JP2008001287A - 自転車用中空部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】自転車用中空部品において、充分な強度を備えつつ、様々な材料に適用しても製造工程を効率化できかつ部品の重量増を可及的に抑えることができるようにする。
【解決手段】自転車用ギアクランク58は、クランク本体73と、蓋部材74と、充填部材75とを備えている。蓋部材は、クランク本体材に接合され、クランク本体との間で内部に空間SP1を形成可能な部材である。充填部材は、空間に充填されるとともに、クランク本体及び蓋部材を接着する部材である。充填部材は、接着剤75aと、接着剤に添加され、内部に熱膨張性気体を内包した熱可塑性合成樹脂製の複数の発泡性粒子75bと、を有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、中空部品、特に、自転車に用いられ2つの部材の間に空間を有する自転車用中空部品に関する。
自転車には、部品の強度を維持して軽量化を図るために中空のクランクなどの中空部品が広く採用されている(たとえば、特許文献1参照)。従来の中空部品であるクランクは、内部に空間を有するクランク本体と、クランク本体に溶接や接着により接合された蓋部材とを有している。クランク本体は、クランクの表面を構成し内部に空間を有しており、たとえば、チタン合金、アルミニウム合金及びステンレス合金等の金属製の部材である。蓋部材は、クランクの裏面に配置された概ね板状の部分であり、たとえば、チタン合金、アルミニウム合金及びステンレス合金等の金属製の部材である。
米国特許第5988016号明細書
従来の自転車用中空部品では、蓋部材をクランク本体に溶接により接合する場合は、強度的には充分であるが、部品の製造工程が煩雑になり非能率化を招く。また、部品の総重量が増加するとともに繊維強化樹脂などの合成樹脂製のものには適用できないという問題がある。また、接着により2つの部材を接合する場合、様々な材料に適用できる反面、充分な強度を得るためには、大量の接着剤を使用する必要があり、やはり製造工程の非効率化を招くとともに部品の総重量が増加するという問題がある。
本発明の課題は、自転車用中空部品において、充分な強度を備えつつ、様々な材料に適用しても製造工程を効率化できかつ部品の重量増を可及的に抑えることができるようにすることにある。
発明1に係る自転車用中空部品は、第1部材と、第2部材と、充填部材とを備えている。第2部材は、第1部材に接合され、第1部材との間で内部に空間を形成可能な部材である。充填部材は、空間に充填されるとともに、第1及び第2部材を接着する部材である。充填部材は、接着剤と、接着剤に添加され、内部に熱膨張性気体を内包した熱可塑性合成樹脂製の複数の発泡性粒子と、を有している。
この中空部品では、第1部材と第2部材との間には空間が形成され、その空間に充填部材が充填され、その充填部材により第1及び体2部材が接着されている。この接着用の充填部材は、接着剤と、接着剤に添加された発泡性粒子とを有している。ここでは、接着剤に発泡性粒子が添加された充填部材を空間に充填するとともに、接着剤を有する充填部材により第1及び第2部材を接合しているので、様々な材料を接合できる。また、充填部材には、発泡性粒子が添加されているので空間に充填部材を充填しても接着剤の使用量を少なくすることができる。このため、中空部品の重量増を抑えることができるとともに、充填された接着剤の量が減少して製造工程を効率化できる。更には、中空部分を形成している空間に発泡性粒子の発泡作用により内から外に向かって膨張した状態の充填部材が充填されているため、中空部品の中空部分の強度を高めることが可能となる。
発明2に係る自転車用中空部品は、発明1に記載の部品において、接着剤は、熱硬化性接着剤である。この場合には、熱により接着剤が硬化するので、熱により膨張しかつ可塑化して発泡する発泡性粒子の発泡工程と接着剤の硬化工程とを一工程で行える。
発明3に係る自転車用中空部品は、発明1又は2に記載の部品において、接着剤は、柔軟性を有するエポキシ樹脂系接着剤である。この場合には、通常は、接着力は強いが硬くて脆いエポキシ樹脂系接着剤がさらに柔軟性を有しているので、部品の耐衝撃性が向上する。
発明4に係る自転車用中空部品は、発明1から3のいずれかに記載の部品において、熱膨張性気体は炭化水素ガスである。この場合には、充填部材を効率良く発泡させることが可能となる。
