JP2007535995A - シート設計装置および方法 - Google Patents
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Abstract
設計されるべきシートに関連した1つ以上のパッチを確定するコンピュータベースの装置および方法が与えられる。この装置および方法は、一連の環境特性と、一連の接触面特性と、本体テンプレートのプールとを確定する。身体テンプレートのプールは、シートの対象乗員を表す。この装置および方法は、複数のパッチを画成することにより、確定した環境特性と、接触面特性と、身体テンプレートとに応じてシートの意匠をさらに確定する。
Description
この出願は、2004年5月3日に提出された米国仮特許出願第60/567464号に関する優先権を主張し、これを参照することによってその内容がこの明細書に含まれる。
本発明は、シートの意匠を設計および/または評価するための三次元テンプレート、より詳細には1つ以上のパッチを用いる三次元テンプレートに概ね関する。
自動車シートの如きシートは、(1)運転作業のための乗員の位置取りと、(2)快適で健康的な着座姿勢の保持と、(3)車両衝突に対する乗員の保護との三つの主要な機能を有する。機械的に調整可能なシートフレーム上の変形可能なパッドが第1の機能を達成し、第2の機能は、詰め物,サスペンションおよび表張り材からなる変形可能なパッドの幾何学的かつ機械的な特性を介して達成される。第3の機能は、車両衝突の時に乗員を拘束するシートおよび拘束装置によって達成される。最初の2つの機能は、乗員が感じ取る快適性の度合いの最も大きな部分を決定する。位置取りは乗員の快適性の主要な決定要素であると考えられ、姿勢は車両環境に順応するように乗員の能力にゆだねられている。しかしながら、シートの位置およびその支持面の主たる機能は、乗員の姿勢を保持することである。従って、この分野において自動車シート用の設計ツールを提供する必要がある。
シートの設計を支援するために用いることができるツールが特許文献1に開示されている。この特許文献1は、物理的テンプレートか、あるいはコンピュータ、すなわち仮想ツールとして実現できる設計テンプレートを開示している。この設計テンプレートは、シートと乗員との接触面の変形形状を表すことができる外部輪郭を持った胴部を有する。
しかしながら、特許文献1の設計テンプレートは、シートの意匠全面をその製造性のために画成しておらず、シートの横方向の快適性を考慮に入れていない。
本発明は、1つ以上の上述した問題に向けられている。
本発明の一形態において、シートを設計するコンピュータベースの方法が与えられる。この方法は、一連の環境特性を確定するステップと、一連の接触面特性を確定するステップと、身体テンプレートのプールを確定するステップとを含む。身体テンプレートのプールは、シートの対象乗員を表す。この方法はまた、複数のパッチを画成することにより、確定した環境特性と、接触面特性と、本体テンプレートとに応じたシートの意匠を確定するステップをも含む。パッチは、シートの意匠領域と身体テンプレートとの間の相互作用を表す。
本発明の他の形態において、シートを設計するための装置が与えられる。この装置は、一連の環境特性と、一連の接触面特性と、身体テンプレートのプールとを確定するためのユーザーインタフェースを含む。身体テンプレートのプールは、シートの対象乗員を表す。この装置はまた、ユーザーインタフェースに結合されて複数のパッチを画成することにより、確定した環境特性と、接触面特性と、身体テンプレートとに応じたシートの意匠を確定するためのコンピュータをも含む。パッチは、シートの領域と身体テンプレートとの間の相互作用を表す。
本発明の他の利点は、添付図面に関連して考慮された次の詳細な説明を参照することによって、より良好に理解されるようになるのと同様、容易に認識されよう。
