以下、実施例に係る弾球遊技機に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施例のパチンコ機GMを示す斜視図である。図2に示すように、遊技ホールでは、多数のパチンコ機GMが島構造体STRに連続して配置されており、遊技ホールの交流電源AC100Vが、島構造体STRでAC24Vに降圧され、各遊技機GM・・・GMに供給されている。なお、図7に示す実施例では、各遊技機GMに電源スイッチSWが夫々設けられている。但し、図9〜図11に示す実施例では、遊技機毎の電源スイッチSWは省略可能であり、電源が一斉にON/OFFされる構成でも良い。
図1に示すパチンコ機GMは、島構造体STRに着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
ガラス扉6の左上部には、違法行為の履歴を不揮発的に表示する電子ペーパ72が配置されている。但し、遊技ホールの営業中は、電子ペーパ72の周りに配置された電飾ランプが派手に点灯しているので、電子ペーパ72の表示内容は、慣れたホール係員以外には殆ど認識できない。一方、遊技ホールの営業終了後や営業開始前のように、遊技ホールの電源が遮断されている状態では、電子ペーパ72の表示内容を容易に認識することができる。
但し、電子ペーパの配置位置は特に限定されるものではなく、むしろ、遊技機正面から視認不可能な位置に設置するのも好適である。例えば、遊技機裏側の所定部位であって、典型的には、電源基板ケース内部等に配置することが例示される。
前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠4の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータと連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくチャンスボタン11を操作できる。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する度数表示部と、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチとが設けられている。
図3に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その内側の遊技領域5aの略中央には、液晶カラーディスプレイDISPが配置されている。また、遊技領域5aの適所には、図柄始動口15、大入賞口16、複数個の普通入賞口17(大入賞口16の左右に4つ)、2つの通過口であるゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
液晶ディスプレイDISPは、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この液晶ディスプレイDISPは、中央部に特別図柄表示部Da〜Dcと右上部に普通図柄表示部19を有している。そして、特別図柄表示部Da〜Dcでは、大当り状態の招来を期待させるリーチ演出が実行され、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、当否結果を不確定に報知する予告演出などが実行される。
普通図柄表示部19は普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、表示される普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽出された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。
図柄始動口15は、左右1対の開閉爪15aを備えた電動式チューリップで開閉されるよう例えば構成され、普通図柄表示部19の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、開閉爪15aが所定時間だけ開放されるようになっている。図柄始動口15に遊技球が入賞すると、特別図柄表示部Da〜Dcの表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄で停止する。なお、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、一連の図柄演出の間に、予告演出が実行される場合がある。
大入賞口16は、例えば前方に開放可能な開閉板16aで開閉制御されるが、特別図柄表示部Da〜Dcの図柄変動後の停止図柄が「777」などの大当り図柄のとき、「大当り」と称する特別遊技が開始され、開閉板16aが開放されるようになっている。大入賞口16の内部に入賞領域16bが設けられている。
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このような動作は、最大で例えば15回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。なお、特別図柄表示部Da〜Dcの変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態となるという特典が付与される。通常、この特定図柄による大当りを「確変大当り」と言う。
