JP2007537248A - アジュバントとしての髄膜炎菌lgtBLOS - Google Patents

アジュバントとしての髄膜炎菌lgtBLOS Download PDF

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Abstract

本発明は、樹状細胞上のDC−SIGN受容体へ結合性の増強を示す三糖の外部コアを有するナイセリア属菌リポオリゴ糖(LOS)に関する。かかる結合性の増強の結果として、本発明のナイセリア属菌LOSは、免疫賦活活性が増強している。かかるナイセリア属菌LOSの三糖の外部コアと毒性が低下したリピドA部分との組合せは、ワクチン製剤におけるアジュバントとして有用である。

Description

本発明は、免疫賦活作用が増強された、ナイセリア属菌の(Neisserial)リポオリゴ糖(LOS)に関する。本発明のナイセリア属菌LOSは、樹状細胞上の受容体への結合性の増強を示す三糖の外部コア(outer core)を含む。前記ナイセリア属菌LOSの三糖の外部コアと毒性が低下したリピドA部分との組合せは、ワクチン製剤におけるアジュバントとして有用である。
髄膜炎菌LPS(Neisseria meningitidis LPS)は、強力なアジュバントであるだけでなく、そのLPS特異的免疫応答誘導能によっても、潜在的なワクチン候補として注目を集めている。しかし、LPSの内毒素活性のため、ワクチンにおけるその使用は今のところ限定されている。
髄膜炎菌LPS(Meningococcal LPS)は、細菌の外膜に自身を固定(anchor)する疎水性リピドA部分と、細菌の表面に露出(exposed)する親水性のオリゴ糖のコアとで構成される(図1)。天然のオリゴ糖鎖は宿主の糖脂質抗原に構造的に類似しているため、ワクチン製剤に含有させることは望ましくない。LPSのオリゴ糖生合成経路の遺伝子組換えにより、切断型(truncated)オリゴ糖鎖を発現する髄膜炎菌変異体の系(series)の製造が可能となっている(図1)。LPSの内毒素及びアジュバント特性は、かかる分子のリピドA部分によって決定されると考えられる。本発明者らは先に、極めて向上した薬理学的特性を有する髄膜炎菌リピドA変異株の固有の系(unique set)を作製している。具体的には、リピドAのアシルオキシアシル化に関連するlpxL1(htrB1)遺伝子を不活化すると、ヘキサアシル化リピドAではなくペンタアシル化リピドAを発現するリピドA変異株を単離することができた。かかる変異株は、内毒素活性が低下していながら、アジュバント活性を維持していた。さらに、髄膜炎菌lpxA遺伝子の不活化により、LPSを完全に欠如する髄膜炎菌変異株も単離した。このように、髄膜炎菌LPSのオリゴ糖部分のみならず、リピドA部分の修飾によっても、髄膜炎菌ワクチンの開発における新たな可能性が拓かれた。
樹状細胞(DC)は、天然の感染症における免疫応答とワクチン接種に対する免疫応答との両方の開始において、その役割を果たしているため、大きな関心を集めている。細菌に対する免疫応答は、DCによって開始される。DCは、細菌性抗原を貪食して処理し、T細胞に提示する。本発明者らは近年、髄膜炎菌LPSが、ヒトDCとの相互作用の間に重要な役割を果たすことを示した。さらに、細菌の内部移行(internalization)及びDCの完全な活性化にも、LPSが必要とされる。
定義
本明細書においてアジュバントとは、抗原と組み合せて用いられる場合、哺乳動物、好ましくはヒトを免疫し、免疫システムを刺激し、それにより好ましくはアジュバント自体に対する特異的免疫応答を生じさせることなく、前記抗原に対する免疫応答を誘発、増強、又は促進するあらゆる物質又は化合物を含むと定義される。好適なアジュバントは、所与の抗原に対する免疫応答を増強し、同様の但しアジュバントが非存在の条件下で前記抗原に対して生じる免疫応答に比較して、少なくとも1.5、2、2.5、5、10、又は20倍の強さに免疫応答を増強する。本技術分野においては、アジュバントによって動物又はヒトの集団に生じる、所与の抗原に対する免疫応答の統計学的な平均増強値を、対応する対照集団に照らして決定する分析法を用いることができる。前記アジュバントは、好ましくは少なくとも2つの相違する抗原に対する免疫応答増強能がある。本発明のアジュバントは通常、哺乳動物にとって外来の化合物であり、したがってインターロイキン、インターフェロン及びその他のホルモン等の、哺乳動物にとって内因性の免疫賦活化合物は除外される。
本発明は、特定の三糖の外部コア構造を有するナイセリア属菌LPSでは、ヒト樹状細胞(DC)への結合及び内部移行(internalisation)が増強するという、意外な発見に基づく。三糖を含むLPS、より厳密にいえば三糖を含むLOS(リポオリゴ糖)の結合及び内部移行は、ヒトDCに発現するC型レクチンDC−SIGN介在性であり、DCの活性化及び成熟化の速度を高める。この新規な三糖を含むナイセリア属菌LOSは、その向上した免疫賦活作用により、免疫及びワクチン接種における強力なアジュバントとして用いることができる。
すなわち本発明の第一の態様は、抗原で哺乳動物を免疫又はワクチン接種する方法であって、前記方法が、(哺乳動物に対して)抗原を投与することを含み、ナイセリア属菌LOSが、次式(I)
Figure 2007537248
で表され、式中、LAが、好ましくはナイセイア属菌株由来の野生型リピドA部分、又はより好ましくは毒性が低下したリピドA部分であることを特徴とする方法に関する。
