JP2008004585A - 電極端子 - Google Patents

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JP2008004585A JP2006169657A JP2006169657A JP2008004585A JP 2008004585 A JP2008004585 A JP 2008004585A JP 2006169657 A JP2006169657 A JP 2006169657A JP 2006169657 A JP2006169657 A JP 2006169657A JP 2008004585 A JP2008004585 A JP 2008004585A
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Kuniaki Yoshimura
邦明 吉村
Hideji Takahashi
秀治 高橋
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

【課題】 無鉛半田をリフローで形成した電極端子で、無鉛半田の凝固から冷却時の応力
で、電気絶縁層と金属層の間に剥離、電気絶縁層や基板へのクラックが発生する。
【解決手段】 電気絶縁層と金属層の間に、無鉛半田のリフロー作業温度より60度以上
低い熱変形温度を有する樹脂を用いて樹脂層を形成し、樹脂層の柔軟性を活かすため、樹
脂層の端部は金属層の端部より少なくとも数μm以上より好ましくは10μm以上飛び出
させることで、剥離やクラックを無くすことができる。また、樹脂層の厚みを0.5μm
以上30μm以下とすることで、金属層と無鉛半田間に生じるボイドを減らすことができ
る。

【選択図】 図1

Description

本発明は、電気絶縁性基板上に形成された機能部品に接続される金属配線と外部配線を
、無鉛半田を用いて接続する電極端子に関する。
近年の環境意識の高まりにより鉛による環境汚染が問題となり、RoHS指令等で電気
機器での鉛使用の規制が始まっている。配線基板への電気、電子部品の接続等に多く使わ
れている錫鉛共晶半田も無鉛化が求められている。無鉛半田は、錫を主成分として銀や銅
、亜鉛、ビスマス、インジウム、アンチモン等を加えたものが実用化されている。これら
無鉛半田の溶融温度は190〜230℃と、錫鉛共晶半田(37Pb−63Sn)の18
3℃に比べ高くなっている。半田接合の作業温度は溶融温度より30℃以上高くする必要
があり、無鉛半田では220〜260℃の作業温度となる。作業温度が上がると、配線基
板や電気、電子部品の耐熱温度を上げる必要があるだけでなく、熱応力によるクラックの
発生が問題となって来ている。無鉛半田は錫鉛共晶半田(37Pb−63Sn)に比べて
、金属の引張り強度やクリープ強度が強く、伸びが少ないと言う金属特性を持っているた
め、応力が掛かり易くなっている。
図6に示す様な部品で、電気絶縁性基板2上に形成された機能部品4に接続される金属
配線3と外部配線を、無鉛半田を用いて接続する電極端子1では、熱膨張係数の異なる材
料が多く使用されている。半田が溶融状態から凝固し常温に戻るまでの温度変化で発生す
る応力により、金属配線と電気絶縁性基板間でのクラック(剥離)発生や、電気絶縁性基
板にクラックが入る。電極端子部に用いられている代表的な材料の熱膨張係数(x10
deg.−1)を挙げると、電気絶縁性基板2のガラスの5〜100、金属配線3の銅
の170やアルミニウムの239、電気絶縁層5の酸化シリコンの5.5やアルミナの6
5、無鉛半田の217である。この様に電極端子部では、2〜3桁も熱膨張率の異なる材
料が使用されている。これら熱膨張係数の違いにより発生するクラックを防ぐ方策が、特
許文献1および2に開示されている。
特許文献1の電極部断面構造を図7に示す。端子電極部を2層以上の多層構造とし、最
下層金属42の周辺部は最上層金属43の周辺部に比べ10μm以上外部へ突き出させる
ことで、ガラス基板2にクラックが入る事を防いでいる。最下層金属42は入出力電極と
同質の金属で形成し、最上層金属43は最下層金属42より半田41のぬれ性が良い金属
で形成している。この様な金属材質および形状とすることで、ガラス基板2に作用する半
