JP2008008343A - ボールねじナットおよびその製造方法 - Google Patents

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恵介 数野
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Abstract

【課題】低価格かつ長寿命のボールねじナットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】円柱状の素材の中心に所定の内径面をドリル等で形成し(P1)、素材の外径面および内径面を切削バイトで仕上げ加工する(P2)。次に、ボールねじナット1の内径面1aにタッピング工具9を挿入し、それぞれの位相をNC制御しながら切削加工する(P3)。切削加工後、ボールねじナット1は、真空浸炭熱処理または浸炭窒化熱処理により硬化層が形成される(P4)。熱処理後、ボール転走溝2にショットピーニング処理を施す(P5)。
【選択図】図2

Description

本発明は、多数のボールが転動する螺旋状のボール転走溝が形成されたボールねじナットおよびその製造方法に関するものである。
ボールねじは、外周に螺旋状のボール転走溝が形成されたボールねじ軸と、円筒面内に螺旋状のボール転走溝が形成されたボールねじナットと、対向する両ボール転走溝で構成されたボール転動路内に転動自在に収容された多数のボールとからなり、ボールねじ軸あるいはボールねじナットの回転を軸方向の並進運動に変換する機械要素である。
従来、このボールねじナットは、切削加工と研削加工とによって内周にボール転走溝が形成されるのが一般的である。すなわち、ドリルを用いて素材に下孔を開け、バイトでこの下穴の周面に螺旋状のボール転走溝を切削加工する。次に、浸炭焼入れ等の熱処理を行った後、円筒研削盤等で外径部の研削加工を行い、最後に砥石を用いて切削したボール転走溝の表面を研削加工する。
このようなボールねじナットにおいては、更なる低価格化・長寿命の要求が強く、低価格かつ長寿命を実現するための様々な考案がなされている。例えば、特許文献1に示されているような方法がある。この方法は、ボール転走溝が内径面に形成されたボールねじナットの製造方法において、素材の中心に所定の内径面をドリル加工で開ける工程と、素材の外径面及び内径面をバイトで仕上げ加工する工程と、内径面にタッピング工具を挿入し、ボール転走溝を切削加工する工程と、ボール転走溝に浸炭焼入れする熱処理工程と、この熱処理工程の後にスチールビーズによるショットピーニング処理をおこなう工程とを備えることを特徴としており、ボールねじナットをかかる工程により製造することにより、低コストかつ長寿命なボールねじを提供することができるものである。
ここで、切削加工後の浸炭焼入れにおいては、ワーク表面に粒界酸化層などの異常層が生成されることが知られている。浸炭焼入れの多くはいわゆるガス浸炭炉で行われており、浸炭時間が長く、炉中の高温な酸素原子と長時間接するため、鋼材組織表層が酸化してしまうことに粒界酸化層の発生要因がある。酸化の際には鋼材に添加されている合金元素が選択酸化される。酸化されやすい元素としてはSi、Mn、Crが代表的である。特に、Siは結晶粒界に沿って内部に深く成長する傾向がある。そのため、粒界に沿ってもろい金属組織が形成され、極表層は極小の開口クラックとなっている。また、選択酸化された合金元素は元々焼入れ性を向上するため添加されているものであるが、酸化物として形を変えてしまうため、その周辺は合金元素が減少した形となり、焼入れ性が不足する。そのため、表面硬度が浸炭部の内部より低下して不完全焼入れ組織が発生する。表面に発生した微小クラックは剥離損傷の起点に、焼入れ性不足による不完全焼入れ層は摩耗進行の原因になる。
そこで、この粒界酸化層などの異常層を排除するため、浸炭焼入れ後にボール転走溝にショットピーニング処理を施す。このショットピーニング処理を施すことで、この粒界酸化層などの異常層を排除しながら、表面硬度や圧縮残留応力量などに代表される転動疲労寿命に影響を与える表面特性を改善して、長寿命化を図っている。
特開2005−90570号公報
しかしながら、特許文献1に示すショットピーニング工程においては、浸炭焼入れ時に生成される粒界酸化層などの異常層深さが大きいほど、ショットピーニング処理に必要な処理時間は長くなることになり、ショットピーニングに必要なコストが増大する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、低価格かつ長寿命のボールねじナットおよびその製造方法を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明は、ボールが転動するボール転走溝が内径面に形成されたボールねじナットにおいて、前記ボール転走溝に、切削加工後の真空浸炭又は浸炭窒化による熱処理の後に、ショットピーニング処理による硬化層が形成されている構成を採用した。
