JP2008002439A - タービン動翼およびその組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装着作業が簡単な連結装置を用いて、複数の群翼構造を、タイワイヤ構造を変更することなく全周が一つの群翼構造とし、振動特性が大幅に改善し信頼性の優れた動翼を提供する。
【解決手段】結合する2本のタイワイヤ9a1、9a2と嵌合しこれらのタイワイヤ9a1、9a2の外径よりも大きい内径を有する円筒形の2個のスリーブ20a、20bと、前記2本のタイワイヤ9a1、9a2の間に予め決められた間隙を有して配設され前記スリーブの内径とほぼ同一の外径を有する1個の連結子21からなるタービン動翼連結装置12(16)で互いに隣接する群翼間のタイワイヤ9a1、9a2を結合する。
【選択図】図5
【解決手段】結合する2本のタイワイヤ9a1、9a2と嵌合しこれらのタイワイヤ9a1、9a2の外径よりも大きい内径を有する円筒形の2個のスリーブ20a、20bと、前記2本のタイワイヤ9a1、9a2の間に予め決められた間隙を有して配設され前記スリーブの内径とほぼ同一の外径を有する1個の連結子21からなるタービン動翼連結装置12(16)で互いに隣接する群翼間のタイワイヤ9a1、9a2を結合する。
【選択図】図5
Description
本発明は、蒸気タービンやガスタービン等の軸流タービンの動翼において、複数本数の動翼をタイワイヤまたはこの動翼に設けたボス同士を溶接することにより複数の群の翼構造に構成したものの群同士を結合し再構成したタービン動翼およびその組立方法に関わる。
一般に軸流タービンは、タービンロータの外周部に翼列をなすように植設された回転自由な動翼と、タービンケーシングに固定されたノズルと呼ばれる静翼とがタービンロータの軸方向に交互に配置されている。そして、1対の動翼と静翼とで段落が形成され、この段落を数段並べることにより軸流タービンが構成される。さらに、この各段落の翼間を流体が流れることによって、タービンロータに回転力が与えられる。
すなわち、蒸気タービン等の動翼は、蒸気や燃焼ガスの熱エネルギーを機械的な回転力に変換してタービンロータに伝え動力を得るもので、特に蒸気タービンでは、蒸気が高温高圧の状態から徐々に膨張しながら、動翼とノズルの組合せからなる段落を多数通過し、その都度これらの動翼に回転力を与えていく。よって、蒸気が各段落をスムースに流れ、かつこれらの段落で効率良く動翼に回転力を与えることができるように、1台の蒸気タービンには十数ミリから数百ミリまでの翼長の動翼が用いられている。
これらの動翼は高速回転で使用されるため、特に翼長の長い動翼には大きな遠心力が作用するだけでなく、高温高圧の蒸気流による熱応力、高速の蒸気流の衝突による曲げ応力、ねじり応力が作用する。また、これらの力は個別もしくは互いに重なり合うことで翼に励振力を与え、この力が振動応力として翼内に作用する。
一方、タービンロータの回転数とこれらの動翼の固有振動数が一致するといわゆる共振状態となり、動翼の振動がさらに増大するため、最悪の場合には動翼の破損を招くこともある。よって、このような状態を避けた設計を行なわなければならない。一般に翼長の長い動翼(以下長翼と称する)は、固有振動数が低い範囲にあることから、その設計においては静的な強度だけでなく、このようなロータの回転数との関係にもとりわけ注意しなければならない。そのため、一般にロータの定格回転数の整数倍周波数とこれらの長翼の固有振動数とは別の振動数になるように、いわゆる離調設計を行なうなどの耐振設計を行なっている。
ところで、最近では原子力発電および大型石炭火力発電のベースロード的な運用の増加および液化天然ガス燃焼火力発電の優先的運用から、石油火力発電用蒸気タービンでは、負荷調整用として頻繁な起動停止および低負荷運転が繰り返されることが多くなっている。そのため、タービンの回転上昇時や下降時には回転数と固有振動数が一致する領域を一時的にでも通過せざるを得ず、そのたびに翼には大きな振動応力が作用することになる。
特に低圧タービンの最終段翼やその前段翼は、長翼が採用されているため遠心力および励振力もとりわけ大きくなり、加えて最終段翼やその前段翼はタービン全体の効率、タービンで得られる出力およびプラント全体の大きさにかかわる重要なコンポーネントであるため、強度設計とともに耐振設計は蒸気タービン設計の上で重要なものとなっている。
長翼の固有振動数を調整する主な方法として、翼の肉厚を調整して単翼の振動数そのものを調整する方法と、タービンロータ周囲に植設されている翼の内、複数本の翼同士を連結して同じような動きをするように群構造とした群翼構成とし、これらの連結する翼の本数によって振動数を調整する方法とがある。
翼の肉厚を調整する方法では、翼1本ずつの固有振動数は比較的合わせやすいが、翼列とした場合には、翼根元部におけるタービンロータへの植設部の施工のわずかな違いにより異なる振動特性を示すため、設計値通りの振動特性を得るのは難しい。
