JP2008004759A - 機器固定機構 - Google Patents

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Yuzuru Sakamoto
譲 坂本
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Abstract

【課題】ガイドピンとガイドピン受けにより遊隙のない支持が得られるようにした機器固定機構を提供すること。
【解決手段】ユニット1にガイドピン10を設け、筐体2には弾性板材のガイドピン受けばね20を設けておいて、ユニット1を筐体2の中に挿入したとき、ガイドピン受けばね20の孔20aにガイドピン10が入り込んでから大径部10aがガイドピン受けばね20を押すようにする。これによりガイドピン受けばね20が弾性変形して傾き、ガイドピン10を下方に押す力がガイドピン受けばね20の孔20aにより発生され、ユニット1が筐体底板20hに押し付け固定されるようにしたもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐震性を備えた無線機器のための固定機構に係り、特に、ラックに装荷されて使用される無線機器の筐体とこれに実装される機器ユニットの固定機構及び無線機器の筐体とラックの固定機構に関する。
放送局や通信所などで使用される設置式の無線機器では、必要な回路を機能毎に分けてユニット化し、必要なユニットを複数まとめて筐体に収納し、装置を組立てる場合が多い(例えば特許文献1参照。)。そこで、このような無線機器の一例について図6により説明すると、この図に示した無線機器は、当該機器を構成する複数のユニット1を筐体2に収納し、この筐体2をラックと呼ばれる組立架3に取付け、この組立架3を必要な場所に設置するようになっている。
このため、筐体2の下板の内面上にはユニット用のガイド部材2aが設けられていて、この間にユニット1が、筐体2の正面から、矢印Aで示すように挿入され、下面の上を滑らせるようにして奥までスライドされるようになっている。このときユニット1の前面にはパネル1aが設けられ、これに対応して、筐体2の正面周辺にはフランジ部2bが設けられている。
そこで、ユニット1を筐体2に挿入し、パネル1aの後面がフランジ部2bの前面の上下の部分に接触するまで奥に入ったら、ここでパネル1aを、例えば2本のユニット固定ねじ1bにより、フランジ部2bに固定するのである。このとき、ユニット1の後端と筐体2の奥には各々コネクタ4、5が設けてあり、ユニット1が筐体2の中に収納されたとき、電気回路に必要な接続が与えられるようになっている。
次に、この筐体2を組立架3に取付けるため組立架3の内側には両側にレール3aが設けてあり、且つ、前面の近傍にある縦部材には、筐体2のフランジ部2bに対応した取付部3bが設けてある。そして、矢印Bで示すように、筐体2を組立架3の中に正面から挿入させたとき、筐体2の底面の両端部がこれらレール3aの上に乗るようになっている。そこで、筐体2をレール3aに乗せて組立架3の中に挿入し、奥まで押し込むと、フランジ部2bの後面が取付部3bに当接して停止するので、ここで、例えば8本の筐体固定ねじ2cにより、フランジ部2bを取付部3bに固定するのである。
ところで、この無線機器の場合、ユニット1は、パネル1aの周辺面がフランジ部2bに固定されているだけなので、パネル1aを支点として後端側が筐体2に対して上下と左右に振動するカンチレバー(片持ち梁)構造になっている。また、このことは筐体2についても同じで、この場合は、フランジ部2bを支点として後端側が組立架3に対して上下と左右に振動するカンチレバー構造になっていることになり、何れも振動による破損の虞がある。
そこで、耐震性を持たせるため、例えば図7に示す構成が提案されている。ここで、図7(a)は上面図で、(b)は正面図、それに(c)は側面図であり、この場合、筐体2の中にはユニット固定部材2dを設け、組立架3には筐体固定部材3cを設けておく。そして、筐体2の中にユニット1を挿入したとき、ユニット固定ねじ2eにより、ユニット1の後端部(パネル1aとは反対側の他端部)をユニット固定部材2dに固定し、筐体2を組立架3に挿入したときには、筐体固定ボルト3dにより、筐体2の後端部(フランジ部2bとは反対側の他端部)を筐体固定部材3cに固定するのである。