また、本発明は、ボールが転動するボール転走溝が内径面に形成されたボールねじナットの製造方法において、切削加工後に、真空浸炭又は浸炭窒化による熱処理が実施され、該熱処理後にショットピーニング処理が施されている構成を採用した。
さらに、本発明は、前記浸炭窒化熱処理において、浸炭工程又は拡散工程にアンモニアを導入することが好ましい。
本発明によれば、真空浸炭や浸炭窒化処理は、通常のガス浸炭に比べて高価であるが、これらの熱処理時に発生する表面異常層を極めて少なくすることができ、ショットピーニングに必要な処理時間を最小限に短縮することで、トータルのコストアップすることなく低コストなボールねじナット及びボールねじナットの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、浸炭窒化熱処理において、浸炭工程又は拡散工程にアンモニアを導入することにより、焼入れ性を向上でき、酸素と触れ合う機会を抑えることで異常層の生成を低減できる。
ボールが転動するボール転走溝が内径面に形成されたボールねじナットの製造方法において、素材の中心に所定の内径面をドリル加工で開ける工程と、前記素材の外径面および内径面をバイトで仕上げ加工する工程と、前記内径面にタッピング工具を挿入し、ボール転走溝を切削加工する工程と、前記ボール転走溝に真空浸炭熱処理または浸炭窒化熱処理による熱処理工程と、この熱処理後にショットピーニング処理を行う工程とを備えている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るボールねじナットの一実施形態を示す縦断面図である。
このボールねじナット1はSCM430等の肌焼き鋼からなり、ボールねじ軸3に外嵌され、このボールねじ軸3の外径面3aに形成された螺旋状のボール転走溝4に対応して内径面1aに螺旋状のボール転走溝2が、後述するタッピング工具9による切削加工により形成されている。これらボール転走溝2、4によりボール転動路が構成され、ボールねじナット1のボール転走溝2を連結する連結溝5が形成された駒部材6によって多数のボール7が無限循環することができる。なお、ボール循環方式は駒式に限らず、リターンチューブ式やエンドキャップ式であっても良い。
次に、本発明の一実施形態におけるボールねじナット1の製造方法について説明する。図2は、本発明の一実施形態におけるボールねじナット1の製造工程を示す図である。図3は、本発明に係るボールねじナットの製造方法を実施するためのターニングセンタを示す概略図である。図4は、本発明に係るボールねじナットの加工に用いるタッピング工具を示す平面図である。
図2においては、最初に、円柱状の素材の中心に所定の内径面をドリル等で形成する(P1)。素材の外径面および内径面を切削バイトで仕上げ加工する(P2)。次に、図3に示すように、ターニングセンタ8のチャック8aおよびテールストック(図示せず)にそれぞれボールねじナット1、タッピング工具9を装着し、その後、ボールねじナット1の内径面1aにタッピング工具9を挿入し、それぞれの位相をNC制御しながら切削加工する(P3)。これにより、ボール転走溝2を一回の通し加工で効率良く切削加工でき、低コストで精度の高い溝加工ができる。
タッピング工具9は、図4に示すように、先端部にボールねじナット1の内径面1aをガイドとして芯出しが可能なように円筒部9aが形成されている。この円筒部9aから後方に漸次大径に形成された切れ歯部9bが形成され、シャンク部9cを介して後端部にはテールストックに装着される矩形状のチャック部9dが形成されている。このタッピング工具9の切れ歯部9bの回転に伴い、ボールねじナット1の内径面1aにボール転走溝2が切削加工により形成される。なお、タッピング工具9における切れ歯部9bの外周形状を、ボール転走溝2の、例えば、ゴシックアーチ形状に予め成形することにより、一回の通し加工で効率良く切削加工でき、低コストで精度の高い溝加工ができる。
こうしたタッピング工具9による切削加工後、ボールねじナット1は、真空浸炭熱処理または浸炭窒化熱処理により硬化層が形成される(P4)。この浸炭窒化熱処理においては、その浸炭工程又は拡散工程にアンモニアを導入することが好ましい。
真空浸炭とは、一般的なガス浸炭とは異なり、真空炉を用いた浸炭方法である。ガス浸炭とは、天然ガス、都市ガス、プロパン、ブタンガスなど変成した浸炭性ガスあるいは液体を滴下し発生した浸炭性ガス中で処理品を加熱し、浸炭を行う方法である。なお、浸炭機構は固体浸炭の場合と同様である。