田収縮応力を従来の約1/2とすることができ、クラック発生に対し良好な結果が得られ
るものである。最下層金属を最上層金属より広げることで、最上層金属がガラス基板に直
接接触することがない。そのため、最上層金属に作用する半田収縮応力が最下層金属で吸
収され、ガラス基板のクラック発生を確実に防止できると言うものである。
特許文献2の電極部の斜視図を図8a)に、図8a)のj−j’断面を図8b)に示す
。基板2のスルーホール53にランド54が形成されており、ランド54の内孔部にリー
ド55を挿入し無鉛半田52で接続するものである。無鉛半田を用いてもランド剥離や半
田フィレット剥離が生じないように、ランドの端部を覆うようにソルダーレジスト51を
設けるものである。図8b)の断面を見ると、ソルダーレジスト51の配置と役割が良く
判る。ランド外周端部54’に無鉛半田52の端部が掛からないように、ソルダーレジス
ト51で堰を作るものである。
特許文献1と特許文献2のクラック防止方法は基本的には同じと言える。基板2と接す
る金属層(特許文献1では最下層金属42、特許文献2ではランド54が相当する)の端
部まで半田が被らない様にするものであり、その実現方法が異なっているものである。特
許文献1では金属層を2層にして、基板と接している金属層を半田と接する金属層より1
0μm以上飛び出させている。特許文献2ではソルダーレジストで堰を作製して半田の流
れを規制している。いずれも、クラックの発生を防止する方法は、基板と接する金属層の
端部まで半田を形成しないことである。
特開2000−295062号 公報 特開2002−237674号 公報
図6に示す電極端子1に、特許文献1および特許文献2のクラック発生防止方法を適用
した。図9に特許文献1の方法を適用した電極端子の断面図を示す。図9の電極端子の断
面図は図6のm−m’方向の断面である。少なくとも金属配線側面が電気絶縁を有する基
板2に金属配線3を形成した。金属配線3を他の金属配線等から電気的に絶縁するため、
金属配線3上に、孔部11を有する電気絶縁層5を形成した。孔部11を覆うように金属
層a6と金属層b7を形成した。特許文献1の最上層金属(金属層b7に相当)と最下層
金属(金属層a6に相当)の端部のずれ量δは、10μm以上とする必要があるため20
μmとした。図9の電気絶縁層5が特許文献1の基板2に相当していると見ると、特許文
献1の構成を適用していることが容易に理解できる。金属層b7上に無鉛半田ペーストを
スクリーン印刷した後、260℃でリフローして金属層b7の端部まで無鉛半田52を形
成した。
形成した電極端子部を調査したところ、金属層a6と電気絶縁層5の界面が剥離するよ
うなクラック22や、電気絶縁層5の厚み方向に入ったクラック22’、電気絶縁層5だ
けでなく金属配線3を貫通し基板2に達するクラック22’’が見られた。特許文献1は
金属層a,bが平らである点、無鉛半田ではなく錫鉛共晶半田を用いていた可能性がある
点等が、特許文献1と同様の効果が得られなかった理由の一つであるとも考えられる。
図10に特許文献2の方法を適用した電極端子の断面図を示す。少なくとも金属配線側
の面が電気絶縁を有する基板2に金属配線3を形成した。金属配線3を他の金属配線等か
ら電気的に絶縁するため、金属配線3上に孔部11を有する電気絶縁層5を形成した。孔
部11を覆うように金属層a6を形成した。金属層a6の外周端部から孔中心方向25μ
mの位置に、無鉛半田52の堰となるソルダーレジスト51の端部を形成した。ソルダー
レジスト51の内側の金属層a6上に無鉛半田ペーストをスクリーン印刷した後、260
℃でリフローして無鉛半田52を形成した。
形成した電極端子部を調査したところ、金属層a6と電気絶縁層5の界面が剥離するよ
うなクラック22や、電気絶縁層5の厚み方向に入ったクラック22’、電気絶縁層5だ
けでなく金属配線3を貫通し基板2に達するクラック22’’が見られた。特許文献2の
様な効果が得られなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであって、電気配線上にリフローで形成す
る電極端子部の半田に無鉛半田を用いても、電気絶縁層や基板にクラックを発生させない
電極端子を提供することにある。
本願発明の電極端子は、電気絶縁性基板上に機能部品が形成され、機能部品は金属配線
