JP2008001240A - 駆動車輪用軸受ユニット - Google Patents

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Zenichi Fukumura
善一 福村
Masayuki Kuroda
正幸 黒田
Hisaaki Kura
久昭 藏
Makoto Tomoue
真 友上
Hiroshi Kawamura
浩志 河村
Shigeaki Fukushima
茂明 福島
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Abstract

【課題】ハブ輪、軸受、および等速自在継手を含む駆動車輪用軸受ユニットのナックル部材への組付け工程を簡略化する。
【解決手段】ハブ輪10とアウトボード側等速自在継手30の外側継手部材31とを塑性結合する。外方部材26の外周面26aをナックル部材の内周面に圧入し、アウトボード側等速自在継手30の最大外径寸法D1をナックル部材6の最小内径寸法Dnよりも小さくする。アウトボード側等速自在継手30が、外側継手部材31と、内側継手部材32と、外側継手部材31と内側継手部材32との間に介在させたトルク伝達ボール33とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の駆動車輪(FF車の前輪、FR車の後輪、4WD車の全輪)用の軸受ユニットに関する。
エンジンからの動力を駆動車輪に伝達するドライブシャフト1は、図20に示すように、アウトボード側(車幅方向の車体側部の側)の固定型等速自在継手J1と、インボード側(車幅方向の車体中心の側)の摺動型等速自在継手J2とを中間軸2で結合した構成を有する。アウトボード側の等速自在継手J1は、車輪軸受3で回転自在に支持されたハブ輪4に結合され、インボード側の等速自在継手J2は、ディファレンシャル5に結合される。
車輪軸受3は、ハブ輪4の外周に固定した軸受内輪3aと、車体側の懸架装置から延びるナックル部材6に固定した軸受外輪3bと、軸受内輪3aと軸受外輪3bの間に複列配置した転動体3cとを有する。通常、ハブ輪4の外周に軸受内輪3aを圧入することによって両者が固定される。軸受外輪3bとナックル部材6の固定は、軸受外輪3bのフランジ3b1をナックル部材6にボルト止めして行うのが通例である。
従来のドライブシャフト1の車両への組付けは、予めハブ輪4および車輪軸受3をナックル部材6に固定した状態で、ドライブシャフト1のアウトボード側の軸端(外側継手部材7のステム部7a)をハブ輪4の内周に挿入し、ハブ輪4から突出した軸端にナット8を螺合させることによって行われる(例えば、特許文献1参照)。ナット8の締め付けに伴い、ドライブシャフト1の全体がアウトボード側にスライドし、外側継手部材7の肩部7bが軸受内輪3aの端面に当接する。これにより、外側継手部材7とハブ輪4とが軸方向で位置決めされ、かつ車輪軸受3に所定の予圧が付与される。外側継手部材7のステム部7aの外周面とハブ輪4の内周面は、図示しないスプラインで結合され、外側継手部材7に伝達されたエンジンの駆動力は、当該スプライン、さらにはハブ輪4を介して車輪に伝達される。
特開2004−270855号公報
しかしながら、上記従来工程では、車輪軸受3およびハブ輪4を組付けたナックル部材6を、予め中立位置からキングピンセンタを中心として旋回させた位置で待機させ、この状態でアウトボード側等速自在継手J1をハブ輪4に固定し、さらにナックル部材6を中立位置に戻してからインボード側等速自在継手J2をディファレンシャル5に固定するという煩雑な作業が必要となる。加えて、軸受外輪3bのナックル部材6へのボルト止めやナット8の締め込み等の多くの締結作業が必要となる。従って、ドライブシャフトの組付け工程が煩雑化しており、この点がコスト高の要因となっている。また、多くのナットやボルトを必要とし、部品点数が多くなることもコスト面で不利になっている。さらに、ナックル部材の旋回に伴ってドライブシャフトが旋回するので、広い作業スペースが必要となる点も問題となる。
ところで、ナットの締め付け作業は、アウトボード側等速自在継手J1の外側継手部材7とハブ輪4とを予め結合一体化しておくことで省略することができる。しかしながら、両者の結合部には、コーナリング中のモーメント荷重をはじめ、車両走行に伴って大荷重が作用するので、これに耐え得るような高強度を有しかつコスト的にも安価な結合構造が必要とされる。
