JP2008010365A - 封止用防水栓圧入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間に所望の端子収容室に確実に防水栓を装着可能とする封止用防水栓圧入装置を提供する。
【解決手段】封止用防水栓圧入装置1は装置本体12とユニット本体12に設置されコネクタハウジング2を保持する保持治具34とユニット本体12に設置され防水栓4を端子収容室3内に圧入する挿入ユニット16と挿入ユニット16が防水栓4を端子収容室3内に圧入可能となる圧入位置と圧入位置と離間して保持治具34にコネクタハウジング2を着脱自在となる着脱位置とに亘って保持治具34と挿入ユニット16とを相対的に移動自在とする移動ユニット13とコネクタハウジング2の防水栓4が装着される端子収容室3を予め記憶し挿入ユニット16と移動ユニット13とを制御して予め防水栓4が装着されることが定められた端子収容室3内に防水栓4を圧入する制御装置7とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、コネクタハウジングの端子収容室内に防水栓を圧入する封止用防水栓圧入装置に関する。
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されている。このため、自動車は、前述した電子機器に所望の電力や信号を供給するためにワイヤハーネスを配索している。この種のワイヤハーネスは、複数の電線と、当該電線の端末などに取り付けられたコネクタとを備えている。
電線は、勿論、導電性の芯線と、該芯線を被覆した被覆部とを備えた所謂被覆電線である。コネクタは、電線の端末に取り付けられて芯線と電気的に接続した端子金具と、該端子金具を収容するコネクタハウジングとを備えている。コネクタは、勿論、端子金具を複数備えている。コネクタハウジングは、それぞれが端子金具を収容する端子収容室を複数備えている。また、前述したコネクタは、端子金具が収容されない端子収容室には、該端子収容室内に水などの液体が浸入することを防止する防水栓が取り付けられる。
前述した自動車は、その車種やグレードが異なると、勿論、搭載する電子機器の種類や数が異なる。このため、前述したワイヤハーネスは、例えば同一の車種の自動車に配索されるものであっても、前述したコネクタの端子収容室への端子金具や防水栓の取り付けられる端子収容室の位置が異なることがある。
前述したコネクタのコネクタハウジングの端子収容室内に防水栓を圧入する際には、従来から所望の装着治具(例えば、特許文献1及び2参照)が用いられてきた。特許文献1に示された装着治具は、コネクタの端子収容室と同じ位置に配置された保持部に防水栓を作業員が手作業で装着した後、装着治具上にコネクタハウジングをはめ込むことによって、所望の端子収容室に防水栓を装着するためのものである。
特許文献2に示された装着治具は、筒状の本体部内に防水栓を複数装填しておき、作業員が本体部を所望の端子収容室の近傍に近づけてから、該本体部から一つの防水栓を端子収容室内に圧入して、所望の端子収容室に防水栓を装着するためのものである。
特開平9−102356号公報 特開2002−324620号公報
前述した特許文献1及び特許文献2に示された装着治具は、いずれも、作業員が手作業によって、防水栓を治具又はコネクタハウジングに直接装着するので、防水栓を装着する作業にかかる所要時間が長時間化していた。また、作業員が手作業によって、防水栓を治具又はコネクタハウジングに直接装着するので、特に、防水栓を装着する端子収容室の位置が異なるコネクタハウジングに連続して、防水栓を装着する際には、誤った端子収容室に防水栓を装着したり防水栓を装着すべき端子収容室に防水栓を装着し忘れることがあった。要するに、防水栓を誤装着することがあった。
したがって、本発明の目的は、短時間に所望の端子収容室に確実に防水栓を装着可能とする封止用防水栓圧入装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の封止用防水栓圧入装置は、コネクタハウジングの端子収容室内に防水栓を圧入する封止用防水栓圧入装置において、装置本体と、前記装置本体に設置されかつ前記コネクタハウジングを保持する保持手段と、前記装置本体に設置されかつ前記防水栓を前記端子収容室内に圧入する挿入手段と、前記挿入手段が前記防水栓を前記端子収容室内に圧入可能となる圧入位置と、前記圧入位置と離間して前記保持手段に前記コネクタハウジングを着脱自在となる着脱位置と、に亘って、前記保持手段と前記挿入手段とを相対的に移動自在とする移動手段と、前記コネクタハウジングの前記防水栓が装着される端子収容室を予め記憶しているとともに、前記挿入手段と前記移動手段とを制御して、前記予め前記防水栓が装着されることが定められた端子収容室内に前記防水栓を圧入する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明の封止用防水栓圧入装置は、請求項1に記載の封止用防水栓圧入装置において、前記挿入手段が、前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに接離自在に設けられかつ該コネクタハウジングに近づいて前記防水栓を前記端子収容室内に圧入可能な圧入ロッドと、前記圧入ロッドを前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに接離させる押圧手段と、前記圧入ロッドの前記装置本体に対する相対的な位置に応じた情報を検出可能な検出手段を備え、前記制御手段が、前記押圧手段に前記圧入ロッドを前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに近づけさせて前記防水栓を前記端子収容室に圧入させて、前記押圧手段の前記圧入ロッドを押圧する力を無くさせた後に、前記検出手段が検出した前記圧入ロッドの前記装置本体に対する相対的な位置に応じた情報に基づいて、前記端子収容室内に圧入された防水栓の良否を判定することを特徴としている。
請求項3に記載の本発明の封止用防水栓圧入装置は、請求項2に記載の封止用防水栓圧入装置において、前記挿入手段は、前記圧入ロッドが前記防水栓を前記端子収容室内に圧入する際に該圧入ロッドが前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに近づき過ぎることを規制可能な規制部材と、前記規制部材を、前記圧入ロッドが前記防水栓を圧入する際には、圧入ロッドが前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに近づき過ぎることを規制する規制位置に位置付け、前記検出手段が前記防水栓の圧入後に前記圧入ロッドの前記装置本体に対する相対的な位置に応じた情報を検出する際には、前記規制位置よりも圧入ロッドが前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに近づくことを許容する許容位置に位置付ける切り替え手段を備えたことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明の封止用防水栓圧入装置は、請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載の封止用防水栓圧入装置において、前記コネクタハウジングは、品番が異なると前記防水栓が装着される端子収容室が異なり、前記保持手段が、複数設けられ、かつ互いに異なる品番のコネクタハウジングを保持するとともに、少なくとも前記保持手段と同数設けられ、かつ収容する防水栓付きのコネクタハウジングの品番が予め定められた収容手段と、前記保持手段から取り外された防水栓付きのコネクタハウジングが、予め定められた収容手段に収容されたか否かを検出する誤挿入検出手段を備えたことを特徴としている。
