JP2008007949A - プレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システム - Google Patents

プレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システム Download PDF

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高伸 水野
Tomonori Taniguchi
智則 谷口
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晃 加藤
Norikazu Asai
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Abstract

【課題】PCa柱又は壁と梁とをピン接合して、梁に作用する荷重からのモーメントを考慮せずにPCa柱や壁及び接合部の構造設計を容易にする。また現場での接合部の施工も容易にする。
【解決手段】プレキャストコンクリート柱1又はプレキャストコンクリート壁に梁2を架設する架構システムにおいて、梁2を上弦材5と下弦材6を有する梁とし、その上弦材5をプレキャストコンクリート柱又は壁に対してピン接合Pで接合し、下弦材6をプレキャストコンクリート柱又は壁にローラージョイントRで支承する。
【選択図】図1

Description

本発明はプレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システムに関するもので、より詳しくは、プレキャストコンクリート製の柱又はプレキャストコンクリート製の壁に対して梁を架設する架構システムに関する。
従来、現場打ちのコンクリートにより柱、壁、梁を一体成形するラーメン構造は、現場作業が多くなる上に工期が長くなるなどの問題がある。
この問題を解決する工法として、従来、プレキャストコンクリート(以下PCaという)柱を立設し、この柱間にPCa梁或いは鉄骨トラス梁を架設してその接合部を現場打ちコンクリートで一体接合し、その接合部を剛接合とした複合構造の架構システムが知られている(特許文献1,2,3参照)。
特開平5−112983号公報 特開平5−156705号公報 特開平5−193133号公報
前記従来の工法においては、PCa柱とPCa梁或いは鉄骨トラス梁を使用するものの、これらの接合部が現場打ちコンクリートで一体化された剛構造であることから、柱の設計に対しては梁に作用する荷重を考慮してモーメントの計算をしなければならない。そのため、柱や梁端部設計が煩雑になり、また、梁の長短や構造により梁の荷重が異なる場合には、これに適合する異種のPCa柱を用いなければならず、PCa柱の標準化が困難である。
更に、接合部を現場打ちコンクリートで接合するため、生コンクリート工事、型枠工事等が必要で、現場での職種が多く、かつ、コンクリートの現場での養生、硬化の必要から、その分工期が長くなるなどの問題がある。
そこで本発明は前記の課題を解決するプレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、プレキャストコンクリート製の柱又は壁に梁を架設する架構システムにおいて、そのプレキャストコンクリート製の柱と梁との接合部又はプレキャストコンクリート製の壁と梁との接合部をピン接合としたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記梁を上弦材と下弦材を有する梁とし、その上弦材をプレキャストコンクリート製の柱又は壁に対してピン接合で接合し、下弦材をプレキャストコンクリート製の柱又は壁にローラージョイントで支承したことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記梁を薄鋼板で形成し、その梁におけるプレキャストコンクリート製の柱又は壁との接合部に前記薄鋼板より厚い厚板からなる連結板を固設し、該連結板を介して梁をプレキャストコンクリート製の柱又は壁とピン接合したことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の発明において、前記ピン接合をボルトによる接合としたことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