JP2007536251A - 子癇前症の処置のための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
pregnancy. W. B. Saunders, Philadelphia
1987:17)。子癇前症は、母体および胎児の死亡および発病の主因であり、妊娠中の人間に固有の疾患である。現在の標準の子癇前症の治療法は、入院、絶対安静、けいれんを防ぐための硫酸マグネシウム投与、および迅速な出産だけである。子癇前症の合併症には、子癇発作、溶血、肝機能試験の高値、血小板数低化(HELLP)症候群、肝破裂、DIC肺水腫、急性腎不全、胎盤早期剥離、子宮内胎児死亡(IUFD)、脳内出血、皮質盲、および網膜剥離が含まれる。多年にわたる研究にもかかわらず、子癇前症の原因は不明である。
4:700-708)。母体のらせん動脈の子宮筋部分への栄養膜浸潤の不全、および全身性内皮損傷を生じる毒性媒介物の産生も関与していると考えられている。
Plenum Press, New York, p. 333 (1990))。その後、子宮胎盤動脈はらせん動脈の約30倍に拡張する。その結果生じる血流力学の変化により、妊娠後期の胎児が必要とする大量の酸素を供給することができるようになる。しかし、女性の子癇前症患者の場合、らせん動脈は適正に子宮胎盤動脈に転換しない。それは、妊娠第二期の初めに子宮筋への栄養膜の移動の第2波が障害されるためである。その結果、子癇前症の女性患者は典型的に、転換前の拡張していないらせん動脈が高耐性、高高血圧、低流量状態を示し(Robertson et al.(1986) Am. J. Obstet. Gynecol. 155:401-412)、多様な臨床症候群を示す。
本願明細書が特徴とするのは、子癇前症のより安全で有効な治療を可能にする新規の診断および処置方法である。ある態様では、子癇前症の処置または予防の方法が提供され、前記方法には、その必要のある妊娠被験体へ有効量の2-メトキシエストラジオール(2-ME)、その類似体、または薬学的に許容なその塩もしくはプロドラッグを投与するステップを含む。各種の実施態様では、前記方法にはさらに、被験体から採取した生物学的対象中における2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体のレベルを決定するステップを含む。ある例示的な実施態様では、前記生物学的試料は尿、血液、または血漿である。
定義
便宜上、本願明細書、実施例、および添付される特許請求の範囲に用いられる特定の用語をここにまとめる。 他に定義のない限り、本願明細書に用いられたすべての技術および科学用語は、本願発明が属する当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を有する。
element」は1つの要素または1つより多い要素を意味する。
Therapeuticsなどの公知の参考文献に記述されており、それらには、薬剤、ビタミン、ミネラルサプリメント、疾患の処置、予防、診断、治癒、または緩和に用いられる物質、身体の構造または機能に作用する物質、または生物学的に活性であるか、もしくは生理学的環境に置かれた後にさらに活性になるプロドラッグがそれらに限定されずに含まれる。
Inorganic Chemistry” by Cotton and Wilkinsonの560ページに記載の定義を有する。
List of Abbreviationsという表題の表に記載されている。
Table of the Elements, CAS versionに従って同定することもできる。さらに、「炭化水素」という用語は、少なくとも1つの水素および1つの炭素原子を有するすべての許容しうる化合物を含むことを意図する。広い局面では、前記の許容しうる炭化水素には、非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環およびヘテロ環、芳香族および非芳香族の、置換または非置換であってよい有機化合物が含まれる。
Organic Synthesis(2nd ed.; Wiley: New
York, 1991)に概説されている。
