JP2008014151A - シリンダライナ潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、燃料を潤滑油として利用するディーゼルエンジンのシリンダにおける良好な潤滑性能を得ることができるシリンダライナ潤滑構造を提供することを課題とする。
【解決手段】シリンダライナ潤滑構造は、燃料を潤滑油として利用するエンジンに装着される。燃料噴射弁(11)は、筒内燃焼を行うための燃焼噴射と、シリンダライナ(3a)に潤滑油を供給する潤滑噴射とを行う。燃料噴射弁(11)は、燃料噴流の広がり角を調整する広がり角調整手段を有している。燃料噴射弁(11)は、広がり角調整手段によって広がり角を変化させながらシリンダライナ(3a)に向けた潤滑油の噴射を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、軽油等の燃料を潤滑油として利用するエンジンのシリンダライナ潤滑構造に関する。
従来、大型船舶ディーゼル機関のシリンダライナ摺動面へシリンダ油を注入するシリンダ注油装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1には、燃料噴射ポンプから吐出される燃料油により駆動されるプランジャピストンを設け、このプランジャピストンの往復動により、シリンダ油を燃料噴射時期と略同期のピストン上死点近傍で注油口に送給し、ピストン上死点近傍において充分な量のシリンダ油をシリンダライナの摺動面に供給する構成が開示されている。注油口からのシリンダ油の噴射は、機関のクランク軸に連動される燃料カムでプランジャが駆動されることによって行われる。
また、燃料である軽油を潤滑油として利用する軽油潤滑式ディーゼルエンジンが開示されている(特許文献2)。このような軽油潤滑式ディーゼルエンジンでは、燃料となる軽油がエンジン各部の潤滑剤としても用いられ、エンジン各部を循環する。このため、潤滑専用の油は不要であり、オイル交換の手間も省くことができる。
特開平7−42522号公報 実開昭60−194112号公報
特許文献1に開示されたシリンダ注油装置は、筒内での燃焼のために燃料噴射弁へ高圧の燃料を供給する燃料噴射ポンプから吐出された燃料をプランジャピストンへ分岐させ、このプランジャピストンの往復動によってシリンダ油を注油口に送給する構成となっている。すなわち、燃料噴射ポンプで圧力を高めた燃料を利用してプランジャピストンを駆動し、潤滑用のシリンダ油をシリンダライナへ供給する構成となっている。
このため、特許文献1に開示されたこのようなシリンダ注油装置を特許文献2に開示されたような燃料が潤滑油を兼ねる形式のディーゼルエンジンには、そのままの形態では搭載することはできない。
また、特許文献2に開示されたようなディーゼルエンジンでは、以下のような問題が生じるおそれがある。このようなディーゼルエンジンでは燃料として一般的に軽油を用い、軽油が潤滑系に供給されて各部の潤滑に寄与する。しかし、軽油は、一般的なエンジンオイルよりも蒸発し易く、粘度も低いことから、一旦エンジンが停止した後、再始動する際に、シリンダライナに供給されている潤滑油が不足して油膜切れを起こし、ピストンとシリンダライナとの摩耗が増大するおそれがある。
そこで、本発明は、エンジン、特に、燃料を潤滑油として利用するディーゼルエンジンのシリンダにおける良好な潤滑性能を得ることができるシリンダライナ潤滑構造を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するための、本発明のシリンダライナ潤滑構造は、燃料を潤滑油として利用するエンジンにおけるシリンダライナ潤滑構造であって、燃焼噴射と、潤滑噴射とを行う燃料噴射弁と、当該燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。本発明における燃料噴射弁は噴射した燃料に着火させるための燃焼噴射を行うのみならず、シリンダライナにおける潤滑油としての燃料を噴射する潤滑噴射を行う。従って、本発明では、このような燃料噴射弁を、一気筒につき、一本装着すればよい。
このようなシリンダライナ潤滑構造における前記燃料噴射弁は、前記潤滑噴射における燃料噴流の広がり角を調整する広がり角調整手段を有する構成とすることができる(請求項2)。このような構成とすることにより、潤滑油が付着する位置を上下させてシリンダライナに潤滑油を供給することができる。すなわち、前記燃料噴射弁は、前記燃料噴流における広がり角を調整する広がり角調整手段を有し、広がり角を変化させながら前記潤滑噴射を行う構成とすることができる(請求項3)。
