JP2008002543A - 液体断熱貯槽の組立方法 - Google Patents

液体断熱貯槽の組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運搬時の安全性を確保すると共に、運搬重量の低減を図ることができる液体断熱貯槽の組立方法を提供すること。
【解決手段】据付工程により胴体30が現地Gに立てた状態で据付けられ、据付工程で現地Gに据付けられた胴体30の上方から内槽10が懸装工程により挿入され、胴体30内に立てた状態で懸装される。また、懸装工程で内槽10が懸装された胴体30の上方から蓋体40が覆設工程により覆設される。これにより、外槽20が形成される。そして、その覆設工程の後、充填工程により内槽10と外槽20との間に断熱材Pが充填される。よって、外槽20の形成や断熱材Pの充填を現地Gで行うので、内槽10及び外槽20並びに断熱材Pをそれぞれ個別に現地Gまで運搬することができる。従って、運搬重量の低減を図ることができる。また、運搬重量が低減されるので、運搬時の安全性を確保することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体断熱貯槽の組立方法に関し、特に、運搬時の安全性を確保すると共に、運搬重量の低減を図ることができる液体断熱貯槽の組立方法に関するものである。
一般に、液体断熱貯槽とは、液体を貯蔵する内槽と、その内槽を囲繞する外槽とを備え、それら内槽と外槽との間に断熱材を充填することで、内槽に貯蔵された液体を断熱しつつ貯蔵するものである。例えば、特開平11−94198号公報には、低温液体Lを貯蔵する内槽12と、その内槽12を囲繞する外槽13とを備え、それら内槽12と外槽13との間に保冷材を充填して保冷層14を形成した竪型断熱低温タンクが開示されている。
内槽に貯蔵する液体の貯蔵量が100キロリットル程度の小型の液体断熱貯槽は、工場で内槽および外槽の組み立てや断熱材の充填が行われ、完成品の状態で現地に運搬されている。よって、現地では、運搬された完成品を据付ける作業のみを行えば良く、これにより、現地での作業の簡略化が図られていた。
特開平11−94198号公報
しかしながら、液体断熱貯槽を完成品の状態で現地に運搬する場合には、重量が重く運搬が困難なため、その分、運搬時に危険を伴うという問題点があった。また、地域によっては、運搬重量が法律規制の範囲をオーバーするために、運搬することができないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、運搬時の安全性を確保すると共に、運搬重量の低減を図ることができる液体断熱貯槽の組立方法を提供することを目的としている。
この目的を解決するために請求項1記載の液体断熱貯槽の組立方法は、液体を貯蔵する内槽と、その内槽を囲繞する外槽とを備え、それら内槽と外槽との間に断熱材を充填して構成される液体断熱貯槽の組立方法であって、前記外槽は、前記内槽を懸装して現地に据付けられる胴体と、その胴体とは別体に構成され、その胴体と共に前記内槽を囲繞する蓋体と、前記胴体内側に配設され、その胴体に懸装された前記内槽を支持する支持材とを備えて構成され、前記外槽の胴体を現地に立てた状態で据付ける据付工程と、その据付工程により現地に据付けられた胴体の上方から前記内槽を挿入して、その内槽を胴体内に立てた状態で懸装する懸装工程と、その懸装工程により前記内槽が懸装された胴体の上方から前記外槽の蓋体を覆設し、その蓋体および胴体によって前記内槽を囲繞する覆設工程と、その覆設工程の後に前記内槽と外槽との間に断熱材を充填する充填工程とを備え、その充填工程の前に前記支持材を、前記外槽の胴体または前記内槽に配設する配設工程を備えている。
請求項2記載の液体断熱貯槽の組立方法は、請求項1記載の液体断熱貯槽の組立方法において、前記外槽の胴体は、前記支持材を前記外槽の胴体外側から挿入して固定するための挿入孔を備えて構成され、前記配設工程は、前記挿入孔に前記支持材を挿入する挿入工程と、その挿入工程により前記挿入孔に挿入された前記支持材を前記挿入孔に固定する固定工程とを有しており、前記挿入工程と前記固定工程とを前記懸装工程の後であって前記充填工程の前に行う。
請求項3記載の液体断熱貯槽の組立方法は、請求項1又は2に記載の液体断熱貯槽の組立方法において、前記液体断熱貯槽は、冷却水を前記外槽に散水する散水管を備えて構成され、その散水管を前記外槽に配設する艤装品配設工程と、前記内槽と外槽との間の真空引きを行う真空引き工程とを有しており、その真空引き工程と前記艤装品配設工程とを、前記充填工程の後に並行して行う。
