JP2008016730A - サブマウント基板およびそれを用いた半導体装置並びにサブマウント基板の製造方法 - Google Patents

サブマウント基板およびそれを用いた半導体装置並びにサブマウント基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合強度が極めて高いサブマウント基板を効率的かつ低コストで提供する。
【解決手段】窒化物系セラミックス基板21上に金属酸化物を主成分とする酸化物層22を介してAu層23が形成されているサブマウント基板20、及びこのサブマウント基板上20にハンダ層24を介して半導体発光素子25を搭載した半導体装置26、並びに(イ)有機Au化合物と金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物とを含有した混合ペーストを調製する工程、(ロ)前記混合ペーストを窒化物系セラミックス基板上に塗布することによりペースト層を形成する工程、(ハ)前記ペースト層を焼成することによって前記窒化物系セラミックス基板上21に金属酸化物を主成分とする酸化物層22を介してAu層23を形成させる工程を具備する、サブマウント基板の製造法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、サブマウント基板およびそれを用いた半導体装置並びにサブマウント基板の製造方法に関するものである。
従来より、各種の電子素子を固定するとともに電子素子の冷却や熱応力の緩和等のために、電子素子をサブマウント基板に設置することが行われている(特許文献1)。そして、電子素子への電力供給や外部との信号等の授受も通常サブマウントを介して行われている。一般にサブマウント基板には、電子素子等を正確かつ確実に固定するために高い剛性とともに、電子素子から発生した熱に長期間曝されても変形や構成材料の剥離や脱落がないような高い接合強度、耐熱性等が求められている。
従来の半導体素子を搭載するためのサブマウント基板を図2に示す。同図において、11は窒化アルミニウム等から成る絶縁基板を、12はTi等から成る下地金属層を、13はPt等から成る拡散防止層を、14はAuなどから成る主導電層を、それぞれ示している。この図2のサブマウント基板10において、絶縁基板11上には、下地金属層12、拡散防止層13、主導電層14が順次積層されて成る導体層が形成され、この導体層に半導体素子16が例えばAu−Sn合金などから成るはんだ層15によって固定される。なお、上記の導体層は、接地導体層としても使用される場合がある。ここで、下地金属層12は絶縁基板11と拡散防止層13や主導電層14を結合させるために必要であり、拡散防止層13は下地金属層11と主導電層14とが相互に拡散するのを防止するために必要な層となっている。通常、下地金属層12、拡散防止層13および導体層14は、真空蒸着法などを用いて形成される。
特開2005−101102号公報
上記従来例において、下地金属層12および拡散防止層13はサブマウント基板や半導体装置としては本来の性能に寄与しない層であるが、下地金属層12は絶縁基板11と主導体層14とを直接的に接合できないために必要になる層であり、拡散防止層13は下地金属層12と主導体層14とを直接接した場合に共に拡散して主導体層14としての機能が低下することを防止するために必要になっている。また、これらの下地金属層12、拡散防止層13および主導体層14は、一般的に非常に薄い膜として使用されており、真空蒸着法やスパッタ法などの真空状態での成膜が行なわれている。各層は、非常に薄い膜であるが、真空法による成膜を行うために材料利用効率が低いこと、成膜に時間がかかること、スループットが低下すること等からコストアップの原因となっている。
本発明は、上記のような下地金属層や拡散防止層を必要とせず、材料利用効率が高く、生産性が高く、強固かつ確実に各種の電子素子等との接合が可能なサブマウント基板を提供することを目的とする。
したがって、本発明によるサブマウント基板は、窒化物系セラミックス基板上に、金属酸化物を主成分とする酸化物層を介してAu層が形成されていることを特徴とするもの、である。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、前記窒化物系セラミックスが窒化珪素焼結体または窒化アルミニウム焼結体であるもの、を包含する。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、前記Au層の厚さが、0.05μm以上5μm以下であるもの、を包含する。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、前記酸化物層の厚さが、0.005μm以上0.4μm以下であるもの、を包含する。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、前記金属酸化物が、Al、Cu、Ru、Bi、Si、Rh、Vの少なくとも1種の酸化物であるもの、を包含する。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、前記金属酸化物を2種以上含有するもの、を包含する。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、前記酸化物層が、多層構造を具備しているもの、を包含する。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、前記酸化物層が、2層あるいは3層構造を具備しているもの、を包含する。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、窒化物系セラミックからなる基板の表面粗さRaが1.0μm以下であるもの、を包含する。
