JP2008010452A - 部品内蔵基板の検査方法、部品内蔵基板の製造方法、部品内蔵基板検査用治具および部品内蔵基板の検査システム - Google Patents
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Abstract
【課題】部品内蔵基板の生産効率を向上させること。
【解決手段】一面に部品を実装し他面に基板電極2a,6aを備えた回路基板2,6に電気絶縁性を有する絶縁性基板4を積層しこれら基板2,4,6を一対の熱板16,18で挟み込んで部品内蔵のための熱プレスが施されて製造される部品内蔵基板12に対して上記基板電極2a,6aに検査端子8a,10aを検査信号入出力のために接触させる部品内蔵基板の検査方法において、上記熱プレスを上記基板電極2a,6aと上記熱板16,18との間に検査端子8a,10aをセットした状態で施して検査端子8a,10aと上記基板電極2a,6aとの上記接触を行わせることにより、上記部品内蔵と部品内蔵基板検査とを同時に実行可能にした。
【選択図】図5
【解決手段】一面に部品を実装し他面に基板電極2a,6aを備えた回路基板2,6に電気絶縁性を有する絶縁性基板4を積層しこれら基板2,4,6を一対の熱板16,18で挟み込んで部品内蔵のための熱プレスが施されて製造される部品内蔵基板12に対して上記基板電極2a,6aに検査端子8a,10aを検査信号入出力のために接触させる部品内蔵基板の検査方法において、上記熱プレスを上記基板電極2a,6aと上記熱板16,18との間に検査端子8a,10aをセットした状態で施して検査端子8a,10aと上記基板電極2a,6aとの上記接触を行わせることにより、上記部品内蔵と部品内蔵基板検査とを同時に実行可能にした。
【選択図】図5
Description
本発明は、能動部品および受動部品を基板内に内蔵した部品内蔵基板の検査方法、部品内蔵基板の製造方法、部品内蔵基板検査用治具および部品内蔵基板の検査システムに関するものである。
近年、電子機器の高性能化・小型化の一層の進展により、これら電子機器の電子制御に用いる半導体素子等の回路部品も、より高密度・高機能化が要求され、これら要求に対し、基板に回路部品をより高密度に実装することができる高密度実装技術の開発もより活発化している。この回路部品を基板に高密度に実装するため、基板内に薄膜部品を作りこんだり、あるいは既存の部品であるICやトランジスタなどの能動部品やLCRなどの受動部品を内蔵した3次元実装技術の開発がおこなわれている。その一例として、無機質フィラーと熱硬化性樹脂との混合物内に、既存部品である能動部品や受動部品を内蔵した部品内蔵基板(部品内蔵モジュールとも称される)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、更なる高機能化のため、部品内蔵基板の表面にも複数の能動部品や受動部品を実装した形態の部品内蔵基板がある。この形態の部品内蔵基板においては、あらかじめ検査により内蔵部品の動作およびインナービアの導通が確認された良品にのみ、表面に部品が実装されることとなる。
以下、図24ないし図29を参照して部品内蔵基板の検査工程を含む従来の製造方法を説明する。
図24(a)で示す第1回路基板2には、一面側と他面側それぞれに基板電極2a,2bが形成され、両側端部にアライメント用孔2c,2dが貫通形成されている。
図24(b)で示す絶縁性基板4は、導電体が充填されたインナービア4a,4bが形成され、両側端部にアライメント用孔4c,4dが貫通形成されている。
図24(c)で示す第2回路基板6には、一面側と他面側それぞれに基板電極6a,6bが形成され、両側端部にアライメント用孔6c,6dが貫通形成され、他面側の基板電極6b上に回路部品6eを実装されている。
そして、従来の部品内蔵基板は、図24で示す第1、第2回路基板2,6と、絶縁性基板4とを用いて以下の工程で部品内蔵基板を製造する。この製造工程は、部品内蔵工程(図25、図26)、熱板取り外し工程(図27)、検査工程(図28)および、回路部品実装工程(図29)を有する。
(部品内蔵工程)
まず、図25で示すように、第1回路基板2、絶縁性基板4、第2回路基板6それぞれのアライメント用孔にアライメントピン14a,14bを共通に挿入して積層すると共に、第1、第2回路基板2,6の一面側それぞれに、上下一対の熱プレス金型である熱板16,18を配置する。この熱板16,18の両側端部のアライメント用孔16a,16b;18a,18bにもアライメントピン14a,14bを挿入する。そして、全体をアライメントピン14a,14bの挿入により位置決めした状態で、熱板16,18をその外側から熱プレス機により加圧と同時に加熱の処理を施すことにより、図26で示すように回路部品6eを絶縁性基板4の内部に埋設し、かつ、インナービア4a,4bにより第1、第2両回路基板2,6同士が電気的に接続した部品内蔵基板を得ることができる。
まず、図25で示すように、第1回路基板2、絶縁性基板4、第2回路基板6それぞれのアライメント用孔にアライメントピン14a,14bを共通に挿入して積層すると共に、第1、第2回路基板2,6の一面側それぞれに、上下一対の熱プレス金型である熱板16,18を配置する。この熱板16,18の両側端部のアライメント用孔16a,16b;18a,18bにもアライメントピン14a,14bを挿入する。そして、全体をアライメントピン14a,14bの挿入により位置決めした状態で、熱板16,18をその外側から熱プレス機により加圧と同時に加熱の処理を施すことにより、図26で示すように回路部品6eを絶縁性基板4の内部に埋設し、かつ、インナービア4a,4bにより第1、第2両回路基板2,6同士が電気的に接続した部品内蔵基板を得ることができる。
(熱板取り外し工程)
上記部品内蔵工程の後、熱板16,18を取り外すと共にアライメントピン14a,14bをアライメント用孔から抜くことにより、図27で示すような部品内蔵基板の製造が完了する。
