JP2007538034A - 少なくとも1種の有機化合物の不均一触媒使用気相部分酸化の長時間稼働方法 - Google Patents

少なくとも1種の有機化合物の不均一触媒使用気相部分酸化の長時間稼働方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1種の有機化合物に不均一触媒使用気相部分酸化を触媒床上で受けさせる長時間稼働方法であって、ここでは、前記触媒床が示す失活に対抗する目的で、前記触媒床の稼働時間の間に気相中の作業圧力を高くして行く方法に関する。

Description

本発明は、不均一触媒を用いて少なくとも1種の有機化合物に気相部分酸化を少なくとも1基の酸化反応槽の中で受けさせる長時間稼働方法に関し、この方法では、前記少なくとも1種の有機化合物、酸素分子および少なくとも1種の不活性希釈用ガスを含んで成る出発反応ガス混合物を高温の少なくとも1床の触媒床に通す。
ここで、ある有機化合物を酸素分子で完全に酸化させることは、その有機化合物を酸素分子の反応作用下で前記有機化合物に存在する炭素の全部が炭素の酸化物に変化しかつ前記有機化合物に存在する水素の全部が水素の酸化物に変化するように変化させることを意味する。ここで、ある有機化合物が酸素分子の反応作用下で受けるいろいろな変換の全部を有機化合物の部分酸化として要約する。
ここで、詳細には、部分酸化は有機化合物が酸素分子の反応作用下で前記有機化合物が酸化をある程度受ける変換を指し、その有機化合物は、変換が完了した時点で、その部分酸化を実施する前に比べて化学的に結合している形態の酸素原子を少なくとももう1個含有する。
不均一触媒使用気相部分酸化条件下で実質的に不活性に挙動する希釈用ガスは、各成分を単独で見た時に成分が前記不均一触媒使用気相部分酸化条件下で95モル%以上の度合、好適には99モル%以上の度合で変化しないままである希釈用ガスを指す。
非常に幅広い範囲の有機化合物に酸素分子を用いた不均一触媒使用部分酸化を気相中で受けさせていろいろな基礎化学品を得ることができることは一般に知られている。その例には、プロピレンからアクロレインおよび/またはアクリル酸を生じさせる変換(例えばDE−A 23 51 151を参照)、t−ブタノール、イソブテン、イソブタン、イソブチルアルデヒドまたはt−ブタノールのメチルエーテルからメタアクロレインおよび/またはメタアクリル酸を生じさせる変換(例えばDE−A 25 26 238、EP−A 92097、EP−A 58927、DE−A 41 32 263、DE−A 41 32 684およびDE−A 40 22 212を参照)、アクロレインからアクリル酸を生じさせる変換、メタアクロレインからメタアクリル酸を生じさせる変換(例えばDE−A 25 26 238を参照)、o−キシレン、p−キシレンまたはナフタレンから無水フタル酸または相当する酸を生じさせる変換(例えばEP−A 522 871を参照)、およびまたブタジエンから無水マレイン酸を生じさせる変換(例えばDE−A 21 06 796およびDE−A 16 24 921を参照)、n−ブタンから無水マレイン酸を生じさせる変換(例えばGB−A 14 64 198およびGB 12 91 354を参照)、インダンから例えばアントラキノンを生じさせる変換(例えばDE−A 20 25 430を参照)、エチレンからエチレンオキサイドを生じさせるか或はプロピレンからプロピレンオキサイドを生じさせる変換(例えばDE−B 12 54 137、DE−A 21 59 346、EP−A 372 972、WO 89/0710、DE−A 43 11 608およびBeyer,Lehrbuch der organischen Chemie[Textbook of organic chemistry]、17版(1973)、Hirzel Verlag、 Stuttgart、261頁を参照)、プロピレンおよび/またはアクロレインからアクリロニトリルを生じさせる変換(例えばDE−A 23 51 151を参照)、イソブテンおよび/またはメタアクロレインからメタアクリロニトリルを生じさせる変換(即ち本資料における用語「部分酸化」はまた部分アンモ酸化、即ちアンモニア存在下の部分酸化も包含する)、炭化水素の酸化的脱水素(例えばDE−A 23 51 151を参照)、プロパンからアクリロニトリルまたはアクロレインおよび/またはアクリル酸を生じさせる変換(例えばDE−A 10 13 1297、EP−A 1090 684、EP−A 608 838、DE−A 10 04 6672、EP−A 529 853、WO 01/96270およびDE−A 10 02 8582を参照)、イソブタンからメタアクロレインおよび/またはメタアクリル酸を生じさせる変換、およびまたエタンから酢酸を生じさせる反応、エチレンからエチレンオキサイドを生じさせる反応、ベンゼンからフェノールを生じさせる反応、およびまた1−ブテンまたは2−ブテンから相当するブタンジオールを生じさせる反応などが含まれる。
用いられる触媒は一般に固体状態である。
特に頻繁に用いられる触媒は酸化物触媒または貴金属(例えばAg)である。酸素に加えて、そのような触媒的に活性のある酸化物組成物が含有する他の元素は1種類のみであるか或は他の元素は2種以上であり得る(多元素酸化物組成物)。特に頻繁に用いられる触媒活性酸化物組成物は2種以上の金属元素、特に2種以上の遷移金属を含有して成る組成物である。その場合、多金属酸化物組成物が挙げられる。多元素酸化物組成物は典型的に元素成分の酸化物の単なる物理的混合物ではなく、むしろ、そのような元素の複雑な多化合物の不均一混合物である。
不均一触媒使用気相部分酸化、特にこの上に挙げた部分酸化は通常高温(一般に数百℃、典型的には100から600℃)で実施される。
大部分の不均一触媒使用気相部分酸化は非常に発熱的に進行することから、熱を取り除こうとする理由で、それらは頻繁に流動床または等温固定床反応槽の中で適切に実施されるが、その場合、それらは間接的な熱交換を起こさせる目的で熱交換用媒体が回りを通る反応チャンバの中に配置される(例えば、触媒床を固定床として管束反応槽の触媒管の中に位置させて、それの回りに塩溶融物を導くことで熱を取り除く)。
しかしながら、また、原則として、触媒床を断熱反応槽の中に位置させて不均一触媒使用気相部分酸化を実施することも可能である。
不均一触媒使用気相部分酸化における使用圧力(絶対圧力)は1バール未満、1バールまたは1バール以上のいずれかであり得ることは公知である。それは一般に1から10バール、通常は1から3バールである。
反応ガス混合物を通す触媒仕込み物の中でそれが示す滞留時間の間に目標の変換を達成する。
酸素分子を用いて有機化合物に通常の不均一触媒を用いた気相部分酸化を受けさせると一般に顕著な発熱が起こると言った特徴が理由で、その反応相手を気相中の接触部分酸化条件下で実質的に不活性でありかつ放出される反応熱を熱容量で吸収し得るガスで希釈することが典型的に行われている。
最も頻繁に用いられる不活性な希釈用ガスの1つは窒素分子であり、これは、不均一触媒使用気相部分酸化で用いられる酸素源が空気の時に自動的に用いられる。
いろいろなケースで用いられる別の不活性な希釈用ガスは一般に利用可能なことが理由で蒸気である。加うるに、窒素および蒸気は両方とも有利な様式で非燃焼性の不活性な希釈用ガスである。
また、いろいろなケースでサイクルガスも不活性な希釈用ガスとして用いられる(例えばEP−A 1180508を参照)。サイクルガスは1段階または多段階後に残存する残存ガスを指すが、多段階では、不均一触媒を用いた1段階気相部分酸化とは対照的に、有機化合物に不均一触媒を用いた多段階気相部分酸化を受けさせる時に気相部分酸化を1基の反応槽の中ではなく、直列につなげた少なくとも2基の反応槽(互いに継ぎ目無しに共通の外被の中に合体可能)の中で実施し、この場合、連続的に位置する反応槽と反応槽の間に酸化剤を補給してもよく、多段階は、特に、部分酸化を連続的段階で進行させる時に用いられ、そのような場合には、触媒および他の反応条件の両方ともが個々の反応段階に最適になるようにしかつその反応段階を専用の反応槽の中で個別の反応段階として実施するのがしばしば適切であるが、しかしながら、それを、また、熱を取り除く理由でか或は他の理由で、変換が直列につなげた複数の反応槽の全体に渡って起こるようにしようとする場合に用いることも可能であり(例えばDE−A 19902562を参照)、しばしば2段階で実施される不均一触媒使用気相部分酸化の例は、プロピレンからアクリル酸を生じさせる部分酸化であり、1番目の反応段階でプロピレンを酸化させてアクロレインを生じさせ、そして2番目の反応段階でアクロレインからアクリル酸を生じさせ、相当して、メタアクリル酸の調製も通常はイソブテンから出発して2段階で実施されるが、しかしながら、また、目標生成物を生成物ガス混合物から多少とも選択的に除去する(例えば適切な溶媒の中に吸収させることで)ならば、適切な触媒仕込み物を用いることで、上述した部分酸化の両方ともを少なくとも1種の有機化合物に受けさせる1段階(両方の段階を1基の反応槽内)の不均一触媒使用気相部分酸化で実施することも可能である。それを一般的には主に部分酸化で用いるに適した不活性な希釈用ガスで構成させるが、それはまた部分酸化における典型的な副生成物である蒸気および酸化が望ましくなく完全に起こったことで生じた炭素酸化物も含有するか或はそれに蒸気を不活性ガスとして添加することも可能である。ある場合には、それはまた部分酸化で消費されなかった酸素(残存酸素)および/または変化しなかった有機出発化合物も少量含有する。
副生成物として生じる蒸気によって、多くの場合、部分酸化が反応ガス混合物体積の有意な変化無しに進行することが確保される。
前記に従い、有機化合物に受けさせる不均一触媒使用気相部分酸化の大部分で用いられる不活性な希釈用ガスは≧90体積%、しばしば≧95体積%がN2、H2Oおよび/またはCO2で構成されており、従って実質的に非燃焼性の不活性な希釈用ガスで構成されている。
その用いられる不活性な希釈用ガスは、1番目として、反応熱の吸収に役立ち、そして2番目として、反応ガス混合物を爆発範囲外に保持することで、ある有機化合物に受けさせる不均一触媒使用気相部分酸化の安全な稼働を確保するに役立つ。不飽和有機化合物に不均一触媒使用気相部分酸化を受けさせる時には、また、飽和炭化水素、即ち燃焼性ガスを不活性な希釈用ガスとして用いることもしばしば可能である。
また、少なくとも1種の有機化合物に受けさせる不均一触媒使用気相部分酸化を少なくとも1基の酸化反応槽の中に位置させた触媒床を用いて実施する時の稼働は1種類の同じ触媒床を用いて長時間間に渡って実質的に連続的に実施可能であることも知られている。その反応条件は一般に実質的に一定に保持可能である。
しかしながら、触媒床は稼働時間過程中に品質を失う。一般に、特に少なくとも1床の触媒床の活性が悪化する。このことが特に不利である、と言うのは、そのように反応体の変換率が少なくとも1床の触媒床の稼働時間が長くなる(他の稼働条件は変わらないままであっても)につれて低下することで可能な空間時間収率が低下するからである。
EP−A 990 636およびEP−A 11 06 598では、1種類の同じ触媒を用いて少なくとも1種の有機化合物に不均一触媒使用気相部分酸化を受けさせる時の長時間稼働に関する上述した進展を考慮に入れて、少なくとも1床の触媒床に反応ガス混合物を1回通した時の部分変換率を実質的に保持する目的で稼働時間過程中に触媒床の温度を他の稼働条件を実質的に一定にしながら徐々に高くして行く試みを行っている。
EP−A 99 636およびEP−A 11 06 598の中で推奨されている手順の欠点は、触媒床の温度を益々高くして行くと一般にそれの老化過程も加速すると言った欠点であり、そのような老化が、触媒床の温度が最大値に到達した時点で典型的に触媒床の全部が交換される理由である。
EP−A 614 872およびDE−A 10 35 0822では、触媒床を時々再生(例えば酸素分子と不活性ガスの熱混合物を触媒床の中に時々導くことで)させることで触媒を完全に交換する必要がある時期を遅らせることが推奨されている。しかしながら、そのような手順の欠点は、それに伴う生産の中断が長時間間に渡る点にある。
DE−A 10 23 2748では、妥協した解決方法として、触媒床の完全な交換を実施する代わりにそれの一部のみを新鮮な触媒仕込み物に置き換えることが推奨されている。
そのような提案の欠点は、触媒床の一部を交換することもまた大きな費用および不便さを伴う点にある。
ある解決方法の手段として、また、比較的高価でありかつ不便な様式ではあるが、より広範な触媒床Iを等温反応槽の中に入れ、そしてあまり高価ではないが不便な様式で、より小さな触媒床IIを断熱反応槽の中に入れることも原則として既に提案されており、その目的は、等温反応槽自身がもはや最大の変換率を達成しなくなった場合に断熱反応槽が補助し始めることにあり、このようにして、前記等温反応槽の中の触媒床を交換する時期を最大限まで遅らせることにある。
しかしながら、そのような手順の欠点は、必要な反応槽の数が多くなることで投資費用が増大する点にある。
この記述した従来技術を鑑み、本発明の目的は、少なくとも1床の(同じ1種類の)触媒床を用いて少なくとも1種の有機化合物に少なくとも1基の酸化反応槽内で受けさせる不均一触媒使用気相部分酸化が長時間稼働に適するように改良を受けさせた方法を提供することにある。
従って、不均一触媒を用いて少なくとも1種の有機化合物に気相部分酸化を少なくとも1基の酸化反応槽の中で受けさせる長時間稼働方法を見いだし、この方法では、前記少なくとも1種の有機化合物、酸素分子および少なくとも1種の不活性希釈用ガスを含んで成る出発反応ガス混合物を高温の少なくとも1床の触媒床に通すが、この方法に、前記少なくとも1床の触媒床が起こす失活に対抗する目的で前記触媒床の稼働時間の間に前記気相中の作業圧力を前記出発反応ガス混合物が前記少なくとも1床の触媒床の上で示す1時間当たりの同一空間速度[l(STP)/l・時]を基準にして高くして行くことを含める。
前記反応ガス混合物の中に存在する成分が稼働時間過程中に前記固定触媒床の中に固体形態で付着する結果としてもたらされる圧力上昇は排除する。
(出発)反応ガス混合物の反応段階に触媒作用を及ぼす触媒床上の1時間当たりの空間速度は、(出発)反応ガス混合物の量[標準リットル=l(STP)で表す]、即ち1リットルの触媒床を1時間当たりに通る適切な量の(出発)反応ガス混合物が標準的条件、即ち1バール下25℃で取り得るであろう体積(リットルで表す)を指す。その1時間当たりの空間速度はまた(出発)反応ガス混合物の中の1成分のみが基準になることもあり得る。その場合のそれは1リットルの触媒床の中を1時間当たりに通る前記成分の量[l(STP)/l・時]である。
本発明で気相中の作業圧力を高くすることを実現することは、例えば圧力調節装置(少なくとも1基の酸化反応槽の中の作業圧力を調節する装置)を前記少なくとも1床の触媒床を入れておいた少なくとも1基の酸化反応槽から(前記反応ガス混合物が出る出口)の下流に取り付ける(即ち前記少なくとも1基の酸化反応槽の下流に連結する)ことによる簡単な様式で実施可能である。それは例えば羽根調節装置、または特に簡単な様式で絞り装置、例えば絞り弁などであってもよい。別法として、また、例えば、ある程度のみ透過性の穴開き隔壁を前記反応ガス混合物の流路の中に挿入することで前記反応ガス混合物がこれの流路で起こす圧力降下を自動的に高くし、そしてそのようにして出発反応ガス混合物が前記少なくとも1床の触媒床上で示す1時間当たりの空間速度を同じにしながら作業圧力を高くすることも可能である。そのような穴開き隔壁に持たせる通路(最も簡単なケースでは穴)は例えば複数であってもよく、それらを連続的にある程度または完全に閉じてもよい。
その圧力調節装置を必ずしも関連した酸化反応槽の下流に直接取り付ける必要はない。むしろ、圧力調節装置を当該酸化反応槽から出る生成物ガス混合物のさらなる流路の中に導入し、そして背圧の結果として圧力上昇を酸化反応の中に伝播させることで本発明の手順を実現することで充分である。言い換えれば、酸化反応槽を出る生成物ガス混合物を次に塔の下方領域に導くことで、例えば前記塔の上方領域の中に導入する吸収用液体の中に目標生成物を吸収させる場合には、また、圧力調節装置を前記吸収用塔の上部に位置させることも可能である。しかしながら、そのような変法は一般にあまり好適ではない、と言うのは、塔の圧力は典型的に安全性が理由で比較的制限されるからである。また、その吸収挙動も悪影響を受ける可能性がある。同じことが、生成物ガス混合物をこれのさらなる路上で目標生成物に分別凝縮を受けさせる塔の下方領域に導入する場合にも当てはまる。上述した塔は一般に物質移動表面積を大きくする目的で内部が分離されている。
本発明に関連して、酸化反応槽を直列に連結する場合、圧力調節装置を個々の反応槽の各々の下流に取り付けてもよい。
本発明の手順が成功であることは、恐らくは、反応体が触媒表面上で示す滞留時間が長いことに伴って起こる圧力上昇に起因し得る。その上、そのような長い滞留時間は、恐らくは、既にある度合にまで失活した反応部位の上で目標の反応が再び起こり得るに充分であろう。加うるに、本発明の手段を用いると、また、それに伴って関連した反応体の分圧も高くなる。
本発明に従う方法において個々のケースで選択する作業圧力上昇の大きさは、この作業圧力を上昇させる時期における触媒床の失活度合および特定の反応系の両方に依存する。典型的には、本発明に従い、触媒床の一部または全部を交換する前に作業圧力を上昇させる度合(本資料では常に標準化が理由で反応ガス混合物が触媒床の中に入る地点を基準にし、これに関して、それの計算に不活性な予備的床も含める)は少なくとも25バールまたは少なくとも50バールであろう。本発明に従う方法において、上述した作業圧力上昇度合は、一般に25または50ミリバールから3000ミリバール、しばしば100ミリバールから2500ミリバール、多くの場合200から2000ミリバール、しばしば300から1500ミリバール、時には400から1000ミリバール、非常に頻繁に500から750ミリバールである。
本発明に従い、有利には、本発明の圧力上昇を少なくとも1床の触媒床の失活速度の関数として連続的に実施する(活性の尺度は、触媒床上の1時間当たりの空間速度を同じにしかつ作業圧力を同じにして反応ガス混合物を触媒床に1回通すことを基にして同じ反応体変換率を達成するに要する温度である)。しかしながら、また、これを段階的に実施することも可能である。
本発明で作業圧力を高くして行く時に最大の値を達成する時期は、一般に、作業圧力を更に高くするとそれに伴って生じる目標生成物の選択率が有意に低下する時期である。後者は、例えば、まだ充分な活性を示す触媒表面上の部位の上で反応体が示す滞留時間を過剰に長くすると結果として完全な燃焼の増大がもたらされる結果として目標生成物の収率の低下がもたらされる時に起こり得る。しかしながら、また、例えば要求される変換率をまだ達成することができる温度が例えば触媒および/または反応槽に損傷をもたらすであろう温度のみの場合には、そのように選択率が低下しても喜んで受け入れられる可能性がある。
そのように選択率に影響が生じることは、また、通常は、触媒床を用いて少なくとも1種の有機化合物に受けさせる不均一触媒使用気相部分酸化を最初から可能な最大作業圧力で実施しないことの理由でもある。作業圧力を高くすると、また、最終的に出発反応ガス混合物を圧縮する費用も高くなる。本発明で圧力を高くして行く場合の別の制限は、結果としてもたらされる触媒床の中の最高温度と最低温度の間の差であり得る、と言うのは、いろいろな部分酸化においてその差をしばしば≦100℃、好適には≦80℃または≦60℃または≦40℃、または≦20℃または≦10℃にすべきであるからである。
本発明に従う方法を開始する時点における作業圧力はしばしば1.2から2バールであろう。従って、本発明に従って触媒床を交換する時点における作業圧力は典型的に3バールに及ぶであろう。
本発明に従う方法は、原則として、本資料の冒頭に具体的に挙げた不均一触媒使用気相部分酸化の全部で用いるに適する。それらには特に資料WO 01/96270、DE−A 10316465、DE−A 10245585、DE−A 10246119に記述されているプロパンからアクリル酸を生じさせる不均一触媒使用気相部分酸化が含まれる。上述した資料は本資料の一体部分として見なされるべきである。
