JP2008004642A - 多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層セラミック基板を、マザー多層セラミック基板を個々の多層セラミック基板に分割する工程を経て製造する場合において、焼成後にも個々の多層セラミック基板が配列された状態を維持することが可能な多層セラミック基板の製造方法を提供する。
【解決手段】(a)未焼結のマザー多層セラミック基板40と、焼成工程では焼結しない材料からなり、未焼結のマザー多層セラミック基板の個々の多層セラミック基板4aとなる領域のそれぞれに連結される凸状構造体20を備えた補助層21とを積み重ねることにより、未焼結のマザー多層セラミック基板の一方主面側に補助層が配設された複合積層体Aを形成し、(b)個々の多層セラミック基板となるべき領域毎に分割されるが、一方主面側に配設された補助層は分割されないように切り込み溝43を形成した後、(c)補助層は実質的に焼結しないが、未焼結セラミック基材層1および凸状構造体が焼結する温度で焼成する。
【選択図】図4

Description

本願発明は、多層セラミック基板の製造方法に関し、詳しくは、複数の個々の多層セラミック基板を含むマザー多層セラミック基板を個々の多層セラミック基板に分割する工程を備えた多層セラミック基板の製造方法に関する。
近年、エレクトロニクス分野における電子部品の性能は著しく向上しており、大型コンピュータ、移動通信端末、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置における情報処理速度の高速化、装置の小型化、多機能化に貢献している。
このような電子部品の一つとして、VLSI、ULSIなどの半導体デバイスをセラミック基板上に複数実装したマルチチップモジュール(MCM)が挙げられる。そして、このようなモジュールにおいては、LSIの実装密度を高め、各LSI間を電気的に確実に接続するために、配線導体を3次元的に配置した多層セラミック基板が広く用いられている。
ところで、このような多層セラミック基板の製造方法としては、個々の複数の多層セラミック基板を含むマザー多層セラミック基板を個々の多層セラミック基板に分割する工程を備えた、いわゆる多数個取りの多層セラミック基板の製造方法が知られている。
そして、このような多数個取りの多層セラミック基板の製造方法として、例えば、図14および15に示すように、セラミック絶縁材料粉末を含む未焼結のマザー多層セラミック基板51の上下両主面側に、上記セラミック絶縁材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含む収縮抑制層52a,52bを積層して、未焼結の複合積層体60を作製し、未焼結の複合積層体60の一方主面61aに、一方の収縮抑制層52aおよび未焼結のマザー多層セラミック基板51を貫通して他方の収縮抑制層52bに達し、かつ未焼結の複合積層体60の他方主面61bに届かない深さで、切り込み溝53を設け、切り込み溝53が設けられた未焼結の複合積層体60を、上記セラミック絶縁材料粉末は焼結するが上記無機材料粉末は焼結しない条件下で焼成した後、ブラシなどにより、上下の未焼結の収縮抑制層52a,52bを除去し、切り込み溝53に沿って分割された複数の個々の多層セラミック基板54を取り出す方法が提案されている。
この方法によれば、マザー多層セラミック基板を分割して複数の多層セラミック基板を取り出す際に、分割不良が発生せずかつ優れたハンドリング性を実現することができるとされている。
しかし、上記従来の方法においては、未焼結の収縮抑制層52a,52bを、ブラシなどによって機械的に除去するようにしているため、ブラシをかけて収縮抑制層52a,52bを除去した後においては、マザー多層セラミック基板の状態の個々の多層セラミック基板の配列状態を維持することができず、個々の多層セラミック基板がバラバラの状態で取り出されることになる。
すなわち、上記従来の方法の場合、焼成直前に個々の多層セラミック基板(子基板)に切断してから焼成する方法と比べて、焼成工程への投入時の配列が不要であること、および、焼成後の取り出しが容易であること以外は、特に差がなく、その後の表面実装部品の実装工程などにおいて、再度多層セラミック基板を配列させる必要が生じることになる。
なお、上記従来の方法においても、焼成後のマザー多層セラミック基板の、分割溝により分割されている側の収縮抑制層を除去した後に、新たに露出した多層セラミック基板のセラミック面に粘着シートなどを貼り付け、残った反対面の収縮抑制層を除去することにより、配列された状態での個々の多層セラミック基板の取り出しが可能になるが、マザー多層セラミック基板から両面の収縮抑制層を除去するのに多くの工数を要することに加え、ブラシなどによる収縮抑制層の除去作業の際に、粘着シートからの多層セラミック基板の脱落が生じやすくなる。
また、収縮抑制層の除去作業の際のブラシの摩擦力により、もろい未焼結の収縮抑制層に亀裂が生じ、実質的に個々の多層セラミック基板が分断された状態となってしまうという問題点がある。
特開2003−246680号公報
本願発明は、上記課題を解決するものであり、多層セラミック基板を、マザー多層セラミック基板を個々の多層セラミック基板に分割する工程を経て、効率よく製造することが可能で、しかも、焼成後にも個々の多層セラミック基板が配列された状態を維持することが可能な、多層セラミック基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1の多層セラミック基板の製造方法は、
(a)複数の未焼結セラミック基材層を積層してなり、複数の個々の多層セラミック基板に分割されることになる未焼結のマザー多層セラミック基板と、前記未焼結セラミック基材層の焼成温度では焼結しないセラミック材料を主成分とし、前記未焼結のマザー多層セラミック基板に含まれる、個々の多層セラミック基板となる領域のそれぞれに連結される、前記未焼結セラミック基材層の焼成温度で焼結する材料からなる凸状構造体を有する補助層とを積み重ねることにより、前記未焼結のマザー多層セラミック基板の一方主面側に前記補助層が配設された複合積層体を作製する工程と、
(b)前記複合積層体を構成する前記未焼結のマザー多層セラミック基板の、前記補助層が配設された前記一方主面側とは反対側の他方主面側から、前記未焼結のマザー多層セラミック基板は、前記個々の多層セラミック基板となるべき領域毎に分割されるが、前記一方主面側に配設された前記補助層は分割されないように切り込み溝を形成する工程と、
(c)前記切り込み溝が形成された前記複合積層体を、前記補助層は実質的に焼結しないが、前記未焼結セラミック基材層および前記凸状構造体が焼結する温度で焼成することにより、焼結済みの前記凸状構造体を介して、未焼結状態の前記補助層に固定された状態の、焼結済みの個々の多層セラミック基板を得る工程と
を具備することを特徴としている。
また、請求項2の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1の発明の構成において、焼結済みの前記凸状構造体を介して、前記補助層に固定された前記個々の多層セラミック基板を、前記補助層が配設された前記一方主面側とは反対側の他方主面側から固定部材に一体的に固定した後、前記補助層を除去する工程をさらに備えることを特徴としている。
また、請求項3の多層セラミック基板の製造方法は、請求項2の発明の構成において、前記一方主面側とは反対側の他方主面側から固定部材に固定された、前記補助層が除去された後の、前記個々の多層セラミック基板の前記一方主面側に表面実装型電子部品を搭載する工程をさらに備えることを特徴としている。
