JP2008004432A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システムの停止時に、酸化剤極に存在する酸化剤ガスを消費させる際に、これを適切なタイミングで終了する。
【解決手段】制御部31は、システムの停止時に実行する停止制御として、燃料電池スタック1の燃料極に燃料ガスを供給し、かつ、燃料電池スタック1の酸化剤極に空気の供給を停止した状態で、電流取出部30を制御して燃料電池スタック1の酸化剤極における酸素を消費させる(負荷取出制御)。そして、制御部31は、燃料電池スタック1の酸化剤極における酸素を消費したことを条件として、電流取出部30による電流取出(負荷取出制御)の終了を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に、システムの停止時に実行される停止制御に関する。
従来より、燃料極に燃料ガス(例えば、水素)を供給し、酸化剤極に酸化剤ガス(例えば、空気)を供給することにより、これらのガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムが知られている。この類の燃料電池システムでは、システム起動時に、酸化剤極および燃料極の両者に空気が存在している場合、燃料極側に存在する空気と新たに供給される水素との境界面である水素フロントの存在によって燃料電池スタックが劣化してしまう可能性がある。具体的には、燃料極側において水素フロントが存在する場合、燃料極側のうち水素が存在しない領域と対峙する酸化剤極側において、以下の反応が生じる。
C+2HO→CO+4H+4e
この反応により、白金等の触媒を担持しているカーボン担体の腐食が起こり、燃料電池スタックを劣化させてしまう。そのため、このような劣化を抑制した種々の起動手法が開発されているが、起動時の劣化の原因が酸化剤極および燃料極の両者に空気が存在していることという点に鑑みれば、停止時に何らかの処置を行うことにより、起動時の劣化を抑制することも考えられる。
例えば、特許文献1には、燃料電池の停止方法が開示されている。かかる方法では、燃料電池と接続する負荷の接続を解除し、酸化剤極への空気の流れを停止し、燃料電池内の酸素と水素を反応させることにより、酸素が燃料極と酸化剤極の中に残らなくなり、かつ、燃料極と酸化剤極の中の気体組成が少なくとも0.0001%の水素と残部の燃料電池不活性ガスとから成る平衡気体組成に達するまで、酸化剤極の中に残っている酸素の濃度を低下させ、かつ、燃料電池内の水素の濃度を上昇させる。そして、平衡気体組成に到達すると、システムが停止されている間、少なくとも0.0001%の水素と残部の燃料電池不活性ガスとから成る気体組成が維持される。
特表2005−518632号公報
ところで、停止時に酸化剤極の酸素を消費させることは、起動時の劣化を抑制するための手法として有効であるものの、この酸素消費動作は、エネルギー効率・処理時間の観点からみれば、エネルギーや処理時間を不要に費やすことなく、適切なタイミングで終了することが好ましい。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、システムの停止時に、酸化剤極に存在する酸化剤ガスを消費させる際に、これを適切なタイミングで終了することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、燃料電池と、酸化剤ガス系と、燃料ガス系と、酸化剤系規制手段と、燃料系規制手段と、電流取出手段と、制御手段とを有する燃料電池システムを提供する。ここで、燃料電池は、燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を発生する。酸化剤ガス系と、燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給流路と、酸化剤極から酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出流路とを含む。燃料ガス系は、燃料電池の燃料極から燃料ガスを排出する燃料ガス排出流路を含む。酸化剤系規制手段は、酸化剤ガス系に設けられており、自己の動作状態に応じて、酸化剤ガス系から燃料電池への外気の進入を規制する。燃料系規制手段は、燃料ガス系に設けられており、自己の動作状態に応じて、燃料ガス系から燃料電池への外気の進入を規制する。電流取出手段は、燃料電池から電流を取り出す。制御手段は、酸化剤系規制手段と、燃料系規制手段と、電流取出手段とを制御する制御手段とを有する。この場合、制御手段は、システムの停止時に実行する停止制御として、燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給し、かつ、燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスの供給を停止した状態で、電流取出手段を制御して燃料電池の酸化剤極における酸化剤ガスを消費させるとともに、燃料電池の酸化剤極における酸化剤ガスを消費したことを条件として、電流取出手段による電流取出の終了を判定する。
本発明によれば、燃料電池の酸化剤極における酸素を消費したことを条件として、電流取出手段による電流取出の終了を判定することにより、余分な時間やエネルギーを費やすことなく、酸素消費動作を適切なタイミングで終了することができる。また、停止時の酸化剤極に存在する酸素量が抑制された状態で停止することで、燃料電池の起動時に酸化剤極に存在する酸素量を低減させることができ、起動時の劣化を有効に抑制することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。燃料電池システムは、固体高分子電解質膜を挟んで酸化剤極と燃料極とを対設した燃料電池構造体(燃料電池セル)をセパレータで挟持して、これを複数積層して構成される燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、これらのガスを電気化学的に反応させて電力を発生する。本実施形態では、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして酸素(具体的には、酸素を含む空気)を用いるケースについて説明する。この燃料電池システムは、例えば、車両を駆動する電動モータの電源として、車両に搭載して使用される。
燃料電池システムには、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系(燃料ガス系)10と、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系(酸化剤ガス系)20とが備えられている。
水素系10において、燃料ガスである水素は、燃料供給装置(例えば、高圧水素ボンベである燃料タンク11)から、水素供給流路L10を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、燃料タンク11下流の水素供給流路L10には水素供給弁12が設けられており、この水素供給弁12が開状態となると、燃料タンク11からの高圧水素ガスは、その下流に設けられた減圧弁(図示せず)によって機械的に所定の圧力まで減圧される。減圧された水素は、減圧弁よりも下流に設けられた水素調圧弁13によって更に減圧された後に、燃料電池スタック1に供給される。水素供給弁12は、燃料電池スタック1への水素供給の必要性に応じて、後述する制御装置3によってその開閉状態が制御され、また、水素調圧弁13は、燃料電池スタック1へ供給される水素圧力が所望の値となるように、制御装置3によってその開度が制御される。
燃料電池スタック1の燃料極側から排出されるガス(未使用の水素を含む排出ガス)は、水素循環流路L11へと排出される。この水素循環流路L11は、他方の端部が水素調圧弁13よりも下流側の水素供給流路L10に接続されている。水素循環流路L11には、例えば、水素循環ポンプ14およびエゼクタ15といった水素循環手段が設けられている。この水素循環手段により、燃料極の排出側から排出された水素はその供給側へと循環され、水素の燃費向上を図ることができる。