そこで、本発明は、ハブ輪、軸受、および等速自在継手を含む駆動車輪用軸受ユニットのナックル部材への組付け工程を簡略化することを主要な目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、内周に複数のアウタレースを有する外方部材と、前記アウタレースと対向する複数のインナレースを有する内方部材と、対向するアウタレースとインナレースとの間に配置された複数列の転動体と、車輪に取り付けられるハブ輪と、アウトボード側等速自在継手とを備える駆動車輪用軸受ユニットにおいて、外方部材の外周面を車体側のナックル部材の内周面に嵌合組込し、アウトボード側等速自在継手の最大外径寸法をナックル部材の最小内径寸法よりも小さくし、アウトボード側等速自在継手が、外側継手部材と、内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在させたトルク伝達ボールとを有する。ここで、「等速自在継手」の用語は、ブーツ、ブーツバンド等の付属品も含むものとする(以下、同じ)。これら付属品も含めたアウトボード側等速自在継手の最大外径寸法がナックル部材の最小内径寸法よりも小さく設定される。
かかる構成から、アウトボード側等速自在継手の外側継手部材とハブ輪とを結合した状態で、アウトボード側から外方部材をナックル部材に組込み嵌合することにより、軸受ユニットをナックル部材に固定することが可能となる。かかる作業は、軸受ユニットを車軸方向へ押し込むだけで行うことができ、しかも基本的に外方部材をナックル部材にボルト止めする必要もない。従って、軸受ユニットの車両への組付け作業を簡略化することができる。
本発明によれば、ハブ輪、軸受、およびアウトボード側等速自在継手を含む駆動車輪用軸受ユニットの車両への組付け工程を簡略化することができる。
本発明に係る駆動車輪用軸受ユニットの実施形態を以下に詳述する。
図1に示す駆動輪用軸受ユニットは、ハブ輪10、軸受部20、およびアウトボード側等速自在継手30で構成される。
ハブ輪10は、その外周面に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ11を備えている。この車輪取付フランジ11の円周方向に複数の雌ねじ12が形成され、この雌ねじ12にはホイール、ディスクを固定するためのホイールボルト(図示省略)が螺合される。ハブ輪10の外周面に形成された小径段部13には、内輪28が適当な締め代をもって圧入されている。内輪28の内周面と小径段部13の外周面との間には、止め輪29が介装され、この止め輪29によって内輪28とハブ輪10の軸方向の位置決めがなされる。ハブ輪10は、旋削あるいは鍛造によって製作される。
軸受部20は、背面配列した複列アンギュラ玉軸受構造で、複列のインナレース21およびアウタレース22と、対向するインナレース21とアウタレース22との間に配置した転動体23と、アウトボード側(図面左側)の転動体列およびインボード側(図面右側)の転動体列をそれぞれ円周方向等間隔に保持する保持器24とを有する。図示例では、アウトボード側のインナレース21がハブ輪10の外周面に、インボード側のインナレース21が内輪28の外周面に形成されている。この場合、ハブ輪10および内輪28が複列のインナレースを有する内方部材25を構成する。
アウタレース22は、リング状一体の外方部材26の内周面に形成されている。外方部材26の外周面26aは、止め輪溝26bを除く全体が均一径の円筒面状である。従来の外方部材と異なり、ナックル部材6に取り付けるためのフランジは設けられていない。外方部材26の軸方向両端の内周面には、シール27a、27bが圧入固定されている。
アウトボード側のシール27aは、芯金をゴム等の弾性材料で被覆して内径側に複数(例えば3つ)のシールリップを形成した構成で、芯金を外方部材26の内周面に圧入することで外方部材26に固定される。シールリップは、ハブ輪10の外周面とフランジ部11のインボード側端面にそれぞれ接触している。
インボード側のシール27bは、カセットシールと呼ばれるもので、芯金の内径側に形成した複数(例えば3つ)のシールリップを断面逆L字型のスリンガに接触させた構成を有する。芯金を外方部材26の内周面に圧入し、スリンガを内輪28の外周面に圧入することで、シール27bが開口部に固定される。このシール27a、27bによって軸受部20の両端開口部が密封され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