請求項1記載の液体断熱貯槽の組立方法によれば、据付工程により外槽の胴体が現地に立てた状態で据付けられ、据付工程で現地に据付けられた胴体の上方から内槽が懸装工程により挿入されると共に、その内槽が胴体内に立てた状態で懸装される。また、懸装工程で内槽が懸装された胴体の上方から外槽の蓋体が覆設工程により覆設される。これにより、外槽が形成され、その外槽の蓋体および胴体によって内槽が囲繞される。そして、その覆設工程の後、充填工程により内槽と外槽との間に断熱材が充填される。よって、外槽の形成や断熱材の充填を現地で行うので、内槽および外槽ならびに断熱材をそれぞれ個別に現地まで運搬することができる。従って、従来のように大重量の完成品を現地まで運搬する必要がないので、運搬重量の低減を図ることができるという効果がある。これにより、運搬重量が法律規制の範囲をオーバーしないように、液体断熱貯槽を分割して運搬することで、法律を遵守することができる。また、運搬重量が低減されるので、運搬車両の横転を招く等の危険を回避することができ、運搬時の安全性を確保することができるという効果がある。
また、据付工程により外槽の胴体が現地に立てた状態で据付けられ、据付工程で現地に据付けられた胴体内に内槽が立てた状態で懸装されるので、覆設工程では、内槽を立てた状態のままで外槽を形成することができる。よって、内槽を寝かせた状態で外槽を形成する場合には広大な敷地スペースが必要となるが、屋外での作業のために制限されることのない高さを有効に活用できるので、少ないスペースで組み立てを行うことができるという効果がある。
また、充填工程の前に、配設工程により支持材が外槽の胴体または内槽に配設されるので、懸装工程で外槽の胴体内に懸装された内槽を支持材によって外槽の胴体に支持することができる。よって、内槽の揺れを防止することができるという効果がある。
請求項2記載の液体断熱貯槽の組立方法によれば、請求項1記載の液体断熱貯槽の組立方法の奏する効果に加え、懸装工程の後であって充填工程の前に、支持材が挿入工程により挿入孔に挿入され、その挿入工程で挿入孔に挿入された支持材が固定工程により挿入孔に固定される。よって、懸装工程で内槽を外槽の胴体内に挿入する際に、支持材が内槽と干渉することがないので、内槽を外槽の胴体内に容易に挿入することができるという効果がある。一方、充填工程の前に固定工程が行われるので、充填工程で断熱材を充填する際に、挿入孔から断熱材が漏れ出すことを防止できるという効果がある。
請求項3記載の液体断熱貯槽の組立方法によれば、請求項1又は2に記載の液体断熱貯槽の組立方法の奏する効果に加え、充填工程の後に、散水管が艤装品配設工程により外槽に配設され、その艤装品配設工程と並行して、内槽と外槽との間の真空引きが真空引き工程により行われる。よって、断熱効果を高めるべく重要であるが比較的時間を要する真空引きと、現地に設けられた冷却水を導入するための配管を接続するべく現地でしか作業のできない散水管の配設とを同時に行うことができるので、組み立て工期の短縮を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、液体断熱貯槽1の正面図である。なお、図1では、外槽20の一部が断面視されている。
まず、図1を参照して、液体断熱貯槽1について説明する。液体断熱貯槽1は、例えば液化天然ガス(以下「LNG」と称す。)を貯蔵する貯槽であり、図1に示すように、内槽10と、その内槽10を囲繞する外槽20とを主に備え、それら内槽10と外槽20との間に断熱材Pを充填して構成されている。
内槽10は、LNGを貯蔵する部材であり、両端が開放された略円筒状の胴板11と、その胴板11の両端を閉塞する皿状の鏡12,13とを備え、内部空間を有する容器状体に構成されている。鏡12には、吊り部12aが突出して形成されている。吊り部12aは、ワイヤロープ等を掛止するための部位であり、この吊り部12aにワイヤロープ等を掛止し、そのワイヤロープ等をクレーン等で引き上げることにより、内槽10を吊り上げることができる。なお、本実施形態における液体断熱貯槽1では、吊り部12aは一対設けられているので、内槽10をより一層安定して吊り上げることができる。