請求項5に記載の本発明の封止用防水栓圧入装置は、請求項4に記載の封止用防水栓圧入装置において前記保持手段から取り外された防水栓付きのコネクタハウジングが、収容されるべき収容手段を表示する表示手段を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載した本発明の封止用防水栓圧入装置によれば、制御手段が移動手段と挿入手段とを制御して防水栓をコネクタハウジングに装着するので、該防水栓の装着にかかる所要時間を短縮することができる。
制御手段が予め記憶したとおりの端子収容室に防水栓を装着するので、所望の端子収容室に確実に防水栓を装着することができる。
請求項2に記載した本発明の封止用防水栓圧入装置によれば、押圧手段が圧入ロッドで防水栓を端子収容室内に圧入した後に、該圧入手段が圧入ロッドを押圧する力をなくするので、検出手段が検出した圧入ロッドの位置に基づいて、防水栓の端子収容室内への圧入状況の良否を確実に判定できる。
請求項3に記載した本発明の封止用防水栓圧入装置によれば、圧入ロッドが防水栓を圧入する際には、規制部材を規制位置に位置付けるので、防水栓の圧入時に圧入ロッドがコネクタハウジングに近づき過ぎることを規制し過挿入を防止できる。
また、検出手段が防水栓の圧入後に圧入ロッドの位置を検出する際には、規制部材を許容位置に位置付けるので、防水栓の圧入状況の良否を判定する際には、圧入ロッドが防水栓を圧入したときよりもコネクタハウジングに近づく構造をとることで深く挿入された状態を検出可能にする。
請求項4に記載した本発明の封止用防水栓圧入装置によれば、誤挿入検出手段を設けているので、防水栓付のコネクタハウジングを所望の収容手段に収容することができる。
請求項5に記載した本発明の封止用防水栓圧入装置によれば、コネクタハウジングを収容すべき収容手段を表示する表示手段を備えているので、防水栓付のコネクタハウジングを所望の収容手段に確実に収容することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、制御手段が予め記憶したとおりに移動手段と挿入手段とを制御するので、短時間に所望の端子収容室に確実に防水栓を装着することが可能となる。
請求項2に記載の本発明によれば、検出手段が検出した圧入ロッドの位置に基づいて、防水栓の端子収容室内への圧入状況の良否を確実に判定できる。したがって、防水栓の装着の度に、該防水栓の圧入状況の良否を把握できる。
請求項3に記載の本発明によれば、防水栓の圧入時に圧入ロッドがコネクタハウジングに近づき過ぎることを規制できるので、防水栓を所望の位置よりも端子収容室の奥に装着することを防止できる。したがって、所望の品質で防水栓をコネクタハウジングに装着することができる。
また、防水栓の圧入状況の良否を判定する際には、圧入ロッドが防水栓を圧入したときよりもコネクタハウジングに近づくことができるので、所望の位置よりも端子収容室の奥に防水栓が装着されたことを確実に検出することができる。したがって、防水栓の装着状況の良否を確実に判定することができる。
請求項4に記載の本発明によれば、防水栓付のコネクタハウジングを所望の収容手段に収容することができるので、防水栓が取り付けられたコネクタハウジングの品番を誤ることを防止できる。
請求項5に記載の本発明によれば、コネクタハウジングを収容すべき収容手段を表示する表示手段を備えているので、防水栓付のコネクタハウジングを所望の収容手段に確実に収容することができる。防水栓が取り付けられたコネクタハウジングの品番を誤ることを確実に防止できる。
以下、本発明の一実施形態にかかる封止用防水栓圧入装置1を、図1ないし図15を参照して説明する。封止用防水栓圧入装置1は、コネクタを構成するコネクタハウジング2の所望の端子収容室3内に防水栓4を圧入して、該防水栓4をコネクタハウジング2に装着する装置である。
前述したコネクタハウジング2は、図1に示すように、複数の端子収容室3を備えて、箱状に形成されている。端子収容室3のうち一部は、それぞれ、電線付の端子金具を収容する。他の端子収容室3は、防水栓4が圧入される。防水栓4は、ゴムなどの弾性変形自在な合成樹脂(弾性材料)で構成されて、円柱状に形成されている。防水栓4は、端子収容室3内に圧入されて、該端子収容室3の内面との間を水密に保って、該端子収容室3内に水などの液体が浸入することを規制する。
コネクタハウジング2は、互いに品番が異なると、外形が等しくても、端子金具を収容する端子収容室3や、防水栓4を収容する端子収容室3などが異なる。即ち、品番の異なるコネクタハウジング2は、互いに防水栓4が装着される端子収容室3などが異なる。
図1に示された封止用防水栓圧入装置1は、四つの品番のコネクタハウジング2各々の予め定められた所望の端子収容室3内に防水栓4を装着する。
封止用防水栓圧入装置1は、図1に示すように、収容ユニット5と、圧入ユニット6と、制御手段としての制御装置7とを備えている。収容ユニット5は、ユニット本体8と、複数の収容手段としての収容箱9と、誤挿入検出手段としての誤検出ユニット10と、表示手段としての表示ユニット11とを備えている。
ユニット本体8は、平板状に形成され、かつ圧入ユニット6の後述するユニット本体12のベース部17に取り付けられている。収容箱9は、図示例では、四つ設けられている。それぞれの収容箱9は、上方が開口した箱状に形成されているとともにユニット本体8上に設置されている。複数の収容箱9は、後述の矢印Xに沿って、配置されている。
収容箱9は、それぞれ、防水栓4が装着される前のコネクタハウジング2を収容するとともに、防水栓4が装着されたコネクタハウジング2を収容する。各収容箱9は、予め定められた品番のコネクタハウジング2を収容する。図示例では、四つの収容箱9が収容するコネクタハウジング2の品番が互いに異なる。収容箱9は、圧入ユニット6の後述する保持治具34と1対1で対応している。収容箱9は、対応する保持治具34と同じ品番のコネクタハウジング2を収容する。