これに対し群翼構造では、複数の翼とタイワイヤという複数の部材から構成されるが、その固有振動数は最近の計算技術の進歩に伴い、数値計算から比較的容易に推定できるとともに、実験結果とも良く一致するため、タービンロータの回転数の整数倍周波数成分に対する離調設計も容易となる。さらに、タービンの運用に適切な振動数も比較的簡単に得ることができ、加えて翼同士を連結する構造のためタービンロータ全周の翼全体としての剛性が単翼よりも得られるなどの利点があることから、最近では広くタービン動翼に適用されている。
従来の蒸気タービンで用いられている群翼構造が特許文献1及び特許文献2に記載されている。
図13乃至図15を用いて、従来の群翼構造について説明する。図13および図14は、翼面に設けた貫通孔にタイワイヤと呼ばれる翼連結用の金属性のワイヤを通し、このワイヤにより複数枚の翼を群翼構造に連結したものであり、図13はその斜視図、図14は図13のX−X断面図である。
図13乃至図15を用いて、従来の群翼構造について説明する。図13および図14は、翼面に設けた貫通孔にタイワイヤと呼ばれる翼連結用の金属性のワイヤを通し、このワイヤにより複数枚の翼を群翼構造に連結したものであり、図13はその斜視図、図14は図13のX−X断面図である。
翼101は、タービンロータ100外周にフォーク状に形成されたロータディスク102と嵌合する様に、その根元部103もフォーク状になっており、このロータディスク102と翼根元部103とはピン穴104に挿入されるピン105によって固定されている。各翼の翼長手方向のほぼ中間部近傍とそれより翼頂部方向の翼幅中央付近には、この翼の表裏を貫通する貫通孔106がそれぞれ形成されている。そして、この貫通孔106には各翼を数本ずつ結合するためのタイワイヤ107が貫通している。そして、タイワイヤ107が貫通孔106と摺動する際の摩擦により翼に生じた振動が減衰するようにしている。なお、タイワイヤ107と貫通孔106とを銀ロー付けによって固定する方法もあるが、その場合は銀ロー材の剛性により振動が減衰される。
このような群翼構造では、翼面に設けた貫通孔106にワイヤ107を通せばよいため、簡単な組立構造で群翼構造を実現できるという利点がある。しかし、翼本体に貫通孔106を設ける必要があるため、翼101の強度の確保、貫通孔106とタイワイヤ107との摩擦による翼101およびワイヤ107の摩耗、翼面の貫通孔107周辺の疲労等の問題があるため信頼性にやや劣る。
一方、図15は、一本の翼の腹側表面および背側表面に突起状のボスを設け、隣接する翼のボス同士を複数本溶接して群翼構造としたものであり、隣接する翼のボス111同士を溶接することにより、互いの翼を連結している。そして、このボス111および溶接部112の剛性により振動を減衰するものである。
図15のような群翼構造では、溶接により各翼110を連結していることから翼110の一体化が強固に出来るため、強度的には有利である。しかし、翼110表裏面にボス111を設ける必要があるため、このボス111を溶接により設ける場合にはこの部分での強度の確保が難しく、またボス111を翼110と一体化して加工する場合にはその加工が難しくなるという問題がそれぞれ生じる。さらには、各ボス111は翼面上の高温の蒸気が流れる蒸気通路部にあることから、経年使用による溶接部分の強度低下の問題も生じる可能性がある。
加えて、タービンの頻繁な起動、停止または低負荷運転の繰り返しにより、動翼には遠心力および高温蒸気による熱負荷およびそれに伴う熱応力が繰り返し負荷される。また、タイワイヤやボスには高温蒸気による熱負荷に加え、起動停止の度に タービン回転力による引張力や圧縮力、ねじり力も加わることとなり、翼に比べてさらに過酷な条件で使用されている。
さらに、地熱タービンの場合には、地下から導かれた蒸気がそのまま翼およびタイワイヤやボスに直接当たる。一般に、地熱発電の蒸気にはタービン材料に対して有害な腐食成分を多く含んでおり、そのような蒸気による部分的な腐蝕、経年使用による翼材料自体の疲労強度の低下、さらに地下から導かれる蒸気性状のそのものの変化による翼材料の腐食、等の問題がある。
そのため、このような厳しい使用条件下では、従来十分な実績があった翼構造でも、経年使用による不具合を生ずる可能性があり、より信頼性の高い翼構造への改善が望まれている。
さらに、近年では電力自由化の流れの中で、特に既設発電プラントにおける発電コストの低減が叫ばれている。そのため運転開始からの経過時間が比較的長い、いわゆる古い既設プラントでは、定期点検の際に行われる各種補修作業に合わせて発電効率向上および信頼性向上のためのさまざまな改造も行われることが多い。翼の耐振構造の改造もそのような改造の一つであり、なかでも中小型の蒸気タービンや地熱タービンではその要求がますます高まっている。
一方、上記課題を解決するために、特許文献1には、タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように植設された多数本のタービン羽根を、この羽根に設けた貫通穴にレーシングワイヤを通し、このレーシングワイヤにより前記羽根を複数本数毎に相互に連結し複数の群翼構造としたタービン羽根構造において、互いに隣接する群翼間のレーシングワイヤを補強スリーブにより結合したタービン羽根構造が開示されている。このような構成にすることにより、従来のワイヤ構造を変更することなく動翼を全周が一つの群構造とすることができ、剛性が高まるとともに制振性能も向上する。
