JP2008019478A - 透明導電膜形成方法及び透明導電膜付フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂フィルム基板上に形成されるITO等の透明導電膜の形成方法に関し、抵抗値が低く、且つ表面の平滑性が優れた、生産性が高い透明導電膜付フィルムの形成方法、及び該形成方法で生産された透明導電膜付フィルムを提供する。
【解決手段】圧力勾配型プラズマガンを用いるイオンプレーティング法を用い、連続して搬送される樹脂フィルム基板上に、成膜領域内で前記樹脂フィルム基板の裏面側に接触し樹脂フィルム基板を支持、搬送する支持ロールの温度を130℃〜180℃の間で任意の一定温度に制御し、透明導電膜を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】圧力勾配型プラズマガンを用いるイオンプレーティング法を用い、連続して搬送される樹脂フィルム基板上に、成膜領域内で前記樹脂フィルム基板の裏面側に接触し樹脂フィルム基板を支持、搬送する支持ロールの温度を130℃〜180℃の間で任意の一定温度に制御し、透明導電膜を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂フィルム基板上にITO(インジウムチンオキシド)等の透明導電膜を形成する透明導電膜形成方法、及び該透明導電膜形成方法により形成された透明導電膜を有する透明導電膜付樹脂フィルムに関する。
透明導電膜は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、無機及び有機ELディスプレイ等の表示装置等の電極材料や、無機及び有機EL素子による発光装置等の光学素子の電極材料や、タッチパネル材料、太陽電池用材料等で利用されている。前記表示装置や光学素子はガラス基板が主に利用されているが、近年、フレキシブル化や薄型化のためにフィルム基板に置き換える検討が行われている。
透明導電膜を基板上に形成(成膜)する方法として、現在、真空成膜法が主流で真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD、熱CVD等が知られている。また、前記透明導電膜は、様々な種類、例えばAu、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Al、Cr等の金属薄膜やIn2O3、CdO、CdIn2O4、Cd2SnO2、TiO2、SnO2、ZnO等の酸化物半導体薄膜が知られているが、SnドープIn2O3のITO(インジウムチンオキシド)が一般に用いられている。
ITO膜の形成は、スパッタリングが生産方式の主流になっている。一般的にスパッタリングは、基板との距離が近くAr反跳粒子等が基板にもダメージを与え、基板温度の上昇やITO膜表面の粗さの劣化を伴う懸念があり、特に樹脂フィルム基板上への成膜には問題を有する。
これに対し、イオンプレーティングによりITO膜を形成する方法が用いられてきている。前記イオンプレーティングのなかでも圧力勾配型プラズマガンを用いたイオンプレーティングは、圧力勾配型プラズマガンによる蒸発材料の蒸発とイオン化を同時に行い成膜を行う方法で、基板と蒸発源の距離が比較的離れていることや、蒸発しイオン化した粒子が基板に付着するため基板に与えるダメージも少なく、そのため基板の温度上昇も小さく、平滑性も高い膜の形成が可能であると言われている。
前記透明導電膜を表示素子、例えば有機EL素子等に用いる場合に要求される特性には、抵抗値が小さいこと、膜表面が平坦であること、可視光透過率が高いこと等があげられる。
前記ITO膜は、低温成膜を行うとアモルファス状になり、表面粗さは向上するが抵抗値は高くなる。逆に成膜温度を上げると結晶化が起こり、表面粗さは劣化するが抵抗値は低くなる特性を有する。一般的にITOの成膜はガラス基板を用いて行われるが、この場合、基板温度の制約が小さいため、成膜温度を上げてITOを結晶化することにより、抵抗値の低い成膜を行うことが可能となる。しかしながら、結晶成長することで表面粗さが劣化する。特に有機EL素子では発光素子の厚みが200nm程度と薄く、ITOの透明導電膜の表面粗さが粗いと、その突起がリークやショートの原因となることが知られている。このため透明導電膜には、平滑性が求められている。
また、有機EL素子は電流駆動のため、例えば、面発光の照明として用いるような場合、特に給電点近くと離れた位置では透明導電膜の抵抗値の影響で輝度の斑が生ずると言った不具合が発生する。そのため前記抵抗値は小さいことが求められる。
前述のようにITO膜は、透明導電膜として主にガラス基板上に形成されている。これに対し、ガラス基板に代えて樹脂フィルム基板上に抵抗値の低いITO膜を高い成膜レートで成膜できれば、基板の軽量化、耐衝撃性の向上等の点で有意義であるが、樹脂フィルム基板の耐熱温度以下で高性能のITO膜を成膜することはこれまで困難であった。
