JP2008005828A - 果実袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンクイムシやカイガラムシに対して高い防害虫効果を有するとともに、果実への薬害が無く、果実の残留農薬が残留農薬基準値以下となる果実袋1を提供する。
【解決手段】ピレスロイド化合物と有機リン化合物とを塗布又は浸漬した原紙を製袋する果実袋1。好ましくは、ピレスロイド化合物はペルメトリンであって、有機リン化合物はダイアジノンである果実袋1。より好ましくは、ピレスロイド化合物は原紙1平方メートル当たり1.72ミリグラム以上172.41ミリグラム以下塗布又は浸漬され、有機リン化合物は原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラム以上206.90ミリグラム以下塗布又は浸漬される果実袋1。
【選択図】図1

Description

本発明は、果実袋に関し、特に、防害虫効果の高い果実袋に関するものである。
従来より、二十世紀梨その他の梨等の果実を生産する際には、シンクイムシ(モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ等)やカイガラムシなどの害虫から果実を守るため、防害虫効果のある農薬の散布が行われてきた。特にシンクイムシ等の防害虫に効果のある薬剤として有機リン系の薬剤が用いられてきた(例えば特許文献1)。
ところで、シンクイムシの発生時期や発生回数は気象条件や栽培場所によって異なるので予想が困難である。そこで、農薬散布による防除では適切な時期に処理できず、農作物に甚大な被害を受けることも多い。
また、このように用いられる農薬は食品衛生法で定める残留農薬基準以下の残留値でなければならず、また、この農薬基準が所謂ポジティブリスト方式となったので、他の農作物に農薬が飛散しないようにする必要がよりいっそう高まってきている。
このようなことから、発生時期に関係なく害虫の防除が可能であり、農薬の飛散も起こらない方法として、防虫効果のある農薬を果実袋に塗布する方法が挙げられる(例えば特許文献2)。具体的には、有機リン系の薬剤であるスプラサイド(メチダチオン)を塗布した果実袋が用いられていた。
近年、スプラサイドを塗布した果実袋の運用が変わり、劇物として扱われることとなり、毒物及び劇物取締法に規定された管理が必要となったため、流通が困難となり、スプラサイドの代替としてトクチオン(プロチオホス)を塗布した果実袋が使用されるようになった。
特開平5−221816号公報 特開2006−67846号公報
しかし、トクチオン(プロチオホス)を塗布した果実袋では、シンクイムシの防除に十分な効果をあげることができず、また、カイガラムシを有効に防除するためには残留農薬基準値を超える量の薬剤の塗布が必要となる。
そこで本発明は、シンクイムシやカイガラムシに対して従来よりも高い防害虫効果を有するとともに、果実への薬害が無く、果実の残留農薬が残留農薬基準値以下となる果実袋を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1の発明の果実袋は、ピレスロイド化合物と有機リン化合物とを塗布又は浸漬した原紙を製袋することを特徴とするものである。
請求項2の発明の果実袋は、請求項1記載の果実袋において、前記ピレスロイド化合物はペルメトリンであることを特徴とするものである。
請求項3の発明の果実袋は、請求項1又は2の果実袋において、前記有機リン化合物はダイアジノンであることを特徴とするものである。
請求項4の発明の果実袋は、請求項1乃至3のいずれか記載の果実袋において、前記ピレスロイド化合物は原紙1平方メートル当たり1.72ミリグラム以上172.41ミリグラム以下塗布又は浸漬されることを特徴とするものである。
請求項5の発明の果実袋は、請求項1乃至4のいずれか記載の果実袋において、前記有機リン化合物は原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラム以上206.90ミリグラム以下塗布又は浸漬されることを特徴とするものである。
請求項1に係る果実袋によると、ピレスロイド化合物と有機リン化合物とを塗布又は浸漬した原紙を製袋して果実袋とするので、薬剤を散布する場合のように薬剤が他の農作物や農作業者に飛散する被害を防ぐことができる。
また、シンクイムシ防除に効果の高いピレスロイド化合物とカイガラムシ防除に効果の高い有機リン化合物とを組み合わせることで、シンクイムシとカイガラムシのいずれにも効果を発揮することができる。さらに、ピレスロイド化合物と有機リン化合物とを組み合わせることで、それぞれを単独で用いる場合よりも高い殺虫効果、すなわち相乗効果を発現することが知られているので、本発明の果実袋は、従来よりも少ない薬剤量で比較的高い防虫効果を発揮することができる。
なお、モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ等のシンクイムシやカイガラムシの被害は梨やりんごなどの仁果類の栽培に多く見られる被害であるので、本発明の果実袋を使用することによって、梨やりんごをより安全且つ効率的に栽培することができる。
