JP2007537878A - ボアホールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、金属材料、層状金属材料、及び少なくとも1層のセラミック層を含む材料中において、ボアホールの深さに関連して当該ボアホールの半径に要求される調整に従ってレーザー光線の強度が調節されるレーザー輻射により、高アスペクト比のボアホールを製造する方法に関する。本発明は、レーザー光線軸からの距離wにおいてセグメントw0内での強度IがΔIだけ単調に減少し、ボアホールの半径rBがレーザー光線の半径である前記セグメントw0よりも大きく(rB>w0)なるよう、強度Iの空間変化ΔIとセグメントw0に対する数値が高く設定されるように、ボアホールの変化する底に関して、レーザー光線の強度の空間分布が調節されることを特徴とする。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、金属材料、層状金属材料、及び少なくとも1層のセラミック層を含む材料中において、ボアホールの深さに関連して当該ボアホールの半径に要求される調整に従ってレーザー光線の強度が調節されるレーザー輻射により、高アスペクト比のボアホールを製造する方法に関するものである。
レーザー輻射は特に、金属材料や絶縁混合材料(例えばセラミック)や金属層から除去し、開口するのに用いられる。高除去率(高生産性)と高アスペクト比(直径に対する深さ)は、特に自動車工学、航空工学(小サイズ又は中サイズの薄板)やエネルギー工学(中サイズの薄板)における応用に求められる。ボアホールの幾何的形状(例えば円筒状、円錐状)とボアホール壁の形態(例えば凝固物)は本質的な質的特徴であり、与えられた技術的な要件に影響を受ける。
レーザー輻射を用いた開口の公知技術は、開口中の材料を除去する主なメカニズムにより、溶融、蒸発という2つのグループに分けられる。
−一般的な溶融物除去を用いた開口技術
一般的な溶融物除去を用いた開口技術には、単パルス開口、パーカッション開口(複数パルス)、およびトレパニングがある。これらの技術は高除去率(生産性)という利点と、不完全な溶融物除去、ボアホール壁及び/又はボアホール入口・出口上の凝固物の堆積及びボアホール直径の低精度のための低品質という難点を持つ。トレパニングでは、パーカッション・ボアホールが最初に材料に導入され、その後規定された半径の穴があけられる。トレパニングは、進行する溶融物の大半部分がボアホール出口で処理ガス流により除去され、そのため開口された中空体内部が汚染されるという難点を持つ。
できるだけ完全な溶融物の除去、および、規定された略円筒状のボアホールの幾何的形状を得ることを目的とする様々な方法が従来技術として記載されている。これらの方法は、
・ボアホールの深さを増すにつれ、レーザー光線の空間平均値または最大強度値を増加させる
・全開口期間中における多数の単パルスの強度の時間(パーカッション)変調
・ボアホールの深さを増すにつれ、レーザー光線の空間平均値または最大強度値を増加させる
・全開口期間中における多数の単パルスの強度の時間(パーカッション)変調
パーカッション開口は、低品質(不完全な溶融物除去、凝固物付着、低精度のボアホールの幾何的形状)が製品の機能を制限しない産業においてのみ用いられる。
単パルス開口、パーカッション開口を扱う先行技術によると、ボアホールの深さが増すと、例えば光線の拡大の影響を補うため、強度が高められる。強度は、ボアホールの要求される直径に変化させるため、例えば2つのパルス間の間隔に対するパルス持続時間の比率を変えることによって調整される。
EP0796695A1によると、ボアホールの出口直径は、ボアホールの上方部の直径より通常小さく、加工中の製品温度がその周囲空気温度より最低25℃以上高い場合に拡大することが可能である。
−一般的な蒸発を用いた開口技術
螺旋状開口、パーカッション開口およびレーザー侵食が一般的な蒸発による開口に用いられる。
これまで、ボアホールに要求される幾何的形状は、螺旋状開口またはパーカッション開口と螺旋状開口の組み合わせによる選択的方法のみによって達成可能だった。
DE10144008A1によると、一般的な溶融物除去により生産されるパーカッションボアホールは、凝固物の残留物がボアホール壁上に残らないような一般的な除去気体による第2の処理工程において希望の直径まで拡張することができる。この高精度の開口技術と及びその改良型は、過度に長い開口時間または低生産性という難点を持っている。
