JP2008012080A - 髄内釘及び整形外科手術器具セット - Google Patents

髄内釘及び整形外科手術器具セット Download PDF

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Abstract

【課題】基端部を安定的に長骨の外側面上に設置することができるとともに、既定の姿勢で容易かつ確実に挿入部を髄腔内に挿入することができる髄内釘を提供する。
【解決手段】本発明の髄内釘10は、長骨の外面上に配置される基端部11と、該基端部11から伸びて長骨の髄腔内に挿入される挿入部12とを具備する、長骨の内固定を行うための髄内釘において、前記基端部11は、板状に形成された第1領域11Aと、該第1領域11Aと前記挿入部12の基部12sとの間において屈折若しくは屈曲する第2領域11Bとを有し、前記第1領域11Aは、前記基部12sの軸線12xに対して交差する方向11xに延在し、前記外面上に固定するための固定構造11a,11bを備えるとともに、前記第2領域11Bよりも広幅に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は髄内釘及び整形外科手術器具セットに係り、特に、長骨、例えば、橈骨や尺骨の髄腔に導入されて内固定を行うための髄内釘の構造に関する。
一般に、橈骨、尺骨などといった前腕骨、上腕骨、大腿骨、脛骨などの長骨の骨折を治療するための整形外科手術において、骨の髄腔内に導入される髄内釘が用いられる場合がある。このような髄内釘としては、例えば、長骨の骨端部をドリル等で穿孔し、当該骨端部から髄腔内へ導入されるように構成された比較的直線状の髄内釘が大腿骨、上腕骨、尺骨等に対して用いられる。一方、骨端部から導入することが困難な部位、例えば、橈骨、脛骨などにおいては、骨の外側面から髄腔内に斜めに導入されるように設計された髄内釘が用いられる場合もある。これらの髄内釘の基端部には長骨の皮質に螺合される固定ねじを挿通・係合させるための固定孔を設ける場合がある(例えば、以下の特許文献1及び2参照)。また、長骨の端部に係合させるために基端部を屈曲させ、その先端が骨に係合するように突出させたり、或いは、骨の外側面に沿って延在するように構成したりしてなる髄内釘も知られている(例えば、以下の特許文献3及び4参照)。
特開2003−265494号公報 特開平9−299384号公報 米国特許第2579968号明細書 特表2005−516719号公報
しかしながら、前述の骨の外側面より骨軸に対して斜めに導入されるように設計された髄内釘では、皮質を穿孔して形成された開口部の外側に円筒面状の内面を有する凹溝が形成されるため、基端部を安定に設置できない場合がある。これを回避するには、穿孔方向の傾斜角度を増加させて挿入部を骨の外側面に対して大きな角度で挿入しなければならないので、基端部と挿入部との間に段差部を設ける必要が生じたり、挿入部の湾曲度合を大きくしたりしなければならないため、髄内釘の挿入作業が難しくなるという問題点がある。
また、この種の髄内釘では、骨の外側面から髄腔内に導入することができるようにするため、或いは、髄腔内において所定の整復力を発揮させるために、湾曲した先端部若しくは挿入部を備えている。したがって、髄内釘の挿入部を髄構内に挿入する際に長骨の挿入抵抗により髄内釘が回旋し、所望の姿勢で髄腔内に挿入することができない場合がある。例えば、特許文献1及び特許文献2の図6に示すように従来の基端部であるプレート部は薄いことから、基端部を把持して挿入しようとしても基端部に変形が生じることで挿入部の回旋を必ずしも完全に防止することができない場合があり、また、特許文献2の図1に示すように円柱状の基端部を設けた場合には、当該基端部を把持したときに挿入抵抗により基端部が滑って髄内釘全体が回旋してしまうことが考えられる。