記ピン接合を、プレキャストコンクリート製の柱又は壁側に、裏側に位置してインサートを有するインサート繋ぎ板を固設し、前記梁側に前記連結板を固設し、これら連結板とインサートとをボルトで連結して構成したことを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記梁を重量鉄骨で形成したことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、プレキャストコンクリート製の柱又は壁に梁をピン接合で連結したので、梁に作用する垂直荷重からのモーメントを考慮せずに、プレキャストコンクリート製の柱又は壁及び接合部の構造設計ができ、その設計が容易になる。更に、梁のスパンや荷重が異なるものに対してもプレキャストコンクリート製の柱や壁の標準化が可能になる。
更に、接合部におけるコンクリート工事及びその型枠工事も不要となる。そのため現場での職種も少なくなり、かつ、現場でのコンクリート養生、硬化の必要がなく、工期の短縮を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、更に、梁の下弦材をローラージョイントで支承するため、梁を簡単なピン接合としても梁を安定した状態で支持できる。
請求項3記載の発明によれば、梁を薄鋼板で形成したので梁が軽量となり、架構の耐久性を向上し、かつ、接合部の構造も簡易となり、経済的な架構システムが得られる。更に、このように、梁に薄鋼板を使用しても接合部に厚板の連結板を用いたことにより、接合が支障なく確実に行える。
請求項4及び5記載の発明によれば、ボルト接合としたことにより、現場での接合作業が容易に行える。
請求項6記載の発明においても前記請求項1記載の発明と同様の効果を発揮できる。
本発明を実施するための最良の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
図1乃至図10は本発明を、PCa柱と梁との接合に適用し、かつ、梁としてトラス梁を用いた場合の実施例1を示すもので、図1は地面に立設したプレキャストコンクリート(PCa)柱1,1間に梁2を架設した架構図である。
PCa柱1,1は、その下端を地中の基礎3に固着し、基礎3,3間は地中梁4で連結されている。
PCa柱1,1とその上端部に架設した梁2の接合部はピン接合(ピンジョイント構造)で連結されている。更に、より詳しくは、梁2を、鉄骨を組み立ててなるトラス梁で形成するとともに、その上弦材5を前記PCa柱1にピンジョイントPで接合し、下弦材6がPCa柱1にローラージョイント(ローラー構造)Rで支承されている。
前記PCa柱1とこれに連結される部材であるトラス梁2の構造について図2乃至図10により説明する。
PCa柱1における前記トラス梁2の上弦材5との接合部には、図4及び図5に示すような埋込金具7が固設されている。該埋込金具7は、所定の面積と形状に形成された金属製のインサート繋ぎ板8と、該インサート繋ぎ板8の裏面に溶接などで固着したインサート9と、アンカー10とからなる。なお、図4及び図5においてはアンカー10は記載されていない。
前記インサート繋ぎ板8には、所定位置に複数のボルト挿通穴8aが貫通形成されている。該ボルト挿通穴8aは、実施例では、図4及び図5に示すように、インサート繋ぎ板8に対し、上下方向に所定の間隔を有して3個形成され、かつ、この3個のボルト挿通穴8aがインサート繋ぎ板8の左右側寄り(外側寄り)に位置して、すなわち、前記梁2の厚み方向の両側に位置して2列状態に形成されている。
前記インサート9は、その軸方向に長い雌ねじ9aを刻設した有底状の高ナットを使用し、その雌ねじ穴9aの開口側を前記ボルト挿通穴8aに合致させてインサート繋ぎ板8に溶接などにより固着されている。
前記インサート繋ぎ板8の裏面にはアンカー10が、図2及び図3に示すように溶接などにより固着されている。実施例ではアンカー10を鉄筋からなるアンカー筋を用いている。該アンカー10は、図2に示すようにコ字状に折曲され、その頂部の辺10aをインサート繋ぎ板8の裏面に沿って当接し、該辺10aをインサート繋ぎ板8に溶接などで固着している。更に、該アンカー10は複数本用い、これらを図3に示すように、インサート繋ぎ板8の中央付近(中央寄り)にまとめて配置して溶接等により固着されている。