で接続されており、金属配線と外部配線とを半田接続する電極端子であって、金属配線は
電気的接続をおこなう孔部を除き電気絶縁層で覆われている。電気絶縁層上に電気絶縁層
の孔部中心からの内側寸法より大きな内側寸法を有する樹脂層が設けられており、電気絶
縁層の孔部中心からの内側寸法より大きく、樹脂層の外側寸法より小さい外側寸法を有す
る金属層aが金属配線上から樹脂層上まで設けられており、金属層a上には金属層aの外
側寸法と略同等の外側寸法を有するリフローで形成された無鉛半田が設けられていること
が好ましい。
金属層aの端部が樹脂層上にあることが、クラックの発生を防ぐ上で最も重要な点であ
る。金属層aの端部まで無鉛半田が形成されていても、樹脂層が有する柔軟性で無鉛半田
の凝固から冷却時に発生する応力を緩和させることができ、クラックの発生を防ぐことが
できるものである。樹脂層の柔軟性を活かすため、樹脂層の端部は金属層aの端部より少
なくとも数μm以上、より好ましくは10μm以上飛び出していることが望ましい。
電気的接続をおこなうために電気絶縁層と樹脂層に設けられる孔部の形状は、円形や方
形、多角形、不定形とすることができる。電気絶縁層に設けられた孔部と樹脂層に設けら
れた孔部を相似形とすることが、不均等な応力の発生を抑える点で好ましい。また、樹脂
層の外側形状も樹脂層の孔形状と相似とすることが好ましい。
無鉛半田の端部は金属層aの端部を越えないことが、樹脂層の機能を保つうえで重要で
ある。熔けた半田は非常に活性なため、熔けた半田が樹脂と接触すると樹脂の耐熱温度内
であっても樹脂を変質させてしまうことがある。金属層aは、無鉛半田とのぬれ性を確保
し接合強度を得るだけでなく、熔融した無鉛半田と樹脂層の接触を防ぐ役割も果すもので
ある。
本願発明の電極端子は、電気絶縁性基板上に機能部品が形成され、機能部品は金属配線
で接続されており、金属配線と外部配線とを半田接続する電極端子であって、金属配線は
電気的接続をおこなう孔部を除き電気絶縁層で覆われている。電気絶縁層上に電気絶縁層
の孔部中心からの内側寸法より大きな内側寸法を有する樹脂層が設けられており、電気絶
縁層の孔部中心からの内側寸法より大きく、樹脂層の外側寸法より小さい外側寸法を有す
る金属層aが金属配線上から樹脂層上まで設けられ、金属層a上に金属層aの外側寸法と
同等以下の外側寸法を有する金属層bが設けられ、金属層b上には金属層bの外側寸法と
略同等の外側寸法を有するリフローで形成された無鉛半田が設けられていることが好まし
い。
金属層を2層とすることで、もし無鉛半田が金属層bの端部より溢れ出たとしても、金
属層aの端部で無鉛半田を止めることができるので、1層の金属層に比べ作業の余裕度が
大きくなる。金属層aと金属層bに異なる材質を用いることで、無鉛半田と金属層bとの
ぬれ性向上、金属層bと金属配線との接合強度向上等を得ることができる。
無鉛半田の端部は金属層bの端部で止まっていることが良いが、金属層bの端部より溢
れ出したとしても金属層aの端部を越えなければ、樹脂層の機能を保つことができる。熔
けた半田は非常に活性なため、樹脂の耐熱温度内であっても熔けた半田が樹脂と接触する
と樹脂を変質させてしまうことがある。金属層bだけでなく金属層aも、熔融した無鉛半
田と樹脂層の接触を防ぐ役割を果している。
金属層a及び金属層bは、単一金属もしくは合金の単層である必要は無く、組成の異な
った多層膜で構成することできる。また、金属層の形成方法も、スパッターや蒸着、めっ
き等を用いることができる。例えば、金属層aは金属配線との接合強度を得るため、クロ
ムを0.1μm程度の厚みにスパッターし、続けて1〜10μm厚で銅やニッケル系合金
をスパッターで形成することができる。金属層bは金属層aや金属配線の金属が熔融した
無鉛半田に拡散するのを防ぐ必要がある。金属層bは1〜10μm厚のNiPやNiBの
合金を無電解めっきで形成した後、0.05μm程度の厚みで金を設けることもできる。
無鉛半田は、錫亜鉛系半田や錫銅系半田、錫銀系半田等を用いることができる。錫亜鉛
系半田は、錫亜鉛の共晶組織である(91Sn―9Zn)を中心組成として、配合比率を
変えたり他の金属を添加したもので、代表的なものとしてビスマスを添加した(89Sn
−8Zn−3Bi)がある。錫銅系半田は、錫銅の共晶組織である(99.3Sn−0.