さらに、基端部が屈曲してなる髄内釘では、長骨に対する髄内釘の回転姿勢を設定したり、基端部を骨に固定したりすることは容易である反面、屈曲した基端部を把持することが難しいため、挿入部の髄腔内への挿入作業が難しいという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、髄内釘の挿入後において基端部を安定的に長骨の外面上に設置することができるとともに、既定の姿勢で容易かつ確実に挿入部を髄腔内に挿入することができる髄内釘を実現することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の髄内釘は、長骨の外面上に配置される基端部と、該基端部から伸びて長骨の髄腔内に挿入される挿入部とを具備する、長骨の内固定を行うための髄内釘において、前記基端部は、板状に形成された第1領域と、該第1領域と前記挿入部の基部との間において屈折若しくは屈曲する第2領域とを有し、前記第1領域は、前記基部の軸線に対して交差する方向に延在し、前記外面上に固定するための固定構造を備えるとともに、前記第2領域よりも広幅に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、髄内釘の基端部が隣接する挿入部の基部に対して第2領域が屈折若しくは屈曲し、第1領域が基部の軸線に対して交差する方向に延在しているため、挿入部を長骨の髄腔内へ挿入する際には基端部の第1領域を把持することで挿入作業時における髄内釘の回旋を防止することができる。また、第1領域が第2領域より幅広に形成されていることにより、髄内釘の回旋方向の剛性を高めることができるとともに、第1領域を把持したり挿入器具に係合させたりすることが容易になり、しかも髄内釘の挿入時において充分に応力を加えることが可能になるため、髄内釘を既定の姿勢で容易かつ確実に長骨に導入することができる。さらに、第1領域が広幅に構成されていることで、骨の外面に対する接触面積を増大させることができるとともに固定構造による固定力を高めることも可能になるため、基端部を安定的に長骨の外面上に設置することができる。
本発明において、前記固定構造は、前記第1領域から前記基部側に突出する係合突起を含むことが好ましい。これによれば、髄内釘の挿入部を長骨の髄腔内に挿入する際に係合突起が骨の外面に係合するため、第1領域を確実に骨の外面上に位置決めすることができる。
本発明において、前記固定構造は、前記係合突起と前記第2領域との間に設けられた固定孔を含むことが好ましい。これによれば、係合突起によって位置決めされた第1領域を固定孔を用いて骨の外面上により確実に固定することができる。
次に、本発明の整形外科手術器具セットは、長骨の外面上に配置される基端部と、該基端部から伸びて長骨の髄腔内に挿入される挿入部とを具備する、長骨の内固定を行うための髄内釘と、該髄内釘の前記基端部に取り付けられる挿入器具と、を具備する整形外科手術器具セットにおいて、前記基端部は、板状に形成された第1領域と、該第1領域と前記挿入部の基部との間において屈折若しくは屈曲する第2領域とを有し、前記第1領域は、前記基部の軸線に対して交差する方向に延在し、前記外面上に固定するための固定構造を備えるとともに、前記第2領域よりも広幅に形成され、前記挿入器具は、前記第1領域に対して前記基部の軸線周りに係合する係合構造を有することを特徴とする。
この発明によれば、第1領域が広幅に構成されていることにより、挿入器具の係合溝を第1領域にスライド装着する際の支障をなくすことができるとともに、髄内釘の回旋に対する剛性を高めることができるため、既定の姿勢で容易かつ確実に挿入部を髄腔内に挿入することができる。また、骨の外面に対する接触面積の増大や固定構造の固定力の向上により、第1領域を安定的に長骨の外面上に設置することができる。
本発明において、前記固定構造は表裏を貫通する固定孔を含み、前記挿入器具は、前記固定孔に係合することにより前記係合構造の前記第1領域に対する係合状態を保持固定する固定手段をさらに有することが好ましい。これによれば、固定孔を利用して係合構造と基端部との係合状態を固定することができる。
本発明の髄内釘によれば、長骨に対して基端部を安定的に設置できるとともに、挿入時の軸線周りの回旋を防止し、既定の姿勢にて容易かつ確実に挿入部を髄腔内に導入することができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は本発明に係る実施形態の髄内釘10の平面図(a)及び側面図(b)、図2(a)及び(b)は髄内釘10の挿入部12を長骨(図示例では尺骨)1の髄腔内に挿入し、しかも、基端部11を固定ねじ13によって長骨1の外面(骨端面)上に固定した様子を示す側方透視図及び平面透視図、図2(c)は挿入部12の拡大断面図である。