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いた場合、空気中の窒素が酸化剤極から燃料極に透過するため、水素系10におけるガスの窒素濃度が増加し、水素分圧が減少する傾向となる。そのため、水素循環流路L11には、水素系10内のガスを外部に排出する水素排出流路L12が接続されている(すなわち、水素循環流路L11の一部は、燃料極から水素を排出する水素排出流路L12としても機能する)。水素排出流路L12には、パージ弁16が設けられており、このパージ弁16の開閉状態を切り替えることにより、水素循環流路L11を流れる排出ガス(窒素、未使用な水素等を含むガス)が外部に排出される。パージ弁16の開閉状態は、制御装置3によって、燃料電池スタック1の運転状態に応じて制御される。例えば、パージ弁16は、基本的に閉状態に制御されているが、燃料極における窒素濃度を推定して、或いは、所定の周期毎に、必要に応じて閉状態から開状態へと切り替えられるといった如くである。これにより、未反応な水素とともに窒素が水素系からパージされ、水素分圧の減少を抑制することができる。
また、本実施形態の特徴の一つとして、このパージ弁16は、自己の動作状態、すなわち、その開閉状態に応じて流路を開閉することにより、水素排出流路L12から燃料電池スタック1への外気(空気)の進入を規制する機能を担っている。ここで、水素供給流路L10の上流側には水素供給装置が存在していることに鑑みれば、水素系10から燃料電池スタック1へと進入する空気の要因は、水素排出流路L12の開放端のみとなる。換言すれば、このパージ弁16は、水素系10から燃料電池スタック1への外気の進入を規制する水素系規制手段として機能する。なお、本実施形態では、このパージ弁16を以下「水素系出口弁16」という。
空気系20において、酸化剤ガスである空気は、例えば、大気がコンプレッサ21によって取り込まれて加圧されると、この加圧状態の空気が、空気供給流路L20を介して燃料電池スタック1に供給される。燃料電池スタック1の酸化剤極側から排出されるガス(酸素の一部が消費された空気)は、空気排出流路L21を介して外部(大気)に排出される。この空気排出流路L21には、空気調圧弁22が設けられている。空気調圧弁22は、燃料電池スタック1に供給される空気圧力と空気流量とが所望の値となるように、その開度が、コンプレッサ21の駆動量(回転数)とともに制御装置3によって制御される。
本実施形態の特徴の一つとして、空気系20には、この空気系20から燃料電池スタック1への外気の進入を規制する酸化剤系規制手段が設けられており、この酸化剤系規制手段は、空気系入口弁23と空気系出口弁24とで構成される。
空気系入口弁23は、空気供給流路L20に設けられており、自己の開閉状態に応じて流路を開閉することにより、空気供給流路L20から燃料電池スタック1への外気の進入を規制する。また、空気系出口弁24は、空気排出流路L21に設けられており、自己の開閉状態に応じて流路を開閉することにより、空気排出流路L21から燃料電池スタック1への外気の進入を規制する。空気系入口弁23および空気系出口弁24は、酸化剤極を含む空気系入口弁23と空気系出口弁24との間の空間の体積が最小となるようにとの観点から、空気供給流路L20において燃料電池スタック1の直上に空気系入口弁23が設けられており、空気排出流路L21において燃料電池スタック1の直下に空気系出口弁24が設けられている。したがって、空気供給流路L20に備えられている種々の要素のうち、空気系入口弁23が最も燃料電池スタック1に近い位置にレイアウトされ、この空気供給流路L20は空気系入口弁23と燃料電池スタック1との間に配管以外の部品を備えていない格好となっている。また、空気排出流路L21に備えられている種々の要素のうち、空気系出口弁24が最も燃料電池スタック1に近い位置にレイアウトされ、この空気排出流路L21は空気系出口弁24と燃料電池スタック1との間に配管以外の部品を備えていない格好となっている。
制御装置3は、電流取出部(電流取出手段)30と、制御部(制御手段)31とを主体に構成されている。電流取出部30は、制御部31によって制御され、燃料電池スタック1から電流を取り出す。電流取出部30が取り出した電流は、二次電池2を含む負荷手段に供給される。制御部31は、システム全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従ってシステムの各部を制御することにより、燃料電池スタック1の運転状態を制御する。本実施形態との関係において、制御部31は、電流取出部30が電流を取り出す際の電流値または電圧値を制御し(負荷取出制御)、また、水素系出口弁16、空気系入口弁23および空気系出口弁24の開閉状態を制御する。具体的には、制御部31は、システムの停止時に実行する停止制御として、燃料電池スタック1の燃料極に水素を供給し、かつ、燃料電池スタック1の酸化剤極に酸化剤ガスの供給を停止した状態で、電流取出部30を制御して燃料電池スタック1の酸化剤極における酸化剤ガスを消費させる。また、制御部31は、燃料電池スタック1の酸化剤極における酸化剤ガスを消費したことを条件として、電流取出部30による電流取出(負荷取出制御)の終了を判定する。さらに、制御部31は、必要に応じて、水素系出口弁16、空気系入口弁23および空気系出口弁24を閉弁することにより、水素系10または空気系20から燃料電池スタック1への外気の進入を規制する。
制御部31には、燃料電池システムの運転状態を検出するために、各種センサからの検出信号が入力されている。
図2,3は、電圧センサ32の説明図である。電圧センサ32は、燃料電池スタック1の電圧を検出するセンサである。図2(a)に示すように、電圧センサ32は、燃料電池スタック1を構成する個々の発電セル1aの電圧をそれぞれ検出する。ただし、電圧センサ32としては、図2(b)に示すように、複数の発電セル1aからなるセルユニットを検出単位として、それぞれのセルユニットの電圧を検出してもよい。また、これらの電圧センサ32から得られる電圧値の総和から、燃料電池スタック1の総体的な電圧を検出することもできる。
さらに、個々の発電セル1aの電圧状態を正確にモニタリングする場合には、図3(a)に示すように、個々の発電セル1aを対象として、複数箇所、例えば、酸化剤ガスである空気の流れ(図中の矢印で示す)において対向する両端(すなわち、空気の供給側と排出側)に電圧センサ32をそれぞれ設けてもよい。また、この場合、電圧センサ32としては、図3(b)に示すように、セルユニットを検出単位として、それぞれのセルユニットの複数箇所の電圧を検出してもよい。
水素圧力センサ33は、水素供給流路L10に設けられており、燃料電池スタック1の燃料極に供給される水素の圧力を検出するセンサである。空気圧力センサ34は、空気供給流路L20に設けられており、燃料電池スタック1の酸化剤極に供給される空気の圧力を検出するセンサである。空気流量センサ35は、燃料電池スタック1の酸化剤極に供給される空気の流量を検出するセンサである。
以下、このような構成を有する燃料電池システムにおいて実行される停止制御について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態にかかる停止制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、車両のイグニッションスイッチのオフといったように、システムの停止を指示する信号の入力に対応して制御部31によって実行される。停止制御を開始する前提として、燃料電池スタック1に対する水素供給および空気供給は継続されている。そのため、水素循環ポンプ14、コンプレッサ21といった水素・空気供給に必要な各種機器は動作したままの状態となっている。
まず、ステップ1(S1)において、制御部31は、燃料電池スタック1の酸化剤極への空気供給を停止する。具体的には、制御部31は、コンプレッサ21の運転を停止する。
ステップ2(S2)において、制御部31は、水素系出口弁16を閉じる。そのため、ステップ2の処理を実行した以降は、水素系出口弁16の閉弁に伴って、水素排出流路L12から燃料電池スタック1への外気(空気)の進入が規制される。