発明5に係る自転車用中空部品は、発明2から4のいずれかに記載の部品において、接着剤の硬化温度は、発泡性粒子の発泡開始温度より高い。この場合には発泡性粒子の発泡が開始した後に接着剤が硬化し始めるため、空間内に接着剤を充分に充填させることができる。
発明6に係る自転車用中空部品は、発明1から5のいずれかに記載の部品において、第1及び第2部材は、自転車用クランクの外殻を構成する部材である。この場合には、自転車用クランクを様々な材料で製造できるとともに、充分な強度を備えつつ重量増を抑えて製造工程を簡素化できる。
発明7に係る自転車用中空部品は、発明1から5のいずれかに記載の部品において、第1及び第2部材は、自転車用フロントチェーンホイールの外殻を構成する部材である。この場合には、自転車用フロントチェーンホイールを様々な材料で製造できるとともに、充分な強度を備えつつ重量増を抑えて製造工程を簡素化できる。
本発明によれば、接着剤に発泡性粒子が添加された充填部材を空間に充填するとともに、接着剤を有する充填部材により第1及び第2部材を接合しているので、様々な材料を接合できる。また、充填部材には、発泡性粒子が添加されているので空間に充填部材を充填しても接着剤の使用量を少なくすることができる。このため、中空部品の重量増を抑えることができるとともに、充填された接着剤の量が減少して製造工程を効率化できる。更には、中空部分を形成している空間に発泡性粒子の発泡作用により内から外に向かって膨張した状態の充填部材が充填されているため、中空部品の中空部分の強度を高めることが可能となる。
図1において、本発明の一実施形態を採用した自転車は、たとえばドロップタイプのハンドル部14を有するロードバイク10である。ロードバイク10は、車体の骨格をなすダイヤモンド形のフレーム11を備えている。フレーム11は、フレーム体12と、フレーム体12の前部に斜め縦軸回りに回転自在に支持され、下部が2股に分かれたフロントフォーク13とを有している。また、ロードバイク10は、フロントフォーク13に連結されたハンドル部14と、フレーム体12の下部に取り付けられ、踏み力を駆動力に変換する駆動部15と、フロントフォーク13の下端に回転自在に支持された前輪16と、フレーム体12の後部に回転自在に支持された後輪17と、前後の制動装置18,19とを備えている。
フレーム体12は、三角形状の前三角20と、前三角20の後方に配置された後三角21とを有するダイヤモンド形のフレームである。
フロントフォーク13の上部にはハンドル部14を構成するハンドルステム35が上下に移動可能に固定されている。ハンドルステム35の上端には、左右に延びる両端が湾曲したハンドルバー36が固定されている。ハンドルバー36の両端には、変速機能付のブレーキレバー38が取り付けられている。
駆動部15は、ハンガー部29に設けられたクランク部41と、後輪17のフリーハブに回転不能に取り付けられた小ギア部43と、クランク部41と小ギア部43との間に架け渡されたチェーン44と、変速用のフロントディレーラ45およびリアディレーラ46とを有している。フロントディレーラ45は、チェーン44が挿通するチェーンガイド45aを有している。
クランク部41は、図2に示すように、フレーム体12の筒状のハンガー部29に回転自在に支持されたクランク軸54を有するクランク軸組立体50と、クランク軸54の右端に一体的にカシメ固定され先端にペダル53(図1)が装着された右クランク51と、クランク軸54の左端に着脱自在に固定される左クランク52とを有している。
クランク軸組立体50は、図2に示すように、クランク軸54と、ハンガー部29に装着されクランク軸54を回転自在に支持するボトムブラケット55とを有している。
クランク軸54は、たとえばクロムモリブデン鋼等の高剛性を有する合金製の中空のパイプ状部材である。クランク軸54の左端内周面には、図3に示すように、左クランク52を固定するために雌ねじ部54aが形成されている。クランク軸54の右端は、図2に示すように、右クランク51にたとえば圧入固定されている。クランク軸54の左端外周面には、左クランク52を回転不能に連結するための先細りのテーパ形状のスプライン部54bが形成されている。
