JP2008008290A - 高性能タービンバケット並びにそれを含むエンジン及びタービン - Google Patents

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Abstract

【課題】タービンバケットに関し、特に、タービンバケット間に均一な流路面を形成する方法及び装置、並びにそのようなバケットを組込まれたタービン及びエンジンを提供する。
【解決手段】ダブテール108と、後縁部及び前縁部を含み先端シュラウド212を有するエーロフォイル部分110と、ダブテールとエーロフォイル部分との間に延在する根元部112とを有するバケット100。先端シュラウドは、動作条件下に置かれる前に、後縁部又は前縁部の少なくとも一方において傾斜される。傾斜された先端シュラウド212は、動作条件の下で隣接するシュラウド間に好適な係合状態を設定するように傾斜された先端シュラウドを具備することができる。先端部116は、傾斜されない先端部と比較して高温流路段差及びギャップを形成する可能性を低減するように設定された量だけ傾斜されることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、タービンバケットに関し、特に、タービンバケット間に均一な流路面を形成する方法及び装置、並びにそのようなバケットを組込まれたタービン及びエンジンに関する。
発電装置タービンバケット又は航空機エンジンブレードにおける先端シュラウド(以下の説明中、「バケット」という用語は、タービンバケット又は航空機エンジンブレードを総称するために使用されるものとする)は、通常、エンジンの性能を向上するために採用される。シュラウド材料から成る滑らかで連続するリングが好ましいが、部品が動作する間、部品において変化する熱条件及び機械条件によって、バケットの前縁部からバケットの後縁部に向かって不均一な成長が起こる。例えば、隣接するシュラウドは、製造時には十分適切に整合しているが、前縁部が後縁部より半径方向に大幅に大きく又は小さく成長する場合がある。その結果、運転条件の下で、隣接するシュラウドの整合が損なわれてしまう。この不整合によって、流路面は不均一になり、それにより、エンジン又はタービンの性能は低下する。
例えば、従来のバケットにおいては、第1のバケットの後縁部が動作中に成長する量は、隣接する第2のバケットの前縁部の成長量より大きい。「低温組立て時」オーバラップは、動作条件に置かれる前のバケットに存在するオーバラップである。「高温オーバラップ」は、動作(すなわち、運転)条件の下で同じバケットに発生するオーバラップであり、バケットの寿命が経過する間に変化することもある。高温オーバラップは、事実上0を下回るほど減少することがあり、その結果、高温ギャップ及び流路段差が形成される。これにより、動作条件下で不整合が発生し、エンジン又はタービンの性能が低下するおそれがある。
米国特許第7,097,428号公報 米国特許第6,966,756号公報 米国特許第6,893,216号公報 米国特許第6,890,150号公報 米国特許第6,851,926号公報 米国特許第6,786,698号公報 米国特許第6,478,540号公報 米国特許第6,390,774号公報 米国特許第3,856,433号公報 米国特許出願公開第2006/0193726号 米国特許出願公開第2005/0271507号
1つの面においては、本発明のいくつかの構成は、バケットを製造する方法を提供する。方法は、傾斜された先端シュラウドをバケットに設けることを含む。
別の面においては、本発明のいくつかの構成は、複数のバケットを有するタービンを製造する方法を提供する。方法は、傾斜されたシュラウドを少なくとも1つのバケットに設けることと、その後、バケットをタービン又は航空機エンジンに組立てることとを含む。
更に別の面においては、本発明のいくつかの構成は、ダブテールと、後縁部及び前縁部を有する先端シュラウドを有するエーロフォイル部分と、ダブテールとエーロフォイル部分との間に延在する根元部とを有するバケットを提供する。先端シュラウドは、動作条件下に置かれる前に傾斜される。
本発明の構成は、タービンバケット又は航空機エンジンブレードの従来の構成と比較して、不整合を少なくし、より均一な流路面を提供することにより、エンジン及び/又はタービンの性能を向上する。本発明の構成は、周囲熱環境が特に苛酷であるガスタービンと関連させた場合に特に有用である。