ステップ3(S3)において、制御部31は、負荷取出制御を行う。負荷取出制御は、電流取出部30が電流を取り出す際の電流値(または、電圧値)を制御するものであり、この負荷取出制御によって、燃料電池スタック1の酸化剤極(広義には、酸化剤極に連通する空気系20も含む)における空気(酸素)を消費させる。なお、ステップ3の処理では、その前提として、水素供給弁12および水素調圧弁13が開状態のままとなっているため、負荷取出制御は、燃料電池スタック1に対する水素供給が継続されたままの状態で実行される。制御部31は、電流取出部30が取り出す電流の制御指令値である電流設定値を適宜決定し、この電流設定値に基づいて電流取出部30を制御することにより、燃料電池スタック1から電流を取り出す。
とこで、負荷取出制御において、酸化剤極に存在する酸素を短時間で消費させるという点に鑑みれば、電流設定値は大きな値に設定することが好ましい。ただし、燃料電池スタック1から過大な電流を取り出した場合には、燃料極側において、水素の供給遅れや個々の発電セル1aへの供給バラツキ等が発生し、反応に必要な水素が不足し、これにより、燃料電池スタック1を劣化させてしまう可能性がある。そこで、制御部31は、酸素の消費に要する時間の短縮と、燃料極における水素不足の抑制との両者の観点から、以下に示すような手法にて負荷取出制御を行う。
第1の手法としては、制御部31は、電圧センサ32からの検出値に基づいて、複数の発電セル1aのうちの最低電圧をモニタリングし、この最低電圧が0Vに近づくように、電流取出部30によって取り出す電流を制御する。燃料極における水素が不足した状態の発電セルでは電圧が立たなくなるため、最低電圧をモニタリングすることにより、燃料極における水素が不足しないような状態で電流を取り出すことができ、また、その時点において取り出し得る最大量の電流を燃料電池スタック1から取り出すことができるので、酸素の消費時間の短縮を図ることができる。
また、第1の手法のような電圧監視による水素不足の抑制といった観点からすると、以下に示す第2の手法も有効である。具体的には、制御部31は、電流取出部30が取り出す電流の制御指示値である電流設定値の増加速度を電流取出速度として設定し、この設定された電流取出速度に基づいて、燃料電池スタック1の電圧が負とならない範囲において電流設定値を増加させる。そして、電流取出部30は、電流設定値に応じた電流を燃料電池スタック1より取り出す。この際、制御部31は、電圧センサ32によって検出される電圧の推移に基づいて、所定時間あたりの電圧の降下量(以下「電圧変化速度」という)を特定する。特定された電圧変化速度が、所定の判定値よりも大きい場合、制御部31は、電圧変化速度が判定値以下となるように、電流設定値を減少させる。このように、電流設定値を次第に増加させることにより、特に、電流の取り出しを開始した時に、燃料ガスの配流バラツキや供給遅れを抑制することができる。また、燃料電池スタック1から取り出す電流は次第に大きくなっていくので、酸素の消費速度を早めることができる。これにより、電流取り出し開始時の燃料電池スタック1の劣化を抑制し、かつ、酸素消費に要する時間を短くすることができる。さらに、電圧変化速度Vsをモニタリングし、燃料極における水素の欠乏状態を判定し、これに応じて、電流変化速度を減少させることで、燃料極における水素の欠乏を抑制することができる。これにより、燃料電池スタック1の劣化を抑制しつつ、酸化剤極の酸素を有効に消費することができる。
第3の手法としては、上述した第2の手法と基本的に同じであるが、制御部31は、特定された電圧変化速度が、所定の判定値よりも大きい場合には、電圧変化速度が判定値以下となるように、水素循環ポンプ14の回転数を増加させたり、燃料電池スタック1に供給される水素圧力を増加させたりしてもよい。このように、水素循環ポンプ14の回転数を増加させたり、燃料電池スタック1に供給される水素圧力を増加させたりすることにより、水素の供給遅れや個々の発電セル1aへの供給バラツキ等が抑制される傾向となるので、燃料極における水素不足を抑制することができる。また、その時点に取り出しうる最大量の電流を燃料電池スタック1から取り出すことができるので、燃料電池スタック1の劣化抑制と酸素の消費時間の短縮との両立を図ることができる。
また、電圧監視以外にも、実際に燃料極に供給される水素の状態を監視することにより、水素不足を抑制する手法も考えられる。第4の手法としては、燃料極における水素の圧力状態から、その水素不足を判定する。具体的には、制御部31は、電圧センサ32によって検出される電圧が負とならない範囲において、電流設定値を一定の割合で経時的に増加させる。また、制御部31は、燃料電池スタック1へ供給する水素の流量を一定に制御した状態において、燃料電池スタック1における燃料極の発電面を基準として、その上流側(マニホールド、或いは、水素供給流路L10)の水素圧力と、その下流側(マニホールド、或いは、水素排出流路L12)の水素圧力とを取得する。そして、制御部31は、上流側の水素圧力と、下流側の水素圧力との圧力差を算出し、この圧力差が所定の判定値よりも大きい場合には、電流取出部30によって取り出す電流の目標値である電流設定値を減少させる。このように、電流設定値を必要に応じて減少させることにより、水素の供給遅れや個々の発電セル1aへの供給バラツキ等が抑制される傾向となるので、燃料極における水素不足を抑制することができる。また、その時点に取り出しうる最大量の電流を燃料電池スタック1から取り出すことができるので、燃料電池スタック1の劣化抑制と酸素の消費時間の短縮との両立を図ることができる。ここで、上下流の圧力差と比較される判定値は、電流取出部30によって取り出す電流が過大であることに起因する燃料極における水素不足を抑制するとの観点から、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。
なお、第4の手法では、上流側の水素圧力と下流側の水素圧力との圧力差によって、燃料極に供給される水素の状態を監視しているが、このような手法としては、圧力差に限定されず、上流側の水素流量と下流側の水素流量との流量差を用いてもよい。
ステップ4(S4)において、制御部31は、負荷取出制御の終了を判定する終了判定処理を行う。ステップ1において空気供給が停止されている関係上、負荷取出制御を行うことによって、酸化剤極における酸素量は減少する傾向を示す。そこで、このステップ4では、空気系20(主として、酸化剤極)に存在する酸素が消費されたことを条件として、負荷取出制御の終了を判定する。
図5は、第1の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、ステップ40(S40)において、電圧センサ32によって検出された電圧が読み込まれる。
ステップ41(S41)において、燃料電池スタック1の電圧値Vcと、判定値Vthとが比較され、電圧値Vcが判定値Vth以下であるか否かが判断される。ここで、燃料電池スタック1の電圧値Vcとしては、例えば、個々の電圧センサ32の総和として算出される総体的な電圧を用いることができる。酸化剤極における酸素が消費された場合には、発電に必要な反応が生じないため、燃料電池スタック1の総体的な電圧は概ねゼロとなる。そこで、燃料電池スタック1の総体的な電圧が概ねゼロであることみなせる程度の値を、実験やシミュレーションを通じて判定値Vthとして予め設定することにより、酸化剤極における酸素の消費を判定することができる。
また、これ以外にも、図2(a),(b)に示すように、発電セル1a(或いは、セルユニット)において検出される個々の電圧を、判定値Vcとそれぞれ比較し、発電セル1a(或いは、セルユニット)に関するすべての電圧値Vcが判定値Vth以下となることを条件としてもよい。さらに、図3(a),(b)に示すように、個々の発電セル1a(或いは、セルユニット)の複数箇所(本実施形態では、空気の供給側と排出側との両端)において検出される電圧を、判定値Vcとそれぞれ比較し、発電セル1a(或いは、セルユニット)に関するすべての電圧値Vcが判定値Vth以下となることを条件としてもよい。なお、これらのケースでは、必要に応じて、判定値Vthを、燃料電池スタック1の総体的な電圧値Vcと比較する際に用いる値よりも小さな値を使用してもよく、比較対象となる電圧値Vcに応じて、判定値Vthを適切に設定することが好ましい。
ステップ41において肯定判定された場合、すなわち、電圧値Vcが判定値(電圧判定値)Vth以下の場合には(Vc≦Vth)、ステップ42(S42)に進む。そして、ステップ42において、制御部31は、負荷取出制御の終了を許可することを意味する終了フラグFendを「1」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