図面を参照すると共に操作において、シートの設計を支援するための装置10および方法20が与えられる。概ね、この装置10および方法20は、ソフトウェア、すなわち物理的構成として実現できる設計テンプレートを用いる(以下を参照のこと)。この設計テンプレートは、1つ以上の胴部を含むことができる。このような設計テンプレートは、Herbert M. Reynols らに対して2005年1月11日に交付された米国特許第6840125号および2004年1月22日に公開された米国公開特許出願第20040011150号に示されており、その両方共、これらを参照することによってこれらの内容がこの明細書に含まれる。
図1を特に参照すると、一実施形態における装置10は、ユーザーインタフェース12および演算機器14を含むことができる。演算機器14は、パーソナルコンピュータの如き(独立した、またはネットワーク接続の)コンピュータであってよい。ユーザーインタフェース12は、グラフィカルユーザーインタフェース、すなわちGUIであってよい。
演算機器14は、この装置10または方法20の少なくとも一部を実行するコンピュータアプリケーション、すなわちプログラムを実行させるようになっている。一実施形態におけるコンピュータアプリケーション、すなわちプログラムは、CAD/CAMプログラムの如き他のコンピュータプログラムからアクセス可能であって、これと情報を交換する。
ユーザー16は、ユーザーインタフェース12と対話して一連の環境特性と、一連の接触面特性と、身体テンプレート(以下を参照のこと)のプールとを確定する。身体テンプレートのプールは、シートの対象乗員を概ね表す。例えば、一実施形態において設計されるシートは、自動車の如き原動機付き車両用のものである。従って、身体テンプレートのプールは、原動機付き車両または自動車の対象乗員を表すように選択される。一実施形態における身体テンプレートのプールは、小柄な女性と、平均的な男性と、大柄な男性との少なくとも3つの異なる身体テンプレートを含むことができる。各身体テンプレートは、一組の姿勢、例えば倒れた姿勢,中間の姿勢,および立った姿勢の1つで与えることができる。
演算機器14はユーザーインタフェース12に連結され、複数のパッチ30(以下を参照のこと)を画成することによって、確定した環境特性と、接触面特性と、身体テンプレートとに応じたシートの意匠を確定する。これらのパッチ30は、シートの領域と身体テンプレート(以下を参照のこと)との間の相互作用を表す。
以下により完全に論じられるように、各テンプレートは、1つ以上の断面部を含む。例示されるこの実施形態において、各テンプレートは設計されるシートのパッチ(以下を参照のこと)と直接関連する断面部を含む。
一実施形態におけるパッチ30は、第1の状態と第2の状態とを有する。第1の状態は、代表する対象乗員によってシートの領域がどのように変形するのかについて画成、すなわちシートと乗員との接触面を画成する。第2の状態は、シートの領域の変形しない状態を画成する。
概ね、シートの設計中に1つ以上のパッチを必要とする可能性がある。一実施形態におけるパッチ30は、腿パッチ,座骨パッチ,およびバックパッチの何れか1つであってよい。バックパッチは、バイトライン(biteline)パッチ,腰パッチ,胸パッチ,および肩パッチであってよい。他の実施形態におけるパッチ30は、座骨パッチ,腿支持パッチ,前部腿パッチ,シート先端パッチ,バイトラインパッチ,腰パッチ,胸パッチ,肩パッチ,およびヘッドレストパッチの何れか1つである。
本発明の一形態におけるパッチ30は、解剖学的基準位置(以下を参照のこと)に対して定められる。
本発明の他の形態における各パッチ30は、シートの二次元断面(以下を参照のこと)を含む。この断面は、第1および第2の端縁を有することができ、パッチ30(以下を参照のこと)は、この断面の第1および第2の端縁に隣接して配されると共に一対のトレンチ(trench)によってこれらから分けられる一対のボルスタを含むことができる。一実施形態におけるパッチ30は、長さと、挿入幅と、ボルスタ高さと、ボルスタ幅と、ボルスタ角とを有する。パッチ30はまた、最大ボルスタ貫入度を含むことができる。