本明細書において、「1つの」(特に「少なくとも1つの」)という用語に続いて単数扱いで述べられる要素又は工程は、特に明示して指示がない限り、それらの要素又は工程が複数存在する場合を除外しないものとする。更に、本発明の「一実施形態」(又は「他の実施形態」)という場合、それは、列挙された特徴を同様に組込まれた追加の実施形態の存在を除外すること又は本発明と関連して説明される他の特徴を除外することとして解釈されない。また、明示して指示のない限り、特定の特性を有する1つの要素又は複数の要素を「具備する」又は「有する」実施形態は、その特性を有していないそのような要素を更に含んでもよい。
図1は、例えば、蒸気タービン、ガスタービン又は航空機エンジンと共に使用されるタービンバケット100を示した斜視図である。タービンバケット100は、係合するシュラウド縁部104及び106において一体に結合された圧力側102及び吸込み側(図1には図示せず)を含む。圧力側102は一般に凹形であり、吸込み側は一般に凸形である。タービンバケット100は、ダブテール108と、エーロフォイル部分110と、それらの間に延在する根元部112とを含む。本実施形態においては、エーロフォイル部分110及び根元部112は一体の部材から製造され、ダブテール108に結合される。別の実施形態においては、エーロフォイル110、根元部112及びダブテール108は、全て、一体の構成要素として製造されてもよい。本実施形態においては、バケット100は、ダブテール108を介して回転子軸に結合し、回転子軸から半径方向外側へ延在する。別の実施形態においては、バケット100は、バケットを回転子軸に結合するように構成されたブリスクなどの他の装置により、回転子軸に結合されてもよい。
バケットのダブテール108は、バケット100を回転子軸に固着するのを助けるような長さ114を有する。回転子軸の大きさは種々異なるので、特にタービン又は航空機エンジンに対して、バケット100の最適な性能を提供するのを助けるように、長さ114も様々に異なってよい。図示される構成においては、根元部112は、ダブテール108から半径方向外側へ延在し、ダブテールの長さ114とほぼ等しい長さを有する。エーロフォイル部分110は、根元部112から半径方向外側へ延在し、同様に、ダブテールの長さ114とほぼ等しい初期長さを有する。本実施形態においては、特に、根元部112がエーロフォイル部分110に移行する場所でバケット100に継目又は不一致が存在しないように、根元部112及びエーロフォイル部分110は、互いに一体に製造される。
エーロフォイル部分110は、根元部112から半径方向外側へ延在し、その長さは、バケット100の先端部116に向かって増加する。本実施形態においては、先端部116は、長さ114より長い長さ118を有する。先端部の長さ118及び先端部の幅は、バケット100の用途、特にタービン又は航空機エンジンへの適用条件に応じて変更されてもよい。バケット100は、ダブテール108から先端部116までの長さとして測定される半径方向長さ120を有する。長さ120は、バケット100の性能の最適化を助けるように選択される。従って、バケットの長さ120は、バケット100の用途、特にタービン又は航空機エンジンへの適用条件に応じて変更されてもよい。いくつかの構成においては、ブレードバケットの先端部は根元部より長い必要はなく、本明細書中で説明される方法以外の装着方法を使用できる。
図2、図3及び図4を参照すると、本発明の種々の構成は、(例えば)タービンの各バケット100、101及び他のバケットに傾斜した先端シュラウド212を提供する(図3には、バケット100、101以外のバケット又はタービンは示されていない。)。バケット100の先端シュラウド212は、この傾斜により、隣接するバケット101の隣接するシュラウド212と製造の時点ではなく動作条件の下で整合するように構成される。この構成の拡大図が図4に示される。図4は、バケット100のシュラウド縁部104とバケット101の係合するシュラウド縁部106との低温組立て時オーバラップCOを示す。
特に、本発明のいくつかの構成においては、図5に概略的に示されるように、先端シュラウド212は、シュラウド縁部104において傾斜される(いくつかの構成においては、事前に、すなわち、低温組立て条件にあるときに傾斜される)。動作中、バケット100のエーロフォイル後縁部が隣接するバケット101のエーロフォイル前縁部より大きく成長した場合、図6に概略的に示されるように、動作中、バケット100のシュラウド縁部104と、バケット101の縁部106とは適切に整合する。シュラウド212の低温組立て時不整合の量(すなわち、事前傾斜の量)は、高温流路段差及び高温ギャップが発生する可能性を最小限に抑える(又は少なくとも低減する)ように選択できる。適切な低温組立て時不整合の量を選択することにより、傾斜した先端シュラウド212を使用するバケット100を有するエンジン又はタービン10の性能を向上できる。例えば、そのような不整合の量を様々に変えながら、エンジン又はタービンの性能を観測することにより、実験に基づき、低温組立て時不整合の最適な量(又は少なくとも好都合な量)を判定できる。