なお、図示例の軸受部20では、転動体23としてボールを例示しているが、車重が嵩む場合等には、円錐ころを転動体23として使用することもできる。
アウトボード側等速自在継手30は、中間軸2のアウトボード側の一端に設けられ、内周面にトラック溝が形成された外側継手部材31と、外側継手部材31のトラック溝と対向するトラック溝が外周面に形成された内側継手部材32と、外側継手部材31のトラック溝と内側継手部材32のトラック溝との間に組み込まれたトルク伝達ボール33と、外側継手部材31と内側継手部材32との間に介在してトルク伝達ボール33を円周方向等間隔に保持するケージ34とで構成される。内側継手部材32は、その内周に挿入した中間軸2のアウトボード側の軸端とセレーション35を介して結合されている。
外側継手部材31は、例えば鍛造によって製作され、内側継手部材32、ケージ34およびトルク伝達ボール33を収容したマウス部31aと、マウス部31aから軸方向に一体的に延びる中実のステム部31bとを有する。マウス部31aの開口側の外周面と中間軸2の外周面には、それぞれブーツバンド36を介して蛇腹状ブーツ37の大径開口端および小径開口端が固定されている。このように外側継手部材31と中間軸2の間の空間をブーツ37で被覆することにより、グリースが外部へ漏洩したり、あるいは継手内部へ水やダスト等の異物が侵入したりする事態を防止している。
外側継手部材31のステム部31bは、後述の各種結合構造によりハブ輪10と結合される。結合方法としては、ナットを用いるような可逆的な結合方法も採用することもできるが、好ましくは、ハブ輪10と外側継手部材31の可逆的な分離・結合が許容されていない非分離の結合構造を採用するのが望ましい。
ハブ輪10と外側継手部材13とを非分離に結合する際、外側継手部材31の肩面38を内輪28のインボード側の端面と当接させ、さらに内輪28のアウトボード側の端面もハブ輪10と軸方向で当接させることで、複列のインナレース21の間隔が規定寸法に保持され、予圧(予備予圧)が付与される。
本発明では、外方部材26の外周面が車体側のナックル部材6の内周面6aに嵌合組込みされる。
ここでいう嵌合組込みは、外方部材26をナックル部材6に嵌合することにより両者の組込みが完了することを意味する。この組込みは、例えば外方部材26の円筒面状の外周面26aをナックル部材6の円筒状内周面6aにアウトボード側から圧入することにより行うことができる。
必要に応じて、ナックル部材6の内周面6aのインボード側端部には、外方部材26の端面と軸方向で係合する凸部6bが設けられる。あるいは外方部材26の外周面とナックル部材6の内周面6aとの間に止め輪53を介在させる。これら凸部6bや止め輪53を使用することにより、外方部材26とナックル部材6の抜け止め効果がさらに高まる。図1に示すように、止め輪53と凸部6bの双方を設けた場合、アウトボード側から圧入した外方部材26のインボード側端面が凸部6bに当接すると同時に、ナックル部材6の内周面6aに形成した止め輪溝6cと外方部材26の外周面26aに形成した止め輪溝26bとが対向し、外方部材26の止め輪溝26bに収容した止め輪53が弾性的に拡径してナックル部材6および外方部材26の双方と軸方向で係合する。
圧入だけでも十分な固定力が得られる場合は、凸部6bおよび止め輪53の何れか一方または双方を省略することもできる。図9は凸部6bを省略した場合を示し、図10は止め輪53を省略した場合を示している(図10に示すように、併せてハブ輪10と内輪28の間の止め輪29を省略することもできる)。
止め輪53を使用する際、極力アウトボード側に止め輪53を配置するのが望ましい。具体的には、図1に示すように、インボード側の転動体23とアウトボード側の転動体23との間の軸方向中心線Oよりもアウトボード側に止め輪53を配設するのが望ましい。これにより、外方部材26を圧入する際、止め輪53のナックル部材内周面6aに対する摺動距離を短縮できるので、止め輪53の引きずりによるナックル部材内周面6aの損傷回避を図ることができる。
このように外方部材26の外周面26aに圧入面を設け、この外方部材26をナックル部材6の内周に圧入固定することにより、従来のように、フランジ付き外方部材をナックル部材の複数箇所にボルト止めする場合に比べ、ボルトの締結作業を省略でき、その分だけ部品点数や作業工数を減じて低コスト化を図ることができる。