式(1)中、GlcNAcはD−グルコサミン、GalはD−ガラクトース、GlcはD−グルコース、HepはD−ヘプトース、KDOは3−デオキシ−D−マンノオクツロソン酸、PEAはホスホエタノールアミン、β1→4は、1位と4位との間のβ−グリコシド結合、β1→3は、1位と3位との間のβ−グリコシド結合、α1→5は、1位と5位との間のα−グリコシド結合、α1→3は、1位と3位との間のα−グリコシド結合、α1→2は、1位と2位との間のα−グリコシド結合、α2→4は、2位と4位との間のα−グリコシド結合であり、さらにPEA(3又は6)は、ホスホエタノールアミンが、ヘプトースの3位若しくは6位で結合していてもよく、又は全く存在しなくてもよいことを示している。
すなわち本発明は、哺乳動物の免疫又はワクチン接種用の薬剤の製造における上記に定義されるナイセリア属菌LOSの使用に関する。本発明のナイセリア属菌LOSは、好ましくはアジュバントとして使用される。前記ナイセリア属菌LOSは、より好ましくは哺乳動物における抗原(又は抗原を用いたワクチンの接種)に対する免疫応答を惹起するための薬剤の製造において、抗原と組み合せて用いられる。
本発明の方法及び使用において、哺乳動物は好ましくはヒトであり、抗原は好ましくは細菌、ウイルス、真菌類(fungus)、寄生虫、がん細胞、若しくは下記に定義されるアレルゲンに由来するか、又はそれらから産生される。前記抗原及びナイセリア属菌LOSは、細菌、ウイルス、真菌類若しくは寄生虫によって惹起される感染症、がん細胞によって生じる腫瘍、又はアレルゲンによって惹起されるアレルギーの治療及び/又は予防に用いられることが好ましい。
本発明の好適な実施形態において、本発明のナイセリア属菌LOSは、毒性が低下した、修飾されたリピドA部分(LA)を有する。かかる修飾されたLAの毒性は、好ましくは対応する野生型LAの毒性よりも低く、より好ましくは野生型LAの毒性の90、80、60、40、20、10、5、2、1、0.5又は0.2%未満である。前記野生型の毒性、及び毒性が低下した種々の修飾LAの毒性は、当技術分野で公知の適切なアッセイを用いて決定することができる。前記毒性、即ち本発明のLA又はナイセリア属菌LOSの生物活性を決定するための好適なアッセイは、MM6マクロファージ細胞株におけるTNF−アルファ誘導を調べるWEHI試験である(Espevik and Niessen, 1986, J. Immunol. Methods 95:99-105; Ziegler-Heitbrock et al., 1988, Int. J. Cancer 41:456-461)。
毒性が低下したLAを有する本発明のナイセリア属菌LOSは、一方で十分な免疫賦活活性、即ちアジュバント活性を維持している。毒性が低下した本発明のナイセリア属菌LOSは、野生型LAをもった対応するナイセリア属菌LOSの、少なくとも10、20、40、80、90、又は100%の免疫賦活活性を有することが好ましく、かかる免疫賦活活性は、本明細書の実施例3に記載の少なくとも一つのサイトカインの産生又は少なくとも一つの共刺激分子の発現を測定することにより決定される。
毒性が低下したリピドA部分を有する、但しアジュバント特性を(部分的に)維持するナイセリア属菌LOSは、例えばWO02/09746に概説される遺伝的に改変したグラム陰性病原菌から得ることができる。毒性が低下したLAを有するナイセリア属菌LOSの好適な例として具体的には、(a)lpxL1遺伝子及びlpxL2遺伝子(以前の呼称はhtrB遺伝子及びmsbB遺伝子)又はそれらの相同体の、1又は2以上の発現を低下又は不活化する変異を有するナイセリア属菌株から得ることができるリピドA部分を有するLOS(例えばEP1,127,137及びUS5,997,881参照)、(b)アシルオキシ加水分解酵素(acyloxyhydrolase)を用いた処理又はアルカリ加水分解処理により、野生型リピドA部分から1又は2以上の二級O結合型エステル化脂肪酸を除去することにより得ることができるリピドA部分を有するLOS(US5,103,661及びErwin et al., 1991, Infect, Immun, 59:1881-87)、(c)野生型リピドA部分をヒドラジン処理することにより得ることができるリピドA部分を有するLOS(Gu et al., 1996, Infect. Immun. 64:4047-53、Polotsky et al., 1994, Infect Immun, 62:210-14、及びGu et al., 1998, Infect, Immun, 66:1891-97, 1998)、(d)アルカリホスファターゼを用いてリピドA部分を脱リン酸化することにより得ることができるリピドA部分を有するLOS(US6,290,952)、及び(e)非相同の(heterologous)lpxE遺伝子又はpagL遺伝子が発現しているナイセリア属菌宿主において産生されたLOSを酵素的に脱リン酸化又は脱アシル化することにより得ることができるLOSが挙げられる。本明細書において発現の低下とは、対応する野生型菌株と比較した場合の増減を意味すると理解され、発現レベルは、好ましくは対応する野生型菌株と、少なくとも2倍、5倍又は10倍相違する。
したがって、毒性が低下した好適なLAとしては、還元グルコサミンにのみ二級C12−アシルを有するLA、非還元グルコサミンにのみ二級C12−アシルを有するLA、いずれの二級C12−アシル基も欠如するLA、1又は4’位のいずれかで、1又は2以上のリン酸基を欠如するLA、及び上記脱アシル化と脱リン酸化との組合せを有するLAが挙げられる。
さらなる態様において本発明は、次式(I)
Figure 2007537248
で表されるナイセリア属菌LOSであって、式中、好ましくはLAが、上記に定義した、毒性が低下したリピドA部分であることを特徴とするナイセリア属菌LOSに関する。