これは、成膜の際に、その成膜エネルギーにより樹脂フィルム基板の温度上昇があるため、経時的に温度が上昇し、樹脂フィルム基板の変形を生ずるという弊害を有するためである。前記樹脂フィルム基板の温度上昇を抑えるためには、樹脂フィルム基板の移動速度を高くする必要があるが、このため成膜されるITO膜の膜厚は薄くなり、所望の膜厚を得ることが困難になる。また、ITO膜の膜厚を大きくするには、非常に速くITOを蒸発させる必要があるが、安定的な成膜が困難である。
前述の樹脂フィルム基板の温度上昇に対して、被成膜基板であるプラスチック基板(樹脂フィルム基板)の搬送域に、冷却板を前記プラスチック基板から1mm以上離れるように設置して前記プラスチック基板を冷却することでその温度を150℃以下とし、前記プラスチック基板にITO膜を高い成膜レートで成膜できるようにした成膜装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−60929号公報
前述の樹脂フィルム基板の温度上昇に対して、引用文献1では、樹脂フィルム基板を常に150℃以下に維持できる冷却手段を備えたことにより樹脂フィルム基板の移動速度を低くでき、合わせて蒸着作用を高めることが可能になる。
しかしながら、引用文献1では蒸着物質の堆積による温度上昇に対し、基板と冷却板との距離があるため、冷却の伝熱性や応答性に懸念があることや、冷却温度が単一なため、基板を所望の温度に保ちたい場合の制御性がとれないといった問題がある。このため、単にある特定温度以下に保ちたいといった使い方としては有効であるが、ある一定温度に維持したいといった場合に懸念がある。また、前記冷却手段は、フィルムの変形防止として150℃以下に抑える単なる冷却手段であるため、透明導電膜の適切な結晶性を得るための温度コントロールが難しく、低抵抗の透明導電膜ができないといった欠点を有している。
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、樹脂フィルム基板上に形成されるITO等の透明導電膜の形成方法に関し、抵抗値が低く、且つ表面の平滑性が優れた、生産性が高い透明導電膜付フィルムの形成方法、及び該形成方法で生産された透明導電膜付フィルムを提供することを目的とする。
上記目的は、下記の方法及び構成により達成される。
1.連続して搬送される樹脂フィルム基板上に、圧力勾配型プラズマガンを用いるイオンプレーティング法で透明導電膜を形成する透明導電膜形成方法において、
所定の成膜領域内で樹脂フィルム基板の裏面側に接触し、前記樹脂フィルム基板を支持、搬送する支持ロールを有する樹脂フィルム基板搬送工程を備え、
前記支持ロールの温度を130℃〜180℃の間で任意の一定温度に制御することにより前記樹脂フィルム基板の温度を制御し、透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜形成方法。
2.前記支持ロールを複数有し、各支持ロールの温度を各々任意の温度に制御して透明導電膜を形成することを特徴とする1に記載の透明導電膜形成方法。
3.前記支持ロールの各温度は、成膜開始点から成膜終了点にかけて低下する、温度勾配を有することを特徴とする2に記載の透明導電膜形成方法。
4.前記支持ロールを複数有し、前記成膜領域内で前記樹脂フィルム基板の搬送方向に間欠的に成膜を行うことを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
5.前記支持ロールは、支持ロール内に液体を流入する流入口と流出する流出口を有し、液体を前記支持ロール内に循環させロールの温度制御を行うことを特徴とする1乃至4の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
6.前記透明導電膜はITO膜であることを特徴とする1乃至5の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
7.1乃至6の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法を用いて、
ガラス転移点温度(Tg)が100℃以上で、且つ表面の粗さは、JIS B 0601規格の中心線平均粗さRaが0.8nm以下である樹脂フィルム基板の表面上か、またはガラス転移点温度(Tg)が100℃以上の樹脂フィルム基板上に形成された、表面粗さがJIS B 0601規格の中心線平均粗さRaが0.8nm以下の機能層上に、透明導電膜が形成されることを特徴とする透明導電膜付フィルム。
8.前記樹脂フィルム基板は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネートの何れかであることを特徴とする7に記載の透明導電膜付フィルム。
1.連続して搬送される樹脂フィルム基板上に、圧力勾配型プラズマガンを用いるイオンプレーティング法で透明導電膜を形成する透明導電膜形成方法において、