しかしながら、本発明の手順は、特に、プロペンからアクロレインおよび/またはアクリル酸を生じさせる不均一触媒使用固定床気相部分酸化を好適には管束反応槽内で1段階で実施する場合、そしてプロペンからアクロレインを生じさせるか或はアクロレインからアクリル酸を生じさせる不均一触媒使用固定床気相部分酸化を管束反応槽内で2段階で実施する場合の第1段階および第2段階で用いるに適するが、それらは例えば資料EP−A 700 893、EP−A 700 714、DE−A 19 91 0508、DE−A 19 91 9596、DE−A 10351269、DE−A 10350812、DE−A 10350822、EP−A 11 59 247、DE−A 10 31 3208、DE−A 102004021764、DE−A 19 94 8248、EP−A 990 636、EP−A 11 06 598、DE−A 30 02 8289およびDE−A 10232482に記述されているようである。
本発明に従う方法はプロペンからアクロレインを生じさせる不均一触媒使用固定床気相部分酸化で用いるに適し、特に触媒の活性組成物がモリブデンおよび/またはタングステン元素を含有し、かつまたビスマス、テルル、アンチモン、錫および銅元素の中の少なくとも1種を含有して成る多元素酸化物またはMo、BiおよびFe元素を含有して成る多金属酸化物である触媒を用いる時に適切である。Mo、BiおよびFeを含有して成る上述した種類の多金属酸化物組成物が特に本発明に従って用いるに適し、特に、DE−A 10 34 4149およびDE−A 10 34 4264に開示されているMo、BiおよびFeを含有して成る多金属酸化物組成物が適する。それらは特にまたDE−A 19 95 5176に示されている一般式Iで表される多金属酸化物活性組成物、DE−A 19 94 8523に示されている一般式Iで表される多金属酸化物活性組成物、DE−A 10 10 1695に示されている一般式I、IIおよびIIIで表される多金属酸化物活性組成物、DE−A 19 94 8248に示されている一般式I、IIおよびIIIで表される多金属酸化物活性組成物、およびDE−A 19955168に示されている一般式I、IIおよびIIIで表される多金属酸化物活性組成物、およびまたEP−A 700714に示されている多金属酸化物活性組成物である。
本発明に従う方法の適用は、また、プロペンからアクロレインを生じさせる部分酸化の場合に本発明に従って用いるべき少なくとも1床の固定触媒床で用いる触媒がMo、BiおよびFeを含有して成る多金属酸化物触媒[これらは資料DE−A 10046957、DE−A 10063162、DE−C 3338380、DE−A 19902562、EP−A 15565、DE−C 2380765、EP−A 807465、EP−A 279374、DE−A 3300044、EP−A 575897、US−A 4438217、DE−A 19855913、WO 98/24746、DE−A 19746210(一般式IIで表されるそれら)、JP−A 91/294239、EP−A 293224およびEP−A 700714に開示されている]である時にも適する。これは特に前記資料の中の例示態様に当てはまり、とりわけ、EP−A 15565、EP−A 575897、DE−A 19746210およびDE−A 19855913に示されているそれらが特に好適である。これに関連して、特に、EP−A 15565の実施例1cに従う触媒およびまた活性組成物が組成Mo12Ni6.5Zn2Fe2Bi10.00650.06Ox・10SiO2を有する以外は相当する様式で調製された触媒を強調すべきである。また、DE−A 19855913の連続番号3を有する実施例(化学量:MO12Co7Fe3Bi0.60.08Si1.6x)も5mmx3mmx2mmまたは5mmx2mmx2mm(各々外径x高さx内径)の形状を有する非担持型中空円筒形触媒として強調すべきであり、かつまたDE−A 19746210の実施例1に従う非担持型多金属酸化物II触媒も強調すべきである。また、US−A 4438217の多金属酸化物触媒も挙げるべきである。後者は特にこれに寸法が5.5mmx3mmx3.5mmまたは5mmx2mmx2mmまたは5mmx3mmx2mmまたは6mmx3mmx3mmまたは7mmx3mmx4mm(各々外径x高さx内径)の中空円筒形状を持たせた時に当てはまる。同様に、本発明に関連して、DE−A 10101695またはWO 02/062737の多金属酸化物触媒および形状も適切である。
また、本発明に関連して、DE−A 10046957の実施例1(化学量:[Bi229x2WO30.5・[Mo12Co5.6Fe2.94Si1.590.08x1)も5mmx3mmx2mmまたは5mmx2mmx2mm(各々外径x長さx内径)の形状の非担持型中空円筒(管)触媒として非常に適切であり、かつまたDE−A 10063162の被覆触媒1、2および3(化学量:MO12Bi1.0Fe3CO7Si1.60.08)も5mmx3mmx1.5mmまたは7mmx3mmx1.5mm(各々外径x長さx内径)の形状の担体管に付着させた適切な被膜厚の環状被覆触媒であることを除いて非常に適する。
本発明に関連してプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時に触媒として用いるに特に適した多数の多金属酸化物活性組成物は一般式I
Mo12BiaFeb1 c2 d3 e4 fn (I)
[式中、変項は各々以下に定義する:
1=ニッケルおよび/またはコバルト、
2=タリウム、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、
3=亜鉛、燐、ヒ素、ホウ素、アンチモン、錫、セリウム、鉛および/またはタングステン、
4=ケイ素、アルミニウム、チタンおよび/またはジルコニウム、
a=0.5から5、
b=0.01から5、好適には2から4、
c=0から10、好適には3から10、
d=0から2、好適には0.02から2、
e=0から8、好適には0から5、
f=0から10、および
n=酸素以外のI中の元素の原子価および頻度によって決まる数]
に包含され得る。
それらは本質的に公知な様式(例えばDE−A 4023239を参照)で入手可能であり、通常は、未希釈状態で成形して球、環または円柱を生じさせるか、或は被覆触媒の形態、即ち前以て成形しておいた不活性な担体を活性組成物で被覆した形態で用いられる。それらはまた粉末形態の触媒としても使用可能であることは理解されるであろう。
一般式Iで表される活性組成物の調製は、原則として、それらの元素成分の適切な源を用いてそれらの化学量に相当する非常に密な好適には微細な乾燥した混合物を得そしてそれに焼成を350から650℃の温度で受けさせることでことによる簡単な様式で実施可能である。前記焼成は不活性ガス下または酸化性雰囲気、例えば空気(不活性ガスと酸素の混合物)下のいずれかで実施可能であり、かつまた還元雰囲気(例えば不活性ガスとNH3、COおよび/またはH2の混合物)下でも実施可能である。焼成時間は数分から数時間であり得、典型的には温度に伴って短くなり得る。多金属酸化物活性組成物Iの元素成分に有用な源は、既に酸化物である化合物および/または少なくとも酸素の存在下の加熱によって酸化物に変化し得る化合物である。
そのような有用な出発化合物には、酸化物に加えて、特にハロゲン化物、硝酸塩、蟻酸塩、しゅう酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、アミン錯体、アンモニウム塩および/または水酸化物が含まれる[NH4OH、(NH42CO3、NH4NO3、NH4CHO2、CH3COOH、NH4CH3CO2および/またはしゅう酸アンモニウムのような化合物は分解を起こしそして/または少なくとも後の焼成で分解を起こす可能性があり、それによって気体形態で放出される化合物が生じ、それが追加的に最終的な乾燥混合物の中に取り込まれる可能性がある]。
多金属酸化物活性組成物Iを調製する時の出発化合物を乾燥形態または湿潤形態で密に混合してもよい。それらを乾燥形態で混合する場合、その出発化合物を有利には微細な粉末として用いて、それに焼成を混合後に受けさせ、そして場合により圧縮固化を受けさせてもよい。しかしながら、密な混合を湿潤形態で実施する方が好適である。通常は、その出発化合物を水溶液および/または懸濁液の形態で互いに混合する。その記述した混合工程では、出発材料が排他的に溶解した形態の元素成分の源である時に特に密な乾燥した混合物が得られる。使用する溶媒は好適には水である。次に、その得た水性組成物を乾燥させるが、この乾燥工程を好適には水性混合物に噴霧乾燥を噴霧塔の出口の所の温度が100から150℃になるようにして受けさせることで実施する。
一般式Iで表される多金属酸化物活性組成物を典型的には粉末形態ではなくむしろ特定の触媒形状に成形した状態で固定触媒床に入れて用いるが、その成形は、最終的焼成を行う前または後のいずれかで実施可能である。例えば、粉末形態の活性組成物またはこれの未焼成および/または、ある程度焼成を受けさせた前駆体組成物に圧縮固化(例えば製錠または押出し加工)を受けさせて所望の触媒形状にすることで非担持型触媒を生じさせることができるが、場合により、補助剤、例えばグラファイトまたはステアリン酸などを滑剤として添加しおよび/または成形助剤および補強剤、例えばガラス、アスベスト、炭化ケイ素またはチタン酸カリウムなどの微細繊維などを添加してそれを実施してもよい。適切な非担持型触媒形状の例には、外径と長さが2から10mmの固形円柱または中空円筒が含まれる。中空円筒の場合には壁厚を1から3mmにするのが有利である。そのような非担持型触媒にまた球形形状を持たせてもよくそして球の直径を2から10mmにしてもよいことは理解されるであろう。
特に有利な中空円筒形状は、特に非担持型触媒の場合、5mmx3mmx2mm(外径x長さx内径)である。
また、更に焼成および/またはある程度の焼成を受けさせるべき粉末状の活性組成物または粉末状の前駆体組成物を前以て成形しておいた不活性な触媒担体に付着させることでそれに形状を持たせることも可能であることは理解されるであろう。そのような被覆触媒を生じさせる目的で行う担体への被覆を一般的には適切な回転式槽、例えばDE−A 2909671、EP−A 293859またはEP−A 714700などに開示されているような槽の中で実施する。担体に被覆を受けさせる時、それに付着させるべき粉末組成物を有利には湿らせておき、そして付着後に再び乾燥、例えば熱風などで乾燥させる。その担体に付着させる粉末組成物の被膜厚をこれが有利には10から1000μmの範囲内、好適には50から500μmの範囲内、より好適には150から250μmの範囲内になるように選択する。別法として、その付着させるべき粉末組成物をまた懸濁液または溶液(例えば水中の)の状態で担体に付着させることも可能である。
有用な担体材料は、通常の多孔性もしくは無孔性酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素またはケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウムなどである。それらは一般に本発明に従う方法の1番目の反応段階の基になる目標反応に関して実質的に不活性に挙動する。そのような担体の形状は規則的または不規則的であってもよいが、明確な表面粗さを有する規則的な形状、例えば球形または中空円筒などの担体が好適である。直径が1から8mm、好適には4から5mmのステアタイト(例えばCeramTecのSteatite C220)で構成されている表面が粗い実質的に無孔性の球形担体を用いるのが適切である。しかしながら、適切な担体には、また、長さが2から10mm(例えば8mm)で外径が4から10mm(例えば6mm)の円柱も含まれる。本発明に従う担体として用いるに適した環の場合の壁厚もまた典型的に1から4mmである。本発明に従って好適に用いる環状担体の長さは2から6mmで外径は4から8mmで壁厚は1から2mmである。本発明に従う担体として、特に、7mmx3mmx4mmまたは5mmx3mmx2mm(外径x長さx内径)の形状の環が適切である。そのような担体の表面に付着させるべき触媒活性のある酸化物組成物の微細度を所望の被膜厚に適合させることは理解されるであろう(EP−A 714 700を参照)。
本発明に関連してプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時の固定触媒床の触媒として特に用いるに適した多金属酸化物活性組成物は、また、一般式II
[Y1 a'2 b'x']p[Y3 c'4 d'5 e'6 f'7 g'2 h'y']q(II)
[式中、変項は各々以下に定義する通りである:
1=ビスマス単独またはビスマスとテルル、アンチモン、錫および銅元素の中の少なくとも1種、
2=モリブデンまたはモリブデンとタングステン、
3=アルカリ金属、タリウムおよび/またはサマリウム、
4=アルカリ土類金属、ニッケル、コバルト、銅、マンガン、亜鉛、錫、カドミウムおよび/または水銀、
5=鉄または鉄とクロムおよびセリウムの元素の中の少なくとも一方、
6=燐、ヒ素、ホウ素および/またはアンチモン、
7=希土類金属、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、レニウム、ルテニウム、ロジウム、銀、金、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、鉛、トリウムおよび/またはウラン、
a’=0.01から8、
b’=0.1から30、
c’=0から4、
d’=0から20、
e’=>0から20、
f’=0から6、
g’=0から15、
h’=8から16、
x’、y’=酸素以外のII中の元素の原子価および頻度で決まる数、および
p、q=p/q比が0.1から10になる数]
で表される組成物であるが、これは化学組成Y1 a'2 b'x'で表される三次元領域を含有していて、その領域は、これの局所的環境とは化学組成が異なる結果として局所的環境から区別され、そしてこれの最大直径(この領域の中心を通りそして表面(界面)上の2点をつなぐ線の中で最も長い線)は1nmから100μm、しばしば10nmから500nmまたは1μmから50もしくは25μmである。
特に有利な多金属酸化物組成物IIは、Y1がビスマスのみである組成物である。
この場合、とりわけ、一般式III
[Bia"Z2 b"Ox"]p"[Z2 123 c"Z4 d"Fee"Z5 f"Z6 g"Z7 h"Oy"]q"
(III)
[式中、変項は各々以下に定義する通りである:
2=モリブデンまたはモリブデンとタングステン、
3=ニッケルおよび/またはコバルト
4=タリウム、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、
5=燐、ヒ素、ホウ素、アンチモン、錫、セリウムおよび/または鉛、
6=ケイ素、アルミニウム、チタンおよび/またはジルコニウム、
7=銅、銀および/または金、
a"=0.1から1、
b"=0.2から2、
c"=3から10、
d"=0.02から2、
e"=0.01から5、好適には0.1から3、
f"=0から5、
g"=0から10、
h"=0から1、
x"、y"=酸素以外のIII中の元素の原子価および頻度で決まる数
p"、q"=p"/q"比が0.1から5、好適には0.5から2になる数]
で表される組成物が好適であり、Z2 b"=(タングステン)b"およびZ2 12=(モリブデン)12・の組成物IIIが非常に特に好適である。
また、本発明に従って用いるに適した多金属酸化物組成物II(多金属酸化物組成物III)中の本発明で用いるに適した多金属酸化物組成物II(多金属酸化物組成物III)に含まれる[Y1 a'2 b'x'p([Bia"Z2 b"Ox"]p")の総比率の少なくとも25モル%(好適には少なくとも50モル%、より好適には少なくとも100モル%)が化学組成Y1 a'2 b'x'[Bia"Z2 b"Ox"]で表される三次元領域の形態(これはこれの局所的環境とは化学組成が異なる結果として局所的環境から区別され、そしてこれの最大直径は1nmから100μmの範囲である)であるのも有利である。
成形に関しては、前記多金属酸化物I触媒で行った説明を多金属酸化物II触媒に適用する。
多金属酸化物活性組成物IIの調製は例えばEP−A 575897およびまたDE−A 19855913、DE−A 10344149およびDE−A 10344264に記述されている。
本発明に関連してアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合に用いるに適した少なくとも1床の固定触媒床に含める触媒に適した活性組成物は、MoおよびV元素を含有していてこの種類の反応に適することが知られている多金属酸化物である。
MoおよびVを含有して成るそのような多金属酸化物活性組成物は、例えばUS−A 3775474、US−A 3954855、US−A 3893951およびUS−A 4339355またはEP−A 614872またはEP−A 1041062またはWO 03/055835またはWO 03/057653から採用可能である。
特にDE−A 10 32 5487およびまたDE−A 10 32 5488に示されている多金属酸化物活性組成物もまた適切である。
また、EP−A 427508、DE−A 29 09 671、DE−C 31 51 805、DE−B 26 26 887、DE−A 43 02 991、EP−A 700 893、EP−A 7147 00およびDE−A 19 73 6105に示されている多金属酸化物組成物も本発明に関連してアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合の固定床触媒で活性組成物として用いるに特に適切である。 これに関連して、EP−A 714 700およびDE−A 19 73 6105に示されている例示態様が特に好適である。
MoおよびV元素を含有して成る多数のそのような多金属酸化物活性組成物は一般式IV
Mo12a1 b2 c3 d4 e5 f6 gn (IV)
[式中、変項は各々以下に定義する:
1=W、Nb、Ta、Crおよび/またはCe、
2=Cu、Ni、Co、Fe、Mnおよび/またはZn、
3=Sbおよび/またはBi、
4=1種以上のアルカリ金属、
5=1種以上のアルカリ土類金属、
6=Si、Al、Tiおよび/またはZr、
a=1から6、
b=0.2から4、
c=0.5から18、
d=0から40、
e=0から2、
f=0から4、
g=0から40、および
n=酸素以外のIV中の元素の原子価および頻度によって決まる数]
に包含され得る。
本発明に関連して、活性多金属酸化物IVの中で、一般式IVの変項の下記の定義に包含される態様が好適な態様である:
1=W、Nbおよび/またはCr、
2=Cu、Ni、Coおよび/またはFe、
3=Sb、
4=Naおよび/またはK、
5=Ca、Srおよび/またはBa、
6=Si、Alおよび/またはTi、
a=1.5から5、
b=0.5から2、
c=0.5から3、
d=0から2、
e=0から0.2、
f=0から1、および
n=酸素以外のIV中の元素の原子価および頻度によって決まる数。
しかしながら、本発明に従う非常に特に好適な多金属酸化物IVは一般式V
Mo12a'1 b'2 c'5 f'6 g'n (V)
[式中、
1=Wおよび/またはNb、
2=Cuおよび/またはNi、
5=Caおよび/またはSr、
6=Siおよび/またはAl、
a’=2から4、
b’=1から1.5、
c’=1から3、
f’=0から0.5、
g’=0から8、および
n’=酸素以外のV中の元素の原子価および頻度で決まる数]
で表される酸化物である。
多金属酸化物活性組成物(IV)は、本質的に公知の様式、例えばDE−A 4335973またはEP−A 714700に開示されている様式で入手可能である。特に、本発明に関連してアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる時に用いるに適切なMoおよびVを含有して成る多金属酸化物活性組成物は、また、DE−A 10 261 186に示されている多金属酸化物活性組成物である。
MoおよびVを含有して成るそのような多金属酸化物活性組成物、特に一般式IVで表される組成物の調製は、原則として、それらの元素成分の適切な源を用いてそれらの化学量に相当する組成を有する非常に密な好適には微細な乾燥した混合物を得、そしてそれに焼成を350から600℃の温度で受けさせることによる簡単な様式で実施可能である。前記焼成は不活性ガスまたは酸化性雰囲気、例えば空気(不活性ガスと酸素の混合物)下のいずれかで実施可能であり、かつまた還元雰囲気(例えば不活性ガスと還元ガス、例えばH2、NH3、CO、メタンおよび/またはアクロレインの混合物またはこの挙げた還元ガス自身)下でも実施可能である。焼成時間は数分から数時間であり得、典型的には温度に伴って短くなり得る。多金属酸化物活性組成物IVの元素成分に有用な源には、既に酸化物である化合物および/または少なくとも酸素の存在下の加熱によって酸化物に変化し得る化合物が含まれる。
