JP2008008579A - 浴槽用給湯口アダプタ - Google Patents

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Abstract

【課題】流路形成ユニット10と、槽外取付部材71と、槽内取付部材72と、フィルタ
部材73とを備えた浴槽用給湯口アダプタにおいて、槽内取付部材72に対する流路形成
ユニットの取付構造の簡素化をはかる。
【解決手段】槽内取付部材72のフランジ部72bに設けたL字形係止溝77に、流路形
成ユニット10に設けた係止突起19を係止することにより、流路形成ユニット10を前
後方向抜出不能に連結する一方、流路形成ユニット10に設けた無ねじのピン孔17に挿
通したロックピン85の先端部を、前記フランジ部72bの前面側に設けたロック穴76
に嵌入して流路形成ユニット10を相対回転不能に固定する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、浴槽壁部に貫通状態に取り付けられ、浴槽外の給湯機に配管接続させる浴槽用給湯口アダプタに関する。
近年、浴槽の給湯システムとして、浴槽外に設置した給湯機で沸かした温水を浴槽内に送る湯はり機能と、浴槽内の温水を吸い込んで給湯機へ送り、該給湯機で加熱して高温水として浴槽内へ戻す追い焚き機能とを備えるものが普及しつつある。そして、このような給湯システムでは、浴槽壁部に貫通状態に取り付けた給湯口アダプタに、給湯機との間の循環流路の配管を接続している(特許文献1,2)。
特開平11−201558号公報 特開平11−337186号公報
上記の給湯口アダプタは、槽内側において、吸込口を前面に配し、多孔状のフィルタを介して浴槽内の温水を吸入して給湯機へ送る一方、給湯機から供給される高温水を、略下向きのスリット状に形成した吐出口から浴槽壁面に沿って下向きに扇状に拡がるように吐出させるようにしたものが一般的である。
ところで、上記のような機能を担う給湯口アダプタは、所定の流路形成を行なう流路形成ユニットと、これを浴槽の側壁内面側に取付ける槽内取付部材と、浴槽側壁を挾んで上記槽内取付部材を固定する槽外取付部材と、流路形成ユニットの前面側に着脱可能に被着されるフィルタ部材との4つを主要部品として構成されているのが一般的である。
そして、上記槽内取付部材は、浴槽側壁を貫通する筒状部の前端に浴槽側壁の内面側に当接配置されるフランジ部を有し、このフランジ部の前面側に、前記流路形成ユニットが取付けられ、更にこの流路形成ユニットに対してフィルタ部材が着脱可能に取付けられるものとなされている。
従来、上記槽内取付部材のフランジ部に対する流路形成ユニットの取付けは、多くの場合、流路形成ユニットの前面側から複数本の取付ねじをフランジ部に向けてねじ込むことによって行われていた。ところが、この場合、上記主要部品のほかに複数本の取付ねじを付属部品としてセットしなければならないため、部品点数が増大する不都合に加えて、施工現場でのアダプタの浴槽への取付け作業において上記取付ねじによる取付作業がいささか面倒であり、多くの時間と努力を要する難があった。
この発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、現場でのアダプタの取付施工作業を一段と簡単かつ能率的に行うことができると共に、所要部品点数を削減でき、しかも施工ミスを生じるおそれを軽減できる、殊に槽内取付部材と流路形成ユニットとの結合構造の改善技術を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を下記の手段によって解決する。
[1]流路形成ユニット10、槽外取付部材71、槽内取付部材72、およびフィルタ部材73を備え、
前記流路形成ユニット10が、その円盤部1aの後方突縁部11cの後端部内周面に設けられた複数個の係止突起19を、槽内取付部材72の前端のフランジ部72bの外周に設けられたL字形の係止溝77に嵌入しかつ稔回することによって槽内取付部材72に対して前後方向に抜出不能に連結されると共に、
前記流路形成ユニット10の周縁部近傍位置に前後方向に貫通する無ねじのピン孔17が形成され、このピン孔17に進退変位可能に挿通された回り止め用ロックピン85の先端部が、前記槽内取付部材72のフランジ部72b前面側のロック穴76に嵌入されることにより、流路形成ユニット10が槽内取付部材72に対して相対回転不能に連結されると共に、
前記ロックピン85の径大頭部85bの下面と、該下面が当接する前記ピン孔17の周辺部前面とに、互いにはまり合う対応形状の、周方向に傾斜したカム面を有する凸状カム部86と凹状カム部87とが設けられ、ロックピン85を所定方向に回転させることによって前記両カム部86、87の誘導作用でロックピン85を後退方向に移動させて流路形成ユニット10との係合関係を解除しうるものとなされてなることを特徴とする浴槽用給湯アダプタ。
