JP2008004635A - リード線位置感知装置およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境に左右されず,ペア線等の複数線からなるリード線を有する部品についても,そのままの状態で自動組み付け等に供することができるか否かを容易に判定できるリード線位置感知装置およびその方法を提供する。
【解決手段】リード線位置感知装置は,ダイヤルゲージ21,22を備えたX方向位置感知装置11を有し,治具23によってリード線33を有する対象物Wを決まった向きに保持する。さらに,保持されている対象物Wから出ているリード線33に対し,プローブ21a,22aをX方向の両方位から接近させて,プローブ21a,22aがリード線33に接触したときのプローブ21a,22aの座標を出力する。また,同様にY方向の座標を出力するY方向位置感知装置をも有する。
【選択図】図1
【解決手段】リード線位置感知装置は,ダイヤルゲージ21,22を備えたX方向位置感知装置11を有し,治具23によってリード線33を有する対象物Wを決まった向きに保持する。さらに,保持されている対象物Wから出ているリード線33に対し,プローブ21a,22aをX方向の両方位から接近させて,プローブ21a,22aがリード線33に接触したときのプローブ21a,22aの座標を出力する。また,同様にY方向の座標を出力するY方向位置感知装置をも有する。
【選択図】図1
Description
本発明は,部品等から出るリード線の位置を検知するリード線位置感知装置と,その装置を用いてリード線の位置の合否を判定する方法に関する。さらに詳細には,ペア線等の複数線によるリード線を有する部品等であっても,そのリード線の位置の合否を判定できるリード線位置感知装置およびその方法に関するものである。
従来より,各種の部品を機械によって自動組付けして,製品を製造することが行われている。組み付けられる部品がリード線を有するものである場合には,部品の本体部分に対するリード線の位置が重要となる。そのため従来より,リード線の位置を測定する技術が提案されている。例えば特許文献1には,複数のビームを互いに角度をなして移動させることによるリード線位置感知装置が開示されている。この文献の技術によれば,多種類のリード線を有する部品の各リード線の位置を高精度に測定できるとされている。
特開平6−188600号公報
しかしながら,前記した従来の装置は,ビームが遮られることによりリード線を感知するものである。そのため,浮遊異物等が多い環境では,リード線以外の異物によってビームが遮られ,測定ミスが発生するおそれがあるという問題点があった。
また,リード線としてペア線や束線等の複数の線を集めたものが使用されている部品がある。このような部品を自動組み付けする場合には,一般に,そのペア線や束線の各線の位置をそれぞれ高精度に測定する必要はない。リード線全体として所定の範囲内に位置していることが確認できれば十分である。上記の従来の装置は,このような用途にはうまく合っているとは言えなかった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,環境に左右されず,ペア線等の複数線からなるリード線を有する部品についても,そのままの状態で自動組み付け等に供することができるか否かを容易に判定できるリード線位置感知装置およびその方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のリード線位置感知装置は,リード線を有する対象物を決まった向きに保持する対象物保持部と,対象物保持部に保持されている対象物から出ているリード線に対し一方の方位から接近するプローブと,プローブがリード線に接触したときのプローブの座標を出力するゲージとを有するものである。
本発明のリード線位置感知装置によれば,リード線を有する対象物は対象物保持部によって決まった向きに保持されるので,リード線の位置はおよそ定まる。そこで,その位置に向かって一方の方位からプローブを接近させれば,プローブをリード線に接触させることができる。従って,ゲージはその時のプローブの座標を容易に取得できるので,リード線の位置を測定できる。
また本発明では,リード線に対し異なる方位に設けられた複数のプローブと,複数のプローブにそれぞれ設けられたゲージとを有し,1のプローブと他のプローブとが,リード線を挟んで対面する方位に設けられていることが望ましい。このようにすれば,同時に複数の方位から測定できる。
また本発明は,リード線を有する対象物を決まった向きに保持する対象物保持部と,対象物保持部に保持されている対象物から出ているリード線に対し一方の方位から接近するプローブと,プローブの座標を出力するとともに,プローブとリード線との接触を検知するゲージと,プローブの座標と,リード線の位置についての所定の許容範囲との比較により,リード線の位置の合否を判定する判定部とを有するものであってもよい。