そして、本発明による半導体装置は、前記いずれかのサブマウント基板上にハンダ層を介して半導体素子を搭載したこと、を特徴とするものである。
そして、本発明によるサブマウント基板の製造方法は、(イ)有機Au化合物と、金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物とを含有した混合ペーストを調製する工程、(ロ)前記混合ペースト層を窒化物系セラミックス基板上に塗布することによりペースト層を形成する工程、および(ハ)前記ペースト層を焼成することによって窒化物系セラミックス基板上に金属酸化物を主成分とする酸化物層を介してAu層を形成させる工程を具備すること、を特徴とするものである。
このような本発明によるサブマウント基板は、好ましい態様として、前記ペーストを550℃以上850℃以下の温度にて焼成することによって、Au層と金属酸化物層を形成させるもの、を包含する。
本発明によるサブマウント基板は、窒化物系セラミックス基板と酸化物層とAu層とからなり、各層間の接合強度が極めて高いものであることから、各種の半導体素子を搭載した半導体装置に適用することができるものである。
そして、本発明によるサブマウント基板の製造方法では、セラミックス基板上に下地層および表面電導層の両層を別工程として順次形成させる必要がないこと、かつ、下地層および表面電導層の形成に際して従来法のような真空蒸着法やスパッタ法を用いる必要がないことから、効率的かつ安価にサブマウント基板を製造することができる。また、長尺ないし大判のサブマウント基板を製造することが可能でありかつ容易である。
本発明では、主電極層に使用する電極用の金属(Au)を有機金属化合物の形態で用い、これと金属酸化物とを含むペーストを印刷法などによって基材上に塗布する。この場合、電極層(Au層)が真空などを使わない印刷法によって形成されるだけでなく、下地金属層による接合や拡散防止層により拡散防止を必要としないため、導電層の形成作業が簡略化される。
ペースト中の有機Au化合物は焼成工程により金属化して表面に導電層を形成し、金属酸化物層はセラミックス基板との接合力を与えるため、表面のAu層はサブマウント基板の導電体として機能する。また、ペースト中の有機溶剤成分は焼成工程によって消失するため、不必要な成分は残留しない。
このときセラミック基板が酸化物でない場合、通常ペースト中に含まれる金属酸化物とは接合力を持たないが、本発明では、Al酸化物、Bi酸化物などの金属酸化物が窒化アルミニウム基板のAlと反応し、強固な接合を達成することができる。
また、プロセス中の焼成温度を制御することで、主導体層(Au層)と接合に寄与する金属酸化物からなる反応層とが形成されるので、より強固な接合と主導体層の表面抵抗の低下とを実現することができる。そして、はんだ接合強度に悪影響が及ぼされることがない。よって、半導体素子と配線基板とが強固に安定して接合されるため、半導体装置としての機能を十分果たすことができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<サブマウント基板および半導体装置>
図1は、本発明による好ましいサブマウント基板ならび本発明による好ましい半導体装置の断面を示すものである。
この図1には、窒化物系セラミックス基板21上に、金属酸化物を主成分とする酸化物層22を介してAu(金)層23が設けれられた本発明によるサブマウント基板20、ならびにこのサブマウント基板20上にハンダ層24を介して半導体素子25を搭載した本発明による半導体装置26が示されている。なお、この図1には、1枚のサブマウント基板20に1個の半導体発光素子25が設置された場合が示されているが、1枚のサブマウント基板20には同一または異なる複数の半導体素子を設置することも可能である。また、1個の半導体発光素子25に対して形成されるはんだ層24の数も任意である。
窒化物系セラミックス基板21としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)等を主成分とする窒化物系セラミックス(焼結体)を使用することが好ましい。
窒化物系セラミック基板21は、表面粗さRaが1.0μm以下であるものが好ましい。このことにより、半導体素子の搭載性(まっすく配置できる)、視認性(アライメントの際にカメラにより表面を移した際に明るく綺麗に見える。表面が粗いと光が反射してカメラでアライメント位置が確認できない)が良好になる。表面粗さRaが1.0μm超過である場合には、前記搭載性、視認性が低下するので好ましくない。ここで、表面粗さRaととは、JIS−B−0601によって規定されたものである。また、表面粗さRaの下限は特に限定されるものではないが、Raを小さくするには精度の高い研磨工程が必要であり、コスト高の要因となる。本発明ではペーストを用いていることからRaの下限は0.05μm以上であっても充分良い特性が得られる。
