JP2008014251A - 可動機構の制御装置 - Google Patents

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英隆 小沢
Kanako Shimojo
孝名子 下城
Yuji Yasui
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Abstract

【課題】 可動部材の支持状態を良好に維持でき、可動機構の安定した動作を確保することができる可動機構の制御装置を提供する。
【解決手段】 支持部67に移動自在に支持された可動部材66を有し、可動部材66の位置が変更されることによって制御量Liftinが制御される可動機構50の制御装置であって、制御量の目標値Liftin_cmd’を設定する目標値設定手段2と、設定された目標値に基づいて可動部材を駆動する駆動手段2、60と、支持部67による可動部材66の支持状態の不良化を回避するために、制御量の目標値Liftin_cmd’に振動成分Δvibを付加することによって、可動部材66を振動させる加振手段2と、を備える。
【選択図】 図11

Description

本発明は、支持部に移動自在に支持された可動部材の位置に応じて制御量が変更される可動機構の制御装置に関する。
従来のこの種の可動機構として、内燃機関の吸気弁などのリフト(最大揚程)を変更するための可変バルブリフト機構が、例えば特許文献1に開示されている。この可変バルブリフト機構は、一端部がロッカアームシャフトに回動自在に支持された第1リンクアームと、第1リンクアームの他端部に回動自在に連結されたロッカアームと、一端部が連結軸を介してロッカアームに回動自在に連結されるとともに、他端部が可動軸に回動自在に支持された第2リンクアームと、可動軸に回動自在に連結されたウェブを一体に有する回動自在のコントロール軸と、コントロール軸を回動させるモータなどを有するアクチュエータなどで構成されている。ロッカアームには、ローラを介して吸気カムシャフトの吸気カムが当接し、ロッカアームの先端部は吸気弁に当接している。
上記のコントロール軸は、シリンダヘッドに設けた複数のホルダに、ニードルベアリングを介して回動自在に支持されている。これらのニードルベアリングには、ホルダに形成したオイル通路を介して、吸気カムシャフト側から潤滑用のオイルが供給される。
以上の構成では、アクチュエータによってコントロール軸を回動させると、ウェブを介して可動軸が変位するのに伴い、第1および第2リンクアームの回動中心間の距離が変化し、吸気カムで駆動されたときのロッカアームの回動ストロークが変化することによって、吸気弁のバルブリフトが無段階に制御され、それに応じて吸入空気量が制御される。
上述した可変バルブリフト機構は、コントロール軸を回動させることによって、吸気弁のリフトを制御し、吸入空気量を制御するものであるため、内燃機関の要求トルクがほぼ一定で、吸入空気量を変化させる必要がないとき、例えば車両のクルーズ運転時などには、コントロール軸は一定の角度位置に保持される。そのようなコントロール軸の保持状態が長時間、継続すると、コントロール軸を支持するニードルベアリングも、長時間、回転されないため、潤滑油膜が切れやすくなり、それに起因して、ニードルベアリングの焼き付きなどの不具合が発生するおそれがある。その場合には、コントロール軸が安定して回動することができなくなり、可変バルブリフトの動作に支障をきたしてしまう。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、可動部材の支持状態を良好に維持でき、可動機構の安定した動作を確保することができる可動機構の制御装置を提供することを目的とする。
特開2005−240615号公報
この目的を達成するため、請求項1に係る発明は、支持部(実施形態における(以下、本項において同じ)ニードルベアリング67)に移動自在に支持された可動部材(コントロール軸66)を有し、可動部材の位置が変更されることによって制御量(バルブリフトLiftin)が制御される可動機構(可変バルブリフト機構50)の制御装置であって、制御量の目標値(基準目標値リフトLiftin_cmd’)を設定する目標値設定手段(ECU2、ステップ18)と、設定された目標値に基づいて可動部材を駆動する駆動手段(ECU2、リフトアクチュエータ60)と、支持部による可動部材の支持状態の不良化を回避するために、制御量の目標値に振動成分Δvibを付加することによって、可動部材を振動させる加振手段(ECU2、ステップ18)と、を備えることを特徴とする。
この可動機構の制御装置によれば、可動機構の制御量の目標値が目標値設定手段によって設定され、この目標値に基づき、駆動手段により可動部材が駆動され、その位置が変更されることによって、可動機構の制御量が目標値に制御される。また、加振手段により、制御量の目標値に所定の振動成分が付加される。これにより、可動部材は、振動成分を付加した目標値に基づいて駆動手段で駆動されることにより、振動させられる。このように、可動部材を強制的に振動させ、動かすことによって、支持部による可動部材の支持状態の不良化、例えば支持部での潤滑油不足および潤滑油膜切れに起因する支持部の焼き付きや、支持部との可動部材の固着などを、確実に回避することができる。その結果、可動部材の支持状態を良好に維持でき、可動機構の安定した動作を確保することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の可動機構の制御装置において、制御量の目標値を保持すべき所定の条件が成立しているか否かを判定する保持条件判定手段(ECU2、ステップ2)をさらに備え、加振手段は、所定の条件が成立していると判定されたときに、可動機構の制御量を実質的に保持可能な振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibで、振動成分Δvibを付加することを特徴とする。
前述したように、可動部材の支持状態の不良化は、可動部材が比較的長い時間、同じ位置に動かないで保持されているときに生じやすい。この構成によれば、制御量の目標値を保持すべき所定の条件が成立していて、可動部材が同じ位置に保持されているときに、目標値に振動成分を付加し、可動部材を振動させるので、この可動部材の加振を、可動部材の支持状態の不良化が生じやすく、その必要性が高いときに、効果的に行うことができる。また、可動部材の加振を、可動機構の制御量を実質的に保持可能な所定の振幅および周波数で行うので、可動機構の制御量および動作状態にはほとんど影響を及ぼさない。なお、本請求項における「可動機構の制御量を実質的に保持可能」とは、可動機構の制御量を実質的に変化させないことを意味し、可動機構の動作によって制御される制御対象(例えば内燃機関の回転数)が存在する場合には、その制御対象に可動機構の影響を及ぼさないように制御量を制御することを意味する。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の可動機構の制御装置において、支持部は軸受(ニードルベアリング67)であり、可動部材は軸受に回動自在に支持されたコントロール軸66であることを特徴とする。