in Organic Chemistry (McOmie, ed., Plenum Press, New York, 1973)の第2章で論じられている。好適な化学基の例には、具体的にはホルミル、ダンシル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、スクシニル、メトキシスクシニル、ベンジル、および3,4-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、およびトリフェニルメチルなどの置換ベンジルなどのアシル保護基、化学式-COORの化学基であってRにはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2,2,2-トリクロロエチル、1-メチル-1-フェニルエチル、イソブチル、t-ブチル、t-アミル、ビニル、アリル、フェニル、ベンジル、p-ニトロベンジル、o-ニトロベンジル、および2,4-ジクロロベンジルなどの化学基が含まれる化学基、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、およびp-メトキシベンゾイルなどのアシル基および置換アシル、ならびに、メタンスルホニル、p-トルエンスルホニル、p-ブロモベンゼンスルホニル、p-ニトロフェニルエチル、およびp-トルエンスルホニル-アミノカルボニルなどのその他の化学基が含まれる。好ましいアミノ遮断基は、ベンジル(-CH2C6H5)、アシル[C(O)R1]、またはSiR13
であって、当該化学基においてR1はC1乃至C4 アルキル、ハロメチル、または2-ハロ置換(C2乃至C4アルコキシ)、たとえばカルボニルベンジロキシ(Cbz)などの芳香族ウレタン保護基、t-ブチロキシカルボニル(Boc)または9-フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)などの脂肪族ウレタン保護基である。
(McGraw Hill Book Company, New York, 1977) など、多くの参考文献に記述されている。このハメット定数の値は、一般に電子供与基ではマイナス(σ(P) = - 0.66
for NH2)、および電子吸引基ではプラス(ニトロ基ではσ(P) = 0.78)であって、σ(P) はパラ置換を示す。例示的な電子吸引基には、ニトロ、アシル、ホルミル、スルホニル、トリフルオロメチル、シアノ、およびクロリドなどが含まれる。例示的な電子供与基には、アミノ、およびメトキシなどが含まれる。
ここで提供するのは、妊娠障害を処置、予防、および/または診断するための方法および組成物である。ある実施態様では、2-メトキシエストラジオールまたはその類似体を用いた妊娠障害の処置または予防のための方法および組成物を提供する。別の実施態様では、妊娠被験体における2-メトキシエストラジオール(またはその前駆体もしくは代謝物)のレベルを決定することによる、妊娠障害の診断の方法を提供する。ある例示的な実施態様では、本願明細書に記載の方法および組成物は、2-メトキシエストラジオールまたは2-メトキシエストラジオールの類似体をそれを必要とする被験体に投与することによって子癇前症を処置または予防するために用いることもできる。別の例示的な実施態様では、本願明細書に記載の方法および組成物は、妊娠被験体における2-メトキシエストラジオールのレベルを検出するステップを含む、子癇前症または子癇前症発症の確率の診断に用いることもできる。
RはH、C1乃至C6アルキル、アリール、アラルキル、またはカルボニルであって、
R1およびR2は、-OR、-SR、または-N(R)2であって、
R3 はH、ハロゲン化物、C1乃至C6アルキル、アリール、アラルキル、またはカルボニルであって、
R4、R5、およびR6はH、ハロゲン化物、C1乃至C6アルキル、アリール、アラルキル、またはカルボニルであって、
mは1乃至5の整数であって、
nは1乃至6の整数である、
化15の化合物を含む。
さらなる実施態様では、本願明細書に記載の方法および組成物に従った使用に好適な2-メトキシエストラジオール類似体は、化15および付属の定義であって、当該化学式においてR2はOHである、化合物を含む。
はメチルである、化合物を含む。
はHである、化合物を含む。
はHである、化合物を含む。
はHである、化合物を含む。
はHである、化合物を含む。
などの互変異性型があってよい場合、各互変異性型が、平衡状態か、またはR’で適切に置換された片方の型に固定されている状態のいずれかで存在して、本願明細書に記載の化合物に関連して含まれることを意図する。ある1つの場合における任意の置換基の意味は、他の任意の場合のその意味、または任意の他の置換基の意味とは独立である。
D A. Helv. Chim. Acta. 63, 1703, (1980))。本願発明の2-メトキシエストラジオール類似体の一部を調製するために用いられる合成経路は、公開済みの文献(Trembley et al., Bioorganic & Med. Chem. 1995 3, 505-523、Fevig et al.,
J. Org. Chem., 1987 52, 247-251; Gonzalez et al., Steroids 1982, 40, 171-187、Trembley et
al., Synthetic Communications 1995, 25, 2483-2495; Newkome et al., J. Org.