一方、ステップ41において否定判定された場合、すなわち、電圧値Vcが判定値Vthよりも大きい場合には(Vc>Vth)、ステップ43(S43)に進む。そして、ステップ43において、制御部31は、負荷取出制御の終了を不許可とすることを意味する終了フラグFendを「0」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
再び図4を参照するに、ステップ5(S5)において、制御部31は、ステップ4の終了判定の判定結果に応じて設定される終了フラグFendが「1」であるか否かを判定する。このステップ5において肯定判定された場合、すなわち、終了判定フラグFendが「1」である場合には、ステップ6(S6)に進む。これに対して、ステップ5において否定判定された場合、すなわち、終了判定フラグFendが「0」である場合には、ステップ3に戻る。
ステップ6において、制御部31は、水素供給を停止する。具体的には、制御部31は、水素循環ポンプ14を停止し、また、水素供給弁12を閉じるとともに、水素調圧弁13を全閉する。
ステップ7(S7)において、制御部31は、空気系入口弁23および空気系出口弁24を閉じる。これにより、空気供給流路L20および空気排出流路L21から燃料電池スタック1への外気(空気)の進入が規制される。なお、このステップ7に示す処理は、ステップ3に示す負荷取出制御を行う前提として実行してもよい。
このように本実施形態によれば、燃料電池システムは、燃料電池スタック1と、空気系20と、水素系10と、酸化剤系規制手段と、燃料系規制手段と、電流取出部30と、制御部31とを主体に構成されている。ここで、燃料電池スタック1は、燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を発生する。空気系20は、燃料電池スタック1の酸化剤極に空気を供給する空気供給流路L20と、酸化剤極から空気を排出する空気排出流路L21とを含む。水素系10は、燃料電池スタック1の燃料極から水素を排出する水素排出流路L12を含む。酸化剤系規制手段は、空気系20に設けられており、自己の動作状態(開閉状態)に応じて、空気系20から燃料電池スタック1への外気の進入を規制する手段であり、本実施形態では、空気系入口弁23と空気系出口弁24とがこれに該当する。燃料系規制手段は、水素系10に設けられており、自己の動作状態(開閉状態)に応じて、水素系10から燃料電池スタック1への外気の進入を規制する手段であり、本実施形態では、水素系出口弁16がこれに該当する。電流取出部30は、燃料電池スタック1から電流を取り出す。制御部31は、酸化剤系規制手段である空気系入口弁23および空気系出口弁24と、燃料系規制手段である水素系出口弁16と、電流取出部30とを制御する。ここで、制御部31は、システムの停止時に実行する停止制御として、燃料電池スタック1の燃料極に燃料ガスを供給し、かつ、燃料電池スタック1の酸化剤極に空気の供給を停止した状態で、電流取出部30を制御して燃料電池スタック1の酸化剤極における酸素を消費させる(負荷取出制御)。そして、制御部31は、燃料電池スタック1の酸化剤極における酸素を消費したことを条件として、電流取出部30による電流取出(負荷取出制御)の終了を判定する。
かかる構成によれば、燃料極に水素を供給し、かつ、酸化剤極に空気の供給を停止した状態で、燃料電池スタック1から電流を取り出すことにより、酸化剤極に存在する酸素を消費しさせることができる。そして、燃料電池スタック1の酸化剤極における酸素を消費したことを条件として、電流取出部30による電流取出の終了を判定することにより、余分な時間やエネルギーを費やすことなく、負荷取出制御を終了することができる。また、酸化剤極の酸素の消費を条件として、負荷取出制御を終了することにより、停止時の酸化剤極に存在する酸素量が抑制され、これにより、燃料電池スタック1の起動時に酸化剤極に存在する酸素量を低減することができるので、起動時の劣化を有効に抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、燃料電池システムは、燃料電池スタック1の電圧を検出する電圧センサ32をさらに有している。この場合、制御部31は、電圧センサ32によって検出された電圧が、酸化剤極における酸素を消費したと判定し得る電圧判定値以下となった場合に、電流取出部30による電流取出の終了を判定する。
酸化剤極における酸素の残存量は、燃料電池スタック1の電圧と相関があり、一般に、酸化剤極の酸素が消費されると、電圧はほぼゼロボルトなる。そのため、酸化剤極における酸素を消費したと判定し得る電圧判定値と、実際に検出される電圧値とを比較することにより、酸化剤極における酸素を消費したか否かを判定することができる。このため、電流取出部30による電流取出の終了を適切に判定することが可能となる。また、かかる手法によれば、特別な補記類を追加することなく、簡単な手法により判定を行うことができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。図6は、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。この第2の実施形態にかかる燃料電池システムが、第1の実施形態にかかるそれと相違する点は、停止制御における終了判定の手法である。なお、第2の実施形態にかかる燃料電池システムは、その構成において、第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を用いることにより、その詳細な説明は省略し、終了判定に関する相違点を中心に説明を行う。この第2の実施形態において、燃料電池システムは、燃料電池スタック1から取り出される実際の電流(以下「実電流」という)を検出する電流センサ36をさらに備えている。
図7は、終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、ステップ50(S50)において、電流センサ36によって検出された実電流が読み込まれる。
ステップ51(S51)において、制御部31は、電流変化ΔIを算出する。この電流変化ΔIは、電流センサ36によって検出された実電流の単位時間あたりの変化量(絶対値)を示すものであり、電流センサ36によって検出された実電流の時系列的な推移に基づいて特定することができる。
ステップ52(S52)において、算出された電流変化ΔIと判定値ΔIthとが比較され、電流変化ΔIが判定値ΔIth以下であるか否かが判定される。酸化剤極における酸素が消費されると、制御部31が電流設定値に従って電流取出部30を制御したとしても、燃料電池スタック1の実電流は急激に低下し、その後、一定の値に収束する傾向を示す。そこで、制御部31は、まず、電流変化ΔIをモニタリングし、電流変化ΔIが概ねゼロとなることを条件として、このような実電流の推移を判定する。そのため、判定値ΔIthには、電流変化ΔIが概ねゼロとなっているか否かを判定するための値が、実験やシミュレーションを通じて予め設定されている。
ステップ52において肯定判定された場合、すなわち、電流変化ΔIが判定値ΔIth以下である場合には(ΔI≦ΔIth)、ステップ53(S53)に進む。一方、ステップ52において否定判定された場合、すなわち、電流変化ΔIが判定よりも大きい場合には(ΔI>ΔIth)、ステップ55(S55)に進む。
ステップ53において、制御部31は、ステップ52において一度肯定判定されるとカウントが開始されるタイマの経過時間が、判定時間に到達したか否かを判定する。上述したように、酸化剤極における酸素が消費されると、燃料電池スタック1の実電流は、急激に低下し、その後、一定の値に収束する傾向を示す。ただし、一時的なノイズ等の影響によってステップ52において肯定判定される場合もあるので、このステップ53における判定により、継続的に電流変化ΔIが判定値ΔIth以下となっているか、すなわち、燃料電池スタック1の実電流が一定の値に収束しているか否かを判定する。
ステップ53において肯定判定された場合、すなわち、タイマの経過時間が判定時間に到達している場合には、ステップ54(S54)に進む。一方、ステップ54において肯定判定された場合、すなわち、タイマの経過時間が判定時間に到達していない場合には、ステップ55(S55)に進む。