ところで、この図7の場合、筐体2の背面と組立架3の背面に組立作業用の窓又は扉が必要になるので構成が複雑化し、且つ、組立架3の背面に組立作業用のスペースが必要なため、機器の設置に制約が生じてしまう。そこで、図8に示すように、ガイドピンとガイドピン受けにより耐震性が与えられるようにした構成が従来技術として提案されている。なお、ここでも図8の(a)は上面図で、(b)は正面図、(c)は側面図である。
この図8の従来技術の場合、ユニット1の背面にはユニットガイドピン1cが取付けられ、筐体2の背面には筐体ガイドピン2gが取付けられている。そして、筐体2の中にはユニットガイドピン受け2fが設けられ、組立架3には筐体ガイドピン受け3eが設けられいる。このとき、これらユニットガイドピン受け2fと筐体ガイドピン受け3eには、各々ユニットガイドピン1cと筐体ガイドピン2gに対応した孔が設けてある。
そこで、ユニット1を筐体2の中に挿入したときには、そのユニットガイドピン1cがユニットガイドピン受け2fの孔に嵌合するので、ユニット1の後端が筐体2に支持された形になり、筐体2を組立架3の中に挿入したときには、その筐体ガイドピン2gが筐体ガイドピン受け3eに嵌合し、筐体2の後端が組立架3に支持された形になるので、簡単に耐震性が付与されることになり、この結果、構成が複雑化したり、機器の設置に制約が生じたりすることなく、耐震性がもたせられることになる。
特開2004−152879号公報
上記従来技術は、ガイドピン受けによるガイドピンの支持に遊隙(クリアランス)が存在する点に配慮がされておらず、耐震性の付与に問題があった。すなわち、従来技術では、ガイドピンはガイドピン受けの孔に嵌合して保持されるが、このとき挿入と抜き出しのためには或る程度のゆとりが必要であり、このために設けられているのが遊隙、つまり遊び空隙であり、それの存在はほとんど不可避である。
しかし、このためガイドピンをガイドピン受けの孔に嵌合させたとしても、本当の意味での嵌合は得られず、がたが残ってしまうことになり、従って、耐震性に問題が生じてしまうのである。また、この場合、振動によりガイドピンがガイドピン受け孔に対して遊動するので、衝突による衝撃音の発生が避けられず、破損の虞も避けることができない。
本発明は、上記実情に鑑みて成されたもので、その目的は、ガイドピンとガイドピン受けにより遊隙のない支持が得られるようにした機器固定機構を提供することにある。
前記の目的は、収納部に対する物体の固定にガイドピンとガイドピン受けを用いた機器固定機構において、前記ガイドピンの根本に大径部を設けると共に、前記ガイドピン受けを、前記ガイドピンの挿入方向に対して略直角になった部分に前記ガイドピンが挿入される孔を備えた弾性板材で形成し、前記物体を前記収納部に挿入させたとき、前記大径部が前記ガイドピン受けを弾性変形させて傾くようにして達成される。
このとき、前記物体が無線機器のユニットであり、前記収納部が前記無線機器の筐体であるようにしてもよく、前記物体が無線機器の筐体であり、前記収納部が前記無線機器の筐体を設置するための組立架であるようにしてもよい。
本発明によれば、設置面積が少なく安価な機構で確実に機器の固定に耐震性を付与することができる。また、本発明によれば、弾性板材のガイドピン受けによる水平方向の分力がユニットや筐体などの物体を押し出す方向に働いている。従って、本発明によれば、固定ねじを外しただけでユニットや筐体などの物体が手元側に押し出されるようになり、この結果、物体の取外しが容易になり、且つ、取付け状態では、前記の水平方向の分力が取付けねじにも働いているので、スプリングワッシャが入った状態と同等になるため、耐震に対してゆるみ止めの効果を増大することができる。
以下、本発明による機器固定機構について、図示の実施の形態により詳細に説明する。ここで、図1は、本発明を無線機器のユニットと筐体の固定機構に適用した場合の一実施の形態で、ここに示したユニット1と筐体2は、図8に示した従来技術の場合と同じであり、このときユニット1の後端部には、従来技術の場合のユニットガイドピン1cに代えてガイドピン10が取付けられ、同じく従来技術の場合のユニットガイドピン受け2fに代えて弾性板材から形成されるガイドピン受けばね20が設けられているが、その他の部材については同じである。
このときガイドピン受けばね20は、受け孔20aと湾曲部20bを設けた鋼板などの弾性板材で作られていて、筐体底板2hにねじ止めされている。そして、図1の拡大図に示されているように、ユニット1を筐体2の中に挿入したとき、その受け孔20aにガイドピン10が入り込むようになっている点は従来技術の場合と同じであるが、この実施形態の場合、このガイドピン受けばね20がガイドピン10に形成してある大径部10aにより押されて弾性変形し、撓んだ結果、ガイドピン10がガイドピン受けばね20により一方向に押された形になって、がたの無い係合が与えられると共に、ユニット1の後端部を筐体底板2hに押し付ける力がガイドピン受けばね20に現われるようにしてある。