上記部品内蔵工程の後、熱板16,18を取り外すと共にアライメントピン14a,14bをアライメント用孔から抜くことにより、図27で示すような部品内蔵基板の製造が完了する。
(検査工程)
図28で示すように、部品内蔵基板の両面にそれぞれ検査治具100を配置する。この検査治具100は両端側にアライメント用孔100a,100bを備え、部品内蔵基板側に突出する複数の検査端子100cを備えている。部品内蔵基板の両面それぞれに配置した検査治具100のアライメント用孔100a,100bにアライメントピン14a,14bを挿入することにより、部品内蔵基板と検査治具100とを位置合わせすると共に、検査治具100の検査端子100cを第1、第2回路基板2,6それぞれの基板電極2a,6aに接触させ、検査端子100cと基板電極2a,6aとを電気的に導通させる。そして、図示略の検査装置から検査信号を検査端子100cを通じて基板電極2a,6aに印加する。この検査信号は例えば第2回路基板6の内蔵部品6eや、絶縁性基板4のインナービア4a,4bに印加する所望の電圧信号である。検査装置は、部品内蔵基板側から基板電極2a,6aおよび検査端子100cを通じて印加した検査信号の状態から、部品内蔵基板に内蔵された回路部品の動作確認およびインナービアの導通確認を行う。
図28で示すように、部品内蔵基板の両面にそれぞれ検査治具100を配置する。この検査治具100は両端側にアライメント用孔100a,100bを備え、部品内蔵基板側に突出する複数の検査端子100cを備えている。部品内蔵基板の両面それぞれに配置した検査治具100のアライメント用孔100a,100bにアライメントピン14a,14bを挿入することにより、部品内蔵基板と検査治具100とを位置合わせすると共に、検査治具100の検査端子100cを第1、第2回路基板2,6それぞれの基板電極2a,6aに接触させ、検査端子100cと基板電極2a,6aとを電気的に導通させる。そして、図示略の検査装置から検査信号を検査端子100cを通じて基板電極2a,6aに印加する。この検査信号は例えば第2回路基板6の内蔵部品6eや、絶縁性基板4のインナービア4a,4bに印加する所望の電圧信号である。検査装置は、部品内蔵基板側から基板電極2a,6aおよび検査端子100cを通じて印加した検査信号の状態から、部品内蔵基板に内蔵された回路部品の動作確認およびインナービアの導通確認を行う。
(回路部品実装工程)
上記検査工程で、検査装置が良品と確認した部品内蔵基板に対してのみ、図29で示すように、第1回路基板2の基板電極2aに回路部品22を実装することにより、より高密度に回路部品が実装され、かつ、このことにより、より高機能化した部品内蔵基板を製造することができる。
上記検査工程で、検査装置が良品と確認した部品内蔵基板に対してのみ、図29で示すように、第1回路基板2の基板電極2aに回路部品22を実装することにより、より高密度に回路部品が実装され、かつ、このことにより、より高機能化した部品内蔵基板を製造することができる。
以上により従来の部品内蔵基板の製造方法を説明した。
ところで、近年では、上記部品内蔵基板においては、半導体素子等の回路部品の集積度が飛躍的に進歩したことに加え、回路部品の内蔵数、インナービアの形成数が大きく増加してきているため、検査治具による部品内蔵基板の内蔵部品動作確認およびインナービア導通確認に要する時間が飛躍的に長期化してくる傾向にあり、その検査をより効率的に行うことが部品内蔵基板の生産効率を決定する大きな要因となってきている。
特開平11−220262号公報
本発明により解決すべき課題は、部品内蔵基板の生産効率を向上させることである。本出願人は、部品内蔵工程と検査工程とを同時に実施可能として部品内蔵基板の生産効率を向上させることに着目して鋭意研究を行った結果、本発明を完成させることができるに至った。
(1)本発明による部品内蔵基板の検査方法は、回路基板の部品実装面上に電気絶縁性を有する絶縁性基板を積層した状態でこれら基板を挟み込んだ一対の熱板により熱プレスが施されて製造される部品内蔵基板に対して上記回路基板の部品実装面とは反対側の面上の基板電極に検査端子を検査信号入出力のために接触させる部品内蔵基板の検査方法において、上記回路基板の基板電極と上記熱板との対向間に上記検査端子をセットした状態で上記熱プレスを施して該検査端子と上記基板電極とを接触させることにより、上記部品内蔵工程と部品内蔵基板の検査工程とを同時実施可能としたことを特徴とするものである。
上記回路基板や絶縁性基板の枚数は限定されない。
上記熱板はその構成や枚数に限定されない。
上記回路基板は多層回路基板を含むが、これに限定されない。
上記検査端子は好ましくは硬質なボード上に形成されるが、このようなボード上に形成することに限定されず、例えば、比較的軟質なフィルム上に形成することもできる。また、検査端子はボード上やフィルム上に形成せず、目的とする基板電極が例えば数個程度であれば、個々に基板電極上に配置した状態で熱プレスしてもよい。熱プレス後に検査端子を基板電極に接触させるのではなく、熱プレス時に検査端子を基板電極に接触させることができればよい。
上記絶縁性基板は、電気絶縁性を有し熱プレスにより回路部品を内蔵することができる材料であればよいが、好ましくは熱硬化性の樹脂に無機系フィラーを含んだもの、あるいは、無機系フィラーを全く含まないものを用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではなく、代表例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、シクロペンタジエンから合成した樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含む樹脂、芳香族ニトリルから合成した樹脂、3量化芳香族ジシアナミド樹脂、トリアリルトリメタリレートを含む樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などを挙げることができる。