多金属酸化物組成物IVを調製する時の出発化合物を乾燥形態または湿潤形態で密に混合してもよい。それらを乾燥形態で混合する場合、その出発化合物を有利には微細な粉末として用いて、それに焼成を混合後に受けさせそして場合により圧縮固化を受けさせてもよい。しかしながら、密な混合を湿潤形態で実施する方が好適である。
これを典型的にはその出発化合物を水溶液および/または懸濁液の形態で混合することで実施する。その記述した混合工程では、出発材料が排他的に溶解した形態の元素成分の源である時に特に密な乾燥した混合物が得られる。使用する溶媒は好適には水である。次に、その得た水性組成物を乾燥させるが、この乾燥工程を好適には水性混合物に噴霧乾燥を出口温度が100から150℃になるようにして受けさせることで実施する。
MoおよびVを含有して成る多金属酸化物活性組成物、特に一般式IVで表される組成物は、粉末形態または特定の触媒形状に成形した状態のいずれかで、アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる本発明に従う方法で使用可能であり、その成形は、最終的焼成を行う前または後で実施可能である。例えば、粉末形態の活性組成物またはこれの未焼成前駆体組成物に圧縮固化(例えば製錠または押出し加工)を受けさせて所望の触媒形状にすることで非担持型触媒を生じさせることができるが、場合により、補助剤、例えばグラファイトまたはステアリン酸などを滑剤として添加しそして/または成形助剤および補強剤、例えばガラス、アスベスト、炭化ケイ素またはチタン酸カリウムなどの微細繊維などを添加してそれを実施してもよい。適切な非担持型触媒形状の例は、外径と長さが2から10mmの固形円柱または中空円筒である。中空円筒の場合には壁厚を1から3mmにするのが有利である。そのような非担持型触媒にまた球形形状を持たせてもよくそして球の直径を2から10mmにしてもよいことは理解されるであろう。
また、更に焼成を受けさせるべき粉末状の活性組成物または粉末状の前駆体組成物を前以て成形しておいた不活性な触媒担体に付着させることでそれに形状を持たせることも可能であることは理解されるであろう。そのような被覆触媒を生じさせる目的で行う担体への被覆を一般的には適切な回転式槽、例えばDE−A 2909671、EP−A 293859またはEP−A 714700などに開示されているような槽の中で実施する。
担体に被覆を受けさせる時、付着させるべき粉末組成物を適切に湿らせておき、そして付着後に再び乾燥、例えば熱風などで乾燥させる。その担体に付着させる粉末組成物の被膜厚をこれが有利には10から1000μmの範囲内、好適には50から500μmの範囲内、より好適には150から250μmの範囲内になるように選択する。
有用な担体材料は、通常の多孔性もしくは無孔性酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素またはケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウムなどである。そのような担体の形状は規則的または不規則的であってもよいが、明確な表面粗さを有する規則的な形状、例えば球形または中空円筒などの担体が好適である。直径が1から10mm(例えば8mm)、好適には4から5mmのステアタイトで構成されている表面が粗い実質的に無孔性の球形担体を用いるのが適切である。しかしながら、適切な担体には、また、長さが2から10mmで外径が4から10mmの円柱も含まれる。本発明に従う担体として用いるに適した環の場合の壁厚もまた典型的に1から4mmである。本発明に従って好適に用いる環状担体の長さは3から6mmで外径は4から8mmで壁厚は1から2mmである。本発明に従う適切な担体は、また、特に、7mmx3mmx4mm(外径x長さx内径)の形状の環である。そのような担体の表面に付着させるべき触媒活性のある酸化物組成物の微細度を所望の被膜厚に適合させることは理解されるであろう(EP−A 714 700を参照)。
本発明に関連してアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる時に用いるべきMoおよびVを含有して成る有利な多金属酸化物活性組成物は、また、一般式VI
[D]p[E]q (VI)
[式中、変項は各々以下に定義する:
D=Mo12a"Z1 b"Z2 c"Z3 d"Z4 e"Z5 f"Z6 g"Ox"、
E=Z7 12Cuh"Hi"Oy"、
1=W、Nb、Ta、Crおよび/またはCe、
2=Cu、Ni、Co、Fe、Mnおよび/またはZn、
3=Sbおよび/またはBi、
4=Li、Na、K、Rb、Csおよび/またはH、
5=Mg、Ca、Srおよび/またはBa、
6=Si、Al、Tiおよび/またはZr、
7=Mo、W、V、Nbおよび/またはTa、
a"=1から8、
b"=0.2から5、
c"=0から23、
d"=0から50、
e"=0から2、
f"=0から5、
g"=0から50、
h"=4から30、
i"=0から20、および
x"、y"=酸素以外のVI中の元素の原子価および頻度で決まる数、および
p、q=p/q比が160:1から1:1になるような数(ゼロ以外)]
で表される組成物であり、これらは、多金属酸化物組成物E
7 12Cuh"Hi"Oy" (E)
を微細形態(出発組成物1)で個別に前以て生じさせておいた後に、その前以て生じさせておいた固体状の出発組成物1を元素Mo、V、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6の源(これは上述した元素を化学量D
Mo12a"Z1 b"Z2 c"Z3 d"Z4 e"Z5 f"Z6 g" (D)
で含んで成る)が入っている水溶液、水性懸濁液または微細な乾燥混合物(出発組成物2)の中に所望のp:q比になるように混合し、その結果としてもたらされ得る水性混合物を乾燥させ、そしてその結果としてもたらされた乾燥した前駆体組成物に焼成を乾燥前または後に250から600℃の温度で受けさせて所望の触媒形状にすることで入手可能である。
前以て生じさせておいた固体状の出発組成物1を水性出発組成物2の中に<70℃の温度で混合した多金属酸化物活性組成物VIが好適である。多金属酸化物組成物III触媒製造の詳細な説明は例えばEP−A 668104、DE−A 19736105およびDE−A 19528646に含まれている。
成形に関しては、前記多金属酸化物活性組成物IV触媒で行った説明を多金属酸化物活性組成物VI触媒に適用する。
この記述に関連して有利なMoおよびVを含有して成るさらなる多金属酸化物活性組成物は、また、一般式VII
[A]p[B]q[C]r (VII)
[式中、変項は各々以下に定義する:
A=Mo12a1 b2 c3 d4 e5 f6 gx
B=X1 7Cuhiy
C=X1 8Sbjkz
1=W、Nb、Ta、Crおよび/またはCe、好適にはW、Nbおよび/またはCr、
2=Cu、Ni、Co、Fe、Mnおよび/またはZn、好適にはCu、Ni、Coおよび/またはFe、
3=Sbおよび/またはBi、好適にはSb、
4=Li、Na、K、Rb、Csおよび/またはH、好適にはNaおよび/またはK、
5=Mg、Ca、Srおよび/またはBa、好適にはCa、Srおよび/またはBa、
6=Si、Al、Tiおよび/またはZr、好適にはSi、Alおよび/またはTi、
7=Mo、W、V、Nbおよび/またはTa、好適にはMoおよび/またはW、
8=Cu、Ni、Zn、Co、Fe、Cd、Mn、Mg、Ca、Srおよび/またはBa、好適にはCuおよび/またはZn、より好適にはCu、
a=1から8、好適には2から6、
b=0.2から5、好適には0.5から2.5、
c=0から23、好適には0から4、
d=0から50、好適には0から3、
e=0から2、好適には0から0.3、
f=0から5、好適には0から2、
g=0から50、好適には0から20、
h=0.3から2.5、好適には0.5から2、より好適には0.75から1.5、
i=0から2、好適には0から1、
j=0.1から50、好適には0.2から20、より好適には0.2から5、
k=0から50、好適には0から20、より好適には0から12、
x、y、z=酸素以外のA、B、C中の元素の原子価および頻度で決まる数、
p、q=正数、
r=0または正数、好適には正数、ここで、
p/(q+r)比=20:1から1:20、好適には5:1から1:14、より好適には2:1から1:8、rが正数の場合、q/r比=20:1から1:20、好適には4:1から1:4、より好適には2:1から1:2、最も好適には1:1]
で表される多元素酸化物活性組成物であり、これは、化学組成
A:Mo12a1 b2 c3 d4 e5 f6 gx
で表される三次元領域(相)Aの形態の画分[A]p、化学組成
B=X1 7Cuhiy
で表される三次元領域(相)Bの形態の画分[B]q、および化学組成
C=X1 8Sbjkz
で表される三次元領域(相)Cの形態の画分[C]r
を含有し、ここで、領域A、BおよびC(存在する場合)は微細なAと微細なBと微細なC(存在する場合)の混合物として互いに関して分布しており、そしてここで、あらゆる変項は、多元素酸化物活性組成物VII中の酸素以外の元素全部の総量中の元素Moのモル分率が20モル%から80モル%であり、触媒的に活性のある多元素酸化物組成物VIIに存在するVに対する触媒的に活性のある多元素酸化物組成物VIIに存在するMoのモル比、即ちMo/Vが15:1から1:1であり、相当するMo/Cuモル比が30:1から1:3でありそして相当するMo/(WとNbの総量)のモル比が80:1から1:4であることを条件としてこの上で定義した範囲内になるように選択されるべきである。
本発明に関連して、好適な多元素酸化物活性組成物VIIは、下記の一般式VIII:
Mo12a1 b2 c5 f6 gx (VIII)
[式中、
1=Wおよび/またはNb、
2=Cuおよび/またはNi、
5=Caおよび/またはSr、
6=Siおよび/またはAl、
a=2から6、
b=1から2、
c=1から3、
f=0から0.75、
g=0から10、および
x=酸素以外の(VIII)中の元素の原子価および頻度で決まる数]
で表される化学量論パターンの範囲内の組成を有する領域Aを含有する組成物である。
多元素酸化物活性組成物VIIIに関連して用いる用語「相」は、化学組成がそれらの環境のそれとは異なる三次元領域を意味する。そのような相は必ずしもx線で均質ではない。一般に、相Aは相BおよびC(存在する場合)の粒子が中に分散している連続相を形成している。
微細な相BおよびC(存在する場合)は有利に最大直径、即ち粒子の中心を通りかつ粒子表面上の2点をつなぐ線の中で最も長い線が300μm以下、好適には0.1から200μm、より好適には0.5から50μm、最も好適には1から30μmの粒子で構成されている。しかしながら、また、最長直径が10から80μmまたは75から125μmの粒子も適切である。
多元素酸化物活性組成物VII中の相A、BおよびC(存在する場合)は原則として非晶質および/または結晶形態であり得る。
一般式VIIで表される多元素酸化物活性組成物の基になっておりかつ後で熱処理を受けさせて活性組成物に変化させるべき密な乾燥混合物は、例えば資料WO 02/24327、DE−A 4405514、DE−A 4440891、DE−A 19528646、DE−A 19740493、EP−A 756894、DE−A 19815280、DE−A 19815278、EP−A 774297、DE−A 19815281、EP−A 668104およびDE−A 19736105に記述されているようにして入手可能である。
熱処理によって一般式VIIで表される多元素酸化物活性組成物をもたらす密な乾燥した混合物を生じさせる基本的な原理は、少なくとも1種の多元素酸化物組成物B(X1 7Cuhiy)を出発組成物1として用いかつ適宜1種以上の多元素酸化物組成物C(X1 8Sbjkz)を出発組成物2として用いてこれらを微細な形態で個別または一緒にして前以て成形しておいた後、出発組成物1および適宜2を多元素酸化物組成物A
Mo12ab 1c 2d 3e 4f 5g 6x (A)
の元素成分の源を化学量論Aに相当する組成で含有して成る混合物と所望の比率(一般式VIIに相当する)で密に接触させ、そして場合により。その結果として得た密な混合物を乾燥させてもよいことにある。
出発組成物1および適宜2の成分と多金属酸化物組成物Aの元素成分の源を含んで成る混合物(出発組成物3)の密な接触は乾燥形態または湿潤形態のいずれかで実施可能である。後者の場合に払うべき注意は、単に、前以て生じさせておいた相(結晶子)Bと適宜Cが溶液の状態にならないといったことである。後者は一般に水性媒体中のpH値を7からあまりにも逸脱させないことと温度を過度に高くしないことによって確保される。そのような密な接触を湿潤形態で実施する場合、通常、本発明に従う熱処理(例えば噴霧乾燥)を受けさせるべき密な乾燥した混合物がもたらされるように最終的な乾燥を実施する。乾式混合の場合にはそのように乾燥した塊が自動的に得られる。相Bおよび適宜Cを前以て微細な形態にしておき、それをまた多金属酸化物組成物Aの元素成分の源を含有して成る可塑的に再成形可能な混合物の中に混合することも可能であることは理解されるであろう(DE−A 10046928が推奨するように)。出発組成物1および適宜2の成分と多金属酸化物組成物Aの源(出発組成物3)の密な接触をまたDE−A 19815281に記述されているように実施することも勿論可能である。
そのような活性組成物を得る目的で行う熱処理および成形は前記多金属酸化物活性組成物IVからVIに記述したようにして実施可能である。
極めて一般的に、多金属酸化物活性組成物IVからVII触媒の調製は有利にDE−A 10 325 487またはDE−A 10 325 488の教示に従って実施可能である。
プロペンからアクロレインを生じさせる反応段階(および本発明に従う方法の適用)の実施は、例えばEP−A 700 714またはDE−A 4 431 949またはWO 03/057653またはWO 03/055835またはWO 03/059857またはWO 03/076373に記述されているようにして、当該固定触媒床に適切であるとして記述した触媒を用い、その固定床触媒を管束反応槽に仕込み、適用の観点から最も簡単な様式で適切に実施可能である。
言い換えれば、最も簡単な様式では、固定触媒床を管束反応槽の中に均一に仕込んでおいた金属管の中に位置させそして加熱用媒体(1ゾーン方法)、一般的には塩溶融物を前記金属管の回りに導く。塩溶融物(加熱用媒体)と反応ガス混合物を簡単な並流もしくは向流で導いてもよい。しかしながら、また、加熱用媒体(塩溶融物)を管束の回りに反応槽の上から見て蛇行した(反応槽全体を単に上から見ると反応ガス混合物が流れる方向に並流もしくは向流が存在するような)様式で導くことも可能である。そのような加熱用媒体(熱交換用媒体)の体積流量を典型的には熱交換用媒体が反応槽の入り口地点から反応槽の出口地点に向かって起こす温度上昇(反応の発熱で生じる)が0から10℃、しばしば2から8℃、頻繁に3から6℃であるような流量にする。そのような熱交換用媒体が管束反応槽の中に入る時の温度を一般に250から450℃、しばしば300から400℃または300から380℃にする。次に、それに伴う反応温度もまたそのような温度範囲内で動く。適切な熱交換用媒体は特に流動する加熱用媒体である。塩、例えば硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムおよび/または硝酸ナトリウムなどまたは低融点の金属、例えばナトリウム、水銀およびまたいろいろな金属の合金などの溶融物の使用が特に適切である。また、イオン性液体を用いることも可能である。
適切には、その出発反応ガス混合物を所望の反応温度になるように前以て加熱しておいた固定床触媒の仕込み物に送り込む。
特に、固定触媒床上でプロペンが示す1時間当たりの空間速度を高くする[例えば≧130 l(STP)/l・時、または≧140 l(STP)/l・時、または≧150 l(STP)/l・時、または≧160 l(STP)/l・時であるが、一般的には≦600 l(STP)/l・時、しばしば≦350 l(STP)/l・時]ことが望まれる場合には、プロペンの部分酸化工程を適切には2ゾーンもしくは多ゾーンの管束反応槽内で実施する(しかしながら、それを1ゾーンの管束反応槽内で実施することも同様に可能である)。本発明に従って前記目的で使用可能な2ゾーン管束反応槽の好適な変形がDE−C 2830765に開示されている。しかしながら、また、DE−C 2513405、US−A 3147084、DE−A 2201528、EP−A 383224およびDE−A 2903582に開示されている2ゾーンの管束反応槽も適切である。別の工程説明がEP−A 1106598に与えられている。
言い換えれば、簡単な様式では、その後、本発明に従って用いるべき少なくとも1床の固定触媒床を管束反応槽の中に均一に仕込んでおいた金属管の中に位置させそして実質的に空間を置いて離れて存在する2つの加熱用媒体、一般的には塩溶融物を前記金属管の回りに導く。その個々の塩浴液が広がる管部分が反応ゾーンに相当する。
例えば、塩浴液Aを好適にはプロペンの酸化変換(1回通す時)が進行する管部分(反応ゾーンA)の回りに40から80モル%の範囲の変換値が達成されるまで流しそして塩浴液Bを好適にはプロペンの次の酸化変換(1回通す時)が進行する管部分(反応ゾーンB)の回りに一般に少なくとも93モル%の変換値が達成されるまで流す(必要ならば、反応ゾーンA、Bの後にさらなる反応ゾーンを設けてもよく、それらを個々の温度に維持する)。
その塩浴液を個々の温度ゾーンの中に原則として1ゾーン方法の場合と同様な様式で導いてもよい。通常は、塩浴液Bの流入温度の方が塩浴液Aの温度より少なくとも5から10℃高くなるようにする。さもなければ、その流入温度を1ゾーン方法の場合に推奨した流入温度の温度範囲内にしてもよい。
他の様式では、プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる2ゾーンの高負荷方法を例えばDE−A 10 30 8836、EP−A 11 06 598に記述されているようにしてか、或はWO 01/36364またはDE−A 19 92 7624またはDE−A 19 94 8523、DE−A 10 31 3210、DE−A 10 31 3213に記述されているようにしてか、或はDE−A 19 94 8248に記述されているようにして実施することも可能である。
プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時の本発明に従う方法は、一般に、固定触媒床上でプロペンが示す1時間当たりの空間速度を≦70 l(STP)/l・時、または≧70 l(STP)/l・時、≧90 l(STP)/l・時、≧110 l(STP)/l・時、≧130 l(STP)/l・時、≧140 l(STP)/l・時、≧160 l(STP)/l・時、≧180 l(STP)/l・時、≧240 l(STP)/l・時、≧300 l(STP)/l・時であるが、通常は≦600 l(STP)/l・時にする場合に適切である。ここで、1時間当たりの空間速度は、排他的に不活性材料で構成されている如何なる使用断面も排除した固定触媒床の体積が基になっている(一般に特に明記しない限り本資料の場合と同様に)。
プロペンからアクロレインを生じさせる本発明の部分酸化用の固定触媒床を生じさせる時の本発明に従う方法で使用することができる触媒体は、単に多金属酸化物活性組成物が備わっている適切な形状の触媒体であるか、或は多金属酸化物活性組成を有する成形触媒体と多金属酸化物活性組成物を持たない成形体(プロペンからアクロレインを生じさせる不均一触媒使用部分気相酸化に関して実質的に不活性に挙動する)(および不活性材料で構成されている)(成形された希釈用物体)の実質的に均一な混合物である。そのような不活性な成形体に有用な材料は、原則として、「プロペンからアクロレインを生じさせる」被覆触媒用の担体材料として用いるにもまた適した成形体の全部である。そのような有用な材料は、例えば多孔性もしくは無孔性酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、ケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウムなど、または既に述べたステアタイト(例えばCeramTecのSteatite C220)などである。