図4は、上記した各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図である。図中の破線は、主に、直流電圧ラインを示している。
図4に示す通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧(5V,12V,32V,BU)を出力すると共に電源投入時にシステムリセット信号SYSを出力する電源基板20と、遊技動作を中心的に制御する主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた信号を各部に伝送する演出インターフェイス基板23と、演出インターフェイス基板23から受けた制御コマンドCMD’に基づいて液晶ディスプレイDISPを駆動する液晶制御基板24と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMを制御して遊技球を払い出す払出制御基板25と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板26とを中心に構成されている。
ここで、主制御基板21、演出制御基板22、液晶制御基板24、及び払出制御基板25には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、主制御基板21、演出制御基板22、液晶制御基板24、及び払出制御基板25に搭載された回路及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、以下の説明では、主制御部21、演出制御部22、液晶制御部24、及び払出制御部25と言うことがある。また、演出制御部22、液晶制御部24、及び払出制御部25の全部又は一部がサブ制御部である。
図5及び図6は、電源基板20の内部構成を示すブロック図である。電源基板20は、AC24Vを脈流電圧(DC24V)に変換する3つの全波整流回路40〜42と、全波整流回路40,41の出力電圧を平滑化する平滑回路43a〜43dと、三端子レギュレータなどによる安定化電源回路44a〜44cと、電源遮断後も直流電圧5Vを維持するバックアップ電源回路45と、直流出力電圧(12V,5V)が異常に上昇すると全波整流回路40の出力を短絡させる強制遮断回路46と、専用IC60を使用した電源リセット回路48と、電子ペーパ72を活用した違法行為の検出保存回路49などを備えて構成されている。
安定化電源回路44a〜44cは、それぞれ直流電圧5V,12V,12Vを出力する回路であり、コンデンサによる蓄電部と、ノイズ対策用のハイパスフィルタ部とが出力側に設けられている。この実施例では、同じ直流電圧値DC12Vを二系統の回路で生成しており、その一方を、主制御基板21と払出制御基板25に供給し、他方を、電源中継基板30を経由して、演出インターフェイス基板23及び液晶制御基板24に供給している(図4参照)。そのため、演出制御基板22側の高周波ノイズが、電源供給ラインを通して、主制御基板21や払出制御基板25に伝送されることが防止される。
バックアップ電源回路45は、ダイオードと大容量のコンデンサとで構成されており、その出力であるDC5Vのバックアップ電源BUは、主制御基板21及び払出制御基板25に供給されている。そして、このバックアップ電源BUは、各制御基板21,25のワンチップマイコンに内蔵されたRAMに供給されて、電源遮断状態でもRAMの記憶内容を維持するようになっている。
強制遮断回路46は、電流制限抵抗とダイオードとチェナーダイオードとで構成された異常電圧検知部に、二系統の直流12Vと直流5Vとを供給して構成されている。そして、異常電圧検知部に供給されている各電圧が、各チェナーダイオードの逆方向電圧を上回りコンデンサを所定レベル以上に充電すると、サイリスタが通電して、脈流電圧DC24Vが短絡することになる。その結果、主制御基板21と払出制御基板25に対する通電と、電源中継基板30を経由する直流電圧5Vとが一斉に遮断され各制御基板における異常動作が未然に回避される。
電源リセット回路48は、図6の左上欄に示す通り、システムリセットIC60と、入力禁止回路61と、シュミットトリガで構成された出力回路62とを中心に構成されている。システムリセットIC60は、電源投入時のシステムリセット信号(電源リセット信号)SYSと、電圧降下時の電源異常信号ABNとを自動的に生成する専用ICであり、例えば、M5297P(RENESAS社)が使用される。
そして、システムリセットIC60のAC入力端子に供給される脈流電圧DC24Vの値が、監視時間TOFF2以上、監視レベルを下回ると、異常信号ABNをLレベルに降下させるように動作する(図6(c)参照)。ここで監視時間TOFF2は、コンデンサC2と抵抗R2の積に比例するが、この実施例では、監視時間TOFF2を35mS程度に設計している。そのため、AC24Vの遮断状態が1〜2サイクル(60Hzでは、16〜33mS)未満で回復する瞬停であれば、電源異常信号ABNが出力されないことになる。このような瞬停対策の動作によって、直流電圧(12V,5V)が維持されている状態におけるシステムリセット信号SYSの無駄な出力動作が回避される。