しかしながら、特許文献1に記載の群翼構造では、複数の群翼を連結するために補強スリーブが用いられているが、この補強スリーブは単一の長いスリーブ構造となっているため、ワイヤへの装着が困難で、ワイヤ間の間隙を大きく取らなければならず、動翼を全周が一つの群構造としたとき、剛性が十分ではなくなるおそれがあった。
特開平2−169802号公報
特開平7−4202号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたもので、改造のための工事期間、あるいはその費用の制約から新翼への交換が不可能な場合に、従来から使用している翼を分解・交換することなく、また、ワイヤ間の間隔を大きくすることなく、きわめて簡単な装着作業により新形構造への改造が可能で、それにより翼構造の剛性及び信頼性が向上する技術を提供するものである。
上述の目的を達成するために、本発明は、タービン動翼についての発明であって、タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように植設された多数本の動翼を、この動翼に設けた貫通孔にタイワイヤを通し、このタイワイヤにより前記動翼を複数本数毎に相互に連結し複数の群翼構造としたタービン動翼において、互いに隣接する群翼間のタイワイヤをスリーブ及び連結子からなる連結装置により結合することを特徴とするものである。このような構成にすることにより、従来のタイワイヤ構造を変更することなく動翼を全周が一つの群構造とすることができ、剛性が高まるとともに制振性能も向上する。
また、他の本発明は、同様にタービン動翼についての発明であって、上述の目的を達成するために、タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように植設された多数本の動翼の腹側および背側にボスを設け、互いに隣接する動翼のボス同士を相互に連結することにより複数本数毎に複数の群の翼構造としたタービン動翼において、互いに隣接する群翼間のボスをスリーブ及び連結子からなる連結装置により結合することを特徴とするものである。このような構成にすることにより、従来のボス構造を変更することなく動翼を全周を一つの群構造とすることができ、剛性が高まるとともに制振性能も向上する。
タービン動翼についての他の発明は、上述の目的を達成するために、前記スリーブ及び連結子からなる連結装置による結合はタービンロータ全周の群翼について行ない、動翼を全周が一つの群翼構造とすることを特徴とするものである。このような構成にすることにより、振動を効果的に減衰させることができる。
タービン動翼についての他の発明は、上述の目的を達成するために、前記スリーブ及び連結子からなる連結装置は結合する2本のタイワイヤのそれぞれに嵌合しこれらのタイワイヤの外径よりも大きい内径を有する円筒形のほぼ同一形状の2個のスリーブと、前記2本のタイワイヤの間に予め決められた間隙を有して配設され前記スリーブの内径とほぼ同一の外径を有する1個の連結子とからなることを特徴とするものである。このような構成にすることにより、振動を効果的に減衰させることができる。
タービン動翼についての他の発明は、上述の目的を達成するために、記スリーブ及び連結子からなる連結装置は結合する2本のボスとそれぞれ嵌合しこれらのボスの外径よりも大きい内径を有する円筒形のほぼ同一形状の2個のスリーブと、前記2本のボスの間に予め決められた間隙を有して配設され前記スリーブの内径とほぼ同一の外径を有する1個の連結子とからなることを特徴とするものである。このような構成にすることにより、きわめて簡単な部品で従来の構造を変更することなく動翼を全周が一つの群構造とすることができ、剛性が高まるとともに制振性能も向上する。
タービン動翼についての他の発明は、上述の目的を達成するために、前記2個のスリーブと前記連結子は、この連結子外周軸方向中心部近傍で冶金的に互いに接合されていることを特徴とするものである。このような構成にすることにより、きわめて簡単な部品で従来の構造を変更することなく動翼を全周が一つの群構造とすることができ、剛性が高まるとともに制振性能も向上する。
他の本発明に係るタービン動翼は、上述の目的を達成するために、前記冶金的な接合は溶接または銀ロー付けであることを特徴とするものである。このような構成にすることにより、簡単な構造で群翼を結合することが出来る。
また、他の本発明に係るタービン動翼は、上述の目的を達成するために、前記連結子の軸方向長さをL3、結合された2本のタイワイヤ間の軸方向距離をCW、この連結子と一方のタイワイヤ間の軸方向距離CL1、この連結子と他方のタイワイヤ間の軸方向距離CL2、この連結子一方の端面からこの端面と同一方向のスリーブのタイワイヤ側端面までの距離をL2とするときに、
(数1)
CL1+CL2<L2
(数2)
L3<CW
の関係を満たすことを特徴とするものである。