Chem. 1966, 31, 677-681、Corey et al Tetrahedron Lett 1976, 3-6; Corey et
al., Tetrahedron Lett, 1976, 3667-3668、およびドイツ特許第2757157号 (1977)) に記載されているエストラジオール誘導体およびジメチルヒドラゾンの手順を修正した手順に基づく。
1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-エトキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン3,17β-ジオール、エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、16置換2-メトキシエストラジオール誘導体、つまり、2-メトキシ-16α-メチルエストラ- 1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16-エチルエストラ-1,3,5,(10)-トリエン-3,17β-ジオール、16α-(ヒドロキシメチル- l)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、16β-(ヒドロキシメチルl)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16α-プロパンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16β-プロパンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16β-ブタンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16α-ブタンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16β-イソ-ブタンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16α-(N,N-ジメチルアミノエチル)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、2-メトキシ-16α-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール、 脱水素化/置換2-メトキシエストラジオール誘導体、つまり、2-メトキシ-エストラ-1,3,5(10)9(11)-テトラエン-3,17β-ジオール、その他の2-メトキシエストラジオール誘導体、つまり、2-エトキシ-19-ノルプレグナン-1,3,5(10)17(20)-テトラエン-3-オール、2-(1-プロピニル)-19-ノルプレグナン-1,3,5(10)17(20)-テトラエン-3-オール、2-ホルミル-19-ノルプレグナン-1,3,5(10)17(20)-テトラエン-3-オール、2-ホルムアミド-19-ノルプレグナン-1,3,5(10)17(20)-テトラエン-3-オール、2-メチエンヒドロキシ-19-ノルプレグナン-1,3,5(10)17(20)-テトラエン-3-オール、2-エチル-19-ノルプレグナン-1,3,5(10)17(20)-テトラエン-3-オール、2-メチル-19-ノルプレグナン-1,3,5(10)17(20)-テトラエン-3-オール、2-(1-プロペニル)-19-ノルプレグナン-1,3,5(10)17(20)-テトラエン-3-オール、2-エトキシ-17(20)-メチレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロピニル)-17(20)-メチレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルミル-17(20)-メチレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルムアミド-17(20)-メチレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチレンヒドロキシ-17(20)-メチレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エチル-17(20)-メチレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチル-17(20)-メチレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロペニル)-17(20)-メチレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エトキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロピニル)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルミルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルムアミドエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(メチレンヒドロキシ)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロペニル)エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エトキシ-17β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロピニル)-17β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルミル-17β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルムアミド-17β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチレンヒドロキシ-17β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エチル-17β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチル-17β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロペニル)-17β-メチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エトキシ-17β-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロピニル)-17β-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルミル-17β-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルムアミド-17β-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチレンヒドロキシ-17β-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エチル-17β-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチル-17β-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロペニル)-17β-エチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エトキシ-17(20)-プロピレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロピニル)-17(20)- プロピレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルミル-17(20)-プロピレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-ホルムアミド-17(20)-プロピレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチレンヒドロキシ-17(20)-プロピレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-エチル-17(20)-プロピレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メチル-17(20)-プロピレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-(1-プロペニル)-17(20)-プロピレンエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メトキシ17β-メチレンヒドロキシエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、2-メトキシ17β-(カルボキシル酸)-エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3-オール、コルチシン、コンブレタスタチン A-4、ジエチルスチルベストロール、2-ブロモエストラジオール、2-メトキシエストロン、2-ヒドロキシエストラジオール、4-ヒドロキシエストラジオール、17-エチニルエストラジオール、2-フルオロエストラジオール、エストラジオール、エストロン、2-メトキシ17-エチニルエストラジオール、エストリオール、2-メトキシエストリオール、エストラジオール-3-O-メチルエーテル、2-メトキシエストラジオール-3-O-メチルエーテル、4-メトキシエストラジオール、4-メトキセストラジオール-3-O-メチルエーテル、ポドフィロトキシン、ジヒドロコンブレタスタチンA-4、3-ベンジル-2-メトキシエストラジオール、3-ベンジル-2-メトキシエストロン、16α-アルキル-3-ベンジル-2-メトキシエストロン、16β-アルキル-3-ベンジル-2-メトキシエストロン、16-アルキル-16-カルボメトキシ3-ベンジル-2-メトキシエストロン、16-メタン-ジメチレナミン-3-ベンジル-2-メトキシエストロン、16-カルボメトキシ3-ベンジル-2-メトキシエストロン、16-アルキル-3-ベンジル-2-メトキシエストラ-17β-ジオール、16-メタノール-3-ベンジル-2-メトキシエストラジオール、16-アルキル-3-ベンジル-2-メトキシエストラジオール、16β-メチル-2-メトキシエストラジオール、16α-メチル-2-メトキシエストラジオール、16-エチル-2-メトキシエストラジオール、16α-n-プロピル-2-メトキシエストラジオール、16β-n-プロピル-2-メトキシエストラジオール、16β-n-ブチルl-2-メトキシ エストラジオール、16β-イソブチル-2-メトキシエストラジオール、16β-メチル(ジメチルアミン)-2-メトキシエストラジオール、16β-メタノール-2-メトキシエストラジオール、2-メトキシ17-デオキシエストロン、17-エチル-2-メトキシエストロン、17-メチル-2-メトキシエストロン、2-N,N-ジメチルアミノ-17-デオキシエストロン、2-アジド-エストラジオール、および16α-メタノール-2-メトキシエストラジオール (たとえば、米国特許第6,528,676号および米国特許出願公報第2002/0147183号および第2002/0082433号)である。
本願明細書に記載の組成物は、その使用目的に応じて、当業に公知である各種の手段によって投与することができる。たとえば、組成物が経口投与される場合、それは錠剤、カプセル、顆粒、粉末またはシロップとして調製してもよい。代替的には、調剤は注射(静脈、筋肉内、経皮パッチ、エアロゾルによるか、または皮下)、点滴製剤、または坐薬として、非経口に投与してもよい。これらの製剤は、従来の手法によって調製されてよく、望まれる場合には、前記組成物は賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、矯味剤、可溶化剤、懸濁補助剤、乳化剤、またはコーティング剤などの、任意の従来の添加物と混合してもよい。