潤滑噴射は、シリンダライナに潤滑油を供給する目的で行うものである。このような潤滑噴射により噴射された潤滑油がピストン頂部に付着すると、燃焼が行われる際に白煙が生じる等の不都合が生じる。このような事態を回避すべく、前記燃料噴射弁は、ピストン停止位置判定手段によってピストンが下死点近傍に停止していると判断されたときに、前記潤滑噴射を行う構成とすることができる(請求項4)。
また、本発明における燃料噴射弁は、前記のように燃焼噴射と潤滑噴射とを行うものである。このため、前記燃料噴射弁による前記燃焼噴射時に、ピストン頂部に形成されたキャビティ内に向かって噴射される燃料の噴流の延長線上にシリンダライナにおける潤滑油必要箇所の上端縁が設定されている構成とすることができる(請求項5)。燃料噴射弁は、前記のような広がり角調整手段を備えていない構成のものを採用することができるが、この場合、噴射された燃料の噴流の広がり角はほぼ一定となる。このため、前記のような位置関係を形成することにより、良好な燃焼特性と、潤滑特性とを両立させることができる。
前記のように潤滑噴射された潤滑油は、ピストンに付着すると種々の不都合が生じる。このような不都合を回避するため、本発明における前記燃料噴射弁は、ピストンに直接燃料が付着しない範囲内で前記潤滑噴射を行う構成とする(請求項6)。
本発明のシリンダライナ潤滑構造は、噴流の広がり角を調整したり、噴射のタイミングを調整したりすることによってシリンダライナに潤滑油を供給する。これらの制御は、本発明における制御手段によって行われる。
本発明によれば、気筒毎に設置される燃料噴射弁において、噴流の広がりを調整したり、噴射のタイミングを調整したりしてピストンが始動する以前にシリンダライナに潤滑油を供給するようにしたので、軽油等の燃料を潤滑油として利用したエンジンのエンジン再始動時においても良好な潤滑特性を確保することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、エンジン2に組み込んだ本発明のシリンダライナ潤滑構造1の概略構成を示した説明図である。エンジン2は、燃料である軽油を潤滑油として利用する形式のディーゼルエンジンである。エンジン2は、シリンダブロック3、シリンダヘッド4を備えている。シリンダブロック3内には、シリンダライナ3aが設けられると共にピストン5が組み込まれ、燃焼室6が形成されている。シリンダヘッド4には、一対の吸気ポート7が形成され、一対の吸気弁8が組み込まれている。さらに、一対の排気ポート9が形成され、一対の排気弁10が組み込まれている。燃焼室6の頂部中央部には燃料噴射弁11が装着されている。燃料噴射弁11は、エンジン2のクランクシャフトにより駆動される噴射ポンプ12と接続されている。燃料噴射弁11と噴射ポンプ12との間にはリザーバ13が介装されている。リザーバ13には、内部の燃料圧に比例した出力電圧を発生する燃料圧センサ13aが装着されている。
図2は、燃料噴射弁11の断面図である。燃料噴射弁11は、ノズル口60、このノズル口60の開閉制御を行うニードル61、加圧ピン62を備えている。ニードル61には、円錐状をなした受圧面63が形成されており、この受圧面63の周囲には燃料溜め64が形成されている。この燃料溜め64は、一方が燃料供給口65に通じており、他方がノズル口60に通じている。燃料噴射弁11はさらに、ニードル61に整列配置されたロッド70、ピストン71、このピストン71を駆動するためのピエゾ圧電素子72、ピストン71をピエゾ圧電素子72に向けて押圧するための皿ばね73とが設けられ、ロッド70とピストン71間には燃料で満たされた圧力制御室74が形成される。また、ロッド70の周囲には燃料貯留室75が形成されている。この燃料貯留室75は一方では燃料溜め64を通じてノズル口60に連結され、他方では燃料供給口65を通じてリザーバ13内に連結される。
ピエゾ圧電素子72は図1に示すように対応する駆動回路28を介して出力ポート26に連結される。ピエゾ圧電素子72に電荷をチャージするとピエゾ圧電素子72は軸方向に伸長し、ピストン71が下降する。その結果、圧力制御室74内の燃料圧が上昇するためにロッド70を介してニードル61が下方に付勢され、燃料噴射が停止される。一方、ピエゾ圧電素子72から電荷をディスチャージするとピエゾ圧電素子72は軸方向に収縮し、ピストン71が上昇する。その結果、圧力制御室74内の燃料圧が低下するためにニードル61の受圧面63に作用する燃料圧によってニードル61が上昇し、燃料噴射が開始されることになる。