[2]前記ロックピン85の前記径大頭部85bの頂面に、ねじ回わし工具係合用のマイナス溝状および/またはプラス溝状の係合部85dが形成されている前項[1]に記載の浴槽用給湯口用アダプタ。
[3]前記ロックピン85は、軸部85aの先端に外方に張り出した抜け止め用係止段部85cを有するものとなされる一方、 前記ピン孔17は、前記径大頭部85bが収容される対応の直径と深さをもった径大孔部17aと、前記軸部85aに対応する直径の径小孔部17bとを有し、
前記ロックピン85が、その先端の抜け止め用係止段部85cを前記径小孔部17bに強制貫挿されることにより、前記ピン孔17に抜け止め状態に装着されている前項[1]または[2]に記載の浴槽用給湯口アダプタ。
[4]前記ピン孔17の径大孔部17aは、その内周面に、ピン孔17の外方端周縁から折返し状に内方に向って突設された複数個の弾性突片17cを有し、該弾性突片17cがロックピン85の径大頭部85bの外周面に弾接されることにより、ロックピン85の軸線方向の移動に摩擦抵抗が付与され、ロックピン85の徒らな遊動が防止されている前項[1]〜[3]のいずれか1項にに記載の浴槽用給湯口アダプタ。
前記[1]に記載の構成によれば、予め浴壁側壁に固定した槽内取付部材のフランジに、その前面側から流路形成ユニットを被せるようにして押し当て、次いでこれを僅かに回転させて係止溝と係止突起とを係合させたのち、1本だけで必要かつ十分であるロックピンを凸状カム部と凹状カム部とを一致させて僅かに押し込むことによって、流路形成ユニットを前後方向にも、また回転方向にも変位しない確実な固定状態に取付けることができる。従って、従来のように、複数本の取付ねじを用いて流路形成ユニットを槽内取付部材のフランジにねじ止め固定する場合に較べて、必要部品点数を削減できると共に、現場での取付施工作業を簡易化して、その作業時間の短縮及び労力の軽減をはかり得る。もとより、上記ロックピンは、流路形成ユニットの回り止めの役割のみを担うものであるから、先端部がロック穴に嵌まり込むだけの、比較的短かいもので足り、給湯口アダプタの浴槽内側取付部品の突出度合いの極めて小さい薄型のものとすることに貢献しうると共に、ロックピンの前記ロック穴へのはめ込みも該ロックピンを単に僅かに押し込むだけで完了することができるから、愈々、部品コストの削減と作業能率の向上に資することができる。
そしてまた、ロックピン85の径大頭部の下面とこれが当接するピン孔まわりの前面とに、お互いに嵌まり合う対応形状の傾斜カム面を有する凸状カム部と凹状カム部とが設けられていることにより、アダプタの点検、修理等に際して流路形成ユニットを取外す必要が生じたような場合においても、ねじ回わし工具や挾み工具等を用いて前記ロックピンを所定方向に僅かに回転させることにより、前記両カム部の作用でロックピンを後退移動させて流路形成ユニットと槽内取付部材との回転方向の結合関係、すなわち回転ロック状態を簡単に解除することができる。従ってこの回転拘束解除状態のもとで、流路形成ユニットを取付時とは逆の方向に僅かに回転して、前記係止突起とL字形係止溝との係合関係を解くことにより、支障なく流路形成ユニットを取外すことが可能になる。このように、流路形成ユニットの取外し作業も簡単かつ容易に行うことができ、メンテナンス上も有利である。
なお、前面のフィルタ部材は、流路形成ユニットに対して、これもL形の係止溝と係止突起とによる係止機構をもって着脱自在に取付けられるのが普通であるが、このフィルタ部材をその清掃、メンテナンスのために回転させて脱着させる場合においても、流路形成部材は上記ロックピンによって回転方向の移動変位が確実に阻止されたものとなっているので、上記フィルタ部材の脱着を支障なく行い得る。
前記[2]に記載の構成によれば、流路形成ユニットの取外しのためにロックピンをロック解除位置に後退移動させる作業を、作業者の誰もが通常持っている普遍的な工具である一般にドライバーと称されるねじ回わし工具を用いて、ロックピンを僅かに回転させることで簡単に行うことができる。
前記[3]に記載の構成によれば、ロックピンをピン孔に強制的に単に押し込むことによって、その軸部の先端部の抜け止め用係止段部をピン孔に強制的に押し通して流路形成ユニットに組付け状態にセットすることができる。そして、このように組付けたのちは、前記抜け止め用係止段部がピン孔の径小孔部の奥端に引掛かるように作用するため、ピン孔からロックピンが不本意に抜脱することがない。従って、ロックピンを予め流路形成ユニットに組付けセットした状態でアダプタを市場供給することができ、製品の梱包管理上有利であるのみならず、現場でのアダプタの取付けに際しても、予め流路形成ユニットに取り付けられているロックピンをそのまま強く押し込むことで所要の取付作業を完了しうるので、愈々作業上便利であると共に、ロックピンの紛失やその取付忘れ等の施工ミスの発生のおそれを減少しうる。
更に、前記[4]に記載の構成によれば、ロックピンを流路形成ユニットに組付けた状態時においてはもとより、ロックピンの先端部をロック穴に挿し込んだ状態時においても、ロックピンはその頭部が弾性突片に拘束されて徒らに前後方向に遊動するのを阻止されるので、何らかの外力の影響でロックピンが不本意に流路形成ユニットから脱外したり、ロック穴から抜脱してしまうのを効果的に防止しうる。