所定の成膜領域内で樹脂フィルム基板の裏面側に接触し、前記樹脂フィルム基板を支持、搬送する支持ロールを有する樹脂フィルム基板搬送工程を備え、
前記支持ロールの温度を130℃〜180℃の間で任意の一定温度に制御することにより前記樹脂フィルム基板の温度を制御し、透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜形成方法。
2.前記支持ロールを複数有し、各支持ロールの温度を各々任意の温度に制御して透明導電膜を形成することを特徴とする1に記載の透明導電膜形成方法。
3.前記支持ロールの各温度は、成膜開始点から成膜終了点にかけて低下する、温度勾配を有することを特徴とする2に記載の透明導電膜形成方法。
4.前記支持ロールを複数有し、前記成膜領域内で前記樹脂フィルム基板の搬送方向に間欠的に成膜を行うことを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
5.前記支持ロールは、支持ロール内に液体を流入する流入口と流出する流出口を有し、液体を前記支持ロール内に循環させロールの温度制御を行うことを特徴とする1乃至4の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
6.前記透明導電膜はITO膜であることを特徴とする1乃至5の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
7.1乃至6の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法を用いて、
ガラス転移点温度(Tg)が100℃以上で、且つ表面の粗さは、JIS B 0601規格の中心線平均粗さRaが0.8nm以下である樹脂フィルム基板の表面上か、またはガラス転移点温度(Tg)が100℃以上の樹脂フィルム基板上に形成された、表面粗さがJIS B 0601規格の中心線平均粗さRaが0.8nm以下の機能層上に、透明導電膜が形成されることを特徴とする透明導電膜付フィルム。
8.前記樹脂フィルム基板は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネートの何れかであることを特徴とする7に記載の透明導電膜付フィルム。
上記方法によれば、樹脂フィルム基板温度制御手段である、樹脂フィルム基板を搬送、支持する支持ロールを前記樹脂フィルム基板に接触させることにより、樹脂フィルム基板温度制御の応答性を高くすることができ、また、蒸着物質の堆積速度や搬送速度によって、一定温度を保つように、支持ロールの温度を制御する事が可能である為、適切な支持ロールの温度設定をする事により、樹脂フィルムの変形が起こらない所望の温度を維持した形での成膜を行うことができる。これにより、透明導電膜の結晶性や表面粗さをコントロールする事が可能である。また、最適な基板温度を維持しながら成膜できることにより、樹脂フィルム基板を用いても、変形がなく、低抵抗で表面粗さも改善された透明導電膜の形成が可能となる。
更に、裏面接触により放熱性も良くなる為、蒸着エネルギーを高めても温度上昇が小さく成膜できることが可能になる為、早いレートでの成膜ができるので、量産性も高い生産が可能となる。
上記方法によれば、前記支持ロールを複数有し、前記支持ロールは各々任意の温度に制御可能な構成とすることで、成膜途中でのITOの結晶性を変えることが可能となり、抵抗値、表面粗さを変化させることが可能となる。
上記方法によれば、複数の前記支持ロールの各温度を成膜開始から終了地点にかけ低下して行く温度勾配として成膜する事で、成膜初期設定温度から、成膜エネルギーにより経時で上昇する樹脂フィルム基板表面の温度上昇を抑える事が可能となる。
上記方法によれば、複数の前記支持ロールの間に成膜を行わない部分を設けることにより、放熱区間を設ける事で基板温度の上昇を抑えることができる。更に、成膜を行わない部分をロールで支持し該ロールを冷却する事で、更に経時での温度上昇が抑えられ一定温度での成膜が可能となる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る透明導電膜形成方法を行う透明導電膜形成装置の一例を示す模式図である。透明導電膜は、前述のように様々な種類、例えばITO,SnO2、ZnO等が知られているが、低抵抗で透明度も高いSnドープIn2O3のITOがより好ましい。本実施の形態では透明導電膜としてITO膜が用いられる。
透明導電膜形成装置Aは、真空槽2とその側壁に取り付けられた圧力勾配型プラズマガン5、真空槽2の下部に配設されたるつぼ4、るつぼ4へペレット状の蒸発材料4Aを供給する蒸発材料供給手段(不図示)、るつぼ4の上部に配設された樹脂フィルム基板搬送部(樹脂フィルム基板搬送工程)3A及び支持ロールA11とるつぼ4の間に配設されたシャッター6を有する。