そのような成形された不活性な希釈用物体に持たせる形状は原則として望まれるような形状であってもよい。言い換えれば、それらは例えば球形、多角形、固形円柱または環であってもよい。本発明に従い、選択する不活性な成形希釈用物体は、好適には、これで希釈すべき1番目の段階の成形触媒体の形状に相当する形状を有する物体である。
一般に、その記述したプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時に用いる活性組成物の化学組成が固定触媒床全体に渡って同じであるようにするのが好ましい。言い換えれば、個々の成形触媒体で用いる活性組成物は例えばMoおよび/またはW元素およびまたBi、Fe、Sb、SnおよびCu元素の中の少なくとも1種を包含するいろいろな多金属酸化物の混合物であってもよいが、その場合、有利には、同じ混合物を固定触媒床に含める成形触媒体の全部に用いる。
プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時、好適には、比体積(即ち体積単位に対して正規化した)活性が一般に出発反応ガス混合物が流れる方向で固定触媒床の中で連続的、突然または段階的に高くなるようにする。
その比体積活性を低くしようとする場合、例えば、均一な様式で生じさせた基本的量の成形触媒体を希釈用成形体で均一に希釈することによる簡単な様式でそれを実施することができる。選択する希釈用成形体の分率を高くすればするほど活性組成物の量が少なくなる、即ちある体積の固定床が示す触媒活性が低くなる。
従って、反応ガス混合物が固定触媒床の上を流れる方向で比体積活性を少なくとも1回高くすることは、例えばある種の成形触媒体を基準にした不活性な希釈用成形体の分率が高い床で開始した後に希釈用成形体の分率を流れる方向に連続的にか或は少なくとも1回または2回以上突然(例えば段階的)に低くして行くことなどによる簡単な様式で達成可能である。しかしながら、また、例えば成形された被覆触媒体の形状および活性組成物の種類を一定にしながら担体に付着させる活性組成物の層厚を厚くするか或は形状は同じであるが活性組成物の重量比が異なる被覆触媒の混合物に含める活性組成物の重量比が高い方の成形触媒体の分率を高くすることなどで比体積活性を高くすることも可能である。別法として、また、活性組成物自身の希釈を活性組成物調製過程に例えば希釈用の不活性な材料、例えば高度の焼成を受けさせておいた二酸化ケイ素を焼成を受けさせるべき出発化合物の乾燥混合物の中に混合することなどで実施することも可能である。希釈用材料をいろいろな量で添加すると自動的にいろいろな活性がもたらされる。添加する希釈用材料の量を多くすればするほど結果として活性が低くなるであろう。また、例えば非担持型触媒と被覆触媒(同じ活性組成物を使用)の混合物の中の混合比を適切に変えることなどでも同様な効果を達成することができる。また、この記述した変法を組み合わせて用いることも可能であることは理解されるであろう。
活性組成が化学的に異なりそしてこのように組成が異なる結果として活性が異なる触媒の混合物も勿論また本発明でプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時の固定触媒床で使用可能である。この場合、そのような混合物を不活性な希釈用物体で希釈してもよい。
本発明でプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時の固定触媒床の中の活性組成を有する部分の上流および/または下流に排他的に不活性材料(例えば希釈用成形体のみ)で構成されている床を位置させてもよい。それらも同様に固定触媒床の温度になり得る。不活性な床で用いる希釈用成形体に持たせる形状は活性組成を有する固定触媒床部分で用いる成形触媒体のそれと同じであってもよい。しかしながら、また、不活性な床で用いる希釈用成形体の形状を上述した成形触媒体の形状と異ならせることも可能である(例えば環ではなく球)。
そのような不活性床で用いる成形体に持たせる形状はしばしば7mmx7mmx4mm(外径x長さx内径)の環形状または直径d=4−5mmの球形である。
本発明に従う方法でプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる場合、多くの場合、活性組成物を有する固定触媒床部分に持たせる構造を反応ガス混合物が流れる方向に下記のようにする。
最初の10から60%、好適には10から50%、より好適には20から40%、最も好適には25から35%の長さ(即ち例えば0.70から1.50m、好適には0.90から1.20mの長さ)(各々活性組成物を有する固定床触媒仕込み物部分の全長の)までは、成形触媒体と希釈用成形体(好適には両方に持たせる形状を実質的に同じにする)の1種類の均一な混合物または逐次的(希釈度が低くなるように)に位置する2種類の均一な混合物[希釈用成形体の重量比(成形触媒体の質量密度と希釈用成形体の質量密度の差は僅かのみである)が通常は5から40重量%、好適には10から40重量%または20から40重量%、より好適には25から35重量%]を位置させる。その後、前記最初のゾーンの下流、有利にはしばしば活性組成物を有する固定触媒床部分の長さ方向が終了する所まで[即ち例えば2.00から3.00m、好適には2.50から3.00mの長さまで]、希釈度がより低い(前記1番目のゾーンに比べて)度合のみの成形触媒体の床、或は最も好適には、前記1番目のゾーンでも用いた成形触媒体と同じ触媒体単独の床のいずれかを位置させる。
この上に記述したことは、特に、固定触媒床で用いる成形触媒体が非担持型触媒環または被覆触媒環(特に本資料で好適であるとして挙げたそれら)の時に当てはまる。上述した構造にする目的で、本発明に従う方法では、成形触媒体またはこれの担体環と希釈用成形体の両方に有利には5mmx3mmx2mm(外径x長さx内径)の実質的に環の形状を持たせる。
この上に挙げたことは、また、不活性な希釈用成形体の代わりに活性組成物含有量が成形被覆触媒体の活性組成物含有量より2から15重量%低い成形被覆触媒体を固定触媒床の最後の所に用いる時にも当てはまる。
一般的には、反応ガス混合物が流れる方向に長さが固定触媒床の全長を基準にして約1または5から20%の純粋に不活性な材料の床を固定触媒床開始部分に位置させる。それを通常は反応ガス混合物加熱用ゾーンとして用いる。
プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる段階の管束反応槽の中に入れる触媒管を典型的にはフェライト鋼で製造し、そしてそれの壁厚を典型的には1から3mmにする。それの内径を一般に(均一に)20から30mm、しばしば21から26mmにする。管束槽の中に入れる触媒管の数を適用の観点から適切には少なくとも5000、好適には少なくとも10000にする。反応槽の中に入れる触媒管の数をしばしば15000から30000にする。触媒管の数が40000を超える管束反応槽は一般に前記反応段階にとって例外的である。そのような触媒管を槽の中に通常は均一な分布で配置し、そしてその分布を適切には直ぐ隣に位置する触媒管の内部中心軸と軸の距離(触媒管ピッチとして知られる)が35から45mmになるように選択する(例えばEP−B 468290を参照)。
アクロレインからアクリル酸を生じさせる反応段階(および本発明に従う方法の適用)の実施は、例えばEP−A 700 893またはDE−A 4 431 949またはWO 03/057653またはWO 03/055835またはWO 03/059857またはWO 03/076373に記述されているようにして、この反応の固定触媒床に適切であるとして記述した触媒を用い、その固定床触媒を管束反応槽に仕込み、適用の観点から最も簡単な様式で適切に実施可能である。
言い換えれば、最も簡単な様式では、使用すべき固定触媒床を管束反応槽の中に均一に仕込んでおいた金属管の中に位置させそして加熱用媒体(1ゾーン方法)、一般的には塩溶融物を前記金属管の回りに導く。塩溶融物(加熱用媒体)と反応ガス混合物を簡単な並流もしくは向流で導いてもよい。しかしながら、また、加熱用媒体(塩溶融物)を管束の回りに反応槽の上から見て蛇行した(反応槽全体を単に上から見ると反応ガス混合物が流れる方向に並流もしくは向流が存在するような)様式で導くことも可能である。そのような加熱用媒体(熱交換用媒体)の体積流量を典型的には熱交換用媒体が反応槽の入り口地点から反応槽の出口地点に向かって起こす温度上昇(反応の発熱によって生じる)が0から10℃、しばしば2から8℃、頻繁に3から6℃になるような流量にする。そのような熱交換用媒体が管束反応槽の中に入る時の温度(これは本資料では固定触媒床の温度に相当する)を一般に220から350℃、しばしば245から285℃または245から265℃にする。適切な熱交換用媒体は特に流動する加熱用媒体である。塩、例えば硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムおよび/または硝酸ナトリウムなどまたは低融点の金属、例えばナトリウム、水銀およびまたいろいろな金属の合金などの溶融物の使用が特に適切である。また、イオン性液体を用いることも可能である。
適切には、その出発反応ガス混合物を所望の反応温度になるように前以て加熱しておいた固定床触媒の仕込み物に送り込む。
特に、固定触媒床上でアクロレインが示す1時間当たりの空間速度を高くする[例えば≧130 l(STP)/l・時、または≧140 l(STP)/l・時であるが、一般的には≦350 l(STP)/l・時、または≦600 l(STP)/l・時]ことが望まれる場合には、アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる本発明に従う工程を適切には2ゾーンもしくは多ゾーンの管束反応槽内で実施する(しかしながら、それを1ゾーンの管束反応槽内で実施することも同様に可能である)。本発明に従って前記目的で使用可能な2ゾーン管束反応槽の好適な変形がDE−C 2830765に開示されている。しかしながら、また、DE−C 2513405、US−A 3147084、DE−A 2201528、EP−A 383224およびDE−A 2903582に開示されている2ゾーンの管束反応槽も適切である。
言い換えれば、最も簡単な様式では、本発明に従って用いるべき少なくとも1床の固定触媒床を管束反応槽の中に均一に仕込んでおいた金属管の中に位置させそして実質的に空間を置いて離れて存在する2つの加熱用媒体、一般的には塩溶融物を前記金属管の回りに導く。その個々の塩浴液が広がる管部分が温度または反応ゾーンに相当する。
例えば、塩浴液Cを好適にはアクロレインの酸化変換(1回通す時)が進行する管部分(反応ゾーンC)の回りに55から85モル%の範囲の変換値が達成されるまで流しそして塩浴液Dを好適にはアクロレインの次の酸化変換(1回通す時)が進行する管部分(反応ゾーンD)の回りに一般に少なくとも90モル%の変換値が達成されるまで流す(必要ならば、反応ゾーンC、Dの後にさらなる反応ゾーンを設けてもよく、それらを個々の温度に維持する)。
その塩浴液を個々の温度ゾーンの中に原則として1ゾーン方法の場合と同様な様式で導いてもよい。通常は、塩浴液Dの流入温度の方が塩浴液Cの温度より少なくとも5から10℃高くなるようにする。さもなければ、その流入温度を1ゾーン方法の場合に推奨した流入温度の温度範囲内にしてもよい。
他の様式では、アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる2ゾーンの高負荷方法を例えばDE−A 19 94 8523、EP−A 11 06 598に記述されているようにしてか、或はDE−A 19 94 8248に記述されているようにして実施することも可能である。
従って、本発明に従う方法は、固定触媒床上でアクロレインが示す1時間当たりの空間速度を≦70 l(STP)/l・時、または≧70 l(STP)/l・時、≧90 l(STP)/l・時、≧110 l(STP)/l・時、≧130 l(STP)/l・時、≧180 l(STP)/l・時、≧240 l(STP)/l・時、≧300 l(STP)/l・時であるが、通常は≦600 l(STP)/l・時にする場合に適切である。1時間当たりの空間速度は、排他的に不活性材料で構成されている如何なる使用断面も排除した固定触媒床の体積が基になっている。
本発明でアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合の少なくとも1床の固定触媒床を生じさせる時に使用することができる触媒体は、単に多金属酸化物活性組成物が備わっている適切な形状の触媒体であるか、或は多金属酸化物活性組成を有する成形触媒体と多金属酸化物活性組成物を持たない成形体(不均一触媒使用部分気相酸化に関して実質的に不活性に挙動する)(および不活性材料で構成されている)(成形された希釈用物体)の実質的に均一な混合物である。そのような不活性な成形体に有用な材料は、原則として、本発明に従って用いるに適した「アクロレインからアクリル酸を生じさせる」被覆触媒用の担体材料として用いるにもまた適した成形体の全部である。そのような有用な材料は、例えば多孔性もしくは無孔性酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化トリウム、二酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、ケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウムなど、または既に述べたステアタイト(例えばCeramTecのSteatite C220)などである。
そのような成形された不活性な希釈用物体に持たせる形状は原則として望まれるような形状であってもよい。言い換えれば、それらは例えば球形、多角形、固形円柱または環であってもよい。本発明に従い、選択する不活性な成形希釈用物体は、好適には、これで希釈すべき成形触媒体の形状に相当する形状を有する物体である。
本発明に関連してアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる時、一般に、その用いる活性組成物の化学組成が固定触媒床全体に渡って同じであるようにするのが好ましい。言い換えれば、個々の成形触媒体で用いる活性組成物は例えばMoおよびV元素を包含するいろいろな多金属酸化物の混合物であってもよいが、その場合、有利には、同じ混合物を固定触媒床に含める成形触媒体の全部に用いるべきである。
本発明でアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合、好適には、比体積(即ち体積単位に対して正規化した)活性が一般に反応ガス混合物が流れる方向で固定触媒床の中で連続的、突然または段階的に高くなるようにする。
その比体積活性を低くしようとする場合、例えば、均一な様式で生じさせた基本的量の成形触媒体を希釈用成形体で均一に希釈することによる簡単な様式でそれを実施することができる。選択する希釈用成形体の分率を高くすればするほど活性組成物の量が少なくなる、即ちある体積の固定床が示す触媒活性が低くなる。
このように、本発明に従ってアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる方法では、反応ガス混合物が固定触媒床の上を流れる方向で比体積活性を少なくとも1回高くすることは、例えばある種の成形触媒体を基準にした不活性な希釈用成形体の分率が高い床で開始した後に希釈用成形体の分率を流れる方向に連続的にか或は少なくとも1回または2回以上突然(例えば段階的)に低くして行くことなどによる簡単な様式で達成可能である。しかしながら、また、例えば成形された被覆触媒体の形状および活性組成物の種類を一定にしながら担体に付着させる活性組成物の層厚を厚くするか或は形状は同じであるが活性組成物の重量比が異なる被覆触媒の混合物に含める活性組成物の重量比が高い方の成形触媒体の分率を高くすることなどで比体積活性を高くすることも可能である。別法として、また、活性組成物自身の希釈を活性組成物調製過程に例えば希釈用の不活性な材料、例えば高度の焼成を受けさせておいた二酸化ケイ素を焼成を受けさせるべき出発化合物の乾燥混合物の中に混合することなどで実施することも可能である。希釈用材料をいろいろな量で添加すると自動的にいろいろな活性がもたらされる。添加する希釈用材料の量を多くすればするほど結果として活性が低くなるであろう。また、例えば非担持型触媒と被覆触媒(同じ活性組成物を使用)の混合物の中の混合比を適切に変えることなどでも同様な効果を達成することができる。また、この記述した変法を組み合わせて用いることも可能であることは理解されるであろう。
活性組成が化学的に異なりそしてこのように組成が異なる結果として活性が異なる触媒の混合物も勿論また本発明でアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる時の固定触媒床で用いることも可能である。この場合、そのような混合物を不活性な希釈用物体で希釈してもよい。
活性組成を有する固定触媒床部分の上流および/または下流に排他的に不活性材料(例えば希釈用成形体のみ)で構成されている床を位置させてもよい。それらも同様に固定触媒床の温度になり得る。不活性な床で用いる希釈用成形体に持たせる形状は活性組成を有する固定触媒床部分で用いる成形触媒体のそれと同じであってもよい。しかしながら、また、不活性な床で用いる希釈用成形体の形状を上述した成形触媒体の形状と異ならせることも可能である(例えば環ではなく球)。
そのような不活性床で用いる成形体に持たせる形状はしばしば7mmx7mmx4mm(外径x長さx内径)の環形状または直径d=4−5mmの球形である。
アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる本発明の方法では、多くの場合、活性組成物を有する固定触媒床部分に持たせる構造を反応ガス混合物が流れる方向に下記のようにする。
最初の10から60%、好適には10から50%、より好適には20から40%、最も好適には25から35%の長さ(即ち例えば0.70から1.50m、好適には0.90から1.20mの長さ)(各々活性組成物を有する固定床触媒仕込み物部分の全長の)までは、成形触媒体と希釈用成形体(好適には両方に持たせる形状を実質的に同じにする)の1種類の均一な混合物または逐次的(希釈度が低くなるように)に位置する2種類の均一な混合物[希釈用成形体の重量比(成形触媒体の質量密度と希釈用成形体の質量密度の差は僅かのみである)が通常は10から50重量%、好適には20から45重量%、より好適には25から35重量%]を位置させる。その後、前記最初のゾーンの下流、有利にはしばしば活性組成物を有する固定触媒床部分の長さ方向が終了する所まで[即ち例えば2.00から3.00m、好適には2.50から3.00mの長さまで]、希釈度がより低い(前記1番目のゾーンまたは最初の2ゾーンに比べて)度合のみの成形触媒体の床、或は最も好適には、前記1番目のゾーン(または最初の2ゾーン)でも用いた成形触媒体と同じ触媒体単独の床のいずれかを位置させる。
この上に記述したことは、特に、固定触媒床で用いる成形触媒体が被覆触媒環または被覆触媒球(特に本資料でアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合に好適であるとして挙げたそれら)の時に当てはまる。上述した構造にする目的で、本発明に従ってアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる方法では、成形触媒体またはこれの担体環と希釈用成形体の両方に有利には7mmx3mmx4mm(外径x長さx内径)の実質的に環の形状を持たせる。
この上に挙げたことは、また、不活性な希釈用成形体の代わりに活性組成物含有量が成形被覆触媒体の活性組成物含有量より2から15重量%低い成形被覆触媒体を固定触媒床の最後の所に用いる時にも当てはまる。
アクロレインの部分酸化では、一般に、反応ガス混合物が流れる方向に長さが固定触媒床の全長を基準にして5から20%の純粋に不活性な材料の床を固定触媒床開始部分に位置させる。それを通常は反応ガス混合物加熱用ゾーンとして用いる。
本発明でアクロレインに部分酸化を受けさせる場合の管束反応槽の中に入れる触媒管を典型的にはフェライト鋼で製造し、そしてそれの壁厚を典型的には1から3mmにする。それの内径を一般に(均一に)20から30mm、しばしば21から26mmにする。管束槽の中に入れる触媒管の数を適用の観点から適切には少なくとも5000、好適には少なくとも10000にする。反応槽の中に入れる触媒管の数をしばしば15000から30000にする。触媒管の数が40000を超える管束反応槽は一般にアクロレインの部分酸化にとって例外的である。そのような触媒管を槽の中に通常は均一な分布で配置し、そしてその分布を適切には直ぐ隣に位置する触媒管の内部中心軸と軸の距離(触媒管ピッチとして知られる)が35から45mmになるように選択する(例えばEP−B 468290を参照)。