いくつかの構成においては、動作条件の下でタービン又はエンジンの隣接するシュラウド間に好適な係合状態を設定し且つ/又は動作条件において隣接するシュラウドと係合させるために、先端シュラウド212は、後縁部又は前縁部の少なくとも一方において事前に傾斜される。他の構成においては、動作条件の下でタービン又はエンジンの隣接するシュラウド間に好適な係合状態を設定し且つ/又は動作条件において隣接するシュラウドと係合させるために、先端シュラウド212は、エーロフォイル吸込み側及びエーロフォイル圧力側102のうち少なくとも一方において事前に傾斜される。更に他の構成においては、動作条件の下でタービン又はエンジンの隣接するシュラウド間に好適な係合状態を設定し且つ/又は動作条件において隣接するシュラウドと係合させるために、先端シュラウド212は、エーロフォイル吸込み側及びエーロフォイル圧力側102のうち少なくとも一方及び/又は後縁部又は前縁部の少なくとも一方を任意に組合わせた箇所において事前に傾斜される。従って、傾斜は、上向き又は下向き、左右又はそれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。いくつかのタービン構成又はエンジン構成においては、少なくとも1つのバケットに傾斜シュラウドが設けられるが、他の構成においては、2つ以上又は全てのバケットに傾斜シュラウドが設けられる。
本発明の構成は、タービンバケット又は航空機エンジンブレードの従来の構成と比較して、流路面の不整合を少なくし、より均一な流路面を提供することにより、エンジン及び/又はタービンの性能を向上する。
種々の特定の実施形態に関して本発明を説明したが、特許請求の範囲の趣旨の範囲内で、変形を伴って本発明を実施できることは当業者には認識されるであろう。
蒸気タービン、ガスタービン、航空機エンジンなどと共に使用されるバケットの一例を示した斜視図である。 隣接するバケットにおけるシュラウド縁部の意図的な所定の低温組立て時不整合を示した本発明の隣接するバケットの構成の斜視図である。 不整合が生じた係合シュラウド縁部を有するバケットの部分を更に明瞭に示した、図2に示される本発明の隣接するバケットの構成の拡大斜視図である。 不整合が生じた係合シュラウド縁部を有するバケットの部分を更に明瞭に示した、図2に示される本発明の隣接するバケットの構成の拡大斜視図である。 低温組立て時条件の下における隣接するシュラウド縁部の構成を示した概略図である。 動作条件の下における隣接するシュラウド縁部の構成を示した概略図である。
符号の説明
10…エンジン又はタービン、100、101…バケット、108…ダブテール、110…エーロフォイル部分、112…根元部、116…先端部、212…先端シュラウド

Claims (9)

  1. ダブテール(108)と;
    前縁部及び後縁部を有する先端シュラウド(212)を有するエーロフォイル部分(110)と;
    前記ダブテールと前記エーロフォイル部分との間に延在する根元部(112)とを具備し、
    前記先端シュラウドは、動作条件下に置かれる前に傾斜されるバケット(100)。
  2. 前記傾斜された先端シュラウド(212)は、動作条件の下で隣接するシュラウド間に好適な係合状態を設定するように傾斜された先端シュラウドを更に具備する請求項1記載のバケット(100)。
  3. 前記先端部(116)は、傾斜されない先端部と比較して、高温流路段差及びギャップを形成する可能性を低減するように設定された量だけ傾斜される請求項1記載のバケット(100)。
  4. 前記傾斜の量は、所期の動作条件において隣接するシュラウド(212)に整合するように設定される請求項1記載のバケット(100)。
  5. 航空機タービン(10)又は航空機エンジンを更に具備する請求項1記載のバケット(100)。
  6. 航空機エンジン(10)を具備する請求項5記載のバケット(100)。
  7. 蒸気タービンを具備する請求項5記載のバケット(100)。
  8. 前記傾斜された先端シュラウド(212)は、後縁部で事前に傾斜される請求項5記載のバケット(100)。
  9. 前記傾斜の量は、傾斜されない先端部(116)と比較して、高温流路段差及びギャップが形成される可能性を減少するように設定される請求項5記載のバケット(100)。
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