樹脂フィルム基板搬送部3Aは真空槽内に配設され、送り出しロール10A、ガイドロールA21、及び巻き取りロール10Bで構成される。ロール状に巻かれた樹脂フィルム基板10は、送り出しロール10Aに装着され送り出し手段(不図示)により送り出される。樹脂フィルム基板10は、ガイドロールA21を経由して支持ロールA11で接触して支持、搬送されながら成膜される。
前記成膜に際し、成膜領域はシャッター6の開口度合により、所定の成膜領域の間、即ち樹脂フィルム基板10の搬送方向で、樹脂フィルム基板10と支持ロールA11とが最初に接触する接触点から樹脂フィルム基板10と支持ロールA11とが最後に離脱する離脱点の間で調節される。成膜領域の調節は、シャッター6を用いず、別途、樹脂フィルム基板搬送部3A及び支持ロールA11とるつぼ4の間に調節部材(不図示)を設けても良い。
その後、ガイドロールA21を経由して巻き取り手段(不図示)により巻き取りロール10Bに巻き取られる。
本実施の形態は、最小限の搬送機構の構成を示すものであり、適宜、テンションローラ、エキスパンダーロール等の補助機構を付与することが可能である。
支持ロールA11は、温度制御が可能に構成されている。前記温度制御には、電気ヒーターによる加熱、誘導加熱、液体加熱等一般的に知られている方法を用いることができるが、加熱及び放熱性に優れた液体を循環方式にする温度制御が好ましい。本実施の形態では液体循環式による温度制御を用いている。
前述のように、低温での成膜、即ち支持ロールA11の温度が低い状態での成膜の場合はアモルファス状になり、表面粗さは向上するが抵抗値は高くなる。一方、成膜温度高い、即ち支持ロールA11の温度が高い状態での成膜の場合は抵抗値は低くなるがITO膜の結晶化が進むため、表面粗さは劣化する。そのため、前記抵抗値と前記表面粗さを両立させるため、支持ロールA11の温度は130℃〜180℃の間の何れかに設定される。
上記のように支持ロールA11の温度を130℃〜180℃の間の何れかに設定して成膜する際に、樹脂フィルム基板10のガラス転移点温度(Tg)が100℃未満の場合には前記温度の下限温度、130℃でも樹脂フィルム基板10の変形の恐れがあるため、前記ガラス転移点温度(Tg)は100℃以上であることが好ましい。より好ましくは、ガラス転移点温度(Tg)は150℃以上である。
更に、樹脂フィルム基板10の表面上にITO膜を成膜する際に、樹脂フィルム基板10の表面の粗さは、JIS B 0601規格の中心線平均粗さRa0.8nm以下であることが好ましい。Ra0.8nmを超えると、成膜した際に樹脂フィルム基板10の凸部を核として成膜成長が起こるため、樹脂フィルム基板10の表面粗さ以上の劣化を生じやすくなる。
また、樹脂フィルム基板10上に形成された機能層上にITO膜を成膜する場合は、前記機能層の表面の粗さは、JIS B 0601規格の中心線平均粗さRa0.8nm以下であることが好ましい。Ra0.8nmを超えると、成膜した際に前記機能層の凸部を核として成膜成長が起こるため、前記機能層の表面粗さ以上の劣化を生じやすくなる。
なお、有機EL素子として使用する場合の透明導電膜の表面粗さは、Ra1nm以下が好ましい。
樹脂フィルム基板10の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系フィルムやポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルサルホン(PES)、脂環族ポリオレフィン等の非晶性ポリマー系フィルム(APO)、またはエポキシのような熱硬化フィルムが挙げられるが、耐熱性の観点より、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルホン(PES)がより好ましい。
ディスプレイ材料においては湿度や酸素を嫌うものも多く、樹脂フィルムの表面には防湿層等の機能層があることが好ましい。バリア性を付与する為、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されている必要がある。水蒸気透過度が0.01g/m2・day・atm以下のバリア性フィルムであることが好ましく、特に有機EL用途では、酸素透過度10-3ml/m2・day・atm以下、水蒸気透過度10-5g/m2・day・atm以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
該バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素などを用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせ複合膜がより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。該防湿膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることができる。