また、図6(c)に記載の通り、システムリセットIC60では、電源異常信号ABNが立ち下がってから所定時間(TD+TOFF3)経過した後にシステムリセット信号SYSがLレベルに降下するよう構成されている。ここで、降下遅延時間TOFF3は、コンデンサC3と抵抗R3の積に比例するが、この実施例では、この所定の遅延時間(TD+TOFF3)を利用して、主制御部21と払出制御部25における最優先割込処理(non maskable interrupt)を終えるようにしている。したがって、主制御部21と払出制御部25では、必要なデータがRAM領域に退避された後に、各CPUコアがシステムリセット信号SYSによってリセットされることになる。なお、RAM領域に退避されたデータは、バックアップ電源BUによって少なくとも数日は維持される。
図6(b)に記載の通り、このシステムリセットIC60では、交流入力電圧AC24Vが投入されて、システムリセットIC60のAC入力端子に脈流電圧DC24Vが供給されると、第1遅延時間TON4後に電源異常信号ABNが立上り、第2遅延時間TON5後にシステムリセット信号SYSが立上るよう構成されている。ここで、遅延時間TON4と遅延時間TON5は、それぞれ、コンデンサC4,C5と抵抗R4,R5の積に比例するが、本実施例では、CPUが正常に動作し得ないTON5−TON4の時間帯は、主制御部21のウォッチドッグタイマ53を、論理回路51,52で自動的にクリアするようにしている。
この点については、図6(a)の右欄に示す主制御基板21を参照しつつ説明する。図示の通り、主制御部21には、遅延回路50と、2N進カウンタ51と、ORゲート52と、ORゲート52の出力信号の微分パルスでクリア処理されるウォッチドッグタイマ53とが設けられている。そして、電源基板20で生成されたシステムリセット信号SYSは、遅延回路50を経てカウンタ51のクリア端子CLRに供給され、一方、カウンタ51のクロック端子CLKにはシステムクロックΦが供給されている。したがって、システムリセット信号SYSが立上るまでの遅延時間TON5の期間は、2N進カウンタ51のカウントアップ動作が可能となり、そのカウントアップ信号S1の微分パルスが、ウォッチドッグタイマ53のクリア信号WDとして機能することになる。そのため、主制御部21のCPUが機能しない時間帯に、ウォッチドッグタイマ53が自走状態となってCPUをリセットするようなトラブルが回避される。
このように、カウントアップ信号S1が、ウォッチドッグタイマ53が自走状態となることを禁止していると、やがて、システムリセット信号SYSが立上るので(図6(b)参照)、その後はカウンタ51のカウント動作が禁止されることになる。しかし、その後は、CPUが定期的にクリアパルスS2を出力するので、このクリアパルスS2によってウォッチドッグタイマ53の自走状態が引き続き禁止される。但し、プログラムの暴走状態などによってクリアパルスS2が途絶えて、ウォッチドッグタイマ53が自走状態となると、リセット信号XURSTが出力されて主制御部21のCPUがリセット状態となる。
一方、電源投入時には、システムリセット信号SYSが遅延回路50で遅延されてリセット信号XSRSTとなるので、このリセット信号XSRSTの供給によって主制御部21のCPUがリセット状態となる。このように、本実施例では、XURST信号またはXSRST信号によってCPUがリセット状態になる。なお、図示の通り、リセット信号XURSTは、電源基板20にも供給されており、図9の実施例では、CPUの異常リセット回数が電子ペーパ72に記録される。
さて、図6(a)の左上欄に戻って、電源基板20の電源リセット回路48の説明を続ける。電源リセット回路48の入力禁止回路61は、2つのNORゲートとスイッチングトランジスタQとを中心に構成されている。そして、システムリセット信号SYSがHレベルで、電源異常信号ABNがLレベルの場合だけ、2つのNORゲートがHレベルの信号を出力して、トランジスタQをON状態としている。
電源異常信号ABN=L、システムリセット信号SYS=Hの時間帯とは、図6(c)に示す通り、電圧降下時のTD+TOFF3の時間帯である。本実施例では、この過渡状態では、トランジスタQのON動作によって、システムリセットIC60のAC入力端子への脈流電圧DC24Vの供給が遮断されることになる。したがって、例えば、交流入力電圧AC24Vは正常レベルでありながら、何らかの理由で、直流電圧5Vのみが遮断又は降下するような異常時にも、システムリセットIC60から、不安定な信号や不合理な信号が出力されるおそれが回避され、各制御基板での異常動作が未然に防止される。
また、交流入力電圧AC24Vが降下する通常の電源遮断時にも、各制御基板での異常動作が防止されるので、電圧降下時にデータの退避処理を実行する制御基板21、25においても、正常なNMI動作が保証される。
