JP2008011074A - 超指向性音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波帯域のキャリア波を可聴音声で振幅変調して超音波を放射したとき、超音波から自己復調する可聴音声の音圧を効率よく向上させる。
【解決手段】 振幅変調器2が、エミッタ4の音圧周波数特性の中でキャリア波の音圧とサイドバンドの音圧との積が大きくなる周波数を有するキャリア波信号を生成し、音声生成器1からの音声信号で当該キャリア波信号を振幅変調する。この振幅変調信号を増幅器3で増幅してエミッタ4から超音波を放射し、超音波から自己復調する可聴音声の音圧を高める。
【選択図】図1

Description

この発明は、可聴音声を狭いエリアに放音する超指向性音響装置に関するものである。
空気の非線形現象を利用して超音波帯域のキャリア波を用いて限られたエリア内に可聴音声を放射する超指向性音響装置は、高周波発生器に生成させたキャリア波信号を振幅変調器が可聴音声を示す音声信号で振幅変調し、エミッタが振幅変調器から出力された変調信号に基づく超音波を発生している。このような装置に用いられているエミッタは急峻なピークを含む音圧周波数特性を有している。一般的な装置では、エミッタの音圧周波数特性において特性曲線がピークを成すエミッタ共振周波数をキャリア波の周波数として用いている。
また、十分な音量を得るために複数のパラメトリックスピーカ即ちエミッタを動作させるものがある。このように構成して動作させると、各エミッタの音響出力に著しい位相差が生じて理論上よりも出力や指向性が低くなってしまう。そのため各エミッタの出力位相が一致するように、エミッタの最大共振周波数から1〜5%移動した周波数のキャリア波を用いるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特表2003−513576号公報(第12〜13頁、図2)
従来の超指向性音響装置は以上のように構成されているので、エミッタ共振周波数のキャリア波を可聴音声で変調することから、エミッタの音圧周波数特性とキャリア波及びサイドバンドとの関係により、エミッタの放射した超音波から自己復調した可聴音声の音圧が小さくなるという課題があった。
また、複数のエミッタを用いて可聴音声の音圧レベルの向上を図ると、装置構成が複雑になってコストが高くなると共に各エミッタの出力位相を揃える処理が必要になって動作も複雑になるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、超音波帯域のキャリア波を可聴音声で振幅変調して超音波を放射したとき、超音波から自己復調する可聴音声の音圧を効率よく向上させる超指向性音響装置を得ることを目的とする。
この発明に係る超指向性音響装置は、振幅変調手段が、エミッタの音圧周波数特性の中でキャリア波の音圧と当該キャリア波を音声信号で振幅変調したときのサイドバンドの音圧との積が大きくなる周波数を有するキャリア波信号を生成するものである。
この発明によれば、エミッタの音圧周波数特性の中でキャリア波の音圧と当該キャリア波を音声信号で振幅変調したときのサイドバンドの音圧との積が大きくなる周波数のキャリア波信号を振幅変調手段が生成するようにしたので、装置構成を複雑にすることなく、エミッタが放射した超音波帯域のキャリア波及びサイドバンドから自己復調する可聴音声の音圧を大きくすることができるという効果がある。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による超指向性音響装置の構成を示すブロック図である。図示した超指向性音響装置は、可聴音を示す音声信号を生成する音声生成器1、音声信号を入力して振幅変調信号を生成する振幅変調器2、振幅変調信号を増幅する増幅器3、増幅器3によって増幅された振幅変調信号を入力して超音波を発生するエミッタ4によって構成されている。