本発明のリード線位置感知装置によれば,リード線を有する対象物は対象物保持部によって決まった向きに保持されるとともに,プローブの座標と,リード線の位置についての所定の許容範囲との比較により,リード線の位置の合否が判定される。リード線の位置の合否判定のためには,リード線が所定の許容範囲内にあるかどうかが判定できればよく,リード線各線の位置を測定する必要はない。本発明では,一方の方位から接近するプローブの座標が所定の許容範囲内にはいってもリード線と接触しない場合は,リード線はその方位については許容範囲外へ突出していることはないと判定する。ここでプローブを接近させる方位は,対象物の向きに応じて設定される。
さらに本発明では,判定部が,プローブがリード線に接触したときのプローブの座標が所定の許容範囲内である場合にその方位について合格と判定し,プローブがリード線に接触したときのプローブの座標が所定の許容範囲外である場合にその方位について不合格と判定することが望ましい。このようにすれば,リード線の位置が所定の許容範囲内であるかどうかが容易に判定できる。
または本発明では,判定部が,プローブがリード線に接触する前にプローブの座標が所定の許容範囲内となったときにその方位について合格と判定し,プローブの座標が所定の許容範囲内となる前にプローブがリード線に接触したときにその方位について不合格と判定するようにしても良い。このようにしても,リード線が所定の許容範囲内にあるかどうかを判定できる。
さらに本発明では,異なる方位に設けられた複数のプローブと,複数のプローブにそれぞれ設けられたゲージとを有し,判定部は,プローブが設けられているすべての方位について合格と判定された場合にその対象物を合格と決定し,1つでも不合格と判定された方位がある場合にその対象物を不合格と決定することが望ましい。いずれか1つでも,リード線の位置が所定の許容範囲内に位置していない方位があれば,その対象物は自動組み付けに不適合である。従って,この場合には不合格と決定される。
また本発明は,リード線を有する対象物を決まった向きに保持し,保持されている対象物から出ているリード線から一方の方位に離れた検知箇所におけるリード線の有無を検知しつつ,検知箇所をリード線に接近させ,検知箇所の座標と,リード線の位置についての所定の許容範囲との比較により,リード線の位置の合否を判定するリード線位置感知方法にも及ぶ。
さらに本発明では,検知箇所におけるリード線の有無の検知を,リード線に対し一方の方位からプローブを接近させつつ,プローブの座標およびプローブとリード線との接触の有無をゲージで検知することにより行うことが望ましい。
さらに本発明では,検知箇所におけるリード線の存在が検知されたときの検知箇所の座標が所定の許容範囲内である場合にその方位について合格と判定し,検知箇所におけるリード線の存在が検知されたときの検知箇所の座標が所定の許容範囲外である場合にその方位について不合格と判定することが望ましい。
また本発明では,検知箇所におけるリード線の存在が検知される前に検知箇所の座標が所定の許容範囲内となったときにその方位について合格と判定し,検知箇所の座標が所定の許容範囲内となる前に検知箇所におけるリード線の存在が検知されたときにその方位について不合格と判定するものであってもよい。
さらに本発明では,リード線に対する検知箇所の接近および合否判定を複数の方位から行い,すべての方位について合格と判定された場合にその対象物を合格と決定し,1つでも不合格と判定された方位がある場合にその対象物を不合格と決定することが望ましい。
また本発明では,リード線に対する検知箇所の接近および合否判定を,リード線を挟んで対面する2つの方位についてまず行い,次いで,先の2つの方位と交差し,リード線を挟んで対面する別の2つの方位について行うことが望ましい。このようにすれば,2回の判定によって4方位からの合否が判定できるので,効率的に判定できる。
本発明のリード線位置感知装置およびその方法によれば,環境に左右されず,ペア線等の複数線からなるリード線を有する部品についても,そのままの状態で自動組み付け等に供することができるか否かを容易に判定できる。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,ペア線からなるリード線の位置を感知する感知装置およびその結果に基づいて部品の合否を決定する方法に本発明を適用したものである。