また、内槽10には、一対のロッド50が配設されている。一対のロッド50は、内槽10を後述する外槽20の胴体30内に立てた状態で懸装するための部材であり、金属材料からなる弾性体から平板状に形成され、その一端側が胴板11にそれぞれ固定されている。この一対のロッド50の他端側を胴体30の胴板21にそれぞれ固定することで、内槽10を外槽20の胴体30内に立てた状態で懸装することができる。
更に、内槽10には、LNG用配管83が配設されている。LNG用配管83は、内槽10へのLNGの供給や内槽10からのLNGの取出を行うための配管であり、鏡12に取着されると共に、胴板11に沿って鏡13側(図1下側)に延設され、後述する胴体30の鏡22に穿設された挿通孔(図示せず)に挿通されている。
外槽20は、内槽10を懸装した状態で現地Gに据付けられる胴体30と、その胴体30とは別体に構成され、その胴体30と共に内槽10を囲繞する蓋体40とを主に備えて構成されている。胴体30は、両端が閉塞された略円筒状の胴板21と、その胴板21の一端側(図1下側)を閉塞する皿状の鏡22と、その鏡22を支持して胴体30を現地Gに立てた状態で据付ける一対のレグ60とを備えている。胴板21には、吊り部21aが突出して形成されると共に、2個の挿入孔21bが穿設されている。この挿入孔21bには、後述する支持部材70が配設される。吊り部21aは、ワイヤロープ等を掛止するための部位であり、この吊り部21aにワイヤロープ等を掛止し、そのワイヤロープ等をクレーン等で引き上げることにより、胴体30を吊り上げることができる。なお、本実施形態における液体断熱貯槽1では、吊り部21aは一対設けられているので、胴体30をより一層安定して吊り上げることができる。
上述したように、胴板21の挿入孔21bには、支持材70が配設されている。支持材70は、胴体30内に懸装された内槽10の下部側(図1下側)を支持する部材であり、軸状に形成され、挿入孔21bから胴体30内側に挿入されると共に、その挿入孔21bに一端側が固定されている。つまり、支持材70は、胴体30内側に配設され、他端側を内槽10に突き当てた状態で内槽10を支持する。なお、本実施形態における液体断熱貯槽1では、2本の支持材70を備え、それら2本の支持材70が、胴板21に穿設された2個の挿入孔21bにそれぞれ固設されている。これにより、内槽10をより一層安定して支持することができる。
蓋体40は、胴体30の他端側(図1上側)を閉塞する部材であり、皿状に形成されると共に、吊り部40aが突出して形成されている。吊り部40aは、ワイヤロープ等を掛止するための部位であり、この吊り部40aにワイヤロープ等を掛止し、そのワイヤロープ等をクレーン等で引き上げることにより、蓋体40を吊り上げることができる。なお、本実施形態における液体断熱貯槽1では、吊り部40aは一対設けられているので、蓋体40をより一層安定して吊り上げることができる。
また、外槽20には、散水管80及び圧力計81並びに液面計82がそれぞれ配設されている。散水管80は、冷却水を外槽20に散水する配管であり、蓋体40に取着されると共に、現地Gに設けられた冷却水を導入するための冷却水導入配管(図示せず)に接続されている。圧力計81は、内槽10に貯蔵されたLNGの圧力を表示する計器であり、胴体30の胴板21に取着されると共に、内槽10の内部空間から導出された圧力計配管(図示せず)に接続されている。液面計82は、内槽10に貯蔵されたLNGの液面高さを表示する計器であり、圧力計81と同様に、胴体30の胴板21に取着されると共に、内槽10の内部空間から導出された液面計配管(図示せず)に接続されている。
更に、外槽20には、作業用配管84及び塞ぎ板85がそれぞれ配設されている。作業用配管84は、液体断熱貯槽1を組み立てる際に、各種作業を行うために使用される配管であり、胴体30の鏡22に取着されている。塞ぎ板85は、胴体30の鏡22に穿設されLNG用配管83が挿通された挿通孔(図示せず)を塞ぐための部材であり、金属材料から円盤状に構成され、挿通孔に取着されている。
断熱材Pは、内槽10を断熱する部材であり、内槽10と外槽20との間に充填されている。これにより、内槽10に貯蔵されたLNGが保冷される。なお、本実施形態における液体断熱貯槽1では、断熱材Pが粒状のパーライトにより構成されると共に、断熱材Pを充填した内槽10と外槽20との間が真空状態に構成されている。