振幅変調器2は、超音波帯域のキャリア波を示す信号を生成する高周波生成器21、高周波生成器21からのキャリア波信号と音声生成器1からの音声信号とを入力し、これらの信号の掛算処理を行う掛算器22によって構成されている。超音波を放射するエミッタ4は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛即ちPZTなどの有機系の硬い圧電素材から成る超音波振動子を備えたものである。
図2は、実施の形態1による超指向性音響装置に備えられる振幅変調器の構成を示すブロック図である。図1に示したものと同一部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。この図は、図1に示した超指向性音響装置が、比較的効率よく処理できるSingle Side Band(以下、SSBと記載する)変調を行う装置である場合の、振幅変調器2の概略構成を示すものである。SSB変調を行う振幅変調器2は、図1に示した音声生成器1からの音声信号と高周波生成器21からのキャリア波信号とを掛算処理する掛算器22、掛算器22で処理した信号の周波数成分についてフィルタリングを施すフィルタ23、高周波生成器21からキャリア波信号を入力して当該信号のレベル調整を行うアッテネータ24、及びフィルタ23の出力信号とアッテネータ24の出力信号とを加算して振幅変調信号を出力する加算器25によって構成されている。
フィルタ23は、例えば上側波帯を有するSSB変調を行う場合は、キャリア波とキャリア波よりも低い周波数帯域のサイドバンドとを抑制し、キャリア波よりも高い周波数帯域のサイドバンドを通すフィルタ特性を有するものである。また、下側波帯を有するSSB変調を行う場合は、キャリア波よりも低い周波数帯域のサイドバンドを通すフィルタ特性を有するものが使用される。
次に動作について説明する。
図1に示した音声生成器1は、可聴帯域の音声を示す音声信号を生成する。この音声信号は振幅変調器2の掛算器22へ入力される。振幅変調器2では、高周波生成器21が超音波帯域のキャリア波を示すキャリア波信号を生成している。ここで生成されるキャリア波信号は、後述するようにエミッタ4の共振周波数とは異なる、即ちエミッタ共振周波数からずれた周波数の超音波を表すものである。このキャリア波信号も前述の音声信号と同様に掛算器22へ入力される。掛算器22は、音声信号とキャリア波信号との掛算処理を行い、キャリア波信号を音声信号にて振幅変調した振幅変調信号を生成する。なお、変調率を100%とするためには、振幅変調によって生じるサイドバンドのレベルがキャリア波のレベルに対して“−6dB”となるように、例えば図示されない音声信号を入力する加算器などの処理動作によって音声信号のレベルを調整して上記の掛算処理を行う。
振幅変調器2から振幅変調信号を入力した増幅器3は、エミッタ4を駆動することが可能なレベルまで当該振幅変調信号を増幅する。エミッタ4は、増幅器3から入力した振幅変調信号に応じて超音波を発生する。エミッタ4から放射された超音波は、空気中を伝搬するときの非線形相互作用によって前述の音声信号の表す可聴音声へ自己復調する。このようにして、超音波が放射された例えばビーム状の限られたエリア内のみで聴取することのできる可聴音声が放射される。
図1に示した超指向性音響装置が、例えばSSB変調を行って動作するものである場合には、図2に示した振幅変調器2によって変調が行われる。この振幅変調器2は、音声生成器1から出力された音声信号と、高周波生成器21から出力された前述の説明と同様にエミッタ共振周波数feからずれている周波数を有するキャリア波信号とを、掛算器22へ入力して掛算処理を行う。次に掛算器22の出力信号をフィルタ23へ入力する。
例えば上側波帯を有するSSB変調を行う場合には、前述のようにフィルタ23はハイパスフィルタとして作用し、掛算器22の出力信号からキャリア波と当該キャリア波の下側帯域のサイドバンドとを減衰させ、上側帯域のサイドバンド成分を通過させる。
一方、高周波生成器21から出力されたキャリア波信号をアッテネータ24へ入力する。アッテネータ24は、入力したキャリア波信号のレベルを減衰させ、上記のフィルタ23から出力される信号レベルと適合するように、即ち、高い変調率を確保すると共に変調による歪が生じないようにレベル調整を行う。