本発明のさらに別の態様は、本明細書において上記に定義したナイセリア属菌LOSと薬学的に許容される担体とを含む組成物に関する。前記組成物は、細菌、ウイルス、真菌類、寄生虫、がん細胞、若しくはアレルゲンに由来するか、又はそれらから産生される抗原をさらに含むことが好ましい。前記医薬組成物は、薬学的に許容される安定化剤、浸透圧薬剤(osmotic agent)、緩衝剤、分散剤等をさらに含む場合がある。前記医薬組成物の好適な形態は、所望の投与方法及び治療の用途によって決まる。前記医薬用担体は、有効成分、即ちナイセリア属菌LOS及び抗原を患者に投与(deliver)するのに適した相溶性(compatible)かつ無毒な物質であれば、どのようなものでもよい。鼻腔内投与用の薬学的に許容される担体の例としては、水、緩衝生理食塩水、グリセリン、ポリソルベート20(polysorbate 20)、クレモフォルEL(cremophor EL)、カプリル酸/カプリン酸グリセリドの混合水溶液を挙げることができ、中性のpH環境をもたらすために、緩衝液で処理してもよい。非経口投与用の薬学的に許容される担体の例としては、必要に応じて20%のアルブミンを添加した0.9%の塩化ナトリウム無菌緩衝液又は5%のグルコース緩衝液が挙げられる。非経口投与用の調製剤は、無菌でなくてはならない。周知の方法による有効成分の非経口の投与経路としては、例えば皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内若しくは病巣内の経路による注射又は注入が挙げられる。本発明の組成物は、好ましくはボーラス注入法(bolus injection)により投与される。筋肉内注射用の典型的な医薬組成物は、例えば1〜10mlのリン酸緩衝生理食塩水、1〜100μg、好ましくは15〜45μgの抗原、及び1〜100μg、好ましくは15〜45μgの本発明のナイセリア属菌LOSを含有する。経口投与の場合、有効成分は、エリキシル剤、シロップ剤、及び懸濁剤等の液剤の形態で投与することができる。経口投与用の液剤は、患者の許容性を高めるために、着色剤及び香料を含有させることができる。非経口、経口、又は鼻腔内投与が可能な組成物の調製方法は、当技術分野で周知であり、例えばRemington’s Pharmaceutical Science (15th ed., Mack Publishing, Easton, PA, 1980)(参照により該文献全体を本明細書に援用する)を含む各種の出典に詳細が記載されている。
本発明の組成物における抗原は、細菌、ウイルス、真菌類、寄生虫、がん細胞、若しくはアレルゲンに由来するか、又はそれらから産生される抗原であることが好ましい。本発明のナイセリア属菌LOSと組み合せることができるウイルス抗原は、あらゆるウイルスから得ることができる。限定するものではないが、前記ウイルスの例としては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)等のレトロウイルス科と、風疹ウイルスと、インフルエンザウイルス、麻疹、流行性耳下炎、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタ肺炎ウイルス等のパラミクソウイルス科と、黄熱病ウイルス、デング・ウイルス、C型肝炎ウイルス(HCV)、日本脳炎ウイルス(JEV)、ダニ媒介脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、又は西ナイルウイルス等のフラビ・ウイルス科(flaviviridae)と、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バール・ウイルス等のヘルペスウイルス科(herpesviridae)と、ブニヤウイルス科と、アレナウイルス科と、ハンターン等のハンタウイルス科と、コロナウイルス科と、ヒト乳頭腫ウイルス等のパポバウイルス科と、狂犬病ウイルス等のラブドウイルス科と、ヒトコロナウイルス等のコロナウイルス科と、アルファウイルス科と、アルテリウイルス科と、エボラウイルス等のフィロウイルス科と、アレナウイルス科と、天然痘ウイルス等のポックスウイルス科と、アフリカブタ熱ウイルスとが挙げられる。同様に、本発明のナイセリア属菌LOSは、病原菌、(酵母を含む)真菌類、又は寄生虫由来の抗原と組み合せる場合がある。かかる抗原としては、例えば、ヘリコバクター・ピロリ等のヘリコバクター属、髄膜炎菌等のナイセリア属、ヘモフィルス・インフルエンザ等のヘモフィルス属、百日咳菌等のボルデテラ属、クラミジア属、A血清型レンサ球菌(streptococcus sp. serotype A)等のストレプトコッカス属、ビブリオ・コレラ等のビブリオ属、例えばサルモネラ属、シゲラ属、カンピロバクター属、及びエシェリキア属等を含むグラム陰性腸内病原菌の細菌性抗原、並びに炭疽病、ハンセン病、結核、ジフテリア、ライム病、梅毒、腸チフス、及び淋病の原因菌由来の抗原が挙げられる。寄生虫由来の抗原としては例えば、バベオシス・ボビス(Babeosis bovis)、プラズモディウム属、リーシュマニア属、トキソプラズマ原虫、及びクルーズ・トリパノソーマ等のトリパノソーマ属等の原生動物が挙げられる。真菌類の抗原としては、アスペルギルス属、カンジダ・アルビカンス、例えばクリプトコッカス・ネオフォルマンス等のクリプトコッカス属、及びヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)といった真菌類由来の抗原を挙げることができる。