本形態のリード線位置感知装置は,図1と図2とに示すX方向位置感知装置11および,図3と図4とに示すY方向位置感知装置12を有している。図1と図3は,各位置感知装置11,12を上から見下ろした平面図であり,図2は図1中下方から,図4は図3中左方から見た側面図である。これらのX方向位置感知装置11とY方向位置感知装置12はいずれも判定部20に接続され,判定部20においてワークWの合否が判定される。
X方向位置感知装置11は,ダイヤルゲージ21,22が治具23によって向かい合わせに配置されたものである。また,Y方向位置感知装置12は,ダイヤルゲージ24,25が治具26によって向かい合わせに配置されたものである。本形態のリード線位置感知装置では,ワークWから出ているリード線にプローブ21a,22a,24a,25aを接触させれば,その位置を測定することができる。4個のダイヤルゲージ21,22,24,25は,低接触圧タイプのいずれも同種のものである。各ダイヤルゲージ21,22,24,25のプローブ21a,22a,24a,25aは,微弱な測定圧で,それぞれ矢印方向へ付勢されている。測定圧が微弱なので,リード線等の柔軟な測定対象を測定する場合であっても変形させてしまうことはない。
これらの図で,それぞれ2点鎖線で示しているのは,後述するワークWである。これらの図は,ワークWのうち図1中下方に突出しているリード線33を測定するように,各部が配置された状態を示している。リード線33は,図2に示すように,ワークWの本体部分に対して下方に垂れ下がった状態となっている。このワークWが合否が決定される対象である。従って,各治具23,26は,このワークWの本体部分が取り付けられ,各位置感知装置11,12によってリード線33を感知できるように適切に保持するためのものである。
図1と図2とに示すように,治具23には,第1ゲージ取付部23a,第2ゲージ取付部23b,ワーク取付部23cが形成されている。ダイヤルゲージ21は第1ゲージ取付部23aによって,ダイヤルゲージ22は第2ゲージ取付部23bによってそれぞれ,プローブ21a,22aが水平方向に進退されるように配置されている。また,ワークWの本体部分はワーク取付部23cによって,各ダイヤルゲージ21,22のプローブ21a,22aより高い位置にセットされる。これによって,リード線33の先端部は,各ゲージのプローブ位置とほぼ同等な高さにされる。図1中上下方向の位置は,各ゲージ取付部23a,23bとワーク取付部23cとの位置関係によって合わせられている。
また,図3と図4とに示すように,治具26には,第3ゲージ取付部26a,第4ゲージ取付部26b,ワーク取付部26cが形成されている。ダイヤルゲージ24は第3ゲージ取付部26aによって,ダイヤルゲージ25は第4ゲージ取付部26bによってそれぞれ,プローブ24a,25aが水平方向に進退されるように配置されている。また,ワークWの本体部分はワーク取付部26cによって,各ダイヤルゲージ24,25のプローブ24a,25aより高い位置にセットされている。また,プローブ24aは,ワーク取付部26cのうち,ワークWの本体部分が取り付けられる箇所より図4中左方(すなわち,下方)に設けられている貫通穴26dを貫通して,リード線33の近傍まで突出されている。
本形態のリード線位置感知装置による測定対象の例であるワークWは,図5〜図7に示すカセットコイル30である。これは,略四角筒形状のインシュレータ31にコイル32が巻き付けられたものである。そして,コイル32の両端部のリード線33,34が図7中下方に突出している。ここで,図6は,カセットコイル30を図5中左側方から見た図であり,図7は,図5中下方から見た図である。なおここでは,台形状にコイルが巻かれたカセットコイル30を図示しているが,直方体状にコイルが巻かれたものであっても良い。
このカセットコイル30では,コイル32としてペア線が使用されており,各リード線33,34もペア線となっている。このコイル32は,巻き取り機にインシュレータ31を取り付け,回転させることによって自動的に巻き付けられる。コイル線の両端部のリード線33,34は適切な長さだけ残して切断され,その先端部分の被膜が剥がされている。
このように製造されたカセットコイル30は,インシュレータ31の中空部にコアが適切に配置されるとともに複数個が円環状に配置され,モータのステータ等が製造される。その際,各カセットコイル30のリード線33,34は円環状の結線ターミナルの各端子に接続される。ステータの製造工程においては一般に,カセットコイル30は,そのインシュレータ31部分が把持されて移動され,コアに嵌合されて組み付けられる。この組み付けに伴って,リード線33,34がターミナル端子に接続されるように,例えば,図8に示すようなリード線挿入ガイド41によって,各端子が適切に配置されている。