誤検出ユニット10は、複数の検出器10aを備えている。検出器10aは、それぞれ、収容箱9に対応している。図示例では、一つの検出器10aが一つの収容箱9に対応している。検出器10aは、それぞれ、レーザダイオード(以下、LDと記す)と、プリズムと、ホトダイード(以下、PDと記す)とを備えている。
レーザダイオードは、収容箱9内にレーザ光を出射する。プリズムは、LDからのレーザ光を反射してPDに向けて反射する。PDは、LDからのレーザ光を受光して、該レーザ光が受光したか否かを示す情報を制御装置7に向けて出力する。前述したLD、プリズム及びPDは、LDからPDに至るレーザ光が、収容箱9にコネクタハウジング2が出し入れされる際に、作業員の手やコネクタハウジング2によって、一旦遮られる位置に配置されている。
前述した誤検出ユニット10の検出器10aは、取り付けられた収容箱9に対応する保持治具34から防水栓4が装着されたコネクタハウジング2が取り外された際に、LDからのレーザ光をPDが受光できなかったか否か(遮られたか否か)を検出することで、前記コネクタハウジング2が所望の収容箱9内に収容されたか否かを検出して、制御装置7に向かって出力する。即ち、誤検出ユニット10は、保持治具34から取り外されたコネクタハウジング2が、予め定められた収容箱9内に収容されたか否かを検出する。
表示ユニット11は、複数の表示ランプ11aを備えている。表示ランプ11aは、それぞれ、収容箱9に対応している。図示例では、一つの表示ランプ11aが一つの収容箱9に対応している。表示ランプ11aは、それぞれ、制御装置7からの命令とおりに、点灯する。表示ランプ11aは、制御装置7によって、保持治具34から取り外されたコネクタハウジング2を収容する収容箱9に対応したものが点灯され、他のものが消灯したままとなる。前述した表示ユニット11は、制御装置7の命令とおりに、一つの表示ランプ11aが点灯されかつ他の表示ランプ11aが消灯したままとなることで、保持治具34から取り外されたコネクタハウジング2が収容されるべき収容箱9を表示する(示す)。
圧入ユニット6は、図2乃至図4に示すように、装置本体としてのユニット本体12と、移動手段としての移動ユニット13と、保持ユニット14と、供給ユニット15と、挿入手段としての挿入ユニット16とを備えている。ユニット本体12は、ベース部17と、立設部18とを備えている。ベース部17は、両表面が水平方向に沿って平坦に形成された平板状に形成されている。立設部18は、互いに平行な一対の立設柱19と、該立設柱19同士を連結した連結板20とを備えている。
移動ユニット13と、図3に示すように、Y軸駆動部21と、X軸駆動部22とを備えている。Y軸駆動部21は、モータ23と、ねじ軸24と、図示しないナットと、リニアガイド25とを備えている。モータ23は、ベース部17に取り付けられている。Y軸駆動部21のモータ23が、ベース部17に固定されていることで、移動ユニット13は、ユニット本体12に設置されている。ねじ軸24は、モータ23の出力軸に取り付けられている。ねじ軸24の長手方向は、水平方向と平行な矢印Yに沿っている。
ナットは、ねじ軸24に螺合している。リニアガイド25は、ねじ軸24と平行に配されかつベース部17に取り付けられたレール26と、該レール26にスライド自在に取り付けられたスライダ27とを備えている。Y軸駆動部21は、モータ23を駆動することで、矢印Yに沿って、X軸駆動部22を移動自在に支持する。
X軸駆動部22は、移動フレーム28と、モータ29と、ねじ軸30と、ナット31と、リニアガイド32とを備えている。移動フレーム28は、枠状に形成されているとともに、前述したスライダ27に取り付けられている。モータ29は、移動フレーム28に取り付けられている。ねじ軸30は、モータ29の出力軸に取り付けられている。ねじ軸30の長手方向は、矢印Yに対して直交しかつ水平方向と平行な矢印Xに沿っている。
ナット31は、ねじ軸30に螺合している。リニアガイド32は、ねじ軸30と平行に配されかつ移動フレーム28に取り付けられたレール26と、該レール26にスライド自在に取り付けられたスライダ27とを備えている。X軸駆動部22は、モータ29を駆動することで、矢印Xに沿って、保持ユニット14を移動自在に支持する。
移動ユニット13は、Y軸駆動部21とX軸駆動部22のモータ23,29を駆動することで、保持ユニット14を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2が挿入ヘッド40の下方に位置する圧入位置(図6に示す)と、該圧入位置と離間して保持治具34にコネクタハウジング2を着脱自在となる着脱位置(図4に示す)と、に亘って、保持ユニット14即ち保持治具34を移動自在とする。即ち、移動ユニット13は、挿入ヘッド40が防水栓4を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2の端子収容室3内に圧入可能なる圧入位置と、前記着脱位置と、に亘って、保持治具34と挿入ヘッド40とを相対的に移動自在とする。
保持ユニット14は、ベース板33と、複数の保持手段としての保持治具34と、保持確認ユニット35を備えている。ベース板33は、平板状に形成され、かつ移動ユニット13のX軸駆動部22のスライダ27に取り付けられている。保持治具34は、上方が開口した箱状に形成されている。保持治具34は、内側にコネクタハウジング2を収容して、該コネクタハウジング2を保持する。保持治具34は、四つ設けられている。それぞれの保持治具34は、ベース板33上に固定されている。四つの保持治具34は、矢印Xに沿って、並べられている。
各保持治具34は、予め定められた品番のコネクタハウジング2を収容する。図示例では、四つの保持治具34が収容するコネクタハウジング2の品番が互いに異なる。保持治具34は、収容箱9と1対1で対応している。保持治具34は、対応する収容箱9と同じ品番のコネクタハウジング2を収容する。
保持確認ユニット35は、複数の検出器35aを備えている。検出器35aは、それぞれ、保持治具34に対応している。図示例では、一つの検出器35aが一つの保持治具34に対応している。検出器35aは、それぞれ、レーザダイオード(以下、LDと記す)と、ホトダイード(以下、PDと記す)とを備えている。LDは、保持治具34内にレーザ光を出射する。PDは、LDからのレーザ光を受光して、該レーザ光が受光したか否かを示す情報を制御装置7に向けて出力する。前述したLD及びPDは、LDからPDに至るレーザ光が、保持治具34に保持されたコネクタハウジング2によって遮られる位置に配置されている。
前述した保持確認ユニット35の検出器35aは、LDからのレーザ光をPDが受光できなかったか否か(遮られたか否か)を検出することで、取り付けられた保持治具34にコネクタハウジング2が装着されているか否かを検出して、制御装置7に向かって出力する。即ち、保持確認ユニット35は、保持治具34からコネクタハウジング2が取り外されたか否かを検出する。