フィルタ23の出力信号と、アッテネータ24の出力信号とを加算器25へ入力し、これらの信号の加算処理を行って上側帯域のサイドバンドとキャリア波とから成る変調信号を生成する。このように上側波帯を有するSSB変調を施した変調信号を増幅器3へ入力して、エミッタ4を駆動可能なレベルまで増幅する。エミッタ4を駆動させてSSB変調による超音波を放射する。
図3−1は、Double Side Band(以下、DSBと記載する)変調を行う超指向性音響装置の動作を示す説明図である。また、図3−2は、SSB変調を行う超指向性音響装置の動作を示す説明図である。これらの図において、同一あるいは相当する部分に同じ符号を使用して説明する。
エミッタ4は、前述のように有機系の硬い圧電素材の超音波振動子を用いて超音波を発生させるもので、音圧周波数特性として一般的には複数の音圧ピークを有している。ここで例示するエミッタ4は、二つの音圧ピークを有する音圧周波数特性を備えたもので、この特性は図3−1や図3−2などに示した特性曲線の音圧周波数特性Aのように表されるものである。なお、図示した音圧周波数特性Aの中で、最も音圧が高くなる部分を第1ピークとし、また図中エミッタ共振周波数feよりも高い周波数の音圧ピークを第2ピークとする。ここでは、第1ピークの周波数をエミッタ共振周波数feと記載する。図3−1及び図3−2に示したグラフは、縦軸が放射器即ちエミッタ4から放射される超音波の音圧[dB]、横軸が周波数[Hz]を表すもので特に超音波帯域の周波数を表している。
振幅変調にはDSB変調とSSB変調があり、図3−1及び図3−2に示したものは、いずれもエミッタ共振周波数feをキャリア波Bの周波数として振幅変調を行ったときの動作を表している。
DSB変調を行った場合には、図3−1に示したようにキャリア波Bを中心にして上下両側の周波数帯域にサイドバンドCが生じる。
SSB変調を行った場合には、キャリア波Bよりも高い周波数帯域あるいは低い周波数帯域のいずれかにサイドバンドCが存在し、例えば上側波帯即ちUSBを有する振幅変調を行った場合には図3−2に示したようにキャリア波Bよりも高い周波数帯域にサイドバンドCが生じる。また、下側波帯即ちLSBを有する振幅変調を行った場合にはキャリア波Bよりも低い周波数帯域にサイドバンドCが生じる。
なお、SSB変調は、DSB変調に比べて変調に要するデータ処理量を抑えることができ、デジタルデータの音声信号やキャリア波信号を処理する際に有利である。また、SSB変調は理論上では二次高調波歪が発生せず高調波歪を低減することができるため変調効率を改善することも可能である。
エミッタ4から超音波をキャリア波として可聴音声を放射したとき、キャリア波の周波数成分とサイドバンドの周波数成分の相互作用により超音波から可聴音声へ自己復調する。即ち、エミッタ4から放射されたサイドバンド成分が自己復調した可聴音声の音圧レベルに影響する。そのため、図3−2に例示したように、エミッタ共振周波数feをキャリア波Bの周波数としてSSB変調を行って超指向性を有する音響放射を行うと、一般的なエミッタ4を用いた場合にはサイドバンドCの音圧レベルがキャリア波Bの音圧レベルに比べて相当低くなり、エミッタ4の音圧周波数特性Aの中でキャリア波Bの音圧レベルとサイドバンドCの音圧レベルとの積が小さな値になって超音波から復調した可聴音声の音圧レベルが低くなる。図3−1及び図3−2に示したようにエミッタ共振周波数feをキャリア波Bの周波数として設定した場合、特にSSB変調を用いたときには上記のエミッタ4の音圧周波数特性Aに依存するキャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧との積が小さな値になる。
