体(210)に絡合一体化された短繊維バット層(4)からなる。図8では、MD方向糸材(23)は、モノフィラメント3本で下撚り糸(22)が形成され、更に前記下撚り糸(22)の複数本を撚り合わせて上撚りした諸撚糸(23)であり、CMD方向糸材(30)はモノフィラメント単糸で構成された基体(210)である。
なお、図8において、本発明の諸撚糸をCMD方向糸材に使用しても良い。或いは、本発明の諸撚糸をMD方向糸材とCMD方向糸材の両方に使用しても、本発明の目的を達成することができる。
ここで、基体(210)は、プレスフェルトの機械的強度を発現させるためのものであり、MD方向糸材(23)とCMD方向糸材(30)を有すれば、様々な構成を採用することができる。
例えば、MD方向糸材(23)と、CMD方向糸材(30)とを無端状に織成することにより得られる織布や、MD方向糸材(23)とCMD方向糸材(30)とにより、完成されるべきフェルトよりも狭い幅を有する織布とし、この織布を一対のロール上にスパイラルに巻回し、隣り合う織布縁部同士を接合することにより得られる基体であってもよく、または完成すべきフェルトの幅とほぼ同じ幅を有するMD方向糸材とCMD方向糸材からなる有端状の織布を、同軸上に巻回することにより得られる基体であってもよい。もちろん、織布による基体のみならず、例えば、特開平11−124787号に開示された、MD方向糸材を接着剤で固定して得られる基体であってもよい。さらに、MD方向糸材や、CMD方向糸材を織成せずに、単に重ねた構成による基体であってもよい。
また、本発明で使用するモノフィラメント(20)としては、繊度が100dtexから500dtexの範囲のものが良好に使用できる。これらのモノフィラメントの材質は、通常使用される糸材、例えばポリアミドやポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルケトンなどが使用できる。
次に本発明の諸撚糸の具体例を、図9及び図10を参照して説明する。
まず、本発明の諸撚糸を作製するには、図9に示す3本のモノフィラメント(211)を束ねて、撚りをかけてなる片撚糸(かたよりいと=single twist yarn, tram)212をまず最初に作製する。
次に図10に示すように、前記片撚糸(212)を下撚り糸として、これを3本引き揃えて下撚りと反対方向に撚り(上撚り)をかけてなる諸撚糸(もろよりいと=plied yarn, folded yarn)213を作製する。なお、片撚糸、諸撚糸の用語は、JISの定義による。
また、本発明の「撚りの方向」とは、一般的な撚り方向を示す。すなわち、「一の糸材における撚り方向と、他の糸材における撚り方向が異なる」とは、一の糸材における撚り方向が右回り(S方向)であり、他の糸材における撚り方向が左回り(Z方向)である状態を指す。
そして、本発明の別の形態において、基体(210)を構成するMD方向糸材(26)が、一方の方向に撚りが与えられた第1の諸撚糸(26A)と、第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸(26B)からなるものを使用することができる。この場合、基体(210)において、第1の諸撚糸(26A)と第2の諸撚糸(26B)が、同数配置されるのが理想的である。
一方、第1の諸撚糸(26A)と第2の諸撚糸(26B)が、同数でない場合であっても、混在していれば、所望の目的を或る程度は達成することができる。
更に、基体(210)の幅方向に亘り、第1の諸撚糸(26A)と、第2の諸撚糸(26B)が1本ずつ交互に配置される構成や、2本ずつ交互に配置される構成が望ましい。一方、第1の諸撚糸(26A)と、第2の諸撚糸(26B)がランダムに配置されていてもよい。
なお、MD方向糸材(26)において、第1の諸撚糸(26A)と第2の諸撚糸(26B)が一定の配列規則に基づき配置されている場合は、より一層の効果を得ることができる。この場合、諸撚糸の撚り方向による推進力(撚り戻しの回転力)を、隣り合う糸材で互いに打ち消すことができるため、走行安定性の良い基体を有する抄紙用フェルトができる。
本発明の実施例にあたり、本発明の諸撚糸を用意した。ここで、本発明の諸撚糸は、「上撚り時における下撚り糸材束本数/下撚り時における単糸束本数/単糸繊度=dtex」で示される諸撚糸とした。
なお、単糸としても同種のものを採用した。すなわち、実施例4の第1の諸撚糸(26A)と第2の諸撚糸(26B)は、撚り方向が異なるのみで、同一の諸撚糸である。
以下の実施例1から実施例4は、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に奇数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸である。