前記の埋込金具7をPCa柱1に埋設するには、埋込金具7を、図示しないコンクリート型枠内に、インサート繋ぎ板8の表面8bがコンクリート型枠の内面に当接するようにして所定の位置に配置し、アンカー10もコンクリート型枠内に配置する。なお、当然ながら、コンクリート型枠内には主筋などの必要な配筋や部品の設置を行う。
そして、コンクリート型枠内にコンクリートを打設し、その養生、硬化後脱型する。
これにより、図2及び図3に示すように、インサート繋ぎ板8が、その表面8bをコンクリートの表面に露出した状態でPCa柱(PCa部材)1に埋設され、かつ、アンカー10も埋設される。
前記の成型時において、前記のアンカー10を図2及び図3に示すように、コンクリートの端面1aから遠ざけてアンカー10に対するコンクリートのかぶりを大きくすることにより、アンカー10の耐力を大きくすることができる。すなわち、前記のインサート9がコンクリートの端面1aに近く配置される場合においても、アンカー10をコンクリートの端面1aより遠ざけて抵抗条件の良い位置に配置し、その耐力を高めることができる。
更に、複数のアンカー10を図3に示すように、両インサート9.9の間においてまとめて配置することにより、配筋が楽になり、かつ、コンクリートの打設も容易になる。
次に、前記PCa柱1における前記トラス梁2の下弦材6との接合部について説明する。
前記PCa柱1側における前記トラス梁2との接合面側であって、下弦材6の下部に位置する部分には図8及び図10に示すように、前記埋込金具7と同様の埋込金具7Aが固設されている。該埋込金具7Aは、前記の埋込金具7と比較してインサート14が、上下方向において図8に示すように1個である点が相違するが、その他の構造は前記の埋込金具7と同じである。
すなわち、金属製のインサート繋ぎ板11に前記のボルト挿通穴8aと同様のボルト挿通穴13が形成され、該インサート繋ぎ板11の裏面には前記インサート9と同様のインサート14がボルト挿通穴13に位置して溶接などにより固設され、更に、インサート繋ぎ板11の裏面には前記のアンカー10と同様のアンカー12が溶接などにより固設されている。
そして、前記インサート繋ぎ板11とインサート14とアンカー12からなる埋込金具7Aは、PCa柱1の成形時に、前記の埋込金具7と同様にコンクリート型枠内に配置され、コンクリートを打設してこれを養生、硬化し、脱型することにより、そのPCa柱1内に埋設され、成形後においては、そのインサート繋ぎ板11の表面(接合面)が露出される。
したがって、この埋込金具7Aにおいても前記の埋込金具7と同様の作用、効果を発揮できる。
前記インサート繋ぎ板11の外面(接合面側)にはL型鋼からなる支承金具15が配置されており、その垂直方向の取付片15aに形成した取付穴15bにボルト16を挿通するとともに該ボルト16を前記インサート繋ぎ板11のボルト挿通穴13を通じてインサート14の雌ねじに螺合して、支承金具15がPCa柱1に固着されている。この支承金具15を固設することにより、その支承片15cが水平状態に配置されて、該支承片15cの上面が前記のトラス梁2における下弦材6を固定することなく摺動可能に支承する、すなわち、ローラージョイント(ローラー構造)で支承する支承面になっている。
次に前記トラス梁2について説明する。
トラス梁2の長手方向の両端には束材17,17が配置されている。該両束材17,17の上部間には、図9に示すように、束材17,17の一方の面に位置して一方の上弦材構成部材5aが横架され、他方の面に位置して他方の上弦材構成部材5bが横架され、この2つの上弦材構成部材5a,5bにより上弦材5が構成されている。
この上弦材5の部分について説明する。
なお、図6は一方の上弦材構成部材5aの組立状態を示す。
一方の上弦材構成部材5aは図6に示すように横断面がC形に形成されており、実施例においては、薄鋼板をC形に折曲加工したものを使用している。ここに薄鋼板とは、その板厚が通常2.3mm未満のものとされているが、JIS工業用語大辞典(日本規格協会発行)では3.0mm未満のものとされている。本実施例では、重量鉄骨や軽量鉄骨よりも薄い板厚で軽量なものを意味するものである。本実施例では板厚が1.0mm〜1.6mm程度の板材を使用した。