ワクチン接種は通常、病原菌に対する予防的防御、又は病原性感染症に引き続く疾患の治療に適用されるが、ワクチンが腫瘍の治療に適用されることも当業者には周知である。さらに、ヒト又はヒト化された抗体により標的とされ得る適切な存在(entity)として、多くの腫瘍特異的タンパク質が見い出されている。かかる腫瘍特異的タンパク質もまた、本発明の範囲に含まれる。当技術分野においては、多くの腫瘍特異的抗原が周知である。したがって、一つの好適な実施形態において本発明は、腫瘍特異的抗原と上記に定義したナイセリア属菌LOSとを含む組成物を提供する。適切な腫瘍抗原としては例えば、がん胎児性抗原、前立腺特異的膜抗原、前立腺特異的抗原、MZ2−Eタンパク質、多形上皮性ムチン(PEM)、葉酸結合タンパク質LK26、切断型(truncated)表皮増殖因子受容体(EGRF)、HER2、Thomasen-Friedenreich (T) 抗原、GM−2及びGD2ガングリオシド、Ep−CAM、ムチン−1、上皮糖タンパク質−2、及び結腸特異的抗原(colon specific antigen)が挙げられる。
さらに自己免疫疾患の予防において寛容を誘導するために、樹状細胞を抗原の標的とすることもできる。かかるアレルゲンもまた、本発明の範囲に含まれる。
本発明の別の態様は、上記に定義されたナイセリア属菌LOSの製造方法に関する。好適な方法は、(a)免疫型L2、L3、若しくはL4のナイセリア属菌LOSを発現し、且つ活性のlgtB遺伝子を欠如する髄膜炎菌株、又は免疫型L6のナイセリア属菌LOSを発現する髄膜炎菌株であって、加えて1又は2以上のlpxL1遺伝子若しくはlpxL2遺伝子又はそれらの相同体の発現を不活化又は低減する変異を有する髄膜炎菌株を培養するステップと、(b)前記ナイセリア属菌LOSを回収するステップとを含む。別法として前記方法は、(a)免疫型L2、L3、若しくはL4のナイセリア属菌LOSを発現し、且つ活性のlgtB遺伝子を欠如する髄膜炎菌株、又は、免疫型L6のナイセリア属菌LOSを発現する髄膜炎菌株を培養するステップと、(b)前記ナイセリア属菌LOSを回収するステップと、(c)ヒドラジン、アルカリホスファターゼ、又はアシルオキシ加水分解酵素からなる群から選択される少なくとも1つを用いてナイセリア属菌LOSを処理し、リピドA部分の毒性を低下させるステップとを含む。前記方法において、ステップ(b)及びステップ(c)の順番を入れ替える場合がある。好適な方法では、ステップ(c)において毒性は、上記のWEHIアッセイで決定された、野生型ナイセリア属菌LOSの毒性の80%未満まで低下する。
本発明のさらに別の態様は、上記に定義したナイセリア属菌LOSを含むグラム陰性OMV(外膜小胞)又はブレブ(blebs)に関する。グラム陰性OMV又はブレブの製造手段及び方法は、WO02/09746に記載されている。このようにして得られたグラム陰性ブレブを本発明のナイセリア属菌LOSと組み合せ、ナイセリア属菌LOSを含むグラム陰性ブレブを製造することができる。別法として前記ブレブは、上記に定義した、本発明のナイセリア属菌LOSを産生する能力を有するナイセリア株から製造される場合がある。ナイセリア属菌LOSを含むグラム陰性ブレブは、上記の抗原及び/又は上記の薬学的に許容される担体とさらに組み合せる場合がある。
1 材料及び方法
1.1 菌株
先に記載の髄膜炎菌野生株(WT)H44/76集団Bからオリゴ糖のコア変異体及びリピドA変異体を得た。
Figure 2007537248
本研究において用いたオリゴ糖のコア変異体の構造を、図1に示す。菌株は全て、6%のCOを含む空気の雰囲気下で、ビトックス(英国ベージングストーク、Oxoid社製)を添加した淋菌寒天培地(英国ベージングストーク、Difco社製)において、36℃で増殖させた。前記細菌は、18時間培養した後の静止期で使用した。フェノールレッド不含RPMI1640培地(英国ペーズリー、Gibco社製)で細菌を懸濁し、その吸光度を540nmで測定した。吸光度1は、1ml当たり10の微生物に相当すると算出された。0.5%のパラホルムアルデヒド(PFA)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に細菌を15分間固定し、RPMI培地で十分に洗浄した。0.5mg/mlのFITC(英国プール、Sigma社製)を用いて37℃で20分間インキュベートし、その後十分に洗浄し、FITC標識細菌を調製した。
1.2 細胞
先に記載のように、ヒト末梢血単核球細胞(PBMC)からDCを製造した(F. Sallusto and A. Lanzavecchia, 1994, J. Exp. Med. 179:1109-1118; H. Uronen-Hansson et al., 2004, Immunology 111: 173-178)。簡潔にいえば、多段パーコール勾配遠心法により、PBMCから単球を調製した。かかる単球の画分は、>95%CD14+/CD3−/CD19−であった。10%の加熱不活化FCS、2.4mMのL−グルタミン、100U/mlのペニシリン−ストレプトマイシン(全て英国ペーズリー、Gibco社製)、100ng/mlのヒト組換えGM−CSF及び50ng/mlのヒト組換えIL4(英国ハーツ、ウェルウィンガーデンシティ、Schering-Plough社製、)を添加したRPMIにて単球を7日間インキュベートし、DCを作出した。このようにして調製した未成熟DCは、CD14low、CD83−ve、CD86low、CD25−veであった。これらのCDはまた、HLA、DR、HLA、DQ、HLAクラスI、CD40及びCD1aを発現し、CD19及びCD3の両方については陰性であった。
10%FCSを添加したRPMI1640にて、(図面の説明に述べるように)DC/細菌比率1:50及び1:200で、5×10/mlの濃度のDCを髄膜炎菌H44/76菌体とともに培養した。細胞内サイトカインの測定時に、10μg/mLのタンパク質輸送阻害剤ブレフェルディンA(英国プール、Sigma社製)を添加した。