以下、この発明に係る浴槽用給湯口アダプタの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
なお、この実施形態の給湯口アダプタは、浴槽外に設置した給湯機(図示省略)からの温水を浴槽内に供給する湯はり(貯湯)機能と、浴槽内の温水を給湯機に吸い込んで加熱した高温水を浴槽内に戻す追い焚き機能とを備えた浴槽給湯システムに適用するものであり、所謂無極タイプとして、給湯機に繋がる往き管と戻り管(図示省略)に対する接続が逆になっても同じ機能が得られるようになっている。
給湯口アダプタは、図1の縦断側面図ならびに図2の分解斜視図で示すように、流路形成ユニット10、槽外取付部材71、槽内取付部材72、フィルタ部材73の4つの主要部品と、槽外側のリング状被覆パッキング81、Oリング82、槽内側のリング状パッキング83、リング状滑りシート84、流路形成ユニット10の回り止め用ロックピン85の付属部品とで構成されている。なお、図中のHは浴槽Tの側壁Taに設けた貫通穴を示している。
流路形成ユニット10は、既述の無極タイプとしての流路を形成するものであり、図3に示すように、円盤部1aの中央部後面側に流路分岐部1b(図4の(B)参照)及び流路筒部1cを一体形成した硬質合成樹脂成形物からなるユニット本体1と、その円盤部1aの前面側に嵌着される硬質合成樹脂成形物からなる円形の前板2と、同円盤部1aの中央にある弁部3に嵌着する弁座枠31と、流路分岐部1bに配置される縦長のゴム板からなる第一及び第二の弁体32A,32Bとを備えている。
そして、ユニット本体1の円盤部1aの周縁上半部には前方へ突出した突縁部11が形成され、この突縁部11の前縁側に内嵌係止される前板2と当該円盤部1aとの間で区画室10a(図1参照)を構成している。また、この区画室10aの外周には、左右両側上部の2ヵ所または下部を含む3ヶ所にL字形の係止溝11aが形成されている。
図3〜図5に示すように、ユニット本体1の円盤部1aの中央部には、弁部3を構成する開口部12が形成され、この開口部12が縦隔壁13と左右の横桟14,14によって上下左右の流路穴15a〜15dに4分割されている。そして、左側上下の流路孔15a,15bは流路分岐部1bで後方外側へ開放する一方、右側上下の流路孔15c,15dは流路分岐部1bの縦隔壁13を直線部とする半円形の連絡室10b(図4(B)参照)を経て後部の円筒状の流路筒部1c内に連通している。また、下側左右の流路孔15b,15dには、各々開口縁の左右部及び下辺部と中間の長尺縦リブにより、前面側に臨む第一及び第二吐出弁座33a,33bが形成されている。
弁座枠31は、ユニット本体1の開口部12の上部側に前方から嵌着することにより、後方側に臨む第一及び第二吸込弁座34a,34bを構成するものであり、略半円形の外形をなす硬質合成樹脂成形物からなり、上側左右の流路孔15a,15cの各々に対応する左右各一対の流路窓31a…を有すると共に、頂部と左右両端部とに突起状の当接片31bが形成され、また下縁の中央部2ヵ所と左右両側部の計4ヵ所に取付孔31c…を備えている。
第一及び第二の弁体32A,32Bは、ユニット本体1の開口部12を左右に分割した各形状に対応しており、上半部が第一及び第二吸込弁35a,35bとして各々上側左右の流路孔15a,15cに嵌入し得るサイズを有すると共に、下半部が第一及び第二吐出弁36a,36bとして下側左右の流路孔15b,15dの第一及び第二吐出弁座33a,33bに嵌合するサイズに設定されている。しかして、両弁体32A,32Bの上下方向中間部には、左右両側の取付孔32a,32aと、その間の横方向のリブ32bとが設けてある。
しかして、ユニット本体1側には、図3で示すように、左右の横桟14,14のそれぞれ両端部に前方へ突出する支持ピン14a…が設けてあり、これら支持ピン14a…を、第一及び第二の弁体32A,32Bの取付孔32a…に圧入して、更に弁座枠31の取付孔31c…に嵌入することにより、両弁体32A,32B及び弁座枠31をユニット本体1の円盤部1aの前面に止着するようになっている。なお、両弁体32A,32Bはリブ32bを横桟14の凹段部14b(図4(A)参照)に嵌合して位置決めされている。
また、ユニット本体1の円盤部1aの前面側には、下部の左右両側に直線部を内側にした弓形の凸部からなるセパレータ部4A,4A、上側の突縁部11の左右内縁に係止ピン11b,11b、下側左右の流路孔15b,15dの外側縁部に突片状の前板受け16b,16b、がそれぞれ突設されている。
更に、ユニット本体1には、その中央上部に前後に透通するピン孔17を有する。また、上記円盤部1aの突縁部11の頂端近傍に前方へ開く切欠部18が形成されている。また、該円盤部1aの後面側には、全周にわたる後方突縁部11cを有し、その内周側の3ヵ所に係止突起19が周方向に等配して形成されている。