詳しく説明すると、ここでまず、図2は、この実施形態において、ユニット1が筐体2の中に挿入された状態にあるときを示したもので、ここで(a)は正面図で(b)は側断面図であり、ガイドピン10がガイドピン受けばね20の受け孔20aに入り込んでいる状態が示され、このときガイドピン10には大径部10aが形成されているものであることが明瞭に表わされており、ここで筐体2には筐体底板2hがあり、この上にユニット1が位置していることが示されている。
次に、ガイドピン10とガイドピン受けばね20の動きについて、図3と図4により更に詳しく説明する。ここで、まず図3は、ユニット1が矢印Aで示す挿入(後退)方向に押され、ガイドピン10がガイドピン受けばね20の受け孔20aに入り込んているが、まだ、その大径部10aがガイドピン受けばね20に当接していないときを表わしたもので、このとき(a)は正面図で(b)は背面図であり、このときのガイドピン受けばね20の形が弾性変形していないときを表わしている。
このときガイドピン受けばね20の受け孔20aは、図示のように、上下に長い長円形にしてあり、このときの短径寸法はガイドピン10の太さに対して僅かに大きくしてあって、ガイドピン10が受け孔20aの中に余裕をもって入り込めるようになっている。そして、この図3の状態では、まだガイドピン10はガイドピン受けばね20の受け孔20aにゆるく入り込んだままであり、従って、ガイドピン受けばね20が弾性変形していないのである。
ここでユニット1を更に矢印A方向に移動させた状態を示したのが図4であり、ここでも(a)は背面図で(b)は側面図である。そして、このときは、ガイドピン受けばね20にガイドピン10の大径部10aが当接し、ガイドピン受けばね20の湾曲部20bが弾性変形して撓み矢印B方向(斜め下方)に傾き、この結果、ガイドピン受けばね20の受け孔20aが矢印C方向、すなわち下向きの方向に動かされた状態が示されている。そして、この場合は、受け孔20aの内周上部がガイドピン10を上から強く押し、この結果、ユニット1の後端部が筐体底板2hに強く押し付けられ、ここに強固に支持されることになる。
そこで、この図4の状態になったとき、図2に示すように、パネル1aをユニット固定ねじ1bにより筐体2のフランジ部2bに取付けてやれば、ユニット1は前端部と後端部の双方で筐体1に支持されることになり、カンチレバー構造で支持した場合に比較して高い耐震性が与えられることになる。しかも、このときのガイドピン受けばね20によるガイドピン10の嵌合は、単にユニット1の挿入だけで得られるので、極めて簡単な操作で済むことになり、勿論、組立架3の後ろに余分なスペースは不要である。
また、この実施形態の場合、ガイドピン受けばね20からのガイドピン10の嵌合外しも容易であり、ユニット固定ねじ1bを取外した後、単にユニット1を筐体2から引き出してやればよい。このときガイドピン10とガイドピン受けばね20の嵌合状態は、図4の状態から図3の状態になり、ここでガイドピン受けばね20の撓みが無くなり、元の弾性変形の無い状態に戻った結果、ガイドピン10はガイドピン受けばね20の受け孔20aから簡単に抜け出され、ユニット1を筐体2から取り出すことができる。
従って、この実施形態によれば、設置面積が少なく安価な機構で確実に機器の固定に耐震性を付与することができる。
ところで、以上の実施形態では、本発明をユニット1と筐体2の固定に適用した場合について説明したが、本発明は筐体2と組立架3の固定にも適用できることは言うまでもなく、この場合は、図8の筐体ガイドピン2gに代えてガイドピン10を取付け、同じく筐体ガイドピン受け3eに代えてガイドピン受けばね20を設けてやればよい。
そして、この場合も、カンチレバー構造で支持した場合に比較して筐体2に高い耐震性が与えられることになり、しかも、このときも筐体2の組立架3への収納と、筐体2の組立架3からの取外しも、単に筐体2の挿入と引出しだけで得られるので、極めて簡単な操作で済むことになり、勿論、組立架3の後ろに余分なスペースを要することもない。