また、請求項4の多層セラミック基板の製造方法は、請求項2または3の発明の構成において、前記固定部材が、前記個々の多層セラミック基板を粘着力により保持、固定する粘着シートであることを特徴としている。
また、請求項5の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1〜4のいずれかの発明の構成において、前記未焼結のマザー多層セラミック基板と、前記補助層とを、前記焼成工程で消失する消失層を介して積み重ねることを特徴としている。
また、請求項6の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1〜5のいずれかの発明の構成において、前記未焼結の凸状構造体が、未焼結金属材料を主成分とする導電性材料から構成されたものであることを特徴としている。
また、請求項7の多層セラミック基板の製造方法は、請求項6の発明の構成において、前記導電性材料からなる焼結済みの凸状構造体に、表面実装型電子部品を搭載することを特徴としている。
また、請求項8の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1〜5のいずれかの発明の構成において、前記未焼結の凸状構造体が、前記未焼結セラミック基材層の焼成温度で焼結する未焼結セラミック材料を主成分とするセラミック材料から構成されたものであることを特徴としている。
また、請求項9の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1〜8のいずれかの発明の構成において、前記未焼結のマザー多層セラミック基板を、前記未焼結セラミック基材層と、前記未焼結セラミック基材層の平面方向の収縮を抑制するための収縮抑制層とを積層することにより形成することを特徴としている。
また、請求項10の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1〜9のいずれかの発明の構成において、前記未焼結のマザー多層セラミック基板の前記一方主面側に、前記収縮抑制層を配設することを特徴としている。
また、請求項11の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1〜10のいずれかの発明の構成において、前記補助層として、前記マザー多層セラミック基板に含まれる個々の多層セラミック基板のそれぞれに対して、前記凸状構造体の個数が複数となるように構成された補助層を用いることを特徴としている。
本願請求項1の多層セラミック基板の製造方法は、上述のように、(a)未焼結セラミック基材層を積層してなる、複数の多層セラミック基板に分割されることになる未焼結のマザー多層セラミック基板と、未焼結セラミック基材層の焼成温度では焼結しないセラミック材料を主成分とし、未焼結のマザー多層セラミック基板の、個々の多層セラミック基板となる領域のそれぞれに連結される、未焼結セラミック基材層の焼成温度で焼結する材料からなる凸状構造体を有する補助層とを積み重ねて、未焼結のマザー多層セラミック基板の一方主面側に補助層が配設された複合積層体を作製し、(b)複合積層体を構成する未焼結のマザー多層セラミック基板の、前記補助層が配設された前記一方主面側とは反対側の他方主面側から、未焼結のマザー多層セラミック基板は、個々の多層セラミック基板となるべき領域毎に分割されるが、一方主面側に配設された補助層は分割されないように切り込み溝を形成した後、(c)複合積層体を、補助層は実質に焼結しないが、未焼結セラミック基材層および凸状構造体が焼結する温度で焼成することにより、焼結済みの前記凸状構造体を介して、未焼結状態の前記補助層に固定された状態の、焼結済みの個々の多層セラミック基板を得るようにしているので、多層セラミック基板を、マザー多層セラミック基板を個々の多層セラミック基板に分割する工程を経て、効率よく製造することが可能で、かつ、焼成後にも個々の多層セラミック基板が配列された状態を維持することを可能とすることができる。
すなわち、本願発明の多層セラミック基板の製造方法においては、焼結済みの個々の多層セラミック基板が、焼結済みの凸状構造体を介して、分割されていない補助層に固定された状態(配列された状態)となるため、焼成後も、焼成前の配列された状態が維持され、分割された個々の多層セラミック基板を効率よく得ることが可能になる。
なお、焼成工程および焼成後に、多少の衝撃が加わっても、個々の多層セラミック基板は、凸形構造体を介して補助層に保持されているため、大きな位置ズレが生じることはない。
また、請求項2の多層セラミック基板の製造方法のように、請求項1の発明の構成において、焼結済みの凸状構造体を介して、補助層に固定された個々の多層セラミック基板を、補助層が配設された一方主面側とは反対側の他方主面側から固定部材に一体的に固定した後、補助層を除去するようにした場合、補助層が除去された後にも、確実に配列された状態にある多層セラミック基板を得ることが可能になる。
すなわち、個々の多層セラミック基板が固定部材に固定された状態で、補助層が除去されるため、補助層を、例えば、ブラシなどを用いて除去した場合にも、個々の多層セラミック基板が固定部材に固定されているため、焼成済みで、補助層が除去され、かつ、固定部材上に確実に配列された状態の個々の多層セラミック基板を得ることが可能になる。
また、請求項3の多層セラミック基板の製造方法のように、請求項2の発明の構成において、一方主面側とは反対側の他方主面側から固定部材に固定された、補助層が除去された後の、個々の多層セラミック基板の一方主面側に表面実装型電子部品を搭載するようにした場合、個々の多層セラミック基板が配列された状態に保持されているため、再配列のような複雑な工程を必要とせずに、一方主面側に表面実装型電子部品が搭載された多層基板を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項4の多層セラミック基板の製造方法のように、請求項2または3の発明の構成において、固定部材として、個々の多層セラミック基板を粘着力により保持、固定する粘着シートを用いることにより、個々の多層セラミック基板を、配列状態に確実に、保持、固定するとともに、必要に応じて、容易に個々の多層セラミック基板の保持、固定を解除することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。なお、粘着力は、光や熱などの外的作用によって制御可能なものであることが特に望ましい。
また、請求項5の多層セラミック基板の製造方法のように、請求項1〜4のいずれかの発明の構成において、未焼結のマザー多層セラミック基板と、補助層とを、焼成工程で消失する消失層を介して積み重ねることにより、補助層をより容易に除去することが可能になり、補助層を除去した後にも、確実に配列された状態の個々の多層セラミック基板を得ることが可能になる。
さらに詳しく説明すると、未焼結のマザー多層セラミック基板と、補助層とを、焼成工程で消失する消失層を介して積み重ねて複合積層体を作製し、上述の切り込み溝を形成した後、焼成を行うことにより、焼成後に、補助層とマザー多層セラミック基板の間に消失層が消失することにより形成された隙間が存在する状態で、補助層の除去が行われることになるため、補助層を極めて容易に除去することが可能になり、補助層を除去することにより、分割されかつ確実に配列された状態で個々の多層セラミック基板を得ることが可能になる。