浸炭窒化処理とは、浸炭と同時に窒化処理も行う方法である。古くは青酸ナトリウム(NaCN)や青酸カリ(KCN)を主成分とする塩浴を用い、750〜850℃で処理していたものが、これに相当し液体浸炭窒化と呼ばれていた。また、窒化処理とは、鋼の表面に活性化窒素(N)を浸透させて、表面を硬くする方法である。
そして、熱処理後、ボール転走溝2にショットピーニング処理を施す(P5)。本実施形態では、比重と共に高硬度なスチールビーズを使用した。これにより、熱処理によるスケールを削除でき、表面粗さの改善と共に、表面硬さおよび表面の圧縮残留応力を高めることができる。なお、スチールビーズ以外にもセラミックビーズやガラスビーズで処理を行っても良い。
次に、熱処理時に発生する異常層の除去に必要なショットピーニング処理時間を比較した試験結果について説明する。比較試験に使用したボールねじナットの主な仕様は以下のとおりである。ナット内径;φ17、ねじ溝リード;3mm、ボール径;φ2.381。なお、比較試験において、ショットピーニング処理時間以外の条件は全て一定で行った。
図5は、ショットピーニング処理時間を比較した試験結果を示す図である。図5には、天然ガス、都市ガス、プロパン、ブタンガスなど変成した浸炭性ガスあるいは液体を滴下し発生した浸炭性ガス中で処理品を加熱し、浸炭を行う通常浸炭と、それと比較した、真空浸炭と、浸炭窒化の各熱処理後のショットピーニング処理時間が示されている。
図5においては、通常浸炭で熱処理を行った後のショットピーニング時間を1としたときの真空浸炭と浸炭窒化の各熱処理後のショットピーニング処理時間が示されている。この結果、真空浸炭と、浸炭窒化の各熱処理後のショットピーニング処理時間は、通常浸炭熱処理後のショットピーニング処理時間の1/5以下に短縮できた。このように、ショットピーニングに必要な処理時間を最小限に短縮することで、トータルのコストアップすることなく低コストなボールねじナット及びボールねじナットの製造方法を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るボールねじナットは、特に自動車等の車両に用いられる自動マニュアルトランスミッション、電動ブレーキ、電動パワーステアリング、エンジン動弁系制御アクチュエータに適用でき、また、電動ショックアブソーバやCVTプーリの幅制御用のアクチュエータにも適用することができる。
本発明に係るボールねじナットの一実施形態を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態におけるボールねじナット1の製造工程を示す図である。 本発明に係るボールねじナットの製造方法を実施するためのターニングセンタを示す概略図である。 本発明に係るボールねじナットの加工に用いるタッピング工具を示す平面図である。 ショットピーニング処理時間を比較した試験結果を示す図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・ボールねじナット
1a・・・・・・・・・・内径面
2、4・・・・・・・・・ボール転走溝
3・・・・・・・・・・・ボールねじ軸
3a・・・・・・・・・・外径面
5・・・・・・・・・・・連結溝
6・・・・・・・・・・・駒部材
7・・・・・・・・・・・ボール
8・・・・・・・・・・・ターニングセンタ
8a・・・・・・・・・・チャック
9・・・・・・・・・・・タッピング工具
9a・・・・・・・・・・円筒部
9b・・・・・・・・・・切れ歯部
9c・・・・・・・・・・シャンク部
9d・・・・・・・・・・チャック部

Claims (3)

  1. ボールが転動するボール転走溝が内径面に形成されたボールねじナットにおいて、前記ボール転走溝に、切削加工後の真空浸炭又は浸炭窒化による熱処理の後に、ショットピーニング処理による硬化層が形成されていることを特徴とするボールねじナット。
  2. ボールが転動するボール転走溝が内径面に形成されたボールねじナットの製造方法において、切削加工後に、真空浸炭又は浸炭窒化による熱処理が実施され、該熱処理後にショットピーニング処理が施されていることを特徴とするボールねじナットの製造方法。
  3. 前記浸炭窒化熱処理において、浸炭工程又は拡散工程にアンモニアを導入することを特徴とする請求項2に記載のボールねじナットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112828777A (zh) * 2020-12-31 2021-05-25 广州大学 一种用于强化研磨加工的多相流旋转射流混合装置

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