mg提供する。ある例示的な実施態様では、錠剤の一回投与分(1乃至20錠)は、2-メトキシエストラジオール、またはその類似体(もしくはその組み合わせ)を約0.5 mg乃至5 mg、約1乃至約3mg、または約2.5mg提供する。さらに、経口投与に好適なのは、任意で甘味賦形剤(たとえばシロップまたはエリキシル剤など)を併用した懸濁液および溶液である。前記懸濁液および溶液は、たとえば各ミリリットル、ティースプーン、テーブルスプーンなどの単位投与量の液体には薬0.25mg乃至1250mgの2-メトキシエストラジオールまたはその類似体(もしくはその組み合わせ)を含有できるように、特定の濃度に調合し、たとえばスプーンまたはピペットなどの計測/投与器具で供給することもできる。
mg、約1乃至約3mg、または約2.5mg提供する。
10931, (1992))。血管新生の誘導に関与する主要な因子の一つは、血管内皮成長因子、つまりVEGFである。VEGFは、血管新生の促進活性(Circulation,
92 suppl II, 365 (1995))、および血管透過性促進活性(Science, 219, 983
(1983))を含む、さまざまな活性を有することが示されている。
Experimental Nephrology 6:480-487) 、チロシンリン酸化部位は同定されている(Ito et al.,
(1998) J. Biol. Chem. 273:23410-23418)。flt-1は血管の発達における組織構築の制御において重要であり、その一方で第2のVEGFレセプタ(KDR, VEGFR-2, Flk-1)は内皮細胞におけるVEGFの分裂促進および血管新生作用を媒介すると考えられている。この理論を支持する証拠は、マウスのノックアウト研究に由来する(Fong et al., (1995) Nature 376:66-70)。別の研究も、Flt-1/KDRではなくFlt-1の発現が、低酸素症およびヒト臍静脈内皮細胞におけるHIF-1αによって上方調節されることを示している。
Chem. (2003) 278:12605-8)。2-メトキシエストラジオールは、非子癇前症女性と比較して、妊娠第2および3期の子癇前症妊娠女性の循環は、顕著に減少する(最高で6乃至7倍)。2-メトキシエストラジオールは、胎盤からの細胞栄養芽層中のHIF-1αの発現を減少させ、VEGF、PlGF、VEGFレセプタ1(VEGFR1)およびsFLT-1の発現を劇的に減少させる。
5μM、10μMおよび30μMの2-MEは、低酸素下における胎盤の細胞栄養層細胞株(HTR)において、投与量に依存する形でVEGFの分泌レベルを75%まで減少させることができる。異なる細胞栄養層細胞株(BeWo細胞)が用いられる場合にも、同様の結果が見られる。同様に、5μM、10μMおよび30μMの2-MEは、低酸素下における同一の細胞株において、投与量に依存する形でsFLT-1 の分泌レベルを50%まで減少させることができる(図1乃至3参照)。低酸素条件下において2-MEが5μM、10μMおよび30μMの場合、栄養膜細胞のライセート中のHIF-1α、VEGF165、Flt-1およびsFlt-1の発現レベルは下方調節される(図4)。さらに、5μM、10μMおよび30μMの2-MEは、低酸素下における同一の細胞株において、投与量に依存する形でPlGF の分泌レベルを減少させることができる。
正常マウスを、30μM の2-MEで毎日2回、2-MEで処理した。それから、血液試料を入手して、sFLT-1およびVEGFのレベルについてアッセイした。前記マウスは、sFLT-1発現の50%減少および結合VEGFの低減を示した。30μMという濃度は、ほぼ、妊娠終期の第2期後期または第3期初期の妊娠女性の血中に認められる2-MEの正常な生理学的レベルである。妊娠の終了時、非子癇前症被験体における2-MEのレベルは、非妊娠レベルの約1乃至5μMに戻る。
子癇前症を罹患する妊娠女性の尿および血液サンプルの2-メトキシエストラジオールのレベルを、対照被験体(たとえば、子癇前症を罹患していない妊娠女性など)のレベルと比較した。2-メトキシエストラジオールの濃度は、子癇前症の血清中では低下している(図6参照)。認められた2-メトキシエストラジオールの低下は、p値0.03で統計学的に有意である。
本願開示は、とりわけ、高血圧の処理のための方法と組成物を提供する。特定の実施態様が検討されているが、上述の明細書は具体例であって制限的ではない。本願明細書に開示される方法、組成物、およびプロセスのたくさんの変形物は、本願明細書を精査の上、当業者に明らかになるであろう。付属の特許請求の範囲は、そのような実施例および変形物すべてを要求することを意図するのではなく、本願発明の完全な範囲は、その等価物の完全な範囲、および明細書とその変形物とともに、前記特許請求の範囲を参照することによって決定されるべきである。
本願明細書に記載のすべての公表物および特許は、以下に挙げるその事項を含めて、各公表物または特許が特異的および個別的に引用により援用されることを示唆されるように、本願明細書にその全体を援用により引用される。紛争の場合、定義を含む本出願が支配するだろう。
米国特許第6,528,676号、6,613,757号、6,086,865号、5,892,069号、5,661,143号、5,504,074号、5,198,366号、および5,849,474号、米国特許出願第2003/0236439号、2003/0187076号、2002/0147183号、2003/0236408号、2003/0195180号、2003/0096800号、2003/0055029号、2002/0165212号、2002/0082433号、2004/0018201号、2002/0102530号、および2002/0119959号、WO
03/015704号、Semenza, Genes Dev.