ボトムブラケット55は、図2に示すように、ハンガー部29の両端からねじ込まれる左右の軸受ハウジング60,61と、左右の軸受ハウジング60,61を同芯に連結する筒状の連結部材62と、左右の軸受ハウジング60,61に装着された左右の軸受63,64と、左右の軸受63,64の内輪とクランク軸54との間に装着される左右のカバー部材65,66とを有している。
左右の軸受ハウジング60,61は、段付き筒状の部材であり、軸受63,64が各別に収納される軸受収納部60a,61aと、軸受収納部60a,61aと並べて配置されハンガー部29の端部に回転不能に装着される装着部60b,61bとをそれぞれに有している。軸受収納部60a,61aは、軸受装着部60a,61aの軸方向外側に配置されており、装着部60b,61bより大径である。ハンガー部29は、左右の両端内周面に雌ねじ部29a,29bを有しており、装着部60b,61bは、軸受収納部60a,61aの内側に配置され雌ねじ部29a,29bに螺合する雄ねじ部60c,61cを有している。通常、クランクの回転による緩みを防止するため、左側の雌ねじ部29aは右ねじで右側の雌ねじ部は左ねじである。したがって、これらに螺合する雄ねじ部60cは右ねじ、雄ねじ部61cは左ねじである。
軸受63,64は、内輪63a,64a及び外輪63b,64bを有する玉軸受等の転がり軸受である。軸受63,64は、カバー部材65,66を介して左右のクランク52,51により内輪63a,64aのそれぞれ軸方向外側(軸受63は図2左側、軸受64は図2右側)への移動が規制され、軸受ハウジング60,61により外輪63b,64bのそれぞれ軸方向内側(軸受63は図2右側、軸受64は図2左側)への移動が規制されるように配置されている。このように、ハンガー部29の軸方向外側に軸受63,64を配置することによりクランク軸54の軸径を大きくすることができ、クランク軸54を中空形状にして軽量化を図ってもクランク軸54の強度や剛性を高く維持できる。
カバー部材65,66は、軸受ハウジング60,61の外側端面をカバーするたとえば硬質な合成樹脂製の部材であり、左右のクランク52,51と軸受63,64の内輪63a,64aとに挟まれた状態で配置されている。
右クランク51は、図2及び図3に示すように、大小2つのスプロケット(フロントチェーンホイールの一例)71,72と、スプロケット71,72を固定ボルト90により固定可能なギアクランク58とを有している。ギアクランク58は、クランク本体(第1部材の一例)73と、クランク本体73に接合され、クランク本体73との間で内部に空間SP1を形成可能な蓋部材(第2部材の一例)74と、空間SP1に充填されるとともに、クランク本体73と蓋部材74とを接着する充填部材75と、を備えている。
クランク本体73は、図4〜図6に示すように、好ましくは、アルミニウム合金材やチタン合金材のように軽量で剛性が高い金属製の部材、またはカーボン繊維の複合材のような軽量で高剛性な素材であり、円形の空間で構成されクランク軸54の右端に回転不能に装着される係合凹部76aを有するクランク軸連結部76と、クランク軸連結部76から放射状に延び、大小2枚のスプロケット71,72を先端に装着可能な5つのスパイダーアーム部77と、クランク軸54の右端に固定され先端にペダル装着孔78aが形成された右クランクアーム部78とを有している。クランク軸連結部76の外側面(図4に示す面)は、3つのスパイダーアーム部77及び右クランクアーム部78と面ななる滑らかな曲面で構成されている。クランク軸連結部76の内側面(図5に示す面)の中心側の環状の端面76bは、図2に示すように、カバー部材66を介して軸受64の内輪64aを押圧可能である。スパイダーアーム部77の先端には、固定ボルト90が貫通する貫通孔77bとスプロケット71,72取付用の2つの取付面77cとを有するスプロケット取付部77aが形成されている。
右クランクアーム部78は、先端にいくにつれて先細りに形成されている。右クランクアーム部78の内側面には、空間SP1を形成するための凹部78bが形成されている。凹部78bには、充填部材75が充填され、充填された後に蓋部材74により塞がれる。凹部78bは、クランク軸連結部76側が大径で先端にいくにつれて先細りの長円形に形成されている。凹部78bの開口部78cには、蓋部材74を位置決めして配置するための環状の段差部78dが形成されている。段差部78dはテーパ面で構成されている。