本発明の一形態におけるパッチは、代表的な対象乗員により変形させられるシートの領域を画成する接触パッチである。代表的な対象乗員の何れによっても変形しないシートの領域を画成する第2の非接触パッチも同様に確定することができる。
以下に記述するように、環境特性をシートの調整機構またはシートが配される環境に関連させることができる。
例えば、この環境は原動機付き車両であってよい。原動機付き車両は操舵ハンドルを含むことができる。1つ以上の環境特性は、パッチ30の確定を考慮に入れて操舵ハンドルに関連させることができる。
環境特性はまた、かかとの基準位置,アクセルペダルの長さ,およびアクセルペダルの幅(以下を参照のこと)を1つ以上含むことができる。
本発明の一形態における接触面特性は、乗員の関節角度,乗員とシートとの相互作用,および/または視覚対象の1つ以上に関連している。
図2を特に参照すると、本発明の他の形態において、ある環境に対して設計されるシートに関連した1つ以上のパッチを確定するためのコンピュータベースの方法20が示されている。第1のステップ22において、一連の環境特性が定められる。第2のステップ24において、一連の接触面特性が定められる。第3のステップ26において、身体テンプレートのプールが定められる。身体テンプレートのプールは、シートの対象乗員を表す。第4ステップにおけるシートのパッチは、確定した環境特性と、接触面特性と、身体テンプレートとに応じて定められ、このパッチはシートの領域と身体テンプレートとの間の相互作用を表す。
図3〜図20を特に参照すると、一実施形態における装置10および方法20は、シート32を設計または評価するのに使用できる1つ以上のパッチ30を画成するために用いられる。
以下に記述されるように、この装置10および方法20は、パッチ挿入領域の寸法と、ウィングまたはボルスタに対して接する平面とを各パッチ用に画成する。パッチ幅ならびにウィング/ボルスタの位置および向きは、これらが車両の能力に合ったシートの設計に関連するので、乗員の快適性のための重要な要因である。人体の解剖学的構造および表面の指標は、身体の各領域に適した快適なシートのウィング/ボルスタを画成するために使用することができる。これらウィング/ボルスタの混成は、シートの3D形状を形成するためにさらに使用することができる。
上述したように、この装置10および方法20は、身体テンプレートを身体テンプレートのプールから用いている。例示されるこの実施形態において、各テンプレートは8つの横断面、すなわちヘッドレストと相互作用する頭部を通る1つの平面と、シートバックと相互作用し、1つがシートクッションと相互作用する臀部の下にある胴体の4つの平面と、シートクッションと相互に作用する各腿の下の2つの平面と、シートクッションの長さを画成するためにシートの先端部と相互作用する各ふくらはぎの後ろを向く1つとを含む。これら横断面は、着座姿勢に固定される身体のために身体の曲がった形状を表し、各本体テンプレートのための適切な解剖学的荷重支持構造および重荷不支持面を含んでいる。説明されるこの実施形態におけるプールは、3つの異なる身体の大きさを示す少なくとも3つのテンプレートを含む。一実施形態における各身体寸法のテンプレートは、3つの異なる背骨の姿勢、すなわち立った姿勢と、中間の姿勢と、倒れた姿勢とで表される。
説明されるこの実施形態における装置10および方法20は、自動車シート32の如きシート32の設計で用いられる。しかしながら、この装置10および方法20がこのようなものに限定されないことを認識すべきである。図示のように、自動車シート32は、ヘッドレスト32Aと、シートバック32Bと、シートクッション32Cとを含むことができる。
以下に論じられるように、この装置10および方法は、車両の能力に合ったシート設計に関して適切となるような各パッチのための最小および最大のシート挿入幅を画成する。さらに、この装置および方法はまた、車両の性能に合ったシート設計に関して適切となるような横断面テンプレートに基づくシートのボルスタ形状を画成することも可能である。
