JP2008012297A - ゴルフボールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明は、ゴルフボール用材料を成形したボールの表面特定部位に後処理を施すゴルフボールの製造方法において、表面特定部位と所定の位置関係を持つ識別マークをそのボール表面に形成すると共に、表面特定部位がそれぞれランダムな位置に整列した複数のボール群から、各ボールを順次取り出し、そのボール表面に形成された識別マークを画像処理用カメラで撮影し、撮影した識別マークの情報により、表面特定部位を後処理の実施位置に存するようにボールを姿勢修正することを行うこととするゴルフボールの製造方法を提供する。
【効果】本発明の製造方法によれば、上記のようにボールの位置決め作業を確実かつ円滑に行い、これによって、その後のシームライン加工処理やマーキング等の後処理を確実にかつ円滑に行うことができ、ゴルフボール製造の作業全体の効率を高め、製造上有利なものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワンピースゴルフボールやコアに1層又は複数層のカバー層を被覆したソリッドゴルフボール等の各種ゴルフボールを製造する方法に関し、更に詳述すると、射出成形後のボール成形物の表面検査やマークの位置決めのためにボール表面を所定位置に基準姿勢させるゴルフボールの製造方法に関する。
従来より、ゴルフボールを製造する際、コアの周囲にカバー樹脂材料を射出成型するための成型用金型としては上下二分割金型が用いられている。この上下二分割金型を用いると、ゴルフボールにはパーティングラインに相応したシームラインがあらわれる。
このシームラインを頼りにゴルフボールの外観を検査したり、マーキングを行うことは都合がよい。例えば、二分割金型のパーティングラインに相応したシームラインには通常バリが生じ、このバリを除去した跡の検査及び加工を行う場合、シームラインの位置を特定し、検査・加工装置に載置すれば、検査及び加工を効率良く行うことができる。このため、シームラインの位置を認識してボールの位置決めを行うことは重要である。
また、ボールのシームライン上に、文字,図形及び商標等の表示部をマーキングする場合には、予めシームラインの位置を認識する必要がある。
しかしながら、最近のゴルフボールについては、空力的特性を向上させ、飛距離を増大させるために、ボール表面に形成されるディンプルの配置について、できるたけ高密且つ均一に配置するためにパーティングライン上に跨って複数のディンプルを配置することが多くなり、パーティングラインに相応するボール表面上のシームラインが不明瞭となり、画像処理用カメラで撮影しても、その識別が困難な場合が多くなっている。このため、射出成形後の後工程である、シームラインの加工を検査したり、成形時のピン跡を検査する際、シームラインやピン跡のある特定部位の位置決めを正確に行うことができず、後工程での作業の効率性が悪く、その精度も悪かった。
そもそも、ゴルフボールはボール表面にディンプルが施される以外は特徴のない球体である。それ故、そのボール表面の特定部位を検査し、或いは、位置を指定して該位置にマークを施す場合には、製造工程におけるボールの加工直後にボールを動かさない状態でその作業を行わない限り、特定部位を再度位置決めすることは困難であり、製造工程中のボール検査等の環境が不十分であった。
特開平8−229810号公報 特開2002−767号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、射出成形後の後工程であるボールの外観検査工程やマーキング工程における作業をスムーズにかつ優位に行うことができるゴルフボールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、下記のI〜VIIのゴルフボールの製造方法を提供する。
I.ゴルフボール用材料を成形したボールの表面特定部位に後処理を施すゴルフボールの製造方法において、表面特定部位と所定の位置関係を持つ識別マークをそのボール表面に形成すると共に、表面特定部位がそれぞれランダムな位置に整列した複数のボール群から、各ボールを順次取り出し、そのボール表面に形成された識別マークを画像処理用カメラで撮影し、撮影した識別マークの情報により、表面特定部位を後処理の実施位置に存するようにボールを姿勢修正することを行うことを特徴とするゴルフボールの製造方法。
II.ボールを互いに直交するXY軸の方向に回動させることによりボールを姿勢修正する上記I記載のゴルフボールの製造方法。