蓋部材74は、図7及び図8に示すように、好ましくは、アルミニウム合金や合成樹脂または、カーボン繊維の複合材などの軽量な素材を用いた部材であり、凹部78bの開口部78cにはまり込む長円形の板状部材である。蓋部材74は、開口部78cにはまり込んだときに、右クランクアーム部78の内側面と略同一面となるような厚みを有している。また、蓋部材74には段差部78dに係合するように面取りされたテーパ面74aが一表面の全周にわたって形成されている。また、蓋部材74には、充填部材75を充填する際に使用される充填孔74bが表裏面を貫通して形成されている。
充填部材75は、図9に模式的に示すように、硬化した接着剤75aと、接着剤75aに添加され、内部に熱膨張性気体を内包した熱可塑性合成樹脂製の複数の発泡性粒子75bとを有している。接着剤75aは、好ましくは、エポキシ樹脂系の柔軟かつ強靱性を有する熱硬化性を有する接着剤であり、空間SP1への充填時には液状である。接着剤75aの具体的な構成については言及しないが、柔軟性骨格を特殊な低極性結合基を介して導入したオリゴマー型変性BPA型エポキシ樹脂であり、きわめて優れた柔軟強靱性を有するものであり、かつ優れた密着性を有するものである。接着剤75aは、好ましくは、硬化剤として、好ましくは脂肪族ポリアミン型硬化剤を使用している。この場合の硬化温度は、好ましくは摂氏150度である。また、硬化時間は、少なくとも30分以上が好ましい。
発泡性粒子75bは、好ましくは発泡前の粒径が30−50μm程度の球状の粒子である。発泡性粒子75bの外殻75cは、熱可塑性を有する合成樹脂製であり、発泡した状態で外殻75cは熱膨張性気体75dを内包している。外殻75c内には発泡前は液状又は気化した低沸点炭化水素が充填されており、熱膨張性気体75dは、好ましくは、摂氏115〜130度程度の低温で発泡を開始する炭化水素ガスである。したがって、接着剤75aの硬化温度は、発泡性粒子75bの発泡を開始する温度(発泡開始温度)より高い。このように接着剤75aの硬化温度が発泡開始温度より高いと、接着剤75aが柔らかい状態のときに発泡が進むので、接着剤75aが空間SP1内に充分に充填させることができる。このことにより、充填部材75は空間SP1内において発泡性粒子75bの発泡作用により内から外に向かって膨張した状態になり、中空部品の中空部分の強度を高めることが可能となる。
大径のスプロケット71は、図10から図13に示すように、環状のギア部材(第1部材の一例)86と、ギア部材86と一部が重なるように接合され内部に空間SP2を形成可能な環状のカバー部材(第2部材の一例)87と、空間SP2に充填されるとともに、ギア部材86とカバー部材87とを接着する充填部材88と、を有している。
ギア部材86は、好ましくは、素材としてアルミニウム合金材、アルミニウム合金とカーボン繊維の複合材、及びチタン合金とカーボン繊維の複合材のいずれかひとつを用いた環状の部材である。なお、この実施形態ではアルミニウム合金材を用いている。ギア部材86の外周部には、チェーン44が噛み合うギア歯86aが形成され、内周部には、径方向内方に突出してギアクランク58のスパイダーアーム部77に連結される5つのクランク取付部86bが形成されている。ギア歯86aとクランク取付部86bとの間は、ギア歯86aより厚みが薄く形成されかつ断面視で内側、すなわちスプロケット72側にわずかに屈曲している。ギア歯86aは、たとえば、50〜55T程度(図10では歯数は正確に表していない)の歯数を有している。クランク取付部86bは、図10及び図13に示すように、先端に固定ボルト90が貫通する貫通孔86cを有している。また、周方向の両側にカバー部材87を接合するための1対のリブ部86dを有している。なお、図10ではリブ部86dは図示を省略している。また、充填部材88となる充填剤を充填させるための充填孔86eが形成されている。貫通孔86cの周囲においてカバー部材87の接合側には、固定ボルト90が螺合するナット部材89が接合されている。ナット部材89は、リブ部86dの内側面にも接合されている。
カバー部材87は、好ましくは、素材としてアルミニウム合金材及び繊維強化樹脂材のいずれかを用いた環状の部材である。なお、この実施形態ではカーボン繊維強化樹脂材を用いている。カバー部材87は、ギア部材86より薄肉であり、ギア部材86との間で空間SP2が形成されるように三次元的に立体的に構成されている。具体的には、内側に屈曲したギア部材86に対して外側に断面視円弧状に脹らんで形成された後、ギア部材86の内周部に向けて屈曲してカバー部材87は形成されている。このように、ギア及びカバー部材86,87を三次元的に立体的に構成することにより、強度をより高くすることができる。