次に、図2から図4を参照して、上述のように構成された液体断熱貯槽1の組立方法について説明する。図2から図4は、液体断熱貯槽1の組立工程を示した工程系統図であり、液体断熱貯槽1を組み立てる様子が時系列的に図示されている。なお、図3及び図4では、足場Xの紙面表側半分の図示が省略されている。
図2(a)に示すように、液体断熱貯槽1を組み立てる場合には、まず、工場等の生産現場において、内槽10と外槽20の胴体30及び蓋体40とをそれぞれ製作する。また、その製作した内槽10に一対のロッド50及びLNG用配管83をそれぞれ配設すると共に、胴体30に作業用配管84を配設する。次いで、図2(b)に示すように、内槽10及び外槽20をそれぞれ運搬車両Vにより現地Gへ運搬する。このように、内槽10及び外槽20を個別に現地Gへ運搬することにより、運搬車両Vで一度に運搬する運搬重量の低減を図ることができる。
内槽10及び外槽20を現地Gへ運搬した後は、図3(a)に示すように、外槽20の胴体30を現地Gに据付ける(据付工程)。具体的には、まず、胴板21に形成された吊り部21bにワイヤロープW1を掛止し、そのワイヤロープW1をクレーン(図示せず)で引き上げて胴体30を吊り上げる。そして、その胴体30を所定場所まで運び、レグ60により現地Gに据付ける。これにより、胴体30が現地Gに立てた状態で据付けられる。なお、これと同時に、作業者の足場となる足場Xを胴体30の周囲に設置する。
胴体30を現地Gに据付けた後は、図3(b)に示すように、その胴体30の上方から内槽10を挿入して懸装する(懸装工程)。具体的には、まず、鏡12に形成された吊り部12aにワイヤロープW2を掛止し、そのワイヤロープW2をクレーン(図示せず)で引き上げて内槽10を吊り上げる。そして、その内槽10を現地Gに据付けられた胴体30の上方に運ぶと共に下降させて胴体30内に挿入する。また、内槽10を胴体30内に挿入した後は、その内槽10に配設された一対のロッド50を胴体30の胴板21にそれぞれ固定して、内槽10を胴体30に懸装する。これにより、内槽10が胴体30内に立てた状態で懸装される。なお、内槽10を胴体30内に懸装する際には、LNG用配管83を胴体30の鏡22に穿設された挿通孔(図示せず)に挿通する。その後、挿通孔に塞ぎ板85を配設する。
内槽10を胴体30内に懸装した後は、図3(c)に示すように、その胴体30の上方から蓋体40を覆設する(覆設工程)。具体的には、まず、吊り部40aにワイヤロープW3を掛止し、そのワイヤロープW3をクレーン(図示せず)で引き上げて蓋体40を吊り上げる。そして、その蓋体40を現地Gに据付けられた胴体30の上方に運ぶと共に下降させて胴体30に覆設する。これにより、その蓋体40及び胴体30によって内槽10が囲繞される。また、蓋体40を胴体30に覆設した後は、その蓋体40を胴体30と連結して、外槽20を形成する。この場合、上述したように、胴体30が現地Gに立てた状態で据付けられ、その胴体30内に内槽10が立てた状態で懸装されているので、内槽10を立てた状態のままで外槽20を形成することができる。よって、内槽10を寝かせた状態で外槽20を形成する場合には広大な敷地スペースが必要となるが、屋外での作業のために制限されることのない高さを有効に活用できるので、少ないスペースで液体断熱貯槽1を組み立てることができる。
外槽20を形成した後は、図3(c)に示すように、支持材70を胴体30に配設する(配設工程)。具体的には、まず、2本の支持材70を胴体30の胴板21に形成された2個の挿入孔21b(図1参照)にそれぞれ挿入する(挿入工程)。そして、それら2本の支持材70を各挿入孔21bに固定する(固定工程)。これにより、2本の支持材70が胴体30の内側に配設される。よって、胴体30内に懸装された内槽10を支持材70によって胴体30に支持することができるので、内槽10が胴体30内に立てた状態で懸装されている場合でも、内槽10の揺れを防止することができる。なお、支持材70を胴体30に配設する際には、足場Xを利用して作業を行う。
支持材70を胴体30に配設した後は、胴体30と蓋体40との連結や支持材70の固定が正常に行われているかを確認するため、外槽20の気密試験を行う。具体的には、まず、図3(d)に示すように、窒素ガス等のガスを加圧し噴出するガスポンプAを作業用配管84に接続すると共に、外槽20の外壁に石鹸水(図示せず)を塗布する。そして、ガスポンプAで加圧されたガスを作業用配管84から内槽10と外槽20との間に封入する。これにより、胴体30と蓋体40との連結や支持材70の固定が正常に行われていない不具合箇所がある場合には、その不具合箇所からガスが漏れ出し、外槽20の外壁に塗布された石鹸水が泡立つ。よって、一見して不具合箇所を特定することができる。