なお、絶縁性基板は、熱可塑性樹脂で構成することも可能である。この場合の熱可塑性樹脂の代表例としては、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、液晶ポリマなどを挙げることができる。
これらの熱硬化性樹脂は単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。回路基板に対する接着性などの実用特性に優れるという観点から、エポキシ樹脂が好ましい。無機系フィラーとしては、シリカやガラスが好ましい。また、別の無機系フィラーとしては、カオリン、クレー、雲母、マイカなどのシリカを基材とする鉱物が好ましい。さらに、別の無機系フィラーとしては、シリカを基材とし、Al2O3、B2O3、TiO2、ZrO2、BaO、La2O3 、SrO2 、CaO、P2O5などを含有するセラミックスが好ましい。
本発明においては、上記回路基板の基板電極と上記熱板との間に検査端子をセットした状態で上記熱プレスを施して検査端子と上記基板電極とを接触させるので、熱プレスにより部品内蔵の工程を施すと共に上記接触により部品内蔵基板検査工程の実行が可能となり、部品内蔵基板全体の製造時間を大幅に短縮化することができる。そのため、この種の部品内蔵基板において、回路部品の内蔵数、インナービアの形成数が大きく増加してきても、部品内蔵工程、熱板取り外し工程から、直ちに良品である部品内蔵基板に対してのみの回路部品実装の工程に移行することができるようになり、部品内蔵基板の生産効率を飛躍的に向上させることが可能となった。
本発明の好適な一態様は、上記積層を、第1回路基板、絶縁性基板、および第2回路基板のこの順に従う積層とすることである。
本発明の好適な一態様は、上記基板電極を上記部品内蔵基板に内蔵した部品の動作確認のための電極とすることである。このことにより、部品内蔵基板の内蔵部品の動作を部品内蔵工程で同時に確認することができる。
本発明の好適な一態様は、上記絶縁性基板に導電体が充填されたインナービアを設け、上記回路基板の基板電極を上記インナービアの導通確認のための電極とすることである。このことにより、部品内蔵基板のインナービアの導通を部品内蔵工程で同時に確認することができる。
本発明の好適な一態様は、上記検査端子を検査ボード上に配置し、この検査ボードを回路基板の他面と熱板との間に介装して当該検査端子を回路基板の基板電極と熱板との間にセットすることである。このことにより、検査ボードを単に位置合わせして回路基板と熱板との間に介装するだけで、検査を行うことができるので、検査をより簡便に行うことができるようになる。
上記検査ボードの材質は特に問わないが、有機基材、セラミック基材、シリコン基材、ガラス基材などが使用できる。熱膨張係数や絶縁性を考慮すると、セラミック基材や、ガラス基材を用いることが好ましい。有機基材としては、ガラス布に樹脂を含浸させた材料を積層した基板や樹脂フィルムが使用できる。使用する樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはそれらの混合樹脂が使用できるが、熱硬化性の有機絶縁材料が好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコン樹脂、シクロペンタジエンから合成した樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含む樹脂、芳香族ニトリルから合成した樹脂、3量化芳香族ジシアナミド樹脂、トリアリルトリメタリレートを含む樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、液晶ポリマなどを挙げることができる。
本発明の好適な一態様は、上記検査ボードに上記回路基板が備える1以上の基板電極に対して熱板との間で接触される1以上の検査端子と、検査装置と接続するための1以上のコネクタ端子と、このコネクタ端子を検査端子に接続する配線とを設けることである。これらコネクタ端子や配線の形成は、特に限定しない。例えば配線の形成方法としては、検査ボード上に金属箔を形成し、金属箔の不要な箇所をエッチングで除去する方法(サブトラクト法)、必要な箇所にのみめっきにより配線を形成する方法(アディティブ法)、シード層(薄い金属からなる層)を形成し、その後、電解めっきで必要な配線を形成した後、シード層をエッチングで除去する方法(セミアディティブ法)がある。また、形成された端子以外の配線などを保護するための絶縁被覆の材料としては、ソルダレジストが一般的に用いられ、熱硬化型や紫外線硬化型のものが使用できるが、レジスト形状を精度良く仕上げることができる紫外線硬化型のものが好ましい。
この態様では、検査装置のコネクタに上記コネクタ端子を着脱自在にすることにより、回路基板と熱板との間に検査ボードを介装した後、検査装置のコネクタをコネクタ端子に装着することで、部品内蔵基板の検査をより容易に実施することができるようになる。
本発明の好適な一態様は、上記検査ボードの端部を、上記回路基板と熱板との対向外に突出させ、この突出端部に上記コネクタ端子を設けることである。
この態様では、検査装置のコネクタをより容易に検査ボードのコネクタ端子に着脱させることができるようになり、部品内蔵工程と同時に実施する検査工程をより容易かつ効率的に実施することができるようになる。
本発明の好適な一態様は、上記検査ボードを上記回路基板と熱板との対向間全体または一部に介装することである。
本発明の好適な一態様は、上記検査端子の配置数と上記コネクタ端子の配置数とを同数の関係または大小の関係に設定することである。