酸化物層22は、金属酸化物を主成分とする。ここで、主成分とするとは、金属酸化物が酸化物層22中に50重量%以上、好ましくは60重量%以上、存在することを意味する。金属酸化物の好ましい具体例としては、例えばAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Bi(ビスマス)、Si(ケイ素)、Rh(ロジウム)およびV(バナジウム)の酸化物を挙げることができる。これらの金属酸化物は、各金属がとりうる任意の酸化数のものである。
金属酸化物は、一種類の金属酸化物のみからなっていても、二種類以上の金属酸化物からなっていてもよいが、本発明では二種類以上の金属酸化物からものが好ましい。本発明では二種類以上の金属酸化物を組み合わせて用いることで、窒化物系セラミック基板21に対する接合強度をより高くすることができる。金属酸化物の好ましい組み合わせとしては、AlとBiとの組み合わせ、AlとSiおよびBiとの組み合わせを挙げることができる。
酸化物層22の厚さは任意であるが、0.005μm以上0.4μm以下、特に0.05μm以上0.2μm以下、が好ましい。酸化物層22の厚さが0.005μm未満の場合には密着不良が発生する恐れがあり、一方、0.4μm超過ときには熱サイクルなどが悪化する場合がある。
図1には1層の酸化物層22が示されているが、本発明によるサブマウント基板は複数の酸化物層を有するものであってもよい。ここで、本発明によるサブマウント基板が複数の酸化物層を有するとき、各酸化物層は金属酸化物の種類が異なる場合、金属酸化物以外の他の成分の種類が異なる場合、金属酸化物あるいは他の成分の含有量が異なる場合等がある。また、酸化物層22は、その組成が窒化物系セラミックス基板21面側からAu層23面側にかけて連続的にあるいは段階的に変化していてもよい。
Au層23は、配線部として機能および半導体素子25の伝熱層としての機能の少なくとも一部を発揮するするものである。Au層23の厚さは任意であるが、0.05μm以上5.0μm以下、特に0.1μm以上0.6μm以下、が好ましい。Au層23の厚さが0.05μm未満の場合には、導通不良が発生したり、導通によってAu層自体が発熱する場合があることから好ましくない。5.0μm超過することは製造コストの観点から好ましくなく、そして配線層としての機能向上も少ない。Au層23は、所望の回路形状等に応じた配線パターンを有することができる。
上述したAu層23と半導体素子25との接続位置には、はんだ層24が設けることができる。はんだ層24は、サブマウント基板20上に接合搭載される半導体素子25の電極と対応する位置に所望の形状で設けられており、Au層23と半導体素子25とを電気的および機械的に接続する機能を有するものである。はんだ層24と半導体素子25との接続部は半導体素子の電極に対応させた形状、例えば矩形や円形、その他等の形状を有することができる。その大きさも同様である。
はんだ層24には、各種のはんだ合金、例えばAu(金)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Bi(ビスマス)、Cu(銅)、Cr(クロム)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Ni(ニッケル)、Pb(鉛)、Pt(白金)、Si(ケイ素)、Ti(チタン)およびZn(亜鉛)から選ばれる少なくとも1種を含むSn(錫)合金からなるものを用いることができる。はんだ層24を構成するSn合金中のSn量は、組合せて使用する元素の種類等に応じて適宜に選択されるものであり、例えば15〜99.9質量%の範囲とすることが好ましい。このような好ましいSn合金(はんだ合金)の代表例としては、Au−Sn合金、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金等が挙げられる。
はんだ層24の厚さは例えば1〜5μmの範囲とすることが好ましい。1μm未満の場合は、接合強度が十分に得られないことがあり、5μmを越えて厚いとそれ以上の接合効果が得られないだけでなく、コストアップの要因になる。しかし、半導体素子側の工夫やその他条件の適正化によって、はんだ層の厚さは設定されるべきであり、この厚さの限りではない。
上記したはんだ層24は1種類のSn合金により形成したものに限らず、例えば組成が異なる2種類以上のSn合金の積層膜で構成してもよい。この場合、適用するSn合金は構成元素が異なる2種類以上のSn合金に限らず、同一構成元素の組成比を異ならせた2種類以上のSn合金であってもよい。例えば、組成比が異なる2種類以上のAu−Sn合金、すなわち溶融温度が異なるAu−Sn合金の積層膜ではんだ層24を構成することによって、はんだ層24の溶融状態を制御することができる。