ステップ54において、制御部31は、負荷取出制御の終了を許可することを意味する終了フラグFendを「1」にセットした上で本ルーチンを抜ける。一方、ステップ55において、制御部31は、負荷取出制御の終了を不許可とすることを意味する終了フラグFendを「0」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
このように本実施形態によれば、燃料電池システムは、燃料電池スタック1から取り出される電流を実電流として検出する電流センサ36をさらに有している。ここで、制御部31は、電流センサ36によって検出される実電流に基づいて、この実電流の時間変化を時系列的に算出し、当該算出された時間変化がゼロとみなせる状態が一定時間継続した場合に、電流取出部30による電流取出の終了を判定する。かかる構成によれば、酸化剤極における酸素が消費されると、これに応じて実電流が急激に低下し、その後、一定の値に収束するため、電流センサ36によって検出される実電流を監視することにより、酸化剤極における酸素を消費したか否かを判定することができる。このため、電流取出部30による電流取出の終了を適切に判定することが可能となる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。図8は、本発明の第3の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。この第3の実施形態にかかる燃料電池システムが、上述した各実施形態にかかるそれと相違する点は、停止制御における終了判定の手法である。なお、第3の実施形態にかかる燃料電池システムは、その基本的な構成において第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を用いることにより、その詳細な説明は省略し、終了判定に関する相違点を中心に説明を行う。この第3の実施形態において、燃料電池システムは、水素循環流路L11内の水素圧力を検出する水素圧力センサ37をさらに備えている。ここで、制御部31は、上述した停止制御において、燃料極への水素供給を行う際には、水素圧力センサ37による検出結果を参照し、その圧力が予め設定された設定値となるように、水素調圧弁13に対して弁制御指令を出力する。また、これとともに、水素調圧弁13は、この弁制御指令の出力に応じて、この指令を出力した回数をカウントし、これを弁制御指令カウント値として記憶している。
図9は、第3の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、ステップ60(S60)において、制御部31は、本ルーチンの前回サイクルの実行時から現在までの弁制御指令カウント値を読み込む。
ステップ61(S61)において、弁制御指令の出力頻度を示す指令頻度Cfが算出される。この指令頻度Cfは、ステップ60において取得した弁制御指令カウント値を、本ルーチンのサイクルの実行周期で除算することにより一義的に算出される。
ステップ62(S62)において、指令頻度Cfと、判定値Cfthとが比較され、指令頻度Cfが判定値Cfth以下であるか否かが判定される。停止制御において、水素循環流路L11の水素圧力を参照し、この圧力を一定に制御しているケースでは、酸化剤極の酸素が消費されると、これに対応して燃料極において消費される水素も減少し、水素循環流路L11の水素の圧力変化も減少する。そのため、弁制御指令の出力頻度も低くなる。そこで、実験やシミュレーションを通じて、酸化剤極の酸素が消費されたことが判定し得る弁制御指令の出力頻度を判定値Cfthとして設定することにより、指令頻度Cfから、酸化剤極における酸素が消費されたことを判定することができる。
ステップ62において肯定判定された場合、すなわち、指令頻度Cfが判定値Cfth以下の場合には(Cf≦Cfth)、ステップ63(S63)に進む。そして、ステップ63において、制御部31は、負荷取出制御の終了を許可することを意味する終了フラグFendを「1」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
一方、ステップ62において否定判定された場合、すなわち、指令頻度Cfが判定値Cfthよりも大きい場合には(Cf>Cfth)、ステップ64(S64)に進む。そして、ステップ64において、制御部31は、負荷取出制御の終了を不許可とすることを意味する終了フラグFendを「0」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
このように本実施形態によれば、制御部31は、停止制御において、水素圧力センサ37によって検出される水素圧力が一定となるように、水素調圧弁13を制御している。この場合、制御部31は、水素調圧弁13に対する制御指令の出力頻度(指令頻度Cf)の低下に基づいて、電流取出部30による電流取出の終了を判定する。かかる構成によれば、酸化剤極の酸素が消費されると、これに対応して弁制御指令の出力頻度も低くなるため、指令頻度Cfの低下に応じて、酸化剤極の酸素が消費されたか否かを判定することができる。これにより、電流取出部30による電流取出の終了を適切に判定することが可能となる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。図10は、本発明の第4の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。この第4の実施形態にかかる燃料電池システムが、上述した各実施形態にかかるそれと相違する点は、停止制御における終了判定の手法である。なお、第4の実施形態にかかる燃料電池システムは、その基本的な構成において第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を用いることにより、その詳細な説明は省略し、終了判定に関する相違点を中心に説明を行う。この第4の実施形態において、燃料電池システムは、燃料電池スタック1の燃料極から排出されるガス(主として、水素)の流量(以下「出口水素流量」という)を検出する流量センサ38を備えている。なお、この燃料電池システムにおいて、制御部31は、燃料電池スタック1の燃料極に供給される水素の流量(以下「入口水素流量」という)を、供給される水素の圧力およびエゼクタ15の流量特性と、水素循環ポンプ14の回転数とから推定(検出)することもできる。ただし、燃料電池スタック1の燃料極に供給される水素の流量を検出する流量センサを設け、入口水素流量を直接に特定(検出)してもよい。
図11は、第4の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、ステップ70(S70)において、流量センサ38によって検出された出口水素流量が読み込まれる。
ステップ71(S71)において、制御部31は、入出口流量差ΔQaを算出する。具体的には、制御部31は、入口水素流量を推定し、或いは、流量センサによって検出した入口水素流量を読み込み、この入口水素流量から出口水素流量を減算することにより、入出口流量差ΔQaを算出する。
ステップ72(S72)において、入出口流量差ΔQaと、判定値(流量差判定値)ΔQathとが比較され、入出口流量差ΔQaが判定値ΔQath以下であるか否かが判定される。負荷取出制御によって酸化剤極に酸素が存在しなくなると、これに対応して燃料極において消費される水素も減少するため、入出口流量差ΔQaは酸化剤極からリークしてきた窒素増加分を除けばほぼゼロとなる。そのため、酸化剤極に酸素の消費と対応して燃料極において消費される水素の減少を判定する入出口流量差を、実験やシミュレーションを通じて適切に設定することにより、ステップ71において算出された入出口流量差ΔQaと判定値ΔQathとの比較から、酸化剤極における酸素が消費されことを判定することができる。
ステップ72において肯定判定された場合、すなわち、入出口流量差ΔQaが判定値ΔQath以下の場合には(ΔQa≦ΔQath)、ステップ73(S73)に進む。そして、ステップ73において、制御部31は、負荷取出制御の終了を許可することを意味する終了フラグFendを「1」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