未成熟DCを、20μg/mlの抗DC−SIGN mAb AZN−D1と共に37℃で30分間インキュベートし、その後、野生型細菌及び変異細菌と共に37℃で45分間インキュベートすることにより、lgtB変異細菌のDCに対する結合特異性を検討した。
1.3 DCへの結合及び内部移行
DCに対する細菌の結合及び内部移行は、フローサイトメトリー法と共焦点顕微鏡法とを併用して検討した。フローサイトメトリー法による検出では、DCをFITC標識細菌とともに30分〜24時間の間で異なる時間インキュベートし、FACSFix(Becton Dickinson社製)に固定し、FACSカリバー上で洗浄及び解析した。ゲートをかけたDC集団(DC gated population)では、細菌が結合したDCは、蛍光により容易に同定できた。共焦点顕微鏡法では、FITCで標識した髄膜炎菌で刺激したDCを、接着スライド(adhesion slide)(英国ハーツBio-Rado Laboratories 社製)に10分間置き接着させた。内部移行を停止させるため、4%のPFAで10分間DCを固定した。5μg/mlの抗MHCクラスIIモノクローナル抗体(デンマーク、グロストラップ、Dako社製)で染色し、DCを視覚化した。洗浄後、結合した抗体について、テキサスレッドコンジュゲートヤギ抗マウス抗体(Molecular probes社製)5μg/mlで1時間の検出を行った。前記スライドを洗浄し、Citifluor(英国、Citifluor社製)に配置した。適切なフィルターセットを備えた、ライカSP2共焦点レーザー走査顕微鏡システム(英国ミルトンキーンズ、Leica社製)を用い、共焦点画像を得た。細胞内細菌を同定するため、ライカ共焦点画像ソフトウェアを用いてDC全域の15〜20の光学切片(0.2〜0.5μm)を写し、重ね合わせた。
1.4 サイトカイン測定
細胞内のサイトカイン産生を測定するため、4%のPFAを含むPBSでDCを固定し、0.1%のアジ化ナトリウム及び0.5%のBSA(全てSigma社製)を含有するPBS中で洗浄し、25μlの浸透化溶液(Caltag社製)で浸透処理した。次に細胞を、抗TNF−αモノクローナル抗体(英国オックスフォード、Becton Dickinson社製)及びIL−12 p40/70(Pharmingen社製)又はアイソタイプ(isotype)が適合する対照を用いて室温の暗室で30分間インキュベートした。続いてPBS中で前記細胞を2回洗浄し、セルフィックス(CellFix(Becton Dickinson社製))中で固定し、セル・クエスト・ソフトウェア(Cell Quest Software(Becton Dickinson社製))を用いてFACSカリバー上でフローサイトメトリー法により解析した。DCは、前方及び右方向(forward and right angle)の分散によって同定される顕著な集団を構成した。かかる集団の細胞の少なくとも95%は、MHCII、CD1a、CD25、CD80、CD83及びCD86の発現によりDCと確定した。DCに対応するゲートにおいて、少なくとも3000のイベント(event)についてデータ収集して解析した。可溶性サイトカインのELISAアッセイのため、ヒトIL−12、TNF−α、IL−10、IL6及びIL1βについて、サイトセット(CytoSets(商標))ELISAキット(ベルギー、ニベル、Biosource Europe S.A. 社製)を製造元の取扱説明書に従って用いた。
1.5 可溶性C型レクチンFc接着アッセイ
C型レクチンFc分子は、COOH末端においてヒトIgG1−Fc断片に融合するC型レクチン受容体(DC−SIGN、MGL及びデクチン−1B)の細胞外部分からなる(T. Geijtenbeek et al., 2003, J. Exp. Med. 197:7-17)。可溶性C型レクチンFc接着アッセイを次のように行った。全ての細胞(OD540=0.1)を、室温で18時間、ELISAプレート(100μl/ウェル)上にコーティングした。次に1%のBSAを用い、37℃で30分間ブロッキングした。可溶性C型レクチンFcの上清を添加し、室温に2時間置いた。結合していないC型レクチンFcを洗い流し、抗IgG1抗体を用い、ELIZA法で結合を測定した。
1.6 DCによるTh1/Th2の分化
10%のFCS(ベルギー、ベルビエ、Bio Withaker社製)、500U/mlのIL−4及び800U/mlのGM−CSF(共にSchering-Plough社製)を添加したイスコフ改変ダルベッコ培地(Gibco社製)において、健常ドナーの単球からDCを培養した。6日目に、感染多重度10で、髄膜炎菌野生株及びlgtB変異株を用いてDCの成熟を誘導した。(i)混合Th1/Th2反応アッセイでは、10ng/mlの大腸菌LPS(ミズーリ州セントルイス、Sigma-Aldrich社製)(ii)Th1の分化アッセイでは、20μg/mlのpolyI:C(Sigma-Aldrich社製)、及び(iii)Th2の分化アッセイでは、10μg/mlのPEG2、10ng/mlのLPS(Sigma-Aldrich社製)を陽性対照(positive control)として用いた。2日目に、フローサイトメトリー法により、DCの成熟マーカー(CD80、CD83、CD86及びHLA−DR)を解析した。T細胞の分化を評価するため、成熟DCを、CD45RA/CD4T細胞とともにインキュベートした(5.10T細胞/20.10DC)。12〜15日目に、10ng/mlのPMA(Sigma-Aldrich社製)及び1μg/mlのイオノマイシン(Sigma-Aldrich社製)で、静止T細胞を6時間再刺激した。1時間後、前記T細胞に10μg/mlのブレフェルディンA(Sigma-Aldrich社製)を添加した。IL−4及びIFN−γの単一細胞産生を、細胞内フローサイトメトリー解析で測定した。細胞を2%のPFA中で固定し、0.5%のサポニン(Sigma-Aldrich社製)で浸透処理し、抗ヒトIFN−γ−FITC及び抗ヒトIL−4−PE(カルフォルニア州サンディエゴ、Becton Dickinson Pharmigen社製)で染色した。