一実施形態における装置10および方法20は、ヘッドレストパッチ30Aおよび肩パッチ30Bと、胸パッチ30Cと、腰パッチ30Dと、人体の荷重支持および重荷不支持領域に基づくシートバック32Bのバイトラインパッチ30Eとを画成する。
さらに、この装置10および方法20はまた、人体の重荷支持および荷重不支持領域に基づき、座骨パッチ30Fと、腿パッチ30Gと、腿前部領域パッチ30Hと、シート先端パッチ30Iとを画成することもできる。
図4および図5を特に参照すると、各パッチ30A〜30Hは、長さ(L)と、幅(W)と、ウィング/ボルスタ高さ(HB)と、ウィング/ボルスタ幅(WB)と、ウィング/ボルスタ角(Θ)とを有する。
一実施形態における各パッチは、フレームに対して画成される。シートクッション用のフレームは、全長と、幅と、逆反り面と、サスペンションまたは何もない面と、壁とを有する。シートバック用のフレームは、高さと、幅と、トーションバーと、厚みとを有する。フレームを持つパッチで制限される相互作用は、1)パッチからフレームまでの最短距離が摩耗および引き裂きを含む製造の容易さと、シートパッドを作成するために用いられる材料に依存した基準とを満たす必要があることである。シートの一実施形態におけるパッドは、最終製品を作るために装着される縁飾りと共に発泡ポリウレタンにて作られる。製造および使用時における構造の完全性のため、この発泡ポリウレタンは最小の厚さを有する必要がある。2)パッチからフレームまでの距離およびパッドの剛性が、パッチに貫入するテンプレート面を位置決めすることである。パッチに貫入するテンプレート面は、テンプレート面からフレームまでの最短距離である肉付きから金属までの距離の制限を満たす必要がある。3)フレームの長さ,高さ,幅,および厚さは、フレームが支持するシートの長さと幅と高さとを制限することである。
パッチ長さ(L)は、シート32が設計される乗員の人数またはプールによって画成される。パッチ幅,ボルスタ高さ,ボルスタ幅,および角度は、以下のように画成される。各パッチは、クッションに対してパッチの前後であってバックに対してパッチの上下である先端縁および終端縁をそれぞれ有する。
各パッチ30A〜30Iはまた、最大ボルスタ貫入度(B)、すなわち乗員に対するボルスタの接近性を含むこともできる。
図4および図5を特に参照すると、シート表面の非変形面が挿入領域34と第1および第2のボルスタ案内領域36A,36Bとによって示されている。第1および第2のトレンチ38A,38Bは、挿入領域34を第1および第2のボルスタ案内領域36A,36Bからそれぞれ分けている。一実施形態におけるシートパッチの幅は、先端縁および終端縁に対して等しく、それによって第1および第2のトレンチ38Aおよび38Bを平行にしている。第2の実施形態における先端縁および終端縁の幅は異なっていてよく、それによって第1および第2のトレンチ38Aおよび38Bを非平行にする。ボルスタ案内領域のため、一実施形態は、対称的かつ等しい先端縁および終端縁のボルスタ高さと、ボルスタ幅と、角度との3つの変数を扱う。第2の実施形態におけるボルスタ案内領域の変数は、非対称であって先端縁および終端縁の両方で値が異なっていてよい。シート32への身体の貫入度は、変形度「D」として表される(図6を参照のこと)。ボルスタ貫入度(B)は、骨組織から身体の表面までの最短経路に沿って測定されるような身体への最大貫入度である。図8におけるボルスタ貫入度は、ボルスタ案内領域に対して直交するように例示されているが、ボルスタ案内領域に対して直交する必要性はない。ボルスタ接近度(A)は、ボルスタ案内線に対して直交する線から測定されるような身体からの最小距離である。これは、ボルスタ貫入度が予想されないか、または意図されない場合を表す。例えば、肩パッチ30は負荷支持パッチではない。結果として、このパッチための設計基準は、身体表面に対する最小許容値よりも近づかないパッチを有するように推奨される。この最小許容距離は「ボルスタ接近度」と称される。
一実施形態における装置10または方法20は、あらかじめ設定された規則に従ってパッチのパラメータを決定する。