一方、ステップ72において否定判定された場合、すなわち、入出口流量差ΔQaが判定値ΔQathよりも大きい場合には(ΔQa>ΔQath)、ステップ74(S74)に進む。そして、ステップ74において、制御部31は、負荷取出制御の終了を不許可とすることを意味する終了フラグFendを「0」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
このように本実施形態によれば、制御部31は、入口水素流量と、出口水素流量との差を入出口流量差ΔQaとして算出し、この算出された入出口流量差ΔQaが、燃料電池スタック1の燃料極で水素が消費されていない状態を判定し得る流量差判定値ΔQath以下となった場合に、電流取出部30による電流取出の終了を判定する。
負荷取出制御によって酸化剤極に酸素が存在しなくなると、これに対応して燃料極において消費される水素も減少するため、燃料電池スタック1の燃料極で水素が消費されていない状態を判定し得る流量差判定値ΔQathと、実際の入出口流量差ΔQaとを比較することにより、酸化剤極の酸素が消費されたか否かを判定することができる。これにより、電流取出部30による電流取出の終了を適切に判定することが可能となる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。この第5の実施形態にかかる燃料電池システムが、上述した各実施形態にかかるそれと相違する点は、停止制御における終了判定の手法である。なお、第5の実施形態にかかる燃料電池システムは、その基本的な構成において第1の実施形態と同じであり、再び図1を参照することにより、その詳細な説明は省略し、終了判定に関する相違点を中心に説明を行う。
図12は、第5の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、ステップ80(S80)において、空気流量センサ35によって検出された空気流量が読み込まれる。
ステップ81(S81)において、制御部31は、読み込まれた空気流量Qcと、判定値(流量判定値)Qcthとを比較し、空気流量Qcが判定値Qcth以下であるか否かを判定する。停止制御にともうステップ1の処理において、空気供給が停止される場合でも、負荷取出制御によって酸化剤極の酸素が消費されている期間は、空気の流動に伴った空気流量Qcが検出される。一方、負荷取出制御によって酸化剤極の酸素が消費されると、このような空気の流動が生じなくなる。そのため、流量が概ねゼロと見なせるような値を、実験やシミュレーションを通じて判定値Qcthに設定することにより、空気流量Qcと判定値Qcthとの比較から、酸化剤極における酸素が消費されことを判定することができる。
ステップ81において肯定判定された場合、すなわち、空気流量Qcが判定値Qcth以下の場合には(Qc≦Qcth)、ステップ82(S82)に進む。そして、ステップ82において、制御部31は、負荷取出制御の終了を許可することを意味する終了フラグFendを「1」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
一方、ステップ81において否定判定された場合、すなわち、空気流量Qcが判定値Qcthよりも大きい場合には(Qc>Qcth)、ステップ83(S83)に進む。そして、ステップ83において、制御部31は、負荷取出制御の終了を不許可とすることを意味する終了フラグFendを「0」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
このように本実施形態によれば、制御部31は、空気流量センサ35によって検出された空気流量Qcが、酸化剤極における空気の流動がないことを判定し得る流量判定値Qcth以下となった場合に、電流取出部30による電流取出の終了を判定する。
負荷取出制御によって酸化剤極の酸素が消費されると、酸化剤極において空気の流動が生じなくなるため、酸化剤極における空気の流動がないことを判定し得る流量判定値Qcthと、実際の流量Qcとを比較することにより、酸化剤極の酸素が消費されたか否かを判定することができる。これにより、電流取出部30による電流取出の終了を適切に判定することが可能となる。
なお、本実施形態では、空気供給流路L20に設けられた空気流量センサ35によって検出される空気流量Qcを用いて終了判定を行っているが、本発明はこれに限定されない。例えば、空気供給流路L20からの供給される空気を、個々の発電セル1aの酸化剤極側へと分配するマニホールド、或いは、個々の発電セル1aの酸化剤極へと空気を供給する内部流量において検出される流量を空気流量Qcとして用いてもよい。燃料電池スタック1の内部では、図13に示すように、積層方向の中心部と比較して、空気供給流路L20および空気排出流路L21との接続位置側の方が、空気の流速が大きくなるという傾向がある。そのため、このような空気の流速が大きい箇所の空気流量を検出することにより、より効果的に酸素の消費判定を行うことができる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。図14は、本発明の第6の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。この第6の実施形態にかかる燃料電池システムが、上述した各実施形態にかかるそれと相違する点は、停止制御における終了判定の手法である。なお、第6の実施形態にかかる燃料電池システムは、その基本的な構成において第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を用いることにより、その詳細な説明は省略し、終了判定に関する相違点を中心に説明を行う。この第6の実施形態において、燃料電池システムは、燃料電池スタック1を冷却するための冷却系50を備えている。この冷却系50は、燃料電池スタック1を冷却する冷媒(例えば、冷却水)が循環する冷却流路L50を有しており、この冷却流路L50には、冷却を循環させる冷却循環ポンプ(図示せず)とともに、冷却水を冷却するラジエータ51とが設けられている。ラジエータ51によって冷却された冷却水は、冷却循環ポンプを動作させることにより、燃料電池スタック1へと供給される。冷却流路L50は、燃料電池スタック1内においてその流路が細かく分岐しており、これにより、燃料電池スタック1は、その内部が全体に亘って冷却されるようになっている。燃料電池スタック1の冷却によって温度が上昇した冷却水は、冷却流路L50を経由して、ラジエータ51へと流れる。
この冷却系50には、燃料電池スタック1へと流入する冷却水の温度(以下「入口冷却水温度」という)を検出する入口冷却水温度センサ39と、燃料電池スタック1から流出する冷却水の温度(以下「出口冷却水温度」という)を検出する出口冷却水温度センサ40とが設けられている。
図15は、第6の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。まず、ステップ90(S90)において、入口冷却水温度センサ39および出口冷却水温度センサ40によって検出された入口冷却水温度および出口冷却温度が読み込まれる。
ステップ91(S91)において、制御部31は、入出口温度差ΔTcを算出する。この入出口温度差ΔTcは、燃料電池スタック1へ流入する冷却水温度と燃料電池スタック1から流出する冷却水温度との温度差であり、例えば、出口冷却水温度から入口冷却水温度を減算することにより一義的に算出される。
ステップ92(S92)において、制御部31は、入出口温度差ΔTcと判定値(冷媒温度判定値)ΔTcthとを比較し、空気流量ΔTcが判定値ΔTcth以下であるか否かを判定する。負荷取出制御によって酸化剤極に酸素が存在しなくなると、これに対応して発電セル1aにおける酸化還元反応が生じなくなる。そのため、発電セル1aからの反応熱が無くなるため、入口冷却水温度と出口冷却水温度との間に温度差が無くなり、入出口温度差ΔTcはほぼゼロとなる。そのため、実験やシミュレーションを通じて、温度差がゼロとみなえるような値を判定値ΔTcthに設定することにより、入出口温度差ΔTcと判定値ΔTcthとの比較から、空気系20の酸素が消費されことを判定することができる。
ステップ92において肯定判定された場合、すなわち、空気流量ΔTcが判定値ΔTcth以下の場合には(ΔTc≦ΔTcth)、ステップ93(S93)に進む。そして、ステップ93において、制御部31は、負荷取出制御の終了を許可することを意味する終了フラグFendを「1」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