なお、例えば、樹脂製で、消失層として機能することになるキャリアフィルム上に、難焼結性セラミック粉末を主とするセラミックスラリーを塗布し、ここに、レーザー加工などにより貫通孔を形成し、この貫通孔に凸状構造体となる材料(例えば、導電性ペーストやセラミックペーストなど)を充填した、いわゆるキャリアフィルム付きセラミックグリーンシートを、未焼結のマザー多層セラミック基板の一方主面側に貼り付けることにより、未焼結のマザー多層セラミック基板の一方主面側に、消失層(キャリアフィルム)を介して、凸状構造体を有する補助層が配置された複合積層体を効率よく形成することが可能になる。
また、請求項6の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1〜5のいずれかの発明の構成において、未焼結の凸状構造体を、未焼結金属材料を主成分とする導電性材料から構成されたものとした場合、未焼結金属材料が焼結した凸状導体を備え、かつ、配列された状態の個々の多層セラミック基板を得ることが可能になる。
また、請求項7の多層セラミック基板の製造方法のように、請求項6の発明の構成において、導電性材料からなる焼結済みの凸状構造体に、表面実装型電子部品を搭載することにより、個々の多層セラミック基板が配列された状態に保持されているため、複雑な工程を必要とせずに、一方主面側の焼結済みの凸状構造体である導体上に表面実装型電子部品が搭載された構造を有する多層セラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
また、請求項8の多層セラミック基板の製造方法のように、請求項1〜5のいずれかの発明の構成において、未焼結の凸状構造体を、未焼結セラミック基材層の焼成温度で焼結する未焼結セラミック材料を主成分とするセラミック材料から構成されたものとすることも可能であり、その場合にも、焼結済みのセラミック材料からなる凸状構造体を介して、分割されていない補助層に、配列された状態で固定された、焼結済みの個々の多層セラミック基板を得ることが可能になる。
また、請求項9の多層セラミック基板の製造方法のように、請求項1〜8のいずれかの発明の構成において、未焼結のマザー多層セラミック基板を、未焼結セラミック基材層と、未焼結セラミック基材層の平面方向の収縮を抑制するための収縮抑制層とを積層することにより形成するようにした場合、焼成工程において、マザー多層セラミック基板の平面方向の収縮を抑制、防止して、寸法精度や電極位置などに優れ、所望の特性を備えた、信頼性の高い多層セラミック基板を効率よく製造することが可能になる。
なお、マザー多層セラミック基板の収縮率よりも、補助層の収縮率が大きくなってしまうと、焼成過程において、補助層のようには収縮することができない、個々の多層セラミック基板どうしの衝突が生じ、位置ズレが激しくなり、本願発明の作用効果を損なうことになる。したがって、収縮抑制層を含めたマザー多層セラミック基板の収縮率は、補助層の収縮率よりもある程度大きいことが望ましい。
例えば、補助層が、焼成工程における収縮特性として、収縮前の平面方向寸法100に対し、焼成工程で収縮した後の寸法が99.9となるような収縮特性を有している場合、収縮抑制層を含めたマザー多層セラミック基板は、焼成工程における収縮特性として、収縮前の平面方向寸法100に対し、焼成工程で収縮した後の寸法が99.5以下となるような収縮特性を有していることが望ましい。
ただし、焼成後の工程において、凸状構造体を除去するため、個々の多層セラミック基板と凸状構造体との位置ずれが問題とならないような場合にはこの限りではない。
また、請求項10の多層セラミック基板の製造方法のように、請求項1〜9のいずれかの発明の構成において、未焼結のマザー多層セラミック基板の一方主面側に、収縮抑制層を配設するようにした場合、凸状構造体とマザー多層セラミック基板との間の位置ずれをより確実に抑制することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
すなわち、未焼結の凸状構造体と、未焼結のマザー多層セラミック基板を構成するセラミックとの間では、焼結収縮挙動のミスマッチングが生じることがあるが、未焼結のマザー多層セラミック基板の表面に実質的に焼結しない収縮抑制層を位置させることにより、上記焼結収縮挙動のミスマッチングの発生を抑制して、両者間の位置ずれを抑制することが可能になる。
また、請求項11の多層セラミック基板の製造方法は、請求項1〜10のいずれかの発明の構成において、補助層として、マザー多層セラミック基板に含まれる個々の多層セラミック基板のそれぞれに対して、凸状構造体の個数が複数となるように構成された補助層を用いることにより、平面方向からみた場合における、個々の多層セラミック基板の、回転方向への位置ずれを防止して、より高精度に配列された状態にある個々の多層セラミック基板を得ることが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本願発明の一実施例(実施例1)にかかる多層セラミック基板の製造方法により製造された多層セラミック基板、詳しくは、表面実装型電子部品が実装された状態の多層セラミック基板を示す断面図である。
この多層セラミック基板4aは、図1に示すように、セラミック基材層1aが積層され、かつ、所定の導体パターン2aが配設された多層セラミック基板4aと、多層セラミック基板4aの一方主面14aに、はんだ9aを介して導体パターン2aと接続するように配設された表面実装型電子部品10とを備えている。また、この多層セラミック基板4aは、一方主面14aに凸状構造体である突起状電極20aを1つ備えている。
以下に、この多層セラミック基板4aを製造する方法について、本願発明の多層セラミック基板の製造方法を示す図2〜図7の各断面図を参照しつつ説明する。
(1)まず、図2に示すように、焼成後にセラミック基材層1a(図1)となる未焼結セラミック基材層(セラミックグリーンシート)1を用意する。
この実施例1では、セラミック基材層1aを構成するセラミック材料として、焼成中にガラス成分を生成するBa−Al−Si−O系セラミックを用いた。また、未焼結セラミック基材層1の厚みは、焼成後の厚みが10μm〜100μmとなるようにした。
また、未焼結セラミック基材層1には必要に応じ、表面に所定のパターンで導電性ペースト22を印刷し、また、必要に応じ、ビアホール11を形成して導電性ペースト22を充填することにより、焼成後に導体パターン2a(図1)となる未焼結の導体パターン2を形成しておく。なお、この実施例1では、Cuを主成分とする導電性ペーストを用いて上述の各導体部を形成した。
(2)また、未焼結セラミック基材層1の焼成温度では焼結しないセラミック材料からなる補助層(補助層用セラミックグリーンシート)21の一方の面に、未焼結セラミック基材層1の焼成温度で分解、燃焼して消失する消失層5が配設された消失層付き補助層25を用意する。
この実施例1では、補助層21として、アルミナを樹脂バインダー中に分散させ、シート状に成形したものを用いた。なお、補助層21の厚みは100μmとした。
また、この実施例1では、消失層5として、ポリプロピレンビーズを樹脂バインダー中に分散させたものを、補助層21の一方の面にシート状に成形して、消失層とした。また、消失層5の厚みは10μmとした。
この実施例1では、消失層付き補助層25に、補助層21および消失層5を貫通する貫通孔11を形成し、この貫通孔11に、純銅粉末を導電成分とする導電性ペースト122を充填して、未焼結の凸状構造体20を形成した。
この実施例1では、未焼結の凸状構造体20として、焼結後に、円柱状で、直径が60μmの凸状構造体(突起状電極)20aが得られるような凸状構造体を形成した。