また、はんだ層24の表面はAu層(第二のAu層(図示せず))で覆われていてもよい。この第2のAu層は、はんだ層24に含まれるSnの酸化防止層等としての機能を発揮することができる。
なお、上記では図2に示される窒化物系セラミック基板板21の片面にのみに酸化物層22、Au層23およびはんだ層24が設けられた構造について説明したが、窒化物系セラミック基板21の裏面側にも、必要に応じて導体層を設けることができる。このような裏面側の導体層は、窒化物系セラミック基板21を外部回路基板上やパッケージ内に配置固定する際の接合用金属層として用いることや、接地導体層等として使用することができる。また、窒化物系セラミック基板21の裏面側には、前記と同様の酸化物層およびAu層を設けることができる。
<サブマウント基板および半導体装置の製造方法>
本発明によるサブマウント基板20は、窒化物系セラミックス基板21上に酸化物層22およびAu層23を順次形成させることによって製造することができるが、本発明によるサブマウント基板は、好ましくは、(イ)有機Au化合物と、金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物とを含有した混合ペーストを調製する工程、(ロ)前記混合ペーストを窒化物系セラミックス基板上に塗布することによりペースト層を形成する工程、および(ハ)前記ペースト層を焼成することによって窒化物系セラミックス基板上に金属酸化物を主成分とする酸化物層を介してAu層を形成させる工程を具備する方法によって製造することができる。
この(イ)〜(ハ)の工程を具備する方法によれは、酸化物層22およびAu層23の両層を窒化物系セラミック基板21上に一度に形成させることができる。
有機Au化合物としては、任意の有機Au化合物を用いることができる。本発明では、混合ペーストを工程(ハ)に付すと有機Au化合物由来の有機成分等は焼成物から除去されることから、工程(ハ)実施後の時点では特定の有機基が焼成物中に残存することによる悪影響が実質的に認められない。このことから、工程(イ)の有機Au化合物としては、有機基の種類、内容等に限定されることなく広範な有機Au化合物を用いることができる。
本発明における有機Au化合物としては、例えば、金テルペンサルファイド類、金アルキルメルカプチド類、金アリールメルカプチド類、金のカルボン酸塩および錯塩などが挙げられる。
また、前記有機Au化合物としては、
金テルペンサルファイド類;金のα−ピネン、α−ターピネオール、β−ターピネオール、ボルネオール、イソボルネオール、カンフェンおよびリモネン等の各メルカプチドならびにサルファイド類、
金アルキルメルカプチド類;金tert−ドデシルメルカプチド、金tert−テトラデシルメルカプチドおよび金tert−ヘキサデシルメルカプチド等の金tert−アルキルメルカプチド、ならびにその他の金アルキルメルカプチド、
金アリールメルカプチド類、金のカルボン酸塩および錯塩;アビエチン酸金、ネオデカン酸金、2−エチルヘキサン酸金、ナフテン酸金およびデカン酸金等のカルボン酸金ならびに錯塩等を用いることができる。
これらのうちでは、金アルキルメルカプチド類および金のカルボン酸塩類が好ましく、特にtert−ブチルチオフェノール・アビエチン酸等の化合物が特に好ましい。なお、これらの有機Au化合物は、単独または二種以上併用することができる。
工程(イ)において用いられる好ましい金属酸化物としては、前記した金属酸化物、即ち、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Ru(ルテニウム)、Bi(ビスマス)、Si(ケイ素)、Rh(ロジウム)およびV(バナジウム)の酸化物を挙げることができる。これらの金属酸化物は、前記したように、各金属がとりうる任意の酸化数のものであり、そして金属酸化物は一種類の金属酸化物のみからなっていても二種類以上の金属酸化物からなっていてもよい。混合ペーストに調製に当たっては、粉末状の金属酸化物を用いことが好ましい。
焼成後に金属酸化物となる化合物としては、本発明の工程(ハ)において採用される焼成条件(詳細後記)によって上記金属酸化物を形成可能な任意の化合物を挙げることができる。そのような化合物の好ましい具体例としては、上記各金属の有機金属化合物、即ち、Al、Cu、Ru、Bi、Si、RhおよびV等の金属からなる有機金属化合物等を挙げることができる。これらの中では、特にAl、Bi、SiおよびCu等が好ましい。混合ペーストに調製に当たっては、粉末状の化合物を用いことが好ましい。
混合ペーストを調製する際には、上記有機Au化合物、および上記金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物を分散させることができる各種の有機溶剤ないし有機バインダ等を挙げることができる。なお、混合ペーストの調製の際に用いられるこれらの溶剤ないしバインダは、本発明に採用される焼成条件(詳細後記)あるいはその他条件において分解ないし揮発して、最終的に酸化物層22あるいはAu層23中に実質的に存在しなくなるものが好ましい。そのような溶剤ないしバインダの好ましい具体例としては、例えばヘルピネオールおよびブチルカルビトールアセテート等を挙げることができる。