図2は、液体循環式による支持ロールA11の温度制御の一例を示す図である。液体は、恒温槽115から循環パイプ113を経由して、支持ロールA11に設けられた入口ポート111から支持ロールA11内に流入して内部を循環し、支持ロールA11に設けられた出口ポート112から流出して循環パイプ113を経由して恒温槽115に戻る。恒温槽115は液体を加熱、冷却する温調手段を有し、支持ロールA11の温度を検出する温度センサー121の温度情報及び温度設定手段により設定された支持ロールA11の設定温度情報を基に温度制御手段122により温調される。本実施の形態では、液体として鉱物系やシリコーン系等のオイルを用いている。また、温度センサー121は、一般的に知られている接触式あるいは非接触式の温度センサーを用いることができる。支持ロールA11の温度の検出は、出口ポート112から流出した液温の温度を検出することでも可能である。
前記支持ロールA11は駆動手段(不図示)と接続され、任意の設定された搬送速度で駆動、搬送される。
真空槽2の側壁に取り付けられた圧力勾配型プラズマガン5は、陰極511により一端が閉塞された絶縁管512を備えている。この絶縁管512内では、Ta管514、LaB6板515を内蔵したMo円筒513が陰極511に固定されている。Ta管514よりArガスを導入することで圧力勾配型プラズマガン5内部の圧力を真空槽2内の蒸着室より高くし、圧力勾配を持たせることで酸素ガス等の反応ガスからの劣化を抑えられる構造となっている。プラズマビーム5Aは、プラズマビーム5Aを収束するための環状永久磁石を内蔵した第1中間電極516と収束コイルを内蔵した第2電極517及びステアリングコイル517の制御されるつぼ4へ照射される。
プラズマビーム5Aによる加熱で蒸発した材料や導入ガスは、このプラズマ内でイオン化され樹脂フィルム基板10に成膜される。
成膜は、るつぼ4にペレット状の蒸発材料4Aを充填して行われる。連続搬送する樹脂フィルム基板10に成膜する際には蒸発材料供給手段(不図示)により蒸発量に見合う量の蒸発材料4Aがるつぼ4に供給される。
真空槽2は、ターボ分子ポンプ等の真空ポンプ(不図示)と接続されており、高真空が保たれる。真空槽2の内部の圧力は、電離真空計、ピラニ真空計等のセンサー(不図示)でモニターされ、成膜時の圧力は真空槽2の側面のポートからの導入ガスによりコントロールされる。
図3は、本発明に係る透明導電膜形成方法を行う透明導電膜形成装置の別の形態を示す模式図である。透明導電膜形成装置Bは、樹脂フィルム基板搬送部3B以外は、図1に示した透明導電膜形成装置Aと同じ構成である。以下、異なる部分のみ説明する。
樹脂フィルム基板搬送部3Bは真空槽2内に配設され、送り出しロール10A、ガイドロールA21、複数のロールで構成される支持ロールB12及び巻き取りロール10Bで構成される。ロール状に巻かれた樹脂フィルム基板10は、送り出しロール10Aに装着され送り出し手段(不図示)により送り出される。樹脂フィルム基板10は、ガイドロールA21を経由して支持ロールB12で略円弧状に支持、搬送されながら成膜される。支持ロールB12は本実施の形態では図3に示すように、5本のロールで構成されている。その後、ガイドロールA21を経由して巻き取り手段(不図示)により巻き取りロール10Bに巻き取られる。
図3では、支持ロールB12を構成する5本の各ロールを、樹脂フィルム基板10の搬送方向上流側より支持ロールBa、Bb、Bc、Bd、Beと称する。
前記各ロールは温度制御が可能に構成されていて、前述の図2に示した方法により各々任意の温度に調整可能である。これにより、成膜途中でのITOの結晶性を変えることが可能となり、抵抗値、表面粗さを変化させることが可能となる。また、各ロールの温度は、成膜開始点から成膜終了点にかけて低下する温度勾配を有する、即ちBa>Bb>Bc>Bd>Beであることが好ましい。これにより、成膜初期設定温度から、成膜エネルギーにより経時で上昇する樹脂フィルム基板表面の温度上昇を抑える事が可能となる。
前記支持ロールB12の各ロールは駆動手段(不図示)と接続され、任意の設定された搬送速度で同期して駆動、搬送される。
図4は、本発明に係る透明導電膜形成方法を行う透明導電膜形成装置の別の形態を示す模式図である。透明導電膜形成装置Cは、樹脂フィルム基板搬送部3C以外は、図1に示した透明導電膜形成装置Aと同じ構成である。以下、異なる部分のみ説明する。
樹脂フィルム基板搬送部3Cは真空槽2内に配設され、送り出しロール10A、ガイドロールA21、ガイドロールB22、複数のロールで構成される支持ロールC13及び巻き取りロール10Bで構成される。
支持ロールC13は、間隔をおいて平面状に配設された複数のロールで構成される。本実施の形態では、図4に示すように3本で構成されている。支持ロールC13の各ロール間の下部には遮蔽板7が配設され、また上部にはガイドロールB22が配設されている。
ロール状に巻かれた樹脂フィルム基板10は、送り出しロール10Aに装着され送り出し手段(不図示)により送り出される。樹脂フィルム基板10は、ガイドロールA21を経由して支持ロールC13の一番目のロールC−1で支持搬送された後、上部の一番目のガイドロールB22で反転して二番目のロールC−2で支持搬送され、上部の二番目のガイドロールB22で反転して三番目のロールC−3で支持搬送され、ガイドロールA21を経由して巻き取りロール10Bに巻き取られる。