本発明の好適な一態様は、上記検査ボードの検査端子設置面に上記回路基板の基板電極が入る凹部を設け、この凹部内面に検査端子を設けることである。この凹部内面は底面に限定されず、内周面でもよい。この凹部は検査ボードの検査端子設置面に座繰りを入れることや、複数のボード材を張り合わせることにより形成することができる。
この態様によれば、熱プレス時の熱板からのプレス圧を検査ボードの検査端子を基板電極に均等にかけることができるようになるため、上記プレス圧の基板電極への圧力過多による、内蔵部品およびインナービアの損傷を軽減することができる。
本発明の好適な一態様は、上記検査ボードを、検査端子を設けた第1ボード材と、上記検査端子に対応する貫通孔を備えかつこの貫通孔に上記検査端子が臨むように第1ボード材に張り合わせ等により重ね合わせた第2ボード材とを含むことである。この態様によれば、検査ボードの上記凹部を容易に形成することができるようになる。
本発明の好適な一態様は、検査端子を弾性的に支持することである。
この態様によれば、部品内蔵基板の表層のパターン段差が上記弾性材が備える弾性により吸収され、部品内蔵基板に均等に圧力をかけることができるようになるため、熱プレス時の熱板からのプレス圧が基板電極に過多にかからずに済み内蔵部品およびインナービアの損傷を軽減することができる。
本発明の好適な一態様は、検査ボード全体を弾性材で構成することである。
本発明の好適な一態様は、上記検査ボードを少なくとも1枚の弾性のボード材を含む複数のボード材を複合化して構成することである。
本発明の好適な一態様は、上記検査ボード上に弾性材を介して検査端子を配置することである。
(2)本発明による部品内蔵基板の製造方法は、回路基板の部品実装面上に電気絶縁性を有する絶縁性基板を積層した状態でこれら基板を一対の熱板で挟み込んで熱プレスして上記部品を上記絶縁性基板に内蔵させる部品内蔵工程と、この熱プレスの後、回路基板の部品実装面とは反対側の面上の基板電極上に部品を実装する部品実装工程と、を有する部品内蔵基板の製造方法において、上記部品内蔵工程は、上記熱プレスを上記回路基板の基板電極と熱板との間に検査端子をセットした状態で施すことにより、上記検査端子と上記基板電極とを接触させることにより上記部品内蔵に加えて上記部品内蔵基板の検査を同時に実施可能とする工程であることを特徴とするものである。
本発明の部品内蔵基板の製造方法によれば、上記熱プレスを上記回路基板の基板電極と上記熱板との間に検査端子をセットした状態で施して検査端子と上記基板電極との上記接触を行わせることにより、部品内蔵と部品内蔵基板検査を同時に実行可能にしたから、従来、部品内蔵工程とは別途の工程であった検査工程の検査に要する時間を部品内蔵工程による工程時間に吸収させることができ、部品内蔵基板全体の製造時間を大幅に短縮することができる。そのため、この種の部品内蔵基板において、回路部品の内蔵数、インナービアの形成数が大きく増加してきても、部品内蔵工程、熱板取り外し工程から、直ちに良否である部品内蔵基板に対しての回路部品実装工程に移行することができるようになり、部品内蔵基板の生産効率を飛躍的に向上させることが可能となった。
本発明の好適な一態様は、検査端子を検査ボード上に配置し、この検査ボードを上記回路基板の基板電極と熱板との間に介装することである。
本発明の好適な一態様は、回路基板の基板電極を、上記部品内蔵基板の動作確認のための電極とすることである。
本発明の好適な一態様は、上記回路基板の基板電極を、絶縁性基板に導電体が充填されたインナービアの導通確認のための電極とすることである。
本発明の好適な一態様は、上記検査端子を検査ボードの検査端子設置面に設けた凹部内に配置することである。
本発明の好適な一態様は、上記検査ボードを、少なくとも上記検査ボードにおける検査端子周辺を弾性材で構成することである。
(3)本発明による部品内蔵基板検査用治具は、回路基板の部品実装面上に電気絶縁性を有する絶縁性基板を積層した状態でこれら基板を一対の熱板で挟み込んで上記部品を上記絶縁性基板に内蔵させる熱プレスが施されてなる部品内蔵基板に対して上記回路基板の部品実装面とは反対側の面上の基板電極に検査信号入出力させるための検査端子を備えた部品内蔵基板検査用治具であって、上記回路基板の基板電極と上記熱板との対向間にセット可能な検査ボードを有し、かつ、この検査ボード上に上記検査端子と、この検査端子に配線を介して接続されたコネクタ端子とを備えたことを特徴とするものである。
この部品内蔵基板検査用治具では、検査端子と基板電極との接触はプレス圧にて行うことができるので、従来の例えばばね機構を有するピンプローブなどの複雑な検査治具が不要となり、コストダウンを図ることができる。
(4)本発明による部品内蔵基板の検査システムは、上記部品内蔵基板検査用治具と、この部品内蔵基板検査用治具に検査信号を入力すると共にこの検査信号に応答して該部品内蔵基板検査用治具から出力される信号に基づいて上記部品内蔵基板の検査を行う検査装置とを備える、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、部品内蔵工程中に例えば部品内蔵基板の検査、例えば、内蔵部品動作やインナービアの導通検査を行うことができるので生産時間を大幅に短縮してその生産性を向上することができる。
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1ないし図7は、本発明の実施の形態にかかる部品内蔵基板の検査工程を含む部品内蔵基板の製造工程を示す図である。
図1は、本実施の形態の部品内蔵基板の製造に用いるものであり、図1(a)は第1回路基板2、図1(b)は絶縁性基板4、図1(c)は第2回路基板6、図1(d)は第1検査ボード8、図1(e)は第2検査ボード10をそれぞれ示す。第1、第2検査ボード8,10は部品内蔵基板検査用治具である。