「実施例1」
実施例1の諸撚糸の詳細な構成は次の通りである。
本発明の諸撚糸として、「3/3/330」を作製した。
下撚り: S方向 210回/50インチ
上撚り: Z方向 150回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;三つ葉形
「実施例2」
実施例2の諸撚糸の詳細な構成は次の通りである。
本発明の諸撚糸として、「5/3/220」を作製した。
下撚り: S方向 150回/50インチ
上撚り: Z方向 100回/50インチ
撚り比(下/上): 1.5
断面形状;台形
「実施例3」
実施例3の諸撚糸の詳細な構成は次の通りである。
本発明の諸撚糸として、「7/3/110」を作製した。
下撚り: S方向 100回/50インチ
上撚り: Z方向 70回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;花びら型
「実施例4」
実施例4の諸撚糸の詳細な構成は次の通りである。
本発明の諸撚糸として、「3/3/330」を作製した。
(第1の諸撚糸26A)
下撚り: S方向 210回/50インチ
上撚り: Z方向 150回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;三つ葉形
(第2の諸撚糸26B)
下撚り: Z方向 210回/50インチ
上撚り: S方向 150回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;三つ葉形
以下の実施例5から実施例6は、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に偶数本を撚り合わせて上撚りした諸撚糸である。
「実施例5」
実施例5の諸撚糸の詳細な構成は次の通りである。
本発明の諸撚糸として、「4/3/220」を作製した。
下撚り: S方向 170回/50インチ
上撚り: Z方向 120回/50インチ
撚り比(下/上): 1.4
断面形状;平板形
「実施例6」
実施例6の諸撚糸の詳細な構成は次の通りである。
本発明の諸撚糸として、「6/3/110」を作製した。
下撚り: S方向 120回/50インチ
上撚り: Z方向 80回/50インチ
撚り比(下/上): 1.5
断面形状;平板形
「比較例1」
比較例1の諸撚糸の詳細な構成は次の通りである。
比較例の諸撚糸として、「3/2/330」を作製した。
下撚り: S方向 300回/50インチ
上撚り: Z方向 200回/50インチ
撚り比(下/上): 1.5
断面形状;三角形
上記実施例及び比較例の諸撚糸を基体のMD方向糸材となるべき織布を織成し、実施例及び比較例とした。この際、CMD方向糸材としては、同一のモノフィラメント1000dtex単糸を使用した。
また、実施例及び比較例の織布は組織として1/1の一重織とし、その寸法はCMD方向の長さが1m、MD方向の長さが10mとした。
なお、実施例4の織布は、第1の諸撚糸(26A)と第2の諸撚糸(26B)を1本ずつ交互にMD方向糸材として配置させた構成とし、それ以外は実施例1と同じに織成した。
次に実施例及び比較例で織成した織布をフェルトの基体とし、該基体の表裏に短繊維バット(17dtexのステープルファイバー)を積層し、ニードルパンチして基体へ絡合一体化させ、フェルトを完成した。なお、短繊維バット層は湿紙側面には坪量300g/m、機械側面には坪量100g/mで積層した。
上記の実施例及び比較例で作成した抄紙用フェルトの圧縮回復性(耐偏平化性)と表面平滑性及び耐脱毛性を下記の方法で評価した。
(1) 圧縮回復性(耐偏平化性)
抄紙用フェルトのテストサンプルに対して、繰返し疲労試験機(島津製作所製サーボパルサー圧縮試験機)で1500KN/cm、10Hzのパルス荷重を20万回繰返し、テスト前のフェルト密度に対するテスト後のフェルト密度の比で評価した。数値が低い程、耐偏平化性が良いことを示している。
(2) 表面平滑性
抄紙用フェルトのテストサンプル上(湿紙表面側)にプレスケール感圧紙を乗せ、100KN/cmの圧力でプレスして、フェルト表面の凹凸を感圧紙に転写し目視で表面平滑性を評価した。ここでは織布表面に現れるCMD方向糸材のナックル部分の凹凸が確認できる。すなわち、MD方向糸材の断面方向への圧縮において、潰れや凹み量が大きいほど、ナックル部分の凹凸面積が感圧紙にポイントとなって転写する。
(3) 耐脱毛性