前記一方の上弦材構成部材5aの端部には、その開口部から図6に示す連結板18を保持した保持部材19が挿入されている。すなわち、前記一方の上弦材構成部材5aの内面に接するように断面コ字状に形成した保持部材19内に、金属製で厚板の連結板18を溶接にて固設し、この保持部材19を図6に示すように一方の上弦材構成部材5a内に開口部より挿入し、この保持部材19と、一方の上弦材構成部材5aと前記束材17を固着手段であるタッピングビス20で一体的に連結している。なお、連結板18は、保持部材19の前端面より若干内側に配置されている。
前記保持部材19及び前記束材17も前記の薄鋼板を折曲加工して形成されている。また、前記連結板18は板厚が20mmの厚い板のアルミニウムで形成されている。なお、該連結板18は鋼材を用いてもよい。
前記連結板18には、ボルト挿通穴21が内外方向に貫通して形成されている。該ボルト挿通穴21は、前記PCa柱1のインサート繋ぎ板8に形成したボルト挿通穴8aと対応して、同数、同一位置に形成されている。
前記束材17における前記一方の上弦材構成部材5aと反対側の面には、図9に示すように、他方の上弦材構成部材5bが固設されている。該他方の上弦材構成部材5bは前記一方の上弦材構成部材5aと同一材で同一形状に形成されている。更に、他方の上弦材構成部材5bの端部には、前記保持部材19と同一材で同一形状の他方の保持部材19が設けられ、更に、該保持部材19には、前記連結板18と同一材で同一形状の他方の連結板18が固設されている。すなわち、束材17を中心として、その前後面(表裏面)に一方の上弦材構成部材5aと他方の上弦材構成部材5bが対称的に配置されている。
次に下弦材6について図8及び図10により説明する。
前記束材17の下部における前後面(表裏面)の一方に面に一方の下弦材構成部材6aが固設され、他方の面に他方の下弦材構成部材6bが固着され、この両下弦材構成部材6a,6bによって下弦材6を形成している。該両下弦材構成部材6a,6bは、上記両上弦材構成部材5a,5bと同一材で同一形状に形成されている。そして、両下弦材構成部材6a,6bと束材17とは前記と同様に固着手段であるタッピングビス23により連結されている。
前記両上弦材構成部材5a,5b間と両下弦材構成部材6a,6b間にわたって金属製の斜め材24が介在され、かつ、固着手段であるタッピングビス25により一方の上弦材構成部材5aと一方の下弦材構成部材6aに固着されている。該斜め材24も前記上弦材構成部材5a,5bと同一材で、かつ、同一形状に形成されている。17aは中間の束材で、前記束材17と同一材で、かつ、同一形状に形成されている。
次に施工方法について説明する。
先ず、PCa柱1,1を現場において基礎3,3上に固着して立設する。
次で、前記のように組立てられたトラス梁2をクレーンにより吊り上げ、その下弦材6の下面を、両PCa柱1,1に固設した支承金具15の支承片15c上に載置する。この下弦材6と支承片15cとは連結しない。
なお、下弦材6の長さは、図8に示すように、その端面6cとPCa柱1の接合側面1bとの間に隙間W1が生じるように設定されている。この隙間W1は5mm〜10mmに設定されている。
次に、一方の上弦材構成部材5aと他方の上弦材構成部材5bに固設された両連結板18,18のボルト挿通穴21,21を、PCa柱1,1のインサート繋ぎ板8に形成したボルト挿通穴8a,8aと合致させ、両ボルト挿通穴21,8aにボルト26を挿通し、該ボルト26をインサート9に螺合する。
なお、上弦材5の長さは、図7に示すように、その端面5cとPCa柱1の接合側面1bとの間に隙間W2が形成されるように設定されているが、この隙間W2はなくてもよい。
以上の組立てにより、トラス梁2の上部とPCa柱1とのボルト接合部はピン接合(ピンジョイント)Pとなり、トラス梁2の下面はローラージョイントRにより支承される。したがって、PCa柱1とトラス梁2は剛接合ではなく、ピン接合となる。
そのため、トラス梁2に垂直荷重が作用してトラス梁2が撓んだ際には、トラス梁2の上弦材5の端面5cがボルト26の軸方向で、PCa柱1から離れるように移動し、トラス梁2に作用する荷重によるPCa柱1へのモーメントは生じない。