また、この実施形態によれば、弾性板材のガイドピン受けばね20による水平方向の分力がユニット1や筐体2などの物体を押し出す方向に働いているので、例えばユニット固定ねじ1bを外しただけでユニットなどの物体が手元側に押し出されるようになり、この結果、物体の取外しが容易になり、且つ、取付け状態では、前記の水平方向の分力がユニット固定ねじ1bにも働いているので、スプリングワッシャが入った状態と同等になるため、振動に対してゆるみ止め効果を発揮させることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明すると、本発明は、ユニットの左右方向の振動に対しても適用することができ、この場合は、ガイドピン受けばねとして図5に示すガイドピン受けばね200を使用する。そして、このガイドピン受けばね200は、筐体底板2hに取り付けられるように受け孔200aから下方に伸びた部分200bと、筐体側壁2jに取り付けられるように受け孔200aから側方に伸びた部分200cとを設けると共に、受け孔200aの長径方向を斜めにしたものである。このとき、図8の(a)は斜視図で、同図(b)はガイドピン10が受け孔200aの中に挿入される前の状態を示し、同図(c)は、ガイドピン10が受け孔200aの中に挿入された後の状態を示したものである。
従って、この実施形態の場合、ガイドピン受けばね200は、ガイドピン10が受け孔200aの中に挿入されるにつれて、同図(a)に矢印Dで示す斜め方向に弾性変形し、この結果、ガイドピン10は受け孔200aの中で斜め下方向に押さえ付けられ、これに伴ってユニット1は、その下面の端部が筐体側壁2jと筐体底板2hの接合部に強固に保持されるようになり、カンチレバー構造で支持した場合に比較してユニット1に高い耐震性が与えられる。しかも、このときのガイドピン受けばね200によるガイドピン10の嵌合は、この実施形態でも単にユニット1の挿入だけという極めて簡単な操作で済むことになり、勿論、組立架3の後ろに余分なスペースは不要である。
本発明による機器固定機構の一実施形態を示す立体説明図である。 本発明の一実施形態におけるユニットと筐体の詳細を示す説明図である。 本発明の一実施形態によるガイドピンがガイドピン受けばねに挿入される前の状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態によるガイドピンがガイドピン受けばねに挿入された後の状態を示す説明図である。 本発明による機器固定機構の他の一実施形態におけるユニットと筐体の詳細を示す説明図である。 設置式の無線機器の一例を示す説明図である。 従来技術による機器固定機構の一例を示す立体説明図である。 従来技術による機器固定機構の他の一例を示す立体説明図である。
符号の説明
1:ユニット
1a:パネル
1b:ユニット固定ねじ
2:筐体
2a:レール(ユニット用)
2b:フランジ部
2c:筐体固定ねじ
2d:ユニット固定部材
2e:ユニット固定ねじ
2f:ガイドピン(従来技術のガイドピン)
2h:筐体底板
2j:筐体側壁
3:組立架(ラック)
3a:レール(筐体用)
3b:取付部
3c:筐体固定部材
3d:筐体固定ボルト
10:ガイドピン
10a:大径部(ガイドピン10の大径部)
20:ガイドピン受けばね
20a:孔(ガイドピン受けばね20の孔)
20b:湾曲部
200:ガイドピン受けばね
200a:孔(ガイドピン受けばね200の孔)
200b:下方に伸びた部分(ガイドピン受けばねの下方に伸びた部分)
200c:側方に伸びた部分(ガイドピン受けばねの側方に伸びた部分)

Claims (3)

  1. 収納部に対する物体の固定にガイドピンとガイドピン受けを用いた機器固定機構において、
    前記ガイドピンの根本に大径部を設けると共に、
    前記ガイドピン受けを、前記ガイドピンの挿入方向に対して略直角になった部分に前記ガイドピンが挿入される孔を備えた弾性板材で形成し、
    前記物体を前記収納部に挿入させたとき、前記大径部が前記ガイドピン受けを弾性変形させ、前記ガイドピン受けが前記ガイドピンの挿入方向に傾くように構成したことを特徴とする機器固定機構。
  2. 請求項1に記載の機器固定機構において、
    前記物体が無線機器のユニットであり、
    前記収納部が前記無線機器の筐体であることを特徴とする機器固定機構。
  3. 請求項1に記載の機器固定機構において、
    前記物体が無線機器の筐体であり、
    前記収納部が前記無線機器の筐体を設置するための組立架であることを特徴とする機器固定機構。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016004905A (ja) * 2014-06-17 2016-01-12 富士電機株式会社 引出し形電子機器装置
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