DE69903541A2には、いわゆる「電気回路配線パッケージ」におけるマイクロビアホールの開口装置及び開口方法が記載されている。マイクロビアホールは、レーザー輻射によるプリント回路基板に形成される穴である。そのような穴の目的は、プリント回路基板における個々の導電層を、穴を通して接続することにある。これらの穴は、非常に小さいアスペクト比を持つタイプである。これらのマイクロビア・ボアホールにおいては、ボアホール直径はレーザー光線直径と同一でなければならない。ボアホールはほんの少し大きくなっても、これは望ましくない。この公開公報によれば、強度分布の縁はボアホールの縁を規定するものとみなされ、かつ、光線の強度分布は環状であるので、絶対不可欠なものである。
そこで本発明の目的は、上記従来技術の欠陥を取り除き、まずは、特にボアホール管路から入射レーザー光線輻射の方向において、開口の間、ボアホール縁部上に凝固物が一切堆積しない、溶融物の完全な除去が保証されるという概要が示される方法を開発することにある。
本発明は、金属材料、層状金属材料、及び少なくとも1層のセラミック層を含む材料中において、ボアホールの深さに関連して該ボアホールの半径に要求される調整に従って強度が調節されるレーザー輻射により、高アスペクト比のボアホールを製造する方法であって、前記レーザー光線軸からの距離wにおいてセグメントw0内での前記強度IがΔIだけ単調に減少し、ボアホールの半径rBが前記レーザー光線の半径である前記セグメントw0よりも大きく(rB>w0)なるよう、前記強度Iの空間変化ΔIと前記セグメントw0に対する数値が高く設定されるように、前記ボアホールの変化する底に関連して、前記レーザー光線の強度の空間分布が調節されることを特徴とする、ボアホールの製造方法である。
本方法によると、レーザー輻射で一般的な溶融物除去を行う単パルス開口とパーカッション開口の従来の技術は、ボアホール壁上にいかなる溶融物堆積も残さず、ボアホールから溶融物を完全に除去することが可能となるように設計される。以前の公知の方法では、溶融物除去はレーザー誘導プラズマを介して、レーザー光線強度の空間平均値または最大値により制御されたが、この方法は、ボアホール直径の選択的制御を容認せず、溶融物堆積を回避することができない。DE10144008A1に記載されるような気化磨耗によるボアホール壁の平滑化のための2番目の方法工程は、必要とされない。
上記に示唆した特徴を持つ方法から始めると、この目的は、ボアホールの変化する底に関連して、レーザー光線の強度の空間分布が以下のように調節されることによって達成される。即ち、レーザー光線軸からの距離wにおいてセグメントw0(距離)内での強度IがΔIだけ単調に減少し、ボアホールの半径rBがレーザー光線の半径であるセグメントw0よりも大きく(rB>w0)なるよう、強度Iの空間変化ΔIと前記セグメントw0に対する数値が高く設定されるように調節されることによって達成される。そのため、セグメントw0は、レーザー光線軸に垂直な領域のうち、レーザー・パワーが及ぶ86%の領域の半径となる。
本方法のこの基準を用いると、レーザー輻射で一般的な溶融物除去を行う単パルス開口とパーカッション開口の従来の技術は、ボアホール壁上にいかなる溶融物堆積も残さず、ボアホールから溶融物を完全に除去することが可能となるように設計される。以前の公知の方法では、溶融物除去はレーザー誘導プラズマを介して、レーザー光線強度の空間平均値または最大値により制御されたが、この方法は、ボアホール直径の選択的制御を容認せず、溶融物堆積を回避することができない。DE10144008A1に記載されるような気化磨耗によるボアホール壁の平滑化のための2番目の方法工程は、必要とされない。
本発明の方法は、非常に深い深さのボアホール、即ち、「大きなアスペクト比」を持ったボアホールを製造するために用いられる。この大きなアスペクト比と、このボアホール直径をレーザー光線の半径よりずっと大きくするという条件は、溶融物の増加がレーザー光線を遮断しないことを保証する。強度Iの空間変化ΔIとセグメントw0に対して、セグメントw0より大きなボアホール半径rB(rB>w0)が得られるようにそれらの値は設定される。
ボアホールは円錐状状とし、どの深さでも所定のボアホール半径に調節することもできる。
この方法の好ましい実施形態は、下位クレームにより明らかになる。