髄内釘10は、基端部11と、この基端部11の基部に一体に連結され、その連結部分から伸びる挿入部12とを有する。髄内釘10はステンレス鋼、純チタン、チタン合金等によって構成される。基端部11には、固定孔11aが設けられた板状の第1領域11Aと、この第1領域11Aに一体に連結され、第1領域11Aと挿入部12の基部12sとの間に形成された屈折若しくは屈曲してなる第2領域11Bとを有している。第1領域11Aの軸線11xは、挿入部12の基部12sの軸線12xに対して交差し、図示例の場合、軸線11xと12xの交差角θは65度程度であるが、第1領域11Aが長骨の外面に沿うように延在するのであれば、交差角θは特に限定されない。一般的には、交差角は30〜150度の範囲内であることが好ましく、特に60〜120度の範囲内であることが望ましい。なお、基端部11は第2領域11Bも含め多少の弾性変形が可能で、その結果、上記交差角θも変化しうるように構成される。
髄内釘10の端部に設けられた第1領域11Aには固定孔11aが厚み方向に貫通している。板状に形成された第1領域11Aの厚み方向両側には表面と裏面が設けられ、表面は長骨(図示例では尺骨)1と反対側に向き、裏面は長骨1の外面(骨端面、図示例では尺骨の近位側端部)に接するように構成されている。固定孔11aは基本的には軸線12xと平行に図2に示す固定ねじ13を受け止めるように構成されている。すなわち、図7に示すように、固定孔11aの内部に形成される係合受面11nは、固定ねじ13の軸線が軸線12xと平行になる姿勢で頭部13aの座面に密着するように構成されている。ただし、係合受面11nは固定ねじ13の軸線が上記軸線12xの方向に対して多少傾斜しても頭部13の座面を受け止めることができるように構成されていることが望ましい。
図7に示すように、固定孔11aはほぼ円形の開口形状を有し、その開口縁には図示2点鎖線で示す切り欠き部11s、11tを設けてもよい。切り欠き部11sと11tは固定孔11aを挟んで相互に対向する位置に設けられている。切り欠き部11s及び11tはそれぞれ第1領域11Aの表面上において固定孔11aの開口範囲に連通する凹溝として構成されている。また、切り欠き部11s、11tはそれぞれ第1領域11Aの軸線11xの方向(第1領域11Aの長手方向)と平行に構成され、さらに、軸線11xと平行に伸びるスリット状(直線状)に形成されている。なお、切り欠き部11s、11tとしては、図示例のように凹溝状(すなわち内底部があり貫通していない形状)である必要はなく、固定孔11aに連通するものでさえあれば、第1領域11Aの厚み方向に貫通する構造を有していてもよい。このようにした方が固定孔11aの開口形状は弾性変形しやすくなる。なお、上記切り欠き部11s、11tは固定ねじ13の抜去時に頭部13aを把持するためのフックを挿入する溝として用いることも可能である。また、切り欠き部11s、11tは開口縁のうち軸線11xと交差(直交)する方向にある部分に設けてもよい。
本実施形態では、固定孔11aは表面側の開口部分がそのまま固定ねじ13の頭部13aを通過させることができ、頭部13aが単に上記係合受面11nで受け止められるように構成されている。しかしながら、上記のように切り欠き部11s、11tを設けた場合には、頭部13aを開口縁に押圧することで、上記切り欠き部11s、11tによる弾性変形で開口が一時的に大きくなり、頭部13aを固定孔11aの内部に嵌合させることができるように構成してもよい。このようにすると、長骨1の皮質に螺合した固定ねじ13のねじ部13bが緩むことによって、頭部13aが髄内釘10から突出することを防止できる。
第1領域11Aの先端部には挿入部12の延在側に(すなわち、軸線12xと平行に)突出する係合突起11bが設けられている。この係合突起11bは鋭利な先端を有し、長骨の外面に打ち込み可能に構成される。これによって、上記固定孔11aは、基端部11において、係合突起11bと、屈折部若しくは屈曲部である第2領域11Bとの間に形成されていることとなる。したがって、係合突起11bを長骨の外面上に打ち込むことによって基端部11を位置決めした後に、固定孔11aを通した穿孔作業や固定ねじ13のねじ込み作業を行うことができるので、これらの作業を容易かつ確実に行うことができ、また、固定後の髄内釘10の姿勢を高精度で、しかも安定したものとすることができる。