既に記述したように、本発明に従う方法におけるプロペンおよびアクロレインの部分酸化は両方とも1ゾーンまたは2ゾーン管束反応槽内で実施可能である。2つの反応段階を直列に連結する場合には、また、1番目の反応段階のみを1ゾーン管束反応槽内で実施しそして2番目の反応段階を2ゾーンの管束反応槽内で実施することも可能である(またはこの逆も可能である)。その場合、1番目の反応段階の生成物ガス混合物に適宜不活性ガスまたは酸素分子または不活性ガスと酸素分子を補充した後、かつまた適宜直接的および/または間接的な中間的冷却を完了させた後、それを2番目の反応段階に直接送る。
1番目と2番目の反応段階の管束反応槽の間に中間的冷却装置を位置させてもよく、その冷却装置に場合により不活性な床を入れておいてもよい。
また、例えばWO 03/059857、EP−A 911313およびEP−A 990636に記述されているように、プロペンからアクリル酸を生じさせる2段階部分酸化を起こさせる本発明の方法の場合のプロペンの部分酸化の固定触媒床およびアクロレインの部分酸化の固定触媒床を触媒管が複数備わっている単一の管束反応槽(同様に例えば2つの反応ゾーンを有する)の中に間隔を置いて逐次的に入れることも可能であることは理解されるであろう。このケースを単一反応槽の2段階方法と呼ぶ。この場合、1つの温度ゾーンが一般に1つの固定触媒床全体に及んでいる。追加的に、その2つの固定触媒床の間に不活性な床を位置させることも可能であり、それを適宜3番目の反応ゾーンの中に位置させて個別に加熱する。前記触媒管を連続的に位置させてもよいか或はそれらの間に不活性な床を割り込ませることも可能である。
「プロペンからアクロレインを生じさせる反応段階」の仕込みガス混合物(出発反応ガス混合物1)で用いるべき不活性ガスの例えば≧20体積%、または≧30体積%、または≧40体積%、または≧50体積%、または≧60体積%、または≧70体積%、または≧80体積%、または≧90体積%、または≧95体積%を酸素分子で構成させてもよい[固定触媒床で選択する1時間当たりのプロペン空間速度に関係なく(かつ「アクロレインからアクリル酸を生じさせる反応段階」を下流に存在させるか否かに関係なく]。
しかしながら、また、そのような不活性な希釈用ガスに例えばH2Oを2から35または20重量%およびN2を65から98体積%含有させることも可能である。
しかしながら、本発明に従う方法で、「プロペンからアクロレインを生じさせる反応段階」の固定触媒床上でプロペンが示す1時間当たりの空間速度を250 l(STP)/l・時以上にする場合には、プロパン、エタン、メタン、ブタン、ペンタン、CO2、CO、蒸気および/または貴ガスのような不活性な希釈用ガスを用いることを推奨する。しかしながら、そのようなガスはまたプロペンの1時間当たりの空間速度をより低くした時にも使用可能であることは理解されるであろう。
本発明でプロペンからアクロレインを生じさせる気相部分酸化を実施している過程(特に固定触媒床稼働時間の開始時)の作業圧力は大気圧以下(例えば0.5バール以下)または大気圧以上のいずれであってもよい。プロペンに気相部分酸化を受けさせる時の作業圧力を典型的には1から5バール、しばしば1から3バールの値にする。
本発明でプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時には、一般に、反応圧力が100バールを超えないようにする。しかしながら、プロペンからアクロレインを生じさせる部分酸化の場合の少なくとも1床の固定触媒床の稼働時間の間に作業圧力を出発反応ガス混合物1がそれの上で示す同じ1時間当たりの空間速度[l(STP)/l・時]を基準にして高くして行くことで前記少なくとも1床の固定触媒床の失活に対抗することが本発明にとって必須である。この圧力を高くする度合は本資料の一般的部分に記述した度合であってもよい。本発明の手順を資料EP−A 990 636、EP−A 11 06 598、EP−A 614 872、DE−A 10 35 0822、DE−A 10 23 2748およびDE−A 10351269に推奨されている触媒床の稼働時間を長くする手順と極めて一般的に組み合わせて用いてもよいことは極めて一般的であることは理解されるであろう。このようにして、数年に及ぶ触媒床稼働時間を達成することができる。
本発明に従う方法でプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる場合に適切な固定触媒床の中に導く出発反応ガス混合物1の中のO2:プロペンのモル比を通常は≧1にする(アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる下流の段階を存在させるか否かに実質的に関係無く)。前記比率を典型的には≦3の値にする。上述した仕込みガス混合物中のO2:プロペン比をしばしば有利には1:2から1:1.5にする。多くの場合、プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる工程を出発反応ガス混合物1中のプロペン:酸素:不活性ガス(蒸気を包含)の体積比[l(STP)/l・時]を1:(1から3):(3から30)、好適には1:(1.5から2.3):(10から15)にして実施する。
出発反応ガス混合物1中のプロペン分率を例えば4から20体積%、しばしば5または7から15体積%また6または8から12体積%または5から8体積%(各場合とも総体積を基準)の値にしてもよい。
出発反応ガス混合物1の典型的な組成(選択する1時間当たりの空間速度に関係なくかつ次にアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせるか否かに関係なく)は下記の成分を含有し得る:
プロペンを6から6.5体積%、
2Oを3から3.5体積%、
COを0.3から0.5体積%、
CO2を0.8から1.2体積%、
アクロレインを0.025から0.04体積%、
2を10.4から10.7体積%、そして
残りとして窒素分子を100%になるまで、または
プロペンを5.4体積%、
酸素を10.5体積%、
COxを1.2体積%、
2を80.5体積%、および
2Oを2.4体積%。
しかしながら、また、本発明に従ってプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる場合の出発反応ガス混合物1に下記の組成を持たせることも可能である:
プロペンを6から15体積%、
水を4から30体積%(しばしば6から15体積%)、
プロペン、水、酸素および窒素以外の成分を≧0から10体積%(好適には≧0から5体積%)、
酸素分子を存在するプロペン分子に対する存在する酸素分子のモル比が1.5から2.5であるに充分な量、そして
残りとして窒素分子を全体量が100体積%になる量。
本発明に従ってプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる場合の別の可能な出発反応ガス混合物1は下記を含んで成り得る:
プロペンを6.0体積%、
空気を60体積%、および
2Oを34体積%。
別法として、「プロペンからアクロレインを生じさせる反応段階」で、また、EP−A 990 636の実施例1に従うか、或はEP−A 990 636の実施例2に従うか、或はEP−A 1 106 598の実施例3に従うか、或はEP−A 1 106 598の実施例26に従うか、或はEP−A 1 106 598の実施例53に従う組成を有する出発反応ガス混合物1を用いることも可能である。
本発明に従って「プロペンからアクロレインを生じさせる反応段階」で用いるに適したさらなる出発反応ガス混合物1は、下記の組成構成の範囲内に入り得る:
プロペンを7から11体積%、
水を6から12体積%、
プロペン、水、酸素および窒素以外の成分を≧0から5体積%、
酸素分子を存在するプロペン分子に対する存在する酸素のモル比が1.4から2.2であるに充分な量、そして
残りとして窒素分子を全体量が100体積%になる量。
出発反応ガス混合物1で用いるべきプロペンは、特に、例えばDE−A 10232748に記述されているような重合体品質のプロペンおよび化学品品質のプロペンである。
この時点で、また、次に「アクロレインからアクリル酸を生じさせる反応段階」を実施するか否かに関係なく、「プロペンからアクロレインを生じさせる反応段階」の仕込みガス混合物の一部をサイクルガスとして知られるそれにすることも可能であることも注目すべきである。既に記述したように、それは、処理(アクロレインおよびアクリル酸を取り出す)[この後に通常は最後の反応段階を実施する]中にこの反応段階の生成物ガス混合物から生成物を取り出した後に残存するガスであり、それを一般的には実質的に不活性な希釈用ガスとして一部を再循環させてプロペン反応段階および/または次の任意のアクロレイン反応段階に仕込む。
使用する酸素源は通常は空気である。
本発明に従う方法で出発反応ガス混合物1が固定触媒床(純粋に不活性な部分を除く)上で示す1時間当たりの空間速度を典型的には1000から10000 l(STP)/l・時、通常は1000から5000 l(STP)/l・時、しばしば1500から4000 l(STP)/l・時にする(次に「アクロレインからアクリル酸を生じさせる反応段階」を実施するか否かに関係なく)。
プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせた後にアクロレインに部分酸化を受けさせる場合、そのプロペン反応段階の生成物ガス混合物を、適宜中間的冷却を実施した後、アクロレイン反応段階に送る。そのアクロレイン反応段階に必要な酸素をプロペン反応段階用の出発反応ガス混合物1に過剰分として既に添加しておいてもよく、このように、それがプロペン反応段階の生成物ガス混合物の1成分であるようにしてもよい。この場合、プロペン反応段階の生成物ガス混合物を適宜中間的に冷却した後、それがアクロレイン反応段階の直接的仕込みガス混合物になるようにしてもよい。しかしながら、また、アクロレインからアクリル酸を生じさせる2番目の酸化段階に要する酸素のいくらかまたは全部をプロペン反応段階の生成物ガス混合物にこれがアクロレイン反応段階に入るまで例えば空気の形態などで添加しないことも可能である。それを添加すると、それに伴ってアクロレイン反応段階の生成物ガス混合物が直接冷却される可能性がある。
上述した関連の結果として、アクロレイン反応段階用の仕込みガス混合物(出発反応ガス混合物2)に存在する不活性ガス(先行するプロペン反応段階が存在するか否かに関係なく)の例えば≧20体積%、または≧30体積%、または≧40体積%、または≧50体積%、または≧60体積%、または≧70体積%、または≧80体積%、または≧90体積%、または≧95体積%が窒素分子で構成されるようにしてもよい。
しかしながら、しばしば、アクロレイン反応段階用の仕込みガスに存在する不活性な希釈用ガスの5から25または20重量%がH2O(これは例えば先行するプロペン反応段階で生じ得そして/または適宜添加可能である)で70から90体積%がN2で構成されるようにする。
しかしながら、本発明に従う方法でアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合にアクロレインが固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度が250 l(STP)/l・時を超える場合、不活性な希釈用ガス、例えばプロパン、エタン、メタン、ブタン、ペンタン、CO2、蒸気および/または貴ガスなどの使用を推奨する。そのようなガスをまたアクロレインが1時間当たりに示す空間速度が比較的低い時にも使用してもよいことは理解されるであろう。
本発明でアクロレインに気相部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる時の作業圧力(特に固定触媒床の稼働時間の開始時)は大気圧以下(例えば0.5バール以下)または大気圧以上のいずれであってもよい。アクロレインに気相部分酸化を受けさせる時の作業圧力を典型的には1から5バール、しばしば1から3バールの値にする。
本発明でアクロレインに部分酸化を受けさせる時の反応圧力を通常は100バール以下にしない。しかしながら、少なくとも1床の固定触媒床の失活に対抗する目的で、アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合の少なくとも1床の固定触媒床の稼働時間中に作業圧力を出発反応ガス混合物2がそれの上で示す同じ1時間当たりの空間速度[l(STP)/l・時]を基準にして高くして行くことが本発明にとって必須である。圧力を本資料の一般的部分に記述した度合まで上昇させてもよい。本発明の手順を資料EP−A 990 636、EP−A 11 06 598、EP−A 614 872、DE−A 10 35 0822、DE−A 10 23 2748およびDE−A 10351269に推奨されている触媒床の稼働時間を長引かせる手順と組み合わせて用いてもよいことは極めて一般的であることは理解されるであろう。このようにして、数年に及ぶ触媒床稼働時間を達成することができる。
本発明に従う方法のアクロレイン反応段階で適切な固定触媒床の中に導く仕込みガス混合物の中のO2:アクロレインのモル比を通常は≧1にする(先行するプロペン反応段階を存在させるか否かに関係無く)。前記比率を典型的には≦3の値にする。本発明に従い、上述した仕込みガス混合物中のO2:アクロレイン比をしばしば1から2または1から1.5にする。多くの場合、本発明に従う方法では、出発反応ガス混合物2(アクロレイン反応段階の仕込みガス混合物)中のアクロレイン:酸素:蒸気:不活性ガスの体積比[l(STP)/l・時]を1:(1から3):(0から20):(3から30)、好適には1:(1から3):(0.5から10):(7から20)にして実施する。
アクロレイン反応段階用の仕込み反応ガス混合物中のアクロレイン分率(先行するプロペン反応段階を存在させるか否かに関係なく)を例えば3または6から15体積%、しばしば4または6から10体積%、または5から8体積%(各場合とも総体積を基準)の値にしてもよい。本発明の「アクロレインからアクリル酸を生じさせる工程」で仕込みガス混合物(出発反応ガス混合物2)が固定触媒床(ここでは純粋に不活性な部分を除く)上で示す1時間当たりの空間速度を典型的には「プロペンからアクロレインを生じさせる反応段階」の場合と同様に1000から10000 l(STP)/l・時、通常は1000から5000 l(STP)/l・時、しばしば1500から4000 l(STP)/l・時にする。
本発明に従う方法を実施する時、プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる場合の新鮮な固定触媒床の操作を、これに条件付けを受けさせた後、通常(即ち生じたアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせることを次に行うか否かに関係なく)、出発反応ガス混合物1の組成を決定しかつプロペンに部分酸化を受けさせる場合に出発反応ガス混合物1が固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度を決定した後に固定触媒床の温度(または管束反応槽の加熱ゾーンの中に入る加熱用媒体の流入温度)を反応ガス混合物1を固定触媒床に1回通した時のプロペンの変換率Cproが少なくとも93モル%であるように調整するような様式で実施する。好ましい触媒を用いると、また、≧94モル%、または≧95モル%、または≧96モル%または≧97モル%またはしばしばそれより高いCpro値でさえも可能になる。
プロペンからアクロレインを生じさせる不均一触媒使用部分酸化を連続的に実施する場合、出発反応ガス混合物1の組成および出発反応ガス混合物1が固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度を実質的に一定に維持する(望まれるならば、1時間当たりの空間速度を変動する市場の要求に適合させる)。固定触媒床の活性は経時的に降下するが、反応ガス混合物を1回通した時のプロペン変換率が所望目標範囲(即ち≧93モル%、または≧94モル%、または≧95モル%、または≧96モル%または≧97モル%のCpro値)内に維持されるように、一般に、そのような生産条件下で固定触媒床の温度(管束反応槽の温度ゾーンの中に入る加熱用媒体の流入温度)を時々高くする(通常は加熱用媒体の流量も同様に実質的に一定に維持する)ことでそれに対抗することが行われる。しかしながら、この上に示したそのような手順は本資料の冒頭に記述した欠点を伴う。
従って、DE−A 10351269に記述されているように、本発明に従って気相部分酸化を時々中断して酸素分子と不活性ガスと適宜蒸気で構成させたガス混合物Gを固定触媒床の温度が250から550℃の固定触媒床に導く手順を有利に用いる。その後、工程条件を実質的に維持しながらプロペンの部分酸化を継続し(プロペンが固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度を好適にはゆっくり回復させ)そして固定触媒床の温度をプロペン変換率が所望の目標値を達成するように調整する。そのような温度の値は、変換率を同じにした場合、一般に、部分酸化を中断しそして本発明のガス混合物Gを用いた処理を行う前の固定触媒床が示していた温度よりいくらか低い値であろう。そのような温度値の固定触媒床を用いて出発して部分酸化を残りの条件を実質的に保持しながら継続しそして固定触媒床の活性が経時的に降下した場合、次に、固定触媒床の温度を時々高くすることでそれに適切に対抗する。次に、例えば1連続暦年以内にガス混合物Gを固定触媒床に本発明の様式で導く目的で部分酸化を本発明に従って適切に少なくとも1回中断する。その後、部分酸化を本発明に従って有利に記述したように再開する、等々。しかしながら、作業圧力を高くして行く本発明の手段を触媒床の稼働時間に渡って触媒床の温度を高くして行くことと一緒に用いて影響を適切に及ぼすことができるであろう。これは段階的または一様な様式で実施可能である。
相当する様式で、本発明に従う方法を実施する時、アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合の新鮮な固定触媒床に条件付けを受けさせた後、それの操作を、通常は、その反応段階の操作および出発反応ガス混合物2の組成を決定しかつ出発反応ガス混合物2が適切な固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度を決定した後に固定触媒床の温度(または管束反応槽の加熱ゾーンの中に入る加熱用媒体の流入温度)を出発反応ガス混合物2を固定触媒床に1回通した時のアクロレインの変換率Cacrが少なくとも90モル%であるように調整するような様式で実施する。好ましい触媒を用いると、また、≧92モル%、または≧94モル%、または≧96モル%または≧98モル%、しばしば≧99モル%以上でさえあるCacr値も可能になる。
アクロレインからアクリル酸を生じさせる不均一触媒使用部分酸化を連続的に実施する場合、出発反応ガス混合物2の組成および出発反応ガス混合物2が固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度を実質的に一定に維持する(適宜、1時間当たりの空間速度を変動する市場の要求に適合させる)。固定触媒床の活性は経時的に降下するが、仕込みガス混合物を1回通した時のアクロレイン変換率が所望目標範囲(即ち≧90モル%、または≧92モル%、または≧94モル%、または≧96モル%または≧98モル%、または≧99モル%の値)内に維持されるように、一般に、そのような生産条件下で固定触媒床の温度(管束反応槽の温度ゾーンの中に入る加熱用媒体の流入温度)を時々高くする(通常は加熱用媒体の流量も同様に実質的に維持する)ことでそれに対抗することが行われる。しかしながら、そのような手順は単独では本資料の冒頭に記述した欠点を伴う。