そのため、本発明の方法は、開口工程の間中もボアホール直径の選択的調節を容認する。ボアホール直径に対するボアホールの深さの規定されたアスペクト比より下回って、深さに依存し、高精度ないかなる所望の直径をも達成することができ、円筒状、円錐状、及びその他のボアホールの幾何的形状を製造することができる。
溶融開口において確実に達成されるべき本質的特徴は、以下の通りである。
−再現可能な直径
ボアホールの最小直径は、流量を規定する。燃料フィルタの全流量は、ボアホールの最小直径により各々規定される、個々のボアホールの流量から計算される。
−規定された円錐状
気体と液体のボアホールの出口における流動作用は、特に材料表面やボアホールの広がりに対するボアホール壁の角度によって規定される。規定された円錐状は、例えば、タービン構成材の保護のため、材料表面の冷却ガスの分布に重要である。
−複数層構造の開口中の規定された円錐状
円筒状または円錐状のボアホールの配置は、液体や気体のボアホールへの層状流れに対して予め決定される。タービン構成材−例えば、基板、接着剤層及び断熱層からなる複数層構造におけるボアホールの直径を、材料層とは無関係に規定することが可能でなければならない。
−コーティングの接着とせん断強度が減少しないこと
複数層構造の開口の間、ボアホールの領域における層間接着は減少してはいけない。タービン構成材の断熱層が損傷を受けると、構成材の層は、工程中大きな熱と機械的負荷を被り、物質材料から分離する可能性があり、保護がもはや保証されなくなる。
−凝固物が堆積しないこと
規定されたボアホール直径は、ボアホールの幾何的形状が、ボアホール壁上の凝固物の不規則な堆積によって変化しない場合にのみ達成することができる。凝固物のひび割れや応力が発生するかもしれない。タービン翼や燃料フィルタのような大きな負荷を被る構成材では、凝固物の堆積の防止によりそのような構成材の耐用年数が増加する。
−バリが形成されないこと
ボアホールの出口における凝固物のバリは、例えば流れ抵抗を増加させ、効率を低下させる。バリが形成されないときは最終工程が不要であり、そのため、例えばタービン構成材や燃料フィルタの製造期間は短縮化される。
−入射レーザー輻射の方向における溶融物の除去
ボアホールの上方向への溶融物の流出は、中空体中の汚染を減少させる。燃料フィルタとタービン翼が製造される際、開口中、中空体中に材料残留物が堆積すれば、最終工程(清浄化)が必要となる。
−出口縁部の大きな曲率
ボアホール開口時の液体の流れの分離は、出口縁部の曲率によって決定される。射出ノズルでは、出口縁部の曲率は、分離及び燃焼室における燃料の完全燃焼にとって決定的に重要である。
タービン翼におけるボアホールへの周囲ガスの吸入や、又は冷却ボアホールの出口からの冷却ガス流の分離は、好ましくない流れの特徴を有し、その流れの形成は出口縁部の幾何的形状に依存する。
本発明にとって重要なことは、従来知られているようなレーザー光線の空間平均値や強度I0の最大値ではなく、ボアホール底へのレーザー光線強度の空間分布が、ボアホールの所定の深さにわたって完全な溶融物除去を行うための明確なパラメータとなるよう、適切に設定されるべきであるということである。特徴的なことは、十分に広いセグメントw0間にわたってレーザー輻射の適切な空間分布が存在し、そのレーザー光線の空間分布範囲内で、レーザー光線軸からの距離とともに強度が減少し、十分に大きな強度の変化(強度勾配)が存在することである。
添付図1は、強度I0が最小値I0=Iminであり、その距離又はセグメントw0がw0=wminである、上記条件の適用例であるケースAを示す。
好ましい大きさとして、セグメントw0は、所定のボアホールの得るべき深さlの平方根に略比例するように設定される。
さらに、セグメントw0内の強度Iの空間変化ΔIは、所定のボアホールの深さlに略比例するか、または、セグメントw0より大きなボアホール半径rB(rB>w0)が得られるように達成されるべきボアホールの深さlに略比例するように調節されるべきである。
深さlのボアホールのボアホール直径dに対する最大アスペクト比αと、ボアホールの最小直径dmin>l/α(dmin=2rBmin)は次式にしたがって設定されるべきである。
α<ΔIw0(一定)
ここで、空間変化ΔI=I0−Iw0はセグメントw0内の強度Iであり、I0はレーザー光線軸上の強度であり、Iw0はレーザー光線軸から距離w0における強度である。