可動部材が軸受に回動自在に支持されたコントロール軸の場合には特に、コントロール軸が回動しないと、軸受も回転しないため、潤滑油不足や潤滑油膜切れにより、軸受に焼き付きなどの不具合が生じやすい。この構成によれば、コントロール軸を強制的に振動させ、回動させることにより、軸受を回転させ、潤滑油膜を形成することによって、軸受の焼き付きなどの不具合を確実に回避することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の可動機構の制御装置において、可動機構は、支持部として軸受(ニードルベアリング67)を有し、可動部材として、軸受に回動自在に支持されたコントロール軸66を有し、コントロール軸の回動角度が変更されることによって内燃機関3の機関弁(吸気弁4)のリフト(バルブリフトLiftin)が制御される可変バルブリフト機構50であり、内燃機関3の運転状態(エンジン回転数NE、アクセル開度AP)を検出する運転状態検出手段(クランク角センサ20、アクセル開度センサ27)を備え、目標値設定手段は、検出された内燃機関3の運転状態に応じ、制御量の目標値として、機関弁の目標リフト(基準目標値リフトLiftin_cmd’)を設定し、検出された内燃機関の運転状態に応じて、目標リフトに付加する振動成分Δvibの振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibを設定する設定手段(ECU2、ステップ7、9、13および15)をさらに備えることを特徴とする。
この構成では、可動機構が内燃機関の可変バルブリフト機構で構成されており、目標値設定手段は、検出された内燃機関の運転状態に応じ、制御量の目標値として、機関弁の目標リフトを設定する。そして、設定した目標リフトに基づいて、コントロール軸を駆動し、その回動角度を変更することによって、内燃機関の機関弁のリフトが制御され、吸入空気量などが制御される。また、目標リフトに振動成分を付加し、コントロール軸を振動させることにより、請求項3に係る発明と同様、コントロール軸を支持する軸受の焼き付きなどの不具合を確実に回避できる。さらに、内燃機関の運転状態に応じて、振動成分の周波数および振幅を設定するので、内燃機関の運転状態に応じた適切な振動をコントロール軸に付与することができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の可動機構の制御装置において、機関弁の目標リフトを保持すべき所定の条件が成立しているか否かを判定する保持条件判定手段(ECU2、ステップ2)をさらに備え、設定手段は、所定の条件が成立していると判定されたときに、振動成分Δvibの振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibを、内燃機関3の運転状態が実質的に保持されるように設定する(ステップ6、7、12および13)ことを特徴とする。
この構成では、機関弁の目標リフトを保持すべき所定の条件が成立しているとき、すなわち、コントロール軸が動かないために、潤滑油不足や潤滑油膜切れにより軸受に焼き付きなどが生じやすいときに、コントロール軸を振動させるので、この振動の付与を、その必要性が高い状況で効果的に行うことができる。また、振動成分の振幅および周波数を、内燃機関の運転状態を実質的に保持されるように設定するので、加振による内燃機関の運転状態への影響はほとんどなく、したがって、内燃機関の排ガス特性、燃費やドライバビリティを良好に維持することができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の可動機構の制御装置において、設定手段は、内燃機関3の運転状態を表す運転状態変数(回転変動量ΔNE)を検出する運転状態変数検出手段(ECU2、ステップ4)と、振動成分Δvibと検出された内燃機関の運転状態変数との相関関数を表す第1相関関数φvib1を算出する第1相関関数算出手段(ECU2、ステップ4)と、を有し、算出された第1相関関数φvib1に基づいて、振動成分Δvibの振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibの少なくとも一方を設定する(ステップ6、7、12および13)ことを特徴とする。
上述したようにして算出される第1相関関数は、目標リフトに付加された振動成分に対する内燃機関の運転状態の追従性の度合を表す。したがって、第1相関関数に基づいて、振動成分の振幅および周波数の少なくとも一方を設定することにより、加振に伴う内燃機関の運転状態の変動を抑制し、排ガス特性、燃費やドライバビリティを良好に維持することができる。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の可動機構の制御装置において、設定手段は、機関弁のリフトを実リフト(バルブリフトLiftin)として検出する実リフト検出手段(回動角センサ25、ECU2)と、振動成分Δvibと、機関弁の実リフトと目標リフト(基準目標値リフトLiftin_cmd’)との偏差量との相関関数を表す第2相関関数φvib2を算出する第2相関関数算出手段(ECU2、ステップ5)と、を有し、算出された第2相関関数φvib2に基づいて、振動成分Δvibの振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibの前記少なくとも一方を設定する(ステップ8、9、14および15)ことを特徴とする。
上述したようにして算出される第2相関関数は、目標リフトに付加された振動成分に対する機関弁の実際のリフトの追従性の度合を表す。また、軸受が回転するためには、振動成分に対して機関弁のリフトが実際に追従していることが必要である。したがって、第2相関関数に基づいて、振動成分の振幅および周波数の少なくとも一方を設定することにより、軸受の回転を確保でき、軸受の焼き付きなどの不具合を確実に防止することができる。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の可動機構の制御装置において、設定手段は、第1相関関数φvib1が所定の第1しきい値δvib1よりも大きいときに振動成分Δvibの振幅Vmaxを減少させ(ステップ6および7)、第2相関関数φvib2が所定の第2しきい値δvib2よりも小さいときに振動成分Δvibの振幅Vmaxを増加させる(ステップ8および9)ことを特徴とする。