外槽20の気密試験を行った後は、断熱材Pを内槽10と外槽20との間に充填する(充填工程)。具体的には、まず、図4(a)に示すように、真空引きを行う真空ポンプBを作業用配管84に接続すると共に、断熱材Pを供給する断熱材タンクCを蓋体40に穿設された充填孔(図示せず)に接続する。そして、真空ポンプBで内槽10と外槽20との間の真空引きを行いつつ、その内槽10と外槽20との間に断熱材タンクCから断熱材Pを充填する。このように、内槽10と外槽20との間の真空引きを行いつつ断熱材Pを充填することにより、真空引きを行わずに断熱材Pを充填する場合に比べ、断熱材Pの充填密度を増大させることができる。よって、断熱材Pによる断熱効果を高めることができる。
断熱材Pを充填した後は、図4(b)に示すように、引き続き、真空ポンプBで内槽10と外槽20との間の真空引きを行う(真空引き工程)。これにより、内槽10と外槽20との間が真空状態となり、それら内槽10と外槽20との間で起こる対流を抑制することができるので、より一層断熱効果を高めることができる。また、内槽10と外槽20との間の真空引きを行うのと並行して、図4(b)に示すように、散水管80を外槽20に配設する(艤装品配設工程)。これにより、断熱効果を高めるべく重要であるが例えば2週間程度の比較的時間を要する真空引きと、現地Gに設けられた冷却水導入配管に接続するべく現地でしか作業のできない散水管80の配設とを同時に行うことができるので、組み立て工期の短縮を図ることができる。更に、外槽20への散水管80の配設に加えて、圧力計81及び液面計82を外槽20にそれぞれ配設する。
散水管80及び圧力計81並びに液面計82を外槽20に配設した後は、図4(c)に示すように、引き続き、真空ポンプBで内槽10と外槽20との間の真空引きを行いつつ、外槽20の塗装を行う。よって、比較的時間を要する真空引きと並行して外槽20の塗装を行うので、更なる組み立て工期の短縮を図ることができる。なお、外槽20の塗装を行う際には、足場Xを利用して作業を行う。
外槽20の塗装を行った後は、図4(d)に示すように、足場Xを撤去すると共に、内槽10と外槽20との間の真空度測定を行う。具体的には、真空計(図示せず)を用いて、所定時間内での真空度の変化量を測定する。その結果、真空度の変化量が大きい場合、即ち、真空度の劣化が早い場合には、再度、気密試験を行うことで不具合箇所を特定して、その不具合箇所を修復する。これにより、高品質な液体断熱貯槽1を客先に提供することができる。その後、外観に異常がないことを確認して、液体断熱貯槽1の組み立てを終了する。
上述したように、本実施形態における液体断熱貯槽1の組立方法によれば、外槽20の形成や断熱材Pの充填を現地Gで行うので、内槽10及び外槽20並びに断熱材Pをそれぞれ個別に現地Gまで運搬することができる。従って、従来のように大重量の完成品を現地Gまで運搬する必要がないので、運搬重量の低減を図ることができる。これにより、運搬重量が法律規制の範囲をオーバーしないように、液体断熱貯槽1を分割して運搬することで、法律を遵守することができる。また、運搬重量が低減されるので、運搬車両Vの横転を招く等の危険を回避することができ、運搬時の安全性を確保することができる。
また、据付工程により胴体30が現地Gに立てた状態で据付けられ、その胴体30内に内槽10が立てた状態で懸装されるので、内槽10を立てた状態のままで外槽20を形成することができる。よって、内槽10を寝かせた状態で外槽20を形成する場合には広大な敷地スペースが必要となるが、屋外での作業のために制限されることのない高さを有効に活用できるので、少ないスペースで組み立てを行うことができる。
また、懸装工程の後であって充填工程の前に、支持材70が挿入工程により挿入孔21bに挿入され、挿入工程で挿入孔21bに挿入された支持材70が固定工程により挿入孔21bに固定される。よって、懸装工程で内槽10を胴体30内に挿入する際に、支持材70が内槽10と干渉することがないので、内槽10を胴体30内に容易に挿入することができる。一方、充填工程の前に固定工程が行われるので、充填工程で断熱材Pを充填する際に、挿入孔21bから断熱材Pが漏れ出すことを防止できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、胴体30を一対のレグ60で現地Gに据付ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば略円筒または略円錐に形成したスカート状の部材により胴体30を現地Gに据付けるように構成しても良い。これにより、現地Gとの設置面積が拡大するので、胴体30をより一層安定して現地Gに載置することができる。