なお、本発明においては、有機Au化合物に由来する有機成分および(または)溶剤ないしバインダに由来する成分が、焼成条件あるいはその他条件による分解物あるいは反応生成物として酸化物層22あるいはAu層23中に存在することができる。また、酸化物層22中の成分と窒化物系セラミックス基板21中の成分との反応物が生成される場合には、この反応物は、酸化物層22中あるいは窒化物系セラミックス基板21中に存在することができる。
混合ペーストにおける有機Au化合物、金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物および溶剤、有機バインダの量比は、適宜定めることができる。例えば溶剤の使用量は、混合ペースト100重量%に対し5〜50重量%が好ましい。このことによって、工程(ロ)において混合ペーストを窒化物系セラミックス基板上に塗布するときの作業性が良好となる。
混合ペーストにおける有機Au化合物と、金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物量との量比もまた適宜定めることができる。有機Au化合物の量が多くなるにつれて形成されるAu層23が厚くなり、一方、金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物量の量が多くなるにつれて形成される酸化物層22が厚くなる傾向が見られる。このことから、混合ペーストにおける有機Au化合物と金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物量との量比は、目的とする厚さのAu層23および酸化物層22が形成されるように適宜定めることができる。例えば、Au層23の厚さが0.05μm以上5μm以下でありかつ酸化物層22の厚さが0.005μm以上0.4μm以下である本発明による特に好ましいサブマウント基板を製造する際は、有機Au化合物と金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物との量比(重量比)は、Au金属および金属酸化物中の化合物換算で、10:90〜40:60、特に20:80〜30:70が好ましい。
工程(ロ)は、前記の混合ペーストを窒化物系セラミックス基板上に塗布することによりペースト層を形成する工程である。混合ペーストの塗布を、例えばスクリーン印刷法によって行えば窒化物系セラミックス基板上に所望のパターンで混合ペースト塗布することが容易である。
工程(ハ)において行われる焼成は、550℃以上850℃以下、特に650℃以上850℃以下、の温度にて行うことが好ましい。焼成時間は、金属酸化物の種類、金属酸化物層の厚さ、サブマウント基板の大きさ、焼成温度等に応じて適宜定めることができるが、3分以上30分以下、好ましくは5分以上15分以下である。なお、焼成は、酸素共存下、好ましくは空気雰囲気中、で行うことができる。本発明の製造方法では30分以下、さらには15分以下の短い焼成焼成時間でAu層を形成することができる。
この工程(ハ)の実施によって、ペースト層中の有機Au化合物の反応(例えば、金属Auの生成)や、有機金属化合物の反応(例えば、金属酸化物の生成)、場合により他の反応(例えば、金属酸化物と窒化物系セラミックスとの反応)がなされるとともに、ペースト層中の溶剤の除去がなされ、それと同時にペースト層が金属酸化物を主成分とする下層とAuを主成分とする上層とに分離される。ここで、ペースト層が金属酸化物層22とAu層23とに分離されることは、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過電子顕微鏡(TEM)等によって確認することができる。なお、工程(ハ)の実施の前には、必要に応じて、室温ないし焼成温度未満の温度条件下において、溶媒の除去工程あるいはペーストの熟成工程を行うことができる。
このような工程(ハ)によって、窒化物系セラミックス基板21上に金属酸化物を主成分とする酸化物層22を介してAu層23が形成される。なお、酸化物層22中の窒化物系セラミックス基板21との接触領域近傍において窒素原子の存在が確認される場合がある。
上述した本発明による半導体装置は、サブマウント基板20上に半導体素子を接合搭載するにあたって、接続部を構成するはんだ層24の濡れ広がりによる融点上昇およびそれに基づく溶融不良(不完全溶融)を抑制することができる。これによって、サブマウント基板20に対して半導体素子25を強固に接合することが可能になると共に、半導体素子の高さ方向の位置変動や位置不良を防ぐことができる。すなわち、高品質、高信頼性の半導体装置装置を再現性よく提供することが可能となる。
本発明によるサブマウント基板は、窒化物系セラミックス基板21と酸化物層22とAu層23とからなる各層間の接合強度が極めて高いものであることから、各種の半導体素子を配線基板上に接合搭載した半導体装置に適用することができる。このように本発明の半導体装置に適用される半導体素子は限定されるものではないが、本発明によるサブマウント基板は、特にレーザーダイオードやフォトダイオード等の高さ方向の位置制御が動作特性等に影響を及ぼす光半導体素子に対して有効である。
<実施例1>