続いて、違法行為の検出保存回路49について、図7に基づいて説明する。検出保存回路49は、この回路に専用の電源回路70と、電源周波数Fの抽出回路71と、不揮発性の記憶素子である電子ペーパ72と、電子ペーパ72への書込み回路73と、電子ペーパ72の表示データを記憶するキャラクタROM74と、キャラクタROM74のアドレス信号を生成するアドレス部75と、電子ペーパ72の表示内容を初期状態に戻すリセット回路76とを中心に構成されている。
電源回路70は、遊技機の電源スイッチSWの上流側から交流電源(AC24V)を受けて、検出保存回路49を構成する各素子の直流電源電圧を生成する部分である。したがって、例えば違法行為者が、仮に、遊技機の電源スイッチSWを遮断して、回路基板の差し替え作業をしたとしても、この検出保存回路49は、正常に動作し続ける。なお、電源回路70は、全波整流回路と平滑コンデンサと三端子レギュレータとで構成されている。
電源周波数の抽出回路71は、電源回路70の上流側に配置された検出トランス80と、飽和型の増幅器81とで構成されている。そして、検出トランス80の二次側の交流電圧に基づいて増幅器81が動作し、電源周波数Fに対応する計時パルスΦを生成する。なお、電源周波数Fは、地域により相違して50Hz又は60Hzであるが、何れの場合でも、電力会社によって正確に校正されており、したがって、計時パルスとして十分な実用性を発揮する。
電子ペーパ72は、不揮発性の記憶表示機能を有する限り、その表示方式は、電気泳動型表示(Electro-Phoretic Display)、エレクトロクロミック表示(ECD: Electro-Chromic Display)、ツイストボール型表示(Twist-Ball Display)など、各種のものを使用できる。但し、この実施例では、電気泳動型の電子ペーパを使用している。
この電子ペーパ72は、図8に示す通り、8×8個の画素がマトリクス状に配列されて構成されている。各画素は、電気泳動素子C1と、電気泳動素子C1を駆動する薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)Trと、電気泳動素子中の分散液の電気分極状態を保持するための容量素子C2とを備えている。なお、図8において静電容量C1は、電気泳動素子の等価的な容量を示している。
図示の通り、薄膜トランジスタTrのソース端子は、駆動ラインL1〜L8に接続され、ゲート端子は、データラインR1〜R8に接続されている。また、ドレイン端子は、電気泳動素子C1と容量素子C2に接続されている。そして、電気泳動素子C1の端子には、所定電位が共通して与えられている。なお、容量素子C2の端子は接地線GNDに接続されている。
図8の回路構成では、駆動ラインL1〜L8を選択的に駆動しつつ、これに同期してデータラインR1〜R8のデータを変化させると、8×8個の電気泳動素子C1を適宜に二値的に分極させることができ、その結果として、8×8個の画素のドット模様を不揮発的に形成することができる。
この実施例では、8×8個の画素を使用して、16進数の00〜FFまでの何れかの数値を表示しており、この数値は、遊技ホールにおける営業開始からの経過時間を示している。なお、この実施例では、回路構成上の簡易性の観点から、18.2分(60Hz地域)ごと、又は21.8分(50Hz地域)ごとに経過時間が計時される(この点はカウンタに関して後述する)。
電子ペーパ72への書込み回路73は、2進数データを受けて択一的な8ビット駆動データに変換する3−8デコータ82と、変換された8ビット駆動データを駆動ラインL1〜L8に供給する第1ドライバ83と、キャラクタROM74から読み出されたドットデータをデータラインR1〜R8に供給する第2ドライバ84と、第1ドライバ83と第2ドライバ84の動作制御信号CTLを生成する信号生成部85とで構成されている。
信号生成部85は、ORゲートG1とワンショットマルチバイブレータMTとで構成されている。なお、特に限定されるものではないが、本実施例では、再トリガ可能なリトリガブル(re-triggerable)型のマルチバイブレータを使用している。
図示の通り、ORゲートG1には、リセット回路76が出力する電源リセット信号RSTと、図6の電源リセット回路48が出力するシステムリセット信号SYSとが供給されている。そして、電源リセット信号RSTか、或いは、システムリセット信号SYSがHレベルに変化して、ORゲートG1の出力が立上ると、その立上りエッジに同期して、ワンショットマルチバイブレータMTが機能し、ワンショットマルチバイブレータMTから、所定時間Hレベルのアクティブな動作制御信号CTLが出力されるようになっている。
第1ドライバ83と第2ドライバ84は、ともに動作許可端子CEを有しており、ここにHレベルの動作制御信号CTLを受けた場合だけ、電子ペーパ72への駆動動作が実行されるようになっている。そして、電子ペーパ72に一度書き込まれた情報は、更に別の情報が上書きされるまで、電源電圧Vccの有無に拘わらず保持される。
キャラクタROM74は、少なくとも9ビットのアドレス端子A0〜A8と、8ビットのデータ端子D0〜D7とを有する不揮発性のメモリである。そしてチップセレクト端子CSや、アウトプットイネーブル端子OEその他は、全てアクティブな状態に固定されており、常にデータを読出しできる状態に構成されている。