α<ΔIw0(一定)
ここで、空間変化ΔI=I0−Iw0はセグメントw0内の強度Iであり、I0はレーザー光線軸上の強度であり、Iw0はレーザー光線軸から距離w0における強度である。
ボアホール直径d(=2rB)を大きくするために、開口の間、強度の最大値I0>Iminは、ボアホール直径d(=2rB)が所定の深さ依存値d>dminに達するように制御され、又は調整される。ここで、I0はレーザー光線軸上の強度であり、Iminは強度I0の最小値である。
さらに、ボアホール底への強度の空間分布を適切に調整した後、最小ボアホール直径2rBminとボアホール直径に対するボアホール深さの最大アスペクト比が決定されることが大切である。このため、図1、ケースAは、これに該当する値(I0=Imin、w0=wmin)を示している。
開口工程中にボアホール直径もまた2rB>2rBminに増加させるため、強度I0>Imin及び/又はw0>wminの最大値は制御されなければならない。いかなる所望のより大きな直径も、例えば強度を増大させ(図1、ケースB)、あるいはセグメントを増大させて(図1、ケースC)、ボアホール底の溶融物除去を促進させることにより得ることができる。
円筒状と円錐状のボアホールの幾何的形状は、上述のように、ボアホール底への強度の空間分布の設定と、ボアホール直径の制御によって、再現可能な性質として調節することができる。
さらに図1を参照して分かるように、上記ルールから逸脱した場合、例えば強度勾配が小さすぎる場合(図1、ケースD)、及び/又は、レーザー光線の強度が減少するセグメントw0の範囲が小さすぎる場合(図1、ケースE)、不完全な溶融物除去になる。上記ルールと比較して、例えば強度の略一様分布では、より小さなボアホール直径しか得ることができない(図1、ケースE)。このことは、しかし、ボアホール底への強度の空間分布の調整に関する上記ルールに違反し、溶融物が完全には除去されないことによりボアホールの質が低下することとなる。
複数層構造が開口されるとき、すなわち、異なる材料の層が開口される間、規定のボアホール直径を実現するための適切な強度分布の選択において、異なる材料の特徴が考慮される。その結果、特に1つの材料層から次の材料層に移行する際、強度分布にいくつかの適合がなされなければならない。2層間の移行は、放射方法(例えばプラズマ光線)の変化を通して観察することができ、同軸又は径方向の高速写真撮影により検出することができる。
好ましい一連の方法として、流出する溶融物は、ボアホール壁に沿って適切な方法で付加的に加熱される。
このため、図2は、レーザー光線の強度分布と、付加熱源の配置とを図式的に示す。
注意すべきことは、設定ボアホール直径2rBが達成され次第、ボアホール壁の付加的加熱をスタートさせ、加熱力を開口深さとともに増加させねばならないことである。
以下のことにも注意が払われなければならない。すなわち、熱源はボアホール内部に作用可能で、もし可能であれば流出溶融物のみ加熱され、最初のエネルギー源(開口レーザー光線)は影響を受けず(例えば開口管路における開口レーザー輻射の吸収)、また、ボアホールの中心部はできるだけ影響を受けないようにする。
図2から分かるように、エネルギー源の空間的作用は、ボアホール底が、半径方向の強度が略単調に減少する開口レーザー光線の幅2w0より大きい、十分に大きな幅2rBに達するように、かつ、ボアホール壁が加熱されるように、ボアホール直径にわたって分布されなければならない。
好ましい方法では、レーザー光線の強度がボアホール壁を加熱するためにボアホール上に環状に放射されるように共振器において光線を形成することにより熱輻射が生成される。それにより、熱輻射は、少なくとも所定のボアホール直径に達した後に高次モードを励起することにより生成できる。開口部を通って熱輻射を生成することもでき、そしてレーザー光線の中央部を遮蔽することもできる。
別の可能性は、レーザー光線の中央部は所定のボアホール直径を形成し、レーザー光線の環状の外側部分はボア壁を加熱してボアホールに輻射されるように、共振器の外側の光学部品によりボアホールから流れている溶融物を加熱するためにレーザー輻射を生成することにある。アキシコン(AXICON)は、共振器の外側の光学部品として使用され得る。
ボアホールから流れ出る溶融物を加熱する熱輻射は、熱エネルギーの形でエネルギーの二次ソースを介してボアホールにも連結されてもよい。環状に配置された複数のダイオードレーザーを介し、熱光源を介し、ハロゲンランプ、アークランプ、あるいは場合により蒸気ランプが熱光源として使用して熱輻射が起きてもよい。