前板2は、図3に示すように、ユニット本体1の円盤部1aに対応した円形をなし、その上半部には、ユニット本体1の上側左右の流路孔15a,15cに対向する領域に多数の小径の吸込孔20…が、両側縁部にユニット本体1の各係止ピン11bに対応する係止孔2b,2bが、それぞれ前後に透通して形成され、更に周縁の2ヵ所にユニット本体1の各係止溝11aの入口部となる切欠2cが設けてある。
上記ピン孔17は、これにロックピン85を挿通して、流路形成ユニット10の回り止めの役目を担うものであり、流路形成ユニット10の中央上部の1個所のみに、前後方向に貫通する無ねじの段付き透孔として形成されたものである。
更に詳しくは、ピン孔17は、図9及び図10に示すように、後述のロックピン85の径大頭部85bが収容される対応直径と深さをもった径大孔部17aと、ロックピン85の軸部85aに対応する直径の径小孔部17bとを有する。上記径大孔部17aは、前記の前板2に設けられたものであり、径小孔部17bはユニット本体1の円盤部1aに設けられたものである。
そしてまた、前板2側に設けられたピン孔17の上記径大孔部17aは、図9及び図10に詳細を図示するように、その内周面に、ピン孔17の外方端周縁から折返し状に内方に向かって突設された複数個の弾性突片17cを有する。図示実施例において、この弾性突片17cは、隣接するもの同士の間に切割部17eを介して周方向に6個設けられたものとなされている。また、その先端部内側面に肉盛り部が形成され、後述するロックピン85の径大頭部85bを周りから弾力的挾み込んで、該ロックピン85の軸線方向の自由な遊動を確実に防止しうるものとなされている。
また、図7に示すように、前板2の後面側には、ピン孔17の位置から左右両側へ円弧状に延びる円弧隔壁リブ21,21、該ピン孔17の位置から真下に直線的に延びる縦隔壁リブ22、この縦隔壁リブ22の中間部と左右両側の円弧隔壁リブ21,21の間を繋ぐ横隔壁リブ23,23、各横隔壁リブ23から外向き斜め下方へ分岐した吐出ガイドリブ24,24、左右両側の円弧隔壁リブ21,21における横隔壁リブ23との接合部より下方部分の外側に対向する弧状の導出ガイドリブ25,25がそれぞれ突設されている。また、この後面側の下部には、ユニット本体1側のセパレータ部4A,4Aに対応する弓形の浅い凹部27,27が形成され、更にユニット本体1側の第一及び第二吐出弁座33a,33bの下縁部との対向位置に直線状のV字溝29,29が設けられている。
しかして、流路形成ユニット10は、第一及び第二の弁体32A,32Bと弁座枠31を装着したユニット本体1の円盤部1aに対し、前板2の係止孔2b,2bにユニット本体1側の係止ピン11b,11bを挿嵌させて当該前板2を内嵌係止することにより、該円盤部1aと前板2との間で既述の区画室10aを構成したものである。
この区画室10aでは、図8に示すように、ユニット本体1側の突縁部11と、前板2側のリブ21〜25とが隔壁を構成し、またユニット本体1側のセパレータ部4A,4Aと、前板受け16bも前板2の後面側に密接して壁体となっている。
これにより、区画室10a内の上部側には、隔壁リブ21〜23に囲まれて隔絶した左右の第一及び第二吸込室51a,51bが形成されると共に、上部側周縁に沿って突縁部11と円弧隔壁リブ21,21との間に混合用流路6Aが構成されている。また、該区画室10a内の下部側は、縦隔壁リブ22の下方を仮想的な境界として、左右の第一及び第二吐出室52a,52bに区画されている。
そして、第一吸込室51aには第一吸込弁35aが、第二吸込室51bには第二吸込弁35bが、第一吐出室52aには第一吐出弁36aが、第二吐出室52bには第二吐出弁36bが、それぞれ臨んでいる。
また、区画室10aの突縁部11がない下縁側は、スリット状に外部へ開放した吐出口53を構成している。更に、第一及び第二吐出室52a,52bでは、それぞれ吐出弁36a,36bの流出口54と吐出口53との間が、セパレータ部4Aによって左右に別れている。両吐出室52a,52bは、縦隔壁リブ22の下端22aの下方に構成される連通口55によって連通している。
混合用流路6Aは、ユニット本体1の突縁部11に設けていた切欠18が頂部で導入口60として外部に開口する一方、左右両側において、吐出ガイドリブ24の下端と導出ガイドリブ25との間が導出口61として第一及び第二吐出室52a,52bの側方に臨んでいる。
槽外取付部材71は、図1及び図2に示すように、黄銅やステンレス鋼等の金属製であり、略円筒状をなす外筒部71aの開放した前端にフランジ部71bを備えると共に、外筒部71aの閉塞した後端部に一対の外管接続部70a,70bがロウ付けされ、該外筒部71aの内側には前方へ開放した円筒状の内筒部71cが同軸状に一体形成されている。そして、外筒部71aと内筒部71cの間の環状空間7aが外管接続部70aに、内筒部71cの内側空間7bが外管接続部70bに、それぞれ連通している。また、外筒部71aの前部内周には雌ねじ74aが刻設され、この外筒部71aの前端よりも内奥に位置した内筒部71cの前端の内周側にOリング82が嵌装されている。