(3)それから、上述の未焼結セラミック基材層(セラミックグリーンシート)1を積層することにより、図3に示すように、複数の個々の多層セラミック基板に分割されることになる未焼結のマザー多層セラミック基板40を形成する。
なお、この実施例1においては、焼成後のマザー多層セラミック基板40a(個々の多層セラミック基板4a)(図5参照)の厚みが200μmとなるように、焼成前の厚みが280μmの未焼結のマザー多層セラミック基板40を形成した。
そして、未焼結のマザー多層セラミック基板40の一方主面41に、未焼結の凸状構造体20を備えた消失層付き補助層25を積層することにより、未焼結のマザー多層セラミック基板40の一方主面41に、消失層5を介して補助層21が配設された複合積層体Aを作製する。
(4)次に、図4に示すように、複合積層体A(未焼結のマザー多層セラミック基板40)の他方主面42側から、未焼結のマザー多層セラミック基板40が、個々の多層セラミック基板4a(図1,図5)(すなわち、未焼結の多層セラミック基板4)となるべき領域毎に分割されるが、一方主面41に配設された補助層21は分割されないように、すなわち、補助層21の、消失層5が配設されていない方の面には達しないように、カッター刃を押し当てて、切り込み溝43を形成する。
この実施例1では、焼成後に2mm□の個々の多層セラミック基板4aが得られるように切り込み溝43を形成した。また、切り込み溝43の深さは300μmとした。
(5)そして、切り込み溝43が形成された未焼結の複合積層体Aを、補助層は実質的に焼結しないが、未焼結セラミック基材層1および凸状構造体20が焼結する温度で焼成し、消失層5を焼失させるとともに、未焼結セラミック基材層1、導体パターン2a、凸状構造体(突起状電極)20aを形成するための導電性ペースト22、122を焼結させる。これにより、切り込み溝43により分割された個々の多層セラミック基板4a(図1)となる部分が、補助層21よりも大きな割合で収縮して、図5に模式的に示すような構造を有する焼結済みの複合積層体A1が得られる。すなわち、この焼成により、図5に示すように、焼結済みの凸状構造体20aを介して、実質的に焼結していない補助層21に固定され、配列された状態の、焼結済みの個々の多層セラミック基板4aが複数個同時に形成されることになる。
(6)それから、焼結済みの凸状構造体20aを介して、補助層21に固定された個々の多層セラミック基板4aを、図6に示すように、補助層21が配設された一方主面41とは反対側の他方主面42から、粘着テープなどからなる固定部材44に一体的に固定する。
このとき、消失層5が焼失しているため、個々の多層セラミック基板4aは、未焼結の補助層21上に乗った状態となっているが、焼結済みの凸状構造体20aにより補助層21の所定の位置に確実に保持、固定されており、その状態で、個々の多層セラミック基板4aを、固定部材44に固定することにより、固定部材44上に正しく配列された状態の、個々の多層セラミック基板4aが得られる。
なお、固定部材は粘着テープのような固定材を用いることが好ましいが、吸着による支持・固定や機械的な支持・固定であっても構わない。
(7)次に、焼成工程において焼結していない補助層21を除去する。
このとき、消失層5が焼失しているため、補助層21と、個々の多層セラミック基板4aの間には、隙間が形成されており、かつ、補助層21は焼成工程でも焼結せず、未焼結の状態にあるため、大きな力を加えたりすることを必要とせずに、容易に除去することができる。
(8)そして、補助層21を除去した後、図7に示すように、個々の多層セラミック基板4aの表面に露出した導体パターン2a上に、はんだ9aを備えた表面実装型電子部品(この実施例1では半導体素子)10を搭載する。なお、図7は、図6とは上下を逆にして示している。
(9)それから、全体をリフロー炉に入れてリフローし、表面実装型電子部品10を多層セラミック基板4aの導体パターン2aに接続する。
(10)その後、個々の表面実装型電子部品10が実装された多層セラミック基板4aを、固定部材44から取り外す。これにより、図1に示すような、表面実装型電子部品10が実装された個々の多層セラミック基板4aを得ることができる。
上述のようにして製造される多層セラミック基板の構成について、以下にさらに詳しく説明する。
セラミック基材層1aは、セラミック材料が焼結されてなり、多層セラミック基板の基本的な特性を支配する。
製品の低背化、特性の確保の見地からは、セラミック基材層1aの厚みは、通常、この実施例1の場合のように、焼成後に10μm〜100μmとすることが好ましいが、必ずしも、この範囲内に限定されるものではない。また、このセラミック基材層1aの厚みは、必ずしも各層が同じである必要はなく、層によって厚みを異ならせることが可能である。
また、セラミック基材層1aを構成するセラミック材料としては、焼成中にその一部(例えば、ガラス成分)が流動し、少なくとも部分的に液相焼結が可能な成分が好適に用いられる。また、セラミック材料としては、銀や銅などの低融点金属からなる導体と同時焼成できるように、比較的低温、例えば1050℃以下で焼成可能なLTCC(低温焼成セラミック;Low Temperature Co−fired Ceramic)を用いることが好ましい。具体的には、この実施例1でも用いているように、アルミナとホウケイ酸系ガラスとを混合したガラスセラミックや、焼成中にガラス成分を生成するBa−Al−Si−O系セラミックなどを用いることができる。
また、導体パターンを構成する導電材料としては、セラミック基材層1aと同時焼成が可能な導電性成分を主成分とするものであれば、広く公知のものを使用することが可能である。具体的には、Cu、Ag、Ni、Pd、およびそれらの酸化物、合金成分などを使用することが可能である。
なお、上述のように、実施例1では、Cuを主成分とした導電性ペーストを用いて、上述の各導体部を形成した。
また、補助層21を構成する材料としては、セラミック基材層1aの焼成温度で単独では焼結しない材料と樹脂バインダーを配合したものであれば、広く公知のものが使用可能であるが、特にセラミック基材層1aにLTCCを用いている場合、アルミナ、ジルコニア、シリカなどを用いることが望ましい。上述のように、この実施例1では、アルミナ粉末を樹脂バインダー中に分散させ、シート状に成形したものを用いた。
なお、補助層21の厚みは、凸状構造体20を形成するための貫通孔11を設ける場合には、その凸状構造体20の高さに関連するが、焼成後の個々の多層セラミック基板を位置ずれなく保持するとともに、補助層21からの個々の多層セラミック基板の円滑な取り出しのためには、50〜100μm程度の厚みを有していることが望ましい。上述のように、この実施例1では、補助層21の厚みを100μmとした。
また、消失層5としては、PETフィルムのような、セラミック基材層1aの焼成温度で分解、燃焼して消失するような樹脂フィルムを用いることが可能である。ただし、セラミック基材層1aの焼成温度以下でも充分に分解、燃焼して消失する成分を樹脂バインダー中に分散成形したものを用いることが好ましい。
特に、上記成分は樹脂バインダーに対して溶解しないものであることが望ましい。使用可能な上記成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、セルロースなどの粒状成形体が例示される。
上述のように、この実施例1では、ポリプロピレンビーズを樹脂バインダー中に分散させたものを、補助層21の一方主面上にシート状に成形して、消失層とした。
また、消失層5の厚みは任意に設定することが可能であるが、焼成後に、個々の多層セラミック基板の円滑な取り出しを可能にするためには、消失層の厚みは10μm以上とすることが好ましい。上述のように、この実施例1では、消失層5の厚みを10μmとした。