以上のようであるから、本実施例によれば、PCa柱1とトラス梁2をピン接合としたことにより、トラス梁2に作用する荷重からの余分なモーメントを考慮せずにPCa柱1及び、その接合部構造を設計することができるため、PCa柱や接合部構造の設計が簡単で、かつ、梁のスパンが異なる場合などにおいてもPCa柱の標準化がしやすくなる。更に、乾式工法となるため、従来のコンクリート工事及びその型枠工事が不要となる。そのため、現場での職種も少なくなり、かつ、現場でのコンクリート養生、硬化の必要がなく、工期の短縮化を図ることができる。更に、PCa柱とトラス梁との接合はボルト接合のみでよいため、接合部が簡単になり、現場での施工も非常に簡単である。
更に、トラス梁2を薄鋼板で形成することにより、複合構造として、一層軽く、経済的な架構システムが得られる。
更に、前記実施例においては、トラス梁を一定の標準材で形成できるため、これを現場で容易に切断し、合成でき、構築物に容易に対応できる。
更に、前記の埋込金具7,7Aを前記のようにPCa柱(PCa部材)1に取付けることにより、次のような効果を発揮する。
荷重に対して抵抗する重要なアンカー10,12を、インサート9,14の位置に関係なく、抵抗条件の良い位置や火災や炭酸化等の影響が少ない位置に設けることができる。
更に、PCa部材における集中荷重が掛かりやすい梁端部において、一部のインサート部に集中荷重を受けても、この荷重を一旦インサート繋ぎ板8,11で受けて他のインサート9,14に分散することができる。
更に、各インサートを1枚のインサート繋ぎ板に固設したので、各インサートの位置精度を高めることができる。
更に、一部のインサートが使用できない場合においても、インサート繋ぎ板と被連結部とを溶接して、連結強度を確保することができる。
更に、PCa部材がインサート繋ぎ板8,11で補強されるため、運搬時や施工時における端部の欠損などの発生を防止できる。
更に、複数のアンカーをまとめて配置できるため、成型時における配筋が容易になり、コンクリートの打設も容易になる。
なお、前記実施例に変え、下記の実施例としてもよい。
前記PCa柱は角柱、円柱、L型柱、I型柱であってもよい。
また、前記薄鋼板は、鉄、ステンレス鋼、構造用アルミニウムを使用することができる。
前記実施例では、梁を薄鋼板からなるトラス梁としたが、この梁に変えて、軽量鉄骨梁や木造トラス梁や木質系梁を用いてもよい。この実施例においても、前記薄鋼板による軽量化以外の前記の効果を発揮できる。
また、トラス梁2の上弦材5と下弦材6は、一方の上弦材構成部材5aと一方の下弦材構成部材6aのみで構成してもよい。
また、前記トラス梁2に変えて、他の組立梁や単一材の梁としてもよい。
図11及び図12は本発明を、プレキャストコンクリート(PCa)製の柱と重量鉄骨梁との接合に適用した場合の実施例を示す。
図11は架構図であり、該図11に示すPCa柱1は前記実施例1と同様のPCa柱で、該両PCa柱1,1間に梁2Aが架設される。
PCa柱1における梁2Aとの接合部(接合面側)には、梁2Aの下部に位置して、埋込金具7Aが固設されている。該埋込金具7Aは前記実施例1の埋込金具7Aと同様の構造を有し、かつ、同様にPCa柱1に埋設されている。そのため、前記と同一部分には前記と同一の符号を付してその説明を省略する。
更に、前記埋込金具7Aにおけるインサート繋ぎ板11には前記実施例1の支承金具15と同様の支承金具15Aが、前記実施例1と同様に固設されている。すなわち、支承金具15Aの垂直方向の取付片15aに形成した取付穴15bにボルト16を挿通するとともに該ボルト16を前記インサート繋ぎ板11のボルト挿通穴13を通じてインサート14の雌ねじに螺合して、支承金具15AがPCa柱1に固着されている。
また、前記支承金具15Aの水平状態に形成された支承片15cにはボルト挿通穴15dが上下方向に貫通形成されている。
次に本実施例の梁2Aについて説明する。
本実施例2の梁2Aは、前記実施例1のトラス梁2と比べて背丈が低い重量鉄骨梁を用いており、図の実施例では、ウェブ2bと、下フランジ2cと上ウランジ2dとからなるH型鋼を用いている。
前記下フランジ2cには、これを所定の位置で前記支承片15c上に載置した場合に、前記支承片15cに形成したボルト挿通穴15dと合致する位置にボルト挿通穴2eが上下方向に貫通して形成されている。
次に施工方法について説明する。
先ず、PCa柱1,1に固設された支承金具15A、15Aの支承片15c,15c間に重量鉄骨梁2Aを載置するとともに両ボルト挿通穴2eと15dを合致させる。
次に、前記ボルト挿通穴2e,15dにボルト41を挿通し、該ボルト41にナット42を螺合して締付ける。
なお、重量鉄骨梁2Aの上部側は、PCa柱1とは連結されていない。