しかして、槽外取付部材71のフランジ部71bには、リング状被覆パッキング81が嵌着される。このパッキング81は、断面略U字状の合成ゴム等からなる断面略U字状の成形物であり、その内周の環状嵌合溝81bにフランジ部71bを嵌め込むことにより、該フランジ部71bの略外周面全域を包み込む状態に密着固定される。なお、このリング状被覆パッキング81の前面側を構成する厚肉本体部81bの表裏面には、複数の同心円状の密着用凹凸部81c…が形成されている。
槽内取付部材72は、図1及び図2に示すように、ポリアセタート樹脂等の硬質樹脂成形物からなり、両端が開放した筒状部72aの前端にフランジ部72bが一体形成されており、筒状部72aの外周には槽外取付部材71の雌ねじ74aに対応する雄ねじ74bが設けてある。そして、フランジ部72bの後面側には、内周側から外周側へ段下する環状段部75aと、その外周側の環状溝75bが形成されている。また、フランジ部72bの前面側には多数の有底のロック穴76…が周方向一定間隔置きに形成され、更に外周部には複数のL字形の係止溝77が周方向一定間隔置きに形成されている。
上記ロック穴76は、図9に示すように流路形成ユニット10のピン孔17に貫挿されるロックピン85の先端部が嵌まり込むことにより、流路形成ユニット10の回転変位を阻止するものであり、ロックピン85の軸部の先端部の外径にほぼ符合する直径を有し、軸部先端部をしっくりと受け入れるものとなされている。
一方、ロックピン85は、弾性合成樹脂成形品からなる長さ8.0〜8.5mm程度の極く短いものである。その具体的な形状を図12に示している。同図に示すように、ロックピン85は、その全長の約1/2長さ領域部分を軸部85aとし、その一端側の残りの約1/2長さ領域部分が径大頭部85bとなされ、更に軸部85aの他端、即ち先端部に外方に張り出した抜け止め用係止段部85cが形成され、該段部より先端側が先細テーパー状部85fに形成されている。更にまた、ロックピン85の径大頭部85bの外方端面には、その頂面にねじ回わし工具係合用のマイナス溝状および/またはプラス溝状の工具係合部85dが形成されている。
この工具係合部85dは、ロックピン85をロック穴76から引き抜く際に、一般にドライバーと称されるようなねじ回わし工具の先端を係合させて僅かにロックピン85を回転させることにより、後述する1対の凸状カム部87と凹状カム部86との誘導作用でロックピン85を後退移動させるためのものである。また、ロックピン85を押し込みロック位置に正しくセットする場合のロックピン85の回転調節用に利用しうるものである。
上記ロックピン85は、流路形成ユニット10のロック孔17に、前板2側から強制的に挿入することによって、予め該流路形成ユニット10に組込み状態にセットされる。この組込み時において、ロックピン85の軸部85aをピン孔17に強く挿し込むことで、軸部先端の係止用設部85cの部分は樹脂弾力による若干の一時的変形を伴いながらピン孔17の小径孔部17bを通過する。そして、通過後は、図9(A)に示すように上記係止用段部85cが小径孔部17bの奥端周縁に引掛かることにより、抜け止め状態に流路形成ユニット10に組付けられ、不本意な脱外が防止される。
ところで、この発明においては、図10、11、12に示すように、ロックピン85の径大頭部85bの下面、即ち軸部85a側の面の周縁部近くの位置に、周方向に傾斜状のカム面86aを有する1対の凹状カム部86が設けられている。一方これに対応して、上記ロックピン85の頭部下面が当接する前記ピン孔17の周辺部前面、即ち、ピン孔17の小径孔部17bの周辺部前面に、上記凹状カム部86にはまり合う対応形状の、傾斜カム面87aを有する1対の凸状カム部87が設けられている。
従って、ロックピン85を前述のようにドライバー等を用いて所定方向に僅かに回転させることによって前記両カム部86、87の誘導作用でロックピン85を後退方向に移動させ流路形成ユニット10との係合関係を解除しうるものとなされている。
しかして、槽内取付部材72は、その使用に際し、筒状部72aにリング状滑りシート84及びリング状パッキン83を外嵌し、これらをフランジ部72bに近接する位置に保持させておく。
リング状パッキング83は、断面が内向きに尖った略スペード形をなす厚肉リング部83aと、この厚肉リング部83aから中心側へ全周にわたって張出する薄肉リング部83bとで構成される合成ゴム等の一体成形物からなり、槽内取付部材72の筒状部72aに嵌装した状態で、薄肉リング部83bの内周縁が当該筒状部72aに略当接すると共に、厚肉リング部83aがフランジ部72bの環状溝75bに臨む形になる。