成膜は、支持ロールC13の各ロールで支持搬送中に行われ、遮蔽板7の上部の反転部分では行われない。このように、成膜領域内で樹脂フィルム基板10の搬送方向に間欠的に成膜が行われる。
支持ロールC13の各ロールは温度制御が可能に構成されていて、前述の図2に示した方法により各々任意の温度に調整可能である。これにより、前記各ロールを一定の温度に維持でき、前記各ロールの間に成膜を行わない部分を設けることにより、放熱区間を設けることで膜初期設定温度から、成膜エネルギーにより経時で上昇する樹脂フィルム基板表面の温度上昇を抑える事が可能となる。
更に、成膜を行わない部分をガイドロールB22で支持し、該ガイドロールB22を冷却する事で、更に経時での温度上昇が抑えられ一定温度での成膜が可能となる。
また、支持ロールC13の各ロールは、同一の温度としてもよいし、異なる温度としても良い。
前記支持ロールC13の各ロール及びは駆動手段(不図示)と接続され、任意の設定された搬送速度で同期して駆動、搬送される。
<実施例1>
図1に示す装置を用いて透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。
(1)成膜(蒸発)材料:In2O3にSnO2を5質量%ドープしたITOペレット材料を使用。
(2)樹脂フィルム基板:防湿層としてSiNXからなる機能層を少なくとも有している幅300mm、厚さ200μmのPES(ポリエーテルサルホン)を用いた。表面粗さはRa0.35nm、測定は原子間力顕微鏡ナノピクス2100(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)で実施。
(3)真空槽内に装着した樹脂フィルム基板のロールは、フィルムに含有する水分、ガスの除去を行うため、真空槽の圧力が1.5×10-4Paになるまで減圧を行った。
(4)圧力勾配型プラズマガンに15sccm(sccm:standard ml/min(1×10-6m3/min))のArガスを流し、O2ガスを20sccm流し、更に真空槽内圧力を0.15PaになるようにArガスを10〜20sccm流した。
(5)圧力勾配型プラズマガンの出力を4kwになるまで段々に電力を加え、プラズマビームを発生させペレット材料に照射し材料を蒸発させた。
(6)放電が安定した後、樹脂フィルム基板を搬送させ、搬送速度1.96m/minに安定したところでシャッターを開け成膜を開始した。この時の成膜レートは、2.5nm/secで、ITOの膜厚は120nm。
<実施例1>
図1に示す装置を用いて透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。
(1)成膜(蒸発)材料:In2O3にSnO2を5質量%ドープしたITOペレット材料を使用。
(2)樹脂フィルム基板:防湿層としてSiNXからなる機能層を少なくとも有している幅300mm、厚さ200μmのPES(ポリエーテルサルホン)を用いた。表面粗さはRa0.35nm、測定は原子間力顕微鏡ナノピクス2100(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)で実施。
(3)真空槽内に装着した樹脂フィルム基板のロールは、フィルムに含有する水分、ガスの除去を行うため、真空槽の圧力が1.5×10-4Paになるまで減圧を行った。
(4)圧力勾配型プラズマガンに15sccm(sccm:standard ml/min(1×10-6m3/min))のArガスを流し、O2ガスを20sccm流し、更に真空槽内圧力を0.15PaになるようにArガスを10〜20sccm流した。
(5)圧力勾配型プラズマガンの出力を4kwになるまで段々に電力を加え、プラズマビームを発生させペレット材料に照射し材料を蒸発させた。
(6)放電が安定した後、樹脂フィルム基板を搬送させ、搬送速度1.96m/minに安定したところでシャッターを開け成膜を開始した。この時の成膜レートは、2.5nm/secで、ITOの膜厚は120nm。
上記の成膜条件において、支持ロールの温度を120℃〜190℃の間で5水準の温度条件で成膜を実施した。
成膜表面粗さは、原子間力顕微鏡ナノピクス2100(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)で測定、比抵抗は、抵抗率測定器ロレスタGP(三菱化学社製)で測定した。
成膜表面粗さは、原子間力顕微鏡ナノピクス2100(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)で測定、比抵抗は、抵抗率測定器ロレスタGP(三菱化学社製)で測定した。