請求項2に係る果実袋によると、ピレスロイド化合物はペルメトリンであるので、シンクイムシに対する防虫効果及び果実への低い残留性が明らかである。したがって、シンクイムシの防除に好適に用いることができる。
請求項3に係る果実袋によると、有機リン化合物はダイアジノンであるので、カイガラムシを好適に防除することができる。
請求項4に係る果実袋によると、ピレスロイド化合物は原紙1平方メートル当たり1.72ミリグラム以上172.41ミリグラム以下塗布又は浸漬されるので、この果実袋を被袋した果実に残留するピレスロイド化合物の量は0.06ppm以下という極めて低い値となり、より安全な果実を提供することができる。また、ピレスロイド化合物を原紙1平方メートル当たり1.72ミリグラム以上塗布又は浸漬することにより、より好適にシンクイムシの防除を行うことができる。
請求項5に係る果実袋によると、有機リン化合物は原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラム以上206.90ミリグラム以下塗布又は浸漬されるので、この果実袋を被袋した果実に残留する有機リン化合物の量は1.00ppm以下となる。例えば代表的な有機リン化合物であるダイアジノンに対する食品衛生法に基く残留農薬基準値は日本梨では0.1ppmであり、その他の果実についても0.1ppmから1ppmの範囲であるので、本発明の果実袋を被袋した果実の農薬残留値を農薬残留基準値以下の値とすることができる。また、有機リン化合物を原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラム以上塗布又は浸漬することにより、より好適にカイガラムシの防除を行うことができる。
本発明の果実袋1はピレスロイド化合物と有機リン化合物とを塗布又は浸漬したものである。本発明のピレスロイド化合物には、主なものとして、ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、アレスリンI、アレスリンII、D−テトラメトリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン(スミスリン)、ペルメトリン、シフェノトリン、ブラトリン、エトフェンプロックス(ベクトロン)、シフルトリン、テフルトリン、ビフェントリン、レスメトリン、シペルメトリン、フルバリネート等が挙げられる。
本発明の有機リン化合物には、主なものとして、ダイアジノン、プロチオホス(トクチオン)、ジクロルボス(DDVP)、テメホス(アベイト)、ピリダフェンチオン(オフナック)、トリクロルホン(ディプテレックス)、フェニトロチオン(スミチオン)、フェンチオン(バイテックス)、プロペンタホス(サフロチン)、クロロピリホスメチル(ザーテル)、マラソン、スプラサイド、オルトラン、カルホス等が挙げられる。
なお、本発明に係るペルメトリンは各異性体を含むものであり、ペルメトリンの量は各異性体の和である。
本発明の果実袋1は、白色模造紙、褐色模造紙、赤色模造紙、筋入りクラフト紙、筋無クラフト紙、新聞用原紙などの種類の果実袋原紙を用いて製造できる。なおパラフィンワックスやエマルジョンワックスなどを用いて撥水加工する場合には、撥水加工前の原紙にピレスロイド化合物及び有機リン化合物を塗布または浸漬して、その後、パラフィン加工やエマルジョン加工するか、もしくは、液状のパラフィンワックスやエマルジョンワックスにピレスロイド化合物及び有機リン化合物を溶解させた混合液を用いて、パラフィン加工やエマルジョン加工することで、果実袋原紙により好適にピレスロイド化合物及び有機リン化合物を付着又は含浸させることができる。
また、本発明の果実袋1は、ピレスロイド化合物及び有機リン化合物を溶解させた水溶液が付着したローラを果実袋の原紙に密着させることで塗布する塗布装置やピレスロイド化合物及び有機リン化合物を溶解させた水溶液をスプレーにより原紙に噴射する塗布装置などの公知の塗布装置を用いて製造できる。
また、塗布装置によって、果実袋原紙に、ピレスロイド化合物の水溶液を塗布し、その後で有機リン化合物の水溶液を塗布してもよく、有機リン化合物の水溶液を塗布した後でピレスロイド化合物の水溶液を塗布してもよい。
また、ピレスロイド化合物の水溶液と有機リン化合物の水溶液とを混合した混合液に果実袋原紙を浸けることにより製造してもよく、ピレスロイド化合物の水溶液に浸漬した後、有機リン化合物の水溶液に浸漬して製造してもよい。また、有機リン化合物の水溶液に浸漬した後、ピレスロイド化合物の水溶液に浸漬してもよい。
例えば、ピレスロイド化合物の20パーセント水溶液0.431グラム及び有機リン化合物の20パーセント水溶液4.31グラムをパラフィンワックス1キログラムに混入し、果実袋原紙を混合液に浸漬させると、果実袋原紙1平方メートル当たり10グラムの混合液が含浸する。したがって、このようにして製造すると、果実袋原紙1平方メートル当たりピレスロイド化合物8.62ミリグラム及び有機リン化合物86.21ミリグラム含有し、標準的な梨用果実袋のサイズである580平方センチメートル当たりピレスロイド化合物0.50ミリグラム、有機リン化合物5.00ミリグラムが含まれる果実袋1を製造できる。