(数1)
CL1+CL2<L2
(数2)
L3<CW
の関係を満たすことを特徴とするものである。
タービン動翼についての他の発明は、上述の目的を達成するために、前記連結子の軸方向長さをLB3、結合された2本のボス間の軸方向距離をCB、この連結子と一方のボス間の軸方向距離CLB1、この連結子と他方のボス間の軸方向距離CLB2、この連結子一方の端面からこの端面と同一方向のスリーブのボス側端面までの距離をLB2とするときに、
(数3)
CLB1+CLB2<LB2
(数4)
LB3<CWB
の関係を満たすことを特徴とするものである。
(数3)
CLB1+CLB2<LB2
(数4)
LB3<CWB
の関係を満たすことを特徴とするものである。
請求項8及び9の発明は、このような構成にすることにより、群翼を結合した連結装置はタイワイヤやボスから脱落することがない。
さらに、上述の目的を達成するために、他の本発明はタービン動翼の組立方法に関する発明であって、タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように多数本の動翼を植設し、この動翼に設けた貫通孔にタイワイヤを通し、このタイワイヤにより前記動翼を複数本数毎に相互に連結し複数の群翼構造としたタービン動翼において、各群翼の端部を構成する動翼から突出したタイワイヤの各端部外周に円筒形のスリーブを嵌合させる工程と、互いに隣接する群翼のタイワイヤの間にある間隙を持って連結子を配設する工程と、互いに隣接する前記2個のスリーブをタイワイヤ間に配設した前記連結子とタイワイヤとの両者に嵌合する位置まで移動させる工程と、前記2個のスリーブと前記連結子とを連結子の軸方向ほぼ中央部で冶金的に接合する工程とを有することを特徴とするものである。
また、他の本発明は、同じくタービン動翼の組立方法に関する発明であって、タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように多数本の動翼を植設し、この動翼の腹側および背側にボスを設け、複数本毎に互いに隣接する動翼のボス同士を相互に連結し複数の群翼構造としたタービン動翼において、各群翼の端部を構成する動翼から突出したボスの各端部外周に円筒形のスリーブを嵌合させる工程と、互いに隣接する群翼のボスの間にある間隙を持って連結子を配設する工程と、互いに隣接する前記2個のスリーブをボス間に配設した前記連結子とボスとの両者に嵌合する位置まで移動させる工程と、前記2個のスリーブと前記連結子とを連結子の軸方向ほぼ中央部で冶金的に接合する工程とを有することを特徴とするものである。
このような方法で組立てることにより、従来の構造を変更することなく、きわめて簡単な作業でタービン動翼が組立てることができ、作業時間、費用等が節約できる。しかも、無駄な工程を経ることなく群翼構造とすることができるとともに、簡単に全周が1つの群である構造を実現できるため、信頼性のあるタ−ビンとすることができる。
タービン動翼の組立方法についての他の発明は、前記冶金的に接合する工程が溶接工程であって、この溶接工程の後に熱処理工程を有することを特徴とするものである。
このような方法で組立てることにより、信頼性のある接合が可能となり、ひいてはタービン全体の信頼性向上につながる。
このような方法で組立てることにより、信頼性のある接合が可能となり、ひいてはタービン全体の信頼性向上につながる。
以上詳述したように、本発明のタービン動翼によれば、装着作業が簡単な連結装置を用いて、従来の複数の群翼構造を変更することなくこの群間を結合するため、振動特性が大幅に改善し信頼性の優れた動翼を提供することができる。さらにこのタービン動翼では全周が一つの群翼とする場合には翼の剛性が向上し信頼性がさらに向上する。
また、本発明のタービン動翼の組立方法によれば、装着作業が簡単であり、従来の複数の群翼構造を分解することなく、少数の簡単な部品により簡単で少ない作業工程でこの群間を結合することができる。よって、稼動中のタービン動翼でも工場に持ち帰ること無く、現地で容易に作業することも可能となり、その作業時間および費用の大幅な削減を実現しつつ高性能で信頼性の高いタービン動翼を得ることが可能となる。
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1乃至図3により本発明の前提となる群翼構造および連結装置12について説明する。図1は連結装置12が適用されたタービン翼列の斜視図であり、図2は図1のタイワイヤ9b付近のA−A断面図を翼頂部から見たものである。タービンロータ1の外周部にはフランジ状のタービンロータディスク2が設けられ、その外周部分に動翼3を植設する植込部4が形成されている。この植込部4には、その円周方向にフォーク状の溝5が数本切られており、一方、動翼3の根元部にはフォーク状の数本の突起部6が設けられており、溝5と突起部6が嵌合することにより、動翼3がタービンロータディスク2上に植設される。また、タービンロータディスク2および突起部6には、それぞれ対向する位置にキー孔7が設けられており、ここにキーを挿入することで、動翼3はタービンロータ1に強固に固定される。