この構成では、第1相関関数が第1しきい値よりも大きいとき、すなわち振動成分に対する内燃機関の運転状態の追従性が高いときに、振幅を減少させるとともに、第2相関関数が第2しきい値よりも小さいとき、すなわち振動成分に対する実リフトの追従性が低いときに、振幅を増加させることによって、振動成分の振幅を最適に設定できる。それにより、排ガス特性、燃費やドライバビリティを良好に維持しながら、コントロール軸を最大限に回動させることができる。
請求項9に係る発明は、請求項7に記載の可動機構の制御装置において、設定手段は、第1相関関数φvib1が所定の第3しきい値γvib1よりも大きいときに振動成分Δvibの周波数Fr_vibを増加させ(ステップ12および13)、第2相関関数φvib2が所定の第4しきい値γvib2よりも小さいときに振動成分Δvibの周波数Fr_vibを減少させる(ステップ14および15)ことを特徴とする。
振動成分の周波数が高いほど、吸入空気量の反応が相対的に鈍くなるため、加振が内燃機関の運転状態に及ぼす影響は小さくなる。したがって、第1相関関数が第3しきい値よりも大きいときに周波数を増加させるとともに、第2相関関数が第4しきい値よりも小さいときに周波数を減少させることによって、振動成分の周波数を最適に設定できる。それにより、排ガス特性、燃費やドライバビリティを良好に維持しながら、コントロール軸を最大限に回動させることができる。
請求項10に係る発明は、請求項4ないし7のいずれかに記載の可動機構の制御装置において、内燃機関3がアイドル運転状態にあるか否かを判定するアイドル判定手段(ECU2、ステップ1)をさらに備え、加振手段は、内燃機関3がアイドル運転状態にあるときに、振動成分Δvibの付加を禁止する(ステップ19)ことを特徴とする。
アイドル運転状態では、吸入空気量が小さく、燃焼状態が不安定になりやすいので、加振を禁止することにより、その安定化を図ることができる。
また、前記目的を達成するため、請求項11に係る発明は、支持部(ニードルベアリング67)に移動自在に支持された可動部材(コントロール軸66)を有する可動機構(可変バルブリフト機構50)の制御装置であって、可動部材の停止状態を検出する検出手段(ECU2、ステップ2)と、検出手段により可動部材の停止状態が検出されたときに、可動部材を振動させる加振手段(ECU2、ステップ18)と、を備えることを特徴とする。
この可動機構の制御装置によれば、可動機構の可動部材の停止状態を検出手段によって検出するとともに、可動部材の停止状態が検出されたときに、加振手段によって可動部材を振動させる。このように、可動部材を強制的に振動させ、動かすことによって、請求項1の場合と同様、支持部による可動部材の支持状態の不良化、例えば支持部での潤滑油不足および潤滑油膜切れに起因する支持部の焼き付きや、支持部との可動部材の固着などを、確実に回避することができる。その結果、可動部材の支持状態を良好に維持でき、可動機構の安定した動作を確保することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1および図3は、本発明を適用した内燃機関の可変バルブリフト機構を示し、図2はその制御装置を示している。図2に示すように、この制御装置1はECU2を備えており、このECU2は、後述するように、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態に応じて、可変バルブリフト機構50の加振制御などの各種の制御処理を実行する。
図1および図3に示すように、エンジン3は、4つの気筒3aおよびピストン3b(各1つのみ図示)を有する直列4気筒ガソリンエンジンであり、車両(図示せず)に搭載されている。エンジン3は、気筒3aごとに設けられ、吸気ポート12bおよび排気ポート13bをそれぞれ開閉する吸気弁4および排気弁7と、吸気弁4を駆動するための吸気カムシャフト5、吸気カム6および可変バルブリフト機構50と、排気弁7を駆動するための排気カムシャフト8、排気カム9およびロッカアーム30と、燃料噴射弁10と、点火プラグ11(図2参照)などを備えている。
吸気弁4のステム4aは、シリンダヘッド3cに固定されたガイド4bに摺動自在に嵌合している。図5に示すように、吸気弁4は、上下のスプリングシート4c、4dを有し、それらの間に設けられたバルブスプリング4eによって、閉弁側に付勢されている。
吸気カムシャフト5および排気カムシャフト8はそれぞれ、ホルダ41(図4参照)を介して、シリンダヘッド3cに回転自在に取り付けられている。吸気カムシャフト5は、これと一体の吸気スプロケット、およびタイミングチェーン(いずれも図示せず)を介して、クランクシャフト3dに連結されている。この構成により、吸気カムシャフト5は、クランクシャフト3dが2回転するごとに1回転する。また、吸気カム6は、吸気カムシャフト5と一体に設けられ、気筒3aごとに配置されている。
上記のホルダ41は、各気筒3の両側に配置されており、図4に示すように、シリンダヘッド3cに載置され、固定された上ホルダ42と、上ホルダ42の下面に固定された下ホルダ43と、上ホルダ42の上面に固定された2つのキャップ44、45などで構成されている。吸気カムシャフト5および排気カムシャフト8はそれぞれ、上ホルダ42とキャップ44、45の間に形成された凹部に、回転自在に支持されている。
上ホルダ42には、オイルポンプ(図示せず)から潤滑用のオイルを導くためオイル導入通路42aが形成されており、また、吸気カムシャフト5の下半部に対向する部分に、凹部42bが形成されている。一方、吸気カムシャフト5には、同軸状に延びるオイル通路5aと、オイル通路5aから径方向に延び、外周面に開口する連通孔5bが形成されている。以上の構成により、オイルポンプからのオイルが、オイル導入通路42a、凹部42b、オイル通路5aおよび連通孔5bを介して、吸気カムシャフト5の外周面に供給され、その潤滑が行われる。なお、詳細な説明は省略するが、排気カムシャフト8の潤滑も、同様の構成によって行われる。
可変バルブリフト機構50は、吸気カムシャフト5の回転に伴って、各気筒3aの吸気弁4を開閉するとともに、吸気弁4のリフトを無段階に変更するものであり、その詳細については、後述する。なお、本実施形態では、「吸気弁4のリフト(以下「バルブリフト」という)」は、吸気弁4の最大揚程を表すものとする。