なお、この実施例1では、補助層21および消失層5の両方を貫通する貫通孔11を設け、該貫通孔11に導電性ペースト122を充填して未焼結の凸状構造体20を形成するようにしているため、補助層21および消失層5の厚みは、凸状構造体20の高さに関連する。ただし、貰通孔11ではなく、補助層21と消失層5の積層体に有底穴(非貫通の凹型構造部)を形成し、その内部に導電性ペーストを充填するように構成することも可能である。そして、貫通孔11を形成する代わりに有底穴を形成するようにした場合には、凸状構造体20の高さに関連する、補助層21および消失層5の厚みの制約は解除される。なお、その際には、消失層5側に開口部がくるようにすることが必要である。
また、焼結後の凸状構造体20aは、焼成後の、消失層5が消失した状態においても、補助層21の貫通孔11内に保持されていることが必要であるため、消失層5の厚みよりも厚く(高く)形成することが必要であり、具体的には焼成後の厚み(高さ)が30μm以上であることが望ましい。
また、焼成後の個々の多層セラミック基板の位置ずれを防止するために必要な強度を備えた凸状構造体20aを形成するためには、凸状構造体20aが円柱状の場合には直径が50μm以上、その他の形状の場合にも、円柱状の場合と同等以上の平面断面積を有するような寸法とすることが望ましい。この実施例1では、凸状構造体20aとして、直径が60μmの突起状電極を形成した。
なお、この実施例1では、未焼成の凸状構造体20の高さ(厚み)は、消失層5の厚み(10μm)と補助層21の厚み(100μm)の合計値、すなわち、110μmとした。
また、凸状構造体20(20a)の構成材料としては、焼成工程で補助層および消失層と焼結反応を起こさないものを用いることが望ましく、具体的には、焼結形態が固相焼結である純金属あるいは金属化合物を導電成分とする導電性ペーストを用いることが望ましい。
より具体的には、前述した各種導体部の形成に用いた導電性ペーストと同じ導電性ペーストを用いることが可能である。
ただし、この実施例1では、上述のように純銅粉末を導電成分とする導電性ペーストを使用した。
なお、この実施例1では、凸状構造体20の構成材料として導電材料を用いたが、焼成工程における位置ずれを回避する効果を得ることが可能である限りにおいて、他の材料を用いることも可能である。例えば、未焼結シートとの反応が生じなければ、セラミックペーストなどを使用することも可能である。
すなわち、凸状構造体20の構成材料としては、導電性ペーストなどの導電材料を用いてもよく、また、セラミックなどの絶縁材料を用いることも可能である。
なお、例えば、図1に示すように形成された凸状構造体20aは、例えば、シールドケースを取り付ける際の支柱などの構造部材として利用することも可能であり、また、取り除いてしまうことも可能である。
また、凸状構造体20aは、個々の多層セラミック基板4aのそれぞれに対して、複数となるように構成することが望ましい。これにより、平面方向からみた場合における、個々の多層セラミック基板の、回転方向への位置ずれを防止して、より高精度に配列された状態にある個々の多層セラミック基板を得ることが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
なお、未焼結セラミック基材層1,消失層5、補助層21の積層方法、切り込み溝43の形成方法などは、上記の方法に限定されるものではない。
例えば、未焼結セラミック基材層1をキャリアフィルムなどに保持した状態で、予め切り込み溝を形成しておき、これを、消失層付きの補助層上に積層、圧着するようにしてもよい。
また、切り込み溝の形成方法としては、ダイサーを用いる方法、レーザー加工による方法、カッター刃を用いる方法など、広く公知の方法を使用することが可能であるが、分割のために必要な切削領域が少ない方法を用いることが望ましく、かかる見地からは、カッター刃によるメカニカルカットの方法を用いることが望ましい。なお、この実施例1でも、このメカニカルカットの方法で切り込み溝を形成した。
また、切り込み溝の形成間隔は、個々の多層セラミック基板の寸法や取り数などに応じて変更することが可能であるが、この実施例1では、上述のように、焼成後に2mm□の個々の多層セラミック基板4aが得られるように、深さ300μmの切り込み溝43を形成した。
また、本願発明の多層セラミック基板の製造方法によれば、切り込み溝43が形成された複合積層体Aは、焼成工程において、セラミック基材層1が焼結し、かつ、補助層21が実質的に焼結しない温度で焼成される。また、消失層5はセラミック基材層1が焼結する温度以下にて分解焼失する。
そのため、焼成工程では、消失層5の焼失により、マザー多層セラミック基板40aと、補助層21の間に隙間が生じ、マザー多層セラミック基板40aは、補助層21からの収縮抑制力を受けないため、自由に収縮挙動を発現する。その結果、マザー多層セラミック基板40(40a)は、予め設けておいた切り込み溝43に沿って収縮して、分割され、かつ、分割された個々の多層セラミック基板4aは、焼成収縮を示さない補助層21に配設され、マザー多層セラミック基板40a(個々の多層セラミック基板4a)と接合している凸状構造体20aを介して、補助層21に対して、配列され、所定の位置に保持された状態となる。
その後、消失層5が焼失して形成された隙間を介して補助層21上に乗った状態である個々の多層セラミック基板4aを粘着シートなどの固定部材で固定した後、個々の多層セラミック基板4aを、補助層21から分離することにより、焼成前の配列状態を維持したまま、補助層が除去された状態の、個々の多層セラミック基板4aを得ることができる。
また、比較のため、この実施例のマザー多層セラミック基板40に相当する積層体であって、焼成後の厚みが200μmになるような積層体を形成し、この積層体を焼成することにより得たマザー多層セラミック基板を、
(a)レーザー加工
(b)ダイサーによる切断、
(c)ハーフカット溝形成後のブレイク
の方法により分割して、個々の多層セラミック基板を得た。
そして、
(a)のレーザー加工によるものを比較例1、
(b)のダイサーによる切断を行ったものを比較例2、
(c)のハーフカット溝形成後のブレイクを行ったものを比較例3として、上記実施例1の方法で得た試料(実施例1の多層セラミック基板)と比較、評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2008004642
表1に示すように、実施例1の場合、凸状構造体を備えた補助層を配設することが必要になるが、凸状構造体を備えた補助層を備えているので、比較例1〜3と比較して、良好な分割が行われた多層セラミック基板が、焼成後にも配列済みの状態で得られることが可能になる。
以下、詳しく説明する。
[実施例1]
焼成前のマザー多層セラミック基板に切り込み溝を形成し、補助層と凸状構造体により位置的に保持された状態で焼成することで、焼成後にも補助層上に配列された個々の多層セラミック基板を得ることができた。多層セラミック基板の分割はカッター刃によるカットの方法を用いたため、切り込み溝の形成位置のバラツキ分のみを考慮すればよく、実質上分割代(切断しろ)を設ける必要はなかった。なお、実施例1の場合、凸状構造体が個々の多層セラミック基板に残ることになるが、不要であれば、例えば、粘着テープなどの固定部材に固定した状態で、除去してもよい。
[比較例1]
