JP2008008138A - 床材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、歩行の摩擦による抗菌剤の脱落が少なく優れた抗菌性を長期間発揮するとともに、かつ、床材の海成分に抗菌剤を含有させることにより、効率的に抗菌性を発揮する床材およびその製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】2種類以上の樹脂が海島構造に分散した樹脂混合物からなり、少なくとも当該海島構造の海成分の樹脂が抗菌剤を含有することを特徴とする床材。
【選択図】 図2
本発明は、歩行の摩擦による抗菌剤の脱落が少なく優れた抗菌性を長期間発揮するとともに、かつ、床材の海成分に抗菌剤を含有させることにより、効率的に抗菌性を発揮する床材およびその製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】2種類以上の樹脂が海島構造に分散した樹脂混合物からなり、少なくとも当該海島構造の海成分の樹脂が抗菌剤を含有することを特徴とする床材。
【選択図】 図2
Description
本発明は、抗菌剤を含有する樹脂からなる床材およびその製造方法に関するものである。
従来、樹脂からなる各種床材は、一般家庭、公共施設、病院等の床面(廊下、屋上、バルコニー等)に幅広く敷設されている。これら敷設場所の使用環境によっては、細菌や黴等が繁殖し不衛生となることから細菌や黴等の繁殖を抑制する製品が要望されている。
これら床材に抗菌性・抗黴性(以下抗菌性と呼ぶ)を付与する方法として、床材表面に抗菌剤・抗黴剤(以下抗菌剤と呼ぶ)を含有する塗料を塗布する方法が採用されているが、抗菌剤が表面塗膜中にしか存在しないため、歩行の摩擦により塗膜が脱落すると抗菌性が低下し、性能を長期間維持することは困難であった。また、これらの方法は床材を製造し、後工程において抗菌剤を塗布する必要があるため、余計な手間がかかってしまうという問題もある。
上述の問題を解消する方法として、1種または複数種の樹脂に抗菌剤を練り込み加熱溶融させ成形する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、高い抗菌性を得ようとすると大量の抗菌剤を添加する必要がありコストが増加したり樹脂強度、弾力性等の特性が低下するなどの問題が生じていた。
特開平11−166076号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、歩行の摩擦による抗菌剤の脱落が少なく優れた抗菌性を長期間発揮するとともに、かつ、床材の樹脂表面に抗菌剤を含有させることにより、効率的に抗菌性を発揮する床材およびその製造方法を提供せんとするものである。
すなわち本発明は、2種類以上の樹脂が海島構造に分散した樹脂混合物からなり、少なくとも当該海島構造の海成分の樹脂が抗菌剤を含有することを特徴とする床材である。
また本発明は、本発明の床材を製造する方法であって、前記海成分となる樹脂、前記海成分となる樹脂に抗菌剤を練り込んだ樹脂組成物、および前記島成分となる樹脂を混合し、加熱する工程を経て床材とすることを特徴とする床材の製造方法である。
本発明によれば、歩行の摩擦による抗菌剤の脱落が少なく優れた抗菌性を長期間発揮するとともに、かつ、床材の樹脂表面に抗菌剤を含有させることにより効率的に抗菌性を発揮する床材およびその製造方法を提供することができる。
本発明の床材を形成する樹脂としては、床材としての要求性能を満たすため、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、これらの共重合体、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ABS(アクリロニトリルブチレンスチレン共重合体)、ASA(アクリル酸エステル共重合体)、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂やポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂などを選択し使用することができる。
また本発明の床材を形成する樹脂は、EVAを含むことも好ましい。後述するように本発明の床材を形成する樹脂は抗菌剤を含有するところ、特に第4級アンモニウム塩等の有機系抗菌剤を用いる場合、当該抗菌剤が潤滑油として作用し、樹脂と成形機のスクリューとが滑りやすくなり、金型への樹脂供給時間の増加や、成形品の欠け、重量・寸法の不均一が発生し、連続した安定生産が困難となる傾向にある。これに対し、EVAを含有させることで、樹脂と成形機のスクリューとの滑りを抑え、連続した安定生産を行うことができる。樹脂に対するEVAの含有量としては、3質量%以上が好ましい。
本発明の床材は、2種類以上の樹脂が海島構造に分散した樹脂混合物からなり、少なくとも当該海島構造の海成分の樹脂が抗菌剤を含有することが必須であり、前記海島構造の島成分よりも前記海成分に抗菌剤が高い密度で含有されていることが好ましい。海島構造とは、一方の樹脂(海成分)が他方の樹脂(島成分)を取り囲んだ樹脂の分散構造である(図1参照)。但し、島成分の一部は樹脂の表面において海成分の外側に露出していても良い。海島構造とすると、図2に示すように樹脂混合物の表面においては海成分の占める面積が広くなり海成分の樹脂が抗菌剤を含有することで抗菌性を効率的に発現できる。
2種類以上の樹脂を加熱・溶融させる工程を経て成形される樹脂混合物においては、樹脂の体積比、溶融粘度比等の諸条件により、一方の樹脂が海成分、他方の樹脂が島成分となる海島構造を形成する。通常、溶融粘度の低い樹脂が海成分となることから、例えば、同体積のポリエチレンとポリプロピレンを用いた場合は溶融粘度の低いポリエチレンが海成分、溶融粘度の高いポリプロピレンが島成分となる傾向にある。