第1領域11Aは第2領域11Bよりも広幅に構成されている。これによって、第1領域11Aを骨の外面の広い範囲において密接固定することができ、また、固定孔11aや係合突起11bなどの固定構造の固定力も増大させることができる。また、第1領域11Aの軸線12x周りの剛性を高めることができるため、第1領域11Aを把持することで髄内釘10の回旋を確実に防止できる。さらに、後述するように、第2領域11Bが干渉しない態様で第1領域11Aの両側縁部にスライド係合できるように、挿入器具20の取付部21を設計することが可能になる。
図示例の場合、第2領域11Bの多くの部分は円形断面を有し、上記交差角θに対応して屈折若しくは屈曲されている。このような円形断面は第2領域11Bの剛性を高めるとともに、製造時の屈折若しくは屈曲作業を容易にするというメリットをも有する。
挿入部12は全体として弾性変形可能な棒状に構成されている。上記基端部11に接続された基部12sは軸線12xに沿って直線状に延在し、全体として円柱状に構成されている。また、この基部12sは他の部分より大径に構成されて剛性が高められているため、打ち込み時等における変形が防止される。挿入部12の基部12sから先の部分は曲折し、これによって上記軸線12xより外れて伸びるように構成されている。挿入部12の基部12s以外の外面には図2(c)に示すように複数の凹溝12aが設けられ、これらの間に凸条12bが形成されている。すなわち、挿入部12の断面は星形(図示例では凹溝12a及び凸条12bの数が4であるが、当該数は特に限定されない。)である。これによって挿入部12が海綿骨に食い込みやすくなるので、骨折部の回旋防止や固定力の増大を図ることができる。なお、挿入部12の先端部12cは凸曲面状(半球状)に構成され、これによって長骨1の髄腔内へ挿入部12をスムーズに挿入することが可能になる。
挿入部12の長手方向に見た延在形状は好ましくは長骨1の髄腔内で内固定作用を生ずるための三次元的に湾曲した形状(アナトミカル形状)を有する。そして、挿入された挿入部12は髄腔内において弾性復元力によって内側から長骨1を整復状態に保持する機能を備えている。なお、図示例の挿入部12の延在形状は尺骨に対応する形状であるが、これは髄腔の形状に応じて適宜に設定される。
以上説明した構造を有する髄内釘10は、以下のようにして用いられる。まず、図2に示す長骨1の骨端面にエントリーホール(長骨1の皮質の開口部)1aを形成する。エントリーホール1aの形成には、オウル、ドリル、リーマ等の穿孔器具を用いる。エントリーホール1aは骨軸と平行に形成することが好ましい。エントリーホール1aは髄内釘10の刺入点であり、尺骨の場合、刺入点は近位端の骨端面に設定される。
次に、図3(a)に示す挿入器具20を用いて髄内釘10の挿入部12を上記エントリーホール1aから髄腔内へ挿入する。挿入器具20は、先端に設けられた取付部21と、この取付部21に接続された可撓性の軸体(例えば、薄帯材を巻回して軸状に構成したもの)で構成される軸部22と、この軸部22に接続された平坦部23aを備えた把持部23と、この把持部23に接続された工具係合部24と、を軸線に沿って順次に有してなる。なお、工具係合部24は図3(c)に示すスライドハンマー40に係合するための連結ねじ穴24aを備えている。
挿入器具20の取付部21には、図4(a)に示すように、髄内釘10の基端部11の第1領域11Aが挿入可能に構成された係合溝21aが設けられ、この係合溝21aは第1領域11Aの軸線11xと直交する断面形状に対応する開口断面を有するとともに、取付部21の端面に第2領域11B又は挿入部12の基部12sを通過させるための端部開口を備えている。そして、この端部開口の両縁部によって第1領域11Aの両側縁部を保持するようになっている。すなわち、係合溝21a内に第1領域11Aを基部側から軸線11xに沿って挿入することで、第1領域11Aは係合溝21aにスライド係合し、その結果、第1領域11Aが軸線12xに沿った方向に脱しないように、しかも、軸線12xの周りに回転しないように、すなわち、軸線12xの周りに係合した状態で、装着することができるようになっている。これにより、基端部11の第1領域11Aが係合溝21aに装着されたとき、髄内釘10は挿入器具20に対して軸線12xの周りの回転が規制される態様で接続される。
取付部21には、上記係合溝21aの内部に連通するねじ孔21bが設けられている。このねじ孔21bに止めねじ21c(図4(c)参照)を螺入し、止めねじ21cの先端を上記固定孔11aに係合させることで、挿入器具20に髄内釘10を連結固定することができる。このねじ孔21b及び止めねじ21cは上記の固定手段に相当する。