従って、有利には、気相部分酸化を少なくとも1回、例えば固定触媒床に実施する温度上昇を永久的に≧10℃または≧8℃(前以て設定しておいた固定触媒床の温度を基準)にする前などに少なくとも1回中断して前記ガス混合物Gをアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる固定触媒床の中に固定触媒床の温度を200から450℃にして導く(プロペンからアクリル酸を生じさせる2段階部分酸化の場合にはそれをプロペンに酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる固定触媒床を通して導く)手順を実施する。その後、工程条件を実質的に維持しながら部分酸化を継続し(アクロレインが適切な固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度を好適には例えばDE−A 10337788などに記述されているようにゆっくり回復させ)そして固定触媒床の温度をアクロレイン変換率が所望の目標値を達成するように調整する。そのような温度の値は、変換率を同じにした場合、一般に、部分酸化を中断しそして本発明のガス混合物Gを用いた処理を行う前の固定触媒床が示していた温度よりいくらか低い値であろう。そのような温度値の固定触媒床を用いて出発してアクロレインの部分酸化を残りの条件を実質的に維持しながら継続しそして固定触媒床の活性が経時的に降下した場合、次に、固定触媒床の温度を時々高くすることでそれに適切に対抗する。例えば、実施する固定触媒床の温度上昇が永久的に≧10℃または≧8℃になる前に、本発明に従い、部分酸化を次に少なくとも1回中断して前記ガス混合物Gをアクロレインからアクリル酸を生じさせるアクロレイン部分酸化の固定触媒床の中に導く(適宜、それをプロペン反応段階の固定触媒床に通して導く)。その後、部分酸化を本発明に従って有利に記述したように再開する、等々。しかしながら、作業圧力を高くして行く本発明の手段を触媒床の稼働時間に渡って触媒床の温度を高くして行くことと一緒に用いて影響を適切に及ぼすことができるであろう。これは段階的または一様な様式で実施可能である。本発明でプロペンからアクリル酸を生じさせる2段階部分酸化を実施する場合、例えば、圧力調節装置を2反応段階の各々の下流および追加的に下流の吸収用もしくは分別凝縮用塔(これの目的はそれの下方部分で実施した部分酸化の気体状生成物ガス混合物からアクリル酸を凝縮相の中に移行させることにある)の上部に取り付けてもよい。
しかしながら、そのような2段階反応の場合、2番目の反応段階(この段階でアクロレインが部分酸化を受けてアクリル酸が生じる)の下流(好適には生成物ガス混合物の出口に直接)に圧力調節装置を取り付けることでしばしば充分である。
固定触媒床が稼働時間が長期に渡ることである程度失活した場合に使用温度を上昇させる手段で触媒床の再活性化がもたらされることは驚くべきことである。また、そのような圧力上昇を賢明に行うとそれに伴って目標生成物の生成選択率が有意に低下することが全く起こらないことも驚くべきことである。
このように、本発明に従う方法を用いると、一方では、反応装置の中の触媒床、特に固定触媒床の一部または全体を交換することが必要になるまでの稼働時間がより長くなり得る。他方、達成される経時的に積分した反応体変換率も同様に高くなる。
本発明に従う方法は特にプロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる場合(アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる場合)にプロペン(またはアクロレイン)が固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度が≧110 l(STP)/l・時、または≧120 l(STP)/l・時または≧130 l(STP)/l・時になるように操作する時に有利である(反応体が示す1時間当たりの空間速度を高くすればするほど一般に触媒が失活する速度も速くなる)。プロペンからアクリル酸を生じさせる2段階部分酸化を直列で連結する場合、アクロレインに部分酸化を受けさせる場合にアクロレインが固定触媒床上で示す1時間当たりの空間速度の方がプロペンに部分酸化を受けさせる固定触媒床上でプロペンが示す1時間当たりの空間速度より低い度合を各場合とも20 l(STP)/l・時以下にしてもよい。
本発明に従う方法を触媒床に中間的再生を受けさせる手順と組み合わせる場合、その触媒床を長期稼働中に前以て決めておいた変換率になるように温度を常に設定した最大温度未満にして操作可能である。
生成物ガス混合物からのアクリル酸の取り出しそしてそれに伴うサイクルガスの生成はWO 97/48669に記述されているようにして実施可能である。
プロペンに部分酸化を受けさせそしてアクロレインに部分酸化を受けさせることでそれぞれアクロレインおよびアクリル酸を生じさせる目的で新しく仕込む固定触媒床の構成を一般的にはEP−A 990 636およびEP−A 11 06 598に記述されているようにホットスポット生成およびこれの温度感受性の両方が非常に低くなるような様式で実施する。
最後に、本資料で取り扱いかつ考察する気相部分酸化の全部に関して本発明で作業圧力を高くして行くのは少なくとも1床の触媒床の稼働時間が2000時間後、または4000時間後、または7000時間後、または9000時間後、または12000時間後、または15000時間後、または18000時間後、または21000時間後、または24000時間後、または27000時間後、または30000時間後、またはそれ以上の時間後に実施可能であることを強調すべきである。それに中間的再生を含める。プロペンからアクリル酸を生じさせる2段階プロペン部分酸化では、新鮮な触媒床の場合、プロペン反応段階に入れる圧力を1.4から1.9バールにして反応操作を開始しそして稼働時間に渡って流入圧力を2.5から3.0バールにまで高くして行くのが有利であることを見いだした。
また、本発明に従う方法の実施では一般に出発反応ガス混合物を必要な作業圧力にする目的で酸素源として典型的に用いる空気を圧縮する空気圧縮装置(例えばDE−A 10259023およびDE−A 10353014に従う遠心圧縮機)を少なくとも1つ設ける必要があることも強調すべきである。不均一触媒使用部分気相酸化で用いるべき空気圧縮装置のデザインを、一般的には、経済性が理由で、出発反応ガス混合物が触媒床上で示す1時間当たりの所定空間速度で0.5バール以下の範囲の作業圧力を送り込むのが最良であり得るようなデザインにする。従って、本発明の手順を実現する目的で、反応ガス混合物にとって有利な空気圧縮装置(例えば記述した遠心圧縮機)のデザインを出発反応ガス混合物が触媒床上で示す1時間当たりの所定空間速度で>0.5から4バール、しばしば0.6から3.5バール、多くの場合0.7から3バール、しばしば0.8から2.5バールまたは1から2バールの範囲の作業圧力を送り込むことができる(即ち圧縮装置による可能な最高作業圧力が最低作業圧力より高い度合が4バール以下であるようにしてもよい)ようなデザインにする。この上に記述したことは、特に、出発反応ガス混合物が触媒床上で示す1時間当たりの空間速度が≧1500 l(STP)/l・時、または≧2000 l(STP)/l・時、または≧2500 l(STP)/l・時、または≧3000 l(STP)/l・時、または≧4000 l(STP)/l・時の時に当てはまる。本発明に従う方法では、上述した1時間当たりの空間速度の値を一般に≦5000 l(STP)/l・時にする。場合により、出発反応ガス混合物に含める他の成分(例えばサイクルガス)もまた必要に応じて空気圧縮装置で作業圧力にしてもよい。しかしながら、反応体、例えばプロペンおよびプロパンなどは一般に液体として貯蔵されていることから、一般的には、それから直接蒸発させて作業圧力にする。ある場合には、サイクルガスを個別に圧縮する。
実施例および比較実施例
A) プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせる時に用いるべき触媒Cpの調製
下記の活性多金属酸化物化学量:
[Bi229・2WO3]0.5[Mo12Co5.5Fe2.94Si1.590.06x]1
を有する非担持型環状触媒の調製
1. 出発組成物1の調製
硝酸中の硝酸ビスマス水溶液(Biが11.2重量%で、遊離硝酸が3から5重量%で、質量密度が1.22から1.27g/ml)(775kg)を25℃で撹拌しながらこれに209.3kgのタングステン酸(Wが72.94重量%)を分割して入れた。次に、その結果として得た水性混合物を25℃で更に2時間撹拌した後、噴霧乾燥を実施した。
前記噴霧乾燥を回転式円盤状噴霧塔の中で気体流入温度が300±10℃で気体流出温度が100±10℃になるように向流で実施した。次に、その結果として得た噴霧粉末(粒径が実質的に均一で30μm)[これが示した強熱減量(600℃の空気下で3時間強熱)は12重量%であった]をニーダーで水を16.8重量%(前記粉末を基準)用いてペースト状に変化させた後、押出し加工機(回転モーメント:≦50Nm)を用いて押出し加工することで直径が6mmの押出し加工品を得た。それらを6cmの断片に切断し、温度が90−95℃(ゾーン1)および125℃(ゾーン2)および125℃(ゾーン3)の3ゾーンベルト型乾燥機で滞留時間を120分間にして空気下で乾燥させた後、温度が780から810℃の範囲の熱処理を実施した[焼成;回転式管型オーブンに空気(容量1.54m3、200m3(STP)の空気/時)を流し込むことで]。その焼成温度を正確に調整しようとする時には、焼成品の相組成が所望の相組成に向かうようにすべきであることが必須である。所望相はWO3(単斜)およびBi229であり、γ−Bi2WO6(Russellite)の存在は望ましくない。従って、焼成後のx線粉末回折において2θ=28.4゜(CuKα放射線)の反射角の所の反射で化合物γ−Bi2WO6がまだ検出される場合には調製を繰り返すべきであり、そして焼成温度を指定温度範囲内で高くするか或は焼成温度を一定にして滞留時間を長くすることで、最終的に前記反射の消失を達成する。そのようにして得た予成形焼成混合酸化物を粉砕することで、結果としてもたらされる粒径のX50値(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版(1998)、Electronic Release、3.1.4章またはDIN 66141を参照)が5mmになるようにした。次に、その粉砕した材料を1重量%(前記粉砕した材料を基準)の量の微細SiO2[DegussaのSipernat(商標)タイプ(かさ密度150g/l、SiO2粒子のX50値は10μmであり、BET表面積は100m2/gであった)]と混合した。
2. 出発組成物2の調製
600 lの水を60℃で撹拌しながらこれにヘプタモリブデン酸アンモニウム四水化物(MoO3が81.5重量%)を213kg溶解させそしてその結果として生じた溶液を60℃に維持しながら混合しそして水酸化カリウム水溶液(KOHが46.8重量%)(0.97kg)と一緒にして20℃で撹拌することで溶液Aを生じさせた。
262.9kgの硝酸コバルト(II)水溶液(Coが12.4重量%)に60℃で116.25kgの硝酸鉄(III)水溶液(Feが14.2重量%)を導入することを通して溶液Bの調製を実施した。その後、60℃に維持しながら溶液Bを最初に仕込んでおいた溶液Aに30分かけて連続的にポンプ輸送した。その後、その混合物を60℃で15分間撹拌した。次に、その結果として得た水性混合物にDupontのLudoxシリカゲル(SiO2が46.80重量%、密度が1.36から1.42g/ml、pHが8.5から9.5、最大アルカリ含有量が0.5重量%)を19.16kg加えた後、その混合物を60℃で更に15分間撹拌した。
その後、その混合物に回転式円盤状噴霧塔(気体流入温度:400±10℃、気体流出温度:140±5℃)を用いた噴霧乾燥を向流で受けさせた。その結果として得た噴霧粉末が示した強熱減量(600℃の空気下で3時間強熱)は約30重量%でありそして粒径は実質的に均一で30μmであった。
多金属酸化物活性組成物の調製
頭部に刃が付いている混合装置を用いて出発組成物1と出発組成物2を化学量が
[Bi229・2WO3]0.5[Mo12Co5.5Fe2.94Si1.590.08x]1
の多金属酸化物活性組成物が生じるに必要な量で均一に混合した。上述した全体的組成を基にして、Timcal AG(San Antonio、US)のTIMREX P44タイプの微細グラファイト(ふるい分け分析:最低50重量%が<24μm、最高10重量%が≧24μmから≦48μm、最高5重量%が>48μm、BET表面積:6から13m2/g)を追加的に1重量%の量で均一に混合した。次に、その結果として得た混合物を凹形溝付きの滑らかなロールが備わっているK200/100圧縮機型の圧縮機(Hosokawa Bepex GmbH、D−74211 Leingarten)(溝幅:2.8mm、ふるい幅:1.0mm、低い方の粒径ふるい幅:400μm、目標圧縮力:60kN、スクリュー回転速度:1分当たり65から70回転)に送り込んだ。その結果として得た圧縮品は硬度が10Nでありかつ実質的に均一な粒径で400μmから1mmであった。
次に、その圧縮品をこれの重量を基準にして更に2重量%の量の同じグラファイトと混合した後、Kilian(D−50735 Cologne)のRx73タイプのKilian回転式製錠用プレスを用いて窒素雰囲気下で圧縮することで形状(外径x長さx内径)が5mmx3mmx2mmで側面破砕強度が19N±3Nの非担持型環形状触媒前駆体を得た。
本資料における側面破砕強度は、非担持型の環形状触媒前駆体の円柱表面に対して直角(即ち環開口部の表面に対して平行)に圧縮した時の破砕強度を指す。
本資料における側面破砕強度は全部Zwick GmbH & Co.(D−89079 Ulm)のZ2.5/TS1Sタイプの材料試験機を用いて測定した強度に関する。そのように材料試験機は単一推進力、固定式、動的または可変プロファイルを有する準静的圧力を与えるように設計されている。これは張力、圧縮および曲げ試験で用いるに適する。製造番号が03−2038のKAF−TCタイプの設置型力変換装置(A.S.T.、D−01307 Dresdenの)に較正をDIN EN ISO 7500−1に従って受けさせた後、これを1−500Nの測定範囲で用いることができた(相対的測定不確定さ:±0.2%)。
測定を下記のパラメーターを用いて実施した:
初期力:0.5N
初期力速度:10mm/分
試験速度:1.6mm/分
最初に、上方のダイスをゆっくり下げて前記非担持型環状触媒前駆体の円柱表面の直ぐ上に来る所まで下げた。次に、前記上方のダイスを停止させた後、更に下げるに必要な最低限の初期力を用いて顕著により遅い試験速度で下げた。
前記非担持型成形触媒前駆体が亀裂の形成を示す時の初期力が側面破砕強度(SCS)である。
最終的な熱処理では、各場合とも1000gの前記非担持型成形触媒前駆体をマッフル炉に入れてこれに空気(60 lの容量、前記非担持型成形触媒前駆体1g当たり1 l/時の空気)を最初に室温(25℃)で流し込んで180℃/時の加熱速度で190℃にすることで加熱した。その温度を1時間保持した後、60℃/時の加熱速度で210℃にまで上昇させた。次に、210℃の温度を1時間維持した後、60℃/時の加熱速度で230℃にまで上昇させた。その温度を同様に1時間維持した後、再び60℃/時の加熱速度で265℃にまで上昇させた。その後、265℃の温度を同様に1時間維持した。その後、前記炉を最初に室温にまで冷却し、そしてそのように分解段階を実質的に完了した。次に、前記炉を180℃/時の加熱速度で465℃にまで加熱した後、この焼成温度を4時間維持した。
前記非担持型環状触媒前駆体から非担持型環状触媒Cpを得た。
その結果として得た非担持型環状触媒Cpが示した比表面積S、全細孔容積V、孔直径dmax(これが全細孔容積に最も大きな度合で貢献する)および全細孔容積の中の直径が>0.1から≦1μmの孔直径のパーセントは下記の通りであった:
S=7.6cm2/g
V=0.27cm3/g
max[μm]=0.6
0.1 1-%=79。
加うるに、真の質量密度ρに対する見かけ質量密度の比率R(EP−A 1340538に定義されているように)は0.66であった。
産業的規模では、同じ環状触媒の調製をベルト型焼成装置でDE−A 10046957の実施例1に記述されているような熱処理[分解時の床の高さ(チャンバ1から4)を有利に44mmにしてチャンバ1個当たりの滞留時間を1.46時間にし、そして焼成(チャンバ5から8)時にはそれを有利に130mmにして滞留時間を4.67時間にする以外は]を用い、チャンバの表面積(チャンバの長さは均一に1.40m)を1.29m2(分解)および1.40m2(焼成)にしそして回転式排気装置を用いて吸引させた75m3(STP)/時の供給空気を粗いメッシュのベルトに通して下方から流し込むことで実施した。前記チャンバ内の温度の一時的および局所的逸脱(目標値からの)は常に≦2℃であった。その他の手順はDE−A 10046957の実施例1に記述されている通りであった。
B) アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせる時に用いるべき活性組成物の化学量がMo1231.2Cu2.4xの触媒CA(被覆触媒)の調製
1. 焼成で用いる回転式管型炉の一般的説明
その回転式管型炉の図式図を本資料に添付する図1で示す。以下の参照番号は本図1に関する。
この回転式管型炉の中心部品は回転式管(1)である。それの長さは4000mmで内径は700mmである。それは1.4893ステンレス鋼で作られていて壁厚は10mmである。
前記回転式管型炉の内壁上に高さが5cmで長さが23.5cmの昇降ランスが取り付けられている。それらの主な働きは前記回転式管型炉の中で熱処理すべき材料を持ち上げる、従ってそれを混合する目的である。
前記回転式管型炉の同じ1つの高さの所の周囲に各場合とも4個の昇降ランス(4部分)が等しい間隔(各場合とも90゜離れて)で取り付けられている。前記回転式管型炉に沿って前記4部分が8個位置する(各々23.5cm離れて)。その周囲に隣接して位置する2個の4部分の昇降ランスは互いに関してオフセットされている。昇降ランスは前記回転式管型炉の開始点および終点(最初および最後の23.5cm)の所には存在しない。
前記回転式管は立方体(2)[これには電気で加熱される(抵抗加熱)加熱ゾーンが4個備わっていて、それらは前記回転式管の長さ方向に連続的に位置しかつ長さは等しく、それらの各々が前記回転式管型炉の周囲を封じ込めている]の中で自由に回転する。前記加熱ゾーンの各々で適切な回転式管部分を周囲温度から850℃の範囲の温度に加熱することができる。各加熱ゾーンの最大加熱出力は30kWである。電気加熱ゾーンと回転式管の外側表面の間の距離は約10cmである。この回転式管は前記立方体の開始点および終点の所を越えて約30cm突き出ている。
回転速度は可変であり、1分当たり0から3回転の範囲で調製可能である。前記回転式管は左側または右側のいずれかに回転可能である。右側に回転させると当該材料は前記回転式管の中に入ったままであり、左側に回転させると前記材料は入り口(3)から出口(4)に向かって運ばれる。この回転式管が水平に対して示す傾斜角も可変であり、0゜から2゜の範囲で調整可能である。バッチ式操作の場合のそれは実際0゜である。連続操作の場合には、前記回転式管の最下点が材料出口である。前記電気加熱ゾーンのスイッチを切りかつ排気装置(5)のスイッチを入れることで前記回転式管を迅速に冷却することができる。それによって周囲の空気が前記立方体の下方基部の中の穴(6)を通して吸引された後、蓋の中の3個のフラップ(7)(調整可能な可変開口部が備わっている)に通して運ばれる。
材料投入の調節を回転式星型供給装置を用いて実施する(質量制御)。材料取り出しの調節を既に述べたように前記回転式管の回転方向を用いて実施する。
前記回転式管をバッチ式で操作する場合、250から500kgの量の材料に熱処理を受けさせることができる。その量は通常は排他的に前記回転式管の加熱部分の中に入る量である。
全体で3個の熱電素子(9)は前記回転式管の中心軸上に位置するランス(8)から800mmの間隔で垂直に当該材料の中に導かれている。それらを用いて当該材料の温度を測定することができる。本資料における当該材料の温度は、前記3個の熱電素子の温度の数学的平均を指す。本発明に従い、前記回転式管の中に位置する材料の中の2測定温度の最大逸脱は約30℃未満、好適には20℃未満、より好適には10℃未満、最も好適には5もしくは3℃未満である。
ガス流れを前記回転式管の中に導入することができ、それによって、前記材料の焼成雰囲気または一般的に熱処理の雰囲気を調整することができる。