図2の構成を有するサブマウント基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.05μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度850℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。完成時のAu層23の膜厚は0.3μm、金属酸化物層22の膜厚は0.1μmであった。
次に、この絶縁基板21の裏面も同様の方法で導体層を成膜した(厚さ0.3μm)。
その後、この基板の上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層24としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
<実施例2>
図2の構成を有する配線基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.05μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度850℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。その後、さらにスクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。これを連続炉で大気中で最高温度が850℃、6分で保持できるような設定で、焼成を行った。Au層23の膜厚は0.6μmであった。金属酸化物層22の膜厚は0.2μmであった。
次に、この絶縁基板11の裏面も同様の方法でAu層0.6μm、金属酸化物層0.2μmを成膜させた。
その後、この基板の上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層24としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
<実施例3>
図2の構成を有するサブマウント基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.05μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン版を変更して、スクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度850℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。完成時のAu層23の膜厚は0.1μm、金属酸化物層22の膜厚は0.05μmであった。
次に、この絶縁基板21の裏面も同様の方法でAu層0.1μm、金属酸化物層0.05μmを成膜した。
その後、この基板の上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層24としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
<実施例4>
図2の構成を有するサブマウント基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.05μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度850℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。完成時のAu層23の膜厚は0.3μm、金属酸化物層22の膜厚は0.1μmであった。
次に、この絶縁基板21の裏面も同様の方法で導体層を成膜した(厚さ0.3μm)。 その後、この基板の上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層24としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
<実施例5>
図2の構成を有するサブマウント基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.05μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度850℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。完成時のAu層23の膜厚は0.3μm、金属酸化物層22の膜厚は0.1μmであった。
次に、この絶縁基板21の裏面も同様の方法で導体層を成膜した(厚さ0.3μm)。
その後、この基板の上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層24としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
<実施例6>
図2の構成を有するサブマウント基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.5μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。その後、さらにスクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度850℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。Au層23の膜厚は0.6μmであった。金属酸化物層22の膜厚は0.2μmであった。