樹脂混合物における海島構造の分散の態様としては、ポリマーアロイ化していることが床材としての諸特性を向上させる上で好ましい。ポリマーアロイ化とは相溶化剤の添加や高せん断混合により、海成分が島成分に微分散した構造である。
本発明で用いる抗菌剤としては、無機銀系の抗菌剤や第4級アンモニウム塩等の有機系の抗菌剤を好ましく用いることができるが、変色や劣化等の樹脂に与える悪影響が少なく、かつ、比較的人体に無害であることから、第4級アンモニウム塩であることがより好ましく、このような理由から下記一般式(1)または(2)で表される第4級アンモニウム塩がさらに好ましい。
R1R2R3R4N+・X− (1)
C6H5CH2(CH3)2R5N+・X− (2)
ここで、R1、R2およびR3は、同一または異なる、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜14の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を表す。かかる直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。
また、R4およびR5は、炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜18の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を表す。かかる直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
R1R2R3R4N+・X− (1)
C6H5CH2(CH3)2R5N+・X− (2)
ここで、R1、R2およびR3は、同一または異なる、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜14の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を表す。かかる直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。
また、R4およびR5は、炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜18の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を表す。かかる直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
一般式(1)における4級アンモニウム基の具体例としては、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキシルデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチル2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチル2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチル2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウムなどが挙げられる。なかでも、抗菌性に優れたジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウムが好ましい。
また、一般式(2)における4級アンモニウム基の具体例としては、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチル2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムなどが挙げられる。なかでも、抗菌性に優れたジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムが好ましく使用される。
また、X-はX−は超強酸のアニオン基を表す。超強酸は、Hammettの酸度関数(−H0)が通常11.93(100%硫酸の数値)以上のもので、具体例としてはプロトン酸、およびプロトン酸/ルイス酸の組み合わせなどが挙げられる。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸などが挙げられる。
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては、三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げられる。
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせの具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、耐熱性の観点から好ましいのは、Hammettの酸度関数(−H0)が、12以上のもの、すなわち、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、六フッ化タウリンなどである。
また、一般式(1)または(2)で表される4級アンモニウム塩としては、上記4級アンモニウム基と上記超強酸で構成されるアニオンX-との任意の組み合わせのものが挙げられる。本発明の樹脂用抗菌剤においては、一般式(1)または(2)で表される4級アンモニウム塩はそれぞれ単独でもよいし、併用でもよい。これらのうち、抗菌性と耐熱性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムなどの4級アンモニウム基とトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、六フッ化タウリンなどの、Hammett酸度関数(−H0)が12以上の超強酸との組み合わせである。