7Cu)を中心組成として、配合比率を変えたり他の金属を添加たもので、代表的なもの
として銀を添加した(99Sn−0.7Cu−0.3Ag)がある。錫銀系半田は、錫銀
の共晶組織である(96.5Sn−3.5Ag)を中心組成として、配合比率を変えたり
他の金属を添加したもので、代表的なものとして銅を添加した(96.5Sn−3.0A
g−0.5Cu)や(95.75Sn−3.5Ag−0.75Cu)がある。
電気絶縁層は金属配線を電気的に絶縁するだけでなく、機械的な損傷や電気化学的な腐
食から金属配線を保護するために設ける。勿論、金属配線だけでなく機能部品の保護も行
う。電気絶縁層を形成する材料として電気抵抗が高い、酸化物のAlやSiO
、窒化物のSi等を、スパッターやプラズマCVDで形成する。
絶縁性基板は、少なくとも金属配線や機能部品を形成する面が、電気的に絶縁性を有し
ていれば良く、基板全体が絶縁性である必要はない。シリコンウェファーの表面に熱酸化
膜や絶縁性酸化膜を形成したシリコン基板やガラス基板、アルミナ等のセラミックを用い
る事ができる。
本願発明の電極端子の樹脂層は、無鉛半田のリフロー作業温度より60度以上低い熱変
形温度を有する樹脂で形成されていることが好ましい。
樹脂層に用いる樹脂の熱変形温度は、4.6kg/mの荷重を加え、JISK719
1に準じて測定した値である。
無鉛半田のリフロー作業温度より60度以上低い熱変形温度を有する樹脂を使用するこ
とで、無鉛半田が熔融状態から温度が下がり固化し更に温度が下がるとき、関係する材料
の熱膨張率の違いにより応力が発生する。発生した応力を樹脂の柔らかさで吸収すること
で、クラックの発生を防ぐことができる。用いる樹脂の熱変形温度が低いほど、樹脂は無
鉛半田冷却時に長時間柔らかさを保つことができるため、応力の蓄積を抑えることができ
る。
無鉛半田のリフロー作業温度で炭化の様な変質を起こす樹脂や、接着力が無くなり剥が
れるような樹脂は使用できないことは当然である。少なくとも、リフロー作業前後で樹脂
が大きく変質しないことが重要である。耐熱性を有する樹脂を用いることは好ましいが、
耐熱温度が高いだけでなく熱変形温度がリフロー作業温度より60度以上低いことが必要
である。
樹脂は熱可塑性、熱硬化性のいずれも使用することができる。熱可塑性樹脂は、加熱す
ることで軟化し冷却すると硬化することを繰返す樹脂である。熱硬化性樹脂は、加熱する
ことで高分子鎖間に複雑な反応が進み、再加熱によっても不融の状態に硬化する性質を有
している。熱可塑性樹脂には樹脂の軟化を温度で表す融点やガラス転移温度があるが、熱
硬化性樹脂にはない。そのため、いずれの樹脂の軟化を表せる熱変形温度に着目し、使用
できる樹脂を選定することは非常に有効な手段となる。
樹脂層に用いることができる代表的な樹脂名と熱変形温度は次の通りである。同一の樹
脂系でも、配合組成の違いや添加物等の違いで熱変形温度は異なる。ポリエチレン系(尿
素)樹脂 60〜80℃、フッ素系樹脂 120℃、ナイロン系樹脂 49〜60℃、シ
リコン系樹脂 120〜260℃、フェノール系樹脂 150〜175℃、ポリイミド系
樹脂 170〜180℃、エポキシ系樹脂 50〜250℃、ポリカーボネート系樹脂
130〜190℃、ポリアセタール系樹脂 160〜170℃がある。これら以外の樹脂
であっても、耐熱温度や熱変形温度がリフロー作業温度より60度以上低いと言う条件や
、薄く塗布できると言う条件等を満たせば、使用できることは言うまでも無い。
本願発明の電極端子の樹脂層厚みは、0.5μm以上30μm以下であることが好まし
い。