加熱装置(10)を用いて、前記回転式管の中に導くガス流れが前記回転式管の中に入る前にそれを所望温度にまで加熱することができる(例えば前記回転式管の中で前記材料に望まれる温度に)。その加熱装置の最大出力は1x50kW+1x30kWである。原則として、加熱装置(10)は例えば間接的熱交換器などであってもよい。そのような加熱装置をまた原則として冷却装置として用いることも可能である。しかしながら、それは一般に電気加熱装置であり、その中で電気を用いて加熱しておいた金属線の上にガス流れを導く(適切にはC.Schniewindt KG、58805 Neuerade(ドイツ)の97D/80 CSN流動式加熱装置)。
原則として、前記回転式管装置はこの回転式管の中を通るように導くガス流れの一部または全部を再循環させる能力を有する。この目的に要する再循環ラインを前記回転式管に回転式管入り口の所および前記回転式管の出口の所にボールベアリングまたはグラファイト製加圧シールを用いることで可動様式で連結する。そのような連結部を不活性ガス(例えば窒素)(バリヤーガス)でフラッシュ洗浄する。その2種類のフラッシュ流れ(11)で前記回転式管の入り口の所から回転式管の中に導きそして回転式管の出口から出るように導くガス流れを補充する。適切には、前記回転式管は開始点および終点の所が狭くなっておりかつ前記再循環ラインの管の中に突き出ていることで、それぞれ、それに通じておりかつそれから離れて行く。
前記回転式管の中に導いたガス流れの出口の下流にサイクロン(12)を位置させることで、前記ガス流れと一緒に飛沫同伴してきた固体状粒子を除去する(遠心分離装置を用いて遠心力と重力の相互作用で気相中に懸濁している固体状粒子を分離し、螺旋回転する気体流れの遠心力を用いてその懸濁している粒子の沈降を助長する)。
サイクルガス流れ(24)の輸送(ガス循環)をサイクロンの方向に吸引しかつもう一方の方向に力を及ぼすサイクルガス圧縮装置(13)(排気装置)を用いて実施する。前記サイクルガス圧縮装置の直ぐ下流のガス圧力は一般に1気圧以上である。前記サイクルガス圧縮装置の下流にサイクルガス出口が位置する(サイクルガスは調節弁(14)を通して排出可能である)。前記出口の下流に隔壁(15)(断面積が約3倍小さい、圧力低下装置)を位置させると排出が容易になる。
前記回転式管出口の下流の圧力を前記調節弁で調節することができる。これを前記回転式管の出口の下流に取り付けた圧力センサー(16)、前記調節弁の方向に吸引するオフガス圧縮装置(17)(排気装置)、サイクルガス圧縮装置(13)および新鮮なガスの供給と組み合わせて実施する。前記回転式管出口の(直接)下流の圧力をこれの方が外部圧力よりも高い度合が例えば+1.0ミリバール以下であるように設定してもよく、例えば低い度合が−1.2ミリバール以下であるように設定してもよい。言い換えれば、前記回転式管を通って流れるガス流れの圧力は、これが前記回転式管を出る時、前記回転式管の周囲圧力より低い可能性がある。
前記回転式管の中に導いたガス流れの少なくとも一部を再循環させることを意図しない時には、サイクロン(12)とサイクルガス圧縮装置(13)の間の連結部を3方向弁方式(26)で作成し、そしてガス流れをオフガス浄化装置(23)に直接送り込む。この場合、前記サイクルガス圧縮装置の下流に位置させるオフガス浄化装置の連結部も同様に3方向弁方式で作成する。この場合、ガス流れを実質的に空気で構成させる時には、それをサイクルガス圧縮装置(13)で吸引させる(27)。前記サイクロンとの連結部を3方向弁方式で作成する。この場合、好適には、回転式管の内圧の方が周囲圧力よりも低くなるようにすることでガス流れが前記回転式管の中に吸い込まれるようにする。
そのような回転式管型炉装置を連続的に稼働させる場合、その回転式管の出口の下流の圧力が有利には外部圧力より−0.2ミリバール低くなるように設定する。そのような回転式管型装置をバッチ式で操作する場合には、有利に、その回転式管出口の下流の圧力の方が外部圧力より−0.8ミリバール低いように設定する。そのように圧力を若干低くする目的は前記回転式管型炉から出るガス混合物によって周囲の空気が汚染されないようにすることにある。
センサー(18)(これを用いて例えばサイクルガス中のアンモニア含有量および酸素含有量などを測定する)を前記サイクルガス圧縮装置と前記サイクロンの間に位置させる。そのようなアンモニアセンサーは好適には光学的測定方式で作動し(特定の波長の光の吸光度は当該ガスのアンモニア含有量と比例的に相互作用し)、そしてこれは適切にはPerkin & ElmerのMCS 100装置である。酸素センサーは酸素の常磁性が基になっており、これは適切にはOxymat(Siemens)のOxymat MAT SF 7MB1010−2CA01−1AA1−Zタイプである。
ガス、例えば空気、窒素、アンモニアまたは他のガスを計量して隔壁(15)と加熱装置(10)の間に通してサイクルガス画分(19)(これは実際再循環されたものである)の中に入れてもよい。しばしば、窒素の基本充填量を(20)で計量する。酸素センサーの測定値に反応する個別の窒素/空気分割装置(21)を用いてもよい。
その取り出されたサイクルガス画分(22)(オフガス)はしばしばNOx、酢酸、NH3などのようなガスを含有するが、これらは完全には安全ではなく、このことがそれらを通常はオフガス浄化装置(23)の中で除去する理由である。
この目的で、前記オフガスを一般に最初に洗浄塔(本質的に内部に何も入っていない塔であるが、出口の上流に分離用構造詰め物が入っている)の中に導き、前記オフガスと水性噴霧を向流および並流で送り込む(相対する噴霧方向の2個の噴霧ノズル)。
前記洗浄塔を出た後のオフガスは微細粉じん用フィルター(一般的には一連のバッグフィルター)が入っている装置の中に導かれ、その中に入り込んだオフガスはそれの内部から出て行く。最後に、マッフル炉を用いた焼失を実施する。
KURZ Instruments,Inc.、Monterey(米国)の455 Jrモデルのセンサー(28)を用いて、前記回転式管に送り込まれるガス流れの流量を測定かつ調節するが、それはバリヤーガスとは異なる(測定原理:等温風速計を用いた熱対流質量流量測定)。
連続操作の場合には、材料と気相を向流で前記回転式管型炉の中に導く。
本実施例に関連して、窒素は常に純度が>99体積%の窒素を意味する。
2. 化学量がMo1231.2Cu2.4xの多元素酸化物組成物を得るための前駆体組成物の調製
274 lの水を25℃の温度で撹拌しながらこれに酢酸銅(II)水化物(CuOの含有量:40.0重量%)を16.3kg入れて溶解させた。透明な溶液1を得た。
それとは空間的に別に、614 lの水を40℃に加熱した後、40℃に維持しながら撹拌しつつこれにヘプタモリブデン酸アンモニウム四水化物(MoO3が81.5重量%)を73kg入れた。次に、この混合物を撹拌しながら30分以内に90℃にまで加熱した後、この温度を保持しながら撹拌しつつ11.3kgのメタバナジン酸アンモニウムそして10.7kgのパラタングステン酸アンモニウム七水化物(WO3が88.9重量%)をこの挙げた順で逐次的に入れた。透明な溶液2を得た。
溶液2を80℃に冷却した後、溶液2を撹拌しながらこれに溶液1を入れた。その結果として得た混合物を130 lの25重量%NH3水溶液(温度が25℃)と混合した。撹拌を行うと透明な溶液が生じ、短時間の間に温度が65℃になりそしてpHが8.5になった。これに温度が25℃の水をもう一度20 l加えた。その後、その結果として生じた溶液の温度を再び上昇させて80℃にした後、この溶液にNiro−Atomizer(Copenhagen)のS−50−N/R噴霧乾燥機を用いた噴霧乾燥(気体流入温度:350℃、気体流出温度:110℃)を受けさせた。その噴霧粉末の粒径は2から50μmであった。そのようにして得た噴霧粉末(60kg)をAMK(Aachener Misch−und Knetmaschinen Fabrik)のVM 160ニーダー(Sigmaブレード)に計量して入れた後、酢酸(約100重量%、氷酢酸)を5.5 lおよび水を5.2 l添加して混練りした(スクリュー回転速度:20rpm)。4から5分間の混練り時間後、更に水を6.51 l加えて、混練り工程を30分経過するまで継続した(混練り温度を約40から50℃にした)。その後、その混練りした材料を全部取り出して押出し加工機に送り込み、押出し加工機(Bonnot Company(オハイオ)のモデル:G 103−10/D7A−572K(6"のExtruder W Packer)で成形することで押出し加工品(長さ:1−10cm;直径6mm)を得た。ベルト式乾燥機を用いて前記押出し加工品を120℃の温度(材料の温度)で1時間乾燥させた。その押出し加工品を乾燥させることで、熱処理を受けさせるべき前駆体組成物がもたらされた。
3. 前記前駆体組成物に熱処理を回転式管型炉装置を用いて受けさせる(前記前駆体組成物に焼成を受けさせる)ことで触媒活性組成物を調製
図1に従って「B)1」の下に記述した回転式管型炉を用いた熱処理を下記の条件下で実施した:
− 「B)2.」に記述したようにして調製した材料を300kgの量で用いて熱処理をバッチ式に実施した。
− 前記回転式管が水平に対して示す傾斜角を約0゜にした。
− 前記回転式管を1.5回転/分で右側に回転させた。
− 熱処理全体に渡ってガス流れを205m3(STP)/時で前記回転式管の中に導きそしてこれの組成(元々存在していた空気を追い出した後の)は下記であり、これに更にバリヤーガスである窒素を25m3(STP)/時の量で前記回転式管の出口の所で補充した:
基本充填量の窒素(20)と回転式管の中に放出されるガスで構成される80m3(STP)/時、
25m3(STP)/時のバリヤーガス窒素(11)、
30m3(STP)/時の空気(分割装置(21))、および
70m3(STP)/時の再循環サイクルガス(19)。
バリヤーガスである窒素を25℃の温度で送り込んだ。加熱装置から来る他のガス流れの混合物を各場合とも前記回転式管の中に各場合とも当該材料が前記回転式管の中で示す温度で送り込んだ。
− 10時間以内に25℃の温度の材料を実質的に線形様式で加熱して300℃にまで加熱し、
次に、その温度の材料を実質的に線形様式で2時間以内に360℃にまで加熱し、
次に、その材料の温度を実質的に線形様式で7時間以内に350℃にまで下げ、
次に、その温度の材料を実質的に線形様式で2時間以内に420℃にまで加熱し、そしてその材料の温度を30分間保持し、
− 次に、前記回転式管の中に導くガス流れの中の空気の量30m3(STP)/時を基本充填量の窒素の量を相当する度合で多くすることで窒素と交換し(それによって実際の熱処理手順を終了させ)、前記回転式管の加熱のスイッチを切り、そして前記回転式管の迅速冷却のスイッチを入れて周囲の空気が吸引されるようにすることで前記材料を2時間以内に100℃未満の温度にまで冷却し、そして最終的に周囲温度になるまで冷却し、温度が25℃のガス流れを前記回転式管に送り込み、
− この熱処理全体に渡って、前記回転式管の出口の(直接)下流でガス流れが示す圧力の方が外部圧力より0.2ミリバール低くなるようにした。
この熱処理段階全体に渡って前記回転式管型反応槽の中の気体雰囲気の酸素含有量は2.99体積%であった。前記回転式管型炉の中の気体雰囲気のアンモニア濃度は、この還元熱処理期間全体に渡って数学的に平均して4体積%であった。
図2に、前駆体組成物から放出されたアンモニアの量を材料の温度(℃)の関数として熱処理過程全体の範囲内に前記前駆体組成物から放出されたアンモニアの総量のパーセントとして示す。
図3に、熱処理を実施した雰囲気の中のアンモニア濃度(体積%)を熱処理中の材料の温度(℃)の関数として示す。
図4に、ガス流れを用いた熱処理全体に渡って回転式管の中に1時間当たりに導入した酸素分子とアンモニアのモル量(1kgの前駆体組成物当たり)を材料の温度の関数として示す。
4. 多金属酸化物活性組成物の成形
「B)3」の下で得た触媒活性材料に粉砕をBQ500 Biplex交差流分級粉砕機(Hosokawa−Alpine Augsburgの)を用いて受けさせることで、粉末粒子の50%がメッシュ幅が1から10μmのふるいを通り抜けかつ最も長い寸法が50μm以上の粒子の割合が1%未満の微細粉末を得た。
次に、成形を下記のように実施した:
容量が200 lの被覆用タンク(傾斜角90゜;Lodige(ドイツ)のHicoater)に環状担体[外径が7.1mmで、長さが3.2mmで内径が4.0mm、表面粗さRzが45μmで担体の体積を基準にした総細孔容積が≦1体積%のタイプC220のステアタイト(CeramTecの)、DE−A 2135620を参照]を70kg仕込んだ。その後、前記被覆用タンクを16rpmの回転に設定した。ノズルを用いて水含有量が75重量%でグリセロール含有量が25重量%の水溶液(3.8から4.2リットル)を前記担体の上に25分以内に噴霧した。それと同時に、粉砕しておいた前記多金属酸化物活性組成物(これの比表面積は13.8m2/gであった)(18.1kg)を同じ時間内に前記噴霧装置のノズルのスプレーコーンの外側に置いた撹拌型通路に連続的に通して計量して入れた。この被覆中に供給した粉末の全部が前記担体の表面に吸収され、前記微細な酸化物活性組成物の凝集物は全く観察されなかった。前記活性組成物粉末および水の添加が終了した後、100℃(別法として80から120℃)の熱風(約400m3/時)を前記被覆用タンクの中にそれを2rpmの速度で回転させながら40分間(別法として15から60分間)吹き込んだ。酸化物活性組成物の比率が全組成物を基準にして20重量%の環状被覆触媒CAを得た。その被膜の厚みは一方の担体表面上ともう一方の担体表面上の両方で観察して170±50μmであった。
また、図5に、成形を受けさせる前の粉砕した活性組成物粉末の孔分布を示す。横座標上に孔直径(μm)をプロットする(対数スケール)。
右の縦座標上に全細孔容積に対する個々の孔直径の微分貢献度(differential contribution)(ml/g)の対数をプロットする(O曲線)。最大値は全細孔容積に対する貢献度が最大の孔直径を示している。左側の縦座標に全細孔容積に対する個々の孔直径の個々の貢献全体の積分値(ml/g)をプロットする(i曲線)。終点が全細孔容積である[特に明記しない限り、全細孔容積の測定およびこれらの全細孔容積に対する直径分布に関して本資料に示すデータは全部Micromeritics GmbH、4040 Neuss(ドイツ)のAuto Pore 9220装置(バンド幅が30Åから0.3mm)を用いた水銀ポリシメトリー方法による測定に関係しており、比表面積の測定または細孔容積の測定に関して本資料に示すデータは全部Brunauer−Emmet−Teller(BET)気体吸着(N2)を用いたDIN 66131による測定(固体の比表面積の測定)に関する]。
図6に、成形を受けさせる前の活性組成物粉末[ml/g(縦座標)]が示した細孔範囲の個々の孔直径(横座標、オングストロームで表す、対数スケール)が全細孔容積に対して示す個々の貢献度を示す。
図7に、機械的引っ掻きによって環状被覆触媒CAから後で取り出した多金属酸化物活性組成物(これの比表面積は12.9m2/gであった)に関する図である以外は図5と同じ図を示す。
図8に、機械的引っ掻きによって前記環状被覆触媒から後で取り出した多金属酸化物活性組成物に関する図である以外は図6と同じ図を示す。
C) プロペンからアクリル酸を生じさせる2段階部分酸化の実施(産業的規模)
I. プロペン反応段階(プロペン−>アクロレイン)における一般的工程条件の記述:
使用した熱交換用媒体:硝酸カリウムが60重量%で亜硝酸ナトリウムが40重量%の塩溶融物
触媒管の材料:フェライト鋼
触媒管の寸法:長さ3200mm、内径25mm、外径30mm(壁厚:2.5mm)
管束中の触媒管の数:25500
反応槽:直径が6800mmの円筒形容器;中心に自由空間が存在するように環状に配置された管束
中心の自由空間の直径:1000mm。容器壁から最も外側の触媒管までの距離:150mm。この管束の中の触媒管の分布は均一(触媒管1個当たりに6個の隣接する管が等距離で存在)
触媒管ピッチ:38mm
前記触媒管の末端部を厚みが125mmの触媒管プレートの中に固定して密封しそしてそれらの開口部の各々が前記容器の上方または下方末端部に連結させておいたフードの中に開放されるようにした。上方のフードと上方の触媒管プレートの間に衝突板を位置させて中心部に置き、それに向けて供給反応ガス混合物を流し込ませ後、分配様式で偏向させて触媒管の方に向かわせた。
熱交換器用媒体を下記のようにして管束に送り込む:
管束を触媒管プレートと触媒管プレートの間に連続的に取り付けた3個の偏向板(各場合とも10mmの厚み)で縦方向に分割することで等距離(各々730mm)に位置する4個の縦方向部分(ゾーン)を生じさせた。
最上部および最下部の偏向板の形状を環状にし、環の内径を1000mmにし、そして環の外径を延長して容器の壁が密封されるようにした。前記触媒管を前記偏向板に固定して密封することは行わなかった。むしろ、前記塩溶融物の横方向流量が1ゾーン内で実質的に一定になるような様式で溝幅が<0.5mmの溝が残存するようにした。
中央の偏向板を円形にしそしてそれが管束の最外触媒管に至るまで延長させた。
前記塩溶融物の再循環を2個の塩用ポンプ(各々が管束の縦方向の一方の半分に供給する)を用いてもたらした。
前記ポンプを用いて前記塩溶融物を圧縮することでそれを環状通路(反応槽ジャケットの回りの下部に配置した)の中に入れそして前記塩溶融物を容器の周囲で分割した。前記塩溶融物は前記反応槽ジャケットの中の窓を通って管束の縦方向最下部に到達する。次に、前記塩溶融物は前記偏向板による指示通りに下部から上部に向かう実質的に蛇行した様式で下記の順に流れた(容器の上から見て):
− 外側から内側
− 内側から外側
− 外側から内側
− 内側から外側。
前記塩溶融物は、前記容器の周囲の縦方向最上部に取り付けた窓を通った後に前記反応槽ジャケットの回りの上部に取り付けられている環状通路の中に集められ、冷却されて元々の流入温度になった後、ポンプで圧縮されて下方の環状通路の中に戻された。
出発反応ガス混合物1(空気と化学品等級のプロピレンとサイクルガスの混合物)が稼働時間に渡って示した組成は下記の構成の範囲内であった:
化学品等級のプロペンが5から7体積%、
酸素が10から14体積%、
COxが1から2体積%、
2Oが1から3体積%、そして
2が少なくとも80体積%。
反応槽仕込み物:
塩溶融物と反応ガス混合物を反応槽の上から見て向流に導いた。塩溶融物を下部から入らせ、反応ガス混合物を上部から入らせた。
開始時の塩溶融物の流入温度を337℃にした。
開始時の塩溶融物の流出温度は339℃であった。
1時間当たりのポンプ出量は6200m3の塩溶融物であった。
出発反応ガス混合物を温度が300℃の反応槽に送り込んだ。
プロペンに部分酸化を受けさせる場合の固定触媒床へのプロペン充填率:
100から120 l(STP)/l・時
プロペンに部分酸化を受けさせるための固定触媒床を用いた触媒管仕込み(上部から下部):
ゾーンA:50cm
形状が7mmx7mmx4mm(外径x長さx内径)のステアタイト製環の予備床
ゾーンB:100cm
形状が5mmx3mmx2mm(外径x長さx内径)のステアタイト製環が35重量%でA)で調製した非担持型触媒Cpが65重量%の均一な混合物を用いた触媒仕込み物
ゾーンC:170cm
A)で調製した環状(5mmx3mmx2mm=外径x長さx内径)の非担持型触媒Cpを用いた触媒仕込み物。
熱管(これらの数は10であり、これらを管束中心領域の中に均一に分布させた)の形態および仕込みは下記の通りであった[前記塩溶融物の流入温度を制御する目的で、それらを用いてホットスポット温度(熱管に沿った最大温度)を測定するが、前記流入温度は10個の熱管の中の独立した測定値の数学的平均である]:
10個の熱管の各々に温度測定点を40個有する中心のサーモウエルを持たせた(即ち各熱管に40個のサーモエレメントを含有させて、それらをいろいろな長さの所で一体化させてサーモウエルを生じさせ、このようにして、熱管の中のいろいろな高さの所の温度を同時に測定することができるマルチサーモエレメントを生じさせた)。
各場合とも40個の温度測定点の中の少なくとも13個から多くて30個を固定触媒床の活性部分の最初の1メートルの領域(反応ガス混合物が流れる方向に)の中に位置させた。
熱管の内径を27mmにした。壁厚および管の材料を実用管のそれらと同じにした。
サーモウエルの外径を4mmにした。
熱管の仕込みを下記のように実施した:
熱管にA)で調製した環状の非担持型触媒Cpを仕込んだ。加うるに、前記環状の非担持型触媒Cpから生じさせた触媒破片(最大寸法が2から3mm)も熱管に仕込んだ。