そこで、高い音圧で可聴音声を出力するように、実施の形態1による振幅変調器2は、キャリア波Bの周波数をエミッタ共振周波数feよりも高い、あるいは低い周波数に設定して、詳しくは、エミッタ4の音圧周波数特性Aに依存するキャリア波Bの音圧レベルとサイドバンドCの音圧レベルとの積を求めたとき、この値が少なくともキャリア波Bの周波数としてエミッタ共振周波数feを用いたときの音圧周波数特性Aにおけるキャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧との積よりも大きくなるようにキャリア波Bの周波数を設定して振幅変調を行う。このような動作は特にSSB変調を行う場合に有効である。なお、サイドバンドCは、振幅変調が可聴音声帯域を取り扱う場合、例えば上側波帯を有するSSB変調ではキャリア波Bの周波数から概ね“+20kHz”の帯域になる。また、下側波帯を有するSSB変調では、サイドバンドCはキャリア波Bの周波数から概ね“−20kHz”の帯域になる。
図4−1は、実施の形態1による超指向性音響装置の動作を示す説明図である。また、図4−2は、振幅変調の動作を示す説明図である。これらの図は、図3−2に示したものと同一あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。図4−1及び図4−2に示した縦軸はエミッタ4から放射される超音波の音圧[dB]を表し、横軸は周波数[Hz]を表すもので特に超音波帯域の周波数を表している。図4−1は実施の形態1による超指向性音響装置を成すエミッタ4の音圧周波数特性Aと、振幅変調器2が上側波帯を有するSSB変調を行ったときのキャリア波B及びサイドバンドCとの関係の一例を表している。また、図4−2は、SSB変調を行ったとき、可聴音声の音圧を高めることができない音圧周波数特性Aとキャリア波B及びサイドバンドCとの関係の一例を表している。
図1及び図2に示した高周波生成器21は、エミッタ4の音圧周波数特性Aの中で音圧のピークを成すエミッタ共振周波数feよりも高い周波数、あるいは低い周波数の超音波を示すキャリア波信号を生成する。このキャリア波信号は、エミッタ共振周波数feから当該エミッタ共振周波数feの概ね20%までの範囲に含まれる周波数を有するものである。
エミッタ4は、前述のようにエミッタ共振周波数feにおいて音圧ピークが生じることから、振幅変調器2が、例えばエミッタ共振周波数feよりも高い周波数のキャリア波Bを振幅変調に使用するときには下側波帯即ちLSBを有するSSB変調を行う。こうすると、キャリア波Bの周波数とサイドバンドCの周波数帯域はエミッタ共振周波数feを挟むことになり、キャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧は、音圧周波数特性Aの中において音圧ピークの両側方の音圧になって、当該音圧周波数特性Aにおけるキャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧との積を大きな値にすることができる。
また、エミッタ共振周波数feよりも低い周波数のキャリア波Bを使用するときには、上側波帯即ちUSBを有するSSB変調を行うようにする。このようにした場合も、上記の説明と同様にキャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧は音圧周波数特性Aの中において音圧ピークの両側方の音圧になり、音圧周波数特性Aの中においてキャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧の積を大きな値にすることができる。
高周波生成器21が生成するキャリア波信号の周波数は、当該超指向性音響装置に備えられているエミッタ4の音圧周波数特性Aに応じて設定される。音圧周波数特性Aの特性曲線の傾斜が、エミッタ共振周波数feよりも高い帯域において緩やかな場合には、キャリア波Bの周波数をエミッタ共振周波数feよりも高く設定する。このように設定して、前述のようにLSBを有するSSB変調を行うと、サイドバンドCの音圧レベルが音圧周波数特性Aにおいて相対的に高くなり、キャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧との積が大きな値になる。