図1(a)で示す第1回路基板2には、一面側と他面側それぞれに複数の基板電極2a,2bが形成され、両側端部にアライメント用孔2c,2dが貫通形成されている。第1回路基板2は多層回路基板である。この多層回路基板の構成の説明は略する。
図1(b)で示す絶縁性基板4は、インナービア4a,4bを備え、両側端部にアライメント用孔4c,4dが貫通形成されている。インナービア4a,4bは、例えば絶縁性部材にレーザ−光などにより積層方向に貫通形成された円柱状の穴に導電性の樹脂ペースト(導電体)が充填されて形成されている。この絶縁性基板4は、エポキシ樹脂にシリカを含んだものが好ましい。絶縁性基板4は、例えばエポキシ樹脂が完全に硬化する200℃/2時間の加熱を3MPaの圧力にて熱プレスをおこなって構成している。
図1(c)で示す第2回路基板6には、一面側と他面側それぞれに複数の基板電極6a,6bが形成され、両側端部にアライメント用孔6c,6dが貫通形成され、基板電極6b上に回路部品6eがフリップチップ実装されている。第2回路基板6は多層回路基板である。この多層回路基板の構成の説明は略する。なお、回路部品6eは既存の部品であれば特に限定されるものではなく、例えば能動部品であれば、ICやトランジスタ、受動部品であればコンデンサ、抵抗などがあげられ、また、回路部品の実装方法には特に限定されない。
図1(d)で示す第1検査ボード8には、複数の検査端子8aと、両端側のアライメント用孔8b,8cとが形成されている。
図1(e)で示す第2検査ボード10には、複数の検査端子10aと、両端側のアライメント用孔10b,10cとが形成されている。これら検査ボード8,10の詳しい構成は後述する。
実施の形態の部品内蔵基板12は、図1で示す第1、第2回路基板2,6、絶縁性基板4、第1、第2検査ボード8,10を用いて以下の工程で部品内蔵基板を製造する。
この製造工程は、部品内蔵/部品内蔵基板検査工程(図2ないし図5)、熱板取り外し工程(図6)、および、回路部品実装工程(図7)を有する。
(部品内蔵/部品内蔵基板検査工程)
まず、図2で示すように、第1回路基板2、絶縁性基板4、第2回路基板6それぞれを、それぞれのアライメント用孔2c,2d,4c,4d,6c,6dにアライメントピン14a,14bを共通に挿入して積層すると共に、図3で示すように、第1、第2回路基板2,6それぞれの上下から第1、第2検査ボード8,10を、それぞれのアライメント用孔8b,8c,10b,10cに第1、第2アライメントピン14a,14bを挿入して積層する。
まず、図2で示すように、第1回路基板2、絶縁性基板4、第2回路基板6それぞれを、それぞれのアライメント用孔2c,2d,4c,4d,6c,6dにアライメントピン14a,14bを共通に挿入して積層すると共に、図3で示すように、第1、第2回路基板2,6それぞれの上下から第1、第2検査ボード8,10を、それぞれのアライメント用孔8b,8c,10b,10cに第1、第2アライメントピン14a,14bを挿入して積層する。
次いで、図4で示すように第1、第2検査ボード8,10それぞれの上下から加熱、加圧用の第1、第2熱板16,18を、それぞれのアライメント用孔16a,16b,18a,18bにアライメントピン14a,14bを挿入して積層する。
これらの積層は、図解の理解のため、第1、第2検査ボード8,10と、第1、第2熱板16,18とを図2、図3に分けて説明したが、もちろん、第1熱板16、第1検査ボード8、第1回路基板2、絶縁性基板4、第2回路基板6、第2検査ボード10および第2熱板18の順に積層してもよい。その積層順序は最終的に図4の状態であれば、任意でよい。
回路部品6eは既存の部品であれば特に限定されるものではなく、例えば能動部品であれば、ICやトランジスタ、受動部品であればコンデンサ、抵抗などがあげられ、また、回路部品6eの実装方法には特に限定されない。本実施の形態においては、エポキシ樹脂にシリカを含んだものを絶縁性基板4として用いており、エポキシ樹脂が完全に硬化する200℃/2時間の加熱を3MPaの圧力にて熱プレスをおこなっている。
そして、全体を第1、第2アライメントピン14a,14bへの挿入により位置決めした状態で、第1、第2熱板16,18をその外側から熱プレスにより加圧と同時に、加熱処理を施すことにより、図5で示すように回路部品6eが絶縁性基板4の内部に埋設され、かつ、インナービア4a,4bにより第1、第2両回路基板2,6の内蔵回路が電気的に接続された部品内蔵基板12を得ることができる。
この熱プレスに際しては、第1、第2検査ボード8,10それぞれの端部のコネクタ端子8c,10cに接続された検査装置から各種検査信号が印加される。この検査信号は第1、第2検査ボード8,10それぞれの配線8d,10dを介して上記コネクタ端子8c,10cに接続されている検査端子8a,10aそれぞれに入力されるとともに、それら検査端子8a,10aから各基板電極2a,6aそれぞれに印加される。
これら検査信号は部品内蔵基板12から基板電極2a,6a、検査端子8a,10aにフィードバックされ、コネクタ端子8c,10cを介して、検査装置20に出力される。検査装置20では、この検査信号の状態から、部品内蔵基板12の抵抗値、インダクタンス、容量等の電気値あるいは検査信号の波形、周波数その他を測定し、部品内蔵基板12を検査する。
この検査信号は例えば第1、第2回路基板2,6の内蔵部品や、絶縁性基板4のインナービア4a,4bに印加する所望の電圧信号である。検査装置20は、部品内蔵基板12側から基板電極2a,6aおよび検査端子8a,10aを通じて印加した検査信号の状態から、部品内蔵基板12に内蔵された回路部品の動作確認およびインナービア4a,4bの導通確認を行う。
こうして、部品内蔵基板12を得るための部品内蔵工程と部品内蔵基板検査工程とが同時に実行される。
(熱板取り外し工程)
上記部品内蔵/部品内蔵基板検査工程の後、熱板16,18を取り外すと共にアライメントピン14a,14bをアライメント用孔から抜くことにより、図6で示すような部品内蔵基板12の製造が完了する。