また、外方部材26をナックル部材6に圧入することで、圧入後の外方部材26には、ラジアル方向の縮径力が作用し、この縮径力によって軸受隙間が縮小する。従って、上記予備予圧量を加味して圧入代を適切に設定すれば、圧入後に適正量の負隙間(例えば0〜100μm、好ましくは0〜30μm)を得ることが可能となる。この場合、ナットの締め込みによる予圧付与作業が不要となるので、軸受ユニットの組付け作業性を更に向上させることができる。なお、0よりも大きい正隙間であると、軸受剛性が不充分となって耐久性が低下し、負隙間量が100μmを上回ると、逆に予圧が過大となって異常発熱の原因となる点が問題となる。
かかる嵌合組込みにおいては、アウトボード側等速自在継手30の最大外径寸法D1をナックル部材6の最小内径寸法Dnよりも小さくする(D1<Dn)。これにより、まずアウトボード側等速自在継手30をナックル部材6の内周に挿入し、引き続いて軸受部20の外方部材26をナックル部材6の内周に圧入することにより、ハブ輪10、軸受部20およびアウトボード側等速自在継手30を予めアセンブリにした状態で車両に組付けることが可能となる。この組み付け時には、アセンブリの押し込み方向が一定となるので、組み付け時の作業性も良好となる。
ここで、ナックル部材6の「最小内径寸法Dn」は、ナックル部材6のうちで最も内径側に存在する部分の内径寸法を意味する。図1に示す第1実施形態、図2に示す第2実施形態、及び図3に示す第3実施形態のように、ナックル部材6の内周面に凸部6bを設けた場合、凸部6bの内径寸法が「最小内径寸法」となる。図9に示すように凸部6bを省略した場合、ナックル部材6の内周面6aが「最小内径寸法」となる。
また、アウトボード側等速自在継手の「最大外径寸法D1」は、ブーツ37およびブーツバンド36等の付属品も含めた状態で、最も外径側に存在する部分の外径寸法をいう。例えば図1に示すアウトボード側等速自在継手30では、ブーツ最大径部37aの外径寸法がアウトボード側等速自在継手30の最大外径寸法D1となる。
併せて図4に示すように、ドライブシャフト1のインボード側等速自在継手40の最大外径寸法D2をナックル部材6の最小内径寸法Dnよりも小さくすれば(D2<Dn)、ドライブシャフト1とハブ輪10と軸受部20とを予めアセンブリにした状態(以下、ドライブシャフトアセンブリと呼ぶ)でも車両への組み付けが可能となる。すなわち、ドライブシャフトアセンブリを、インボード側等速自在継手40、中間軸2、アウトボード側等速自在継手30の順に順次ナックル部材6の内周に挿入し、次いで外方部材26の外周面26aをナックル部材6の内周面に圧入することにより、車両への組み付けが完了する。これにより、組付け作業現場での作業工数を減じることができ、作業性が高まる。この場合、従来工程のようにナックル部材6を旋回させる必要もないので、作業スペースも最小限で足りる。インボード側等速自在継手40の最大外径寸法D2は、アウトボード側等速自在継手30の場合と同様に、ブーツ37およびブーツバンド36等の付属品も含めた状態でのインボード側等速自在継手40の最大外径寸法を意味する。
ハブ輪10と外側継手部材31とは塑性結合される。この塑性結合は、塑性結合は、ハブ輪10と外側継手部材31のうち、何れか一方の部材に雄部51を形成すると共に、他方の部材に雄部51と異形の雌部52を形成し、雄部51と雌部52を相互に圧入することによって行われる。図1では、雄部51を外側継手部材31のステム部31bに形成すると共に、雌部52を同じくハブ輪10のインボード側端部に形成した場合を例示している。雄部51および雌部52のうち、何れか一方は断面真円形状に形成され、他方は断面非真円形状に形成される。図5(a)は、その一例として、雄部51をセレーションのような歯形面に形成すると共に、雌部52を円筒面状に形成した場合を例示している。断面非真円状の雄部51は鍛造や転造で効率的にかつ精度良く形成することができる。
この他、雄部51の形状としては、図6に示すように角筒面を採用することもできる。何れの形状であっても、断面真円状の雌部52の内径寸法Dfは、雄部51の断面輪郭線に内接する円Aの直径よりも大きく、外接する円Bの直径よりも小さい。
以上の形状を有する雄部51を雌部52の内周に圧入することで、接合部分に塑性流動が生じて両者間の隙間の全部または一部が充足される。これにより、ハブ輪10と外側継手部材31が塑性結合され、一体化される。