髄膜炎菌のオリゴ糖コア変異株の樹状細胞への結合及び内部移行
フローサイトメトリー法を用い、髄膜炎菌野生株、オリゴ糖変異株、及びLPS欠損変異株のヒトDCへの結合及び内部移行について調べた。未成熟DCを、髄膜炎菌野生株H44/76由来のFITC標識変異株とともに、DC/細菌比率1:50(図2)及び1:200(データ示さず)で共培養し、DCに結合したFITC標識細菌の存在を、FACSにより解析した。野生株及びオリゴ糖変異株の両方について、時間及び用量依存的なDCとの結合が観察された。LPS欠損変異株については、時間経過の最初の6時間において、DCとの結合がほとんど見られなかった。lgtB変異株はどちらの濃度でも一貫して、野生株又はgalE変異株よりも、DCへの結合性が高かった。
次に、細菌の結合と内部移行とを区別するために、共焦点顕微鏡を用い、髄膜炎菌野生株及び変異株のDCへの内部移行について検討した(データは示さず)。FITC細菌は、スライド上で緑色の小粒子として容易に認めることができた。DCを可視化するために、MHCクラスIIによる染色を用いた。大部分のDCでは、1時間のインキュベート後すでに、野生型細菌又はgalE変異細菌に比較してより多くのlgtBが内部移行していた。LPS欠損変異細菌については、ほとんど内部移行がみられなかった。lgtB変異細菌については、高レベルの内部移行に加え、時間的経過中を通じて、高い表面接着を維持するのが典型であった。これらの結果は、FACSによる結果、即ちDCに対する細菌の結合性の増強は、細菌の内部移行の増強をもたらすという結果を裏付けるものである。
髄膜炎菌変異株に対する応答としてのDCの活性化及び成熟化
細菌の内部移行とサイトカイン産生との関係について検討するため、野生株及び変異株に対する応答として樹状細胞が産生したIL12及びTNF−αについて細胞内測定を行い、内部移行について一斉分析(simultaneous analysis)した(図3)。DCを、1:50の比率でFITC標識細菌とともに18時間共培養し、次にTNF−α及びIL12の細胞内産生を調べるために染色した。FITC細菌が結合した細胞とFITC細菌が結合していない細胞とを区別するために、四象限(quadrants)を設定した。パーセンテージは、細菌の内部移行後に細胞内サイトカインを産生しているDC(右上象限)又は産生していないDC(右下象限)の割合である。野生株、lgtB及びgalE変異株は全て、DCによるTNF−α及びIL−12産生の強力な誘導因子であったが、LPS欠損型変異株は違った。髄膜炎菌野生株、lgtB、及びgalE変異株が内部移行したDCでは実質的にその全てが、高レベルのTNF−αを産生していた。IL−12については、FITC標識細菌が内部移行したDCの約50%で産生がみられた。
細胞内のサイトカインの測定に加え、髄膜炎菌に対する応答としてDCから分泌されたサイトカインのレベルも測定した(図4)。DCを、1:200の比率で変異細菌及び野生型細菌とともに18時間共培養し、上清を回収して分泌されたIL12、IL10、TNF−α、IL6及びIL−1βについて解析した。野生型(野生型=100%)と比較したサイトカイン産生のパーセンテージを、結果として示す。lgtB及びgalE変異細菌はともに、IL12、TNF−α、及びIL−1βの誘導について、野生型細菌をやや下回った。IL−10及びIL−6については、lgtB及びgalEともに、野生株と同様であった。LPS欠損株には、サイトカイン産生がほとんどみられなかった。
最後に、共刺激分子CD40及びCD86の発現を測定し(図5)、野生型細菌及び変異細菌で刺激したDCの成熟化について検討した。野生型細菌又はgalE変異細菌で刺激したDCと比較して、lgtB変異細菌で刺激したDCの場合には、CD40及び特にCD86の発現が高かった。lpxA変異細菌で刺激したDCでは、CD40及びCD86の発現はほとんどみられなかった。
結論としてこれらのデータは、lgtB変異細菌がDCに結合及び内部移行すると、野生型細菌が誘導するDC活性化及び成熟化のレベルと同程度のDC活性化及び成熟化をもたらすことを示している。
lgtB変異細菌の結合及び内部移行を仲介する受容体の同定
DCがlgtB変異細菌を高度に結合及び吸収するということが、かかる結合及び内部移行が、特異的なDC受容体によって仲介されているかどうかを調べるきっかけとなった。したがって本発明者らは、野生株及び変異株について、オリゴ糖認識能を有し、未成熟DCに高度に発現するC型レクチン受容体を結合する能力を解析した。野生型細菌及び変異型細菌の細胞全体に対するC型レクチンFcキメラのパネル(panel)の結合を、可溶性接着アッセイ(soluble adhesion assay)において検討した(図6)。前記C型レクチンFcキメラは、野生型細菌、galE変異細菌、及びLPS欠損変異細菌には結合しなかったが、lgtB変異細菌はDC−SIGN−Fcを強く結合した。lgtB変異細菌とDC−SIGNとの結合は、DC−SIGN又はDC−SIGNを安定的に発現するK562細胞を一過性に形質移入したHEK293T細胞にもみられた(データ示さず)。さらに、抗DC−SIGN遮断抗体AZN−D1の存在下又は非存在下で、DCによるlgtB変異細菌の貪食について検討したところ、DC−SIGNに対するlgtB LPSの特異性が実証された(図7)。AZN−D1の存在下では、DCによるlgtBの貪食は、野生型についてみられる結合のレベルまで減少し、これは明らかに、DC−SIGNがlgtB変異細菌を結合及び内部移行させることを実証するものである。