図6〜図8を参照すると、一実施形態における座骨パッチの最小挿入幅は、シートが設計される最大乗員の骨盤の座骨結節の最大幅よりも常に少なくとも等しいか、または僅かに大きくすべきである。突出する寛骨臼縁と横断面における股関節での大腿骨頭との交点は、これらの必要条件を満たす指標を与える。例えば、図6および図7における各テンプレートは、座骨部分での骨盤の断面部を含む1つ以上の断面部を含んでいる。例示された実施形態において、大柄な男性のテンプレート40の典型的な座骨断面部と、小柄な女性のテンプレート42の座骨断面部とが示されると共に図7で比較している。図6における大柄な男性および小柄な女性のテンプレート40,42の座骨断面部は重なり合っている。座骨パッチ30Fの寸法は、大柄な男性のテンプレートおよび小柄な女性のテンプレートの寸法により決定される。
同様に、座骨パッチ30Fの最大挿入幅は、2つの選択、つまり最小乗員の座骨横断面テンプレートの変形した組織幅か、または大転子における最大乗員の座骨横断面テンプレート幅の一方により画成される。
座骨パッチボルスタ角Θは、シートが設計される任意の乗員による最大許容ボルスタ貫入度(図6および図8中のB)に応じて画成される。
各乗員のための最大許容ボルスタ貫入度(図8)は、パッチ中心線(図6中のD)における乗員のシートパッチ横断面部最大貫入度の1つよりも少ない貫入度として画成される。このボルスタ貫入度は、大腿骨の大転子から身体表面までの最短線上で測定される。
最大ボルスタ角は、全乗員のためのボルスタにおける貫入度が最大許容ボルスタ貫入度よりも小さい角度であり、ボルスタ案内領域と直交する線上にて横断面テンプレートに対して測定されるようになっている。
座骨パッチボルスタの最小角は、角度ゼロにより画成される。
座骨パッチボルスタの最大高さは、2つの可能性の一方により画成される。すなわち、(1)ボルスタの最大貫入度が1人以上の乗員のために達成され、この高さを増大できない。あるいは(2)この高さは、ボルスタおよび挿入の結果として生ずる全幅が最大乗員横断面テンプレートの幅の大きさにより設計されるシートの最大乗員の幅を上回るようなものである。
座骨パッチボルスタの最小高さは、高さゼロにより画成される。
図9を参照すると、腿中心のグラフパッチ30Gが一連の典型的な腿断面44と共に示されている。腿パッチの最小挿入幅は、腿断面での最小乗員腿幅の大きさか、または座骨パッチ挿入幅の大きさとして画成される。腿パッチの最大挿入幅は、腿断面での最大乗員腿幅の大きさか、または座骨パッチ挿入幅の大きさとして画成される。腿パッチボルスタ角は、シートが設計される任意の乗員による最大許容ボルスタ貫入度に応じて画成され、大腿骨から身体表面までの方向の線上で測定される。
各乗員のための最大許容ボルスタ貫入度は、パッチ挿入領域(図9中のW)における乗員の横断面部最大貫入度の1つよりも小さいか、または等しい貫入度として画成される。
最大ボルスタ角は、全乗員ためのボルスタにおける貫入度が、最大許容ボルスタ貫入度よりも少ない角度であり、大腿骨から横断面テンプレートの身体表面までの最短線上で測定されるようになっている。
腿パッチボルスタの最小角は、角度ゼロにより画成される。
腿パッチボルスタの最大高さは、2つの可能性の一方によって画成される。すなわち、(1)ボルスタ最大貫入度が1人以上の乗員に対して達成され、この高さを増大できない。あるいは(2)この高さは、ボルスタおよび挿入の結果として生ずる全幅が、最大乗員横断面テンプレートの幅の大きさにより設計されるシートの最大乗員の幅を上回るようなものである。
腿パッチボルスタ前端縁の最大高さは、座骨パッチボルスタの最大高さを上回るべきではない。腿パッチボルスタの最小高さは、高さゼロにより画成される。
前部腿パッチの最小挿入幅は、腿の前部における最小乗員腿幅の大きさか、または腿パッチ挿入幅の大きさとして画成される。
前部腿パッチの最大挿入幅は、腿の前部における最大乗員の腿幅の大きさか、または腿パッチ挿入幅の大きさとして画成される。