リード線挿入ガイド41は,その内部にU字形の端子42が配置されるとともに,挿入口43を有している。挿入口43の内部は,テーパ状に奥に向かって四方から狭くされている。その開口(図8中太線で示す)から各カセットコイル30のリード線33(34)の先端部が挿入されると,端子42の内側に導かれるようになっている。すなわち,リード線33(34)は,図9と図10とに示すように,図8中手前側から挿入口43に挿入され,挿入口43の出口前方(図中奥側)に配置された端子42に接続される。各カセットコイル30につき,2つのリード線挿入ガイド41が設けられ,それぞれリード線33と34が挿入される。ここで,図9と図10は,図8のA−A断面図である。
この工程が自動でスムーズに実施されるためには,カセットコイル30のインシュレータ31に対するリード線33,34の先端部の位置が重要となる。すなわち,インシュレータ31を所定の位置に移動させたときに,同時に各リード線33,34の先端部がそれぞれのリード線挿入ガイド41の挿入口43の範囲内に入ることが必要なのである。挿入口43の内部はテーパ状にされているので,リード線33,34の先端がその中に入りさえすれば,端子42まで容易に導かれる。ここで,リード線33,34はペア線であるので,そのペア線の両方が挿入口43の範囲内になければならない。
本形態のリード線位置感知装置は,このようなこのカセットコイル30のインシュレータ31に対するリード線33,34の先端部の位置を感知して,リード線33,34の先端部が所定の範囲内に位置しているかどうかを判定する。リード線33,34は,例えば図11に示すように,ペア線の間が開いたり(図中リード線33),あるいはペア線全体として傾いたり(図中リード線34)している場合がある。このような状態の程度が激しいと,自動挿入がうまくいかないおそれがある。
なお,ここでは,リード線33,34の先端部がリード線挿入ガイド41の挿入口43の範囲内に入れば,それより基端部側は問題なく入るものとしている。従って,本形態のリード線位置感知装置では,リード線33,34の先端部の位置のみを感知する。しかし,リード線の硬さや挿入口の形状等によっては,先端部が入ったとしても途中部分が大きく屈曲していると良好な挿入ができないおそれがある。例えば,屈曲している途中部分が挿入口の範囲から外れていれば,その部分が挿入口に当たって挿入の障害となる場合である。そのようなものでは,例えば図12に示すように,リード線位置感知装置の各プローブ21a,22a等の先端部の形状を変更して,リード線の感知すべき範囲d全体のうち,最も大きく張り出している箇所を感知できるようにすればよい。
次に,本形態のリード線位置感知装置によるリード線33,34の位置の合否決定方法を説明する。この処理は,以下の手順で行われる。
(1)リード線33,34のX方向許容範囲設定
(2)リード線33のX方向感知および判定
(3)リード線34のX方向感知および判定
(4)リード線33,34のY方向許容範囲設定
(5)リード線33のY方向感知および判定
(6)リード線34のY方向感知および判定
の順である。ここで,(2)と(3),(5)と(6)はそれぞれ逆順でもかまわない。また,X方向とY方向は逆でもかまわない。(2),(3),(5),(6)のすべてに合格判定が得られたら,カセットコイル30は合格と決定される。いずれかの段階で不合格と判定されたら,そのカセットコイル30は不合格と決定され,以後の判定は行わない。
(1)リード線33,34のX方向許容範囲設定
(2)リード線33のX方向感知および判定
(3)リード線34のX方向感知および判定
(4)リード線33,34のY方向許容範囲設定
(5)リード線33のY方向感知および判定
(6)リード線34のY方向感知および判定
の順である。ここで,(2)と(3),(5)と(6)はそれぞれ逆順でもかまわない。また,X方向とY方向は逆でもかまわない。(2),(3),(5),(6)のすべてに合格判定が得られたら,カセットコイル30は合格と決定される。いずれかの段階で不合格と判定されたら,そのカセットコイル30は不合格と決定され,以後の判定は行わない。
まず,手順(1)として,図1,図2に示すように,カセットコイル30のインシュレータ31をX方向位置感知装置11の治具23のワーク取付部23cにセットする。これによって,カセットコイル30の本体部分が位置決めされるので,設計上で期待されるリード線33,34の位置が決まる。この位置を基準として,それぞれのリード線33,34について,挿入口43等の範囲に相当する許容範囲が設定される。許容範囲の全体は,X方向とY方向とにそれぞれ所定幅を有する四角形の範囲であるが,ここではまずX方向のみの許容範囲を設定する。なお,以下では主にリード線33について説明するが,リード線34についても同様に許容範囲が設定され,リード線位置が判定される。