一方、排気弁7のステム7aは、シリンダヘッド3cに固定されたガイド7bに摺動自在に嵌合している。排気弁7は、上下のスプリングシート7c,7dを有し、それらの間に設けられたバルブスプリング7eによって、閉弁側に付勢されている。
排気カムシャフト8は、これと一体の排気スプロケット、およびタイミングチェーン(いずれも図示せず)を介して、クランクシャフト3dに連結されており、クランクシャフト3dが2回転するごとに1回転する。排気カム9は、排気カムシャフト8と一体に設けられ、気筒3aごとに配置されるとともに、ロッカアーム30にローラ30aを介して当接している。
ロッカアーム30は、ホルダ41に保持されたロッカアームシャフト31に回動自在に支持されており、その先端部が、アジャストボルト30bを介して排気弁7の上端に当接している。以上の構成により、排気カムシャフト8が回転すると、ロッカアーム30が排気カム9で押圧されることにより、排気弁7は、バルブスプリング7eの付勢力に抗して下方に回動することにより、開弁される。
燃料噴射弁10は、気筒3aごとに設けられ、燃料を燃焼室3e内に直接噴射するように、傾斜した状態でシリンダヘッド3cに取り付けられている。すなわち、エンジン3は直噴エンジンとして構成されている。また、燃料噴射弁10の開弁時間(燃料噴射量)および開弁タイミングは、ECU2からの制御信号によって制御される。
また、点火プラグ11も、気筒3aごとに設けられ、シリンダヘッド3cに取り付けられている。点火プラグ11は、ECU2からの制御信号により、点火時期に応じたタイミングで燃焼室3e内の混合気を燃焼させるように、放電状態が制御される。
一方、エンジン3には、クランク角センサ20および水温センサ21が設けられている。クランク角センサ20(運転状態検出手段)は、クランクシャフト3dの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。CRK信号は、所定クランク角(例えば10゜)ごとに出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
また、水温センサ21は、エンジン水温TWを表す検出信号をECU2に出力する。このエンジン水温TWは、エンジン3のシリンダブロック3h内を循環する冷却水の温度である。
さらに、エンジン3の吸気管12にはスロットル弁機構が設けられておらず、その吸気通路12aが大口径に形成されており、それにより、流動抵抗が通常のエンジンよりも小さくなるように設定されている。この吸気管12には、エアフローセンサ22および吸気温センサ23(図2参照)が設けられている。
このエアフローセンサ22は、吸気通路12a内を流れる空気の流量Ginを表す検出信号を、ECU2に出力する。また、吸気温センサ23は、吸気通路12a内を流れる空気の温度(以下「吸気温」という)TAを表す検出信号を、ECU2に出力する。
さらに、エンジン3の排気管13には、上流側から順に、LAFセンサ24および触媒装置14がそれぞれ設けられている。LAFセンサ24は、理論空燃比よりもリッチなリッチ領域から極リーン領域までの広範囲な空燃比の領域において、排気管13の排気通路13a内を流れる排気ガス中の酸素濃度をリニアに検出し、その検出信号をECU2に出力する。
次に、図5〜図7を参照しながら、前述した可変バルブリフト機構50について説明する。この可変バルブリフト機構50は、吸気カムシャフト5の回転に伴って吸気弁4を開閉するとともに、バルブリフトLiftinを無段階に変更するものであり、気筒3aごとに設けられた四節リンク式のロッカアーム機構51と、これらのロッカアーム機構51を駆動するリフトアクチュエータ60(図6参照)などを備えている。
各ロッカアーム機構51は、ロッカアーム52および上下のリンクアーム53、54などで構成されている。この上リンクアーム53の一端部は、上ピン55を介して、ロッカアーム52の上端部に回動自在に取り付けられており、他端部は、ロッカアームシャフト56に回動自在に取り付けられている。このロッカアームシャフト56は、ホルダ41を介して、シリンダヘッド3cに固定されている(図4参照)。
また、ロッカアーム52の上ピン55には、ローラ57が回動自在に設けられており、このローラ57に吸気カム6が当接している。吸気カム6が回転すると、ロッカアーム52は、ローラ57を介して吸気カム6のカム面で押圧されることにより、上下方向に駆動されるとともに、上リンクアーム53は、ロッカアームシャフト56を中心として回動する。
さらに、ロッカアーム52の先端部には、アジャストボルト52aが取り付けられており、吸気弁4の上端に当接している。吸気カムシャフト5の回転に伴い、ロッカアーム52が吸気カム6で下方に駆動されると、吸気弁4は、バルブスプリング4eの付勢力に抗して下方に移動することにより、開弁される。
また、下リンクアーム54の一端部は、下ピン58を介して、ロッカアーム52の下端部に回動自在に取り付けられており、下リンクアーム54の他端部には、連結軸59が回動自在に取り付けられている。下リンクアーム54は、この連結軸59を介して、リフトアクチュエータ60の後述する短アーム65に連結されている。
一方、リフトアクチュエータ60は、図6に示すように、モータ61、ナット62、リンク63、長アーム64および短アーム65などを備えている。モータ61は、ECU2に接続され、エンジン3のヘッドカバー3gの外側に配置されている。モータ61の回転軸は、軸受(図示せず)に回転自在に支持されるとともに、雄ねじが形成されたねじ軸61aになっており、このねじ軸61aにナット62が螺合している。ナット62には、ピン63aを介してリンク63の一端部が回動自在に連結され、リンク63の他端部には、ピン63bを介して長アーム64の一端部が回動自在に連結されている。
この長アーム64には、コントロール軸66を介して短アーム65が連結されている。これら三者は一体に構成されており、コントロール軸66の回動に伴い、長アーム64および短アーム65はこれと一体に回動する。さらに、短アーム65の他端部には、前述した連結軸59が回動自在に取り付けられており、これにより、短アーム65は、連結軸59を介して、下リンクアーム54に連結されている。
図4に示すように、コントロール軸66は、ホルダ41の上ホルダ42と下ホルダ43の間に形成される凹部に、ニードルベアリング67を介して回動自在に支持されている。また、上ホルダ42のニードルベアリング67と凹部42bとの間には、オイル通路42cが形成されており、このオイル通路42cを介して、凹部42b側からニードルベアリング67に潤滑用のオイルが供給される。