樹脂を溶剤で希釈しスピン塗布法やスクリーン印刷法で、硬化後の厚さが0.5〜30
μmになる様に塗布する。硬化後の樹脂の厚さを0.5μm以上とすることで、無鉛半田
の応力を緩和および吸収しクラックの発生を防ぐことができる。クラックの発生を防ぐと
言う点からは樹脂厚みの上限は無いと言っても良い。しかし、樹脂層が厚くなるに従い金
属層aの形成が難しくなる。金属層aをスパッターで形成するとき、樹脂の基板と平行な
部位は容易に膜形成ができるが、垂直な部位(壁部分)に膜を形成するのは難しい。樹脂
層が厚いと壁部分の金属膜が不連続になる可能性があるため、30μm程度を上限とする
ことが好ましい。また、ペースト状の無鉛半田をスクリーン印刷するときに、樹脂層が厚
いとペースト状の無鉛半田を埋め込む穴の深さが深くなり、穴の空気を巻き込み易くなっ
てしまう。巻き込まれた空気をリフロー時に抜くことは難しく、金属層と無鉛半田間にボ
イドとして残ることになる。残るボイドが増えると、金属層と無鉛半田間の接着強度が低
下するだけでなく、電気抵抗の増大に繋がり電極端子の信頼性を大幅に低下させてしまう
。樹脂層30μmでは数%のボイド発生率であるが、膜厚が増えるに従いボイドの発生率
が上がり、40μmでは20〜25%の電極端子で発生する。このことからも、樹脂層の
厚みは30μm以下とすることが好ましい。
電気絶縁層と金属層aの間に、無鉛半田のリフロー作業温度より60度以上低い熱変形
温度を有する樹脂を用いて樹脂層を形成し、樹脂層の柔軟性を活かすため、樹脂層の端部
は金属層aの端部より少なくとも数μm以上より好ましくは10μm以上飛び出させるこ
とで、剥離やクラックの無い電極端子を提供できる。また、樹脂層の厚みを0.5μm以
上30μm以下とすることで、金属層と無鉛半田間のボイドが少ない電極端子を提供でき
る。
以下本願発明を図面を参照しながら実施例に基づいて詳細に説明する。説明を判り易く
するため、同一の部品、部位には同じ符号を用いている。
図1に示す金属層aとbを有する電極端子を用いて、実施した電極端子の構成を説明す
る。図1は、図6の電極端子m−m’方向断面を示している。孔部11は長方形で、11
20×220μmである。図1の左右方向が220μmで図の奥行き方向が1120μm
である。電気絶縁層5の孔形状と樹脂層10の孔形状と外側形状、金属層a及びbの外側
形状は相似とした。
0.7mm厚のガラス製基板2に機能部品4(図示せず)を形成し金属配線3で電極端
子1に繋いでいる。本実施例では機能部品4はNi−Fe系の磁気抵抗効果膜をパターニ
ングしたものである。基板2上に0.5μm厚の金属配線3をパターニング形成した。金
属配線3は0.02μm厚のCrと0.48μm厚のCuの2層膜である。基板2と金属
配線3の接合強度を上げるため、基板2とCu膜間にCr膜を挿入している。金属配線3
上に1120×220μmの孔部11を有する電気絶縁層5を2μm厚のSiOで形成
した。電気絶縁層5上に1160×260μmの孔形状を有し外側形状が1240×34
0μmの樹脂層10を2μm厚で設けた。金属層a6は1200×300μmの外側形状
で、金属層a6の端部から樹脂層10の端部は20μm突き出ている。金属層aは0.0
2μm厚のCrと0.2μm厚のCu、0.02μm厚のNiFeの3層構造である。C
rは金属配線3および樹脂層10と金属層a間の接合強度を上げるためで、NiFeは金
属層bのNiP無電解めっきの下地とするためである。金属層bは外形状1180×28
0μmで、金属層aの端部と金属層bの端部は10μm離れている。金属層bは、3μm