レーザーにて切断をおこなった比較例1の場合、レーザーによる選択的な切断により、レーザー照射部の切断性は良好であったが、レーザーによる局所的な加 熱により、セラミック層の部分的な熱膨張が生じ、また、セラミック層が多結晶体であることから散乱した形状のクラックが発生した。その結果、分割面は平滑ではなく、場合により製品部(個々の多層セラミック基板)にまで達するマイクロクラックが発生することが確認された。さらに、レーザー照射のための分割代(切断代)を確保する必要があり、個々の多層セラミック基板の配置効率の低下が生じた。分割後の基板は、再配列が必要となる。焼成後の基板をキャリアテープなどに保持した状態で分割すれば再配列は不要であるが、レーザー出力のバラツキによりキャリアテープの一部が切断される問題が生じた。
[比較例2]
焼成後のマザー多層セラミック基板をキャリアテープ上に保持し、ダイサーにて分割を行った。ダイサー刃として、厚みが80μmの刃を用いたが、加工直線性などを考慮すると、100μm程度の分割代を設けることが必要であった。
マザー多層セラミック基板の製品配置領域のサイズは130mm□であり、個々の多層セラミック基板のサイズは2mm□であった。この条件において、実施例1の場合、分割溝が不要なため、マザー多層セラミック基板内に、65×65個の配置が可能であったが、比較例2では1つの切断線に対して100μm程度の分割代が必要なため、62×62個と381個(約9%)の取り個数の減少が生じた。
また、マザー多層セラミック基板の厚みが200μmと薄いため、ダイサー加工によるチッピングが発生するとともに、場合によっては、加工時の水圧により分割後の個々の多層セラミック基板の脱落が生じた。
なお、最終的にキャリアテープ上に配列された状態の個々の多層セラミック基板を得ることができたが、得られた個々の多層セラミック基板は上記実施例1の場合と同等のものではあったが、上述のように、取り個数の減少が生じるため、良好な結果とはいいかねるものであった。
[比較例3]
比較例2の場合と同様に、焼成後のマザー多層セラミック基板をキャリアテープ上に保持し、キャリアテープに保持させた面とは反対の面に、ダイサー(ダイヤモンドカッターを用いることも可能)により、非貫通の分割溝(ハーフカット溝)を形成した後、分割溝に沿ってブレイクすることにより、個々の多層セラミック基板を得た。必要な分割代は、比較例2の場合ほどではなかったが、やはり1つの切断線に対して50μm程度の分割代を確保することが必要で、取り個数の減少は不可避であった。また、個々の多層セラミック基板の寸法が2mm□と小さく、かつ基板厚みも200μmと薄いため、ブレイク時にブレイク溝が直線的に進行せず、段々形状にブレイクされる結果となった。
最終的には、個々の多層セラミック基板にブレイクすることが可能であったが、2mm□の多層セラミック基板を、多層セラミック基板自体を破断しないようにブレイクすることは困難で、作業性が大幅に悪化した。さらに、ブレイク時にキャリアテープごと曲げ変形を加える必要があるため、曲げられたキャリアテープからブレイク済みの多層セラミック基板が脱落するという問題が生じた。
なお、比較例1〜3において、キャリアテープを用いず、すべて子基板に分割した後に自動配列機を用いてキャリアテープやエンボステープに再配置することも可能であるが、多層セラミック基板の厚みが200μmと薄いため、再配列時に多くのセラミック多層基板に割れや欠けが生じるため、実用性がないことが確認された。
また、実施例1の多層セラミック基板について、固定部材上に配列された状態で保持した状態で、その一方主面14a側に、半導体素子(ベアチップIC)のはんだバンプ実装を行った結果、概ね良好な実装を行うことが可能であることが確認された。
以上の結果より、実施例1の製造方法が、もっとも個々の多層セラミック基板の配置効率に優れるとともに、配列精度、良品率などの種々の面において優位であることが確認できた。
図8は、本願発明の他の実施例(実施例2)にかかる多層セラミック基板の製造方法により製造したセラミック多層基板の構成を示す断面図である。
このセラミック多層基板4aは、図8に示すように、積層された複数枚のセラミック基材層1aからなる積層体の表裏両主面側に、セラミック基材層1aの焼成温度では焼結しないセラミック材料からなる収縮抑制層26が積層されており、かつ、面内導体やスルーホール導体などからなる所定の導体パターン2aを備えた多層セラミック基板4aの一方主面側に、はんだ9aを介して導体パターン2aと接続するように表面実装型電子部品10が搭載された構造を有している。
また、この多層セラミック基板4aは、一方主面14aに凸状構造体である突起状電極20aを備えており、この突起状電極20aは、平面形状が方形の個々のセラミック多層基板4aの4つのコーナ部のそれぞれに、合計4個配設されている。また、突起状電極20aは、直径が100μmの円柱形状とされている。
なお、図8の多層セラミック基板4aは、必要な収縮抑制効果を得ることが可能であることから、多層セラミック基板4aの表裏両主面にのみ収縮抑制層26が配設された構成としているが、十分な収縮抑制効果を得るためには、図9に示すように、両主面側だけでなく、多層セラミック基板4aの内層としても収縮抑制層26が設けられた構成とすることが望ましい。
以下、図10〜13の各断面図を参照しつつ、図8に示すような、多層セラミック基板4aの表裏両主面側に収縮抑制層26が配設された構造を有する多層セラミック基板の製造方法について説明する。なお、図8〜13において、図1〜図7と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示す。
また、以下の実施例2で特に説明していない部分の構成(例えば寸法など)は、上記実施例1の場合と同様である。
(1)上記実施例1で用いたものと同一の、未焼結セラミック基材層(第1のセラミックグリーンシート)1と、消失層付き補助層25を用意する。
さらに、未焼結セラミック基材層1の焼成温度では単独で焼結しないセラミック材料からなり、焼成工程において、上記未焼結セラミック基材層から拡散してくるガラス成分により、未焼結セラミック基材層が焼結されることにより形成されるセラミック基材層1aと固着一体化される収縮抑制層(第2のセラミックグリーンシート)26を用意する。
この収縮抑制層26は、上述のように、未焼結セラミック基材層1より焼結温度が高いセラミック材料を未焼結のままで含有しており、焼成工程で、未焼結セラミック基材層1を含む、未焼結のマザー多層セラミック基板40が焼結する際における平面方向の収縮を抑制する機能を発揮するものである。また、この収縮抑制層26は、上述のように、セラミック基材層1の一部が拡散、浸透することによって固着、接合されるものであることから、厳密には、セラミック基材層1や収縮抑制層26の状態や所望の拘束力、焼成条件などにも依存するが、収縮抑制層26の厚みは、概ね焼成後に1μm〜5μmであることが好ましい。
なお、収縮抑制層(第2のセラミックグリーンシート)26としては、上記の未焼結セラミック基材層(第1のセラミックグリーンシート)1の焼成温度では単独では焼結しない材料を樹脂バインダー内に分散させてシート状に成形したものなど、広く公知のものを使用することが可能である。
具体的には、この収縮抑制層26の場合も、補助層21の場合と同様に、未焼結セラミック基材層1として、LTCCを用いる場合には、アルミナ、ジルコニア、シリカなどを樹脂バインダーと配合してシート状に成形したものなどが好ましい例として挙げられる。
なお、この実施例2では、収縮抑制層26として、補助層21と同じく、アルミナ粉末を樹脂バインダー内に分散させ、シート状に成形したものを用いた。