次に,手順(2)として,各ダイヤルゲージ21,22のプローブ21a,22aをリード線33のペア線の方へ突出させる。各ダイヤルゲージ21,22のプローブ21a,22aの測定圧は微弱なので,リード線33のいずれかに接触したら停止する。この停止により,プローブとリード線の接触が検知されたことになる。判定部20では,プローブ21a,22aが停止したことを検知したら,その時のダイヤルゲージ21,22の座標を読み取る。なお,リード線の位置がよほど極端にずれていない限り,プローブ同士が当接して測定できないということはない。
次に,判定部20では,その座標が先に求められた許容範囲内であるか否かを判定する。ただしこの段階では,X方向のみを判定する。両プローブ21a,22aがともに許容範囲内であれば,ここでの判定は合格とされる。両プローブ21a,22aのうちいずれか一方の方位でも,許容範囲外のものがあれば,この判定は不合格とされる。さらに,この段階で不合格と判定されたカセットコイル30は不合格と決定される。不合格と決定されたものは,以後の感知および判定処理は不要であり,自動挿入には供されない。続いて,手順(3)についても同様に行う。
次に,手順(4)として,両リード線33,34についてX方向の判定が合格であったものについて,Y方向の判定を行う。図3,図4に示すように,カセットコイル30のインシュレータ31をY方向位置感知装置12の治具26にセットする。これにより,X方向の時と同様にY方向の許容範囲が設定される。そして手順(5)として,X方向と同様に,各ダイヤルゲージ24,25のプローブ24a,25aをリード線33のペア線の方へ突出させる。そして,プローブ24a,25aはリード線33のペア線のいずれかに接触したら停止する。そこで,判定部20では,その時のダイヤルゲージ24,25の座標を読み取る。
そして,X方向と同様にY方向についても判定を行う。両プローブ24a,25aの座標が許容範囲内であれば,この判定は合格である。ここでは,すでにX方向について合格とされたもののみについて判定しているので,Y方向が合格であれば全方位について合格と判定されたこととなる。さらに,手順(6)として,リード線34についても判定する。いずれのリード線33,34についても全方位について合格と判定されたら,そのカセットコイル30は合格と決定される。いずれかのリード線がY方向のいずれかの方位について不合格と判定されたら,このカセットコイル30は不合格と決定される。
なお,上記では各方向において各プローブをリード線に接触し,停止するまで突出させることとした。しかし,各プローブのその時点での座標を常時出力しながら突出させることができるものでは,かならずしもプローブをリード線に接触させなくてもよい。すなわち,各プローブを許容範囲外から許容範囲内の方へ向けて突出させ,リード線に接触する前に,プローブの位置が許容範囲内まで達したらそこで合格と判定しても良い。この時点で,各リード線はその方位については許容範囲外に出ていることはないと判断できるからである。逆に言えば,プローブが許容範囲内に入る前にリード線に接触したら,その方位については不合格と判定される。
次に,上記の決定方法を利用して,所定の製造方法によって製造されたカセットコイル30の単品での工程品質保証が可能かどうか,あるいは,カセットコイル30のリード線33の成形精度保証がどの程度できるかを判定する方法について説明する。これは,製造品の管理方法についての判定であり,カセットコイル30の製造から結線ターミナルへの装着までの工程において,次のいずれに相当するかの判定を行うものである。すなわち,この結果に応じて,
(1)抜き取り検査のみで自動挿入可能である
(2)全数検査の必要がある
(3)製造工程の見直しが必要である
等に分類される。
(1)抜き取り検査のみで自動挿入可能である
(2)全数検査の必要がある
(3)製造工程の見直しが必要である
等に分類される。
そのために,同一の製造工程によって製造されたカセットコイル30を30個以上用意する。その中には,製造環境の限界の条件で製造されたものも含まれるとよい。それらのすべてについて,上記と同様にリード線33,34の位置を測定する。この場合には,各リード線に接触するまで各プローブを突出させ,X方向とY方向についてリード線33,34の座標を得る。そして,その測定結果から,図13に示すように,例えばリード線33のペア線の位置範囲(四角形ABCD)を得る。なお,ペア線でなくもっと線数の多いリード線の場合は,最も外側に位置しているものによって位置範囲を決定する。最も外側のものが合格であれば,当然他のものも合格だからである。ここで得られた四角形ABCDの全体が,挿入口43の範囲内に完全に入っていれば,このリード線は挿入可能であるので合格と判定される。