熱輻射は、レーザー光線源、ボアホールの壁上で第二熱源の役割を果たしている生成されたプラズマにより生成されてもよい。
熱輻射を生成するため、同じレーザー光線を開口用に使用するものとして使用し得る。
熱輻射は、同軸方向又は径方向の高速写真撮影からの信号フィードバックにより制御され得る。
加熱作用と作用範囲は、環状に配置されたダイオードレーザーについて柔軟に調整できるため、あるいは加熱に用いられる装置を実現するのに利用する熱作用は熱光源については 小さいため、ボアホール壁を加熱する上記方法のうち、特に環状に配置されたダイオードレーザー、又は熱光源に優先権が与えられなければならない。
熱輻射の制御、例えばレーザー励起プラズマは、ちょうど同軸方向又は径方向のプロセスのモニタリングを初め、例えば高速写真撮影又は短期分光法により、複数層構造における磨耗レーザー輻射の制御のように実現できる。
本発明は、レーザー輻射を用いた単パルス開口又はパーカッション開口の場合、材料の主要部は液相(溶融物)の状態で除去されるときはいつでも使用できる。
エネルギー工学及び航空工学においては、タービン構成材の冷却ボアホールは、大きな熱負荷からセラミックス断熱層(複数層構造物)を有する耐熱材料の構成材を守るパーカッション開口技術を用いて導入される。もっと更に効率を高めるために、タービン翼及び燃焼室板の表面上の冷却用空気の分布を改良することが求められる。これは、一定のボアホール形状(円筒状及び/又は円錐状)及び多数のcm2当たりのボアホール(現在の0.75ボアホール/cm2でなくて、100ボアホール/cm2まで)によってのみ達成できる。しかし、開口所要時間(例えばトレパニング)が非常に長く、現在達成されているボアホールの幾何的形状が変化するアスペクト比は、cm2当たりのボアホールの数を増加させることにおいてのみ効率の大幅な向上を達成できるのに十分ではない。また、ボアホール管路の凝固物の堆積及びバリの形成の防止は、技術的な流れの態様にもとづいて好滴であるボアホールの幾何的形状が変わらないために不可欠で重要である。
自動車工学においては、精度についてわずかな要求があるが、燃料フィルタは、レーザー輻射を用いて開口される。噴射弁、スロットル又はノズルでの流れ状態、噴射状態を決定しているボアホールの場合、非常に大きい曲率を有する先が鋭いボアホール入口と出口だけでなく、溶融物の堆積が少ないように標準的な幾何的形状の2、3μmの大きさと厚みから逸脱していることが求められる。
以上の要件は、この発明による方法で満たし得る。
Claims (26)
- 金属材料、層状金属材料、及び少なくとも1層のセラミック層を含む材料中において、ボアホールの深さに関連して該ボアホールの半径に要求される調整に従って強度が調節されるレーザー輻射により、高アスペクト比のボアホールを製造する方法であって、
前記レーザー光線軸からの距離wにおいてセグメントw0内での前記強度IがΔIだけ単調に減少し、
ボアホールの半径rBが前記レーザー光線の半径である前記セグメントw0よりも大きく(rB>w0)なるよう、前記強度Iの空間変化ΔIと前記セグメントw0に対する数値が高く設定されるように、
前記ボアホールの変化する底に関連して、前記レーザー光線の強度の空間分布が調節されることを特徴とする、
ボアホールの製造方法。 - セグメントw0は、達成されるべき所定のボアホールの深さlの平方根に略比例して設定されることを特徴とする、請求項1に記載のボアホールの製造方法。
- 前記強度Iの空間変化ΔIは、所定のボアホールの深さl、又は、達成されるべき前記ボアホールの深さlに比例して設定されることを特徴とする、請求項1または2に記載のボアホールの製造方法。
- 空間変化ΔI=I0−Iw0を前記セグメントw0内の強度Iと、I0を前記レーザー光線軸上の強度と、Iw0を前記レーザー光線軸から距離w0における強度として、
深さlのボアホールのボアホール直径dに対する最大アスペクト比αとボアホールの最小直径dmin>l/α(dmin=2rBmin)が次式
α<ΔIw0(一定)
と設定されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1つに記載のボアホールの製造方法。 - I0を前記レーザー光線軸上の強度と、Iminを強度I0の最小値として、