まず、図1乃至図3により本発明の前提となる群翼構造および連結装置12について説明する。図1は連結装置12が適用されたタービン翼列の斜視図であり、図2は図1のタイワイヤ9b付近のA−A断面図を翼頂部から見たものである。タービンロータ1の外周部にはフランジ状のタービンロータディスク2が設けられ、その外周部分に動翼3を植設する植込部4が形成されている。この植込部4には、その円周方向にフォーク状の溝5が数本切られており、一方、動翼3の根元部にはフォーク状の数本の突起部6が設けられており、溝5と突起部6が嵌合することにより、動翼3がタービンロータディスク2上に植設される。また、タービンロータディスク2および突起部6には、それぞれ対向する位置にキー孔7が設けられており、ここにキーを挿入することで、動翼3はタービンロータ1に強固に固定される。
動翼3は、その長手方向中間部付近とほぼ翼頂部付近の翼幅方向ほぼ中央部分に設けられた貫通孔8a、8bにタイワイヤ9aおよび9bを通すことにより、数枚の動翼3が連結され群翼10、11を構成している。さらに、一の群翼10の一方の端部に位置する動翼3と上記群翼10の上記端部と互いに隣接する他の群翼11の群翼10側の端部に位置する動翼3とを結合する。具体的には、一方の動翼3の貫通孔8a、8bから突出しているタイワイヤ9a、9bと、他方の動翼3の貫通孔8a、8bから突出しているタイワイヤ9a、9bとを本発明に係る連結装置12で結合することにより実現する。そして順次隣接する群翼同士を連結してゆくことにより、すべての群翼が連結され、結果的にタービンロータディスク2全周の動翼3が1つの群となりリング状に固定される。
このような構成にすることにより、従来から使用されているタイワイヤ9a、9bによる群翼構造の動翼3を、従来の構造を変更することなく連結装置12により群翼同士を容易に一体化し、全周の動翼3をリング状に形成できるため、群翼構造よりさらに耐振性能および剛性が向上したタービン動翼が実現できる。
図3は、図1の場合とは、群翼を構成する際の翼同士を連結する方法が異なる。すなわち、動翼3の腹側面および背側面には長手方向ほぼ中間部付近と翼頂部付近の翼幅方向ほぼ中央に設けられた突起状のボス13が設けられており、隣接する動翼のボス13同士をボス間溶接部13aにて溶接することにより、数枚の動翼3が連結され群翼14を構成している。さらに、ある一の群翼14の一方の端部に位置する動翼3に形成されているボス13と、この群翼14と互いに隣接する他の群翼15の群翼14側の端部を構成する動翼3に形成されているボス13とを本発明に係る連結装置16で結合する。そして同様に順次群翼を連結してゆくことにより、すべての群翼が連結され、結果的にタービンロータディスク2全周の動翼3が1つのリング状に固定される。
このような構成においても、従来から使用されている溶接による群翼構造のタービンを、その構造を変更せずして連結装置16により群翼14同士を容易に一体化できるので、従来の群翼構造よりさらに耐振性能および剛性が向上したタービン動翼が実現できる。
図4および図5は、図1乃至図3に示した群翼構造同士を結合する連結装置12(16)の斜視図(図4)とそのB−B断面図(図5)をそれぞれ示している。
連結装置12は、結合する2本のタイワイヤ9a1、9a2の端部外周と同軸に嵌合する2個のスリーブ20a、20bと、これらのスリーブ内にタイワイヤと同様に同軸に嵌合されるとともに2個のスリーブ20a、20bと溶接結合される1つの連結子21とから構成される。そしてこの連結子21は、タイワイヤ9a1、9a2より若干外径が大きく形成されており、スリーブ20a、20bと溶接結合された際に、タイワイヤ9a1、9a2の動きを拘束しないようにしている。そして、このような簡単な部品構成の連結装置12を用いることにより、タイワイヤ間の間隔と変えることなく、簡単な装着作業により、従来の複数の群の翼構造をさらに制振性能が良く剛性の高い全周が一つ群構造のタービン動翼とすることができる。
なお、連結装置16は、連結装置12のタイワイヤ9a1、9a2に換わってボス13同士を結合するもので、その構成および結合方法は連結装置12と変わらないので、ここでは説明を省略する。
次に図6を参照して、この連結装置12を用いてタイワイヤ9a1、9a2を結合してタービン動翼を組立てる方法について説明する。なお、連結装置16は連結装置12のタイワイヤ9a1、9a2が単にボス13に換わるだけであるため説明を省略する。
最初に、結合する2つの群翼10のそれぞれの端部のタイワイヤ9a1の端部22aとタイワイヤ9a2の端部22bに、スリーブ20a、20bをそれぞれかぶせる(図6(a))。
次に、タイワイヤ9a1、9a2の間隙部23に連結子21を挿入する(図6(b))。
次に、タイワイヤ9a1、9a2の間隙部23に連結子21を挿入する(図6(b))。
そして、スリーブ20a、20bそれぞれをタイワイヤ9a1、9a2および連結子21の両方をほぼ均等に被う位置に移動させる(図6(c))。
その後、スリーブ20aと連結子21およびスリーブ20bと連結子21をそれぞれ冶金的に接合して、タイワイヤの結合が完了する(図6(d))。