燃料噴射弁11には、さらに、ニードル61の先端部の周りに螺旋状をなす弾性体76が配置されている。この螺旋状弾性体76はその内周面がニードル61の外周面上に接している断面矩形状をなし、螺旋状弾性体76の上端部はスライダ77上に着座している。燃料貯留室75の上方にはロッド70の軸線方向に摺動可能な環状ピストン78が挿入されており、スライダ77は連結ロッド79を介して環状ピストン78に連結される。従って環状ピストン78が上下動するとそれに伴ってスライダ77も上下動する。
環状ピストン78の上方には圧力制御室78aが形成され、この圧力制御室78aは図1に示すようにリリーフ圧を制御可能なリリーフ弁97及び燃料供給ポンプ98を介して燃料タンク99に連結される。リリーフ弁97は対応する駆動回路28を介して出力ポート26に接続され、圧力制御室78a内の燃料は電子制御ユニット20の出力信号に基づいてリリーフ弁97により予め定められた燃料圧に制御される。
リリーフ弁97により圧力制御室78a内の燃料圧が高くされるとピストン78が下降し、図3(a)に示されるようにスライダ77も下降する。スライダ77が下降すると螺旋状弾性体76がニードル61の軸線方向に収縮し、螺旋状弾性体76間を流れる燃料流に付与される旋回力が強められる。その結果、ノズル口60から噴射された燃料の広がり角が大きくなる。これに対して、リリーフ弁97により圧力制御室78a内の燃料圧が低くされると環状ピストン78が上昇し、図3(b)に示されるようにスライダ77も上昇する。スライダ77が上昇すると螺旋状弾性体76がニードル61の軸線方向に伸張し、螺旋状弾性体76間を流れる燃料流に付与される旋回力が弱められる。その結果、ノズル口60から噴射された燃料の広がり角が小さくなる。
このようにこの実施例では圧力制御室78a内の燃料圧を制御することによって噴射燃料の広がり角が制御される。すなわち、リリーフ弁97、燃料供給ポンプ98、螺旋状弾性体76、スライダ77、環状ピストン78、連結ロッド79が本発明における広がり角調整手段を構成している。
シリンダライナ潤滑構造1は、ディジタルコンピュータからなり、本発明における制御手段に相当する電子制御ユニット20を備えている。この電子制御ユニット20は、双方向性バス21を介して相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を備えている。
エンジン1が搭載される車両が備えるアクセルペダル14にはアクセルペダル14の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ30が取付けられ、この出力電圧はAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。また、入力ポート25には他のAD変換器27を介して燃料圧センサ13aが接続されている。さらに、噴射ポンプ12は、内部に組み込まれた歯車の外周面に対面する電磁ピックアップからなるクランク角センサ31が配置されており、このクランク角センサ31の出力信号が入力ポート25に入力される。クランク角センサ31は、本発明におけるピストン停止位置判定手段に相当する。このクランク角センサ31の出力パルスから現在のクランク角とエンジン回転数とが算出される。
一方、出力ポート26は対応する駆動回路28を介して噴射ポンプ12に装着されたスピル弁12aを駆動するのソレノイドに接続されている。また、出力ポート26は他の駆動回路28を介してリリーフ弁97と、燃料噴射弁11とに接続されている。
次に、以上のように構成されるシリンダライナ潤滑構造1の動作について説明する。まず、電子制御ユニット20は図示しないイグニションのON信号を受けると、クランク角センサ31からクランク角に関する情報を取得し、各気筒のピストン停止位置を確認する。エンジンが始動していない状態では、シリンダライナ3aから潤滑油である軽油が流れ落ちていることが懸念される。この状態でエンジンが始動されると、油膜切れによる摩耗の増大が予想される。
電子制御ユニット20は、ピストンが下死点近傍にあると判断した気筒に装着された燃料噴射弁11に対して潤滑噴射指令を行う。また、潤滑指令を出した燃料噴射弁11に接続されたリリーフ弁97に対して指令を出し、圧力抑制室78a内の燃料圧を変化させる。これにより、螺旋状弾性体76を変形させ、図4中、θで示した噴流の広がり角を変化させることができる。θが広いときには潤滑油は図4(a)に示すようにシリンダライナ3aの上部に付着する。一方、θが狭いときには潤滑油は図4(b))に示すようにシリンダライナ3aの下部に付着する。このため、圧力抑制室78a内の圧力を徐々に変化させ、図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態へ、または、図4(b)に示す状態から図4(a)に示す状態へと広がり角を調整することにより、シリンダライナ3aの潤滑油必要箇所に潤滑油を供給することができる。