厚のNiP無電解めっき膜と0.05μm厚のAuめっき膜の2層とした。Auめっき膜
は、NiP無電解めっき膜の表面酸化防止と無鉛半田の濡れ性を上げるためである。無鉛
半田は外側形状は金属層bと同じで、厚みが30〜40μmの略円弧状である。
図2に実施例1の電極端子の製造工程を示す。機能部品等の形成は省略し電極端子のみ
記載している。また、材料や寸法は前述しているので特に断りのない限り省略した。基板
2上に金属配線3をスパッターで形成した[図2a]]。金属配線3上にSiOをスパ
ッターで形成したのち、フォトレジストで孔部11以外を覆いウエットエッチングを行っ
た。フォトレジストを有機溶剤で除去し孔部11を有する電気絶縁層5を形成した[図2
b)]。ポリイミド前駆体樹脂をスピンコートした後、フォトレジストパターンを形成し
そのフォトレジストパターンをマスクとして、ポリイミド前駆体樹脂を樹脂層10の形状
にエッチング、熱硬化させて樹脂層10を形成した[図2c]]。金属層aの形状が開い
たフォトレジストパターンを形成した上に、金属層a6の膜をスパッターで形成する。フ
ォトレジストを除去することで金属層a6の形状を得る、リフトオフと言う方法を用いた
[図2d]]。続けて金属層bの形状が開いたフォトレジストパターンを形成し、無電解
めっきでNiP膜と金膜を形成した後、フォトレジストを除去し金属層b7を得た[図2
e)]。スクリーン印刷法を用い(96.5Sn−3Ag−0.5Cu)組成のペースト
状無鉛半田52’を、金属層bの端部から約10μm離れるようにして形成した[図2f
)]。260℃x45秒のリフロー処理を行い、ペースト状無鉛半田52’を熔融して略
円弧状の無鉛半田52を形成し、電極端子30を得た[図2g]]。熔融した無鉛半田は
表面張力で略円弧状になり、無鉛半田52の端部は金属層bの端部で止まり、無鉛半田が
金属層aまで溢れることはなかった。
図3に、第2の実施例を示す。実施例2は金属層aのみで、実施例1の金属層bを持た
ない構造である。実施例1と金属膜aの構成が異なるだけで、他は同じであるので金属膜
aの構成と製造方法についてのみ説明する。
金属層a6は、0.02μm厚のCr層と0.02μm厚のNiFe層、3μm厚のN
iP層、0.05μm厚のAu層の4層で形成した。最下層のCrは金属配線3と金属層
a6の接合強度を上げるため、NiFeは無電解めっきのNiPの析出起点となるように
した。最上層のAu膜は、NiP無電解めっき膜の表面酸化防止と無鉛半田の濡れ性を上
げるためである。Cr膜とNiFe膜はスパッター、NiP膜とAu膜は無電解めっきを
用いて形成した。
図4に、樹脂層の厚みとクラック発生率、金属層bと無鉛半田間のボイド発生率の関係
を示す。樹脂層は熱変形温度150℃のエポキシ系樹脂を用い、0.15μmから40μ
mまで厚みを変えた。樹脂層以外の寸法や材質は実施例1と同じとした。図6に示す様な
4つの電極端子を持つ部品が400個形成された基板を、各樹脂層厚みで5枚作製してク
ラック発生率を求めた。クラックは基板の表裏から実体顕微鏡で観察し、図9に示すクラ
ック22,22’,22’’のいずれかが一つでもあった電極端子を、クラック発生した
端子とした。クラックの長さやクラックの形状(クラック22,22’,22’’)の分
類は行っていない。各樹脂層厚みで、4電極×400個×5枚=8000電極を検査して
いる。クラック発生率=クラックの発生した電極端子数/8000(%)で求めた。
金属層bと無鉛半田間のボイド発生率は、電極端子を引張り破壊し、金属層bと無鉛半
田の界面に直径5μm以上のボイドがあるか否かで判定した。5μm未満のボイドについ