本発明の果実袋1を利用して果実を栽培するときに、開花後20日頃の幼果に、防菌処理を施した小袋掛けを行い、更に成長が進んで、開花後50日頃の果実に、本発明の果実袋1を被袋する。なお、このように幼果に対して小袋掛けを行うことなく、大袋のみを袋掛けする栽培方法においても、本発明の果実袋1は適用できる。
本発明の果実袋は、1重の果実袋1であっても、内袋3と外袋2とを備える2重の果実袋1であってもよく、2重の果実袋1とするときにはピレスロイド化合物及び有機リン化合物を内袋3と外袋2とのどちらに塗布又は浸漬してもよい。また、ピレスロイド化合物又は/及び有機リン化合物を果実袋原紙に塗布する場合に、袋の表面となる面に塗布してもよく、袋の裏面となる面に塗布してもよい。なお、図1及び図2において本発明に係る果実袋の一例として2重の果実袋1を提示しているが、上述の通り1重の果実袋であっても良い。
[農薬残留量の調査]
各種の農薬が食品衛生法により定められる基準(以下残留農薬基準値という)を超えて残留する食品は日本国内で流通及び販売することができない。そこで、ピレスロイド化合物であるペルメトリンを浸漬した果実袋、有機リン化合物であるプロチオホスを浸漬した果実袋、及び、有機リン化合物であるダイアジノンを浸漬した果実袋のそれぞれを被袋して栽培した二十世紀梨の農薬残留値を調査した。
なお、二十世紀梨等の日本梨の残留農薬基準値は、下記の表1に示すように、ペルメトリンが2.0ppm、プロチオホスが0.1ppm、ダイアジノンが0.1ppmである。したがって、この値を超えて農薬が残留する日本梨を流通及び販売することはできない。
表1に示す1から12の各区分毎に、無作為に抽出した二十世紀梨200個にそれぞれの果実袋を被袋した。被袋した期間は6月20日から8月25日までの間であり、8月25日に各区分の二十世紀梨80個を採取して調査を行った。
区分1の果実袋は農薬を塗布及び浸漬のいずれもしていない。区分2の果実袋には、ペルメトリンを果実袋の原紙1平方メートル当たり1.72ミリグラム浸漬した。区分3の果実袋には、ペルメトリンを果実袋の原紙1平方メートル当たり8.62ミリグラム浸漬した。区分4の果実袋には、ペルメトリンを果実袋の原紙1平方メートル当たり25.86ミリグラム浸漬した。区分5の果実袋には、ペルメトリンを果実袋の原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラム浸漬した。区分6の果実袋には、ペルメトリンを果実袋の原紙1平方メートル当たり172.41ミリグラム浸漬した。区分7の果実袋には、プロチオホスを果実袋の原紙1平方メートル当たり8.62ミリグラム浸漬した。区分8の果実袋には、プロチオホスを果実袋の原紙1平方メートル当たり17.24ミリグラム浸漬した。区分9の果実袋には、ダイアジノンを果実袋の原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラム浸漬した。区分10の果実袋には、ダイアジノンを果実袋の原紙1平方メートル当たり86.21ミリグラム浸漬した。区分11の果実袋には、ダイアジノンを果実袋の原紙1平方メートル当たり137.93ミリグラム浸漬した。区分12の果実袋には、ダイアジノンを果実袋の原紙1平方メートル当たり206.90ミリグラム浸漬した。
調査結果は表1に示すとおりである。
Figure 2008005828
次に本発明の果実袋を被袋して栽培を行った二十世紀梨のシンクイムシ及びカイガラムシ被害について調査を行った。
[実施例1]
無作為に抽出した二十世紀梨100個の幼果に防菌剤としてダコニールを塗布した小型の果実袋を被袋した後、6月20日に大型の果実袋(以下において、大袋という)を被袋した。その後、9月5日に50個の二十世紀梨を採取して調査した。
実施例1に用いた大袋2は、液状のパラフィンワックス100キログラムにペルメトリン17.24グラム及びダイアジノン517.24グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が浸漬した。その後、果実袋原紙を乾燥させ580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された実施例1に用いた大袋1枚当たりのペルメトリン含浸量は0.10ミリグラム、大袋1枚当たりのダイアジノンの含浸量は3.00ミリグラムとなった。また、原紙1平方メートル当たりのペルメトリンの含浸量は1.72ミリグラム、原紙1平方メートル当たりのダイアジノンの含浸量は51.72ミリグラムとなった。
調査結果は、下記の表2に示すとおりである。
[実施例2]
実施例2に用いた大袋は、液状のパラフィンワックス100キログラムにペルメトリン86.2グラム及びダイアジノン517.24グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が浸漬した。その後、果実袋原紙を乾燥させ580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された実施例2に用いた大袋1枚当たりのペルメトリン含浸量は0.50ミリグラム、大袋1枚当たりのダイアジノンの含浸量は3.00ミリグラムとなった。また、原紙1平方メートル当たりのペルメトリンの含浸量は8.62ミリグラム、原紙1平方メートル当たりのダイアジノンの含浸量は51.72ミリグラムとなった。