カバー部材87は、ギア歯86a形成部分を除くギア部材86の外側面(図11,12の右側面)をクランク取付部86bも含めて覆うように外周側と内周側とでギア部材86に接合されている。具体的には、カバー部材87は、平面視ではギア歯86a形成部分を除いてギア部材86と同様な形状であり、ギア歯86aの径方向内方のギア部材86の外側面(図11及び図12右側面)と、ギア部材86の内周側の外側面及び内周面と、クランク取付部86bのリブ部86dの外側面とで、好ましくは、発泡性粒子が添加されていない充填部材に用いられる接着剤で接着されている。また、それ以外の部位で充填部材88によりギア部材86と接合されている。
充填部材88は、右クランク51で使用されたものと同様のものであり、接着剤88aと発泡性粒子88bとを有している。
小径のスプロケット72は、好ましくは、素材としてアルミニウム合金材,ステンレス合金材,及びチタン合金材のいずれかひとつを用いた環状の部材である。なお、この実施形態ではアルミニウム合金材を用いている。スプロケット72の外周には、図2及び図3に示すように、チェーン44が噛み合うギア歯72aが形成され、内周部には、径方向内方に突出してギアクランク58のスパイダーアーム部77に連結される5つのクランク取付部72bが形成されている。スプロケット72は、前述、したように、固定ボルト90によりスプロケット71とともにスパイダーアーム部77に固定されている。
左クランク52は、図2に示すように、固定ボルト59によりクランク軸54の左端に回転不能に連結されるクランク本体(第1部材の一例)91と、クランク本体91に接合され、クランク本体91との間で内部に空間SP3を形成可能な蓋部材(第2部材の一例)92と、空間SP3に充填されるとともに、クランク本体91と蓋部材92を接着する充填部材93と、を備えている。
クランク本体91は、好ましくは、アルミニウム合金材やチタン合金材のように軽量で剛性が高い金属製の部材、またはカーボン繊維の複合材のような軽量で高剛性な素材であり、クランク軸54の左端に回転不能に装着されるボス部94と、ボス部94から径方向に延びる、先端にペダル装着孔95aが形成された左クランクアーム部95と、を有している。ボス部94には、調整部材57が取り付けられる雄ねじ部94aが内側に突出して形成されている。また、ボス部94には、スプライン部54bに回転不能に連結されたテーパ形状のスプライン孔94bが形成されている。
左クランクアーム部95の内側面(図2左側の面)には、空間SP3を形成するための凹部95bが形成されている。凹部95bには、充填部材93が充填され、充填された後に蓋部材92により塞がれる。凹部95bは、凹部78bと同様な長円形に形成されており、凹部78bと同様な開口部95c及び段差部95dを有している。蓋部材92及び充填部材93は、蓋部材74及び充填部材75と同様な形状であり、説明を省略する。
雄ねじ部94aには、軸受63,64の玉当たりを調整するための調整部材57が取り付けられている。固定ボルト59は、クランク軸54の左端内周面に形成された雌ねじ部54aにねじ込まれて、左クランク52をクランク軸54に固定する。固定ボルト59は、アーレンキーなどの工具により締め付け可能な工具係止孔59bを内周面に有している。
このような構成のギアクランク58や左クランク52やスプロケット71は、いずれも中空部品である。この中空部品は、いずれも第1部材であるクランク本体73,91及びギア部材86と、第2部材である蓋部材74,92及びカバー部材87と、充填部材75,93,88とを備えている。このような中空部品を製造する際には、第1部材73,91,86と第2部材74,92,87とを、好ましくは充填部材75,93,88に用いられる接着剤75a,93a,88aと同じ接着剤で両部材の周囲を接合し、第1部材73,91,86と第2部材74,92,87とを仮止めする。仮止めが完了すると、充填孔74b,86e,92bから充填部材75,93,88となる液状の接着剤75a,93a,88aに発泡性粒子75b,893b,88bが添加された充填剤を注入する。そして、硬化温度まで加熱した後所定時間その温度状態を維持して充填部材75,93,88を硬化させる。この加熱途中で発泡性粒子75bが発泡して内部に充填部材が充填された空間SP1,SP2,SP3内部に空洞を形成する。
