JP2008007850A - スパッタリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空容器内に絶縁膜が付着してもグロー放電の経時変化を小さくできるため成膜速度の変化が小さく安定放電ができ、メンテナンス周期の長期化を可能とするスパッタリング装置を提供するものである。
【解決手段】ウェハホルダの外周に、複数の開口部を有する3枚以上の導電性板が重ねて配置され、かつ、前記導電性板のうち前記ターゲットから最も近い第1の導電性板とその次に近い第2の導電性板の間隔が、それ以降の導電性板との間隔よりも小さい間隔で配置されることで解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタにより基板上に薄膜を形成するためのスパッタリング装置に関するものである。
半導体集積回路(以下IC)の製造工程では誘電体の成膜が種々行われる。その目的は、例えば層間絶縁膜、エッチングや選択的なイオン注入や選択的な電極の形成のためのマスク、パッシベーション、キャパシタの誘電体膜等である。目的により材質やプラズマ処理方法が選ばれる。たとえば、CVD,ドライエッチング,スパッタリング等種々用いられている。近年ICの小型化のためにキャパシタの誘電体膜にチタン酸バリウムストロンチウム(BST)やチタン酸ストロンチウム(STO)等の高誘電体物質のプラズマ処理を行うことが検討されている。更にセンサやアクチュエータ、不揮発性メモリデバイス用にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ストロンチウムビスマスタンタレート(SBT)といった強誘電体物質のプラズマ処理も検討されている。
更に、近年反射防止膜やエッジフィルタ等の光学薄膜の形成も検討されている。これらの光学デバイスは通常、低屈折率材料(SiO2,MgF等)と高屈折率膜(Ta25,TiO2,Nb25等)、その中間の屈折率を有する材料(Al23等)の積層構造であり、各層の光学膜厚(屈折率×物理膜厚)がデバイス特性を決定するために、高い膜厚均一性と高い膜厚制御性が必要である。これら光学薄膜は蒸着で形成されるのが主流であったが、膜質の観点からスパッタリングによる形成が検討されている。
スパッタリングによる絶縁物の形成は、絶縁物をターゲットとして用い、ターゲットにRF電力を印加するRFスパッタリングが主流である。この方法は正負交互の電圧がターゲットに印加されるために絶縁物を比較的安定して形成することが可能であるが成膜速度が遅く、量産性に乏しい。そこで金属ターゲットを用い、反応性ガス雰囲気中でDC電圧をターゲットに印加することで絶縁物を形成するDC反応性スパッタリングが検討されている、この方法は金属をスパッタリングするために成膜速度が速く量産に適した方法である、しかしながら、経時変化が激しく、放電状態が変化しやすいという短所がある。
以下、この従来のスパッタリング装置を図面を参照して説明する。
図6はそれを概念的に示す縦断面図である。従来のスパッタリング装置は真空引き可能な容器91でスパッタ室を形成し、スパッタ室の下方にはターゲット92が下部電極93に固定保持される。更にターゲット92の裏面には(内側)磁石94とそれを取り囲むように(内側)磁石94とは反対の磁化成分を持つ(外側)磁石95が配され、両磁石(94及び95)はヨーク96で磁気的に結合されている。この磁石(94及び95)により、ターゲット92表面には弧状の磁力線97が形成される。下部電極93は容器91とは電気的に絶縁されている。そして下部電極93はターゲット92の温度が上昇するのを防ぐために水冷機構を内蔵するが図示を略している。
そして、スパッタ室の上方にはウェハホルダ98が下部電極93に対向して平行に配置される。そして、このウェハホルダ98は容器91と電気的に絶縁されており、浮遊電位である。そして、ウェハホルダ98上に基板例えば半導体ウェハ99が載置される。そして、ウェハホルダ98はウェハ99を所定の温度に維持するための加熱機構を内蔵するが図示していない。
そして、下部電極93と容器91(接地)間に電源910により、所定のDC電力が与えられる。
このスパッタリング装置で成膜処理を行うにはウェハホルダ98上に基板(例えばウェハ99)を載置し、図示しない排気口につながる真空ポンプ(図示せず)により真空に引き、次に図示しないガス導入口から反応性ガスを含む所定のガス(例えばAr+O2ガス)を所定流量導入しつつ排気口(図示せず)と真空ポンプ(図示せず)との間に介在する可変コンダクタンスバルブ(図示せず)を調節して所定の圧力に調節する。