一連の潤滑噴射が完了した後、電子制御ユニット20は、エンジンの始動を許容し、クランキングが開始されたら燃焼噴射を開始する。以上のような行程を経ることにより、エンジン再始動時のシリンダライナにおける良好な潤滑特性を確保することができる。
ところで、電子制御ユニット20がイグニションのON信号を受けた後に、広がり角θを変化させて潤滑噴射を行うと、潤滑噴射が完了するまでクランキングを行うことができない。そこで、ピストン5の動きに同期させて潤滑噴射を行うようにすることができる。図5(a)に示すように下死点近傍にピストン5が位置するシリンダのシリンダボアに対し、潤滑噴射を開始する。その後、クランキングにより図5(b)に示すようにピストン5が上昇を始めると、これに伴って圧力抑制室78a内の圧力を変化させて広がり角を大きくし、ピストン5の頂部に潤滑油が付着しないようにしながらシリンダライナ3aへの潤滑油の供給を継続する。図5(c)に示すように、さらにピストン5が上昇し、シリンダライナ3aにおける潤滑油必要箇所を通過した後は、一旦潤滑油の噴射を停止する。その後、図5(d)に示すようにさらにピストン5が上昇し、燃焼位置、すなわち上死点近傍迄到達すると燃料噴射弁11は燃焼噴射を行う。なお、イグニションON時に上死点近傍にピストン5が位置している気筒については、下降するピストン5に追随するように広がり角を狭くさせながら潤滑噴射を行う。
以上のような潤滑噴射、燃焼噴射を行うことにより、エンジン始動時のシリンダライナ3aの良好な潤滑特性を確保しつつ、エンジンの早期始動を実現することができる。
なお、本実施例における広がり角の制御は、螺旋状弾性体76の変形によって実現しているが、例えば、ノズル口60の直近に螺旋状の燃料通路を設け、この燃料通路を通過する燃料の圧力を制御することによって広がり角を調整する構成とすることもできる。
次に、本発明の実施例2について、図6、図7を参照しつつ説明する。図6は、実施例2のシリンダライナ潤滑構造100を装着したシリンダ101の周辺を示した説明図である。図6は、シリンダ101内に設置されるピストン102が上死点近傍に位置しており、燃料噴射弁103による燃焼噴射が行われる状態を示している。ピストン102の頂部には図6において断面で示したようにキャビティ102aが形成されている。一方、シリンダライナ101aにはピストン102が摺動し、潤滑油の供給が必要となる潤滑油必要箇所Aが規定されている。
実施例2における燃料噴射弁103の広がり角は一定である。すなわち、実施例2のシリンダライナ潤滑構造は、広がり角調整手段を有していない。従って、燃料噴射弁103は、一定の広がり角をもって潤滑噴射と燃焼噴射を行うことになる。
このようなキャビティ102aと燃料噴射弁103、潤滑油必要箇所Aとは、以下のような位置関係を形成している。すなわち、燃料噴射弁103による燃焼噴射時に、ピストン102の頂部に形成されたキャビティ102a内に向かって噴射される燃料の噴流の延長線上にシリンダライナ101aにおける潤滑油必要箇所Aの上端縁A1が設定されている。このような位置関係を形成することにより、一定の広がり角を有する燃料噴射弁103の噴射により、適切な潤滑噴射と燃焼噴射を行うことができる。このように燃料噴射弁103は、図示しない電子制御ユニットによって潤滑噴射と燃焼噴射との切り替え、すなわち噴射するタイミングの制御、各噴射の噴射時間の制御等が行われる。
次に、以上のように構成されるシリンダライナ潤滑構造100の動作につき、図7を参照しつつ説明する。まず、電子制御ユニットは、イグニションON信号を受けると、クランク角センサによりピストン103の位置を判定する。電子制御ユニットは、ピストン102の頂部が潤滑油必要箇所Aの上縁部A1よりも下側に位置している間、潤滑噴射を行う。従って、ピストン102が図7(a)や図7(b)に示すような位置にあるときには燃料噴射弁103は、電子制御ユニットの指令に基づいて潤滑噴射を継続する。噴射された潤滑油は潤滑油必要箇所Aの上縁部A1に付着してシリンダライナ101aを伝って流下する。この結果、潤滑油は、シリンダライナ101aに油膜を形成し、ピストン102とシリンダライナ101aとの潤滑に供される。
一方、図7(c)に示すようにピストン102の頂部が潤滑油必要箇所Aの上縁部A1よりも上側に位置する状態では燃料噴射弁103は潤滑噴射を停止する。これは、噴射された潤滑油がピストン102の頂部に付着を防止するための措置である。