前部腿パッチボルスタの最大角は、シートが設計される任意の乗員による最大許容ボルスタ貫入度に応じて画成される。
各乗員のための最大許容ボルスタ貫入度はゼロである。
最大ボルスタ角は、全乗員のためのボルスタでの貫入度が腿ボルスタでのボルスタ貫入度よりも小さな角度である。
前部腿パッチボルスタの最小角は、角度ゼロにより画成される。
前部腿パッチボルスタの最大高さは、2つの可能性の一方により画成される。すなわち、(1)ボルスタの最大貫入度が1人以上の乗員により達成され、この高さを増大できない。あるいは(2)この高さは、ボルスタおよび挿入の結果として生ずる全幅が、前部腿パッチにおける最大乗員の腿の幅の大きさにより設計されるシートの最大乗員の幅を上回るようなものである。
前部腿パッチボルスタの最大高さは、腿パッチボルスタの高さよりも少なくあるべきである。
前部腿パッチボルスタの最小高さは、高さゼロにより画成される。
図10を参照すると、バイトラインパッチ30Eが典型的なバイトライン断面部46と共にある。
最小パッチ幅は、バイトラインパッチ断面46での最小乗員の両寛骨臼の幅の大きさか、または座骨パッチ挿入幅の大きさとして画成される。
最大パッチ挿入幅は、バイトラインパッチ断面46での最大乗員の両大転子幅の大きさか、または座骨パッチ挿入幅の大きさとして画成される。
パッチボルスタの最大角はまた、シートが設計される任意の乗員のための最小ボルスタ接近度に応じて画成することができる。
最小ボルスタ接近度(図10中のB)は、ボルスタ案内領域と乗員との間の最小距離として画成される。
最大ボルスタ角は、最小ボルスタ接近度の角度であり、ボルスタ案内と直交する線上で横断面テンプレートに対し測定されるようになっている(図10)。
パッチボルスタの最小角は、角度ゼロにより画成される。
最大パッチボルスタ高さは、ボルスタおよび挿入幅の結果として生ずる全幅が、最大乗員横断面テンプレートの幅の大きさにより設計されるシートの最大乗員の幅を上回るようなものである。
パッチボルスタの最小高さは、高さゼロにより画成される。
図11を参照すると、腰パッチ30Dが典型的な腰断面部48と共に示されている。
腰パッチ30Dの最小パッチ挿入幅は、最小乗員幅の断面の大きさか、またはバイトラインの幅の大きさとして画成される。最大パッチ挿入幅は、最大乗員幅の断面の大きさか、またはバイトラインの幅の大きさとして画成される。
パッチボルスタの最大角は、最大乗員用のリブケージ角度と平行な角度として画成することができる。
パッチボルスタの最大角はまた、シートが設計される任意の乗員のための最小ボルスタ接近度に応じて画成することもできる。
最小ボルスタ接近度(図11中のD)は、ボルスタ案内領域と乗員との間の最小距離として画成される。
最大ボルスタ角は、全乗員のためのボルスタに対する距離が最小ボルスタ接近度よりも少ない角度であり、ボルスタ案内と直交する線上でERL横断面テンプレートに対して測定されるようになっている。
パッチボルスタの最小角は、角度ゼロにより画成される。
パッチボルスタ最大高さは、ボルスタおよび挿入の結果として生ずる全幅が、最大乗員横断面テンプレートの幅の大きさにより設計されるシートの最大乗員の幅を上回るように、画成される。
パッチボルスタの最小高さは、高さゼロにより画成される。
図12を参照すると、胸パッチ30Cが典型的な胸断面部50と共にある。
胸パッチ30Cの最小パッチ挿入幅は、最小乗員幅の断面の大きさか、または腰幅の大きさとして画成される。
最大パッチ挿入幅は、最大乗員幅の断面の大きさか、または腰パッチ挿入幅の大きさとして画成される。
パッチボルスタの最大角は、最大乗員用のリブケージ角に対する接線か、または接触角として画成することができる。
パッチボルスタの最大角はまた、シートが設計される任意の乗員のための最小許容ボルスタ接近度に応じて画成することもできる。
最大許容ボルスタ接近度(図12中のA)は、ボルスタ案内領域と乗員との間の最小距離として画成される。
最大ボルスタ角は、全乗員のためのボルスタに対する距離が最小ボルスタ接近度よりも大きな角度であり、ボルスタ案内と直交する線上でERL横断面テンプレートに対して測定されるようになっている。