前記触媒破片を個々の熱管の固定触媒床の活性部分全体に渡って反応ガス混合物が熱管の中を通る時に起こす圧力降下が前記反応ガス混合物が実用管の中を通る時に起こすそれに相当する様式で均一に分布するように仕込んだ[この目的で、触媒破片が熱管の中に固定触媒床の活性部分(即ち不活性の部分を除く)を基にして5から20重量%必要であった]。それと同時に、実用管および熱管の中の活性部分および不活性部分の個々の全充填高も同じにしかつ実用管および熱管の中の管の熱交換表面積に対する前記管の中に存在する活性組成物の総量の比率も実質的に同じ値に設定した。
II. 中間的冷却の記述
塩溶融物流出温度に実質的に相当する温度でプロペン反応段階から出る生成物ガス混合物を中間的に冷却する目的で、硝酸カリウムが60重量%で亜硝酸ナトリウムが40重量%の塩溶融物で冷却されておりかつ反応槽上に直接連結しているフランジを有するフェライト鋼製の1ゾーン管束熱交換器の中に導いた。冷却装置の上方管プレートから反応槽の下方管プレートまでの距離を10cmにした。前記塩溶融物と生成物ガス混合物は熱交換器の上から見て向流に導かれる。その塩溶融物自身は1段階の1ゾーン多触媒管固定床反応槽の場合と同じ様式で生成物ガス混合物が通る冷却用管の回りを蛇行する様式で流れた。この冷却用管の長さを1.65mにし、内径を2.6cmにしそして壁厚を2.5mmにした。この冷却用管の数を8000にした。熱交換器の直径を7.2mにした。
それらを断面全体に渡って管ピッチが等しくなるように均一に分布させた。
前記冷却用管の入り口(流れる方向で)に断面が実際に前記冷却用管のそれに相当するステンレス鋼の螺旋形物を導入した。それらの長さを700mmから1000mmにした(別法として、前記冷却用管に不活性材料で出来ている大型環を充填することも可能である)。それらを用いて伝熱を向上させた。
生成物ガス混合物が中間的冷却装置から250℃の温度で出てきた。その後、温度が140℃の圧縮空気を約6700m3(STP)/l・時の量でそれと混合する結果として、アクロレイン反応段階用の仕込みガス混合物の組成(本明細書の以下に記述する)がもたらされた。
その結果としてもたらされた仕込みガス混合物(出発反応ガス混合物2)を温度が220℃のアクロレイン反応段階の1ゾーン多触媒管固定床反応槽の中に送り込んだ。
III. アクロレイン反応段階(アクロレイン−>アクリル酸)の一般的工程条件の記述
1番目の段階のそれと同じデザインの1ゾーン多触媒管固定床反応槽を用いた。
仕込みガス混合物(出発ガス混合物2)の組成は稼働時間全体に渡って下記の構成の範囲内であった:
アクロレインが4から6体積%、
2が5から8体積%、
COxが1.2から2.5体積%、
2Oが6から10体積%、そして
2が少なくとも75体積%。
反応槽仕込み物:
塩溶融物と仕込みガス混合物を反応槽の上から見て向流に導いた。塩溶融物を下部から入らせ、仕込みガス混合物を上部から入らせた。
開始時(アクロレイン部分酸化用固定触媒床の条件付けが完了した時点)の塩溶融物の流入温度を約263℃にした。それに付随する塩溶融物流出温度は開始時で約265℃であった。
1時間当たりのポンプ出量は6200m3の塩溶融物であった。
出発反応ガス混合物を温度が240℃の反応槽に送り込んだ。
アクロレインに部分酸化を受けさせる場合の固定触媒床へのアクロレイン充填率:
90から110 l(STP)/l・時
アクロレインに部分酸化を受けさせるための固定触媒床を用いた触媒管仕込み(上部から下部)は下記であった:
ゾーンA:
形状が7mmx7mmx4mm(外径x長さx内径)のステアタイト製環の予備床が20cm
ゾーンB:
形状が7mmx3mmx4mm(外径x長さx内径)のステアタイト製環が30重量%でB)で調製した環状(約7mmx3mmx4mm)の被覆触媒CAが70重量%の均一な混合物の触媒仕込み物が100cm
ゾーンC:
B)で調製した環状(約7mmx3mmx4mm)の被覆触媒CAの触媒仕込み物が200cm。
熱管(これらの数は10であり、これらを管束中心領域の中に均一に分布させた)の形態および仕込みは下記の通りであった[前記塩溶融物の流入温度を制御する目的で、それらを用いてホットスポット温度(熱管に沿った最大温度)を測定するが、それは10個の熱管の中の独立した測定値の数学的平均である]:
10個の熱管の各々に温度測定点を40個有する中心のサーモウエルを持たせた(即ち各熱管に40個のサーモエレメントを含有させて、それらをいろいろな長さの所で一体化させてサーモウエルを生じさせ、このようにして、熱管の中のいろいろな高さの所の温度を同時に測定することができるマルチサーモエレメントを生じさせた)。
各場合とも40個の温度測定点の中の少なくとも13個から多くて30個を固定触媒床の活性部分の最初の1メートルの領域(反応ガス混合物が流れる方向に)の中に位置させた。
熱管の内径を27mmにした。壁厚および管の材料を実用管のそれらと同じにした。
サーモウエルの外径を4mmにした。
熱管の仕込みを下記のように実施した:
熱管にB)で調製した環状被覆CAを仕込んだ。加うるに、球形被覆触媒[前記環状被覆触媒と同じ活性組成物、Steatite C220(CeramTec)製担体球の直径を2−3mmにし、活性組成物分率を20重量%にし、これの調製は結合剤が適切な量の水である以外は前記環状被覆触媒CAに関して記述した通りであった]も熱管に仕込んだ。
前記球形の被覆触媒を個々の熱管の固定触媒床の活性部分全体に渡って反応ガス混合物が熱管の中を通る時に起こす圧力降下が前記反応ガス混合物が実用管の中を通る時に起こすそれに相当する様式で均一に分布するように仕込んだ[この目的で、球形被覆触媒が熱管の中に固定触媒床の活性部分(即ち不活性部分を除く)を基にして5から20重量%必要であった]。それと同時に、実用管および熱管の中の活性部分および不活性部分の個々の全充填高も同じにしかつ実用管または熱管の中の管の熱交換表面積に対する前記管の中に存在する活性組成物の総量の比率も同じ値に設定した。
III. 長期稼働(結果)
プロペンに部分酸化を受けさせてアクロレインを生じさせるための管束反応槽の固定触媒床をアクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせるための管束反応槽の触媒床の前方に新しく仕込んでから1.5年経過した。
出発反応ガス混合物1をプロペン酸化段階の固定触媒床に1回通した時に変換を受けるプロペンが示す目標変換率を97.5モル%に設定した。
そのプロペン反応段階の反応槽の中に流入させる塩溶融物の流入温度をこの工程を連続的に実施する過程中に徐々に高くして行くことで前記変換値を経時的に維持することができた。
出発反応ガス混合物2をアクロレイン反応段階の固定触媒床に1回通した時に変換を受けるアクロレインが示す目標変換率を99.3モル%に設定した。
そのアクロレイン反応段階の反応槽の中に流入させる塩溶融物の流入温度をこの工程を連続的に実施する過程中に徐々に高くして行くことで前記変換値を経時的に維持することができた。
1暦月毎に約1回、部分酸化を中断(そのほぼ1月毎の中断までにアクロレイン反応段階の反応槽の中に流入させる塩溶融物の流入温度を高くする度合は常に≧0.3℃から≦4℃であり、プロペン反応段階の反応槽の場合にほぼ1カ月毎に高くする必要がある値は≧0.5℃であった)し、個々の反応段階で最後に用いた塩溶融物の流入温度と中間的冷却装置の中のそれを維持しながら、O2が6体積%でN2が95体積%のガス混合物をプロペン反応段階の固定触媒床上でそれが示す1時間当たりの空間速度を30 l(STP)/l・時にして24時間から48時間の時間tGの間に渡って反応装置全体の中に導いた。その後、部分酸化を継続しそして個々の反応段階に流入させる塩溶融物の流入温度を個々の反応段階の目標変換率がそれでも達成されるように調整した。
前記反応装置の稼働を記述したようにして2年を超える期間(プロペン反応段階の新鮮な仕込みから計算して)に渡って実施した後にガス混合物Gを反応装置の中に通しそして次に部分酸化を継続しそしてその後の13日間の稼働時間後の稼働状態および結果は下記の通りであった[d=部分酸化を継続した後の稼働時間;SV=プロペンがプロペン反応段階で示した1時間当たりの空間速度(l(STP)/l・時);Cpro=1回通すことを基にしたプロペン変換率(モル%);Cacr=1回通すことを基にしたアクロレイン変換率(モル%);YAA=1回通すことを基にしかつ変換を受けたプロペンを基準にしたアクリル酸の収率(モル%);ACO=1回通すことを基にしかつ変換を受けたプロペンを基準にした望ましくない副次的炭素酸化物の収率(モル%);T1=プロペン反応段階における塩浴液流入温度(℃);T2=アクロレイン反応段階における塩浴液流入温度(℃);P1=プロペン反応段階入り口の所の作業圧力(ミリバール);P2=アクロレイン反応段階入り口の所の作業圧力(ミリバール);
Figure 2007538034
(=比較実施例)
20日間の稼働日数後にガス混合物Gを再び記述するようにして反応装置の中に導きそして次に部分酸化を記述するようにして継続したが、アクロレインに部分酸化を受けさせてアクリル酸を生じさせるための管束反応槽の出口の下流に作業圧力を上昇させる目的で穴開き隔壁を取り付けることを異ならせた。その穴開き隔壁の直径を1.23mにした。それの中に直径が均一に9cmの37個の穴を均一に分布させた。13日間の稼働日数(部分酸化の継続から計算)後の稼働状態および結果は下記の通りであった:
Figure 2007538034
(=実施例)
本実施例で作業圧力P1を高くした時のT1値をプロペン変換率を同じにして比較することで、プロペン反応段階の反応槽の中に流入する塩浴塩の流入温度を顕著に低くしたがそれに伴ってCOx副生成物の生成量が有意に高くなることは起こらなかったことが分かる。アクロレイン反応段階でも作業圧力を高くすると活性が向上すると言った効果を同様に明らかに認識することができる。しかしながら、アクロレイン反応段階の触媒床をプロペン反応段階の触媒床の後方で稼働させた期間が1.5年であったことから、アクロレイン段階の触媒床の失活はあまり進行しておらず、このことが、作業圧力を高くしたことの効果がまだあまり顕著ではない理由である。
D) プロペンからアクリル酸を生じさせる2段階部分酸化の実施(実験室規模)
I. 2反応段階の実験配置の説明
プロペン反応段階
反応用管[V2A鋼;外径が30mmで壁厚が2mmで内径が26mm、中心のサーモウエル(サーモエレメントが入る)(外径が4mmで長さが320cm)]を上部から下部に向かって下記のように仕込んだ:
セクション1:長さ50cm
形状が7mmx7mmx4mm(外径x長さx内径)のステアタイト製環を予備床として
セクション2:長さ100cm
形状が5mmx3mmx2mm(外径x長さx内径)のステアタイト製環と70重量%の量の非担持型環状触媒Cp[A)に示したようにして調製]の均一な混合物の触媒仕込み物
セクション3:長さ170cm
排他的にセクション2と同様な非担持型環状触媒Cpの触媒仕込み物。
前記反応用管に窒素でスパージ洗浄しておいた塩浴液(硝酸カリウムが53重量%で亜硝酸ナトリウムが40重量%で硝酸ナトリウムが7重量%)を向流で流すことでそれを恒温にした。
アクロレイン反応段階
反応用管[V2A鋼;外径が30mmで壁厚が2mmで内径が26mm、中心のサーモウエル(サーモエレメントが入る)(外径が4mmで長さが320cm)]を上部から下部に向かって下記のように仕込んだ:
セクション1:長さ20cm
形状が7mmx7mmx4mm(外径x長さx内径)のステアタイト製環の予備床
セクション2:長さ100cm
形状が7mmx3mmx4mm(外径x長さx内径)のステアタイト製環が30重量%で環状被覆触媒CA[B)に示したようにして調製]が70重量%の均一な混合物の触媒仕込み物
セクション3:長さ200cm
排他的にセクション2と同様な環状被覆触媒CAの触媒仕込み物。
前記反応用管に窒素でスパージ洗浄しておいた塩浴液(硝酸カリウムが53重量%で亜硝酸ナトリウムが40重量%で硝酸ナトリウムが7重量%)を向流で流すことでそれを恒温にした。
前記2反応段階の間に不活性な材料を仕込んでおいた中間的冷却装置を位置させ、それの中に1番目の反応段階の生成物ガス混合物を導いて直接冷却することで250℃の温度にまで冷却した。
1番目の反応段階(プロペン−>アクロレイン)に下記の組成を有する出発反応ガス混合物を連続的に仕込んだ:
重合体等級のプロペンが5.5から5.7体積%、
2Oが3から3.2体積%、
COxが1から2体積%、
アクロレインが0.01から0.02体積%、
2が10.4から10.6体積%、そして
残りとして窒素分子が100体積%になる量。
プロペンが触媒仕込み物上で示す1時間当たりの空間速度が130 l(STP)/l・時になるようにそれを選択した。1番目の反応段階の塩浴液温度をT1(℃)にした。2番目の反応段階(アクロレイン−>アクリル酸)の塩浴液温度をT2(℃)にした。温度が140℃の圧縮空気を中間的冷却装置から出る温度が250℃の生成物ガス混合物に出発反応ガス混合物が2番目の反応段階にアクロレインに対する酸素分子の比率(体積パーセント比)が1.3になるように送り込まれるに充分な量で加えた。2番目の反応段階の出口の下流にスロットル装置を位置させることで作業圧力を調節することができるようにした。
1およびT2の各々の調整を作業圧力[各場合に指定する圧力は1番目の反応段階の直ぐ上流の圧力(バール)である]に応じてプロペン変換率が97.5モル%でアクロレイン変換率が99.3モル%(各場合とも反応ガス混合物を反応装置の中に1回通すことを基にした)になるように実施した。
作業圧力に応じて、下記の表の結果を得た。これらの結果は先行する100時間の稼働時間を中断しないで反応操作を1.1バールの作業圧力で変換率が同じになるように実施した後を基にした結果である。
温度T1maxおよびT2maxは個々の反応段階における最大反応温度(℃)である。ΔP1およびΔP2は個々の反応段階で被った圧力(バール)降下である。

Figure 2007538034
2004年5月19日付けで出願した米国仮特許出願番号60/572,124は引用文献として本出願に組み込まれる。上述した教示に関して、いろいろな変更および本発明からの逸脱は可能である。従って、添付請求項の範囲内であれば本発明を本明細書に具体的に記述した方法とは異なる方法で実施してもよいことは当然であると考えることができる。
図1は、回転式管型炉の図式を示す 図2は、前駆体組成物から放出されたアンモニアの量を材料の温度(℃)の関数として熱処理過程全体の範囲内に前記前駆体組成物から放出されたアンモニアの総量のパーセントとして示したグラフである 図3は、熱処理を実施した雰囲気の中のアンモニア濃度(体積%)を熱処理中の材料の温度(℃)の関数として示したグラフである 図4は、ガス流れを用いた熱処理全体に渡って回転式管の中に1時間当たりに導入した酸素分子とアンモニアのモル量(1kgの前駆体組成物当たり)を材料の温度の関数として示したグラフである 図5は、成形を受けさせる前の粉砕した活性組成物粉末の孔分布を示したグラフである 図6は、成形を受けさせる前の活性組成物粉末[ml/g(縦座標)]が示した細孔範囲の個々の孔直径(横座標、オングストロームで表す、対数スケール)が全細孔容積に対して示す個々の貢献度を示すグラフである 図7は、機械的引っ掻きによって環状被覆触媒CAから後で取り出した多金属酸化物活性組成物(これの比表面積は12.9m2/gであった)に関する図である以外は図5と同じ図を示す 図8は、機械的引っ掻きによって前記環状被覆触媒から後で取り出した多金属酸化物活性組成物に関する図である以外は図6と同じ図を示す
符号の説明
1 回転式管、 2 立方体、 3 入り口、 4 出口、 5 排気装置、 6 穴、 7 フラップ、 8 ランス、 9 熱電素子、 10 加熱装置、 11 フラッシュ流れ、 12 サイクロン、 13 サイクルガス圧縮装置、 14 調節弁、 15 隔壁、 16 圧力センサー、 17 オフガス圧縮装置、 18 センサー、 19 サイクルガス画分、 20 窒素の基本充填量の計量箇所、 21 窒素/空気分割装置、 22 サイクルガス画分、 23 オフガス浄化装置、 24 サイクルガス流れ、 26 3方向弁方式、 27 吸引、 28 センサー

Claims (20)

  1. 不均一触媒を用いて少なくとも1種の有機化合物に気相部分酸化を少なくとも1基の酸化反応槽の中で受けさせる長時間稼働方法であって、前記少なくとも1種の有機化合物、酸素分子および少なくとも1種の不活性希釈用ガスを含んで成る出発反応ガス混合物を高温の少なくとも1床の触媒床に通す方法において、前記少なくとも1床の触媒床が起こす失活に対抗する目的で前記触媒床の稼働時間の間に前記気相中の作業圧力を前記出発反応ガス混合物が前記少なくとも1床の触媒床の上で示す1時間当たりの同一空間速度[l(STP)/l・時]を基準にして高くして行くことを特徴とする方法。
  2. 前記少なくとも1種の有機化合物がプロピレン、アクロレイン、1−ブテン、2−ブテン、エタン、ベンゼン、m−キシレン、p−キシレン、イソブテン、イソブタン、t−ブタノール、イソブチルアルデヒド、t−ブタノールのメチルエーテル、o−キシレン、ナフタレン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、プロパンまたはメタアクロレインから成る群の少なくとも1種の化合物である請求項1記載の方法。
  3. 前記少なくとも1基の酸化反応槽が管束反応槽でありそして前記触媒床が固定触媒床である請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記不均一触媒を用いた気相部分酸化がプロペンからアクリル酸を生じさせる2段階部分酸化である請求項1から3のいずれか記載の方法。
  5. 前記作業圧力を高くして行く度合が少なくとも25ミリバールである請求項1から4のいずれか記載の方法。
  6. 前記作業圧力を高くして行く度合が50から3000ミリバールである請求項1から5のいずれか記載の方法。
  7. 前記作業圧力を高くして行くことを前記少なくとも1床の触媒床の失活速度の関数として連続的に実施する請求項1から6のいずれか記載の方法。
  8. 前記作業圧力を高くして行くことを段階的に実施する請求項1から7のいずれか記載の方法。
  9. 前記少なくとも1種の有機化合物がプロピレンでありそして前記少なくとも1床の触媒床の触媒の活性組成物がモリブデンおよび/またはタングステン元素を含有しかつまたビスマス、テルル、アンチモン、錫および銅元素の中の少なくとも1種も含有して成る多元素酸化物である請求項1から8のいずれか記載の方法。
  10. 前記少なくとも1種の有機化合物がアクロレインでありそして前記少なくとも1床の触媒床の触媒の活性組成物がMoおよびV元素を含有して成る多元素酸化物である請求項1から8のいずれか記載の方法。
  11. 圧力調節装置を前記少なくとも1基の酸化反応槽の出口の下流に取り付ける請求項1から10のいずれか記載の方法。
  12. 前記圧力調節装置が絞り弁または羽根調節装置または穴空き隔壁である請求項11記載の方法。
  13. 酸化反応槽を少なくとも1基含有しかつ前記少なくとも1基の酸化反応槽の出口の下流に位置していて前記少なくとも1基の酸化反応槽の中の作業圧力を制御する装置を少なくとも1個含有して成る装置。
  14. 酸化反応槽を少なくとも1基含有し、前記酸化反応槽の下流に連結していて内部が分離されている塔を少なくとも1個含有しかつ前記酸化反応槽の下流に連結していて前記少なくとも1基の酸化反応槽の中の作業圧力を制御する装置を含有して成る装置。
  15. 前記酸化反応槽が触媒床を含有しかつ追加的に前記出発反応ガス混合物が前記酸化反応槽の中に位置する前記触媒床上を1時間当たりの所定空間速度において>0.5から4バールの作業圧力範囲で通ることを可能にする様式で設計された空気圧縮装置も含有する請求項14記載の装置。
  16. 前記少なくとも1基の酸化反応槽が管束反応槽である請求項13から15のいずれか記載の装置。
  17. 前記作業圧力を制御する装置が穴空き隔壁である請求項13から16のいずれか記載の装置。
  18. 前記出発反応ガス混合物が前記酸化反応槽の中に位置する前記触媒床上を1時間当たりの所定空間速度において>0.5から4バールの作業圧力範囲で通ることを可能にする様式で設計された空気圧縮装置を含有して成る装置中で実施する請求項1から12のいずれか記載の方法。
  19. 前記出発反応ガス混合物の1時間当たりの所定空間速度が≧1500 l(STP)/l・時である請求項15記載の装置。
  20. 前記出発反応ガス混合物の1時間当たりの所定空間速度が≧1500 l(STP)/l・時である請求項18記載の装置。
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