一方、ステップ92において否定判定された場合、すなわち、空気流量ΔTcが判定値ΔTcthよりも大きい場合には(ΔTc>ΔTcth)、ステップ94(S94)に進む。そして、ステップ94において、制御部31は、負荷取出制御の終了を不許可とすることを意味する終了フラグFendを「0」にセットした上で本ルーチンを抜ける。
このように本実施形態によれば、制御部31は、出口冷却水温度センサ40によって検出された出口冷却水温度と、入口冷却水温度センサ39によって検出された入口冷却水温度との差を入出口温度差ΔTcとして算出し、この算出された入出口冷媒温度差ΔTcが、燃料電池スタック1の反応熱の低下を判定し得る冷媒温度判定値ΔTcth以下となった場合に、電流取出部30による電流取出の終了を判定する。
負荷取出制御によって酸化剤極に酸素が存在しなくなると、個々の発電セル1aの反応熱が低減するため、燃料電池スタック1の反応熱の低下を判定し得る冷媒温度判定値ΔTcthと、実際の入出口冷媒温度差ΔTcとを比較することにより、酸化剤極の酸素が消費されたか否かを判定することができる。これにより、電流取出部30による電流取出の終了を適切に判定することが可能となる。
なお、本実施形態では、燃料電池スタック1に流入する、すなわち、個々の発電セル1aに分流する前の冷却水の温度を入口冷却水温度とし、また、燃料電池スタック1から流出した、すなわち、個々の発電セル1aから合流した後の冷却水の温度を出口冷却水温度として検出している。かかる構成によれば、全ての発電セル1aと対象とした温度状態を把握することができる。しかしながら、本発明はこのような形態に限定されず、個々の発電セル1aを対象として、流入前の冷却水の温度を入口冷却水温度、流出後の冷却水の温度を出口冷却水温度として検出してもよい。この場合、特定の発電セル1aからのみの検出値を用いて判定値ΔTcthと比較してもよく、また、個々の発電セル1aの検出値のすべてを用いて判定値ΔTthと比較してもよい。
(第7の実施形態)
以下、第7の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。この第7の実施形態にかかる燃料電池システムが、上述した各実施形態にかかるそれと相違する点は、停止制御における終了判定の手法である。なお、第7の実施形態にかかる燃料電池システムは、その基本的な構成において第1の実施形態と同じであり、図1を参照することにより、その詳細な説明は省略し、終了判定に関する相違点を中心に説明を行う。)
具体的には、第7の実施形態において、制御部31は、負荷取出制御の開始に対応して、電流取出部30によって取り出される電流量を積分し、これにより得られる電荷量を随時算出する。また、制御部31は、空気系20の流路L20,21の容量、空気の圧力および温度から酸素のモル数を算出するとともに、先に算出された電荷量を参照し、算出された酸素のモル数に基づいて、電圧を低下させる濃度となるまで電荷が消費されたことを判断した場合には、空気系20における酸素が消費されたとの判定を行い、負荷取出制御の終了を許可することを意味する終了フラグFendを「1」にセットする。一方、電圧を低下させる濃度となるまで電荷が消費されたことを判断していない場合には、負荷取出制御の終了を不許可とすることを意味する終了フラグFendを「0」にセットする。
このように本実施形態によれば、特別な補記類を追加せずに、理論的かつ確実に、酸素が消費されたか否かを判定することができる。このため、電流取出部30による電流取出の終了を適切に判定することが可能となる。
(第8の実施形態)
以下、第8の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。この第8の実施形態にかかる燃料電池システムが、上述した各実施形態にかかるそれと相違する点は、停止制御における終了判定の手法である。なお、第8の実施形態にかかる燃料電池システムは、その基本的な構成において第1の実施形態と同じであり、図1を参照することにより、その詳細な説明は省略し、終了判定に関する相違点を中心に説明を行う。なお、この第8の実施形態では、負荷取出制御の開始に先立って、空気系入口弁23および空気系出口弁24を閉じることとする。
具体的には、制御部31は、燃料電池スタック1の酸化剤極の圧力をモニタリングし、停止制御を開始した初期の圧力から約80%まで低下した場合に、酸化剤極に存在する酸素が消費されたことを判定してもよい。このように、空気系入口弁23および空気系出口弁24を閉じることによって系が密閉されている状態では、その圧力の減少程度に応じて、酸素が消費されたか否かを判定することができる。なお、低下を判定するための判定値として80%を挙げたが、この数値は単に例示したに過ぎず、実験やシミュレーションを通じて、空気系20の酸素が消費されたことを判定しうる値を適切に設定することができる。
このように本本実施形態によれば、燃料ガスの循環の有無に関わらず、かつ、特別な補記類を追加せずに、酸素が消費されたか否かを判定することができる。このため、電流取出部30による電流取出の終了を適切に判定することが可能となる。
なお、上述した各実施形態では、その特徴に応じて個別の実施形態として説明したが、これらの実施形態を複合的に適用して、終了判定を行うも可能である。このケースでは、個々の終了判定の手法に応じて、負荷取出制御の終了タイミングが異なる可能性があるが、最も遅いタイミングでなされる終了判定の結果を用いることにより、より確実に酸素を消費した段階で負荷取出制御を終了させることが可能となる。
第1の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図 電圧センサ32の説明図 電圧センサ32の説明図 第1の実施形態にかかる停止制御の手順を示すフローチャート 第1の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャート 第2の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図 第2の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャート 第3の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図 第3の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャート 第4の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図 第4の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャート 第5の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャート 燃料電池スタック1における流速の関係を示す説明図 第6の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図 第6の実施形態にかかる終了判定処理の詳細な手順を示すフローチャート
符号の説明
L10 水素供給流路
L11 水素循環流路
L12 水素排出流路
L20 空気供給流路
L21 空気排出流路
L50 冷却流路
1 燃料電池スタック
1a 発電セル
3 制御装置
10 水素系
11 燃料タンク
12 水素供給弁
13 水素調圧弁
14 水素循環ポンプ
15 エゼクタ
16 水素系出口弁
20 空気系
21 コンプレッサ
22 空気調圧弁
23 空気系入口弁
24 空気系出口弁
30 電流取出部
31 制御部
32 電圧センサ
33 水素圧力センサ
34 空気圧力センサ
35 空気流量センサ
36 電流センサ
37 水素圧力センサ
38 流量センサ
39 入口冷却水温度センサ
40 出口冷却水温度センサ
50 冷却系
51 ラジエータ

Claims (15)

  1. 燃料電池システムにおいて、
    燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて電力を発生する燃料電池と、
