JP2008000838A - 管内面研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】台座1に設けた傾斜部2の勾配方向に沿って移動体3をスライド自在とし、その自重により下向きに付勢する。その移動体3に前記付勢方向に対する仰角を鋭角とする支持軸4を設けてその支持軸4に研磨材5を設ける。研磨材5を支持軸4の軸周りに回転可能とし、前記研磨材5を介して前記支持軸4に作用する前記移動体3側への押圧力又は前記研磨材5側への引張り力を前記付勢力で対抗させた。研磨作業中に研磨材5が受ける反力の変化は、移動体3に付与された付勢力により吸収されるので、研磨材5の管体内面の被研磨面への押圧力を一定に維持し得るようになる。このため、複雑な制御機構を用いることなく、管内面の段差や凹凸部分を自動的に研磨できる管内面研磨装置とすることができる。
【選択図】図4
Description
さらに、鋳鉄管の受口内面には、その構造上大きな段差や凹凸があるので、管体の肉厚が部位毎に異なり、その肉厚の差異が、金属が硬化する際の局部的な収縮の差異を生じやすくさせる。このため、受口の内面には、粉体塗装に悪影響を及ぼすような微小な凹凸が生じやすいという事情もある。
また、例えば、受口内面の被研磨面の形状を数値によって所定の制御装置に入力し、その入力したデータに基づいて、前記砥石の昇降及び進退を自動的に行うようにすると、装置が複雑化するという問題がある。
このようにすれば、研磨材が受ける反力の変化が、移動体に付与された付勢力により吸収されやすくなり、研磨材の管体内面の被研磨面への押圧力をより一定に近い状態に維持し得る。
このようにすれば、移動体に付勢力を与える装置を設ける必要がなく、装置を簡素化し得る。
このようにすれば、おもりの重量を加減することにより、移動体に作用する下向きの付勢力を調整することができる。
このようにすれば、シリンダのロッドの突出長を加減することにより、移動体のスライド距離を調整することができ、また、おもりの交換作業も容易となる。
なお、図中A1に示す範囲は、図1乃至図5に示す装置で研磨を行い、図中A2に示す範囲は、図6に示す装置で研磨を行う。
なお、前記載置された鋳鉄管Pの受口6の管軸方向と、前記スライド方向とは、平面視、同一直線上に配置されている。図中に示す符号13は、移動体3の落下を止めるストッパである。
横移動装置40の構成は、前記台座1の下部に設けたブッシュ1aが水平方向のねじ軸42に噛み合っており、そのねじ軸42は、モータ41の動作によって軸周り回転するようになっている。また、台座1は、その下部に設けた係合子1bが、前記昇降装置30の上面に設けたガイド31に嵌っており、ねじ軸42が回転すれば台座1が前記管軸方向に沿って進退するようになっている。
また、その支持軸4は、ピン3a介して移動体3に対し上下方向に所定角度の範囲で回動自在となっており、任意の仰角の位置で固定できるようになっているので、必要であれば支持軸4をピン3a周りに回動させ、その仰角を調整することもできる。
また、その係止索10の他端には、板状のおもり22が複数枚取付けられている。そのおもり22の枚数は増減可能である。また、その板状のおもり22と同形状を成すおもり32が、移動体3に取付けできるようになっている。おもり32の枚数も増減可能である。
ロッド21aを後退させれば、移動体3は、その移動体3及び支持軸4、研磨材5等の自重により傾斜部2を下向きにスライドし、ストッパ部材12の上面に前記シリンダ21のロッド21aが当接すれば、その位置で移動体3の下向きスライドが阻止される。
まず、作業前には、図1に実線で示す位置に台座1が位置し、支持軸4の先端に取付けた研磨材5は、鋳鉄管Pの受口6から離れた状態にある。昇降装置30により台座1の高さ調整を行った後、横移動装置40を動作させ、図中に鎖線で示す位置まで台座1を前進させて、研磨材5を研磨範囲A1の始点近くの待機位置に待機させる。
なお、前記昇降装置30は、研磨作業開始前及び研磨作業終了後における台座1の高さ調整に使用し、研磨作業中は原則としてその昇降機能は使用されない。
つぎに、支持台を駆動させて鋳鉄管Pを受口6の管軸周りに回転させるとともに、モータの駆動により支持軸4を研磨材5とともに軸周り回転させる。
なお、その移動体3に作用する前記下向きの力は、前記おもり22,32の枚数を増減することにより調整することができる。例えば、研磨材5の押し付け力を増やす場合には、おもり22を必要枚数取り外し、その取り外したおもり22を、移動体3におもり32として取付けてもよい。また、研磨材5の押し付け力を減ずる場合には、その逆に、おもり32を取り外して、その取り外したおもり32を、係止索10の他端におもり22として取付けても良い。