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Claims (43)
- 子癇前症の処置または予防の方法であって、当該方法には、その必要のある妊娠被験体へ有効量の2-メトキシエストラジオール(2-ME)、その類似体、または薬学的に許容なその塩もしくはプロドラッグを投与するステップを含む、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、当該方法において、さらに、子癇前症に感受性のある被験体を同定する第1のステップを含む方法。
- 請求項1に記載の方法であって、当該方法においてさらに、子癇前症を罹患している被験体を同定する第1のステップを含む方法。
- 請求項1に記載の方法であって、当該方法には、さらに、前記被験体から採取した生物学的試料中における2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体のレベルを決定するステップを含む、方法。
- 請求項4に記載の方法であって、当該方法において、前記の2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体のレベルが、2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体の前駆体または代謝物のレベルを決定するステップによって決定される、方法。
- 請求項4に記載の方法であって、当該方法には、さらに、前記の2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体のレベルを、対照の2-メトキシエストラジオールのレベルと比較するステップを含む、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、当該方法には、さらに、前記被験体から採取した生物学的試料中における2-メトキシエストラジオールの前駆体のレベルを決定するステップを含む、方法。
- 請求項7に記載の方法であって、当該方法には、さらに、前記の2-メトキシエストラジオール前駆体のレベルを、対照の2-メトキシエストラジオールのレベルと比較するステップを含む、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、当該方法にはさらに、前記被験体から採取した生物学的試料中における2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体の代謝物のレベルを決定するステップを含む、方法。
- 請求項9に記載の方法であって、当該方法にはさらに、前記の2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体の代謝物のレベルを、対照の2-メトキシエストラジオールの代謝物のレベルと比較するステップを含む、方法。
- 請求項4に記載の方法であって、前記生物学的試料が尿、血液、または血漿である、方法。
- 請求項4に記載の方法であって、当該方法において、前記対照が、前記被験体とほぼ同一の妊娠期である少なくとも1つの非子癇前症被験体で予め決定した標準である、方法。
- 請求項6に記載の方法であって、前記被験体試料中の2-メトキシエストラジオールのレベルが前記対照の2-メトキシエストラジオールのレベルよりも低い場合、前記方法はさらに2-メトキシエストラジオールまたはその類似体を、前記被験体の2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体のレベルが前記対照の2-メトキシエストラジオールのレベルとほぼ同一のレベルに上昇するのに有効なように投与するステップを含む、方法。
- 請求項6に記載の方法であって、当該方法にはさらに、定期的に、対照と比較した前記被験体の2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体のレベルを決定するステップを含む、方法。
- 請求項14に記載の方法であって、当該方法において、前記の定期的とはほぼ1、2、3、4、5、6、7、10、14、28、または35日に1回である、方法。
- 請求項14に記載の方法であって、さらに、定期的に前記被験体に投与された2-メトキシエストラジオールまたはその類似体のレベルを調節することによって、前記被験体の2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体のレベルを対照の2-メトキシエストラジオールのレベルとほぼ同一のレベルに維持するステップを含む、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、当該方法において前記被験体がヒトである、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、当該方法において、0.1、0.3、1、2.5または5 mgの前記2-メトキシエストラジオールまたはその類似体を前記被験体に投与する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、当該方法において、前記2-メトキシエストラジオールまたはその類似体を経口、経鼻、非経口、または経皮で投与する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、さらに、前記被験体を子癇前症の1つ以上の症状について監視するステップを含む、方法。
- 請求項20に記載の方法であって、当該方法において子癇前症の前記症状には、以下にあげる、母体の高血圧、タンパク尿、頭痛、視覚障害、上腹部痛、乏尿、血清クレアチニン、血小板減少症、高ビルビリン血症、肝酵素の上昇、肺浮腫、肺窮迫、けいれん、または胎児の成長遅滞の1つ以上が含まれる、方法。