III.画像処理用カメラでボールを撮影する際、その画像処理用カメラをボールの真上から撮影し、そのボールを一段階単独で又は複数段階に分けて回動させることにより、識別マークをボールの真上に配置させ、その後、この識別マークをボールの真上から所定角度回動させて表面特定部位をボールの真上に配置させることにより、後処理をボールの真上から行うようにした上記II記載のゴルフボールの製造方法。
IV.後処理がボール表面に形成されたシームラインを検査する処理であり、ボール表面特定部位がそのシームラインである上記I〜IIIのいずれか1項記載のゴルフボールの製造方法。
V.後処理がマーク又はスタンプをボール表面に施す処理であり、ボール表面特定部位がそのマーク形成箇所である上記I〜IIIのいずれか1項記載のゴルフボールの製造方法。
VI.ボールの表面が成形時に用いられたピン跡・ゲート跡部を有し、後処理がそのピン跡・ゲート跡部を検査する処理であり、ボール表面特定部位がそのピン跡ゲート跡部である上記I〜IIIのいずれか1項記載のゴルフボールの製造方法。
VII.ボールの表面が成形時に用いられたピン跡部を有し、このピン跡部がボール表面に形成されたシームラインと直交するライン上に形成される上記VI記載のゴルフボールの製造方法。
本発明のゴルフボールの製造方法では、ゴルフボール用材料を成形したボールの表面特定部位に後処理を施すためのボールの位置決め工程として、予め、表面特定部位との位置関係を持つ識別マークをそのボール表面に形成し、そのボール表面に形成された識別マークを画像処理用カメラで撮影し、撮影した識別マークの情報により、表面特定部位がそれぞれランダムな状態の各ボールを姿勢修正したものである。
本発明の製造方法によれば、上記のようにボールの位置決め作業を確実かつ円滑に行い、これによって、その後のシームライン加工処理やマーキング等の後処理を確実にかつ円滑に行うことができ、ゴルフボール製造の作業全体の効率を高め、製造上有利なものである。
本発明のゴルフボールの製造方法によれば、ボール表面に形成された識別マークの情報から、後工程が行われる表面特定部位を所定位置に位置決めしたボールを基準姿勢に直す作業を行うものであり、これにより、自由にランダムな位置を有していた表面特定部位を確実に所定位置に位置決めさせることができ、その位置決め作業が円滑かつ効率高く行われるものであり、ゴルフボールの製造上、非常に有利なものである。
発明を実施するための最良の形態及び実施例
以下、本発明につき、図面を参照しながらその詳細について説明する。
本発明は、ゴルフボール用材料を成形したボールの表面特定部位に後処理を施す際、そのボールの表面特定部位を所定位置に位置決めする工程を含む。例えば、図1に示すように、成形により識別マークが形成されたボールに各種の表面処理を行った後、該識別マークによって特定部位を位置決めし、次いで、マーキングを施し、塗装を行い、製品としてのゴルフボールを得る。
ゴルフボール用材料とは、ゴルフボールを構成するコアやカバー等の各部材の材料である。コアとしては、例えば単層のソリッドコア、複数の加硫ゴム層を持つソリッドコア、複数の樹脂層を持つソリッドコア、糸ゴム層を有する糸巻きコアといった種々のコアが挙げられ、その材料は公知のゴム材料や熱可塑性材料等である。また、カバーは、コアの周囲に成形されるものであり、カバー材料としては、アイオノマー樹脂やウレタン樹脂を主材とした公知の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを好適に使用することができる。カバーは、1層に限らず、2層以上の多層構造に形成することができる。
上記ゴルフボール用材料の成形と同時に又はその後に、各ボール表面に識別マークが施される。本発明に用いる識別マークとしては、例えば、キャビティにより形成される刻印や特殊インクによるマーキング及び打刻印などが挙げられる。なお、本出願人は、上記発明に関連して先に米国特許出願番号No.11/392,586を提出した。この出願に係る発明は、ボール表面のシームラインの位置や方向を容易に識別することができるために、シームラインの近傍に凹状及び/又は凸状の刻印を形成したゴルフボール及びゴルフボール成型用金型である。本発明では、本発明に用いる識別マークとして、上記凹状及び/又は凸状の刻印を採用することが好適であり、その詳細は、米国特許出願番号No.11/392,586の記載を参考にすることができる。
上記ゴルフボール材料により成形したボールには各種の後処理が施される。この後処理としては、ボール表面に形成されたシームラインを検査する処理、マーク又はスタンプをボール表面に施す処理、ボールの表面上に形成された射出成形用ピンの跡を加工する処理などが挙げられ、これらの処理を施すためのボール表面の特定部位の位置決めを後処理工程の前に行う必要がある。この場合、識別マークとシームラインとの位置関係、シームラインとマーキング箇所との位置関係、識別マークとマーキング箇所との位置関係などを予め把握しておくことが望ましい。