そして、ターゲットに負のDC電圧を印加することでグロー放電を起こしプラズマを発生させる。発生したプラズマ中の電子はターゲット92裏面に配置され磁石(94及び95)が発生する弧状の磁力線97にトラップされ更に電離を促進しプラズマ密度を向上させる。発生したプラズマ中の+イオン(例えばAr+、O2+等)は負のDC電圧によりターゲットに引き込まれターゲットの構成原子をスパッタリングする。飛び出したスパッタリング粒子は空間中の反応性ガスと反応し化合物となって基板に到達し薄膜となる。その際化合物は真空容器壁面や真空容器内の部材に付着するだけでなく、ターゲット表面のうちあまりスパッタリングされない部分に再付着していく。
化合物が絶縁体である場合、ターゲット92に再付着した絶縁物表面がチャージアップし絶縁破壊を起こす。その際アーク放電が起こるがそれを起点に、グロー放電がアーク放電に移行してしまい、一度移行したアーク放電はグロー放電に戻ることはない。そうなってしまうともはやスパッタリング成膜を行うことが困難になってしまう。これを防ぐために電源910はアーク放電を検知すると数μ秒程度DC電圧をOFFしたのちに再びDC電圧印加するという動作を行うが、絶縁物の付着が多くなると、絶縁破壊が多発しこれでもスパッタリング成膜が困難になってしまう。
そこでターゲットに周期的に数十V正電圧を印加することで、チャージアップした電荷を逃がしてやることが通常行われる。
絶縁物が、真空容器壁面や真空容器内の部材に付着すると、設置電位の部分が失われていく。そうすると電流を流すためにプラズマ電位が上昇する。更に装置内の至るところでグロー放電が発生する。グロー放電プラズマは気体が電子とイオンに電離した電離気体の状態で、全体としては電気的にほぼ中性である。この状態は荷電粒子が多数存在する状態であり、外から見ればそれは金属と同様の性質に見える。つまり、絶縁物が真空容器等の壁面に付着すると接地面積が減少していくが、グロー放電が装置内で発生することで擬似的に接地面積を確保する方向に動き、少しでも安定な放電状態に移行しようとする。このグロー放電を発生させるために、これまでスパッタリングに使われていた電力の一部が使われる。
また、放電インピーダンスが変化するために放電電流、放電電圧も変化し、成膜レートが大きく変化する。更にこの装置内の至るところで発生するグロー放電は経時的に変化してしまうために成膜速度も経時的に大きく変化する。これを防ぐために定期的に装置壁面に付着した絶縁膜を除去する必要があるが、これは生産性を低下させる大きな要因になっている。
特許文献1に記載の内容には、真空容器内にアスペクト比の高い溝を形成することで、設置面積を広くすることが記載されている。更に溝の底の部分は絶縁膜が付着しにくいために接地状態が長く維持ざれるためにメンテナンス周期の長期化が可能であることが記載されている。
特開2002−038263号公報
光学デバイスのような絶縁膜の多層成膜が必要なデバイスの生産においては、更に放電状態を安定化させ、かつメンテナンス周期を長期化させる必要がある。しかしながら、従来のスパッタリング装置では、グロー放電が発生してしまうとその放電が経時的に変化し、成膜速度が変化してしまい、高い再現性を確保できなくなる。しかし、グロー放電は擬似的に設置面積を拡大する効果があり、その状態を維持できれば放電状態は安定し、メンテナンス周期を長期化させることができる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、真空容器壁面に絶縁膜が付着しても装置内グロー放電の経時変化が小さいために、成膜速度の変化が小さく、安定放電が可能であるスパッタリング装置を提供するものである。
本願発明のスパッタリング装置は、真空容器と、前記真空容器内に配置された複数のターゲットと、前記真空容器内にガスを導入しながら排気するガス調整手段と、前記複数のターゲットに対向して配置され、かつ、基板を載置するウェハホルダと、前記複数のターゲットの少なくとも1つに電圧を印加する電源とで構成されるスパッタリング装置において、前記ウェハホルダの外周に、複数の開口部を有する3枚以上の導電性板が重ねて配置され、かつ、前記導電性板のうち前記ターゲットから最も近い第1の導電性板とその次に近い第2の導電性板の間隔が、それ以降の導電性板との間隔よりも小さい間隔で配置されていることを特徴とするものである。
このとき、好適には複数の導電性板と直交して更に3枚以上の導電性板が配置され、かつ、前記ターゲットから最も近い導電性板とその次に近い導電性板の間隔が、それ以降の導電性板との間隔よりも小さい間隔で配置されていることが望ましい。
また、更に好適には、ターゲットから最も近い導電性板とその次に近い導電性板の間隔が5mm未満であり、それ以降の導電性板との間隔が5mm以上であることが望ましい。
また、更に好適には、複数の導電性板に形成された開口の内接円の直径が5mm以上であることが望ましい。