また、リング状滑りシート84は、ポリオレフィンやポリエステル等の表面滑性が高い硬質乃至半硬質の平坦な合成樹脂シートからなり、槽内取付部材72の筒状部72aに対してリング状パッキング83よりも奥側つまりフランジ部72b側に嵌装するが、この嵌装状態で内周縁が当該筒状部72aに略当接すると共に、外周縁がフランジ部72bの環状溝75b上に位置してリング状パッキング83の厚肉リング部73aの最大肉厚部に被さるように寸法設定されている。
フィルタ部材73は、図1及び図2に示すように、皿形の硬質合成樹脂成形物からなり、その円形の前壁部73aには径小で表裏に透通する多数の吸込孔78…が略全面にわたって形成されている。また、前壁部73aから後方へ突出する周縁部73bは、流路形成ユニット10のスリット状の放出口53に対応する下半部の突出高さが低く設定されると共に、内周に流路形成ユニット10の各係止溝11aに対応する係止突起(図示省略)が形成されている。
上記した各部構成の給湯口アダプタを浴槽Tに取り付けるには、まず槽外取付部材71と槽内取付部材72とを浴槽側壁Taの貫通穴Hを通して螺合させ、両者71,72のフランジ部71b,72b間でパッキング81,83を介して浴槽側壁Taを内外から挟着する。すなわち、浴槽側壁Taの外側に配置した槽外取付部材71の外筒部71aに、槽内取付部材72の筒状部72aを該浴槽側壁Taの内側から貫通穴Hを通して合わせ、槽内取付部材72側の回転操作により、筒状部72aの雄ねじ74bを外筒部71aの雌ねじ74aに螺合させて締め付ければよい。
上記の螺合操作では、槽内取付部材72のフランジ部71bとリング状パッキング83との間にリング状滑りシート84が介在するから、操作の当初から終盤に至るまでの間、該滑りシート84の滑り作用により、槽内取付部材72とパッキング83との共廻りが抑えられるため、該パッキング83が捩れて断裂したり歪な変形状態にならず、且つ槽内取付部材72を軽く容易に回転できる。
そして、螺合の終盤になると、パッキング83の厚肉リング部83aがフランジ部72bの環状溝75bに入り込むのに伴い、リング状滑りシート83が環状段部75aで屈曲し、その外周側が環状溝75bへ曲がり込んで外径を縮小し、最終的に図1に示すようにパッキング83の厚肉リング部83aから外れ、該厚肉リング部83aが環状溝75bの底面に直接に圧接して密着する状態となるから、良好な水密封止性が得られる。
かくして両取付部材71,72の螺合連結が完了すれば、槽外取付部材71の外管接続部70a,70bに給湯機に繋がる往き管と戻り管を接続すると共に、浴槽Tの内側より槽内取付部材72に流路形成ユニット10及びフィルタ部材73を取り付ける。なお、槽外取付部材71は非回転側であるため、前記螺合操作の前に外管接続部70a,70bの接続を済ませておいてもよい。
流路形成ユニット10は、吐出口53が下側になる状態で、流路筒部1c側から槽内取付部材72内に嵌入させ、該流路筒部1cを槽内取付部材72内に突入している槽外取付部材71の内筒部71cに挿嵌させる。なお、この挿嵌部分では内筒部71cの内周に嵌装したOリング6によって隙間が封止される。そして、円盤部1aの後方突縁部11cを取付部材72のフランジ部72bに外嵌し、後面側の各係止突起19がフランジ部72b外周の係止溝77に嵌入した状態で少し捻回操作すれば、これら係止突起19が係止溝77の入口側から周方向にずれた奥端位置に入り込むから、該ユニット10は槽内取付部材72に対して前後方向には抜出不能となる。
しかるのち、予め流路形成ユニット10に組付けられたロックピン85を、頭部85bに外側から押圧力を加えることでピン孔17の奥方向に押し込む。すると、ロックピン85の押し込み移動によって、その先端のテーパー部85fを含む先端部が図9(B)に示すようにロック穴76内に嵌まり込み、以降、流路形成ユニット10は槽内取付部材72に対して捻回不能となるから、該流路形成ユニット10の槽内取付部材72との係合が意に反して解除されるのを防止できる。
上記ロックピン85は、前述のようにアダプタの取付施工前の市場供給段階で、予め流路形成ユニット10のピン孔17に挿通して該ユニット10に抜け止め状態に組付けセットしておくものとなされている。従って、ロックピン85を別に梱包する必要がなく、部品管理上有利であるし、取付施工現場において、予め流路形成ユニット10にロックピン85がセットされていることで、その付け忘れによる施工ミスの発生を防止できる。
そして、上記セット状態からロックピン85を押し込んでロック穴76に嵌入させた状態では、図9(B)に示すようにロックピン85の径大頭部85bはロック孔17の径大孔部17a内に完全に納まった状態となって前板2の前面側に突出しない状態となる一方、該径大頭部85bの外周面に弾性突片17cが弾力的に圧接される結果、ロックピン85の軸線方向の移動に大きな摩擦抵抗が付与され、ロックピン85の徒らな遊動が阻止されて、ロック孔76への嵌合状態が確実に維持される。