ては無視した。ボイド発生率は、各基板の任意に電極端子200個を選び合計1000電
極端子を検査した。ボイド発生率=ボイドの発生した電極端子数/1000(%)で求め
た。
試料#1は、樹脂層のない従来の電極構造であり比較のために作製した。樹脂層の厚み
が増えるに従いクラック発生率は減少し、試料#5の樹脂層厚0.5μmでクラックの発
生を無くすことができた。ボイドは試料10から出始め試料#12の樹脂層厚40μmで
は、ボイド発生率23.2%の高率でボイドが発生していた。このことから、樹脂層の厚
みは、0.5μm以上30μm以下が良いことが確認できた。
図5に、樹脂層の熱変形温度とクラック発生率の関係を示す。熱変形温度が50〜25
0℃のエポキシ系樹脂と熱変形温度が120〜260℃のシリコン系樹脂の2種類を用い
た。供試したエポキシ樹脂の熱変形温度は50℃,110℃,190℃,205℃、25
0℃の5種類、シリコン系樹脂の熱変形温度は120℃,175℃,230℃,260℃
の4種類である。樹脂は配合組成の違いや添加物等の違いがあるためか粘度にばらつきが
あるため、樹脂層厚を一定にすることが難しい。実施例3でクラックの発生しない膜厚範
囲であれば良しとしたので、樹脂層の厚みは2μm〜10μmとした。樹脂層以外の寸法
や材質は実施例1と同じとした。熔融温度が230℃と200℃の2種類の無鉛半田を用
いた。リフロー温度は熔融温度より30℃高くしているので、260℃×45秒と230
℃×45秒の条件とした。
クラックは基板の表裏から実体顕微鏡で観察し、図9に示すクラック22,22’,2
2’’のいずれかが一つでもあった電極端子を、クラック発生した端子とした。クラック
の長さやクラックの形状(クラック22,22’,22’’)の分類は行っていない。各
樹脂層厚みで、4電極×400個×5枚=8000電極を検査している。クラック発生率
=クラックの発生した電極端子数/8000(%)で求めた。
熔融温度230℃の無鉛半田を用い、リフロー条件260℃×45秒のとき、熱変形温
度205℃以下のエポキシ系樹脂、熱変形温度175℃以下のシリコン系樹脂では、クラ
ックの発生はなかった。熱変形温度250℃以上のエポキシ系樹脂、熱変形温度230℃
以上のシリコン系樹脂ではクラックの発生が見られ、熱変形温度とリフロー作業温度との
差が小さいほど、クラック発生率が大きくなっている。図5から、リフロー条件が260
℃の場合、ばらつきを含めても200℃以下の熱変形温度の樹脂であれば、クラックの発
生を無くすことができる。
熔融温度200℃の無鉛半田を用い、リフロー条件230℃×45秒のとき、熱変形温
度110℃以下のエポキシ系樹脂、熱変形温度175℃以下のシリコン系樹脂では、クラ
ックの発生はなかった。熱変形温度190℃以上のエポキシ系樹脂、熱変形温度175℃
以上のシリコン系樹脂ではクラックの発生が見られた。図5から、リフロー条件が230
℃の場合、ばらつきを含めても170℃以下の熱変形温度の樹脂であれば、クラックの発
生を無くすことができる。これらの結果から、リフロー作業温度より60℃以上熱変形温
度が低い樹脂を用いることで、クラックの発生が無くなることが確認できた。
本願発明を電極端子で説明してきたが電極端子に限らず、電気絶縁層上に端部を有する
金属層上にリフローで無鉛半田を形成する部位、部品にも、電気絶縁層と金属層間に樹脂
層を挿入してクラックを防止する本願発明を適用することができる。