また、前記重量鉄骨梁2Aの梁方向の長さは、図12に示すように、その端面2fとPCa柱1の接合側面1bとの間に前記実施例1と同様の隙間(空隙)W1が生じるように設定されている。この隙間W1は5mm〜10mmに設定されている。
以上の組立てにより、PCa柱1と重量鉄骨からなる梁2Aとの接合部は、ボルト41とナット42による螺合によってピン接合Pとなり、剛接合しない単純梁の接合となる。
本実施例2においては、トラス梁と比べて背丈が極めて低い重量鉄骨の梁2Aを使用することから、その梁2Aの載置状態が安定し、前記のように下フランジ2cと支承片15cとのボルト接合でも安定した梁の接合ができる。
前記実施例1及び2はPCa柱と梁とを接合する実施例であるが、本発明はPCa壁と梁との接合に用いてもよい。前記のPCa柱1の代わりにPCa壁とし、該PCa壁に前記と同様の埋込金具7,7Aを埋設して、前記実施例1,2と同様の組立て方法によってPCa壁と梁とを接合してもよい。
このようなPCa壁と梁との接合においても前記実施例1,2と同様の作用、効果を発揮できる。
なお、前記実施例おいては、複数のインサート9,14を一枚のインサート繋ぎ板8,11に固設したが、このインサート繋ぎ板8,11を用いることなく、各インサート9,14を個々にPCa柱やPCa壁に固設してもよい。
本発明を適用した実施例1を示す架構図。 図1のPCa柱に埋込金具を付設した状態を示す部分側断面図。 図2におけるA−A線断面図。 埋込金具を前から見た斜視図。 埋込金具を後ろから見た斜視図。 図1におけるトラス梁の接合部の部材を示す斜視図。 図1におけるトラス梁の上弦材とPCa柱との接合部を示す側断面図で、図9におけるD−D線断面図。 図1におけるトラス梁の下弦材とPCa柱との接合部を示す側断面図。 図7におけるB−B線断面図。 図8におけるC−C線断面図。 本発明をPCa柱と重量鉄骨梁との接合に適用した、実施例2を示す架構図。 図11における接合部を示す側断面図。
符号の説明
1 プレキャストコンクリート製の柱
2,2A 梁
5 上弦材
6 下弦材
7,7A 埋込金具
8,11 インサート繋ぎ板
9,14 インサート
10,12 アンカー
15,15A 支承金具
16,26,41 ボルト
18 連結板

Claims (6)

  1. プレキャストコンクリート製の柱又は壁に梁を架設する架構システムにおいて、そのプレキャストコンクリート製の柱と梁との接合部又はプレキャストコンクリート製の壁と梁との接合部をピン接合としたことを特徴とするプレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システム。
  2. 前記梁を上弦材と下弦材を有する梁とし、その梁における上弦材をプレキャストコンクリート製の柱又は壁に対してピン接合で接合し、下弦材をプレキャストコンクリート製の柱又は壁にローラジョイントで支承したことを特徴とする請求項1記載のプレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システム。
  3. 前記梁を薄鋼板で形成し、その梁におけるプレキャストコンクリート製の柱又は壁との接合部に前記薄鋼板より厚い厚板からなる連結板を固設し、該連結板を介して梁をプレキャストコンクリート製の柱又は壁とピン接合したことを特徴とする請求項1又は2記載のプレキャストコンクリート柱又は壁と梁との架構システム。
  4. 前記ピン接合をボルトによる接合としたことを特徴とする請求項1又は2又は3記載のプレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システム。
  5. 前記ピン接合を、プレキャストコンクリート製の柱又は壁側に、裏側に位置してインサートを有するインサート繋ぎ板を固設し、前記梁側に前記連結板を固設し、これら連結板とインサートとをボルトで連結して構成したことを特徴とする請求項3記載のプレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システム。
  6. 前記梁を重量鉄骨で形成したことを特徴とする請求項1記載のプレキャストコンクリート製の柱又は壁と梁との架構システム。
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