次に、この絶縁基板21の裏面も同様の方法で導体層を成膜した(厚さ0.6μm)。
その後、この基板の上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層24としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
<実施例7>
図2の構成を有するサブマウント基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.05μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度550℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。完成時のAu層23の膜厚は0.3μm、金属酸化物層22の膜厚は0.1μmであった。
次にこの絶縁基板21の裏面も同様の方法で導体層を成膜した(厚さ0.3μm)。
その後、この基板の上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層24としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
<比較例1>
図2の構成を有する配線基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板11として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板11を洗浄後、真空蒸着法により厚さが0.3μmの Auから成る主導電層14を成膜した。
次に、この絶縁基板11の裏面も同様の方法でAuを成膜した。
その後、実施例と同様の工程を行おうとしたが、窒化アルミニウム基板からAuの薄膜が剥れるため、この後の工程を行うことができなかった。
<比較例2>
図2の構成を有するサブマウント基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.05μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン印刷法により、有機Au化合物、金属(Al、Bi、Si)酸化物を含むペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度450℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。完成時のAu層23の膜厚は0.3μm、金属酸化物層22の膜厚は0.1μmであった。
次に、この絶縁基板21の裏面も同様の方法で導体層を成膜した(厚さ0.3μm)。
その後、この基板の上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層24としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
<比較例3>
図2の構成を有するサブマウント基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板21として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mm、Ra0.05μmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板21を洗浄後、スクリーン印刷法により、有機Au化合物ペーストをスクリーン印刷で塗布し、塗布膜を形成した。ペーストを塗布したときに含まれる溶剤を乾燥させるために、大気中で30分放置した。次いで、大気中で最高温度450℃を6分間保持できるように設定された連続炉内にて、焼成を行った。完成時のAu層23の膜厚は0.3μmであった。
その後、実施例と同様の工程を行おうとしたが、窒化アルミニウム基板からAuの薄膜が剥れるため、この後の工程を行うことができなかった。
<比較例4>
図2の構成を有する配線基板を以下の工程により作製した。
絶縁基板11として、寸法がφ110mm×厚さ0.25mmで窒化アルミニウム焼結体からなるものを用意し、絶縁基板11を洗浄後、真空蒸着法によりTi0.2μm、Pt0.2μm、Au0.6μmから成る主導電層14を成膜した。
次に、この絶縁基板11の裏面も同様の方法でTi、Pt、Au膜を成膜した。
その後、この基板のAu配線パターン側上にレジストをスピンコート法により乾燥後の膜厚が6μmとなるように塗布した。所定のマスクを用い、露光、反転ベーク、全面露光を経て、現像(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド2.38%現像液を使用)することによりパターンを形成した。その後、はんだ層15としてAu−Sn合金を2μm真空蒸着法で成膜した。