上記部品内蔵/部品内蔵基板検査工程の後、熱板16,18を取り外すと共にアライメントピン14a,14bをアライメント用孔から抜くことにより、図6で示すような部品内蔵基板12の製造が完了する。
(回路部品実装工程)
上記部品内蔵/部品内蔵基板検査工程で、検査装置20が良品であると確認された部品内蔵基板12に対してのみ、図7で示すように、第1回路基板2の基板電極2a,6aに回路部品22を実装することにより、より高密度に回路部品22が実装され、かつ、このことにより、より高機能化した部品内蔵基板12を製造することができる。
上記部品内蔵/部品内蔵基板検査工程で、検査装置20が良品であると確認された部品内蔵基板12に対してのみ、図7で示すように、第1回路基板2の基板電極2a,6aに回路部品22を実装することにより、より高密度に回路部品22が実装され、かつ、このことにより、より高機能化した部品内蔵基板12を製造することができる。
以上により実施の形態の部品内蔵基板12の製造方法を説明した。
上記実施の形態の製造方法によれば、熱プレスによる部品内蔵工程中に内蔵部品動作およびインナービア導通検査の部品内蔵基板検査工程を同時に実施するため、従来に比べて生産効率が飛躍的に向上する。
上記実施の形態の製造方法によれば、上記に加えて、熱プレスによる部品内蔵工程の実施中に検査による不具合、不良が発見された場合、即座に前工程へ結果をフィードバックすることができるため、早期に製造プロセスを改善し、信頼性の向上を図ることができる。
上記実施の形態の製造方法によれば、さらに、熱プレスの圧力により検査ボードの検査端子と基板電極とを接触させるため、従来のばね機構を有するピンプローブなど、別途の検査治具が不要となり、製造コストを低減することができる。
図8を参照して第1、第2検査ボード8,10の構成を説明する。図8(a)は第1、第2検査ボード8,10の側面図、図8(b)は同平面図である。これら検査ボード8,10には、回路基板2,6の基板電極2a,6aのパターンに対応した複数の検査端子8a,10aと、検査装置20から延びるケーブル20aの端部に設けられたコネクタ20bと接続するための複数のコネクタ端子8c,10cと、これらコネクタ端子8c,10cと検査端子8a,10aとを接続するための配線8d,10dとが形成されている。
図9を参照して上記検査装置20のブロック構成を説明すると、この検査装置20は、抵抗測定用スキャナ20c、LCRメータ20dおよびシステムコントローラ20eを有する。抵抗測定用スキャナ20c、LCRメータ20dそれぞれから耐熱性のケーブル20aが延出され、そのケーブル20a端にはコネクタ20bが接続されている。第1、第2検査ボード8,10のコネクタ端子8c,10cはこのケーブル20aのコネクタ20bに接続されている。
抵抗測定用スキャナ20cは4端子測定法によりインナービアの微小抵抗を高精度に測定する。2端子測定法で測定する場合よりもインナービアの微小抵抗を高精度に測定することができる。
LCRメータ20dは、静電容量、tanδ、インピ−ダンスの測定等をおこなうことができる。
システムコントローラ20eは、検査装置20の制御を司るものであり、例えばシステム全体の管理を行うパソコンと、モニタとからなり、抵抗測定用スキャナ20cやLCRメータ20dからの測定信号を処理したり、検査ボードの制御を行ったり、モニタに対する表示の制御を行う。
なお、検査装置20は上記に限定されるものではなく、検査目的に応じて別の種類の測定計で測定することができる。
第1、第2熱板16,18と第1、第2回路基板2,6と第1、第2検査ボード8,10は対向面積が同等であることが好ましいが、これに限定されず、例えば図10で示すように第1、第2熱板16,18と第1、第2回路基板2,6との対向間の一部に介装されてもよい。これら第1、第2回路基板2,6上の基板電極2a,6aが該第1、第2回路基板2,6上の一部に設けられており、第1、第2検査ボード8,10を第1、第2熱板16,18と第1、第2回路基板2,6との対向間の全体に介装する必要がない場合である。
第1、第2検査ボード8,10は、図11で示すように、第1、第2熱板16,18と第1、第2回路基板2,6との対向間の外部に突出する構成でもよい。第1、第2検査ボード8,10の両端側にコネクタ端子8c,10cを設け、両端側いずれか一方のコネクタ端子8c,10cを検査装置20のコネクタ20bに接続する場合である。
第1、第2検査ボード8,10のうち、図12で示すように、例えば第1の検査ボード8は第1熱板16と第1回路基板2との間に介装し、第2の検査ボード10の介装を省略することができる。これは、例えば第1回路基板2の基板電極2aと第1の検査ボード8の検査端子8aとを接触を介して検査信号を入出力するだけで、部品内蔵基板12の検査を行うことができる場合である。
第1、第2検査ボード8,10の検査端子8a,10aの端子数とコネクタ端子8c,10cの端子数とは図13で示すように、同数として各コネクタ端子8c,10cそれぞれから検査信号を個別に検査端子8a,10aに入出力可能としてもよいし、図14で示すように検査端子8a,10aの端子数よりもコネクタ端子8c,10cの端子数を多くして1つの検査端子8a,10aに対して異なるコネクタ端子8c,10cから各種検査信号を入出力可能としてもよいし、図15で示すように検査端子8a,10aの端子数よりもコネクタ端子8c,10cの端子数を少なくして、1つのコネクタ端子8c,10cから複数の検査端子8a,10aに共通の検査信号を入出力可能としてもよい。