なお、流路形成ユニット10の取外しのためにロックピン85によるロック状態を解除する必要が生じた場合には、図11(A)に示すロック位置にあるロックピン85を、前述のようにねじ回わし工具を用いて僅かに反時計回わり方向に回転する。すると、凹状カム部86の傾斜カム面86aが凸状カム部87の傾斜カム面87a上を摺動されることにより、相互の誘導作用でロックピン85は図11(B)の状態を経て同図11(C)に示すようなロック解除位置に後退移動される。即ち、ロックピン85の先端部がロック穴76から抜脱され、流路形成ユニット10の回わり止めロック状態が解除される。
なお、槽内取付部材72側の係止溝77とロック孔76は周方向に一定間隔置きに多数形成されているから、螺合完了後の槽内取付部材72の回転停止姿勢が変動しても、該ユニット10は利用する係止溝77及びロック穴76の選択により、放出口53が下側になる最も好ましい姿勢で連結できる。
フィルタ部材73についても、流路形成ユニット10の区画室10aの前面に被せて、周縁部73bの内周の各係止突起(図示省略)を区画室10a外周の係止溝11aに嵌入し、その状態で少し捻回操作することにより、該ユニット10に対して前後方向には抜出不能に係合連結される。なお、フィルタ部材73は、流路形成ユニット10とは異なり、汚れによる目詰まりを防止する上で、清掃し易いように簡単に取り外せる方がよいため、特にロックする必要はない。
この場合、給湯口アダプタとして必要な流路構成が流路形成ユニット10として機能的にコンパクトにまとまっているから、浴槽側壁Taへの組み付けが容易であると共に、浴槽T内で嵩張らないという利点がある。
かくして浴室側壁Taに貫通状態に取り付けた給湯口アダプタでは、図1に示すように、流路形成ユニット10の区画室10aの左側に位置する第一吸込室51a及び第一吐出室52a(図8参照)から流路分岐部1bを経て流路筒部1cの外側に繋がる流路F1は、槽外取付部材71の外筒部71aと内筒部71cとの間の環状空間7aを通して外管接続部70aに連通している。また、区画室10aの右側に位置する第二吸込室51b及び第二吐出室52bから流路分岐部1bを経て流路筒部1cの内側に繋がる流路F2は、槽外取付部材71の内筒部1bの内側空間7bより外管接続部70bへ連通している。
なお、図1では図示を省略しているが、フィルタ部材73の前壁部73aには多数の吸込孔78…が略全面にわたって存在し(図2参照)、流路形成ユニット10の前板2にも両吸込室51a,51bに臨んで多数の吸込孔20…を備える(図2,3,7参照)ため、両吸込室51a,51bには前面側から浴槽温水が流入可能になっている。
この給湯口アダプタは、無極タイプであり、2つの流路F1,F2のいずれが吸込側になっても、また吐出側になっても同じ機能が得られる。
例えば、図1において流路F2が給湯機の吸込側の往き管に繋がっておれば、追い焚き時に、給湯機側からの強制吸引によって第二吸込弁35bが内側へ変形して開弁し、第二吸込室51bの前面側から浴槽温水が流路F2へ流入して給湯機側へ送られるが、下方の第二吐出弁36bは給湯機側からの強制吸引によって第二吐出弁座33bに圧接して閉弁状態を維持する。一方、吐出側となった流路F1には給湯機側から温水が送られて来るから、その送圧力で第一吐出弁36aが外側へ変形して開弁し、第一吐出室52aへ流入した供給温水が吐出口53より浴槽T内へ放出されるが、上方の第一吸込弁35aは送圧力で第一吸込弁座34aに圧接して閉弁状態を維持する。
従って、流路F1が吸込側、流路F2が吐出側と逆の接続になっても、第一吸込室51aより浴槽温水を吸い込み、第二吐出室52bから供給温水を吐出するだけで、同じことである。なお、湯はり作動時には、給湯機側から両流路F1,F2を通して温水が供給されるから、両吐出弁36a,36bが開弁して第一及び第二吐出室52a,52bの両方の吐出口53から供給温水が放出される。無論、このときには両吸込弁35a,35bは閉弁している。
この第一実施形態の給湯口アダプタでは、追い焚きにおいて、例えば第二吸込室51bより浴槽温水を吸い込み、第一吐出室52aから供給温水を吐出する場合、図8に示すように、第一吐出室52aからの略下向きの吐出流は、セパレータ部4Aによって白矢印の如く左右つまり中央側と側方側とに分流して浴槽内へ放出される。
このとき、該セパレータ部4Aで流路が狭まって流速を増すため、該吐出流の近傍に誘引力を及ぼし、この誘引力が混合用流路6Aの導出口61に作用することにより、黒矢印で示すように、浴槽内の温水が継続的に導入口60から該混合用流路6Aへ流入し、導出口61から連続的に導出して側方側の吐出流に巻き込まれる。
また、中央側においても同様の誘引力が働くため、休止している第二吐出室52bに入り込んでいる浴槽温水が、黒矢印の如く、連通口55から第一吐出室52a側へ連続的に導出され、該中央側の吐出流に巻き込まれる。
従って、給湯機からの高温水と温度の低い浴槽温水とが吐出口53近傍で効果的に混合され、吐出流は降温した状態で浴槽内へ放出される上、吐出流量が増大することによって浴槽内での攪拌作用も大きくなるから、浴槽内に局所的な高温部を生じたり、比較的温度の高い流れが入浴者の位置まで達したりするのを確実に防止できる。