その後、この基板を剥離液に55℃、60分間浸漬させ、リンス、乾燥を行い、レジストを剥離した。
その後、この基板を所定のサイズにダイシングしサブマウントを得た。
Figure 2008016730
<密着性評価>
上記の実施例および比較例で得られたサブマウント基板について、それぞれ密着性を評価した。
テープ剥離試験
テープ剥離テストを行うことで、窒化アルミニウム基板とAu薄膜との密着性を評価した。テープには、スコッチ社製セロハンテープを用いて、窒化アルミニウム上のAu薄膜に貼り付け、引き剥がしたあとのセロハンテープと窒化アルミニウム基板に残存しているAu薄膜の状態を目視、および顕微鏡観察により確認した。
評価を行った結果を表2に示す。
Figure 2008016730
レーザーダイオード接合力試験
各サブマウント基板を300〜330℃の温度に保持したヒーターブロック上に置き、約5秒後に、配線基板に接着される側の面にTi(厚さ0.05μm)、Pt(厚さ0.1μm)、Au(厚さ1.0μm)が順次皮膜形成されたSiチップ(寸法は縦1mm×横1mm×高さ0.4mmであり、Siを半導体材料とした半導体素子)を、はんだ層6上に載置し接着して搭載した。
Siチップを搭載した配線基板を冷却後、Siチップの横方向から加重を加えるシェアテストを各10個ずつ行った。
半導体素子との密着性の判定は、シェアテストの破壊モードがSiチップ自身の破壊またはSiチップに被着形成された配線導体層の剥がれによる場合に密着性良好(○)とした。破壊モードが半田層16の内部破断または配線導体層14内の界面での剥がれの場合を密着性不良(×)とした。
評価を行った結果を表3に示す。
Figure 2008016730
発明の効果
以上説明したように、本発明によれば、主電極層であるAu膜が強固に窒化物系セラミックに接合され、かつ、レーザーダイオードと接合するときのはんだへの影響もない。以上のことより、簡便で安価にサブマウント基板を提供することができる。
本発明の一実施形態によるサブマウント基板の主要部構成を示す断面図 従来技術を用いたサブマウント基板の主要部構成を示す断面図
符号の説明
10 サブマウント基板
11 絶縁基板
12 下地金属層
13 拡散防止層
14 主導電層
15 はんだ層
20 本発明のサブマウント基板
21 窒化物系セラミックス基板
22 酸化物層
23 Au層
24 はんだ層
25 半導体素子
26 半導体装置

Claims (12)

  1. 窒化物系セラミックス基板上に、金属酸化物を主成分とする酸化物層を介してAu層が形成されていることを特徴とする、サブマウント基板。
  2. 前記窒化物系セラミックスが、窒化珪素焼結体または窒化アルミニウム焼結体である、請求項1に記載のサブマウント基板。
  3. 前記Au層の厚さが、0.05μm以上5μm以下である、請求項1または請求項2に記載のサブマウント基板。
  4. 前記酸化物層の厚さが、0.005μm以上0.4μm以下である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のサブマウント基板。
  5. 前記金属酸化物が、Al、Cu、Ru、Bi、Si、Rh、Vの少なくとも1種の酸化物である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のサブマウント基板。
  6. 前記金属酸化物を2種以上含有する、請求項5記載のサブマウント基板。
  7. 前記酸化物層が、多層構造を具備している、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のサブマウント基板。
  8. 前記酸化物層が、2層あるいは3層構造を具備している、請求項7記載のサブマウント基板。
  9. 窒化物系セラミックからなる基板の表面粗さRaが1.0μm以下である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のサブマウント基板
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のサブマウント基板上にハンダ層を介して半導体素子を搭載したことを特徴とする、半導体装置。
  11. (イ)有機Au化合物と、金属酸化物または焼成後に金属酸化物となる化合物とを含有した混合ペーストを調製する工程、(ロ)前記混合ペーストを窒化物系セラミックス基板上に塗布することによりペースト層を形成する工程、および(ハ)前記ペースト層を焼成することによって前記窒化物系セラミックス基板上に金属酸化物を主成分とする酸化物層を介してAu層を形成させる工程を具備することを特徴とする、サブマウント基板の製造方法。
  12. 前記ペースト層を550℃以上850℃以下の温度にて焼成することによって、Au層と金属酸化物層とを形成させる、請求項11に記載のサブマウント基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110651405A (zh) * 2017-05-17 2020-01-03 三菱电机株式会社 光模块

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