図16は本発明の他の実施の形態にかかる部品内蔵基板12の検査方法を示す概略図である。図16(a)は部品内蔵/部品内蔵基板検査工程において、第1、第2熱板16,18により加熱、加圧して内蔵部品である能動部品または受動部品を絶縁性基板4に内蔵する部品内蔵基板12を示す。この熱プレスにおいては、第1、第2回路基板2,6上に実装された内蔵部品が、絶縁性基板に埋設され、絶縁性基板4に形成されたインナービア4a,4bにより、第1、第2両回路基板2,6が電気的に接続されると同時に、第1、第2検査ボード8,10の検査端子8a,10aと基板電極2a,6aとを接触させ、検査信号を印加することで内蔵部品の動作およびインナービア4a,4bの導通検査をおこなう。
図16(b)、(c)に示すように、第1、第2検査ボード8,10は、第1、第2回路基板2,6と対向する面に凹部8e,10eを備えており、この凹部8e,10eの底面上に検査端子8a,10aが配設されている。図16(b)は第1、第2回路基板2,6の基板電極2a,6aを第1、第2検査ボード8,10の凹部8e,10eに収納する前の状態、図16(c)は、第1、第2回路基板2,6の基板電極2a,6aを第1、第2検査ボード8,10の凹部8e,10eに収納した状態を示す。第1、第2検査ボード8,10の検査端子8a,10aを凹部8e,10eに配置した形状とすることで部品内蔵基板12に均等に圧力をかけることができる。
図17(a)は、第1、第2検査ボード8,10に上記凹部8e,10eが設けられていない場合の熱プレス時に第1、第2検査ボード8,10の検査端子8a,10aから基板電極2a,6aに圧力が過多に作用している結果、インナービア4a,4bに品質不良が発生している状態を示す。
図17(b)は、第1、第2検査ボード8,10に上記凹部8e,10eを設けた場合の熱プレス時に第1、第2検査ボード8,10の検査端子8a,10aから基板電極2a,6aに圧力が過多に作用しくなる結果、インナービア4a,4bに品質不良が発生していない状態を示す。
以上の凹部8e,10eにより熱プレス時における検査端子8a,10aから基板電極2a,6aに対する圧力過多による内蔵部品の損傷を軽減することができる。
図18、図19を参照して第1、第2検査ボード8,10に凹部8e,10eを形成する例を説明すると、図18は第1、第2検査ボード8,10を検査端子8a,10aを備えた第1ボード材81,101と、検査端子8a,10aに対応した貫通孔83,103を設けた第2ボード材82,102とで構成した例を示す。図19は第1ボード材81,101と第2ボード材82,102とを重ねて第1、第2検査ボード8,10を構成した例を示す。
第1、第2検査ボード8,10はその材質を図20で示すように弾性材料にすることにより、第1、第2回路基板2,6表層の基板電極2a,6aが、第1、第2検査ボード8,10内部にその弾性により埋設支持され、部品内蔵基板12に均等に圧力をかけることができるため、同様の効果が得られる。
図20(a)は第1、第2検査ボード8,10の検査端子8a,10aと第1、第2回路基板2,6の基板電極2a,6aとを対向させた状態を示す。
図20(b)は第1、第2検査ボード8,10の検査端子8a,10aと第1、第2回路基板2,6の基板電極2a,6aとを熱プレス時に接触させて基板電極2a,6aが第1、第2検査ボード8,10内部に埋没する状態を示す。
図20(c)は第1、第2検査ボード8,10内部に基板電極2a,6aが完全に埋没している状態を示す。
図21は、第1、第2検査ボード8,10を硬質材からなる第1ボード材84,104と弾性材からなる第2ボード材85,105との積層体から構成されている。
図22は、第1、第2検査ボード8,10を、硬質材からなる第1ボード材86,106と、弾性材からなる第2ボード材87,107と、硬質材からなる第3ボード材88,108と、の三者の積層体から構成されている。
図23は第1、第2検査ボード8,10のボード面上で検査端子8a,10aに対応する箇所に弾性材89,109を配置し、その弾性材89,109上に検査端子8a,10aを配置した例を示す。
上記弾性材は、ゴム系、樹脂系であれば、シリコンゴムシート、テフロン(登録商標)シート、フッ素ゴムシート、フッ素系樹脂シートなどの、耐熱温度200℃以上の材料によりおこなうことが好ましい。
上記弾性材の硬度は、配線電極パターンよりも小さいことが好ましく、タイプAデュロメータで測定した30〜90°の硬度で、厚みは0.3〜2.0mmであることが好ましい。
上記弾性材を紙類系、金属系緩衝材で構成する場合、RAボード、クラフト紙、錫、マグネシウム、マグネシウム合金、銀、亜鉛、アルミニウムから選ばれた少なくとも一種の材料によりおこなうことが好ましい。
上記において紙類系、金属系緩衝材の硬度は、配線電極パターンよりも小さいことが好ましく、モース硬度で3.0未満であることが好ましく、厚みは0.1〜2.0mmであることが好ましい。
以上説明した実施の形態の検査方法によれば、部品内蔵工程により回路基板の回路部品を絶縁性基板に内蔵させるときに、同時に、部品内蔵基板の検査である部品内蔵と内蔵部品の動作およびインナービアの導通検査とを実施可能としたことにより、生産時間の大幅短縮を図ることができる。また、検査結果を前工程にフィードバックすることにより、早期に製造プロセスを改善し、信頼性の向上を図ることができる。また、熱プレスの圧力により検査ボードの検査端子と基板電極とを接触させるため、ばね機構を有するピンプローブなど、別途測定治具が不要となり、大幅にコストダウンを図ることができる。
2 第1回路基板
4 絶縁性基板
6 第2回路基板
8 第1検査ボード
10 第2検査ボード
12 部品内蔵基板
16 第1熱板
18 第2熱板
20 検査装置
4 絶縁性基板
6 第2回路基板
8 第1検査ボード
10 第2検査ボード
12 部品内蔵基板
16 第1熱板
18 第2熱板
20 検査装置
Claims (21)
- 回路基板の部品実装面上に電気絶縁性を有する絶縁性基板を積層した状態でこれら基板を挟み込んだ一対の熱板により熱プレスが施されて製造される部品内蔵基板に対して上記回路基板の部品実装面とは反対側の面上の基板電極に検査端子を検査信号入出力のために接触させる部品内蔵基板の検査方法において、