また、更に好適には、複数の導電性板に形成された開口を前記真空容器内から見たとき、前記真空容器内から最も離れた導電性板に設けられた開口が見えないように、複数の導電性板がそれぞれ配置されることが望ましい。
また、更に好適には、複数の導電性板に形成された開口は導電性板を面方向に前記複数のターゲットから最も近い導電性板とその次に近い導電性板の間隔がそれ以降の導電性板との間隔よりも小さい間隔を空けて形成されたスリット状の開口であることが望ましい。
更に好適には、導電性板の電位は、設置電位,正電位,浮遊電位の何れかであることが好ましい。
本願発明のスパッタリング装置は、真空容器の壁面に絶縁膜が付着しても、真空容器内の複数の開口を有した導電性の板の間で安定したグロー放電を発生できる。このグロー放電は擬似的に接地面積を広くする効果があるために、経時変化が小さく、安定放電が可能であり、安定した基板処理を行うことが可能となる。また、ターゲットに最も近い1番目の導電性板とその次の2番目の導電性板の間隔をシース厚みより小さくしているため、そこでグロー放電は発生しない。一方、2番目の導電性板とそれ以降の導電性板との間隔はシース厚み以上にしているため、グロー放電が発生する。よって、ターゲットに最も近い1番目の導電性板の温度は上昇せず、導電性板とそれに付着した膜の熱膨張率の差による膜のはがれを抑制でき、メンテナンス周期の長期化が可能となる。
(実施の形態1)
図1に本発明の第1の実施の形態を示す。
これは真空容器91に基板99(本実施形態はSi基板を用いた例を示す)を投入しスパッタリングにより誘電体であるSiO2薄膜を形成するDC反応性マグネトロンスパッタリング装置の例である。
真空容器91の下部に外径300mm×125mmのターゲット92(Si)及び下部電極93を配し、ターゲット92−基板99間距離100mmでガラス基板を配置している。ターゲット92の外周には接地電位のアースシールド13を配置した。ターゲット92は純粋なSiの半導体であり導電性が低いためにDC反応性スパッタには向かないので今回はBドープした抵抗率0.1Ω・cm以下のn型のSiターゲットを用いた。
このターゲット92の外形をターゲット92面に対して垂直な方向に投影したラインに、図2に示すような複数の開口を有した導電性板を間隔を空けて重ねた導電性板11の端が来るように配置した。複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11はステンレスの板に直径5mmの開口を有した金属板をターゲット92面に対して最も近い1枚目の導電性板と2枚目の導電性板の間隔を2mm、2枚目の導電性板と3枚目の導電性板の間隔を5mmで3枚重ねており、その開口は1枚目の方向から見たとき3枚目の開口が見えないようにずらして設けた。この複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11は接地電位となっている。
また、プラズマ電位を相対的に測定するために真空容器91内に浮遊電位の電極12を挿入した。
この真空容器91をターボ分子ポンプ(図示せず)とロータリーポンプ(図示せず)で5×10-4Paまで排気した後に、Ar及びO2ガスをそれぞれ90sccm、70sccm導入した。真空容器91内圧力は可変コンダクタンスバルブ(図示せず)を調整することにより0.5Paで一定に保った。
次に、DCパルス電源910により5kWの電力をターゲット92の裏面の下部電極93に印加した。するとターゲット92上にグロー放電が発生しスパッタリングを開始した。このとき、放電開始当初からターゲット92上グロー放電の他に、ターゲット92の対向面付近の複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11の2番目の導電性板と3番目の導電性板の間でもグロー放電が発生し、安定した放電が確認できた。
このときターゲット92には周期は250kHz、反転時間は1.2マイクロ秒で正のパルス電圧を印加し、ターゲット92上でのアーク放電を抑制している。 放電開始5分後の浮遊電極12の電位を測定すると17Vであった。10分間成膜を行い、大気開放した後に基板99及び浮遊電極12を交換した。この成膜を繰り返し行い、浮遊電位の積算電力依存性を測定した。
その結果を図3に示す。約200kWhを超えても浮遊電位35V付近で一定であり、安定した放電を維持している。また放電状態は、2番目の導電性板と3番目の導電性板の間でグロー放電が起こっており、その放電箇所は殆ど変化せず安定した放電を維持していた。また、成膜終了後、ターゲットに最も近い導電性板の表面に付着した膜は剥がれなかった。