1の免疫応答を惹起する、DC−SIGNに対するlgtB変異細菌のターゲティング
lgtB変異細菌LPSとDC−SIGNとの相互作用に機能的関連性があるとすれば、それを評価するべく、PFAで固定した野生型細菌又はlgtB変異細菌のいずれかを未成熟DCにパルスした後、DCにより誘導されるT細胞の応答について検討した。野生型細菌又はlgtB変異細菌をパルスしたDCを、共刺激分子及び成熟マーカーの発現により評価したところ、DCの成熟に相違はみられなかった(図8a)。しかし、これらの株により誘導されるT1/T2のプロファイルには、顕著な相違がみられた(図8b)。髄膜炎菌の野生型細菌をパルスしたDCでは、大部分のT細胞がIL−4を産生していたため、主にT2型の免疫応答を生じた。lgtB変異細菌をパルスしたDCは主に、IFN−γ−産生T細胞を誘起(evoke)し、したがってT1細胞対T2細胞の均衡を、T1細胞寄りに変えた。かかるT1/T2の均衡の変化は、3つの異なるドナーで観察された。これらのデータは、lgtB LPSをDC−SIGN特異的にターゲティングすると、DCシグナルが生じ、このシグナルが、免疫応答をT1へと誘導することを示しており、これは、アジュバントにとって非常に望ましい現象である。P. Moingeon et al. (2001) Vaccine 19:4363-4372についても参照のこと。
髄膜炎菌のオリゴ糖/リピドA二重変異株のDCへの結合及び内部移行
髄膜炎菌野生株、lgtA及びlgtBオリゴ糖変異株、それらのlpxL1二重変異株、及びLPS欠損変異株のヒトDCへの結合及び内部移行を、フローサイトメトリー法を用いて調べた。未成熟DCを、DC/細菌比率1:100で髄膜炎菌野生株H44/76由来のFITC標識変異株と共培養し、DCに結合したFITC標識細菌の存在について、FACSで解析した(図9)。lgtB単一変異株は一貫して、野生株及びlgtA単一変異株よりも、DCとの結合性が高かった。さらにまたlgtB変異株は、lpxL1変異背景においても野生型オリゴ糖構造体又はlgtAオリゴ糖構造体よりも高い結合性を生じた。この結果は、ペンタアシル化されたlpxL1リピドAを含むLPSでも、lgtBの仲介によるDC−SIGNへの結合が増強し得ることを示している。
髄膜炎菌野生株L3 LPS及びそのオリゴ糖変異株の概略図である。かかる変異株は、糖転移酵素をコードする遺伝子(イタリック体表示)の挿入不活性化により作製できる。 樹状細胞(DC)を1:50の比率で、FITC標識細菌とともに24時間培養した。DCに対する細菌の結合をFACSで測定するために、表示の時間の時点で、試料を採取した。3つの異なるドナーついての独立した代表的な試験結果を示す。 DCを1:50の比率で、FITC標識細菌を用いてブレフェルディンAの存在下に18時間刺激し、細胞内のTNF−α及びIL−12を調べるために染色した。ドットプロット(dot plot)は、細菌が結合したDCについて、細胞内サイトカインを産生していない(右下象限)又はしている(右上象限)DCの割合を示す。 18時間の共培養の後、野生型髄膜炎菌及び変異体に対する応答としてDCが産生したTNF−α、IL−12、IL−1β、IL−10及びIL−6を、培養上清中でELISAにより測定した。独立した3つの異なる試験結果について、平均値及びSEM値を示す。 野生型髄膜炎菌及び髄膜炎菌変異体とDCとを18時間共培養した後の、CD40及びCD86の発現を、蛍光強度中央値(MFI)によって示す。 可溶性接着アッセイにおける、C型レクチンFc分子の髄膜炎菌野生株及び変異株への結合。 1mlあたり20μgの抗DC−SIGN抗体AZN−D1の存在下及び非存在下における、髄膜炎菌野生株及びlgtB変異株のDCへの結合。 DCが誘導するTh1/Th2細胞の増殖。髄膜炎菌野生株H44/76、lgtB変異株、大腸菌LPS、polyI:C又はPEG2とともにDCを48時間培養し、洗浄し、(A)成熟マーカー(独立した3つの異なる試験結果について平均値及びSEM値)を分析するか、又は(B)高純度のCD45RACD4T細胞と共培養し、静止T細胞をPMA及びイオノマイシンで再刺激し、フローサイトメトリー法で細胞内IL−4(グレー)及びIFN−γ(黒)を単一細胞ベースで解析した。3つの別々のドナーから得たデータを示す。 生菌のDCへの結合及びサイトカイン誘導。樹状細胞(DC)を、1:100の比率で、FITC標識した髄膜炎菌野生株及びLPS変異株とともに培養した。表示された時間の時点で、DCへの細菌の結合をFACSにより測定するため、試料を採取した。2つの別々のドナー由来の細胞について結果を示す。

Claims (16)

  1. 哺乳動物の免疫用薬剤の製造におけるナイセリア属菌LOSの使用であって、前記ナイセリア属菌LOSが次式(I)
    Figure 2007537248
    で表され、式中、LAが野生型リピドA部分又は毒性が低下したリピドA部分であることを特徴とする使用。
  2. ナイセリア属菌LOSが、アジュバントとして用いられることを特徴とする請求項1記載の使用。
  3. 哺乳動物における抗原に対する免疫反応を増強させるための薬剤の製造において、ナイセリア属菌LOSが、抗原と組み合せて用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の使用。