使用できるおもり22,32は、この実施形態に示す板状のものに限られない。このため、おもり22,32を取り外した後、重量の異なる他のおもり22,32に交換する構成としてもよい。
このとき、研磨材5を介して支持軸4に作用する前記移動体3側への押圧力に対し、移動体3に作用する付勢力が対抗する。したがって、その研磨材5が受ける反力の変化は、移動体3が傾斜部2の勾配に沿って図中矢印gの方向又はその反対方向に適宜微動しつつ、その付勢力により吸収される。このため、前記凹部9の底に形成されたフラットな部分から前記あご部9aに至る立上がり部、特にあご部9aに近いほぼ垂直に立上がる部分においても、研磨材5の被研磨面への押圧力を概ね一定に維持し得る。
このため、前記移動体3のスライド方向の向きを、常に、研磨材5が接する位置における勾配に対して直交する方向に設定するためには、図7(b)の右側に示すように傾斜部2を断面弧状に形成する手法が考えられる。
このとき、移動体3は、傾斜部2に沿ってスライドするのに伴って、その水平方向に対する仰角が変化する(図中のp点とq点参照)。このため、支持軸4を受口6に向かって常に一定方向に支持するための機能を移動体3に設ける必要がある。
また、傾斜部2の勾配を一定とする際には、図7(b)に鎖線で示すように、その傾斜部2の勾配を、前記断面弧状のラインに対し、平均的な勾配とすることが有効である。平均的な勾配とは、例えば、最小二乗法等による勾配設定が考えられる。
さらに、エアシリンダ21以外の構成からなる係止装置20を採用してもよい。例えば、流体圧シリンダや、あるいは係止索10を係止することによりその動きを拘束できる周知の係脱機構を台座1に設けてもよい。
移動体3は、台座1に設けた下向きの傾斜部2に吊して固定されており、支持軸4は、その移動体3に取付けられている。また、移動体3は、前記傾斜部2に沿ってスライド可能であり、移動体3にはその自重により下向きの付勢力が作用しているほか、台座1に取付けたエアシリンダ23により、同じく下向きの付勢力を付与できるようになっている。
なお、図8は、図中A1の範囲を研磨するものであるが、A2の領域を研磨する装置として、図6に示すように、勾配方向を逆向きに設定した装置も採用可能である。
また、鋳鉄管Pは、その管体が直線状である直管に限られず、例えば、管体の途中に分岐部のあるT字管や、管体が途中で曲がった曲管といった異形管とすることも可能である。
2 傾斜部
3 移動体
4 支持軸
5 研磨材(砥石)
6 受口
10 係止索
11 滑車
12 ストッパ部材
20 係止装置
21 シリンダ
21a ロッド
22,32 おもり
30 昇降装置
40 横移動装置
P 鋳鉄管(管体)
R 支持台
Claims (6)
- 台座1に移動体3をスライド自在に設け、前記移動体3を前記スライド方向の一方へ付勢し、前記移動体3に前記付勢方向に対する仰角を鋭角とする支持軸4を設けてその支持軸4に研磨材5を設け、前記研磨材5を前記支持軸4の軸周りに回転可能とし、前記研磨材5を介して前記支持軸4に作用する前記移動体3側への押圧力又は前記研磨材5側への引張り力を前記移動体3への前記付勢力で対抗させたことを特徴とする管内面研磨装置。
- 鋳鉄管Pをその受口6の管軸方向が前記支持軸4の軸方向と同方向となるように配置し、前記移動体3のスライド方向を、前記受口6内面における前記研磨材5との接触面の向きに交差する方向としたことを特徴とする請求項1に記載の管内面研磨装置。
- 前記移動体3は、前記台座1に設けた傾斜部2の勾配方向に沿ってスライド自在であり、前記移動体3はその自重により前記勾配方向下向きに付勢されることを特徴とする請求項1又は2に記載の管内面研磨装置。
- 前記台座1に、前記移動体3の前記勾配方向下向きへのスライドを阻止する係止装置20を設けたことを特徴とする請求項3に記載の管内面研磨装置。
- 前記移動体3に係止索10の一端を取付け、その係止索10を前記傾斜部2の上方側に設けた滑車11に掛け回し、その掛け回した係止索10を下方に導いて、その係止索10の他端におもり22を取付けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の管内面研磨装置。
- 前記移動体3に係止索10の一端を取付け、その係止索10を前記傾斜部2の上方側に設けた滑車11に掛け回し、その掛け回した係止索10を下方に導いて、その係止索10の他端におもり22を取付け、前記台座1に、前記移動体3の前記勾配方向下向きへのスライドを阻止する係止装置20を設け、前記係止装置20は、進退可能なロッド21aを備えたシリンダ21であり、前記移動体3の下向きスライドの阻止は、前記係止索10の他端に設けたストッパ部材12の上面に、前記シリンダ21のロッド21aを当接させることを特徴とする請求項3に記載の管内面研磨装置。
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