- 請求項21に記載の方法であって、当該方法において、前記被験体の血圧を定期的に監視する、方法。
- 請求22に記載の方法であって、当該方法において、定期的とは少なくとも週1回である、方法。
- 請求23に記載の方法であって、当該方法において、定期的とは少なくとも1日1回である、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、さらに、前記被験体に降圧剤を投与するステップを含む、方法。
- 請求項25に記載の方法であって、当該方法において、前記降圧剤が以下の、ヒドラジン、ラベタロール、またはニトロプルシドの1つ以上である、方法。
- 請求項25に記載の方法であって、当該方法において、前記被験体に、前記降圧剤を前記2-メトキシエストラジオールまたはその類似体と併用投与する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、さらに、前記被験体に抗けいれん剤を投与するステップを含む、方法。
- 請求項28に記載の方法であって、当該方法において、前記抗けいれん剤が以下の、硫酸マグネシウム、フェニトイン、またはジアゼパムの1つ以上である、方法。
- 請求項28に記載の方法であって、当該方法において、前記被験体に、前記抗けいれん剤を前記2-メトキシエストラジオールまたはその類似体と併用投与する、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、さらに、前記被験体に降圧剤および抗けいれん剤を投与するステップを含む、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、2-メトキシエストラジオール類似体はコルチシンまたはコンブレタスタチンA-4である、方法。
- 子癇前症を処置または予防する方法であって、当該方法が、
a) 妊娠被験体から採取した生物学的試料中の2-メトキシエストラジオールのレベルを決定し、前記レベルを対照における2-メトキシエストラジオールのレベルと比較するステップであって、前記対照が、前記妊娠被験体とほぼ同一の妊娠期である少なくとも1つの非子癇前症被験体から予め決定した標準である、ステップと、
b) 前記妊娠被験体に、前記被験体の生物学的試料における2-メトキシエストラジオールおよび/またはその類似体のレベルを、前記対照における2-メトキシエストラジオールのレベルとほぼ同一のレベルまで上昇させるのに十分な量の、2-メトキシエストラジオールまたはその類似体を投与するステップと、
c) 定期的にa)およびb)のステップを繰り返して、前記被験体の2-メトキシエストラジオールのレベルを前記対照の2-メトキシエストラジオールのレベルとほぼ同一のレベルに維持する、ステップと、
を含む、方法。 - 請求項34に記載の方法であって、前記生物学的試料が尿、血液、または血漿である、方法。
- 請求項34に記載の方法であって、当該方法においてさらに、子癇前症に感受性があるか、または罹患している被験体を同定する第1のステップを含む方法。
- 被験体の子癇前症の進行の診断または予測の方法であって、当該方法には、前記被験体から採取した生物学的試料中の2-メトキシエストラジオールのレベルを決定するステップと、前記レベルと対照中の2-メトキシエストラジオールのレベルとを比較するステップであって、前記対照が前記被験体とほぼ同一の妊娠期の少なくとも一人の子癇前症を罹患していない被験体から予め決定した標準であって、前記対照と比較した前記被験体の試料中の2-メトキシエストラジオールの低レベルが、子癇前症に感受性があるかまたは罹患している被験体の指標となる、ステップを含む、方法。
- 請求項37に記載の方法であって、当該方法において、子癇前症の重症度を、前記対照と比較した前記被験体の2-メトキシエストラジオールのレベルとの差の度合いに基づいて決定し、当該方法において、前記対照からの差違がより大きければ子癇前症の重症度が高いことを示唆する、方法。
- 請求項37に記載の方法であって、前記生物学的試料が尿、血液、または血漿である、方法。
- 請求項37に記載の方法であって、当該方法において前記被験体がヒトである、方法。
- 被験体の子癇前症の進行の診断または予測の方法であって、当該方法には、前記被験体から採取した生物学的試料中の2-メトキシエストラジオールの代謝物のレベルを決定するステップと、前記レベルと対照中の2-メトキシエストラジオールの代謝物のレベルとを比較するステップであって、前記対照が前記被験体とほぼ同一の妊娠期の少なくとも一人の子癇前症を罹患していない被験体から予め決定した標準であって、前記対照と比較した前記被験体の試料中の2-メトキシエストラジオールの代謝物の低レベルが、子癇前症に感受性があるまたは罹患している被験体の指標となる、ステップを含む、方法。
- 被験体の子癇前症の進行の診断または予測の方法であって、当該方法には、前記被験体から採取した生物学的試料中の2-メトキシエストラジオールの前駆体のレベルを決定するステップと、前記レベルと対照中の2-メトキシエストラジオールの前駆体のレベルとを比較するステップであって、前記対照が前記被験体とほぼ同一の妊娠期の少なくとも一人の子癇前症を罹患していない被験体から予め決定した標準であって、前記対照と比較した前記被験体の試料中の2-メトキシエストラジオールの前駆体の変化が、子癇前症に感受性があるまたは罹患している被験体の指標となる、ステップを含む、方法。
- 請求項42に記載の方法であって、前記被験体試料中の2-メトキシエストラジオールの前駆体のレベルが前記対照と比較して高いことが、子癇前症に感受性があるまたは罹患している被験体の指標となる、方法。
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