図7に複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11がない、従来のスパッタリング装置で同様の実験を行ったときの浮遊電位の積算電力依存性を示す。このときは浮遊電位が50V〜70Vの間で大きく変動しており、この間の放電状態もターゲット92上グロー放電以外のグロー放電が真空容器91内の至るところで観察され経時的に多くなっていった。この結果と比較すると、複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11がある場合の方が、浮遊電位が安定かつ低い状態で保たれており、安定な放電が維持できた。
次に、この複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11の位置(チャンバ内側の端の位置)を、ターゲット92外周をターゲット92の面に対して垂直に投影したラインより真空容器91壁面側に遠ざけていったときの放電状態を観察した。その結果を表1に示す。
Figure 2008007850
このことからターゲット92外周をターゲット92の面に対して垂直に投影したラインより真空容器91壁面側に95mm以内であれば、2番目の導電性板と3番目の導電性板の間でグロー放電が起こり、安定した放電及びメンテナンス周期の長期化が実現できた。
しかしながら、ターゲット92外周をターゲット92の面に対して垂直に投影したラインより真空容器91壁面側に95mmよりも離れてしまうと、そこまで到達する荷電粒子の数が少なく、真空容器91内の各所でグロー放電が起こってしまうことが確認できた。
次に、図4に示すように、複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11の開口を直径10mmにして同様の実験を行った。そのときの浮遊電位の積算電力依存性を図5に示す。約200kW・hを超えても浮遊電位30V付近で一定であり、安定した放電を維持している。また放電状態は、複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11の2番目の導電性板と3番目の導電性板の間でグロー放電が起こっており、その放電箇所は殆ど変化せず安定した放電を維持していた。開口の直径が5mmの結果(図3)と比較すると、浮遊電位の上昇傾向は同じであるが浮遊電位は直径10mmのものの方が低くなっている。このことから、開口径10mmの方が浮遊電極12よりも複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11の2番目の導電性板と3番目の導電性板の間で発生しているグロー放電にプラズマ中の電子は多く流れており、より安定な放電が維持できていることがわかった。
次に、複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11のターゲットに最も近い1番目の導電性板とその次に近い2番目の導電性板の間隔及び開口径を変えて放電状態を観察した。2番目と3番目の導電性板の間隔は5mm、導電性板11はターゲット92外周をターゲット92の面に対して垂直に投影したラインより真空容器91壁面側の95mmに設置した。その結果を表2に示す。
Figure 2008007850
このことから1番目と2番目の間隔が5mm未満であれば、1番目と2番目の導電性板の間でグロー放電が起こらず、安定した放電及びメンテナンス周期の長期化が実現できた。グロー放電を発生させるためにはガスを電離させるイオン・電子に十分な加速電圧を与える必要があるが、導電性板は積極的に電圧を印加されておらず、プラズマ中の電子が導電性板に流入することによって発生する30〜40V程度の小さい電圧のみである。そのために、プラズマを発生させるプラズマと導電性板の電位差による電位勾配の距離は大きくなり、導電性板の間隔が5mm未満になるとグロー放電が起こらなかったと考えられる。
また、今回は開口形状を円形としたが、開口形状の内接円の直径が5mm以上であれば多角形や任意の閉曲線の形状でも同様の効果が得られる。またターゲットから2番目に近い導電性板以降の間隔を5mm以上空けて並べたスリット形状でも良い。
更に、今回は複数の開口を有した導電性の板を間隔を空けて重ねた導電性板11を接地電位としたが、浮遊電位もしくは正電位でも同様の効果が得られる。
以上のことにより、真空容器91壁面に絶縁膜が付着しても装置内のターゲットから最も近い1番目の導電性板とその次に近い2番目の導電性板の間隔がそれ以降の導電性板との間隔よりも小さい間隔を空けて重ねた導電性板11の2番目以降の導電性板間で安定したグロー放電が発生し、このグロー放電は擬似的に接地面積を広くする効果があるために、経時変化が小さく、安定放電が可能であり、かつ、メンテナンス周期の長いスパッタリング装置を提供することができた。