供給ユニット15は、図1に示すように、二つ設けられている。二つの供給ユニット15は、矢印Xに沿って互いに間隔をあけて配置されている。供給ユニット15は、収容ユニット5との間に立設部18を位置付ける位置に配置されている。供給ユニット15は、収容容器36と、供給チューブ37と、図示しない確認センサとを備えている。
収容容器36は、防水栓4を多数収容する。収容容器36は、加圧された気体などを用いて供給チューブ37を通して防水栓4を一つずつ後述する挿入ヘッド40のヘッド部本体49内に供給する。供給チューブ37は、透明な樹脂で構成されており、収容容器36と挿入ヘッド40のヘッド部本体49内とを連結している。供給チューブ37は、内側に防水栓4を通して、該防水栓4を挿入ヘッド40のヘッド部本体49内に供給する。
確認センサは、互いの間に供給チューブ37を位置付ける周知のLDとPDとを備えており、LDからのレーザ光が遮られたか否かを検出することで、供給チューブ37内を通って、防水栓4が挿入ヘッド40のヘッド部本体49内に供給されたか否かを検出する。確認センサは、検出した結果を制御装置7に向かって出力する。供給ユニット15は、防水栓4を一つずつ挿入ヘッド40のヘッド部本体49内に供給する。
挿入ユニット16は、図2に示すように、二つ設けられている。二つの挿入ユニット16は、矢印Xに沿って互いに間隔をあけて配置されている。挿入ユニット16は、それぞれ、供給ユニット15と対応している。挿入ユニット16は、対応した供給ユニット15から防水栓4が供給される。なお、これら二つの挿入ユニット16は、その構成が互い等しいので、以下、一方の挿入ユニット16を代表して説明する。
挿入ユニット16は、昇降シリンダ38と、昇降ベース39と、挿入ヘッド40と、規制部材としての規制板41と、切り替え手段としての切り替えシリンダ42と、押圧手段としての挿入シリンダ43と、連結ユニット44と、圧入ロッド45と、検出手段としての良否確認センサ46とを備えている。
昇降シリンダ38は、シリンダ本体47と、該シリンダ本体47から突没自在に設けられたロッド48とを備えている。シリンダ本体47は、ユニット本体12の立設部18の連結板20に固定されている。昇降シリンダ38のシリンダ本体47が、連結板20に固定されていることで、挿入ユニット16は、ユニット本体12に設置されている。ロッド48は、棒状に形成され、かつ長手方向が鉛直方向と平行に配置されている。昇降シリンダ38は、シリンダ本体47から突出するロッド48が鉛直方向に向かう状態で、シリンダ本体47が連結板20に固定されている。
昇降ベース39は、厚手の平板状に形成され、その両表面が水平方向と平行に配置されている。昇降ベース39は、昇降シリンダ38のロッド48の先端に取り付けられている。昇降ベース39は、昇降シリンダ38のロッド48が伸縮することで、昇降自在即ち圧入位置に位置付けられた保持治具34に接離自在に設けられている。
挿入ヘッド40は、角柱状のヘッド部本体49と、該ヘッド部本体49に一端が連なった先端筒50とを一体に備えている。ヘッド部本体49は、昇降ベース39の下面に取り付けられている。ヘッド部本体49には、鉛直方向に沿って延びたロッド通し孔51(図7などに示す)が貫通している。先端筒50は、円柱状に形成されかつロッド通し孔51と連通している。先端筒50は、ロッド通し孔51と同軸に配置されている。先端筒50には、貫通孔52が設けられている。貫通孔52は、先端筒50の壁面を貫通しており、前述したロッド通し孔51に対して直交する方向に延在している。
挿入ヘッド40には、供給ユニット15の供給チューブ37が連結している。供給チューブ37は、ロッド通し孔51と連通している。挿入ヘッド40のロッド通し孔51内には、供給チューブ37を通して防水栓4が供給される。挿入ヘッド40は、昇降シリンダ38のロッド48が伸張することで、先端筒50が圧入位置に位置付けられた保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に押し付けられて、供給チューブ37を通してロッド通し孔51内に防水栓4が供給される。そして、挿入ヘッド40は、防水栓4が貫通孔52よりも保持治具34寄りに位置付けられて、該貫通孔52を通して供給ユニット15から供給された加圧された気体が外部に抜けることで、先端筒50内に防水栓4を位置付ける。
規制板41は、図11及び図13に示すように、平面形状が矩形状の平板状に形成された板本体53と、該板本体53に設けられた規制許容孔54と、切欠き部55とを備えている。板本体53は、昇降ベース39上に配置され、かつ該昇降ベース39に対して前記矢印Xに沿って移動自在に設けられている。また。板本体53の長手方向は、矢印Xと平行に配置されている。
規制許容孔54は、板本体53を貫通しているとともに、板本体53の他方の挿入ユニット16寄りの一端部に設けられている。規制許容孔54は、互いに連通した内径が大きな丸孔56と、内径が小さな丸孔57とを備えて、平面形状が略雪だるま型に形成されている。丸孔56,57同士は、板本体53の長手方向即ち矢印Xに沿って、並べられている。内径が大きな丸孔56が、内径が小さな丸孔57よりも他方の挿入ユニット16寄りに配置されている。丸孔56の内径は、圧入ロッド45の上端部に設けられた後述する大径部67の外径よりも大きく形成されている。丸孔57の内径は、圧入ロッド45の上端部に設けられた後述する大径部67の外径よりも小さくかつ後述する挿入部66の外径よりも大きく形成されている。
規制許容孔54は、内側に圧入ロッド45を通す。規制許容孔54は、内径が小さな丸孔57内に圧入ロッド45を通すと、該圧入ロッド45の大径部67と干渉して、該大径部67と干渉した状態よりも圧入ロッド45が保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に近づくことを規制する。規制許容孔54は、内径が大きな丸孔56内に圧入ロッド45を通すと、該圧入ロッド45の大径部67と干渉せずに、前述した大径部67と干渉した状態よりも圧入ロッド45が保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に近づくことを許容する。
切欠き部55は、板本体53の外縁部を大きく切り欠いている。切欠き部55は、内側に挿入シリンダ43の後述するロッド62を通す。切欠き部55は、後述する規制位置と許容位置とに亘って、挿入シリンダ43のロッド62と干渉しない(挿入シリンダ43のロッド62と間隔をあける)。
規制板41は、丸孔57内に圧入ロッド45を通す規制位置と、丸孔56内に圧入ロッド45を通す許容位置とに亘って移動自在である。規制板41は、後述するように、圧入ロッド45が先端筒50内の防水栓4を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2の端子収容室3内に圧入する際に、内径が小さな丸孔57内に圧入ロッド45を通す規制位置に位置付けられて、圧入ロッド45が保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に近づき過ぎることを規制する。