大袋に浸漬した薬剤の量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表2に示すとおりである。
[実施例3]
実施例3に用いた大袋は、液状のパラフィンワックス100キログラムにペルメトリン258.6グラム及びダイアジノン517.24グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が浸漬した。その後、果実袋原紙を乾燥させ580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された実施例3に用いた大袋1枚当たりのペルメトリン含浸量は1.50ミリグラム、大袋1枚当たりのダイアジノンの含浸量は3.00ミリグラムとなった。また、原紙1平方メートル当たりのペルメトリンの含浸量は25.86ミリグラム、原紙1平方メートル当たりのダイアジノンの含浸量は51.72ミリグラムとなった。
大袋に浸漬した薬剤の量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表2に示すとおりである。
[実施例4]
実施例4に用いた大袋は、液状のパラフィンワックス100キログラムにペルメトリン517.2グラム及びダイアジノン517.2グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が浸漬した。その後、果実袋原紙を乾燥させて580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された実施例4に用いた大袋1枚当たりのペルメトリン含浸量は3.00ミリグラム、大袋1枚当たりのダイアジノンの含浸量は3.00ミリグラムとなった。また、原紙1平方メートル当たりのペルメトリンの含浸量は51.72ミリグラム、原紙1平方メートル当たりのダイアジノンの含浸量は51.72ミリグラムとなった。
大袋に浸漬した薬剤の量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表2に示すとおりである。
[実施例5]
実施例5に用いた大袋は、液状のパラフィンワックス100キログラムにペルメトリン1724.1グラム及びダイアジノン517.2グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が浸漬した。その後、果実袋原紙を乾燥させて580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された実施例4に用いた大袋1枚当たりのペルメトリン含浸量は10.00ミリグラム、大袋1枚当たりのダイアジノンの含浸量は3.00ミリグラムとなった。また、原紙1平方メートル当たりのペルメトリンの含浸量は172.41ミリグラム、原紙1平方メートル当たりのダイアジノンの含浸量は51.72ミリグラムとなった。
大袋に浸漬した薬剤の量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表2に示すとおりである。
Figure 2008005828
[比較例1]
比較例1に用いた大袋は、液状のパラフィンワックスに、果実袋原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が浸漬した。その後、果実袋原紙を乾燥させて580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
大袋に浸漬した薬剤の種類及び量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表3に示すとおりである。
[比較例2]
比較例2に用いた大袋は、100キログラムの液状のパラフィンワックスにダイアジノン8621グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が含浸した。その後果実袋原紙を乾燥させて580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された比較例2に用いた大袋1枚当たりのダイアジノンの含浸量は5.00ミリグラムとなった。また、原紙1平方メートル当たりのダイアジノンの含浸量は86.21ミリグラムとなった。
大袋に浸漬した薬剤の種類及び量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表3に示すとおりである。
[比較例3]
比較例3に用いた大袋は、100キログラムの液状のパラフィンワックスにダイアジノン17241グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が含浸した。その後、果実袋原紙を乾燥させて580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された比較例3に用いた大袋1枚当たりのダイアジノンの含浸量は10.00ミリグラムとなった。また、原紙1平方メートル当たりのダイアジノンの含浸量は172.41ミリグラムとなった。