なお、この場合のセパレータ部4Aは弓形をなすため、吐出流は片側の直線部に沿って流れる直流と反対側の曲面部に沿う曲流とに分流するが、曲流の曲がり込みによって吐出口53近傍で分流がぶつかり合って攪拌効果を増すという利点がある。
上記実施側では、無極タイプの浴槽用給湯口アダプタであって、しかも混合用流路を有する給湯口アダプタを例示したが、この発明の適用はこのようなタイプのアダプタに限定されるものではなく、槽内取付部材の槽内側フランジに対して流路形成ユニットを取付ける形式のアダプタについて広く適用可能である。
この発明の第一実施形態に係る浴槽用給湯口アダプタを組み付け状態で示す縦断側面図である。 同浴槽用給湯口アダプタの分解斜視図である。 同浴槽用給湯口アダプタの流路形成ユニットの分解斜視図である。 同流路形成ユニットのユニット本体を示し、(A)図は正面図、(B)図は(A)図のB−B線の断面矢視図である。 同ユニット本体の背面図である。 同ユニット本体の側面図である。 同流路形成ユニットの前板の背面図である。 同流路形成ユニットの縦断正面図である。 ロックピンの取付部の構成を示すもので、(A)図はロックピンの押込みロック前の状態、(B)図はロックピンの押込みロック後の状態をそれぞれ示す断面図である。 流路形成ユニットの前板のピン孔部とロックピンとを分離状態で示した斜視図である。 ロックピンのロック解除時の移動状態を示すもので、(A)図はロック位置にあるときの、(B)図はロック解除の途上位置にあるときの、(C)図はロック解除位置に到達したときの、それぞれの状態を示す要部斜視図である。 ロックピンの形状を示すもので、(A)図は正面図、(B)図は側面図、(C)図は(A)図のC−C線の断面図である。
符号の説明
1・・・・ユニット本体
1a・・・円盤部
2a・・・雌ねじ孔
10・・・流路形成ユニット
11c・・後方突縁部
17・・・ピン孔
17a・・径大孔部
17b・・径小孔部
17c・・弾性突片
19・・・係止突起
71・・・槽外取付部材
72・・・槽内取付部材
73・・・フィルタ部材
72b・・フランジ部
76・・・ロック穴
77・・・係止溝
85・・・ロックピン
85a・・軸部
85b・・径大頭部
85c・・係止段部
85d・・ねじ回わし工具系合部
85e・・操作用摘み部
85f・・先端テーパー状部
86・・・凹状カム部
86a・・傾斜カム面
87・・・凸状カム部
87a・・傾斜カム面

Claims (4)

  1. 流路形成ユニット10、槽外取付部材71、槽内取付部材72、およびフィルタ部材73を備え、
    前記流路形成ユニット10が、その円盤部1aの後方突縁部11cの後端部内周面に設けられた複数個の係止突起19を、槽内取付部材72の前端のフランジ部72bの外周に設けられたL字形の係止溝77に嵌入しかつ稔回することによって槽内取付部材72に対して前後方向に抜出不能に連結されると共に、
    前記流路形成ユニット10の周縁部近傍位置に前後方向に貫通する無ねじのピン孔17が形成され、このピン孔17に進退変位可能に挿通された回り止め用ロックピン85の先端部が、前記槽内取付部材72のフランジ部72b前面側のロック穴76に嵌入されることにより、流路形成ユニット10が槽内取付部材72に対して相対回転不能に連結されると共に、
    前記ロックピン85の径大頭部85bの下面と、該下面が当接する前記ピン孔17の周辺部前面とに、互いにはまり合う対応形状の、周方向に傾斜したカム面を有する凸状カム部86と凹状カム部87とが設けられ、ロックピン85を所定方向に回転させることによって前記両カム部86、87の誘導作用でロックピン85を後退方向に移動させて流路形成ユニット10との係合関係を解除しうるものとなされてなることを特徴とする浴槽用給湯アダプタ。
  2. 前記ロックピン85の前記径大頭部85bの頂面に、ねじ回わし工具係合用のマイナス溝状および/またはプラス溝状の係合部85dが形成されている請求項1に記載の浴槽用給湯口用アダプタ。
  3. 前記ロックピン85は、軸部85aの先端に外方に張り出した抜け止め用係止段部85cを有するものとなされる一方、 前記ピン孔17は、前記径大頭部85bが収容される対応の直径と深さをもった径大孔部17aと、前記軸部85aに対応する直径の径小孔部17bとを有し、
    前記ロックピン85が、その先端の抜け止め用係止段部85cを前記径小孔部17bに強制貫挿されることにより、前記ピン孔17に抜け止め状態に装着されている請求項1または2に記載の浴槽用給湯口アダプタ。
  4. 前記ピン孔17の径大孔部17aは、その内周面に、ピン孔17の外方端周縁から折返し状に内方に向って突設された複数個の弾性突片17cを有し、該弾性突片17cがロックピン85の径大頭部85bの外周面に弾接されることにより、ロックピン85の軸線方向の移動に摩擦抵抗が付与され、ロックピン85の徒らな遊動が防止されている請求項1〜3のいずれか1項にに記載の浴槽用給湯口アダプタ。
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