また抗菌剤は、その製造工程で副生成物として発生する遊離ハロゲンの含有量が抗菌剤に対し100質量ppm以下であることが、耐熱性に優れている点で好ましい。遊離ハロゲンの含有量はイオンクロマトグラフィーにて測定することができる。
また抗菌剤は、その製造工程で副生成物として発生する炭酸ジエステルの含有量が抗菌剤に対し200質量ppm以下であることが、抗菌剤が床材としての強度を発現させる上で好ましい。炭酸ジエステルの含有量はガスクロマトグラフィーにて測定することができる。
本発明の床材に添加する抗菌剤の量としては、抗菌・抗黴性を発現させるという点からは全樹脂混合物に対して0.5質量%以上であることが好ましく、樹脂特性の低下を抑えるという点からは10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
本発明の床材を形成する樹脂混合物には、さらに顔料、核剤、可塑剤、耐光剤、帯電防止剤及び紫外線吸収剤等を要求される特性に応じて添加しても良い。
本発明の床材は、樹脂を混合し加熱する工程を経て成形されたものであればシート状物及び立体成形物等、その形状に特に限定されることはない。
次に、本発明の床材の製造方法においては、海成分となる樹脂、海成分となる樹脂に抗菌剤を練り込んだ樹脂組成物、および島成分となる樹脂を混合し、加熱する工程を経て本発明の床材とする。海成分となる樹脂の一部として、抗菌剤を高濃度に練り込んだマスターチップを事前に準備し、海成分となる樹脂及び島成分となる樹脂と混合し薄めて使用することにより、抗菌剤の添加量の調整を容易に行うことができる。
[測定方法]
(1)抗菌性試験
JIS Z 2801に準じて測定した。
滅菌精製水で500倍希釈した普通ブイヨン培地溶液に、細菌をそれぞれ2.5×105〜10×105個/mlになるように調整し試験菌液とした。細菌としては大腸菌を用いた。
試験菌液を試験体上に0.4ml滴下し、乾燥を防ぐため上からフィルムをかぶせ、温度35±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。
次いで、試験体とフィルムを10mlのSCDLP培地で洗い出し、生菌数を測定した。
下式により抗菌活性値Rを求めた。
R=Log(ブランクの生菌数/試験体の生菌数)
ここで、生菌数<10の場合は、10として計算した。
(1)抗菌性試験
JIS Z 2801に準じて測定した。
滅菌精製水で500倍希釈した普通ブイヨン培地溶液に、細菌をそれぞれ2.5×105〜10×105個/mlになるように調整し試験菌液とした。細菌としては大腸菌を用いた。
試験菌液を試験体上に0.4ml滴下し、乾燥を防ぐため上からフィルムをかぶせ、温度35±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。
次いで、試験体とフィルムを10mlのSCDLP培地で洗い出し、生菌数を測定した。
下式により抗菌活性値Rを求めた。
R=Log(ブランクの生菌数/試験体の生菌数)
ここで、生菌数<10の場合は、10として計算した。
(2)抗黴性試験
JIS Z 2801の手順を、抗黴性試験にも適用した。
湿潤剤添加殺菌水に黴の胞子を5白金耳とり、ガーゼでろ過し、単一胞子懸濁液を作成し、試験溶液とした。黴としては、JIS Z 2911に規定されるAsperglllus nigerを用いた。
試験溶液を試験体上に0.4ml滴下し、乾燥を防ぐため上からフィルムをかぶせ、温度28±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。
次いで、試験体とフィルムを10mlの生理食塩水で洗い出し、胞子数を測定した。
下式により抗黴活性値Rを求めた。
R=Log(ブランクの胞子数/試験体の胞子数)
ここで、胞子数<10の場合は、10として計算した。
JIS Z 2801の手順を、抗黴性試験にも適用した。
湿潤剤添加殺菌水に黴の胞子を5白金耳とり、ガーゼでろ過し、単一胞子懸濁液を作成し、試験溶液とした。黴としては、JIS Z 2911に規定されるAsperglllus nigerを用いた。
試験溶液を試験体上に0.4ml滴下し、乾燥を防ぐため上からフィルムをかぶせ、温度28±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。
次いで、試験体とフィルムを10mlの生理食塩水で洗い出し、胞子数を測定した。
下式により抗黴活性値Rを求めた。
R=Log(ブランクの胞子数/試験体の胞子数)
ここで、胞子数<10の場合は、10として計算した。
(3)試験体表面の抗菌剤存在量
試験体約30gと水100mlをビーカーに入れ、8時間超音波抽出した。
これを室温まで放置した後、水を蒸発させ、エタノール10mlを加え試料溶液(A)とした。
試料溶液(A)5ml、塩酸−エタノール溶液1mlを秤量し、水で40mlとした後、1N−NaOHでpH3.5とした後に、さらに水を加え合計100mlの試験溶液(B)とした。
pH3.5緩衝溶液(0.1M酢酸水溶液/0.1M酢酸Na水溶液=16/1)10mlと0.1%オレンジII3ml、塩化ナトリウム3g、クロロホルム20mlを加え、試験溶液(B)を15ml入れ、約1分間振し静置した後、クロロホルム層の溶液(C)を一部採取し、溶液(C)を硫酸ナトリウム1.0gで脱水処理した。
そして、脱水処理後の溶液(C)の、485nmにおける吸光度を測定した。
試験体約30gと水100mlをビーカーに入れ、8時間超音波抽出した。