また、音圧周波数特性Aの特性曲線の傾斜が、エミッタ共振周波数feよりも低い帯域において緩やかな場合には、キャリア波Bの周波数をエミッタ共振周波数feよりも低く設定する。このように設定して、前述のようにUSBを有するSSB変調を行うと、サイドバンドCの音圧レベルが音圧周波数特性Aにおいて相対的に高くなり、キャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧との積が大きな値になる。
例えば、エミッタ4の音圧周波数特性Aがエミッタ共振周波数feの上下周波数帯域において同様に変化する、即ち音圧周波数特性Aの特性曲線がエミッタ共振周波数feの両側方で概ね同様な傾斜を有する場合には、図2に示したフィルタ23の特性を外部からの設定に応じて切り替え可能に構成し、また、この切り替え設定に連動してキャリア波Bの周波数をエミッタ共振周波数feよりも高い周波数、あるいは低い周波数のいずれかに設定してキャリア波信号を生成するように高周波生成器21を構成し、USBを用いる変調とLSBを用いる変調のいずれかを選択させて動作するように振幅変調器2を構成してもよい。
また、前述のようにキャリア波Bの周波数は、エミッタ共振周波数feから概ね20%までの範囲において移動させた値に設定しているが、これ以上大きくエミッタ共振周波数feから移動させると、音圧周波数特性Aの中においてキャリア波Bの音圧レベルが低くなり、キャリア波Bの音圧レベルとサイドバンドCの音圧レベルの積も小さな値になって、エミッタ4から放射された超音波が自己復調して可聴音声になったときの音圧レベルも低くなる。そのためキャリア波Bの周波数を、エミッタ共振周波数feの20%よりも小さな範囲で移動した周波数、即ちエミッタ共振周波数feから当該エミッタ共振周波数feの概ね20%までの範囲に含まれる周波数に設定する。
図5は、実施の形態1による超指向性音響装置の動作を示す説明図である。この図は、振幅変調器2の生成した振幅変調信号を増幅器3で増幅してエミッタ4から超音波を放射させ、空気中において自己復調した可聴音声の音圧周波数特性を示したグラフで、縦軸は音圧[dB]、横軸は周波数[Hz]を表すもので特に可聴音声帯域の周波数を表している。図中一点破線で示した特性曲線Dは、エミッタ共振周波数feのキャリア波Bを用いたときに自己復調する可聴音声の音圧周波数特性を表したものである。図中破線で示した特性曲線Eは、エミッタ共振周波数feよりも低い周波数のキャリア波Bを用いたときに自己復調する可聴音声の音圧周波数特性を示したものである。図中実線で示した特性曲線Fは、エミッタ共振周波数feよりも高い周波数のキャリア波Bを用いたときに自己復調する可聴音声の音圧周波数特性を示したものである。
図5の特性曲線Dは、図3−2に示したキャリア波BとサイドバンドCから成る超音波がエミッタ4から放射されたときの可聴音声の音圧周波数特性を表したもので、特性曲線Eは、前述の図4−2に示したキャリア波BとサイドバンドCから成る超音波がエミッタ4から放射されたときの可聴音声の音圧周波数特性である。図4−2のキャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧の積は、図3−2に示したものに比べて小さい値になるもので、そのため特性曲線Eは概ね全ての可聴音声帯域において特性曲線Dを下回っており、超音波から自己復調した可聴音声の音圧レベルが低くなっている。
特性曲線Fは、前述の図4−1に示したキャリア波BとサイドバンドCから成る超音波がエミッタ4から放射されたときに自己復調した可聴音性の音圧周波数特性を表したものである。図3−2に示したキャリア波Bの音圧ならびにサイドバンドCの音圧と比べて、図4−1に示したキャリア波Bの音圧レベルは低くなっているが、サイドバンドCの音圧レベルは高くなっていることから、図4−1のキャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧との積は上記の図3−2ならびに図4−2に示したものに比べて大きな値になる。図4−1に示した周波数のキャリア波B及びサイドバンドCの超音波をエミッタ4から放射したとき、この超音波から復調する可聴音声の音圧レベル即ち特性曲線Fは、特性曲線Dや特性曲線Eが示す音圧レベルよりも、特に低中音域から高音域にかけて高い値となる。