判定は、比抵抗2.0×10-4Ωcm以下及び成膜表面粗さRa1nm以下を「○」とした。また、前記範囲外でも実用上問題がないものは「△」とし、それ以外を「×」とした。
表1に結果を示す。
表1の結果に示すように、ITO膜は、設定温度(支持ロール温度)が低い状態での成膜の場合はアモルファス状になり、表面粗さは向上するが比抵抗は高くなる。一方、設定温度が高い状態での成膜の場合は比抵抗は低くなるがITO膜の結晶化が進むため、表面粗さは劣化する。前記比抵抗と前記表面粗さを両立させるためには、設定温度は130℃〜180℃の間が好ましい。
<実施例2>
図3に示す装置を用いて透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。
<実施例2>
図3に示す装置を用いて透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。
図3において、支持ロールを構成する5本のロールの温度を、樹脂フィルム基板の搬送方向上流側より一番目のロールを180℃、二番目のロールを150℃、三番目のロールを120℃、四番目のロールを100℃、五番目のロールを80℃と設定を変化させて成膜を行った。これ以外は、実施例1に記載に準ずる。
成膜結果:比抵抗1.5×10-4Ωcm、成膜表面粗さRa0.55nm
上記結果に示すように、温度一定時(180℃)に比較して、各ロールの温度に成膜開始点から成膜終了点にかけて低下する温度勾配を設けたことにより、成膜時の温度上昇低下による微細結晶の維持と樹脂フィルム基板へのダメージの低減ができ、比抵抗は代わらないレベルであるが、成膜表面粗さの低減が更に図ることができた。
<実施例3>
図4に示す装置を用いて透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。
上記結果に示すように、温度一定時(180℃)に比較して、各ロールの温度に成膜開始点から成膜終了点にかけて低下する温度勾配を設けたことにより、成膜時の温度上昇低下による微細結晶の維持と樹脂フィルム基板へのダメージの低減ができ、比抵抗は代わらないレベルであるが、成膜表面粗さの低減が更に図ることができた。
<実施例3>
図4に示す装置を用いて透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。
図4に示すように、支持ロールは3本のロールで構成され、各ロールの温度は180℃に設定し、各ロール間の上部の各ガイドロールは水冷冷却とし、温度は20℃に設定して成膜を行った。これ以外は、実施例1に記載に準ずる。
成膜結果:比抵抗1.5×10-4Ωcm、成膜表面粗さRa0.4nm
上記結果に示すように、温度一定時(180℃)に比較して、各ロールの間に成膜を行わない部分を設けガイドロールを冷却することにより、放熱区間を設けたことで、成膜時の温度上昇低下による微細結晶の維持と樹脂フィルム基板へのダメージの低減ができ、比抵抗は代わらないレベルであるが、成膜表面粗さの低減が更に図ることができた。
<実施例4>
図1に示す装置を用いて、支持ロール温度を130℃とし、表2に示すように樹脂フィルム基板の表面粗さを変化させて、透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。これ以外は、実施例1の記載に準ずる。表2に結果を示す。
上記結果に示すように、温度一定時(180℃)に比較して、各ロールの間に成膜を行わない部分を設けガイドロールを冷却することにより、放熱区間を設けたことで、成膜時の温度上昇低下による微細結晶の維持と樹脂フィルム基板へのダメージの低減ができ、比抵抗は代わらないレベルであるが、成膜表面粗さの低減が更に図ることができた。
<実施例4>
図1に示す装置を用いて、支持ロール温度を130℃とし、表2に示すように樹脂フィルム基板の表面粗さを変化させて、透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。これ以外は、実施例1の記載に準ずる。表2に結果を示す。
表2の結果に示すように、樹脂フィルム基板の表面の粗さがRa0.8nmを超えると成膜表面粗さの劣化が発生しやすくなるため、Ra0.8nm以下であることが好ましい。
<実施例5>
図1に示す装置を用いて、支持ロール温度を130℃、樹脂フィルム基板の表面粗さはRa0.35nmとし、ガラス転移点温度(Tg)を変化させ、透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。ガラス転移点温度(Tg)の変化は材料を変更することにより行った。
・ガラス転移点温度(Tg)80℃:ポリエチレンテレフタレート(PET)使用。
・ガラス転移点温度(Tg)110℃:ポリエチレンテレフタレート(PET)延伸配向使用。
・ガラス転移点温度(Tg)155℃:ポリエチレンナフタレート(PEN)延伸配向使用。
これ以外は、実施例1の記載に準ずる。表3に結果を示す。
<実施例5>