キャラクタROM74に予め記憶さているデータは、8番地毎に区切られており、例えば、0〜7番地には「00」に対応するドットデータが記憶され、8〜15番地には「01」に対応するドットデータが記憶されている。以下同様であり、記憶されているドットデータは、8番地毎に「02」、「03」と続き、最終の8番地には16進数「FF」に対応するドットデータが記憶されている。
アドレス部75は、50Hz又は60Hzの計時パルス(電源パルス)Φをクロック端子CKに受ける16bit長の第1カウンタ86と、第1カウンタ86の最上位桁MSBをクロック端子CKに受ける6bit長の第2カウンタ87と、計時パルスΦをクロック端子CK受ける3bit長の第3カウンタ88とで構成されている。第1カウンタ86〜第3カウンタ88は、何れも単純なリップルカウンタであり、したがって、第1カウンタ86は「65536進カウンタ」、第2カウンタ87は「64進カウンタ」、第3カウンタ88は「8進カウンタ」として機能する。
ここで、計時パルスΦの周波数Fは、ほぼ正確な60Hz又は50Hzであるから、第2カウンタ87の出力は、65536/F(=18.2分または21.8分)ごとに更新される。一方、第3カウンタ88の出力は、1/F(=16.7m秒又は20m秒)ごとに更新される。そして、第3カウンタ88の出力CT0〜CT2は、キャラクタROM74のアドレス端子A0〜A2に接続され、第2カウンタ87の出力CT0〜CT5は、キャラクタROM74のアドレス端子A3〜A8に接続されている。
したがって、キャラクタROM74から読み出される8バイト長(8×8bit)のドットデータは、18.2分または21.8分ごとに更新されることになる。例えば、電源周波数60Hz地域において、この遊技機が動作を開始してから182分後(=18.2×10=ほぼ3時間後)であれば、キャラクタROM74の2進数[001010000番地]から[001010111番地]までの8バイトのドットデータが1秒間に60回の割合で繰り返し読み出される。そして、動作制御信号CTLが、仮にこの時にHレベルであれば、電子ペーパ72には、営業開始から10単位時間を経過したことを意味する16進数「0A」が表示される。
リセット回路76は、クリアスイッチCL及び電解コンデンサCの並列回路と、抵抗R及びダイオードDの並列回路とが直列に接続され、これに専用電源回路70の電源電圧Vccが供給されて構成されている。そのため、コンデンサCの両端電圧は、AC24Vが投入される遊技ホールの営業開始時に、所定時間だけLレベルとなった後にHレベルに立上り、コンデンサCから電源リセット信号RSTが出力されることになる。
この電源リセット信号RSTは、第2カウンタ87のクリア端子CLRに供給されるので、遊技ホールの営業開始時には、第2カウンタ87の出力がゼロクリアされて000000Bとなる。なお、Bは、2進数を意味する添え字である。また、電源リセット信号RSTは、ORゲートG1に供給されており、遊技ホールの営業開始時には、ワンショットマルチバイブレータMTから、1パルスだけアクティブな動作制御信号CTLが出力される。先に説明した通り、この時、第2カウンタ87は、000000Bを出力しているので、本実施例では、遊技ホールの営業開始時に、電子ペーパ72に「00」が表示されることになる。
このように、本実施例では、遊技ホールの営業開始時に電子ペーパ72の表示内容が自動的にクリアされる。しかし、営業時間中に係員が不正遊技を発見して適切に処置したような場合には、改めて、電子ペーパ72の表示内容をクリアしたいこともある。そこで、本実施例では、コンデンサCに並列に接続されるクリアスイッチCLが接続されている。このクリアスイッチCLは、ホール係員のみが保持する専用キーによってのみ操作できる。そして、専用キーを操作すると、第2カウンタ87のクリア端子CLRが一瞬だけLレベルになると共に、ORゲートG1の出力がLレベルからHレベルに立上る。そのため、ワンショットマルチバイブレータMTからアクティブな動作制御信号CTLが出力されて、電子ペーパ72の表示内容が「00」に戻ることになる。
続いて、図7に示す違法行為の検出表示回路49の動作内容について確認的に説明する。各遊技機の電源スイッチSWは、通常、ON状態に維持されているので、遊技ホールの営業開始時には、全ての遊技機に一斉に電源が投入される。すると、リセット回路76が機能して、電源リセット信号RSTが出力され、第2カウンタ75はゼロクリアされる。また、電源リセット信号RSTの立上りに呼応して、アクティブな動作制御信号CTLが出力され電子ペーパ72に「00」の文字が表示される。なお、これらの点は先に説明した通りである。
ところで、この電源投入時には、図6に示す電源リセット回路48からもシステムリセット信号SYSが出力されるので、このシステムリセット信号SYSがORゲートG1に加わる。しかし、システムリセット信号SYSと、電源リセット信号RSTの何れかの立上りタイミングが遅れても、リトリガブル型のワンショットマルチバイブレータMTから幅広のアクティブな動作制御信号CTLが出力されるだけであり問題は生じない。