JIS 1023−1992に基づくテーバー研磨試験機により、抄紙用フェルトのテストサンプルから脱落した繊維量を測ることで、フェルトの耐脱毛性を評価した。この試験機では、回転するターンテーブル上に円盤状のサンプルを置載し、さらにサンプル上に摩擦抵抗の大きい回転ロールを当接させて、フェルトの短繊維ウエッブの繊維脱落量を測るもので、1kgのホイールで5000回 回転させた後の、脱落繊維量(mg)を測定した。
実施例および比較例の抄紙用フェルトの評価を表1に示す。



Figure 2009068155
表1から明らかなように、本発明の実施例のフェルトは比較例のフェルトに比べて、耐偏平化性と表面平滑性および耐脱毛性に関しては優れた評価結果を示している。
次に、本発明の別の形態として、基体を構成するMD方向糸材が、一方の方向に撚りが与えられた第1の諸撚糸(26A)と、第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸(26B)とを、1本ずつ交互にMD方向糸材として配置させた織布からなる実施例4と、第1の諸撚糸(26A)のみの織布からなる実施例1のフェルトの走行性について、図11に示す実験装置を用いて試験した。
本実験装置は、一対のロールR1、R2とで構成されている。そして、ロールR2は、一方の端部を軸として、移動可能に構成されている。
この装置に抄紙用フェルトを掛け渡し、100m/分で走行させた。そして、フェルトの走行に片寄りが発生した場合、ロールR2を移動して調整した。この際、ロールR2の基準位置と、移動位置との距離L(ロールの移動距離)を計測し、フェルトの走行安定性を評価した。
この結果を表2に示す。表2から明らかな通り、本発明に係るフェルトにおいては、優れた走行安定性を発揮することが確認された。特に、基体を構成するMD方向糸材が、一方の方向に撚りが与えられた第1の諸撚糸(26A)と、第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸(26B)とを、1本ずつ交互にMD方向糸材として配置させた織布からなる実施例4のフェルトは、より優れた走行性を発揮した。
Figure 2009068155
本発明によれば、圧縮回復性と走行安定性、表面平滑性、およびステープルファイバーの耐脱毛性に優れた抄紙用フェルトが得られる。従って製紙工程におけるロール又はシュープレス等の加圧による耐偏平化機能を維持し高い搾水性が長期間持続される。また表面平滑性と耐脱毛性が優れており、近年の抄紙機械の高速化や、プレス部の高圧化にも対応する高性能のフェルトが提供される。
従来の抄紙用フェルトの断面図。 従来のモノフィラメントからなるコードの断面図。 本発明の諸撚糸の断面図。 本発明の別の諸撚糸の断面図。 本発明の別の諸撚糸の断面図。 本発明の別の諸撚糸の断面図。 本発明の別の諸撚糸の断面図。 本発明の実施形態を示す抄紙用フェルトの断面図。 本発明の片撚糸の具体例。 本発明の諸撚糸の具体例。 本発明で使用する実験装置の概略図。
符号の説明
1,10:プレスフェルト
200,210:基体
2,23:MD方向糸材
21A:第1の諸撚糸
21B:第2の諸撚糸
3,30:CMD方向糸材
4:短繊維バット層
21,22:下撚り糸
26,213:諸撚糸
211:モノフィラメント
212:片撚糸

Claims (4)

  1. MD方向糸材とCMD方向糸材とを具えた基体と、前記基体に絡合一体化された短繊維バット層からなる抄紙用フェルトにおいて、
    前記MD方向糸材と前記CMD方向糸材の少なくとも一方が、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に複数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸からなることを特徴とする、抄紙用フェルト。
  2. MD方向糸材とCMD方向糸材とを具えた基体と、前記基体に絡合一体化された短繊維バット層からなる抄紙用フェルトにおいて、
    前記MD方向糸材と前記CMD方向糸材の少なくとも一方が、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に3以上の奇数本撚り合わせて上撚りした諸撚糸からなることを特徴とする、請求項1に記載の抄紙用フェルト。
  3. 前記諸撚糸が、モノフィラメント3本を下撚りした糸を更に3本撚り合わせて上撚りした諸撚糸である、請求項1から2に記載の抄紙用フェルト。
  4. 前記MD方向糸材が前記諸撚糸で構成されたものにおいて、一方の方向に撚りが与えられた第1の諸撚糸と、前記第1の撚糸とは逆方向の撚りが与えられた第2の諸撚糸が交互に、またはランダムに配置されていることを特徴とする、請求項1から3に記載の抄紙用フェルト。
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