ここでは、接着剤75aに発泡性粒子75bが添加された充填部材75,93,88を空間SP1,SP2,SP3に充填するとともに、接着剤75a,93a,88aを有する充填部材SP1,SP2,SP3により第1部材73,91,86と第2部材74,92,87とを接合しているので、様々な材料を接合できる。また、充填部材75,93,88には、発泡性粒子75b,93b,88bが添加されているので空間に充填部材75,93,88を充填しても接着剤75a,93a,88aの使用量を少なくすることができる。このため、中空部品の重量増を抑えることができるとともに、充填された接着剤75a,93a,88aの量が減少して中空部品の製造工程を効率化できる。更には、中空部分を形成している空間に発泡性粒子75b,93b,88bの発泡作用により内から外に向かって膨張した状態の充填部材75,93,88が充填されているため、中空部品であるギアクランク58や左クランク52やスプロケット71の中空部分の強度を高めることが可能となる。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、充填部材の接着剤としてエポキシ樹脂系の柔軟強靱性を有する接着剤を開示したが、接着剤としては2つの部材を接着できるものであればどのようなものでもよい。
(b)前記実施形態では、自転車用中空部品として、自転車のフロントチェーンホイールやクランクを例示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、自転車のフレーム体やフロントフォーク等の中空部品にも本発明を適用できる。
(c)前記実施形態では、第1部材を金属製またはカーボン繊維の複合材製にしたが、第1部材の材質は金属やカーボン繊維に限定されない。
本発明に係る一実施形態を採用した自転車の側面図。 スプロケットを含むクランク部の断面図。 右クランクの正面図。 ギアクランクのクランク本体の平面図 その背面図。 図4のVI−VI断面図。 蓋部材の平面図。 蓋部材の側面図。 充填部材の断面模式図。 スプロケットの分解斜視図。 図3のXI−XI断面図。 図3のXII−XII断面図。 図3のXIII−XIII断面図。
符号の説明
51 右クランク
52 左クランク(クランクの一例)
58 ギアクランク(クランクの一例)
71 スプロケット(フロントチェーンホイールの一例)
73,91 クランク本体(第1部材の一例)
74,92 蓋部材(第2部材の一例)
75,88,93 充填部材
75a,93a,88a 接着剤
75b,93b,88b 発泡性粒子
86 ギア部材(第1部材の一例)
87 カバー部材(第2部材の一例)
SP1,SP2,SP3 空間

Claims (7)

  1. 自転車用中空部品であって、
    第1部材と、
    前記第1部材に接合され、前記第1部材との間で内部に空間を形成可能な第2部材と、
    前記空間に充填されるとともに、前記第1及び第2部材を接着する充填部材と、を備え、
    前記充填部材は、
    接着剤と、
    前記接着剤に添加され、内部に熱膨張性気体を内包した熱可塑性合成樹脂製の複数の発泡性粒子と、を有する、自転車用中空部品。
  2. 前記接着剤は、熱硬化性接着剤である、請求項1に記載の自転車用中空部品。
  3. 前記接着剤は、柔軟性を有するエポキシ樹脂系接着剤である、請求項1又は2に記載の自転車用中空部品。
  4. 前記熱膨張性気体は炭化水素ガスである、請求項1から3のいずれか1項に記載の自転車用中空部品。
  5. 前記接着剤の硬化温度は、前記発泡性粒子の発泡開始温度より高い、請求項2から4のいずれか1項に記載の自転車用中空部品。
  6. 前記第1及び第2部材は、自転車用クランクの外殻を構成する部材である、請求項1から5のいずれか1項に記載の自転車用中空部品。
  7. 前記第1及び第2部材は、自転車用フロントチェーンホイールの外殻を構成する部材である、請求項1から5のいずれか1項に記載の自転車用中空部品。
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