ボアホール直径d(=2rB)を大きくするために、開口の間、強度の最大値I0>Iminは、ボアホール直径d(=2rB)が所定の深さ依存値d>dminに達するように制御され、又は調整されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1つに記載のボアホールの製造方法。 - w0を前記レーザー光線軸からの半径距離と、wminを空間変化ΔIが生じる前記レーザー光線軸からの最小距離として、
ボアホール直径d(=2rB)を大きくするために、開口の間、セグメントw0>wminは、ボアホール直径d(=2rB)が所定の深さ依存値d>dminに達するように制御され、又は調整されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のボアホールの製造方法。 - 異なる材料層が開口されるとき、同じ又は所定の深さに依存するボアホール直径が両方の材料層において達成されるように、1つの材料層から次の材料層に移行する際、前記レーザー輻射の強度分布が変わることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1つに記載のボアホールの製造方法。
- 2つの材料層間の移行は、前記放射プロセスの変化によりモニターされることを特徴とする、請求項7に記載のボアホールの製造方法。
- 放射プロセスの変化は、同軸方向又は径方向の高速写真撮影により検出されることを特徴とする、請求項8に記載のボアホールの製造方法。
- 設定ボアホール直径d(=2rB)が達成されると、ボアホール壁は付加的に加熱されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1つに記載のボアホールの製造方法。
- 加熱力は前記ボアホールの深さとともに増加することを特徴とする、請求項10に記載のボアホールの製造方法。
- 加熱は、ボアホールからの流出溶融物に限定されることを特徴とする、請求項10又は11に記載のボアホールの製造方法。
- ボアホール壁を加熱するためにレーザー光線の強度がボアホールに環状に輻射されるように、熱輻射は共振器において光線形成により生成されることを特徴とする、請求項12に記載のボアホールの製造方法。
- 熱輻射は、少なくとも所定のボアホール直径に達した後に、高次モードを励起することにより生成されることを特徴とする、請求項13に記載のボアホールの製造方法。
- 熱輻射は、開口部を通って生成され、レーザー光線の中央部が遮蔽されていることを特徴とする、請求項13に記載のボアホールの製造方法。
- レーザー光線の中央部が所定のボアホール直径を形成し、レーザー光線の環状の外側部分はボア壁を加熱するために輻射されるように、レーザー輻射は共振器の外側の光学部品により形成されることを特徴とする、請求項12に記載のボアホールの製造方法。
- アキシコンは共振器の外側で光学部品として使用されることを特徴とする、請求項16に記載のボアホールの製造方法。
- 熱輻射は、熱エネルギーの形でエネルギーの二次ソースを介してボアホールに連結されることを特徴とする、請求項12に記載のボアホールの製造方法。
- 熱輻射は、環状に配置された複数のダイオードレーザーを介して生成されることを特徴とする、請求項12に記載のボアホールの製造方法。
- 熱輻射は熱光源を介して生成されることを特徴とする、請求項12に記載のボアホールの製造方法。
- ハロゲンランプが熱光源として使用されることを特徴とする、請求項20に記載のボアホールの製造方法。
- アークランプが熱光源として使用されることを特徴とする、請求項20に記載のボアホールの製造方法。
- 蒸気ランプが熱光源として使用されることを特徴とする、請求項20に記載のボアホールの製造方法。
- 熱輻射はレーザー光線源を介して生成され、生成されたプラズマがボアホールの壁で第二熱源としての役割を果たしていることを特徴とする、請求項12に記載のボアホールの製造方法。
- 開口に使用されるのと同じレーザー光線源が、熱輻射の生成に使用されることを特徴とする、請求項24に記載のボアホールの製造方法。
- 熱輻射の制御は、同軸方向又は径方向の高速写真撮影により検出されることを特徴とする、請求項13に記載のボアホールの製造方法。
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