次に、上記構成の可変バルブリフト機構50の動作について説明する。この可変バルブリフト機構50では、ECU2から、後述するリフト制御入力Uliftinがリフトアクチュエータ60に入力されると、ねじ軸61aが回転し、それに伴うナット62の移動により、長アーム64および短アーム65がコントロール軸66を中心として一体に回動する。この短アーム65の回動に伴い、ロッカアーム機構51の下リンクアーム54が、下ピン58を中心として回動する。
その際、ストッパ(図示せず)に当接することにより、短アーム65の回動範囲は、図6(a)に示す最大リフト位置と同図(b)に示す最小リフト位置との間に規制され、それにより、下リンクアーム54は、図5に実線で示す最大リフト位置と、2点鎖線で示す最小リフト位置との間で回動する。
下リンクアーム54が最大リフト位置にある場合には、上ピン55および下ピン58の中心間の距離が、ロッカアームシャフト56および連結軸59の中心間の距離よりも長くなる。このため、吸気カム6が回転すると、図7(a)に示すように、吸気カム6とローラ57との当接点の移動量よりも、アジャストボルト52aの移動量の方が大きくなる。
一方、下リンクアーム54が最小リフト位置にある場合には、上ピン55および下ピン58の中心間の距離が、ロッカアームシャフト56および連結軸59の中心間の距離よりも短くなる。それにより、図7(b)に示すように、吸気カム6とローラ57との当接点の移動量よりも、アジャストボルト52aの移動量の方が小さくなる。
以上により、下リンクアーム54が最大リフト位置にあるときには、吸気弁4のバルブリフトLiftinが最大値Liftinmaxになり、吸気カム6の回転に伴い、吸気弁4は、図8に実線で示すバルブリフト曲線に従って開弁する。一方、下リンクアーム54が最小リフト位置にあるときには、バルブリフトLiftinが最小値Liftinminになり、吸気弁4は、図8に2点鎖線で示すバルブリフト曲線に従って開弁する。
したがって、この可変バルブリフト機構50では、リフトアクチュエータ60を介して、下リンクアーム54を最大リフト位置と最小リフト位置との間で回動させることにより、バルブリフトLiftinを、最大値Liftinmaxと最小値Liftinminとの間で無段階に変化させることができる。
また、コントロール軸66の回動角は、回動角センサ25(実リフト検出手段)によって検出され(図2参照)、その検出信号はECU2に出力される。ECU2は、この回動角センサ25の検出信号に基づき、実際のバルブリフトLiftinを算出する。
さらに、図2に示すように、ECU2には、車速センサ26から、車両の速度(以下「車速」という)VPを表す検出信号が、アクセル開度センサ27(運転状態検出手段)から、車両のアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が、イグニッション・スイッチ(IG・SW)28から、イグニッションキー(図示せず)のON/OFF状態を表す信号が、それぞれ出力される。
ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。本実施形態では、ECU2が、目標値設定手段、駆動手段、加振手段、保持条件判定手段、設定手段、運転状態変数検出手段、第1相関関数算出手段、実リフト検出手段、第2相関関数算出手段、アイドル判定手段、および検出手段に相当する。
ECU2は、前述した各種のセンサ20〜27の検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、各種の制御処理を実行する。具体的には、ECU2は、判別したエンジン3の運転状態に応じて、燃料噴射量および噴射タイミングを決定し、それに基づく駆動信号を燃料噴射弁10に出力するとともに、点火時期を決定し、それに基づく駆動信号を点火プラグ11に出力する。
また、ECU2は、吸気弁4の目標リフトLiftin_cmdを後述するようにして設定するとともに、検出された実際のバルブリフト(以下、適宜「実バルブリフト」という)Liftinが目標リフトLiftin_cmdになるように、可変バルブリフト機構50のコントロール軸66を駆動することによって、吸入空気量を制御する。
上述した吸気弁4の目標リフトLiftin_cmdは、次式(1)によって設定される。
Liftin_cmd(k)
=Liftin_cmd’(k)+ Δvib(k) ・・・(1)
ここで、右辺の第1項Liftin_cmd’は、基準目標値であり、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じて設定される。この基準目標値Liftin_cmd’は、エンジン回転数NEが高いほど、またアクセル開度APが大きいほど、エンジン3に対する要求出力が大きいことで、より大きな吸入空気量が要求されるため、より大きな値に設定される。
また、第2項Δvib(k)は、後述する加振制御時に付加される振動成分であり、図11に示すように、振幅をVmaxとし、周波数をFr_vibとするサイン波で構成されている。
また、式(1)中の記号kは、各離散データのサンプリングサイクルまたは算出サイクルの順序を表している。例えば、記号kは今回の算出サイクルで算出された値であることを、記号k−1は前回の算出サイクルで算出された値であることを、それぞれ示す。この点は、以下の離散データにおいても同様である。なお、以下の説明では、各離散データにおける記号(k)を適宜省略する。
図9および図10は、上述した振動成分Δvibの設定を含む加振制御処理を示している。この加振制御処理は、吸気弁4のバルブリフトLiftinを保持した際の、可変バルブリフト機構50のコントロール軸66を支持するニードルベアリング67の焼き付きなどを防止するために、エンジン3の運転状態に実質的な影響を及ぼさないようにしながら、吸気弁4の基準目標値Liftin_cmd’に振動成分Δvibを付加することで、コントロール軸66を振動させる(以下、この動作を適宜「加振動作」という)ものである。
まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)では、エンジン3がアイドル運転中であるか否かを判別する。この判別は、例えばエンジン回転数NEおよび車速VPに基づいて行われる。この答がYESで、アイドル運転中のときには、コントロール軸66の加振動作を行わないものとして、振動成分Δvib(k)を値0に設定し(ステップ19)、本処理を終了する。これは、アイドル運転状態では、もともと吸入空気量が小さく、燃焼状態が不安定になりやすいので、加振動作を禁止することによって、アイドル運転の安定化を図るためである。