図7に示すように、圧入後、さらにステム部31bの中実軸端の外周部(破線で示す)を加締め具59で加締めてフランジ部58を形成すれば、ハブ輪10の抜け止め効果が更に高まる。圧入のみで十分な結合強度が得られるのであれば、この加締め工程を省略することもできる。
この結合構造においては、予め断面非真円状の雄部51に熱処理を施して、図7に示すようにその表層Hを雌部52よりも高硬度にしておくのが望ましい。これにより、圧入に伴う雄部51の変形が抑えられ、雄部51が雌部52に食い込み易くなるので、結合強度をより一層高めることができる。図7に示す加締め加工を行う場合、加締めにより塑性変形させるステム部31bの軸端部分は未焼入れとし、フランジ部58の形成を容易なものとする。雄部51の熱処理方法としては、焼入れ範囲および焼入れ深さのコントロールが容易な高周波焼入れが望ましい。雌部52は基本的に熱処理を加えない生材とするが、雄部51の表面硬度を越えなければ熱処理を施しても構わない。
以上の説明では、雄部51を断面非真円状に形成し、雌部52を断面真円状に形成する場合を例示したが、コスト面等で特に問題がなければ、これとは逆に雄部51を断面真円状に形成し、雌部52を断面非真円状に形成しても構わない。断面非真円状の雌部52は例えばブローチ加工で形成することができる。この場合、断面非真円状の雌部52を断面真円状の雄部51よりも高硬度に形成する。
ところで、雄部51を雌部52に圧入すると、ハブ輪10が僅かに拡径方向に変形し、その影響がインナレース21におよぶ可能性がある。かかる事態を極力回避するため、両者の圧入部分は、図1に示すように、インボード側およびアウトボード側の転動体23の軸方向中心線O上に配置するのが好ましい。
駆動車輪用軸受ユニットとしては、図11〜図17に示すように、アウトボード側のインナレース21をハブ輪10の外周面に形成し、インボード側のインナレース21を外側継手部材31の外周面に形成したタイプも使用することができる。図11〜図17の軸受ユニットは、ハブ輪10と外側継手部材31とが非分離に結合され、外側継手部材31の肩面38や端面がハブ輪10と軸方向に当接することで、複列のインナレース21間の寸法が規定され、かつ軸受部20に予備予圧が付与されている。この場合、ハブ輪10と外側継手部材31が複列のインナレース21を有する内方部材25を構成する。
図11〜図17のうち、第4実施形態を示す図11は、ハブ輪10と外側継手部材31とを拡径加締めで塑性結合したものである。拡径加締めでは、外側継手部材31のステム部31bが中空に形成され、そのアウトボード側の端部に他所より内径寸法を小さくした小径部31b1が形成される。ハブ輪10の内周にステム部31bを挿入した後、ステム部31bの内周に小径部31b1の内径寸法よりも大径のマンドレルを押し込んで小径部31b1を拡径させ、ハブ輪10の内周面に圧接させることにより、ハブ輪10と外側継手部材31とが塑性結合される。予めハブ輪10の内周面にローレット加工等で凹凸部15を形成し、この凹凸部15を熱処理により硬化させておけば、小径部31b1の拡径により凹凸部15をステム部31bの外周面に確実に食い込ませることができ、ハブ輪10と外側継手部材31とを強固に塑性結合することが可能となる。
なお、拡径加締めのように、外側継手部材31のステム部31bを中空に形成する場合、マウス部31a内部への異物の侵入およびグリースの流出等の事態を避けるため、ステム部31bの内周面にキャップ39を装着するのが望ましい。
第5実施形態を示す図12は、ハブ輪10と外側継手部材31とを揺動加締めと呼ばれる方法で非分離に結合したものである。揺動加締めでは、ステム部31bのアウトボード側の軸端を円筒状に形成し、加締め具の揺動により円筒部を外径側に塑性変形させてフランジ31b2が形成される。フランジ31b2をハブ輪10の端面に当接させることにより、ハブ輪10の抜け止めが行なわれ、かつハブ輪10の内周面とステム部31bの外周面との間にスプライン60を形成することで、ハブ輪10と外側継手部材31の回り止めがなされる。
第6実施形態を示す図13は、ハブ輪10と外側継手部材31とを溶接により非分離に結合したものである(溶接部分を符号61で示す)。溶接法としては、レーザビーム溶接、プラズマ溶接、電子ビーム溶接、高速パルス方式によるプロジェクション溶接等を例示することができる。ステム部31bはハブ輪10の内周に圧入されており、この圧入嵌合面を介してトルクを伝達することができるため、溶接部61にかかる負荷は小さく、従って、上記のように熱影響の少ない溶接法を採用することができる。