規制板41は、後述するように、圧入ロッド45が先端筒50内の防水栓4を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2の端子収容室3内に圧入した後に良否確認センサ46が圧入ロッド45のユニット本体12に対する相対的な位置に応じた情報を検出する際に、内径が大きな丸孔56内に圧入ロッド45を通す許容位置に位置付けられて、圧入ロッド45が規制位置よりも保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に近づくことを許容する。また、規制板41は、切欠き部55内に挿入シリンダ43のロッド62を通すことで、前述した規制位置と許容位置とに亘って、該ロッド62と干渉せずに、挿入シリンダ43の圧入ロッド45を用いた防水栓4の挿入動作を一切妨げることがない。
切り替えシリンダ42は、シリンダ本体59と、該シリンダ本体59から突没自在に設けられたロッド60とを備えている。シリンダ本体59は、昇降ベース39に固定されている。ロッド60は、棒状に形成され、かつ長手方向が矢印Xと平行に配置されている。切り替えシリンダ42は、シリンダ本体59から突出するロッド60が他方の挿入ユニット16に向かう状態で、シリンダ本体59が昇降ベース39に固定されている。
切り替えシリンダ42は、制御装置7からの命令とおりに、圧入ロッド45が防水栓4を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2の端子収容室3内に圧入する際には、ロッド60を伸張して、規制板41を規制位置に位置付ける。切り替えシリンダ42は、制御装置7からの命令とおりに、圧入ロッド45が防水栓4を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2の端子収容室3内に圧入した後に良否確認センサ46がユニット本体12に対する圧入ロッド45の相対的な位置を検出する際に、ロッド60を縮小して、規制板41を許容位置に位置付ける。
挿入シリンダ43は、シリンダ本体61と、該シリンダ本体61から突没自在に設けられたロッド62とを備えている。シリンダ本体61は、昇降ベース39に固定されている。シリンダ本体61の内部空間には、ロッド62に取り付けられた図示しないピストンによって、第1室と第2室との二つに仕切られている。
第1室と第2室とは、いずれも図示しない加圧気体供給源から加圧された気体が供給される状態と、外気と連通される状態とが切り替えられる。シリンダ本体61は、第1室と第2室とのうち一方の加圧された気体が供給され、他方が外気と連通することで、ロッド62を伸縮させる。また、シリンダ本体61は、第1室と第2室との双方が外気と連通することで、ロッド62を伸縮させる力をなくして、連結ユニット44を介して連結された圧入ロッド45が防水栓4を押圧する力をなくす。
ロッド62は、棒状に形成され、かつ長手方向が鉛直方向と平行に配置されている。挿入シリンダ43は、シリンダ本体61から突出するロッド62が上方に向かう状態で、シリンダ本体61が昇降ベース39に固定されている。
挿入シリンダ43は、ロッド62を伸張させると、該ロッド62に連結ユニット44を介して連結された圧入ロッド45を上昇させて保持治具34に保持されたコネクタハウジング2から遠ざける。挿入シリンダ43は、ロッド62を縮小させると、該ロッド62に連結ユニット44を介して連結された圧入ロッド45を降下させて保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に近づけて、圧入ロッド45に先端筒50内の防水栓4を端子収容室3内に圧入させる。このように、挿入シリンダ43は、ロッド62を縮小することで、先端筒50内の防水栓4を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に向かって押圧する。また、挿入シリンダ43は、ロッド62を伸縮することで、圧入ロッド45を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に接離させる。
また、挿入シリンダ43のロッド62は、付勢手段としてのコイルばね63内に通されている。コイルばね63は、昇降ベース39と連結ユニット44との間に配置されている。コイルばね63は、挿入シリンダ43のロッド62が縮小すると、連結ユニット44即ち圧入ロッド45を上方に向けて付勢する。コイルばね63は、挿入シリンダ43のロッド62が伸張すると、連結ユニット44と接触せずに、該連結ユニット44即ち圧入ロッド45を上方に向けて付勢しない。
連結ユニット44は、挿入シリンダ43のロッド62の上端部と圧入ロッド45の上端部とを連結している。即ち、連結ユニット44は、挿入シリンダ43のロッド62と圧入ロッド45とを連結している。
また、連結ユニット44には、検出片64が取り付けられている。検出片64は、図14ないし図16に示すように、平板状に形成され、かつ連結ユニット44から立設している。検出片64の両表面は、矢印Xと鉛直方向との双方に対して平行である。検出片64の他方の挿入ユニット16から離れた側の端部には、該検出片64を貫通したスリット65が設けられている。スリット65は、矢印Xと平行である。
圧入ロッド45は、棒状に形成され、かつ、図7に示すように、挿入部66と、大径部67とを備えている。圧入ロッド45は、その長手方向が鉛直方向と平行に配置されている。挿入部66は、ロッド通し孔51内に侵入可能な円柱状の棒状に形成されている。大径部67は、挿入部66の上端に連なっており、前述した連結ユニット44が取り付けられている。大径部67の外径は、ロッド通し孔51の内径よりも大きい。
圧入ロッド45は、挿入部66がロッド通し孔51内に挿入(遊挿)された状態で、上端部が連結ユニット44に連結される。そして、圧入ロッド45は、挿入部66がロッド通し孔51内に挿入(遊挿)されることで、圧入位置に位置付けられた保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に接離自在に設けられる。また、圧入ロッド45は、挿入シリンダ43のロッド62が縮小することで、圧入位置に位置付けられた保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に近づいて、先端筒50内に位置付けられた防水栓4を端子収容室3内に圧入可能である。
前述した挿入ユニット16は、保持治具34が圧入位置に位置付けられると、昇降シリンダ38のロッド48を伸張させて、挿入ヘッド40を降下させて、先端筒50を保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に当接させる。そして、挿入ユニット16は、挿入シリンダ43のロッド62を縮小して、圧入ロッド45で先端筒50内の防水栓4をコネクタハウジング2の端子収容室3内に圧入する。