本発明にかかるスパッタリング装置は、真空容器壁面に絶縁膜が付着しても成膜速度が変化せず、安定放電が可能であり、デジタルカメラ,デジタルビデオカメラなどのレンズ,プリズムに適用可能であり、特に反射防止膜,ビーム・スプリッター,エッジ・フィルター,帯域フィルターなどに応用可能となる。
本発明の第1の実施の形態で用いたマグネトロンスパッタ装置の構成を示した断面図 本発明の第1の実施の形態で用いた複数の開口(開口径5mm)を有した導電性板をターゲットに最も近い第1の導電性板とその次に近い第2の導電性板の間隔が最も離れた第3の導電性板間の間隔よりも小さい間隔で重ねた構造体を示す図 本発明の第1の実施の形態において複数の開口径が5mmの時の浮遊電位の積算電力依存性を示した図 本発明の第1の実施の形態で用いた複数の開口(開口径10mm)を有した導電性板をターゲットに最も近い第1の導電性板とその次に近い第2の導電性板の間隔が最も離れた第3の導電性板間の間隔よりも小さい間隔で重ねた構造体を示す図 本発明の第1の実施の形態において複数の開口径が10mmの時の浮遊電位の積算電力依存性を示した図 従来例で用いたマグネトロンスパッタ装置の構成を示した断面図 従来例で用いたマグネトロンスパッタ装置の浮遊電位の積算電力依存性を示した図
符号の説明
91 真空容器
92 ターゲット
93 下部電極
94,95 磁石
96 ヨーク
97 弧状の磁力線
98 ウェハホルダ
99 基板
910 電源
11 開口が形成された複数の導電性板
12 浮遊電極
13 アースシールド
21 複数の開口径が5mmの時のターゲットに最も近い第1の導電性の板
22 複数の開口径が5mmの時のターゲットに2番目に近い第2の導電性の板
23 複数の開口径が5mmの時のターゲットから最も離れた第3の導電性の板
31 複数の開口径が10mmの時のターゲットに最も近い第1の導電性の板
32 複数の開口径が10mmの時のターゲットに2番目に近い第2の導電性の板
33 複数の開口径が10mmの時のターゲットから最も離れた第3の導電性の板

Claims (7)

  1. 真空容器と、前記真空容器内に配置された複数のターゲットと、前記真空容器内にガスを導入しながら排気するガス調整手段と、前記複数のターゲットに対向して配置され、かつ、基板を載置するウェハホルダと、前記複数のターゲットの少なくとも1つに電圧を印加する電源とで構成されるスパッタリング装置において、
    前記ウェハホルダの外周に、複数の開口部を有する3枚以上の導電性板が重ねて配置され、かつ、前記導電性板のうち前記ターゲットから最も近い第1の導電性板とその次に近い第2の導電性板の間隔が、それ以降の導電性板との間隔よりも小さい間隔で配置されていること
    を特徴とするスパッタリング装置。
  2. 複数の導電性板と直交して更に3枚以上の導電性板が配置され、かつ、前記ターゲットから最も近い導電性板とその次に近い導電性板の間隔が、それ以降の導電性板との間隔よりも小さい間隔で配置されていること
    を特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. ターゲットから最も近い導電性板とその次に近い導電性板の間隔が5mm未満であり、それ以降の導電性板との間隔が5mm以上であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリング装置。
  4. 複数の導電性板に形成された開口の内接円の直径が5mm以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のスパッタリング装置。
  5. 複数の導電性板に形成された開口を前記真空容器内から見たとき、前記真空容器内から最も離れた導電性板に設けられた開口が見えないように、複数の導電性板がそれぞれ配置されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のスパッタリング装置。
  6. 複数の導電性板に形成された開口は導電性板を面方向に前記複数のターゲットから最も近い導電性板とその次に近い導電性板の間隔がそれ以降の導電性板との間隔よりも小さい間隔を空けて形成されたスリット状の開口であること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のスパッタリング装置。
  7. 導電性板の電位は、設置電位,正電位,浮遊電位の何れかであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のスパッタリング装置。
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