これを室温まで放置した後、水を蒸発させ、エタノール10mlを加え試料溶液(A)とした。
試料溶液(A)5ml、塩酸−エタノール溶液1mlを秤量し、水で40mlとした後、1N−NaOHでpH3.5とした後に、さらに水を加え合計100mlの試験溶液(B)とした。
pH3.5緩衝溶液(0.1M酢酸水溶液/0.1M酢酸Na水溶液=16/1)10mlと0.1%オレンジII3ml、塩化ナトリウム3g、クロロホルム20mlを加え、試験溶液(B)を15ml入れ、約1分間振し静置した後、クロロホルム層の溶液(C)を一部採取し、溶液(C)を硫酸ナトリウム1.0gで脱水処理した。
そして、脱水処理後の溶液(C)の、485nmにおける吸光度を測定した。
[実施例1]
(抗菌剤入りポリマー)
抗菌剤として、ジメチルジデシルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩を用いた。
尚、当該抗菌剤は次式にて表される。
(抗菌剤入りポリマー)
抗菌剤として、ジメチルジデシルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩を用いた。
尚、当該抗菌剤は次式にて表される。
上記抗菌剤とポリエチレンとを1:9の質量比で、プラストミルを用い3分間混合した後、押出し機にて230℃、100rpm、滞留時間5分の条件で押し出し、抗菌剤を10質量%含有するポリエチレンを作製した。
(樹脂混合)
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレンを50/35/15の質量比で混合した。
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレンを50/35/15の質量比で混合した。
(射出成形)
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。初期の床材の射出成形に要した時間は約90秒/1成形であったが、連続して射出成形を行った結果、その回数を重ねるに伴い、1回の成形に要する時間が増加し、やがて成形が不可能となった。
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。初期の床材の射出成形に要した時間は約90秒/1成形であったが、連続して射出成形を行った結果、その回数を重ねるに伴い、1回の成形に要する時間が増加し、やがて成形が不可能となった。
得られた試験体および床材においてポリエチレンが海成分、ポリプロピレンが島成分となっていることを、透過型電子顕微鏡により確認した。また、得られた床材は、強度等の床材として要求される特性を満足するものであった。
[実施例2]
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(樹脂混合)
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレンを50/30/20の質量比で混合した。
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレンを50/30/20の質量比で混合した。
(射出成形)
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。
得られた試験体および床材においてポリエチレンが海成分、ポリプロピレンが島成分となっていることを、透過型電子顕微鏡により確認した。また、得られた床材は、強度等の床材として要求される特性を満足するものであった。
[比較例1]
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様の抗菌剤とポリプロピレンとを1:9の質量比で、実施例1と同様の条件で混合して押出し、抗菌剤を10質量%含有するポリプロピレンを作製した。
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様の抗菌剤とポリプロピレンとを1:9の質量比で、実施例1と同様の条件で混合して押出し、抗菌剤を10質量%含有するポリプロピレンを作製した。
(樹脂混合)
ポリプロピレン/抗菌剤を10質量%含有するポリプロピレン/ポリエチレンを35/15/50の質量比で混合した。
ポリプロピレン/抗菌剤を10質量%含有するポリプロピレン/ポリエチレンを35/15/50の質量比で混合した。
(射出成形)
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。
得られた試験体および床材においてポリエチレンが海成分、ポリプロピレンが島成分となっていることを、透過型電子顕微鏡により確認した。
[比較例2]
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様の抗菌剤とポリプロピレンとを1:9の質量比で、実施例1と同様の条件で混合して押出し、抗菌剤を10質量%含有するポリプロピレンを作製した。
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様の抗菌剤とポリプロピレンとを1:9の質量比で、実施例1と同様の条件で混合して押出し、抗菌剤を10質量%含有するポリプロピレンを作製した。
(樹脂混合)
ポリプロピレン/抗菌剤を10質量%含有するポリプロピレン/ポリエチレンを30/20/50の質量比で混合した。
ポリプロピレン/抗菌剤を10質量%含有するポリプロピレン/ポリエチレンを30/20/50の質量比で混合した。
(射出成形)
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。
得られた試験体および床材においてポリエチレンが海成分、ポリプロピレンが島成分となっていることを、透過型電子顕微鏡により確認した。