良否確認センサ46は、ユニット本体12の他方の挿入ユニット16から離れた側の立設柱19に取り付けられている。良否確認センサ46は、本体部68と、該本体部68に取り付けられたLD69と、PDとを備えている。本体部68は、互いに平行に配置され、かつ互いの間に検出片64を位置付ける一対の平行部と、該平行部の他方の挿入ユニット16から離れた側の端部同士を連結した連結部とを有してコ字状に形成されている。LD69は、一方の平行部に取り付けられて、他方の平行部に向かってレーザ光を出射する。PDは、他方の平行部に取り付けられて、LD69からのレーザ光を受光する。
前述した圧入ロッド45が防水栓4を端子収容室3内に圧入した後に、該防水栓4が正規の位置及び状態で端子収容室3内に収容されると、図14に示すように、LD69とPDとの間に検出片64のスリット65が位置する。そして、該LD69からのレーザ光が検出片64によって遮られることなく、PDに受光される。
また、前述した圧入ロッド45が防水栓4を端子収容室3内に圧入した後に、該防水栓4が正規の位置よりも端子収容室3の奥まで挿入又は端子収容室3内に全く取り付けられていない状態であると、図15に示すように、LD69とPDとの間に検出片64のスリット65が位置せずに、該スリット65がLD69及びPDよりも下方に位置する。そして、該LD69からのレーザ光が検出片64によって遮られて、PDに受光されない。
さらに、前述した圧入ロッド45が防水栓4を端子収容室3内に圧入した後に、該防水栓4が正規の位置よりも端子収容室3の上方に挿入された状態であると、図16に示すように、LD69とPDとの間に検出片64のスリット65が位置せずに、該スリット65がLD69及びPDよりも上方に位置する。そして、該LD69からのレーザ光が検出片64によって遮られて、PDに受光されない。
このように、良否確認センサ46は、LD69からのレーザ光をPDが受光したか否かを検出することで、防水栓4を圧入した後の圧入ロッド45のユニット本体12に対する相対的な位置に応じた情報を検出可能である。良否確認センサ46は、LD69からのレーザ光をPDが受光したか否かを示す情報即ち防水栓4を圧入した後の圧入ロッド45のユニット本体12に対する相対的な位置に応じた情報を制御装置7に向かって出力する。
制御装置7は、周知のROMと、RAMと、CPUとを備えたコンピュータであって、収容ユニット5と、圧入ユニット6などと接続して、これらを制御することにより、封止用防水栓圧入装置1全体の制御を司る。制御装置7には、ブザーなどの警報装置や、キーボードや各種のスイッチなどの入力装置が接続している。
ROMは、CPU即ち封止用防水栓圧入装置1の動作プログラムなどを記憶している。ROMは、各品番のコネクタハウジング2の防水栓4が装着される端子収容室3の位置及び端子収容室3に装着される防水栓4の品番を記憶している。また、ROMは、各挿入ユニット16がコネクタハウジング2の端子収容室3に装着する防水栓4の品番を記憶している。RAMは、CPUの演算実行時に必要なデータを一時的に保持する。CPUは、ROMに記載された動作プログラム通りに封止用防水栓圧入装置1を動作させる。
まず、CPUは、コネクタハウジング2の端子収容室3に防水栓4を装着する際に、封止用防水栓圧入装置1全体を起動するための起動スイッチが操作されると、保持治具34を着脱位置に位置付けるとともに、昇降シリンダ38のロッド48を縮小し、挿入シリンダ43のロッド62を伸張し、切り替えシリンダ42のロッド60を伸張する。
そして、CPUは、各保持治具34に装着及び該保持治具34に対応する収容箱9に収容されるコネクタハウジング2の品番が入力装置から入力されると、保持確認ユニット35からの情報に基づいて各保持治具34にコネクタハウジング2が保持されているか否かを判定する。全ての保持治具34にコネクタハウジング2が装着されていることを確認して、防水栓4の挿入動作を開始するためのスイッチが操作されると、CPUは、以下のように、コネクタハウジング2の所望の端子収容室3に防水栓4を圧入する。
CPUは、移動ユニット13を制御して、保持治具34を圧入位置に位置付けるとともに、防水栓4を挿入する一つの端子収容室3を、挿入ユニット16の挿入ヘッド40の下方に位置付ける。そして、CPUは、昇降シリンダ38のロッド48を伸張させて、挿入ヘッド40の先端筒50をコネクタハウジング2に当接させるとともに、ロッド通し孔51を端子収容室3と連通させる。
CPUは、供給ユニット15に一つの防水栓4を供給チューブ37を介してロッド通し孔51内に送り出させる。そして、CPUは、確認センサからの情報に基づいて、挿入ヘッド40のロッド通し孔51内に防水栓4が供給されたことを確認すると、挿入シリンダ43のロッド62を縮小して、圧入ロッド45に防水栓4をコネクタハウジング2の端子収容室3内に圧入させる。このとき、勿論、CPUは、規制板41を前述した規制位置に位置付けている。
その後、CPUは、挿入シリンダ43の前述した第1室と第2室との双方を外気と連通させて、該挿入シリンダ43の圧入ロッド45が防水栓4をコネクタハウジング2に向かって押圧する力を無くすとともに、切り替えシリンダ42のロッド60を縮小して、規制板41を許容位置に位置付ける。そして、CPUは、良否確認センサ46からの圧入ロッド45のユニット本体12に対する相対的な位置に応じた情報に基づいて、端子収容室3内に圧入された防水栓4の良否を判定する。そして、CPUは、防水栓4が不良であると判定すると、ブザーなどの警報装置によって、該防水栓4の不良を作業員に知らせて、封止用防水栓圧入装置1全体を一旦停止する。
また、CPUは、防水栓4が良であると判定すると、挿入シリンダ43のロッド62を伸張し、昇降シリンダ38のロッド48を縮小するとともに、切り替えシリンダ42のロッド60を伸張して、移動ユニット13を制御して、次に防水栓4が装着される端子収容室3を挿入ヘッド40の下方に位置付けて、前述した動作と同様に、防水栓4を圧入する。こうして、CPUは、防水栓4が装着される端子収容室3に順に防水栓4を圧入する。このように、CPUは、コネクタハウジング2の防水栓4が装着される端子収容室3を予め記憶しているとともに、挿入ユニット16と、移動ユニット13などを制御して、予め防水栓4が装着されることが定められた端子収容室3内に防水栓4を順に圧入する。
CPUは、全ての保持治具34に保持されたコネクタハウジング2の防水栓4が装着される全ての端子収容室3内に防水栓4が装着されると、移動ユニット13を制御して、保持治具34を着脱位置に位置付ける。そして、CPUは、保持治具34からコネクタハウジング2が取り外されたことを示す情報が保持確認ユニット35から入力すると、該保持治具34から取り外されたコネクタハウジング2を収容する収容箱9を示す表示ランプ11aを点灯させる。