図11〜図13では、ハブ輪10の内周にステム部31bを嵌合する場合を例示したが、これとは逆に、中空状のステム部31bの内周にハブ輪10を嵌合して両者を非分離に結合することもできる(図14〜図17参照)。
このうち、第7実施形態を示す図14は、図1に示す実施形態と同様に、雄部51と雌部52を互いに異形に形成し、雄部51を雌部52に圧入することにより、ハブ輪10と外側継手部材31とを塑性結合したものである。この場合、ハブ輪10のうち、インボード側の中実端部16の外周面に雄部51が形成され、これに対向するステム部31bの内周面に雌部52が形成される。図1に示す実施形態と同様に、雄部52の圧入後、図7に示す方法で、ハブ輪10の中実軸端16の外周部を加締めてフランジ部58を形成することにより、さらに結合強度を高めることができる。
第8実施形態を示す図15はハブ輪10と外側継手部材31とを上記拡径加締めにより塑性結合したものである。すなわち中空ハブ輪10の小径部31b1をマンドレルで拡径変形させ、ステム部31bの内周面に形成した凹凸部15を食い込まれることによりハブ輪10と外側継手部材31とが塑性結合されている。第9実施形態を示す図16は、ハブ輪10と外側継手部材31とを上記揺動加締めで塑性結合したものである。ハブ輪10のインボード側の中実軸端16に形成した円筒部を揺動加締めにより塑性変形させてフランジ17を形成し、このフランジ17をマウス部31aに密着させている。第10実施形態を示す図17は両部材を上記の溶接法により非分離に結合したものである(溶接部分を符号61で示す)。
図2、図3は、駆動車輪用軸受ユニットの他の構成を示すものである。このうち、図2に示す軸受ユニットでは、軸受部20の複列のインナレース21が何れもハブ輪10の外周に圧入した一体構造の内輪28外周面に形成されている。この場合、内輪28が複列のインナレース21を有する内方部材25を構成する。図3は、図2に示す一体構造の内輪28を軸方向で二分割してそれぞれハブ輪10の外周面に圧入し、二つの内輪28a、28bの各外周面にインナレース21を形成した例である。この構成では、二つの内輪28a、28bが複列のインナレース21を有する内方部材25を構成する。図2および図3に示す何れの軸受ユニットでも、軸受部20の両端開口部はカセットシール27a、27bで密封されている。
以上に説明した点を除き、図2および図3に示す軸受ユニットの構成は、図1に示す軸受ユニットの構成と共通するので、共通する部材・要素には共通の参照番号を付して、重複部分の説明を省略する。
図18は、図1〜図3に示す軸受ユニットにおいて、上記の各種結合構造でハブ輪10と外側継手部材31とをアウトボード側端部で結合した例を示すものである。図18中の縦列左欄(符号1、4、7)は図1に示す軸受ユニット相当品を表し、縦列中欄(符号2、5、8)は図2に示す軸受ユニット相当品を表し、縦列右欄(符号3、6、9)は図3に示す軸受ユニット相当品をそれぞれ表す。また、横列上段(符号1〜3)は拡径加締めを適用したものを表し、横列中段(符号4〜6)は揺動加締めを適用したものを表し、横列下段(符号7〜9)は溶接を適用したものをそれぞれ表す。
図1〜図3では、ハブ輪10と内輪28、28a、28bの位置決めを止め輪29で行っているが、これに代えて揺動加締めで両者の位置決めを行うこともできる。図8はその一例で、ハブ輪10の小径段部13の円筒状の軸端を内輪28のインボード側端面を超えるまで延ばし、その突出部分の内径側で加締め具を揺動させることにより、突出部分を外径側に塑性変形させてフランジ17を形成したものである。フランジ17は内輪28のインボード側端面と密着している。図2および図3に示す軸受ユニットでも、同様に揺動加締めを施してフランジ17を形成することにより、ハブ輪10と内輪28、28a、28bの軸方向の位置決めを行うことができる。
図19に第11実施形態を示す。この駆動車輪用軸受ユニットは、ホイール80の内周に嵌合する円筒状のパイロット部72をハブ輪10と別部材、例えばブレーキロータ70に設けた例である。ブレーキロータ70は、ハブ輪10のフランジ11のアウトボード側端面とホイール80の間に配置され、その円周方向複数箇所にはホイールボルトを挿通するための孔71が形成されている。