また、上記実施形態では、2本の支持材70を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支持材70の数を3本、或いは、それ以上の数で構成しても良い。これにより、胴体30に懸装された内槽10をより一層安定して支持することができる。
また、上記実施形態では、支持材70を外槽20に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、内槽10の胴板11に固定して内槽10に配設するように構成しても良い。この場合には、支持材70を工場等の生産現場で予め内槽10に配設しておくことで、現地で支持材70を配設する作業が省略できるので、現地での作業の簡略化を図ることができる。
また、上記実施形態では、内槽10と外槽20との間の真空引きを行いつつ断熱材Pを充填する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、真空引きを行わずに断熱材Pを充填しても良い。
また、上記実施形態では、内槽10と外槽20との間の真空引きを行いつつ外槽20の塗装を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、工場等の生産現場で外槽20を製作した後であれば、いずれの工程で外槽20の塗装を行っても良い。
液体断熱貯槽の正面図である。 液体断熱貯槽の組立工程を示した工程系統図である。 液体断熱貯槽の組立工程を示した工程系統図である。 液体断熱貯槽の組立工程を示した工程系統図である。
符号の説明
1 液体断熱貯槽
10 内槽
20 外槽
21a 挿入孔
30 胴体
40 蓋体
70 支持材
80 散水管
G 現地
P 断熱材

Claims (3)

  1. 液体を貯蔵する内槽と、その内槽を囲繞する外槽とを備え、それら内槽と外槽との間に断熱材を充填して構成される液体断熱貯槽の組立方法において、
    前記外槽は、前記内槽を懸装して現地に据付けられる胴体と、その胴体とは別体に構成され、その胴体と共に前記内槽を囲繞する蓋体と、前記胴体内側に配設され、その胴体に懸装された前記内槽を支持する支持材とを備えて構成され、
    前記外槽の胴体を現地に立てた状態で据付ける据付工程と、
    その据付工程により現地に据付けられた胴体の上方から前記内槽を挿入して、その内槽を胴体内に立てた状態で懸装する懸装工程と、
    その懸装工程により前記内槽が懸装された胴体の上方から前記外槽の蓋体を覆設し、その蓋体および胴体によって前記内槽を囲繞する覆設工程と、
    その覆設工程の後に前記内槽と外槽との間に断熱材を充填する充填工程とを備え、
    その充填工程の前に前記支持材を、前記外槽の胴体または前記内槽に配設する配設工程を備えていることを特徴とする液体断熱貯槽の組立方法。
  2. 前記外槽の胴体は、前記支持材を前記外槽の胴体外側から挿入して固定するための挿入孔を備えて構成され、
    前記配設工程は、
    前記挿入孔に前記支持材を挿入する挿入工程と、
    その挿入工程により前記挿入孔に挿入された前記支持材を前記挿入孔に固定する固定工程とを有しており、
    前記挿入工程と前記固定工程とを前記懸装工程の後であって前記充填工程の前に行うことを特徴とする請求項1記載の液体断熱貯槽の組立方法。
  3. 前記液体断熱貯槽は、冷却水を前記外槽に散水する散水管を備えて構成され、
    その散水管を前記外槽に配設する艤装品配設工程と、
    前記内槽と外槽との間の真空引きを行う真空引き工程とを有しており、
    その真空引き工程と前記艤装品配設工程とを、前記充填工程の後に並行して行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体断熱貯槽の組立方法。
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