そして、CPUは、誤検出ユニット10からの情報に基づいて、表示ランプ11aが点灯した収容箱9内にコネクタハウジング2が収容されたか否かを検出する。CPUは、誤検出ユニット10からの情報に基づいて、表示ランプ11aが点灯した収容箱9内にコネクタハウジング2が収容されていないと判定すると、ブザーなどの警報装置によって、該コネクタハウジング2の収容先の間違いを作業員に知らせて、封止用防水栓圧入装置1全体を一旦停止する。
CPUは、誤検出ユニット10からの情報に基づいて、表示ランプ11aが点灯した収容箱9内にコネクタハウジング2が収容されたと判定すると、前述した動作と同様に、全ての保持治具34からコネクタハウジング2が取り外されて収容箱9に収容されるまで、順に表示ランプ11aなどを点灯する。こうして、CPUは、コネクタハウジング2の端子収容室3内に防水栓4を圧入する際に、封止用防水栓圧入装置1全体を制御する。
次に、前述した構成の封止用防水栓圧入装置1が、コネクタハウジング2の所望の端子収容室3内に防水栓4を圧入する工程を説明する。
まず、作業員が、封止用防水栓圧入装置1全体を起動するための起動スイッチを操作する。すると、制御装置7が、移動ユニット13を制御して、保持治具34を着脱位置に位置付けるとともに、昇降シリンダ38のロッド48を縮小し、挿入シリンダ43のロッド62を伸張し、切り替えシリンダ42のロッド60を伸張する。
そして、作業員が、各保持治具34に装着して防水栓4を取り付けるコネクタハウジング2の品番を入力するとともに、各収容箱9に対応する品番の防水栓4の装着前のコネクタハウジング2を収容する。その後、作業員が、各収容箱9からコネクタハウジング2を一つずつ取り出して、該収容箱9に対応する保持治具34にコネクタハウジング2を保持させる。
その後、全ての保持治具34にコネクタハウジング2が保持された後に、作業員が、防水栓4の挿入動作を開始するためのスイッチを操作する。すると、制御装置7は、移動ユニット13を制御して、保持治具34を圧入位置に位置付けるとともに、防水栓4を挿入する一つの保持治具34に保持されたコネクタハウジング2の一つの端子収容室3を、挿入ユニット16の挿入ヘッド40の下方に位置付ける。そして、制御装置7は、図5及び図6に示すように、昇降シリンダ38のロッド48を伸張させて、挿入ヘッド40の先端筒50をコネクタハウジング2に当接させるとともに、ロッド通し孔51を端子収容室3と連通させる。
その後、制御装置7は、供給ユニット15に一つの防水栓4を供給チューブ37を介して先端筒50がコネクタハウジング2に密着した挿入ヘッド40のロッド通し孔51内に向かって、加圧された気体によって送り出す。そして、送り出された防水栓4が、貫通孔52よりもコネクタハウジング2寄りに位置付けられると、前述した加圧された気体が貫通孔52を通して外部に排出される。そして、一つの防水栓4は、図7に示すように、挿入ヘッド40の先端筒50内に位置付けられる。
そして、図8及び図9に示すように、挿入シリンダ43のロッド62が縮小する。すると、圧入ロッド45が、先端筒50内の防水栓4をコネクタハウジング2の端子収容室3内に圧入する。このとき、勿論、図10及び図11に示すように、規制板41が規制位置に位置付けられて、規制許容孔54の内縁と大径部67とが干渉して、圧入ロッド45が保持治具34に保持されたコネクタハウジング2に近づき過ぎることが規制されている。
そして、制御装置7は、挿入シリンダ43の前述した第1室と第2室との双方を外気と連通させて、挿入シリンダ43の圧入ロッド45を押圧する力を無くす。すると、コイルばね63の付勢力によって、連結ユニット44即ち圧入ロッド45が数mm程度上昇する。さらに、制御装置7は、切り替えシリンダ42のロッド60を縮小して、図11及び図12に示すように、規制板41を許容位置に位置付ける。
そして、制御装置7が、良否確認センサ46からの情報に基づいて、端子収容室3内に収容された防水栓4の良否を判定する。そして、全ての防水栓4が挿入される端子収容室3内に順に防水栓4を挿入する。全ての保持治具34に保持されたコネクタハウジング2の防水栓4が挿入される端子収容室3に防水栓4が収容されると、保持治具34が着脱位置に位置付けられる。
そして、作業員が、保持治具34から順にコネクタハウジング2を取り外して、該取り外されたコネクタハウジング2を収容すべき収容箱9を示す表示ランプ11aが点灯して、作業員が、該防水栓4が所望の端子収容室3に装着されたコネクタハウジング2を、該コネクタハウジング2が対応する収容箱9内に収容する。こうして、所望の端子収容室3内に防水栓4が装着されたコネクタハウジング2が得られる。
本実施形態によれば、制御装置7が移動ユニット13と挿入ユニット16とを制御して防水栓4をコネクタハウジング2に装着するので、該防水栓4の装着にかかる所要時間を短縮することができる。
制御装置7が予め記憶したとおりの端子収容室3に防水栓4を装着するので、所望の端子収容室3に確実に防水栓4を装着することができる。したがって、短時間に所望の端子収容室3に確実に防水栓4を装着することが可能となる。
挿入シリンダ43が圧入ロッド45で防水栓4を端子収容室3内に圧入した後に、該挿入シリンダ43が圧入ロッド45を押圧する力をなくするので、良否確認センサ46が検出した圧入ロッド45の位置に基づいて、防水栓4の端子収容室3内への圧入状況の良否を確実に判定できる。したがって、防水栓4の装着の度に、該防水栓4の圧入状況の良否を把握できる。
圧入ロッド45が防水栓4を圧入する際には、制御装置7からの命令通りに切り替えシリンダ42が規制板41を規制位置に位置付けるので、防水栓4の圧入時に圧入ロッド45がコネクタハウジング2に近づき過ぎることを規制し、過挿入を防止できる。このため、防水栓4を所望の位置よりも端子収容室3の奥に装着することを防止できる。したがって、所望の品質で防水栓4をコネクタハウジング2に装着することができる。
また、良否確認センサ46が防水栓4の圧入後に圧入ロッド45の位置を検出する際には、制御装置7からの命令通りに切り替えシリンダ42が規制板41を許容位置に位置付けるので、防水栓4の圧入状況の良否を判定する際には、圧入ロッド45が防水栓4を圧入したときよりもコネクタハウジング2に近づく構造をとることで深く挿入された状態を検出可能にする。このため、所望の位置よりも端子収容室3の奥に防水栓4が装着されたことを確実に検出することができる。したがって、防水栓4の装着状況の良否を確実に判定することができる。
誤検出ユニット10を設けているので、防水栓4付のコネクタハウジング2を所望の収容箱9に収容することができる。したがって、防水栓4が取り付けられたコネクタハウジング2の品番を誤ることを防止できる。
コネクタハウジング2を収容すべき収容箱9を表示する表示ユニット11を備えているので、防水栓4付のコネクタハウジング2を所望の収容箱9に確実に収容することができる。したがって、防水栓4が取り付けられたコネクタハウジング2の品番を誤ることを確実に防止できる。