次に、図4(b)及び(c)に示すように、挿入器具20を用いて髄内釘10の挿入部12をエントリーホール1aから長骨1の髄腔内へ挿入していく。このとき、挿入器具20は髄内釘10に対して軸線12xの周りに固定されているので、挿入時における髄内釘10の回旋を防止することができる。特に、挿入時において挿入器具20と連結される第1領域11Aは軸線12xと交差する方向に延在し、しかも、幅広に構成されているため、軸線12x周りに充分な取付剛性を有するとともに軸線12x周りのねじれ剛性も高いため、基端部11の変形等によって挿入部12の回旋が発生することもない。なお、エントリーホール1aから計測用ワイヤを挿入して髄腔の深さを測定したり、長骨1とテンプレートとを重ね合わせてX線画像等の透視画像で長骨1の長さを確認したりする等の方法により、事前に髄内釘10の最適長さを求めておき、当該最適長さを有する髄内釘10を選定して用いることが好ましい。
髄内釘10の基端部11がエントリーホール1aに近づき、長骨1の外面に接近したら、挿入器具20を髄内釘10から取り外し、図5に示すステップインパクタ50を用いて基端部11をエントリーホール1aの周囲の長骨1の外面に整合させる。ステップインパクタ50は、上記固定孔11aに嵌合する形状に構成されてなる先端加圧部51と、平坦部52aを備えた把持部52と、工具係合部53及び54とを有している。工具係合部53、54は上記スライドハンマー40が接続できるように構成されている。
図5に示すように、先端加圧部51は髄内釘10の基端部11における固定孔11aに嵌合し、その開口縁に係合するように構成されており、ステップインパクタ50の端面に設けられた工具係合部54に図示しない手動ハンマーや上記スライドハンマー40等で衝撃を与えることで、髄内釘10を完全に打ち込むことができる。髄内釘10の長骨1に対する挿入作業が完了すると、髄内釘10の基端部11はエントリーホール1aの外側に形成された骨端面に沿って延在した状態とされる。より具体的に述べると、図2に示すように係合突起11bが長骨1の骨端に打ち込まれるとともに、第1領域11Aの裏面が骨端面に密接した状態とされる。このステップインパクタ50を用いた打ち込み作業に際しては、固定孔11aが係合突起11bと第2領域11Bとの間に配置されていることにより、挿入部12の打ち込み力と同時に係合突起11bの打ち込み力をも確保できるという利点が得られる。
その後、基端部11の固定孔11aを通して図示しないドリル等の穿孔工具により長骨1の皮質にスクリューホールを形成し、図2に示す固定ねじ13を螺入する。固定ねじ13が皮質にしっかりとねじ込まれると、頭部13aの座面は固定孔11a内の係合受面11nに密接し、基端部11を長骨1の外面上に固定する。なお、これらの作業中においては、係合突起11bが骨に係合することで第1領域11Aが骨の外面上に位置決めされた状態とされているので、第1領域11Aの位置ずれ(すなわち、髄内釘10の回旋)が防止される。
図6は、上記のように装着された髄内釘10を除去する場合の手順を示すものである。骨折部が癒合した後に髄内釘10を除去する場合には上記とは逆に固定ねじ13を除去してから髄内釘10を取り除く。固定ねじ13は通常のレンチやドライバー等の工具で取り外すことができる場合もあるが、固定ねじ13が仮骨形成等によって長骨1に強固に固着されている場合や、骨質が柔らかいために固定ねじ13のネジ部13bが空回りしてネジを緩めることができなくなってしまった場合には、以下の方法で髄内釘10とともに固定ねじ13を引き抜く。
髄内釘10の引き抜きには図3(b)に示す抜去器具30を用いる。この抜去器具30は、先端の係合部31に一対のフック部31a,31aを有し、さらに、平坦部32aを備えた把持部32と、スライドハンマー40等に接続するための工具係合部33とを有してなる。上記のフック部31a,31aは、第1領域11Aや固定ねじ13の頭部13aを回避した状態で上記第1領域11Aの幅方向両側の側縁部に係合可能に構成されている。そして、抜去器具30の係合部31を髄内釘10の軸線11xに沿って第1領域11Aの先端側若しくは基端側からスライド挿入することで、図6(c)に示すようにフック部31a,31aが第1領域11Aの両側の側縁部と骨の外面との間に介挿された状態とすることができる。ここで、第1領域11Aが幅広に構成されていることで、抜去器具30のフック部31aを骨の外面との間に介挿することが容易になる。