その後、スリーブ20aと連結子21およびスリーブ20bと連結子21をそれぞれ冶金的に接合して、タイワイヤの結合が完了する(図6(d))。
冶金的な接合としては一般的な溶接または銀ロー付けが最適な方法である。接合が溶接である場合には、施工後に溶接部の残留応力を除去するための熱処理として焼きなましを行なう。これは溶接個所を局所的な加熱が可能な加熱手段で、所定の温度に達した後に所定の時間保持し、その後にその部分に保温材を巻きつけて徐冷するというものである。なお、ここで加熱手段としてはガスバーナによる加熱や高周波による加熱が可能である。また、所定温度として670℃から680℃、保持時間として8分から12分が望ましい。銀ロー付けの場合には、施工時の温度が低いため、最後に行なう熱処理は必要ない。
そして、このような工程を全ての群翼間について行なうことにより、従来の構造である群翼構造のものを、元の構造を変更することなく、また、タイワイヤ間の間隔と変えることなく、簡単な装着作業により、さらに制振性能が良く剛性の高い全周が一つの群構造のタービン動翼とすることができ、性能向上のための改造に要する期間、費用が大幅な削減が期待される。
次に図7および図8を参照して、タ−ビン動翼の組立方法について説明する。
最初に、予めタ−ビンロ−タ1の外周に設置されたタ−ビンロ−タディスク2の植込部に動翼3を一枚ずつ挿入する(図7(a))。動翼3の挿入においては予めこの植込部の一部分に設けた切欠部(図示せず)から行なう。
最初に、予めタ−ビンロ−タ1の外周に設置されたタ−ビンロ−タディスク2の植込部に動翼3を一枚ずつ挿入する(図7(a))。動翼3の挿入においては予めこの植込部の一部分に設けた切欠部(図示せず)から行なう。
順次挿入して行き、タ−ビンロ−タディスク2に予め決められた複数本数(図7では4本)の動翼3の挿入が完了する毎にそれらをまとめて綴り、群翼10の構造とする(図7(b)、(c))。綴る方法としては、動翼に予め設けた貫通孔にタイワイヤ9a、9bを通す方法や動翼腹側および背側に設けたボス同士を接合する方法等がある。図7ではタイワイヤの場合を示した。
次に、この決められた本数毎に綴られた1つの群翼10構造の動翼3は、タ−ビンロ−タディスク2の植込部に沿って所定の位置まで移動させタ−ビンロ−タディスク2と各動翼3とが固定される(図7(d))。そして、このような一連の作業をタ−ビンロ−タディスク2全周に動翼3が全て植設されるのに必要な群翼10、11の数だけ行なう(図8(a))。
そして、全ての群翼10、11がタ−ビンロ−タディスク2に植設、固定が完了したならば、各群翼間のタイワイヤ9a,9bまたはボスを同士を連結装置12または16で結合することにより、全周の動翼が1つの群構造となるタ−ビンが完成する(図8(b))。
このような組立方法を採用することにより、全ての動翼をタ−ビンロ−タディスク全周に植設した後に全周の動翼を1つの群翼構造とするよりも、大幅な作業の手間および時間の節約になるとともに、制振性能の良いタービン動翼を実現できる。
次に、本発明に係る連結装置12、16の寸法的な条件について図9乃至図12を用いて説明する。図9は図5の連結装置12の断面図に寸法を模式的に表した図、図10は図2において結合したタイワイヤの位置が互いにずれた場合の連結装置12の状態を示した断面図、図11および図12は図10の状態を、より詳細に模式的に表した図である。
図9において、L1はスリーブ20a、20bの長さを、L2は連結子21端部とスリーブ20a、20bのタイワイヤ側端部との距離を、L3は連結子21の長さを、CWは結合するタイワイヤ9a1、9a2間の間隙部23の距離を、CL1(CL2)は連結装置12のある状態におけるタイワイヤ9a1(9a2)端部と連結子21端部との間隙距離を、Wはタイワイヤの外径寸法を、Sはスリーブの内径寸法をそれぞれ示している。
まず、従来の群翼構造に手を加えることなくタイワイヤ間隙部23にスリーブ20a、20bおよび連結子21が挿入できるためには
(数9)
L1<CW
(数10)
L3<CW
の関係が成り立っていることが必要である。
(数9)
L1<CW
(数10)
L3<CW
の関係が成り立っていることが必要である。
一方、スリーブ20a、20bと連結子21が一体化した連結装置12が、タイワイヤ9a1、9a2と嵌合したまま脱落しないでいるためには、各タイワイヤ9a1、9a2の端部と連結子21端部との間隙CL1、CL2と、連結子21の端部からスリーブ20a(20b)のタイワイヤ側端部までの長さL2との間で、
(数11)
CL1+CL2<L2 ……………………(1)
の関係が成立している必要がある。さらに、連結装置12がタイワイヤ9a1、9a2の動きを拘束しないためには
(数12)
L3<CW …………………………………(2)
の関係が成立している必要がある。
(数11)
CL1+CL2<L2 ……………………(1)
の関係が成立している必要がある。さらに、連結装置12がタイワイヤ9a1、9a2の動きを拘束しないためには
(数12)
L3<CW …………………………………(2)