大袋に浸漬した薬剤の種類及び量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表3に示すとおりである。
[比較例4]
比較例4に用いた大袋は、100キログラムの液状のパラフィンワックスにプロチオホス(トクチオン)862グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が含浸した。その後、果実袋原紙を乾燥させて580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された比較例4に用いた大袋1枚当たりのプロチオホス(トクチオン)の含浸量は0.50ミリグラム、原紙1平方メートル当たりのプロチオホス(トクチオン)の含浸量は8.62ミリグラムとなった。
大袋に浸漬した薬剤の種類及び量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表3に示すとおりである。
[比較例5]
比較例5に用いた大袋は、100キログラムの液状のパラフィンワックスにプロチオホス1724グラムを混入した混合液に、果実袋の原紙を浸漬した。なお、この時、果実袋原紙には、1平方メートル当たり10グラムの混合液が含浸した。その後、果実袋原紙を乾燥させて580平方センチメートル毎に裁断し製袋した。
以上により製造された比較例5に用いた大袋1枚当たりのプロチオホス(トクチオン)の含浸量は1.00ミリグラム、原紙1平方メートル当たりのプロチオホス(トクチオン)の含浸量は17.24ミリグラムとなった。
大袋に浸漬した薬剤の種類及び量以外は実施例1と同じである。
調査結果は、下記の表3に示すとおりである。
Figure 2008005828
以上の実施例及び比較例から明らかなように、ペルメトリンの塗布量が少なくとも果実袋の原紙1平方メートル当たり1.72ミリグラムから172.41ミリグラムの範囲で、ダイアジノンの塗布量が少なくとも果実袋の原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラムのときにシンクイムシ及びカイガラムシの被害は発生していない。薬剤の量が多いほど防虫効果は高まるものであるから、ペルメトリンの塗布量が果実袋の原紙1平方メートル当たり1.72ミリグラム以上であって、ダイアジノンの塗布量が果実袋の原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラム以上のときに、シンクイムシ及びカイガラムシによる被害は発生しない。
また、ペルメトリンの塗布量が少なくとも果実袋の原紙1平方メートル当たり174.41ミリグラムのときに、果実の残留農薬量は0.06ppmである。したがって、少なくとも、ペルメトリンの塗布量が果実袋の原紙1平方メートル当たり172.41ミリグラム以下であれば、ペルメトリンの残留農薬基準値である2.0ppmを超えることはない。
また、ダイアジノンの塗布量が少なくとも果実袋の原紙1平方メートル当たり206.90ミリグラムときに、果実の残留農薬量は、0.10ppmである。したがって、少なくとも、ダイアジノンの塗布量が果実袋の原紙1平方メートル当たり206.90ミリグラム以下であれば、ダイアジノンの残留農薬基準値である0.1ppmを超えることはない。
以上のことから、ペルメトリンの果実袋の原紙1平方メートル当たりの塗布量が1.72ミリグラム以上172.41ミリグラム以下であって、ダイアジノンの果実袋の原紙1平方メートル当たりの塗布量が51.72ミリグラム以上206.90ミリグラム以下のときには、果実の残留農薬基準値以下の残留農薬量で、シンクイムシやカイガラムシの被害を防ぐことができる。
以上のように、本発明に係る果実袋は、例えば二十世紀梨等の果実の栽培に用いる果実袋に適用できる。
本実施形態の果実袋1の正面図である。 本実施形態の果実袋1の使用状態説明図である。
符号の説明
1 果実袋
2 外袋
3 内袋
4 梨

Claims (5)

  1. ピレスロイド化合物と有機リン化合物とを塗布又は浸漬した原紙を製袋することを特徴とする果実袋。
  2. 前記ピレスロイド化合物はペルメトリンであることを特徴とする請求項1記載の果実袋。
  3. 前記有機リン化合物はダイアジノンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の果実袋。
  4. 前記ピレスロイド化合物は原紙1平方メートル当たり1.72ミリグラム以上172.41ミリグラム以下塗布又は浸漬されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の果実袋。
  5. 前記有機リン化合物は原紙1平方メートル当たり51.72ミリグラム以上206.90ミリグラム以下塗布又は浸漬されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の果実袋。
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