図1に示すように、通常、パイロット部72はハブ輪10のアウトボード側の端部に一体形成されており、それ故にハブ輪10の形状が複雑化している。そのため、実際にはハブ輪10を鍛造のみで成形することは難しく、旋削加工を加える場合が多い。また、パイロット部72には、部分的に防錆塗装を施す必要がある。以上から、ハブ輪10の製作コストは高騰する傾向にある。
これに対し、ハブ輪10のパイロット部72を廃し、これを図19に示すように、ブレーキロータ70の例えば内径端部に設ければ、ハブ輪10のアウトボード側の形状が簡略化されるため、これを鍛造成形することが可能となり、かつハブ輪10への防錆塗装処理も不要となる。従って、ハブ輪10の低コスト化を図ることができ、かつ軽量化設計も可能となる。通常、ブレーキロータ70は鋳造で成形されるので、パイロット部72を有するブレーキロータ70は低コストに製作可能である。
図19は、中空ハブ輪10と内輪28とで内方部材25を形成した図1相当の軸受ユニットを表しているが、同様の構成は、一体内輪28で内方部材25を形成した図2相当の軸受ユニット、および分割内輪28a、28bで内方部材25を形成した図3相当の軸受ユニットでも採用することができる。
本発明の第1実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 本発明の第2実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 本発明の第3実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 ドライブシャフトの断面図である。 (a)図はハブ輪と外側継手部材の結合部分における雄部の断面図、(b)図は同じく雌部の断面図である。 雄部の他の構成例を示す断面図である。 ハブ輪と外側継手部材の塑性結合工程を示す断面図である。 図1の駆動輪用車輪軸受ユニットの変形例を示す要部断面図である。 図1の駆動輪用車輪軸受ユニットの他の変形例を示す断面図である。 図1の駆動輪用車輪軸受ユニットの別の変形例を示す断面図である。 本発明の第4実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 本発明の第5実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 本発明の第6実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 本発明の第7実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 本発明の第8実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 本発明の第9実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 本発明の第10実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 図1〜図3に示す軸受ユニットにおいて拡径加締め、揺動加締め、および溶接を適用した場合の構成を示す図である。 本発明の第11実施形態を示す駆動車輪用軸受ユニットの断面図である。 車両の懸架装置周りの概略構造を示す断面図である。
符号の説明
6 ナックル部材
6a 内周面
10 ハブ輪
21 インナレース
22 アウタレース
23 転動体
25 内方部材
26 外方部材
26a 外周面
30 アウトボード側等速自在継手
31 外側継手部材
32 内側継手部材
33 トルク伝達ボール
Dn ナックル部材の最小内径寸法
D1 アウトボード側等速自在継手の最大外径寸法
D2 インボード側等速自在継手の最大外径寸法

Claims (1)

  1. 内周に複数のアウタレースを有する外方部材と、前記アウタレースと対向する複数のインナレースを有する内方部材と、対向するアウタレースとインナレースとの間に配置された複数列の転動体と、車輪に取り付けられるハブ輪と、アウトボード側等速自在継手とを備える駆動車輪用軸受ユニットにおいて、
    外方部材の外周面が車体側のナックル部材の内周面に嵌合組込みされ、アウトボード側等速自在継手の最大外径寸法をナックル部材の最小内径寸法よりも小さくし、アウトボード側等速自在継手が、外側継手部材と、内側継手部材と、外側継手部材と内側継手部材との間に介在させたトルク伝達ボールとを有することを特徴とする駆動車輪用軸受ユニット。
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