の関係が成立している必要がある。
すなわち、少なくとも式(1)、(2)を満たすスリーブおよび連結子から構成される連結装置12であれば、従来の複数の群の翼構造のものを、元の構造に何等手を加えることなく制振性能が良く剛性の高い全周が一つの群構造のタービンとすることができる。
ところで、運転中の群翼構造における各翼の変形状態を詳細に見ると、動翼に遠心力が作用することにより、群翼の回転方向最後尾の動翼は蒸気出口方向に、回転方向先頭部の動翼は蒸気入口側にそれぞれ変形し、群翼全体が捩れたような形態となっている。
図10はそのような状態を示したもので、動翼25、26は図中矢印27方向に回転する。よって動翼25は連結装置12より回転方向前方に位置する群翼の群尾部分であり、動翼26は連結装置12より回転方向後方に位置する群翼の先頭部分となる。この変形により、タイワイヤ9a1とタイワイヤ9a2の間には位置ずれSWが生ずる。
そして、このように結合されたタイワイヤ9a1、9a2に位置ずれが起きた状態においても、連結装置12がタイワイヤ9a1、9a2の動きを拘束しないためには、次のような関係が成り立っている必要がある。すなわち、図10において、
(数13)
S1=CW・cosα ……………………(4)
(数14)
S2=W−SW ……………………(5)
(数15)
S3=S2・sinα ……………………(6)
となる。これらの式からL3の条件を求めると、
(数16)
CW・cosα−(W−SW)・sinα≧L3 …(7)
となる。
(数13)
S1=CW・cosα ……………………(4)
(数14)
S2=W−SW ……………………(5)
(数15)
S3=S2・sinα ……………………(6)
となる。これらの式からL3の条件を求めると、
(数16)
CW・cosα−(W−SW)・sinα≧L3 …(7)
となる。
以上より、連結子21の長さは式(7)を満たす長さを選定する必要があることが分かる。なお、αは連結子21の長手方向とタイワイヤとの傾きを示している。
さらにこのような傾き状態で連結子がタイワイヤの動きを拘束しないためには、図12を参照して、
(数17)
S4=(W+SW)/cosθ …………………(8)
ゆえに
(数18)
θ=tan-1(CW/(W+SW)) …………(8)
一方、
(数19)
S=S4・cos(θ+α) ……………………(9)
よって、
(数20)
((W+SW)/cosθ)・cos(θ+α)≦S …(10)
ただし
(数21)
θ=tan-1(CW/(W+SW)) …………(8)
ゆえに、スリーブ20a(20b)の内径は式(10)を満たすような寸法を選定する必要があることが分かる。
(数17)
S4=(W+SW)/cosθ …………………(8)
ゆえに
(数18)
θ=tan-1(CW/(W+SW)) …………(8)
一方、
(数19)
S=S4・cos(θ+α) ……………………(9)
よって、
(数20)
((W+SW)/cosθ)・cos(θ+α)≦S …(10)
ただし
(数21)
θ=tan-1(CW/(W+SW)) …………(8)
ゆえに、スリーブ20a(20b)の内径は式(10)を満たすような寸法を選定する必要があることが分かる。
このように、連結装置を適用するタービン動翼の群翼それぞれの挙動を、過去の運転時における振動データや実験および解析を通して予め把握し、式(8)、(10)から導き出される寸法値を満たす連結装置とすることにより、たとえ各翼に遠心力が作用し群翼が変形しても、隣接群翼間のタイワイヤの相対変位は拘束されずに、振動に対する減衰効果を発揮することが可能となる。また全周一群構造が実現できるため、剛性も高まる。
なお、図9乃至図12においては、タイワイヤ9a1、9a2を結合する連結装置12を説明してきたが、タイワイヤに換えて図3に示すボス13を結合する連結装置16の場合も、前記の「タイワイヤ」を「ボス」と読み替えるのみで寸法的な条件およびその算出方法は全く同一となるので、ここでは説明を省略する。
1…タービンロータ、2…タービンロータディスク、3…動翼、4…植込部、5…溝、6…突起部、7…キー孔、8a…貫通孔、8b…貫通孔、9a…タイワイヤ、9b…タイワイヤ、9a1…タイワイヤ、9a2…タイワイヤ、10…群翼、11…群翼、12…連結装置、13…ボス、14…群翼、15…群翼、16…連結装置、20a…スリーブ、20b…スリーブ、21…連結子、22a…タイワイヤ端部、22b…タイワイヤ端部、23…タイワイヤ間隙部、24…冶金的接合部、25…結合装置より回転方向前側動翼、26…結合装置より回転方向後側動翼、27…回転方向矢印、100…タービンロータ、101…動翼、102…タービンロータディスク、103…溝、104…キー孔、105…キー、106…貫通孔、107…タイワイヤ、110…動翼、111…ボス、112…ボス間溶接部、CL1、CL2…連結子とタイワイヤ端部との間隙長さ、CW…タイワイヤ間の間隙長さ、L1…スリーブ軸方向長さ、L2…連結子端部からスリーブ端部までの長さ、L3…連結子軸方向長さ、SW…連結子軸ずれ長さ、S…スリーブ内径(連結子外径)、W…タイワイヤ外径。