実施例1の金属層aと金属層bを有する電極端子の断面図である。 実施例1の電極端子の製造工程を説明する図である。 実施例2の金属層aを有する電極端子の断面図である。 実施例3の樹脂層の厚みとクラック発生率、金属層bと無鉛半田間のボイド発生率の関係を示す図である。 実施例4の樹脂層の熱変形温度とクラック発生率の関係を示す図である。 電極端子部を説明する図である。 従来の電極部断面構造を示す図である。 従来の他の電極部断面構造を示す図である。 従来技術を適用試作した電極端子の断面図である。 従来技術を適用試作した他の電極端子の断面図である。
符号の説明
1 電極端子、
2 基板、
3 金属配線、
4 機能部品、
5 電気絶縁層、
6 金属層a、
7 金属層b、
10 樹脂層、
11 孔部、
22,22’,22’’ クラック、
41 半田、
42 最下層金属、
43 最上層金属、
51 ソルダーレジスト、
52,52’ 無鉛半田、
53 スルーホール、
54 ランド、
55 リード。

Claims (4)

  1. 電気絶縁性基板上に機能部品が形成され、機能部品は金属配線で接続されており、金属
    配線と外部配線とを半田接続する電極端子であって、金属配線は電気的接続をおこなう孔
    部を除き電気絶縁層で覆われており、電気絶縁層上に電気絶縁層の孔部中心からの内側寸
    法より大きな内側寸法を有する樹脂層が設けられており、電気絶縁層の孔部中心からの内
    側寸法より大きく、樹脂層の外側寸法より小さい外側寸法を有する金属層aが金属配線上
    から樹脂層上まで設けられ、金属層a上には金属層aの外側寸法と略同等の外側寸法を有
    するリフローで形成された無鉛半田が設けられていることを特徴とする電極端子。
  2. 電気絶縁性基板上に機能部品が形成され、機能部品は金属配線で接続されており、金属
    配線と外部配線とを半田接続する電極端子であって、金属配線は電気的接続をおこなう孔
    部を除き電気絶縁層で覆われており、電気絶縁層上に電気絶縁層の孔部中心からの内側寸
    法より大きな内側寸法を有する樹脂層が設けられており、電気絶縁層の孔部中心からの内
    側寸法より大きく、樹脂層の外側寸法より小さい外側寸法を有する金属層aが金属配線上
    から樹脂層上まで設けられ、金属層a上に金属層aの外側寸法と同等以下の外側寸法を有
    する金属層bが設けられ、金属層b上には金属層bの外側寸法と略同等の外側寸法を有す
    るリフローで形成された無鉛半田が設けられていることを特徴とする電極端子。
  3. 樹脂層は、無鉛半田のリフロー作業温度より60度以上低い熱変形温度を有する樹脂で
    形成されていることを特徴とする請求項1および2に記載の電極端子。
  4. 樹脂層は、厚みが0.5μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1および
    2に記載の電極端子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010135779A (ja) * 2008-11-07 2010-06-17 Hitachi Metals Ltd 磁気センサー
JP2011129575A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Tdk Corp 電子部品
CN108269770A (zh) * 2016-12-30 2018-07-10 德克萨斯仪器股份有限公司 具有用于在表面不连续处的应力缓解的柱体的半导体器件

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