ステップ1の答がNOのときには、リフト保持フラグF_liftholdが「1」であるか否かを判別する(ステップ2)。このリフト保持フラグF_liftholdは、目標リフトLiftin_cmdを保持すべき条件が成立しているとき、例えば車速VPおよびアクセル開度APがほぼ一定で、車両のクルーズ走行条件が成立しているときに、「1」にセットされるものである。このステップ2の答がNOのときには、目標リフトLiftin_cmdが変化するのに応じてコントロール軸66も動いており、ニードルベアリング67の焼き付きが発生するおそれがないため、加振動作を行わないものとして、前記ステップ19を実行し、本処理を終了する。
前記ステップ2の答がYESで、目標リフトLiftin_cmdの保持条件が成立しているときには、基準目標値Liftin_cmd’が下限値Liftin_air_hold以上であるか否かを判別する(ステップ3)。この答がNOのときには、基準目標値Liftin_cmd’が小さいことで、吸入空気量も小さいため、加振動作により吸入空気量を変動させ、エンジントルクに影響を及ぼすおそれがあるので、やはり加振動作を行わないものとして、前記ステップ19を実行し、本処理を終了する。なお、上記の下限値Liftin_air_holdは、例えばエンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じて設定される。
前記ステップ3の答がYESで、Liftin_cmd’≧Liftin_air_holdのときには、次式(2)によって、第1相関関数φvib1を算出する(ステップ4)。
Figure 2008014251
ここで、ΔNEは、回転変動量であり、図11(c)に示すように、実際のエンジン回転数NEと回転数平均値NEAVEとの偏差を表す。この回転数平均値NEAVEは、検出されたエンジン回転数NEに、振動成分Δvibの周波数に応じて、移動平均やイプシロンフィルタなどのフィルタリング処理を施すことによって、算出される。また、dは、振動成分Δvibを加えた後、エンジン回転数NEの変化となって現れるまでのむだ時間である。
式(2)からわかるように、第1相関関数φvib1は、振動成分Δvibに対するエンジン回転数NEの追従性の度合を表し、その値が大きいほど、エンジン回転数NEの追従性が高いことを示す。
次いで、次式(3)によって、第2相関関数φvib2を算出する(ステップ5)。
Figure 2008014251
式(3)からわかるように、第2相関関数φvib2は、振動成分Δvibに対する吸気弁4の実バルブリフトLiftinの追従性の度合を表し、その値が大きいほど、振動成分Δvibに追従して、バルブリフトLiftinが実際によく動いていて、ニードルベアリング67の回転度合がより高いことを表す。
次いで、ステップ6〜9において、上記のように算出した第1相関関数φvib1および第2相関関数φvib2に応じて、振動成分Δvibの振幅Vmaxを補正する。まず、ステップ6では、第1相関関数φvib1が所定の第1しきい値δvib1よりも大きいか否かを判別する。φvib1>δvib1のときには、振動成分Δvibに対するエンジン回転数NEの追従性が高いことから、加振によるエンジン回転数NEの変動を抑制するために、振幅の前回値Vmax(k−1)から所定の振幅減少補正量Vmax_downを減算した値を、今回値Vmax(k)として設定し、振幅Vmaxを減少させる(ステップ7)。
このステップ7の後、またはステップ6の答がNOのときには、第2相関関数φvib2が所定の第2しきい値δvib2よりも小さいか否かを判別する(ステップ8)。φvib2<δvib2のときには、振動成分Δvibに対する実バルブリフトLiftinの追従性が低いことから、ニードルベアリング67を十分に回転させるために、振幅の前回値Vmax(k−1)に所定の振幅増加補正量Vmax_upを加算した値を、今回値Vmax(k)として設定し、振幅Vmaxを増加させる(ステップ9)。
このステップ9の後、またはステップ8の答がNOのときには、算出した振幅Vmax(k)のリミット処理を行う。具体的には、振幅Vmax(k)が所定の上限値εvibよりも大きいか否かを判別し(ステップ10)、Vmax(k)>εvibのときには、振幅Vmax(k)を上限値εvibに設定し(ステップ11)、Vmax(k)≦εvibのときには、そのままステップ12以降に進む。
ステップ12〜15では、第1相関関数φvib1および第2相関関数φvib2に応じて、振動成分Δvibの周波数Fr_vibを補正する。これは、例えば周波数Fr_vibが高いほど、吸入空気量の反応が相対的に鈍くなるので、周波数Fr_vibによって、エンジン3の運転状態に及ぼす加振の影響を調整できるためである。
まず、ステップ12では、第1相関関数φvib1が所定の第3しきい値γvib1よりも大きいか否かを判別する。φvib1>γvib1のときには、加振によるエンジン回転数NEの変動を抑制するために、周波数の前回値Fr_vib(k−1)に所定の周波数増加補正量Fr_vib_upを加算した値を、今回値Fr_vib(k)として設定し、周波数Fr_vibを増加させる(ステップ13)。
このステップ13の後、またはステップ12の答がNOのときには、第2相関関数φvib2が所定の第4しきい値γvib2よりも小さいか否かを判別する(ステップ14)。φvib2<γvib2のときには、ニードルベアリング67をより回転させるために、周波数の前回値Fr_vib(k−1)から所定の周波数減少補正量Fr_vib_downを減算した値を、今回値Fr_vib(k)として設定し、周波数Fr_vibを減少させる(ステップ15)。
このステップ15の後、またはステップ14の答がNOのときには、算出した周波数Fr_vib(k)のリミット処理を行う。具体的には、周波数Fr_vib(k)が所定の上限値ρvibよりも大きいか否かを判別し(ステップ16)、Fr_vib(k)>ρvibのときには、周波数Fr_vib(k)を上限値ρvibに設定し(ステップ17)、Fr_vib(k)≦ρvibのときには、そのままステップ18に進む。
このステップ18では、以上のようにして算出した振幅Vmax(k)および周波数Fr_vib(k)に基づく振動成分Δvib(k)を、前記式(1)に適用し、基準目標値Liftin_cmd’に加算することによって、吸気弁4の目標リフトLiftin_cmdを算出する。