ピストン102がさらに上側に位置し、図7(d)に示すように燃焼噴射を行う状態となると、燃焼噴射指令が出され、燃料噴射弁103は、燃焼のための燃料噴射を行う。燃焼噴射が行われると、噴射されて霧化状態となる燃料に着火するが、ピストン102の頂部には潤滑噴射時に噴射された潤滑油が付着していないので白煙の発生を抑制することができる。
以上、説明したように、広がり角調整手段を有していないシリンダライナ潤滑構造100であっても、シリンダライナ101aにおける良好な潤滑特性と、適切な燃焼特性を両立させることができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。また、燃料を潤滑油として利用する形式のディーゼルエンジンには、種々の配管形式が考えられ、付属する構成要素も様々なものが考えられるが、燃料を潤滑油として利用している形式のディーゼルエンジンであれば、どのような形式のディーゼルエンジンであっても本発明のシリンダライナ潤滑構造を搭載することができる。
また、本発明のシリンダライナ潤滑構造を構成する燃料噴射装置は、広がり角調整手段を利用して未燃HC発生を抑制する制御を行うことができる。すなわち、広がり角を調整することにより、燃焼噴射された燃料が、上下運動を行うピストンの上面に付着しないように燃焼室内全体に分散させることができる。
エンジンに組み込んだシリンダライナ潤滑構造の概略構成を示した説明図である。 実施例1のシリンダライナ潤滑構造に用いられる燃料噴射弁の断面図である。 燃料噴射弁の先端部分の断面図であり、(a)は、螺旋状弾性体が押し縮められて噴流の広がり角を広くする状態を示す図、(b)は、螺旋状弾性体が伸びて噴流の広がり角を狭くする状態を示す図である。 燃料噴射弁による潤滑噴射の様子を示す説明図であり、(a)は、広がり角が広い状態を示す図、(b)は、広がり角が狭い状態を示す図である。 他の実施例の燃料噴射弁による噴射の様子を示す説明図であり、(a)及び(b)は、潤滑噴射を行っている状態、(c)は噴射が停止している状態、(d)は、燃焼噴射を行っている状態を示す図である。 実施例2のシリンダライナ潤滑構造の説明図である。 実施例2の燃料噴射弁による噴射の様子を示す説明図であり、(a)及び(b)は、潤滑噴射を行っている状態、(c)は噴射が停止している状態、(d)は、燃焼噴射を行っている状態を示す図である。
符号の説明
1、100 シリンダライナ潤滑構造
2 エンジン
3、101 シリンダブロック
3a、101a シリンダライナ
4 シリンダヘッド
5、102 ピストン
102a キャビティ
11、103 燃料噴射弁
20 電子制御ユニット
31 クランク角センサ
76 螺旋状弾性体
77 スライダ
78 環状ピストン
78a 圧力抑制室
79 連結ロッド

Claims (6)

  1. 燃料を潤滑油として利用するエンジンにおけるシリンダライナ潤滑構造であって、
    燃焼噴射と、潤滑噴射とを行う燃料噴射弁と、
    当該燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするシリンダライナ潤滑構造。
  2. 請求項1記載のシリンダライナ潤滑構造において、
    前記燃料噴射弁は、前記潤滑噴射における燃料噴流の広がり角を調整する広がり角調整手段を有することを特徴としたシリンダライナ潤滑構造。
  3. 請求項1記載のシリンダライナ潤滑構造において、
    前記燃料噴射弁は、前記燃料噴流における広がり角を調整する広がり角調整手段を有し、広がり角を変化させながら前記潤滑噴射を行うことを特徴としたシリンダライナ潤滑構造。
  4. 請求項1記載のシリンダライナ潤滑構造において、
    前記燃料噴射弁は、ピストン停止位置判定手段によってピストンが下死点近傍に停止していると判断されたときに、前記潤滑噴射を行うことを特徴としたシリンダライナ潤滑構造。
  5. 請求項1記載のシリンダライナ潤滑構造において、
    前記燃料噴射弁による前記燃焼噴射時に、ピストン頂部に形成されたキャビティ内に向かって噴射される燃料の噴流の延長線上にシリンダライナにおける潤滑油必要箇所の上端縁が設定されていることを特徴としたシリンダライナ潤滑構造。
  6. 請求項1記載のシリンダライナ潤滑構造において、
    前記燃料噴射弁は、ピストンに直接燃料が付着しない範囲内で前記潤滑噴射を行うことを特徴としたシリンダライナ潤滑構造。
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