前述した実施形態では、移動手段としての移動ユニット13が、保持治具34を矢印X,Yに沿って移動することで、保持治具34と挿入ユニット16とを相対的に移動している。しかしながら、本発明では、移動手段としての移動ユニット13が、保持治具34と挿入ユニット16との双方を移動させても良く、挿入ユニット16のみを移動させても良い。要するに、本発明では、保持治具34と挿入ユニット16とのうち少なくとも一方を移動して、保持治具34と挿入ユニット16とを相対的に移動させるのが良い。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態にかかる封止用防水栓圧入装置の構成を模式的に示す斜視図である。 図1に示された封止用防水栓圧入装置の圧入ユニットの正面図である。 図2に示された封止用防水栓圧入装置の圧入ユニットの平面図である。 図3に示された封止用防水栓圧入装置の圧入ユニットの側面図である。 図2に示された封止用防水栓圧入装置の圧入ユニットの挿入ユニットの昇降シリンダのロッドが伸張した状態を示す正面図である。 図5に示された封止用防水栓圧入装置の圧入ユニットの側面図である。 図6に示された圧入ユニットの挿入ユニットを一部断面で示す側面図である。 図5に示された封止用防水栓圧入装置の圧入ユニットの挿入ユニットの挿入シリンダのロッドが縮小した状態を示す正面図である。 図7に示された圧入ユニットの挿入ユニットを一部断面で示す側面図である。 図8に示された圧入ユニットの挿入ユニットの要部を一部断面で示す正面図である。 図10に示された挿入ユニットの規制板の平面図である。 図10に示された圧入ユニットの挿入ユニットの切り替えシリンダのロッドが縮小した状態の要部を一部断面で示す正面図である。 図12に示された挿入ユニットの規制板の平面図である。 図12に示された挿入ユニットの圧入ロッドが正規の位置に位置付けられた時の検出片と良否確認センサとの相対的な位置関係を示す正面図である。 図14に示された挿入ユニットの圧入ロッドが正規の位置よりも下方に位置付けられた時の検出片と良否確認センサとの相対的な位置関係を示す正面図である。 図14に示された挿入ユニットの圧入ロッドが正規の位置よりも上方に位置付けられた時の検出片と良否確認センサとの相対的な位置関係を示す正面図である。
符号の説明
1 封止用防水栓圧入装置
2 コネクタハウジング
3 端子収容室
4 防水栓
7 制御装置(制御手段)
9 収容箱(収容手段)
10 誤検出ユニット(誤挿入検出手段)
11 表示ユニット(表示手段)
12 ユニット本体(装置本体)
13 移動ユニット(移動手段)
16 挿入ユニット(挿入手段)
34 保持治具(保持手段)
41 規制板(規制部材)
42 切り替えシリンダ(切り替え手段)
43 挿入シリンダ(挿入手段)
45 圧入ロッド
46 良否確認センサ(検出手段)

Claims (5)

  1. コネクタハウジングの端子収容室内に防水栓を圧入する封止用防水栓圧入装置において、
    装置本体と、
    前記装置本体に設置されかつ前記コネクタハウジングを保持する保持手段と、
    前記装置本体に設置されかつ前記防水栓を前記端子収容室内に圧入する挿入手段と、
    前記挿入手段が前記防水栓を前記端子収容室内に圧入可能となる圧入位置と、前記圧入位置と離間して前記保持手段に前記コネクタハウジングを着脱自在となる着脱位置と、に亘って、前記保持手段と前記挿入手段とを相対的に移動自在とする移動手段と、
    前記コネクタハウジングの前記防水栓が装着される端子収容室を予め記憶しているとともに、前記挿入手段と前記移動手段とを制御して、前記予め前記防水栓が装着されることが定められた端子収容室内に前記防水栓を圧入する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする封止用防水栓圧入装置。
  2. 前記挿入手段が、前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに接離自在に設けられかつ該コネクタハウジングに近づいて前記防水栓を前記端子収容室内に圧入可能な圧入ロッドと、前記圧入ロッドを前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに接離させる押圧手段と、前記圧入ロッドの前記装置本体に対する相対的な位置に応じた情報を検出可能な検出手段を備え、
    前記制御手段が、前記押圧手段に前記圧入ロッドを前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに近づけさせて前記防水栓を前記端子収容室に圧入させて、前記押圧手段の前記圧入ロッドを押圧する力を無くさせた後に、前記検出手段が検出した前記圧入ロッドの前記装置本体に対する相対的な位置に応じた情報に基づいて、前記端子収容室内に圧入された防水栓の良否を判定することを特徴とする請求項1記載の封止用防水栓圧入装置。
  3. 前記挿入手段が、前記圧入ロッドが前記防水栓を前記端子収容室内に圧入する際に該圧入ロッドが前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに近づき過ぎることを規制可能な規制部材と、
    前記規制部材を、前記圧入ロッドが前記防水栓を圧入する際には、圧入ロッドが前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに近づき過ぎることを規制する規制位置に位置付け、前記検出手段が前記防水栓の圧入後に前記圧入ロッドの前記装置本体に対する相対的な位置に応じた情報を検出する際には、前記規制位置よりも圧入ロッドが前記保持手段に保持されたコネクタハウジングに近づくことを許容する許容位置に位置付ける切り替え手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の封止用防水栓圧入装置。
  4. 前記コネクタハウジングは、品番が異なると前記防水栓が装着される端子収容室が異なり、
    前記保持手段が、複数設けられ、かつ互いに異なる品番のコネクタハウジングを保持するとともに、
    少なくとも前記保持手段と同数設けられ、かつ収容する防水栓付きのコネクタハウジングの品番が予め定められた収容手段と、
    前記保持手段から取り外された防水栓付きのコネクタハウジングが、予め定められた収容手段に収容されたか否かを検出する誤挿入検出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の封止用防水栓圧入装置。
  5. 前記保持手段から取り外された防水栓付きのコネクタハウジングが、収容されるべき収容手段を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の封止用防水栓圧入装置。
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