装着当初の抜去器具30の軸線は図6(b)に示すように軸線11xと直交する方向に設定されているが、抜去器具30の軸線を図示矢印Rで示すように軸線12x側に倒すことにより、図6(a)に示すように梃子の原理により第2領域11Bを変形させて第1領域11Aを容易に骨面から離間させることができる。このとき、係合突起11bが骨面から抜去される。また、抜去器具30の後端に図示しない手動ハンマーや図示のスライドハンマー50により衝撃を与えることで、髄内釘10と骨との癒着を解消することができる。このように抜去器具30を用いることで、髄内釘10を長骨1から簡単に引き抜くことができる。
尚、本発明の髄内釘は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態の髄内釘10では、第2領域11Bを比較的大きく屈折若しくは屈曲させることにより軸線11xと12xの交差角θを鋭角に形成しているが、本発明は軸線11xと12xが交差していればよく、交差角θは骨の外面形状に応じて適宜に設定することができる。
髄内釘の実施形態の平面図(a)及び側面図(b)。 髄内釘の長骨への取付状態を示す側面図(a)及び平面図(b)、並びに、挿入部の断面図(c)。 髄内釘を用いた整形外科手術に用いる挿入器具の平面図、側面図及び背面図(a)、抜去器具の平面図、側面図及び背面図(b)、並びに、スライドハンマーの平面図、側面図及び背面図(c)。 挿入器具と髄内釘の接続部を示す分解斜視図(a)、挿入時の平面図(b)、及び、挿入時の側面図(c)。 ステップインパクタを用いた作業の様子を示す作業説明図。 抜去器具を用いた抜去作業時の様子を示す作業説明図(a)、抜去器具の装着時の初期状態を示す作業説明図(b)、並びに、抜去器具の装着状態を拡大図とともに示す説明図(c)。 髄内釘の基端部11の拡大平面図。
符号の説明
10…髄内釘、11…基端部、11A…第1領域、11a…固定孔、11b…係合突起、11n…係合受面、11s、11t…切り欠き部、11x…(第1領域の)軸線、11B…第2領域(屈折部若しくは屈曲部)、12…挿入部、12a…凹溝、12b…凸条、12c…先端部、12s…基部、12x…(基部の)軸線、1…長骨(尺骨)、1a…エントリーホール

Claims (5)

  1. 長骨の外面上に配置される基端部と、該基端部から伸びて長骨の髄腔内に挿入される挿入部とを具備する、長骨の内固定を行うための髄内釘において、
    前記基端部は、板状に形成された第1領域と、該第1領域と前記挿入部の基部との間において屈折若しくは屈曲する第2領域とを有し、
    前記第1領域は、前記基部の軸線に対して交差する方向に延在し、前記外面上に固定するための固定構造を備えるとともに、前記第2領域よりも広幅に形成されていることを特徴とする髄内釘。
  2. 前記固定構造は、前記第1領域から前記基部側に突出する係合突起を含むことを特徴とする請求項1に記載の髄内釘。
  3. 前記固定構造は、前記係合突起と前記第2領域との間に設けられた固定孔を含むことを特徴とする請求項2に記載の髄内釘。
  4. 長骨の外面上に配置される基端部と、該基端部から伸びて長骨の髄腔内に挿入される挿入部とを具備する、長骨の内固定を行うための髄内釘と、該髄内釘の前記基端部に取り付けられる挿入器具と、を具備する整形外科手術器具セットにおいて、
    前記基端部は、板状に形成された第1領域と、該第1領域と前記挿入部の基部との間において屈折若しくは屈曲する第2領域とを有し、
    前記第1領域は、前記基部の軸線に対して交差する方向に延在し、前記外面上に固定するための固定構造を備えるとともに、前記第2領域よりも広幅に形成され、
    前記挿入器具は、前記第1領域の延在方向にスライド装着可能に構成され、前記第1領域の両側縁部に係合する係合溝を備えた係合構造を有することを特徴とする整形外科手術器具セット。
  5. 前記固定構造は表裏を貫通する固定孔を含み、前記挿入器具は、前記固定孔に係合することにより前記係合構造の前記第1領域に対する係合状態を保持固定する固定手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の整形外科手術器具セット。
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