また、収縮抑制層26に対しても、未焼結セラミック基材層1と同様に、必要に応じ、表面に所定のパターンで導電性ペースト22を印刷し、また、必要に応じ、ビアホール11を形成して導電性ペースト22を充填することにより、焼成後に導体パターン2a(図8)となる未焼結の導体パターン2が形成される。この実施例2でも、Cuを主成分とする導電性ペーストを用いて上述の各導体部を形成した。
そして、この実施例2においては、セラミック基材層1の厚みを、焼成後の厚みが20μmとなるように選定するとともに、収縮抑制層26の厚みを、焼成後の厚みが2.5μmとなるように選定した。
(2)それから、未焼結セラミック基材層(第1のセラミックグリーンシート)1を積層するとともに、その表裏両主面側に上述の収縮抑制層(第2のセラミックグリーンシート)26を積層して、未焼結の、収縮抑制層付きのマザー多層セラミック基板40を作製する。
(3)次に、未焼結の、収縮抑制層付きのマザー多層セラミック基板40の一方主面41に、未焼結の凸状構造体20を備えた消失層付き補助層25を積層することにより、未焼結の、収縮抑制層付きのマザー多層セラミック基板40の一方主面41に、消失層5を介して補助層21が配設された構造を有する複合積層体Bを作製する。
(4)それから、複合積層体Bの他方主面42側から、未焼結の、収縮抑制層付きマザー多層セラミック基板40が、個々の多層セラミック基板4a(図8,図11参照)となるべき領域毎に分割されるが、一方主面41に配設された補助層21は分割されないように、すなわち、補助層21の、消失層5が配設されていない方の面には達しないように、カッター刃を押し当てて、切り込み溝43を形成する。
(5)それから、上記実施例1の場合と同様にして、焼成を行い、消失層5を焼失させるとともに、未焼結セラミック基材層1、導体パターン2a、凸状構造体(突起状電極)20aを形成するための導電性ペースト22、122を焼結させることにより、焼結済みの複合積層体B1を得る(図11参照)。
(6)それから、焼結済みの凸状構造体20aを介して、補助層21に固定された個々の多層セラミック基板4aを、図12に示すように、補助層21が配設された一方主面41とは反対側の他方主面42から、粘着テープなどからなる固定部材44に一体的に固定し、焼成工程において焼結していない補助層21を除去する。
このとき、消失層5が焼失しているため、補助層21と、個々の多層セラミック基板4aの間には、隙間が形成されており、かつ、補助層21は焼成工程でも焼結せず、未焼結の状態にあるため、大きな力を加えたりすることを必要とせずに、補助層21を容易に除去することができる。なお、図12は、図11とは上下を逆にして示している。
(7)そして、補助層21を除去した後、図13に示すように、個々の多層セラミック基板4aの一方主面14aのほぼコーナ部に配設され、導体パターン2aと導通する4つの突起状電極(凸状構造体)20aに、はんだペースト9aを塗布し、その上から表面実装型電子部品(この実施例2では半導体素子)10を搭載する。
(8)そして、全体をリフロー炉に入れてリフローし、表面実装型電子部品10を、はんだ9aにより、突起状電極20a上に固定するとともに、多層セラミック基板4aの導体パターン2aに電気的に接続する。
(9)その後、個々の表面実装型電子部品10が実装された多層セラミック基板4aを、固定部材44から取り外す。これにより、図8に示すような、直径が100μmの4つの突起状電極(凸高構造体)20aを備え、その上に、表面実装型電子部品10が実装された個々の多層セラミック基板4aを得ることができる。
この実施例2で得られた多層セラミック基板(試料)について、実施例1と同様の評価を行うとともに、実施例1の多層セラミック基板との比較を行った。
その結果を表2に示す。
Figure 2008004642
表2に示すように、実施例2の製造方法の場合にも、実施例1の場合と同様の分割、配列特性が得られ、分割性に関しては実施例1と同等の特性であった。
また、配列性に関してもほぼ同等であったが、実施例1では個々の多層セラミック基板に対して1つの凸状構造体(突起状電極)を設けるようにしていることから、個々の多層セラミック基板が平面的にみた場合に、回転方向に位置ずれするおそれがあるのに対し、実施例2の場合には、個々の多層セラミック基板あたり、4つの凸状構造体(突起状電極)を未焼結シートに対して設けるようにしているため、個々の多層セラミック基板の回転方向の位置精度は高く、回転方向の位置ずれの発生は認められなかった。
なお、実質的には、個々の多層セラミック基板あたり、2つ以上の凸状構造体(突起状電極)を形成することにより、回転方向の位置ずれを効果的に抑制、防止することができる。
また、実施例2においては、多層セラミック基板の一方主面に4つの凸状構造体(突起状電極)を設けるようにしているが、各凸状構造体(突起状電極)の、多層セラミック基板に対する位置ずれの発生も認められなかった。
また、凸状構造体(突起状電極)の頂点上へのベアチップICの実装状態も概ね良好であり、また、多層セラミック基板が備えている導体パターンとの導通確認もとることができた。
また、この実施例2では、焼成後の個々の多層セラミック基板の厚みが200μmとなるように、焼成後20μmとなるセラミック基材層用のグリーンシートを10枚積層し、その両主面に収縮抑制層26を積層するようにしている。
また、これにさらに補助層21を積層してなる複合積層体の平面方向の寸法は、焼成前の寸法を100とすると、焼成後の寸法が98.0となり、焼成工程における収縮を十分に抑制できることが確認された。
また、セラミック基材層用のセラミックグリーンシートの各層間にも収縮抑制層を配設し、その数を増やしていくことにより、最終的に焼成前後での平面方向の寸法の変動を、焼成前の寸法を100とした場合に、焼成後の寸法が99.5以上になるまで、焼成工程における収縮を抑制できることが確認された。
また、セラミック基材層用のセラミックグリーンシートの各層間にも収縮抑制層を配設した複合積層体を用い、実施例2と同様の評価を実施したが、分割性、配列性などの特性に関し、何ら劣るところは認められなかった。
なお、上記実施例1および2では、補助層と収縮抑制層とを同じ材料からなる同じセラミックグリーンシートを用いているが、補助層と収縮抑制層とは、異なる材料から構成されていてもよいことはいうまでもない。
本願発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、焼成工程の前の段階で形成される上記マザー多層セラミック基板や、それに補助層を配設した複合積層体の具体的な構成や形成方法、多層セラミック基板を構成するセラミック基材層および収縮抑制層の積層態様、焼成条件や焼成方法、凸状構造体が突起状電極である場合にその上に搭載される表面実装型電子部品の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
本願発明によれば、多層セラミック基板を、マザー多層セラミック基板を個々の多層セラミック基板に分割する工程を経て、効率よく製造することが可能になるとともに、焼成後にも個々の多層セラミック基板が配列された状態を維持することができる。
したがって、その後の、表面実装型電子部品の実装などの後工程の作業性を大幅に向上させることが可能になる。
したがって、本願発明は、例えば、VLSI、ULSIなどの半導体デバイスが実装されるマルチチップモジュール(MCM)などの用途に用いるのに適した多層セラミック電子部品の製造に関する分野に広く利用することができる。