[実施例3]
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(樹脂混合)
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレン/EVAを48/35/15/2の質量比で混合した。
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレン/EVAを48/35/15/2の質量比で混合した。
(射出成形)
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。初期の床材の射出成形に要した時間は約90秒/1成形で、また射出成形の回数を重ねても、安定した連続生産が可能であった。
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。初期の床材の射出成形に要した時間は約90秒/1成形で、また射出成形の回数を重ねても、安定した連続生産が可能であった。
得られた試験体および床材においてポリエチレンが海成分、ポリプロピレンが島成分となっていることを、透過型電子顕微鏡により確認した。また、得られた床材は、強度等の床材として要求される特性を満足するものであった。
[実施例4]
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(樹脂混合)
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレン/EVAを47/35/15/3の質量比で混合した。
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレン/EVAを47/35/15/3の質量比で混合した。
(射出成形)
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。初期の床材の射出成形に要した時間は約60秒/1成形で、また射出成形の回数を重ねても、安定した連続生産が可能であった。
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。初期の床材の射出成形に要した時間は約60秒/1成形で、また射出成形の回数を重ねても、安定した連続生産が可能であった。
得られた試験体および床材においてポリエチレンが海成分、ポリプロピレンが島成分となっていることを、透過型電子顕微鏡により確認した。また、得られた床材は、強度等の床材として要求される特性を満足するものであった。
[実施例5]
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(抗菌剤入りポリマー)
実施例1で用いたのと同様のものを用いた。
(樹脂混合)
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレン/EVAを45/35/15/5の質量比で混合した。
ポリプロピレン/ポリエチレン/抗菌剤を10質量%含有するポリエチレン/EVAを45/35/15/5の質量比で混合した。
(射出成形)
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。初期の床材の射出成形に要した時間は約60秒/1成形で、また射出成形の回数を重ねても、安定した連続生産が可能であった。
上記樹脂混合物を210℃、スクリュー背圧3.5MPaの条件で射出成形し、試験体および床材を得た。初期の床材の射出成形に要した時間は約60秒/1成形で、また射出成形の回数を重ねても、安定した連続生産が可能であった。
得られた試験体および床材においてポリエチレンが海成分、ポリプロピレンが島成分となっていることを、透過型電子顕微鏡により確認した。また、得られた床材は、強度等の床材として要求される特性を満足するものであった。
各実施例・比較例の抗菌性・抗黴性の評価結果を表1に示す。
実施例1、2及び比較例1、2から海成分となる樹脂と同一の樹脂に抗菌剤を練り込んだ抗菌剤を含有する樹脂を用い加熱する工程を経て成形した方が高い抗菌性・抗黴性を有することが分かる。
また、実施例1および実施例3、4、5からEVAを添加して成形した方が優れた成形性を有していた。
1 海成分
2 島成分
2 島成分
Claims (5)
- 2種類以上の樹脂が海島構造に分散した樹脂混合物からなり、少なくとも当該海島構造の海成分の樹脂が抗菌剤を含有することを特徴とする床材。
- 前記抗菌剤が前記海島構造の島成分よりも前記海成分に高い密度で含有されている、請求項1記載の床材。
- 前記抗菌剤が第4級アンモニウム塩から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1または2記載の床材。
- 前記2種類以上の樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、請求項3記載の床材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の床材を製造する方法であって、前記海成分となる樹脂、前記海成分となる樹脂に抗菌剤を練り込んだ樹脂組成物、および前記島成分となる樹脂を混合し、加熱する工程を経て床材とすることを特徴とする床材の製造方法。
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2007
- 2007-05-28 JP JP2007140449A patent/JP2008008138A/ja active Pending
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