図1に示す装置を用いて、支持ロール温度を130℃、樹脂フィルム基板の表面粗さはRa0.35nmとし、ガラス転移点温度(Tg)を変化させ、透明導電膜としてITOを樹脂フィルム基板に形成した。ガラス転移点温度(Tg)の変化は材料を変更することにより行った。
・ガラス転移点温度(Tg)80℃:ポリエチレンテレフタレート(PET)使用。
・ガラス転移点温度(Tg)110℃:ポリエチレンテレフタレート(PET)延伸配向使用。
・ガラス転移点温度(Tg)155℃:ポリエチレンナフタレート(PEN)延伸配向使用。
これ以外は、実施例1の記載に準ずる。表3に結果を示す。
表3の結果に示すように、樹脂フィルム基板のガラス転移点温度(Tg)が100℃未満の場合には本発明の支持ロールの設定温度の温度の下限温度、130℃でも樹脂フィルム基板の変形が生じ成膜表面粗さは著しく劣化した。前記ガラス転移点温度(Tg)は100℃以上であることが好ましい。
A、B、C 透明導電膜形成装置
3A、3B、3C 樹脂フィルム基板搬送部
10 樹脂フィルム基板
10A 送り出しロール
10B 巻き取りロール
11 支持ロールA
12 支持ロールB
13 支持ロールC
2 真空槽
21 ガイドロールA
22 ガイドロールB
4 るつぼ
4A 蒸発材料
5 圧力勾配型プラズマガン
5A プラズマビーム
6 シャッター
7 遮蔽板
3A、3B、3C 樹脂フィルム基板搬送部
10 樹脂フィルム基板
10A 送り出しロール
10B 巻き取りロール
11 支持ロールA
12 支持ロールB
13 支持ロールC
2 真空槽
21 ガイドロールA
22 ガイドロールB
4 るつぼ
4A 蒸発材料
5 圧力勾配型プラズマガン
5A プラズマビーム
6 シャッター
7 遮蔽板
Claims (8)
- 連続して搬送される樹脂フィルム基板上に、圧力勾配型プラズマガンを用いるイオンプレーティング法で透明導電膜を形成する透明導電膜形成方法において、
所定の成膜領域内で樹脂フィルム基板の裏面側に接触し、前記樹脂フィルム基板を支持、搬送する支持ロールを有する樹脂フィルム基板搬送工程を備え、
前記支持ロールの温度を130℃〜180℃の間で任意の一定温度に制御することにより前記樹脂フィルム基板の温度を制御し、透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜形成方法。 - 前記支持ロールを複数有し、各支持ロールの温度を各々任意の温度に制御して透明導電膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜形成方法。
- 前記支持ロールの各温度は、成膜開始点から成膜終了点にかけて低下する、温度勾配を有することを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜形成方法。
- 前記支持ロールを複数有し、前記成膜領域内で前記樹脂フィルム基板の搬送方向に間欠的に成膜を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
- 前記支持ロールは、支持ロール内に液体を流入する流入口と流出する流出口を有し、液体を前記支持ロール内に循環させロールの温度制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
- 前記透明導電膜はITO膜であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法。
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の透明導電膜形成方法を用いて、
ガラス転移点温度(Tg)が100℃以上で、且つ表面の粗さは、JIS B 0601規格の中心線平均粗さRaが0.8nm以下である樹脂フィルム基板の表面上か、またはガラス転移点温度(Tg)が100℃以上の樹脂フィルム基板上に形成された、表面粗さがJIS B 0601規格の中心線平均粗さRaが0.8nm以下の機能層上に、透明導電膜が形成されることを特徴とする透明導電膜付フィルム。 - 前記樹脂フィルム基板は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネートの何れかであることを特徴とする請求項7に記載の透明導電膜付フィルム。
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---|---|---|---|
JP2006192627A JP2008019478A (ja) | 2006-07-13 | 2006-07-13 | 透明導電膜形成方法及び透明導電膜付フィルム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-07-13 JP JP2006192627A patent/JP2008019478A/ja active Pending
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