その後は、営業終了まで電源スイッチSWが操作されることはなく、したがって、本来は、システムリセット信号SYSも、電源リセット信号RSTが立上ることはない。そのため、電子ペーパの表示内容も「00」のままである。
しかし、例えば、違法行為者が、本来の回路基板を不正な回路基板と交換するため電源スイッチSWをOFF状態にするおそれもある。このようにわざわざ電源スイッチSWをOFF操作するのは、遊技内部のセキュリティ回路(不図示)が動作して、警報音その他が発せられるのを回避するためである。すなわち、電源投入状態のままで本来の回路基板を取り外すと、セキュリティ回路が機能するので、違法行為者は、不正回路基板の入れ替えが終わるまで、電源を遮断させてセキュリティ回路の機能を消滅させるのである。
このような違法行為が実行された場合、本実施例では、その後、電源スイッチSWがON状態とされた時、これに呼応して出力されるシステムリセット信号SYSがORゲートG1に加わる。そして、ワンショットマルチバイブレータMTからアクティブな動作制御信号CTLが出力される。
一方、電源スイッチSWのOFF→ONなどの違法行為時にも、本実施例の電源回路70と抽出回路71とアドレス部75とは、全て正常に動作している。そのため、第2カウンタ87の出力値は、遊技ホールの営業開始からの経過時間T(分)に応じて、60Hz地域であれば、N=INT[T/18.2]の値を示している。なお、INTは、カッコ内の数値を整数化することを意味する。
そして、第2カウンタ87の出力値がNであるため、キャラクタROM74から、第N郡の8バイトのドットデータが読み出される。そのため、アクティブな動作制御信号CTLに基づいて、電子ペーパ72には、10進数Nを意味する、16進数「**」が表示され、これが不揮発的に保存されることになる。
したがって、仮に違法行為を即座に発見できなかったとしても、その後の遊技中に(この時には大量の賞球を獲得している筈である)、係員は、違法行為の事実を電子ペーパ72の表示内容から検出することができる。しかも、電子ペーパ72の表示内容にしたがって違法行為の時刻をほぼ特定できるので、例えば防犯カメラの保存映像などに基づいて、例えば、逃走した実行犯とその共犯者を特定することも可能となる。
なお、仮に、係員が、営業時間中に電子ペーパ72の表示内容を読み落したとしても、電子ペーパ72の表示内容は、遊技ホールの営業終了後、電源電圧を遮断した後にも残るので、翌日の営業開始時の電源投入までなら、何時でも違法行為の犯行時刻を特定することができる。なお、翌日の営業開始時に電源を投入すると、電源リセット信号RSTによって、電子ペーパ72の表示内容がゼロクリアされて「00」となる。
以上、図7に示す第1実施例について説明したが、更に各種の変更が可能である。図9は、第2実施例を示す回路図であり、ここでは、犯行時刻を特定するのではなく、犯行回数を特定して、電子ペーパ72に表示するようにしている。
すなわち、図9のORゲートG1の入力端子には、電源リセット信号RSTに代えて、主制御部21から伝送されたCPUリセット信号XURST(図6参照)が供給されている。また、計時クロック(電源クロック)Φを使用せず、第2カウンタ87のクロック端子CKには、ORゲートG1の出力を供給している。なお、第3カウンタ88は、自励発振器OSCの出力パルスによって循環動作しており、000B〜111Bを繰り返し出力している。
第2実施例は、上記の通り構成されているので、遊技ホールの営業開始時に、第2カウンタ87が、電源リセット信号RSTによってクリアされた後、リセット信号XURSTやシステムリセット信号SYSの個数だけ、第2カウンタ87がカウントアップされることになる。したがって、違法行為者が電源スイッチSWをOFF/ON操作したり、或いは、意図的に遊技機の制御プログラムを暴走させてCPUを強制リセットさせた場合には、その犯行回数の総数が電子ペーパ72に記録されることになる。CPUを強制リセットさせるのは、大当り抽選用のカウンタを違法に初期状態に戻すためであり、例えば、遊技機の近くで高電圧の放電パルスを発生させると、遊技機の処理が暴走状態になり、CPUが強制リセットされることがある。
なお、遊技ホールの営業開始時には、システムリセット信号SYSもLレベルからHレベルに立上るので、これに対応して、第2カウンタ87がカウントアップされる可能性もある。しかし、コンデンサCの容量や、抵抗Rの抵抗値を大きくして、電源リセット信号RSTのLレベル期間を長く設計すれば、正常なシステムリセット信号SYSによる第2カウンタ87のカウントアップ動作を回避することができる。
また、図9には電源スイッチSWを記載しているが、これを省略することも可能である。電源スイッチSWを省略した場合には、システムリセット信号SYSの立上り回数をカウントすることに意味はないが、CPUリセット信号XURSTの立上り回数をカウントすることで犯行回数を特定できる。
図10は、第3実施例を示す回路図である。この違法行為の検出保存回路49は、専用の電源回路70と、電子ペーパ72と、電子ペーパ72への書込み回路73と、キャラクタROM74と、キャラクタROM74のアドレス部75と、電子ペーパ72を初期状態に戻すリセット回路76と、バックアップ電源BUの監視回路90とを中心に構成されている。なお、バックアップ電源BUは、主制御部21や払出制御部22のワンチップマイコンのRAMに直流電圧(設計値は5V)を供給する電源である。