そこで,同様の測定を30個以上のカセットコイル30について行い,この測定結果から,図14に示すように,各カセットコイル30のリード線33についての位置範囲(A,B,C,Dの各点)の位置をグラフ化する。図14では,各リード線の位置範囲A〜Dを,挿入口43の範囲と重ねて示している。さらに,複数のカセットコイル30についての測定結果から,そのバラツキを±3σの範囲で見込んだ位置予測範囲を求め,図14中に破線で示した。なお,図中の点Oは,設計上のリード線33の中心位置であり,設計上では四角形ABCDの中心がこの点の位置に位置するはずであった。
さらに,これと同様の測定およびグラフ化を,他方のリード線34についても実施する。そして,リード線34に対応する挿入口の範囲と比較する。これらの結果から,バラツキを含めた各リード線の位置が,完全にそれぞれの挿入口の範囲内にあれば,この製造方法によるカセットコイル30は,抜き取り検査のみで自動挿入可能であると判定する。例えば,図14では,4点ABCDのバラツキ範囲がすべて挿入口43の範囲内にある。従って他方のリード線34についても同様であれば,(1)抜き取り検査のみで自動挿入可能であると判定される。
一方,いずれかのリード線において,各測定点は対応する挿入口の範囲内に入っているものの,バラツキ範囲が挿入口の範囲より大きくなった場合は(2)全数検査が必要であると判定される。また,測定点自体が挿入口の範囲外のものがある場合は,(3)製造工程の見直しが必要であると判定される。
以上詳細に説明したように本形態のリード線位置感知装置および判定方法によれば,ペア線からなるリード線を四方から低接触圧のダイヤルゲージで測定するので,リード線を変形させることなく,その位置範囲を正確に測定できる。従って,浮遊異物等の多い環境であっても測定に影響はない。さらに,その測定結果を所定の許容範囲と比較してリード線の位置の合否を判定するので,リード線をその挿入口に自動挿入できるかどうかが容易に判定される。これにより,環境に左右されず,ペア線等の複数線からなるリード線を有する部品についても,そのままの状態で自動組み付け等に供することができるか否かを容易に判定できる。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,本形態での測定対象はコイルに限らない。リード線を有するあらゆる電機部品に適用可能である。また,本形態では,各リード線33,34の位置範囲を四角形としたが,挿入口の形状に応じて変更することもできる。その場合には,ダイヤルゲージのプローブの先端形状を適宜変更すればよい。
例えば,本形態での測定対象はコイルに限らない。リード線を有するあらゆる電機部品に適用可能である。また,本形態では,各リード線33,34の位置範囲を四角形としたが,挿入口の形状に応じて変更することもできる。その場合には,ダイヤルゲージのプローブの先端形状を適宜変更すればよい。
また例えば,本形態ではX方向とY方向とで別々の感知装置を用意しているが,4つのダイヤルゲージを備えて,4方向から同時に測定できるようにしても良い。また,プローブの先端形状によっては,1対のゲージで4辺すべての検知を可能とすることもできる。あるいは,ワークとダイヤルゲージとの相対的な向きを変更して,同じダイヤルゲージを2度使用するようにすることも出来る。あるいは,ワークの位置とダイヤルゲージの位置との関係を可変なものとしても良い。例えば,図1において,ワークWの位置を左右に変更できるようにしても良い。
また例えば,本形態では,4つのダイヤルゲージの測定結果から,位置範囲の4点A〜Dの位置を算出しているが,測定結果をそのまま用いてグラフ化することもできる。また例えば,ペア線に限らず,単線,束線等についても,まとめて1つの端子に接続されるものについては適用可能である。さらに,判定自体は,ダイヤルゲージに限らずビーム式の測定器によっても可能である。また,挿入口43の形状によっては,実質上X方向とY方向とのいずれか一方だけ測定すれば十分なこともある。
20 判定部
21,22,24,25 ダイヤルゲージ
21a,22a,24a,25a プローブ
23,26 治具
33,34 リード線
21,22,24,25 ダイヤルゲージ
21a,22a,24a,25a プローブ
23,26 治具
33,34 リード線
Claims (12)
- リード線を有する対象物を決まった向きに保持する対象物保持部と,
前記対象物保持部に保持されている対象物から出ているリード線に対し一方の方位から接近するプローブと,