    前記燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給流路と、前記酸化剤極から酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出流路とを含む酸化剤ガス系と、
    前記燃料電池の燃料極から前記燃料ガスを排出する燃料ガス排出流路を含む燃料ガス系と、
    前記酸化剤ガス系に設けられており、自己の動作状態に応じて、前記酸化剤ガス系から前記燃料電池への外気の進入を規制する酸化剤系規制手段と、
    前記燃料ガス系に設けられており、自己の動作状態に応じて、前記燃料ガス系から前記燃料電池への外気の進入を規制する燃料系規制手段と、
    前記燃料電池から電流を取り出す電流取出手段と、
    前記酸化剤系規制手段と、前記燃料系規制手段と、前記電流取出手段とを制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、システムの停止時に実行する停止制御として、前記燃料電池の燃料極に燃料ガスを供給し、かつ、前記燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスの供給を停止した状態で、前記電流取出手段を制御して前記燃料電池の酸化剤極における酸化剤ガスを消費させるとともに、前記燃料電池の酸化剤極における酸化剤ガスを消費したことを条件として、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の電圧を検出する電圧検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、電圧検出手段によって検出された電圧が、前記酸化剤極における酸化剤ガスを消費したと判定し得る電圧判定値以下となった場合に、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池は、それぞれが発電要素として機能する複数の発電セルを積層して構成されており、
    前記電圧検出手段は、前記発電セルの電圧をそれぞれ検出する、或いは、2つ以上の発電セルを含むセルユニットの電圧をそれぞれ検出することを特徴とする請求項2に記載された燃料電池システム。
  4. 前記電圧検出手段は、前記発電セルのそれぞれを検出対象として、或いは、前記セルユニットのそれぞれを検出対象として、当該検出対象において複数箇所の電圧をそれぞれ検出することを特徴とする請求項3に記載された燃料電池システム。
  5. 前記電圧検出手段は、前記検出対象となる発電セルまたはセルユニットにおいて、酸化剤ガスの供給側と排出側とに対応した箇所の電圧をそれぞれ検出することを特徴とする請求項4に記載された燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池は、それぞれが発電要素として機能する複数の発電セルを積層して構成されており、
    前記電圧検出手段は、前記発電セルのそれぞれから得られる燃料電池の総体的な電圧を検出することを特徴とする請求項2に記載された燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池から取り出される電流を実電流として検出する電流検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記電流検出手段によって検出される実電流に基づいて、当該実電流の時間変化を時系列的に算出し、当該算出された時間変化がゼロとみなせる状態が一定時間継続した場合に、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  8. 前記燃料ガス系は、
    前記燃料極から排出された燃料ガスを前記燃料極の燃料ガスの供給側へと循環させる燃料ガス循環流路と、
    前記燃料ガス循環流路を循環する燃料ガスの圧力を検出する燃料ガス圧力検出手段と、
    前記燃料電池スタックの燃料極に供給される燃料ガスの圧力を調整する圧力調整手段と
    をさらに有し、
    前記制御手段は、前記停止制御において、前記燃料ガス圧力検出手段によって検出された燃料ガスの圧力が一定となるように、前記圧力調整手段を制御しており、
    前記圧力調整手段に対する制御指令の出力頻度の低下に基づいて、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  9. 前記酸化剤ガス系は、
    前記燃料電池の燃料極に供給される燃料ガスの流量を入口流量として検出する入口流量検出手段と、
    前記燃料電池の燃料極から排出される燃料ガスの流量を出口流量として検出する出口流量検出手段と
    をさらに有し、
    前記制御手段は、前記入口流量検出手段によって検出される入口流量と、前記出口流量検出手段によって検出される出口流量との差を入出口流量差として算出し、当該算出された入出口流量差が、前記燃料電池の燃料極で燃料ガスが消費されていない状態を判定し得る流量差判定値以下となった場合に、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  10. 前記酸化剤ガス系は、
    前記燃料電池の酸化剤極に供給される酸化剤ガスの流量を検出する酸化剤ガス流量検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、酸化剤ガス流量検出手段によって検出された酸化剤ガスの流量が、前記酸化剤極における酸化剤ガスの流動がないことを判定し得る流量判定値以下となった場合に、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  11. 前記酸化剤ガス流量検出手段は、前記燃料電池内部において、酸化剤ガスの流速が最も大きくなる箇所に配置されていることを特徴とする請求項10に記載された燃料電池システム。
  12. 冷媒を冷却する冷却手段と、前記燃料電池と前記冷却手段との間で冷媒を循環させる冷却流路とを含む冷却系と、
    前記燃料電池に供給される冷媒の温度を入口冷媒温度として検出する入口冷媒温度検出手段と、
    前記燃料電池から排出される冷媒の温度を出口冷媒温度として検出する出口冷媒温度検出手段とをさらに有し、
    前記制御手段は、前記出口冷媒温度検出手段によって検出された出口冷媒温度と、前記入口冷媒温度検出手段によって検出された入口冷媒温度との差を入出口冷媒温度差として算出し、当該算出された入出口冷媒温度差が、前記燃料電池の反応熱の低下を判定し得る冷媒温度判定値以下となった場合に、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  13. 前記燃料電池は、それぞれが発電要素として機能する複数の発電セルを積層して構成されており、
    前記入口冷媒温度検出手段は、前記燃料電池の内部において、前記発電セルに供給される冷媒の温度を検出し、
    前記出口冷媒温度検出手段は、前記燃料電池の内部において、前記発電セルから排出される冷媒の温度を検出することを特徴とする請求項12に記載された燃料電池システム。
  14. 前記燃料電池の酸化剤極における酸化剤ガスの圧力を検出する酸化剤ガス圧力検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記電流取出手段によって電流を取り出す前提として、前記酸化剤系規制手段によって前記酸化剤ガス系から前記燃料電池への外気の進入を規制し、
    前記酸化剤ガス圧力検出手段によって検出される酸化剤ガスの圧力が、前記酸化剤極における酸化剤ガスを消費したと判定し得る圧力判定値以下へと到達した場合に、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  15. 前記制御手段は、電流取出手段によって取り出される電流量を積分し、当該積分された電流量より得られる電荷量を算出するとともに、前記酸化剤極における酸化剤ガスのモル数を算出し、当該算出された酸化剤ガスのモル数に基づいて、前記燃料電池の電圧が低下する濃度まで電荷が消費されたことを判断した場合に、前記電流取出手段による電流取出の終了を判定することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
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