そして、吸気弁4の実バルブリフトLiftinが設定した目標リフトLiftin_cmdになるように、リフト制御入力Uliftinを算出し、このリフト制御入力Uliftinを可変バルブリフト機構50のリフトアクチュエータ60に入力し、コントロール軸66を駆動することによって、実バルブリフトLiftinが制御される。
なお、この場合のリフト制御入力Uliftinの算出手段として、任意のものを用いることが可能である。特に、外乱推定手段である適応外乱オブザーバと、非線形特性を補償する分割デルタシグマ変調器と、目標値形状を決定するフィルタリング手段を備えた2自由度応答指定型制御アルゴリズムを用いることによって、設定された振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibに対して可変バルブリフト機構50をオーバーシュートさせることなく、実バルブリフトLiftinを目標リフトLiftin_cmdに精度良く追従させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、吸気弁4の目標リフトの基準目標値Liftin_cmd’に振動成分Δvibを付加することによって、目標リフトLiftin_cmdを算出し、可変バルブリフト機構50のコントロール軸66を強制的に振動させ、回動させる。これにより、コントロール軸66を支持するニードルベアリング67を回転させ、潤滑油膜を形成することによって、ニードルベアリング67の焼き付きなどの不具合を回避でき、コントロール軸66の支持状態を良好に維持することができる。
また、基準目標値Liftin_cmd’を保持すべき条件が成立しているとき(ステップ2:YES)、すなわち、コントロール軸66が動かないために、ニードルベアリング67に焼き付きが生じやすいときに、コントロール軸66を加振するので、この加振動作を、その必要性が高い状況で効果的に行うことができる。
さらに、振動成分Δvibの振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibを、振動成分Δvibに対する実バルブリフトLiftinの追従性の度合を表す第2相関関数φvib2に応じて、前述したように設定するので(ステップ8、9、14および15)、加振によるニードルベアリング67の回転を確保でき、したがって、ニードルベアリング67の焼き付きを確実に回避することができる。
また、振動成分Δvibの振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibを、振動成分Δvibに対するエンジン回転数NEの追従性の度合を表す第1相関関数φvib1に応じて、前述したように設定するので(ステップ6、7、12および13)、加振によるエンジン回転数NEへの影響はほとんどない。さらに、目標リフトの基準目標値Liftin_cmd’が下限値Liftin_air_hold以上のとき(ステップ3:YES)に限り、加振動作を実行するので、加振動作による吸入空気量およびエンジントルクへの影響もほとんどない。以上により、コントロール軸66の加振を、エンジン3の運転状態に影響を及ぼすことなく行うことができ、したがって、排ガス特性、燃費やドライバビリティを良好に維持することができる。
また、エンジン3のアイドル運転中(ステップ1:YES)には、加振動作を禁止するので、加振により燃焼状態が不安定になるのを防止でき、アイドル運転の安定化を図ることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、吸気弁4の目標リフトLiftin_cmdを保持すべき条件が成立しているときに、コントロール軸66が停止しているとして、加振動作を実行しているが、これに代えて、またはこれとともに、他の適当な条件が成立しているときに、加振動作を実行してもよい。例えば、検出された実バルブリフトLiftinが一定のとき、あるいはその変化量が小さいときなどに、加振動作を実行してもよく、それにより、ニードルベアリング67の焼き付きをさらに適切に防止することができる。
あるいは、コントロール軸66の停止状態をセンサなどによって直接、検出し、停止状態が検出されたときに、加振動作を行うようにしてもよい。それにより、コントロール軸66が実際に停止しているときに、その加振を効果的に行うことができる。また、そのような加振制御を、コントロール軸66に限らず、他の可動部材、例えばコントロール軸66を駆動するモータ61の軸受に支持されたねじ軸61aに適用できることはもちろんである。
また、実施形態では、第1相関関数φvib1および第2相関関数φvib2の双方に応じて、振動成分Δvibの振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibの双方を補正し、設定しているが、両相関関数φvib1、φvib2のいずれか一方に応じて、振幅Vmaxおよび周波数Fr_vibのいずれか一方を設定してもよい。
さらに、実施形態では、第1および第2相関関数φvib1、φvib2をそれぞれ、振動成分Δvibと回転変動量ΔNEおよび実バルブリフトLiftinとの相関関数として求めているが、この場合の振動成分Δvibに代えて、式(1)によって算出した、振動成分Δvibを付加した後の目標リフトLiftin_cmdを用いてもよい。また、実施形態では、この振動成分Δvib(k)として、サイン波を用いたが、これに代えて矩形波や三角波などを用いてもよい。
また、実施形態は、可動部材としてコントロール軸を用いた内燃機関の可変バルブリフト機構の例であるが、本発明は、これに限らず、支持状態の不良化を生じるおそれがある可動部材を有する可動機構に広く適用することができる。例えば、可動部材は、コントロール軸のような回動タイプのものに限らず、スライドタイプのものでもよく、その場合には、可動部材を加振し、往復動させることによって、支持部との固着などを有効に防止することができる。また、本発明を、可変バルブリフト機構以外のアクチュエータ機構、あるいはアクチュエータ機構以外の可動機構に適用できることはもちろんである。
本発明を適用した可変バルブリフト機構を備えた内燃機関の構成を概略的に示す図である。 内燃機関の制御装置を概略的に示すブロック図である。 図1の部分拡大断面図である。 シリンダヘッドのホルダの部分の断面図である。 可変バルブリフト機構を示す断面図である。 可変バルブリフト機構のリフトアクチュエータを、その短アームが(a)最大リフト位置および(b)最小リフト位置にある状態において示す図である。 可変バルブリフト機構の下リンクが(a)最大リフト位置および(b)最小リフト位置にあるときの吸気弁の開弁状態を示す図である。 下リンクが最大リフト位置(実線)および最小リフト位置(2点鎖線)にあるときの吸気弁のバルブリフト曲線を示す図である。 可変バルブリフト機構の加振制御処理を示すフローチャートである。 図9の続きを示すフローチャートである。 加振制御処理によって得られる動作例を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 制御装置