前記プローブがリード線に接触したときの前記プローブの座標を出力するゲージとを有することを特徴とするリード線位置感知装置。 - 請求項1に記載のリード線位置感知装置において,
リード線に対し異なる方位に設けられた複数のプローブと,
前記複数のプローブにそれぞれ設けられたゲージとを有し,
1のプローブと他のプローブとが,リード線を挟んで対面する方位に設けられていることを特徴とするリード線位置感知装置。 - リード線を有する対象物を決まった向きに保持する対象物保持部と,
前記対象物保持部に保持されている対象物から出ているリード線に対し一方の方位から接近するプローブと,
前記プローブの座標を出力するとともに,前記プローブとリード線との接触を検知するゲージと,
前記プローブの座標と,リード線の位置についての所定の許容範囲との比較により,リード線の位置の合否を判定する判定部とを有することを特徴とするリード線位置感知装置。 - 請求項3に記載のリード線位置感知装置において,前記判定部は,
前記プローブがリード線に接触したときの前記プローブの座標が所定の許容範囲内である場合にその方位について合格と判定し,
前記プローブがリード線に接触したときの前記プローブの座標が所定の許容範囲外である場合にその方位について不合格と判定することを特徴とするリード線位置感知装置。 - 請求項3に記載のリード線位置感知装置において,前記判定部は,
前記プローブがリード線に接触する前に前記プローブの座標が所定の許容範囲内となったときにその方位について合格と判定し,
前記プローブの座標が所定の許容範囲内となる前に前記プローブがリード線に接触したときにその方位について不合格と判定することを特徴とするリード線位置感知装置。 - 請求項3から請求項5までのいずれか1つに記載のリード線位置感知装置において,
異なる方位に設けられた複数のプローブと,
前記複数のプローブにそれぞれ設けられたゲージとを有し,
前記判定部は,
プローブが設けられているすべての方位について合格と判定された場合にその対象物を合格と決定し,
1つでも不合格と判定された方位がある場合にその対象物を不合格と決定することを特徴とするリード線位置感知装置。 - リード線を有する対象物を決まった向きに保持し,
保持されている対象物から出ているリード線から一方の方位に離れた検知箇所におけるリード線の有無を検知しつつ,検知箇所をリード線に接近させ,
検知箇所の座標と,リード線の位置についての所定の許容範囲との比較により,リード線の位置の合否を判定することを特徴とするリード線位置感知方法。 - 請求項7に記載のリード線位置感知方法において,
検知箇所におけるリード線の有無の検知を,リード線に対し一方の方位からプローブを接近させつつ,
プローブの座標およびプローブとリード線との接触の有無をゲージで検知することにより行うことを特徴とするリード線位置感知方法。 - 請求項7または請求項8に記載のリード線位置感知方法において,
検知箇所におけるリード線の存在が検知されたときの検知箇所の座標が所定の許容範囲内である場合にその方位について合格と判定し,
検知箇所におけるリード線の存在が検知されたときの検知箇所の座標が所定の許容範囲外である場合にその方位について不合格と判定することを特徴とするリード線位置感知方法。 - 請求項7または請求項8に記載のリード線位置感知方法において,
検知箇所におけるリード線の存在が検知される前に検知箇所の座標が所定の許容範囲内となったときにその方位について合格と判定し,
検知箇所の座標が所定の許容範囲内となる前に検知箇所におけるリード線の存在が検知されたときにその方位について不合格と判定することを特徴とするリード線位置感知方法。 - 請求項7から請求項10までのいずれか1つに記載のリード線位置感知方法において,
リード線に対する検知箇所の接近および合否判定を複数の方位から行い,
すべての方位について合格と判定された場合にその対象物を合格と決定し,
1つでも不合格と判定された方位がある場合にその対象物を不合格と決定することを特徴とするリード線位置感知方法。 - 請求項11に記載のリード線位置感知方法において,リード線に対する検知箇所の接近および合否判定を,
リード線を挟んで対面する2つの方位についてまず行い,次いで,
先の2つの方位と交差し,リード線を挟んで対面する別の2つの方位について行うことを特徴とするリード線位置感知方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006170434A JP2008004635A (ja) | 2006-06-20 | 2006-06-20 | リード線位置感知装置およびその方法 |
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