  4. 抗原が、細菌、ウイルス、真菌類、寄生虫、ガン細胞、若しくはアレルゲンに由来するか、又はそれらから産生されることを特徴とする請求項3記載の使用。
  5. LAが、WEHIアッセイにおいて決定された、野生型リピドA部分の毒性の80%未満の毒性のリピドA部分であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の使用。
  6. リピドA部分が、
    (a)lpxL1遺伝子若しくはlpxL2遺伝子又はそれらの相同体を低活性化又は不活化する変異を有するナイセリア属菌株から得ることができるリピドA部分、
    (b)アシルオキシ加水分解酵素を用いた処理により、野生型リピドA部分から1又は2以上の二級O結合型エステル化脂肪酸を除去することにより得ることができるリピドA部分、
    (c)野生型リピドA部分をヒドラジンで処理することにより得ることができるリピドA部分、
    (d)アルカリホスファターゼを用いて脱リン酸化することにより得ることができるリピドA部分、
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の使用。
  7. リピドA部分が、
    (a)還元グルコサミンにのみ二級C12−アシルを有するリピドA部分、
    (b)非還元グルコサミンにのみ二級C12−アシルを有するリピドA部分、
    (c)いずれの二級C12−アシル基も欠如するリピドA部分、
    (d)1又は4’位のいずれかで、1又は2以上のリン酸基を欠如するリピドA部分、
    (e)前記(a)、(b)又は(c)における脱アシル化と前記(d)における脱リン酸化との組合せを有するリピドA部分、
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の使用。
  8. 次式(I)
    Figure 2007537248
    で表され、式中、LAは毒性が低下したリピドA部分であることを特徴とするナイセリア属菌LOS。
  9. リピドA部分の毒性が、WEHIアッセイにおいて決定された、野生型リピドA部分の毒性の80%未満であることを特徴とする請求項8記載のナイセリア属菌LOS。
  10. リピドA部分が、
    (a)lpxL1遺伝子若しくはlpxL2遺伝子又はそれらの相同体を低活性化又は不活化する変異を有するナイセリア属菌株から得ることができるリピドA部分、
    (b)アシルオキシ加水分解酵素を用いた処理により、野生型リピドA部分から1又は2以上の二級O結合型エステル化脂肪酸を除去することにより得ることができるリピドA部分、
    (c)野生型リピドA部分をヒドラジンで処理することにより得ることができるリピドA部分、
    (d)アルカリホスファターゼを用いて脱リン酸化することにより得ることができるリピドA部分、
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項8又は9記載のナイセリア属菌LOS。
  11. リピドA部分が、
    (a)還元グルコサミンにのみ二級C12−アシルを有するリピドA部分、
    (b)非還元グルコサミンにのみ二級C12−アシルを有するリピドA部分、
    (c)いずれの二級C12−アシル基も欠如するリピドA部分、
    (d)1又は4’位のいずれかで、1又は2以上のリン酸基を欠如するリピドA部分、及び
    (e)前記(a)、(b)又は(c)における脱アシル化と前記(d)における脱リン酸化との組合せを有するリピドA部分、
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか記載のナイセリア属菌LOS。
  12. 請求項8〜11のいずれかに定義されるナイセリア属菌LOSと薬学的に許容される担体とを含む組成物。
  13. 細菌、ウイルス、真菌類、寄生虫、ガン細胞、若しくはアレルゲンに由来するか、又はそれらに産生される抗原をさらに含むことを特徴とする請求項12記載の組成物。
  14. 請求項8〜11のいずれかに定義されるナイセリア属菌LOSの製造方法であって、前記方法が、
    (a)免疫型L2、L3、若しくはL4の免疫型のナイセリア属菌LOSを発現し、且つ活性のlgtB遺伝子を欠如する髄膜炎菌株、又は免疫型L6のナイセリア属菌LOSを発現する髄膜炎菌株であって、加えて1又は2以上のlpxL1遺伝子若しくはlpxL2遺伝子又はそれらの相同体の発現を不活化又は低減する変異を有する髄膜炎菌株を培養するステップと、
    (b)前記ナイセリア属菌LOSを回収するステップと
    を含む方法。
  15. 請求項8〜11のいずれかに定義されるナイセリア属菌LOSの製造方法であって、前記方法が、
    (a)免疫型L2、L3、若しくはL4のナイセリア属菌LOSを発現し、且つ活性のlgtB遺伝子を欠如する髄膜炎菌株、又は、免疫型L6のナイセリア属菌LOSを発現する髄膜炎菌株を培養するステップと、
    (b)前記ナイセリア属菌LOSを回収するステップと、
    (c)ヒドラジン、アルカリホスファターゼ、又はアシルオキシ加水分解酵素のうちの少なくとも1つを用いてナイセリア属菌LOSを処理してリピドA部分の毒性を低下させるステップと
    を含む方法。
  16. ステップ(c)において毒性が、WEHIアッセイにおいて決定された、野生型ナイセリア属菌LOSの毒性の80%未満まで低下することを特徴とする請求項15記載の方法。
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