2 ECU(目標値設定手段、駆動手段、加振手段、保持条件判定手段、設定手段、運
転状態変数検出手段、第1相関関数算出手段、実リフト検出手段、第2相関関数算
出手段、アイドル判定手段、検出手段)
3 内燃機関
4 吸気弁(機関弁)
20 クランク角センサ(運転状態検出手段)
25 回動角センサ(実リフト検出手段)
27 アクセル開度センサ(運転状態検出手段)
50 可変バルブリフト機構(可動機構)
60 リフトアクチュエータ(駆動手段)
66 コントロール軸(可動部材)
67 ニードルベアリング(軸受)
NE エンジン回転数(内燃機関の運転状態)
AP アクセル開度(内燃機関の運転状態)
Liftin バルブリフト(実バルブリフト)
Liftin_cmd’基準目標値(目標リフト)
Liftin_cmd 目標リフト
Δvib 振動成分
Vmax 振動成分Δvibの振幅
Fr_vib 振動成分Δvibの周波数
ΔNE 回動変動量(運転状態変数)
φvib1 第1相関関数
φvib2 第2相関関数
δvib1 第1しきい値
δvib2 第2しきい値
γvib1 第3しきい値
γvib2 第4しきい値

Claims (11)

  1. 支持部に移動自在に支持された可動部材を有し、当該可動部材の位置が変更されることによって制御量が制御される可動機構の制御装置であって、
    前記制御量の目標値を設定する目標値設定手段と、
    当該設定された目標値に基づいて前記可動部材を駆動する駆動手段と、
    前記支持部による前記可動部材の支持状態の不良化を回避するために、前記制御量の前記目標値に振動成分を付加することによって、前記可動部材を振動させる加振手段と、
    を備えることを特徴とする可動機構の制御装置。
  2. 前記制御量の前記目標値を保持すべき所定の条件が成立しているか否かを判定する保持条件判定手段をさらに備え、
    前記加振手段は、前記所定の条件が成立していると判定されたときに、前記可動機構の前記制御量を実質的に保持可能な振幅および周波数で、前記振動成分を付加することを特徴とする、請求項1に記載の可動機構の制御装置。
  3. 前記支持部は軸受であり、前記可動部材は当該軸受に回動自在に支持されたコントロール軸であることを特徴とする、請求項1または2に記載の可動機構の制御装置。
  4. 前記可動機構は、前記支持部として軸受を有し、前記可動部材として、前記軸受に回動自在に支持されたコントロール軸を有し、当該コントロール軸の回動角度が変更されることによって内燃機関の機関弁のリフトが制御される可変バルブリフト機構であり、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、
    前記目標値設定手段は、前記検出された内燃機関の運転状態に応じ、前記制御量の前記目標値として、前記機関弁の目標リフトを設定し、
    前記検出された内燃機関の運転状態に応じて、前記目標リフトに付加する前記振動成分の振幅および周波数を設定する設定手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の可動機構の制御装置。
  5. 前記機関弁の前記目標リフトを保持すべき所定の条件が成立しているか否かを判定する保持条件判定手段をさらに備え、
    前記設定手段は、前記所定の条件が成立していると判定されたときに、前記振動成分の振幅および周波数を、前記内燃機関の運転状態が実質的に保持されるように設定することを特徴とする、請求項4に記載の可動機構の制御装置。
  6. 前記設定手段は、
    前記内燃機関の運転状態を表す運転状態変数を検出する運転状態変数検出手段と、
    前記振動成分と前記検出された内燃機関の運転状態変数との相関関数を表す第1相関関数を算出する第1相関関数算出手段と、を有し、
    当該算出された第1相関関数に基づいて、前記振動成分の振幅および周波数の少なくとも一方を設定することを特徴とする、請求項5に記載の可動機構の制御装置。
  7. 前記設定手段は、
    前記機関弁のリフトを実リフトとして検出する実リフト検出手段と、
    前記振動成分と、前記機関弁の前記実リフトと前記目標リフトとの偏差量との相関関数を表す第2相関関数を算出する第2相関関数算出手段と、を有し、
    当該算出された第2相関関数に基づいて、前記振動成分の振幅および周波数の前記少なくとも一方を設定することを特徴とする、請求項6に記載の可動機構の制御装置。
  8. 前記設定手段は、前記第1相関関数が所定の第1しきい値よりも大きいときに前記振動成分の振幅を減少させ、前記第2相関関数が所定の第2しきい値よりも小さいときに前記振動成分の振幅を増加させることを特徴とする、請求項7に記載の可動機構の制御装置。
  9. 前記設定手段は、前記第1相関関数が所定の第3しきい値よりも大きいときに前記振動成分の周波数を増加させ、前記第2相関関数が所定の第4しきい値よりも小さいときに前記振動成分の周波数を減少させることを特徴とする、請求項7に記載の可動機構の制御装置。
  10. 前記内燃機関がアイドル運転状態にあるか否かを判定するアイドル判定手段をさらに備え、
    前記加振手段は、前記内燃機関がアイドル運転状態にあるときに、前記振動成分の付加を禁止することを特徴とする、請求項4ないし7のいずれかに記載の可動機構の制御装置。
  11. 支持部に移動自在に支持された可動部材を有する可動機構の制御装置であって、
    前記可動部材の停止状態を検出する検出手段と、
    当該検出手段により前記可動部材の停止状態が検出されたときに、前記可動部材を振動させる加振手段と、
    を備えることを特徴とする可動機構の制御装置。
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JP2013036467A (ja) * 2012-09-18 2013-02-21 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の可変圧縮比機構の制御装置

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