アドレス部75は、パルス周期τが10分程度の計時クロックΦを発生する自励発振器OSCと、計時クロックΦを受けてカウントアップされる6bitの第2カウンタ87と、計時クロックの周波数1/τより高周波数(N/τ)の書込みパルスΦ’を受けてカウントアップされる3bitの第3カウンタ88とで構成されている。なお、ここでは、自励発振器OSCを使用しているが、図9の場合と同様に、電源パルスを分周して計時クロックとしても良いのは勿論である。
バックアップ電源BUの監視回路90は、分圧抵抗R1,R2と、基準電圧Vzを生成するチェナーダイオードZDと、電流制限抵抗R3と、コンパレータCPとで構成されている。ここで、バックアップ電源BUの電圧値Vccは、無負荷状態で5Vに設計されているが、ワンチップマイコンのRAMに給電している状態では、やや降下したVcc−Δとなっている。
一方、基準電圧Vzは、バックアップ電源の電圧設計値Vccと、これからやや降下したバックアップ電源の電圧値Vcc−Δとに対応して、R2×(Vcc−Δ)/(R1+R2)<Vz<R2×Vcc/(R1+R2)に設定されている。すなわち、正常動作時においては、コンパレータCPの非反転入力端子(+)の入力電圧R2×(Vcc−Δ)/(R1+R2)は、基準電圧Vzより僅かに低い。そのため、ワンチップマイコンにバックアップ電源BUが供給されている正常時には、コンパレータCPの出力電圧がLレベルとなる。
ところで、違法行為者は、電源スイッチSWを切断するか否かに拘わらず、要するに、主制御部21や払出制御部22のROMに格納された制御プログラムを、違法プログラムと交換したい筈である。しかし、本実施例では、主制御部21や払出制御部22にはワンチップマイコンが使用されていて、ROMだけを交換することはできないので、少なくとも、ワンチップマイコンを交換しなければならない。
そのため、違法行為者は、正規のワンチップマイコンをICソケットから引き抜くか、もしそれが不可能なら、主制御基板21や払出制御基板22そのものを交換することになる。但し、何れの交換時でも、バックアップ電源BUの電圧値が(Vcc−Δ)からVccに上昇する瞬間がある。
すると、バックアップ電源BUの電圧値がVccに上昇したことにより、Vz<R2×Vcc/(R1+R2)の関係が成立し、コンパレータCPの出力電圧がHレベルに変化する。すなわち、コンパレータCPは、違法行為者の交換作業を検出して、出力値をHレベルに変化させる。
このコンパレータCPの出力レベルの変化は、ORゲートG1を経由してワンショットマルチバイブレータMTに供給されるので、ワンショットマルチバイブレータMTから、アクティブな動作制御信号CTLが出力され、電子ペーパ72への書き込み処理が実行される。
この電子ペーパ72への書き込み時には、キャラクタROM74は、遊技機への電源投入からの経過時間に対応したドットデータを出力しているので、電子ペーパ72に書き込まれたデータによって違法行為の犯行時刻を特定することが可能となる。
図11は、第4実施例を示す回路図である。この違法行為の検出保存回路49には、専用の電源回路を設けられておらず、バックアップ電源BUのみによって図示の各回路素子が動作するようになっている。したがって、第4実施例は、遊技機に電源が投入されているか否かに拘わらず、違法行為の監視動作を継続することができ、遊技ホールの電源電圧が全て遮断された後の違法行為にも有効に機能する。
図示の通り、この検出保存回路49は、電子ペーパ72と、電子ペーパ72への書込み回路73と、キャラクタROM74と、キャラクタROM74のアドレス部75と、リセット回路76と、バックアップ電源BUの監視回路90とを中心に構成されている。先に説明した通り、上記した各部73,74,75,76,90は、バックアップ電源BUで駆動され、遊技機への電源投入の有無とは無関係に動作する。
書込み回路73は、3−8デコータ82と、第1ドライバ83と、第2ドライバ84と、第1ドライバ83と第2ドライバ84の動作制御信号CTLを生成する信号生成部85とで構成されている。
信号生成部85は、電源リセット回路48からシステムリセット信号SYSを受けるワンショットマルチバイブレータMT1と、コンパレータCPの出力を受けるワンショットマルチバイブレータMT2と、2つのマルチバイブレータMT1,MT2の出力を受けるORゲートG1と、動作制御信号CTLがドライバ83,84に加わるタイミングを若干遅らせる遅延回路DLYとで構成されている。
アドレス部75は、ワンショットマルチバイブレータMT2を計数クロックとして受ける6bitの第2カウンタ87と、ドライバ83の書き込み速度を決める自励発振器OSCと、自励発振器OSCの出力クロックを受けてカウントアップされる3bitの第3カウンタ88とで構成されている。
クリア回路76は、ANDゲートG2と、クリアスイッチCLと、プルアップ抵抗Rとで構成されている。クリアスイッチCLは係員のみが操作可能なON/OFFスイッチである。このクリアスイッチは通常OFF状態であり、プルアップされた状態でANDゲートG2の入力端子に接続されている。また、ANDゲートG2の他の入力端子には、電源リセット回路48(図6)が出力するシステムリセット信号SYSが供給されている。