Claims (12)
- タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように植設された多数本の動翼を、この動翼に設けた貫通孔にタイワイヤを通し、このタイワイヤにより前記動翼を複数本数毎に相互に連結し複数の群翼構造としたタービン動翼において、互いに隣接する群翼間のタイワイヤをスリーブ及び連結子からなる連結装置により結合することを特徴とするタービン動翼。
- タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように植設された多数本の動翼の腹側および背側にボスを設け、互いに隣接する動翼のボス同士を相互に連結することにより複数本数毎に複数の群の翼構造としたタービン動翼において、互いに隣接する群翼間のボスをスリーブ及び連結子からなる連結装置により結合することを特徴とするタービン動翼。
- 前記スリーブ及び連結子からなる連結装置による結合はタービンロータ全周の群翼について行ない、動翼を全周が一つの群翼構造とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタービン動翼。
- 前記スリーブ及び連結子からなる連結装置は結合する2本のタイワイヤのそれぞれに嵌合しこれらのタイワイヤの外径よりも大きい内径を有する円筒形のほぼ同一形状の2個のスリーブと、前記2本のタイワイヤの間に予め決められた間隙を有して配設され前記スリーブの内径とほぼ同一の外径を有する1個の連結子とからなることを特徴とする請求項1または3記載のタービン動翼。
- 前記スリーブ及び連結子からなる連結装置は結合する2本のボスとそれぞれ嵌合しこれらのボスの外径よりも大きい内径を有する円筒形のほぼ同一形状の2個のスリーブと、前記2本のボスの間に予め決められた間隙を有して配設され前記スリーブの内径とほぼ同一の外径を有する1個の連結子とからなることを特徴とする請求項2または3記載のタービン動翼。
- 前記2個のスリーブと前記連結子は、この連結子外周軸方向中心部近傍で冶金的に互いに接合されていることを特徴とする請求項4または5に記載のタービン動翼。
- 前記冶金的な接合は溶接または銀ロー付けであることを特徴とする請求項6に記載のタービン動翼。
- 前記連結子の軸方向長さをL3、結合された2本のタイワイヤ間の軸方向距離をCW、この連結子と一方のタイワイヤ間の軸方向距離CL1、
この連結子と他方のタイワイヤ間の軸方向距離CL2、この連結子一方の端面からこの端面と同一方向のスリーブのタイワイヤ側端面までの距離をL2とするときに、
(数1)
CL1+CL2<L2
(数2)
L3<CW
の関係を満たすことを特徴とする請求項1、3、4、6または7いずれか1項記載のタービン動翼。 - 前記連結子の軸方向長さをLB3、結合された2本のボス間の軸方向距離をCB、この連結子と一方のボス間の軸方向距離CLB1、この連結子と他方のボス間の軸方向距離CLB2、この連結子一方の端面からこの端面と同一方向のスリーブのボス側端面までの距離をLB2とするときに、
(数3)
CLB1+CLB2<LB2
(数4)
LB3<CWB
の関係を満たすことを特徴とする請求項2、3または5乃至7いずれか1項記載のタービン動翼。 - タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように多数本の動翼を植設し、この動翼に設けた貫通孔にタイワイヤを通し、このタイワイヤにより前記動翼を複数本数毎に相互に連結し複数の群翼構造としたタービン動翼において、各群翼の端部を構成する動翼から突出したタイワイヤの各端部外周に円筒形のスリーブを嵌合させる工程と、互いに隣接する群翼のタイワイヤの間にある間隙を持って連結子を配設する工程と、互いに隣接する前記2個のスリーブをタイワイヤ間に配設した前記連結子とタイワイヤとの両者に嵌合する位置まで移動させる工程と、前記2個のスリーブと前記連結子とを連結子の軸方向ほぼ中央部で冶金的に接合する工程とを有することを特徴とするタービン動翼の組立方法。
- タービンロータ外周部に設けたタービンロータディスクの植込部に翼列をなすように多数本の動翼を植設し、この動翼の腹側および背側にボスを設け、複数本毎に互いに隣接する動翼のボス同士を相互に連結し複数の群翼構造としたタービン動翼において、各群翼の端部を構成する動翼から突出したボスの各端部外周に円筒形のスリーブを嵌合させる工程と、互いに隣接する群翼のボスの間にある間隙を持って連結子を配設する工程と、互いに隣接する前記2個のスリーブをボス間に配設した前記連結子とボスとの両者に嵌合する位置まで移動させる工程と、前記2個のスリーブと前記連結子とを連結子の軸方向ほぼ中央部で冶金的に接合する工程とを有することを特徴とするタービン動翼の組立方法。
- 前記冶金的に接合する工程は溶接工程であって、この溶接工程の後に熱処理工程を有することを特徴とする請求項10または11記載のタービン動翼の組立方法。
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