また、エミッタ共振周波数feをキャリア波として使用した場合にはエミッタ4のインピーダンスが低くなるが、ここまで説明したエミッタ共振周波数feからずれている周波数のキャリア波を用いると、エミッタ4のインピーダンスが上記の場合に比べて高くなり、当該エミッタ4を駆動している増幅器3の負担を軽減することができる。
以上のように実施の形態1によれば、キャリア波Bの周波数を、エミッタ4の音圧周波数特性Aに基いてエミッタ共振周波数feから20%よりも小さな範囲でずらした周波数とし、かつ、音圧周波数特性Aの中でキャリア波Bの音圧とサイドバンドCの音圧との積が大きな値となる周波数に設定して高周波生成器22がキャリア波信号を生成し、振幅変調器2は当該キャリア波信号を用いて振幅変調信号を生成するようにしたので、振幅変調信号に基いてエミッタ4が超音波を放射したとき、当該超音波から自己復調した可聴音声の音圧を向上させることができるという効果がある。
また、高周波生成器22が生成するキャリア波信号の周波数の設定をエミッタ4の音圧周波数特性Aに適応させて振幅変調信号を生成するようにしたので、構成を複雑にすることなくエミッタ4から放射される可聴音声の音圧を高めることができるという効果がある。
この発明の実施の形態1による超指向性音響装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1による超指向性音響装置に備えられる振幅変調器の構成を示すブロック図である。 DSB変調を行う超指向性音響装置の動作を示す説明図である。 SSB変調を行う超指向性音響装置の動作を示す説明図である。 実施の形態1による超指向性音響装置の動作を示す説明図である。 振幅変調の動作を示す説明図である。 実施の形態1による超指向性音響装置の動作を示す説明図である。
符号の説明
1 音声生成器、2 振幅変調器、3 増幅器、4 エミッタ、21 高周波生成器、22 掛算器、23 フィルタ、24 アッテネータ、25 加算器。

Claims (5)

  1. 可聴音声を示す音声信号を生成する音声生成手段と、超音波帯域のキャリア波を示すキャリア波信号を生成し前記音声生成手段から入力した音声信号で当該キャリア波信号を振幅変調して振幅変調信号を生成する振幅変調手段と、前記振幅変調信号を増幅する増幅手段と、前記増幅器からの振幅変調信号に基いて超音波をキャリア波とする可聴音声を放射するエミッタとを備えた超指向性音響装置において、
    前記振幅変調手段は、前記エミッタの音圧周波数特性の中でキャリア波の音圧と当該キャリア波を音声信号で振幅変調したときのサイドバンドの音圧との積が大きくなる周波数を有するキャリア波信号を生成することを特徴とする超指向性音響装置。
  2. 振幅変調手段は、エミッタの共振周波数よりも高い周波数のキャリア波信号を生成して当該キャリア波信号の下側波帯を有するSSB変調を行うことを特徴とする請求項1記載の超指向性音響装置。
  3. 振幅変調手段は、エミッタの共振周波数よりも低い周波数のキャリア波信号を生成して当該キャリア波信号の上側波帯を有するSSB変調を行うことを特徴とする請求項1記載の超指向性音響装置。
  4. 振幅変調手段は、外部から、エミッタの共振周波数よりも高い周波数のキャリア波信号を生成するように設定されたとき当該キャリア波信号の下側波帯を有するSSB変調を行い、またはエミッタの共振周波数よりも低い周波数のキャリア波信号を生成するように設定されたとき当該キャリア波信号の上側波帯を有するSSB変調を行うことを特徴とする請求項1記載の超指向性音響装置。
  5. 振幅変調手段は、エミッタの共振周波数から当該共振周波数の20%よりも小さな範囲で移動した周波数のキャリア波信号を生成することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の超指向性音響装置。
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