本発明の好適な実施態様の一例として、シームライン上にマーキング又はスタンプを施す加工処理について図2を参照して以下に説明する。
図2の位置決め装置1には、多数のボールGが整列された供給部2と、ボールGを間欠的に所定位置に移送させる回転テーブル6と、該回転テーブルの停止位置上に設けられ、ボールを一方向又は複数方向に回動可能な第1回動部3、第2回動部4、及び第3回動部5と、ボールを所定位置に姿勢修正させる最終修正部9と、該修正部により適正に姿勢修正されたボールを外部へ搬送する搬送コンベア7とを有する。なお、図中符号8は、マーキング又はスタンプ装置に連結したボールの排出部8であり、回転テーブル6は回転軸61を軸として間欠的に回転するものである。
また、ボールの回転手段の真上にはCCD等の画像処理用カメラが配置されており、この画像処理用カメラによりボール表面に形成された識別マークをボールの真上から撮影する。
ボールの供給部2に多数個整列されたボールGはシームライン(表面特定部位)がそれぞれランダムな位置に存する。これらのボールGを順次回転テーブル6上に送り出して各ボールの位置決めを行う。
図3(A)は、画像処理用カメラ30でボールGを撮影する際、その画像処理用カメラをボールの真上から撮影し、そのボールGを回動することにより、そのボール表面上の識別マークを検知し、その識別マークをボールGの真上に配置させるものである。図3(B)は、真上に配置された識別マークの情報により、特定部位が検査または加工位置を向くように修正するものである。具体的には、互いに直交するXYZ軸の方向にボールGを回動させる手段を用いる。この場合、XY軸方向には、図3(A)に示されるように、第1回動部3、第2回動部4を、Z軸の方向にボールGを回転する手段及び特定部位に修正する手段として、図3(B)に示されるように、第3回動部5を用いる。第1回動部3及び第2回動部4においては、モーター等の駆動手段と連結した回動手段10をボールGの両端部に配置し、該回動手段10によりボールGを挟むようにして回転させる。一方、第3回動部5においては、図3(B)中のZ軸の軸回りにボールGを回動させる回転手段60を用いる。
即ち、第1回動部3、第2回動部4は、それぞれ画像処理用カメラ30で識別マークを検出しながら各回転手段によりボールGを回転させるものであり、この場合、必要があれば、X軸Y軸の挟み変えを行い、XY軸回りに回転させるものである。第1回動部3の作業が終了すると、そのボールGは回転テーブル6により第2回動部4に移送され、次いで、第2回動部4の作業が終了すると、そのボールGは回転テーブル6により第3回動部5に移送されることになる。この順序は、図2の回転テーブル6内の矢印が示したとおりである。
第3回動部5においては、図3(B)に示されるように、第2回動部4の画像処理でもとめられた画像データによりZ軸回転を行い、識別マークをボールGの真上の所定位置に配置させる。そして、この識別マークは、予め表面特定部位と一定の位置関係を有することになるので、第3回動部5に設置された回転手段10’によりボールを所定角度回転させることにより、表面特定部位(シームライン)をボールの真上(回転手段10’の軸上の真上)に適正に移動させるものである。
ここで、識別マークをボールの真上に姿勢修正させるまでのボールを回動する様子を図4を用いて説明する。まず、第1回動部3により、ボールを図4(A)の回転軸回りに回動させてボール表面にされたT字状の識別マークを回転軸である点線の上に移動させ、図4(B)の位置になる。次いで、第2回動部4により、ボールを図4(B)の回転軸回りに回動させて、図4(A)とは垂直関係にある回転軸(点線)の上にT字状の識別マークを中央に移動させ、図4(C)の位置になる。そして、第3回動部5において、ボールを図4(C)の矢印方向に回動させて、T字状の識別マークを図4(D)のように適正位置まで回動させる。
上記の回転手段10’によりボールの真上に特定部位(シームライン)が配置されるが、さらに回転テーブル6によりボールを出口側へ移送させることにより、ボールを真上から見たとき一定角度で回動した状態となり、このため特定部位(シームライン)が所定角度ずれて配置されることになる。そこで、最終修正部9により、特定部位(シームライン)を適正位置に配置修正させる。最終修正部9は上述した回転手段を有し、その機構は、第3回動部5の符号60と同様である。
図5は、第3回動部5により位置決めしたものを撮影したボール表面であり、真上にあった識別マークから該マークの情報によりボールを所定角度に回転させてシームラインをボールの真上(中央)に配置させた様子を示す。この撮影画面Fの枠内の中央の縦のラインがシームラインLであり、符号Oは撮影中心であり、符号PはT字状の識別マーク、符号Dはディンプルである。