本願発明の一実施例(実施例1)にかかる方法により製造される多層セラミック基板の構造を示す断面図である。 本願発明の実施例1にかかる多層セラミック基板の製造方法の一工程において、マザー多層セラミック基板と補助層を積み重ねる工程を示す断面図である。 本願発明の実施例1にかかる多層セラミック基板の製造方法の一工程において、マザー多層セラミック基板と補助層を積み重ねることにより形成した複合積層体の構造を示す断面図である。 本願発明の実施例1にかかる多層セラミック基板の製造方法の一工程において形成した複合積層体に切り込み溝を形成した状態を示す断面図である。 図4に示した複合積層体を焼成して、個々の多層セラミック基板を焼結させるとともに、消失層を消失させた後の状態を示す断面図である。 本願発明の実施例1にかかる多層セラミック基板の製造方法の一工程において、焼成後の配列状態にある個々の多層セラミック基板を固定部材に固定した状態を示す断面図である。 本願発明の実施例1にかかる多層セラミック基板の製造方法の一工程において、焼成後の配列状態にある個々の多層セラミック基板の一方主面に表面実装型電子部品を実装した状態を示す断面図である。 本願発明の他の実施例(実施例2)にかかる方法により製造される多層セラミック基板の構造を示す断面図である。 本願発明の実施例2にかかる方法により製造される他の多層セラミック基板の構造を示す断面図である。 本願発明の実施例2にかかる多層セラミック基板の製造方法の一工程において形成した複合積層体に切り込み溝を形成した状態を示す断面図である。 図10に示した複合積層体を焼成して、個々の多層セラミック基板を焼結させるとともに、消失層を消失させた後の状態を示す断面図である。 本願発明の実施例2にかかる多層セラミック基板の製造方法の一工程において、焼成後の配列状態にある個々の多層セラミック基板を固定部材に固定するとともに、補助層を除去した状態を示す断面図である。 本願発明の実施例2にかかる多層セラミック基板の製造方法の一工程において、焼成後の配列状態にある個々の多層セラミック基板の一方主面に表面実装型電子部品を実装した状態を示す断面図である。 従来の多層セラミック基板の製造方法を説明する正面断面図である。 従来の多層セラミック基板の製造方法を説明する平面図である。
符号の説明
1 未焼結セラミック基材層(セラミックグリーンシート)
1a セラミック基材層
2 未焼結の導体パターン
2a 導体パターン
4 未焼結の多層セラミック基板
4a 多層セラミック基板
5 消失層
9a はんだ
10 表面実装型電子部品
11 ビアホール(貫通孔)
14a 多層セラミック基板の一方主面
20 未焼結の凸状構造体
20a 凸状構造体(突起状電極)
21 補助層(補助層用セラミックグリーンシート)
22 導電性ペースト
25 消失層付き補助層
26 収縮抑制層
40 未焼結のマザー多層セラミック基板
40a 焼成後のマザー多層セラミック基板
41 未焼結のマザー多層セラミック基板の一方主面
42 未焼結のマザー多層セラミック基板の他方主面
43 切り込み溝
44 固定部材
122 導電性ペースト
A、B 複合積層体
A1、B1 焼結済みの複合積層体

Claims (11)

  1. (a)複数の未焼結セラミック基材層を積層してなり、複数の個々の多層セラミック基板に分割されることになる未焼結のマザー多層セラミック基板と、前記未焼結セラミック基材層の焼成温度では焼結しないセラミック材料を主成分とし、前記未焼結のマザー多層セラミック基板に含まれる、個々の多層セラミック基板となる領域のそれぞれに連結される、前記未焼結セラミック基材層の焼成温度で焼結する材料からなる凸状構造体を有する補助層とを積み重ねることにより、前記未焼結のマザー多層セラミック基板の一方主面側に前記補助層が配設された複合積層体を作製する工程と、
    (b)前記複合積層体を構成する前記未焼結のマザー多層セラミック基板の、前記補助層が配設された前記一方主面側とは反対側の他方主面側から、前記未焼結のマザー多層セラミック基板は、前記個々の多層セラミック基板となるべき領域毎に分割されるが、前記一方主面側に配設された前記補助層は分割されないように切り込み溝を形成する工程と、
    (c)前記切り込み溝が形成された前記複合積層体を、前記補助層は実質的に焼結しないが、前記未焼結セラミック基材層および前記凸状構造体が焼結する温度で焼成することにより、焼結済みの前記凸状構造体を介して、未焼結状態の前記補助層に固定された状態の、焼結済みの個々の多層セラミック基板を得る工程と
    を具備することを特徴とする、多層セラミック基板の製造方法。
  2. 焼結済みの前記凸状構造体を介して、前記補助層に固定された前記個々の多層セラミック基板を、前記補助層が配設された前記一方主面側とは反対側の他方主面側から固定部材に一体的に固定した後、前記補助層を除去する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の多層セラミック基板の製造方法。
  3. 前記一方主面側とは反対側の他方主面側から固定部材に固定された、前記補助層が除去された後の、前記個々の多層セラミック基板の前記一方主面側に表面実装型電子部品を搭載する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項2記載の多層セラミック基板の製造方法。
  4. 前記固定部材が、前記個々の多層セラミック基板を粘着力により保持、固定する粘着シートであることを特徴とする、請求項2または3記載の多層セラミック基板の製造方法。
  5. 前記未焼結のマザー多層セラミック基板と、前記補助層とを、前記焼成工程で消失する消失層を介して積み重ねることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  6. 前記未焼結の凸状構造体が、未焼結金属材料を主成分とする導電性材料から構成されたものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  7. 前記導電性材料からなる焼結済みの凸状構造体に、表面実装型電子部品を搭載することを特徴とする、請求項6記載の多層セラミック基板の製造方法。
  8. 前記未焼結の凸状構造体が、前記未焼結セラミック基材層の焼成温度で焼結する未焼結セラミック材料を主成分とするセラミック材料から構成されたものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  9. 前記未焼結のマザー多層セラミック基板を、前記未焼結セラミック基材層と、前記未焼結セラミック基材層の平面方向の収縮を抑制するための収縮抑制層とを積層することにより形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  10. 前記未焼結のマザー多層セラミック基板の前記一方主面側に、前記収縮抑制層を配設することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  11. 前記補助層として、前記マザー多層セラミック基板に含まれる個々の多層セラミック基板のそれぞれに対して、前記凸状構造体の個数が複数となるように構成された補助層を用いることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
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JP2010205844A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Murata Mfg Co Ltd 電子部品の製造方法

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