一方、ANDゲートG2の出力は、第2カウンタ87のクリア端子CLRに供給されている。そのため、第2カウンタ87は、電源投入時に自動的にゼロクリアされると共に、係員がクリアスイッチCLを操作したタイミングでも、ゼロクリアされる。なお、各遊技機への電源投入時に、第2カウンタが自動的にゼロクリアされるので、クリアスイッチCLの操作は特に不要であり、したがって、クリアスイッチCL及びANDゲートG2の構成を省略しても良い。
バックアップ電源BUの監視回路90は、図10と同一構成でも良いが、ここでは、バックアップ電源BUの電源ラインLNに重畳するチャタリングノイズを検出する構成を採っている。すなわち、違法行為者が、正規のワンチップマイコンをICソケットから引き抜くか、主制御基板21や払出制御基板22のハーネスを引き抜くと、電源ラインLNにはチャタリングノイズが重畳するので、本実施例では、このチャタリングノイズの存在によって違法行為を特定する。
かかる動作を実現するため、監視回路90は、ノイズ検出トランス91と、ノイズ増幅アンプ92と、ノイズのピーク値を検出して保持するピークホールド回路93と、コンパレータCPとを中心に構成されている。電源ラインLNに特段のノイズが重畳していない場合には、ピークホールド回路93の出力である抵抗R4の両端電圧Voは、チェナーダイオードZDの両端電圧Vzより低い。したがって、正常動作時にはコンパレータCPの出力はLレベルである。
しかし、違法行為によって電源ラインLNにチャタリングノイズが重畳すると、ピークホールド回路93の出力Voが増加して、一瞬だけVo>Vzとなる。すると、コンパレータCPの出力がLレベルからHレベルに立上るので、第2ワンショットマルチバイブレータMT2から、アクティブな動作制御信号CTLが出力される。
このアクティブな動作制御信号CTLは、第2カウンタ87のクロック端子に供給されるので、第2カウンタ87がカウントアップされ、キャラクタROMから読み出されるドットデータを更新されることになる。したがって、例えば、それまでの「00」に対応するドットデータから、「01」に対応するドットデータに変化する。
ゲートG1から出力されたアクティブな動作制御信号CTLは、遅延回路DLYにおいて若干遅延されてドライバ83,84に供給されている。そのため、電子ペーパ72には、更新されたキャラクタROMのドットデータに対応する、例えば「01」が書き込まれ表示されることになる。
したがって、深夜に遊技ホールに忍び込んで、遊技機を違法改造したとしても、その行為は、電子ペーパ72に不揮発的に保存されることになり、翌日の営業開始前に係員によって把握されることなる。なお、遊技機に電源が投入されると、電源リセット回路48からシステムリセット信号SYSが出力されるので、第2カウンタ87がクリアされ、また、第1ワンショットマルチバイブレータMT1からアクティブな動作制御信号CTLが出力される。その結果、電子ペーパの表示内容は初期状態に戻り、例えば「01」から「00」に戻る。
以上、違法行為の検出保存回路について、4つの実施例を具体的に説明したが、各実施例の内部構成は、他の実施例にも適用可能である。すなわち、4つの実施例の内部回路を適宜に組み合わせても、本発明を実現することができる。
以上で電源基板20の説明が終わったので、最後に、図4を参照しつつ主制御基板21について念のため説明する。先に説明したように、主制御基板21は、電源基板20から、DC12V、DC32V、及びバックアップ電源BU(=DC5V)の他に(図5参照)、電圧降下時に出力される電源異常信号ABNや、電源投入時に出力されるシステムリセット信号SYSを受けている(図6参照)。そして、主制御基板21では、受けたDC12VをDC5Vに降圧させて、基板内のコンピュータ回路の電源電圧としている。このように、主制御部21では、その直流電源電圧5Vを電源基板20から直接受けないので、DC5Vの電源供給ラインを通して、他の制御基板25,23,22,24から高周波ノイズなどを受けるおそれが回避される。
また、主制御基板21は、コマンド中継基板29に接続されると共に、遊技盤中継基板27を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口16〜18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動チューリップなどのソレノイド類を駆動している。なお、図柄始動口15からのスイッチ信号については、遊技盤中継基板27を経由することなく、直接、主制御部21が受けている。
また、主制御部21は、払出制御部25に対して制御コマンドCMD”を一方向に送信する一方、払出制御部25からは、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や、払出動作の異常に係わるステイタス信号CONを受信している。ステイタス信号CONには、例えば、補給切れ信号、払出不足エラー信号、下皿満杯信号が含まれる。