次いで、シームライン(表面特定部位)をボールの真上に適正に配置させた状態で該ボールを搬送コンベア7に載せ、排出部8へ移送させるものである。そして、後処理として、ボールのシームライン上に、文字,商標及び図柄等の表示部をマーキング又はスタンプを施すものである。
上記実施例によれば、ボールの表面に形成された識別マークは、後工程のマーキング作業の位置決め段階において有効に発揮される。即ち、ボール表面に形成された識別マークを画像処理用カメラにより判別し、その識別マークの形状からボールのシームラインの方向及び位置を導き出すことができる。そして、上述したように、ボールを所定度回転させて姿勢修正し、シームラインがボールの真上(中央)に位置するようにしてボールの位置決めの作業を確実に円滑に行うものである。
なお、本発明の別の実施態様として、図6に示したように、第3回転部5と最終修正部9との間に、シームライン上に存在する加工跡(例えば、バリ跡やゲート跡等)の検査のために新たな第4回転部30を追加することもできる。この第4回転部30の機構は、第2回転部4と同様である。
以上、本発明につき、図面を参照して好適な実施態様について説明したが、本発明のゴルフボールの製造方法は、上記実施態様の内容及び図面の内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限り、その構成を適宜変更することができる。例えば、図2では、3段階に分けてボール回動させることによりボールを所定位置に姿勢修正させたが、これ以外の姿勢修正手段を用いることもできる。
本発明のゴルフボールの製造方法の工程の流れを示す説明図である。 本発明の製造方法に用いられる装置の一例を示す概略平面図である。 図2の装置において、ボールを回動させる手段を説明するための概略側面図であり、(A)は、第1回動部及び第2回動部の概略側面図、(B)は、第3回動部の概略側面図である。 図2の装置において、識別マークをボール真上に姿勢修正させるまでのボールを回動する様子を説明した説明図である。 画像処理用カメラで撮影されたボール表面の様子を示す平面図である。 本発明の製造方法に用いられる装置の別の例を示す概略平面図である。
符号の説明
1 位置決め装置
2 供給部
3 第1回動部
4 第2回動部
5 第3回動部
6 回転テーブル
10 回動手段
30 画像処理用カメラ
60 回転手段
G ボール
L シームライン
O 撮影中心
P 識別マーク(T字状)
D ディンプル

Claims (7)

  1. ゴルフボール用材料を成形したボールの表面特定部位に後処理を施すゴルフボールの製造方法において、表面特定部位と所定の位置関係を持つ識別マークをそのボール表面に形成すると共に、表面特定部位がそれぞれランダムな位置に整列した複数のボール群から、各ボールを順次取り出し、そのボール表面に形成された識別マークを画像処理用カメラで撮影し、撮影した識別マークの情報により、表面特定部位を後処理の実施位置に存するようにボールを姿勢修正することを行うことを特徴とするゴルフボールの製造方法。
  2. ボールを互いに直交するXY軸の方向に回動させることによりボールを姿勢修正する請求項1記載のゴルフボールの製造方法。
  3. 画像処理用カメラでボールを撮影する際、その画像処理用カメラをボールの真上から撮影し、そのボールを一段階単独で又は複数段階に分けて回動させることにより、識別マークをボールの真上に配置させ、その後、この識別マークをボールの真上から所定角度回動させて表面特定部位をボールの真上に配置させることにより、後処理をボールの真上から行うようにした請求項2記載のゴルフボールの製造方法。
  4. 後処理がボール表面に形成されたシームラインを検査する処理であり、ボール表面特定部位がそのシームラインである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボールの製造方法。
  5. 後処理がマーク又はスタンプをボール表面に施す処理であり、ボール表面特定部位がそのマーク形成箇所である請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボールの製造方法。
  6. ボールの表面が成形時に用いられたピン跡・ゲート跡部を有し、後処理がそのピン跡・ゲート跡部を検査する処理であり、ボール表面特定部位がそのピン跡ゲート跡部である請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボールの製造方法。
  7. ボールの表面が成形時に用いられたピン跡部を有し、このピン跡部がボール表面に形成されたシームラインと直交するライン上に形成される請求項6記載のゴルフボールの製造方法。
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