上記回路基板の基板電極と上記熱板との対向間に上記検査端子をセットした状態で上記熱プレスを施して該検査端子と上記基板電極とを接触させることにより、上記部品内蔵工程と部品内蔵基板の検査工程とを同時実施可能とした、ことを特徴とする部品内蔵基板の検査方法。 - 上記積層が、第1回路基板、絶縁性基板、および第2回路基板のこの順に従う積層である、ことを特徴とする部品内蔵基板の検査方法。
- 上記回路基板の基板電極が、上記部品内蔵基板に内蔵した部品の動作確認のための電極である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記回路基板の基板電極が、上記絶縁性基板が備えるインナービアの導通確認のための電極である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記検査端子を上記基板電極の配置パターンに対応して検査ボード上に複数配置し、この検査ボードを上記回路基板の上記反対側の面と熱板との間に介装する、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記検査ボードは上記回路基板が備える1以上の基板電極に対して熱板との間で接触される1以上の検査端子と、検査装置と接続するための1以上のコネクタ端子と、このコネクタ端子を検査端子に接続する配線とを有する、ことを特徴とする請求項5に記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記検査ボードの端部を上記回路基板と熱板との対向外に突出させると共にその突出した端部に上記コネクタ端子を設ける、ことを特徴とする請求項6に記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記検査端子を、検査ボードの検査端子設置面に設けた凹部内に配置する、ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記検査ボードを、検査端子を設けた第1ボード材と、上記検査端子に対応する貫通孔を備えかつこの貫通孔内に上記検査端子が臨むように第1ボード材に重ね合わせた第2ボード材とから構成する、ことを特徴とする請求項8に記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 少なくとも上記検査ボードの検査端子を弾性的に支持する、ことを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記検査ボード全体を弾性材で構成した、ことを特徴とする請求項10に記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記検査ボードを少なくとも1枚の弾性のボード材を含む複数のボード材を複合化して構成した、ことを特徴とする請求項10に記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 上記検査ボード上に弾性材を介して検査端子を配置した、ことを特徴とする請求項10に記載の部品内蔵基板の検査方法。
- 回路基板の部品実装面上に電気絶縁性を有する絶縁性基板を積層した状態でこれら基板を一対の熱板で挟み込んで熱プレスして上記部品を上記絶縁性基板に内蔵させる部品内蔵工程と、
この熱プレスの後、回路基板の部品実装面とは反対側の面上の基板電極上に部品を実装する部品実装工程と、
を有する部品内蔵基板の製造方法において、
上記部品内蔵工程は、上記熱プレスを上記回路基板の基板電極と熱板との間に検査端子をセットした状態で施すことにより、上記検査端子と上記基板電極とを接触させることにより上記部品内蔵に加えて上記部品内蔵基板の検査を同時に実施可能とする工程である、ことを特徴とする部品内蔵基板の製造方法。 - 検査端子を検査ボード上に配置し、この検査ボードを上記回路基板の基板電極と熱板との間に介装することにより上記検査端子を上記セットする、ことを特徴とする請求項14に記載の部品内蔵基板の製造方法。
- 回路基板の基板電極が、上記部品内蔵基板の動作確認のための電極である、ことを特徴とする請求項14または15に記載の部品内蔵基板の製造方法。
- 上記回路基板の基板電極が、絶縁性基板に設けたインナービアの導通確認のための電極である、ことを特徴とする請求項14または15に記載の部品内蔵基板の製造方法。
- 上記検査ボードの検査端子設置面に上記回路基板の基板電極が入る大きさを有する凹部を有し、この凹部内面に検査端子を設ける、ことを特徴とする請求項16ないし18のいずれかに記載の部品内蔵基板の製造方法。
- 上記検査ボードを、少なくとも上記検査ボードの検査端子周辺を弾性材で構成した、ことを特徴とする請求項15ないし18のいずれかに記載の部品内蔵基板の製造方法。
- 回路基板の部品実装面上に電気絶縁性を有する絶縁性基板を積層した状態でこれら基板を一対の熱板で挟み込んで上記部品を上記絶縁性基板に内蔵させる熱プレスが施されてなる部品内蔵基板に対して上記回路基板の部品実装面とは反対側の面上の基板電極に検査信号を入出力させるための検査端子を備えた部品内蔵基板検査用治具であって、
上記回路基板の基板電極と上記熱板との対向間にセット可能な検査ボードを有し、かつ、この検査ボード上に上記検査端子と、この検査端子に配線を介して接続されたコネクタ端子とを備えた、ことを特徴とする部品内蔵基板検査用治具。 - 上記請求項20に記載の部品内蔵基板検査用治具と、この部品内蔵基板検査用治具に検査信号を入力すると共に、この検査信号に応答して該部品内蔵基板検査用治具から出力される信号に基づいて上記部品内蔵基板の検査を行う検査装置とを備える、ことを特徴とする部品内蔵基板の検査システム。
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