パッチボルスタの最小角は、角度ゼロにより画成される。
最大パッチボルスタ高さは、ボルスタおよび挿入の結果として生ずる全幅が、最大乗員横断面テンプレートの幅の大きさにより設計されるシートの最大乗員の幅を上回るように、画成される。
パッチボルスタの最小高さは、高さゼロにより画成される。
図13を参照すると、肩パッチ30Bが典型的な肩断面部52と共に示されている。
肩パッチ30Bの最小幅は、肩断面での最小乗員肩関節幅の大きさとして画成される。最大パッチ幅は、肩断面部52での最大乗員肩関節幅の大きさとして画成される。パッチボルスタの最大角は、シートが設計される任意の乗員に対する最大許容ボルスタ接近度に応じて画成される。
各乗員用の最大許容ボルスタ接近度は、乗員とボルスタとの間の固定された最小距離(図13中のA)として画成される。
最大ボルスタ角は、全乗員用のボルスタからの距離が最小許容ボルスタ接近度よりも大きな角度であり、ボルスタ案内と直交する線上で横断面テンプレートに対して測定されるようになっている。
パッチボルスタの最小角は、角度ゼロにより画成される。
パッチボルスタの最大高さは、ボルスタおよび挿入の結果として生ずる全幅が、最大乗員横断面テンプレートの幅の大きさにより設計されるシートの最大乗員の幅を上回るようになっている。
パッチボルスタの最小高さは、高さゼロにより画成される。
同様に、ヘッドレストパッチ30Aは、プール中の身体テンプレートの後頭部を通る部分に関して定められる。
ヘッドレストパッチ30Aの最小パッチ幅は、最小乗員頭部幅の大きさとして画成される。最大パッチ幅は、最大乗員頭部幅の大きさとして画成される。パッチボルスタの最大角は、シートが設計される任意の乗員のための最小許容ボルスタ干渉により画成される。各乗員のための最大許容ボルスタ高さは、シートが設計される任意の乗員のための最小許容ボルスタ干渉により画成される。パッチボルスタの最小角は、角度ゼロにより画成される。パッチボルスタの最小高さは、高さゼロにより画成される。
本発明の一実施形態における装置10および方法20の出力は、パッチ30A〜30Iである。パッチ30A〜30Iに基づき、シート32はパッチ30A〜30Iにより画成された必要条件に合わせて設計することができる。
より特定の実施形態における装置10および方法20は、米国テキサス州 Plano のUGSから入手できる Unigraphics CADソフトウェアパッケージの如きCADパッケージとしてアクセス可能なコンピュータプログラムアプリケーションに実装される。この実施形態における装置10および方法20は、自動車シートの設計で用いるために適している。しかしながら、本発明はこのような用途に限定されない。
一実施形態における方法20は、あらゆる着座作業場所環境におけるシート設計のために非線形数理最適化アルゴリズムを組み込んだCADである。これは、作業場所の幾何学的配列、例えば自動車パッケージでの好ましい乗員位置から始まる。乗員の好ましい着座位置は、作業の幾何学的配列に最も適した身体位置を達成するために必要とされる関節角度に基づく。自動車運転者の位置におけるこの幾何学的配列は、ペダルの位置と、操舵ハンドルと、道路およびすべての制御に関する最適な視界のための目の位置とによって画成される。シートは、各乗員の手足および背骨の姿勢(すなわち関節角度)が適合するように、好ましい位置に乗員を支持すべきである。
この装置10および方法20における車両の幾何学的配列は、ユーザー16によって入力されるか、または基準の幾何学的配列として予め測定されている車両に基づいたこの幾何学的配列を含むファイルから書き込むことができる。車両が例えばセダンか、それともSUVであるかを画成するこの車両の幾何学的配列を画成することに関し、ソフトウェアは車両を運転する全乗員に適合して最良に支持するシートの形状および機構を最適化しよう。これらの乗員は、小柄な女性から大柄な男性まで大きさが変動し、それぞれ背中が倒れた姿勢から背中が立った姿勢までの範囲で着座する。ユーザーにより画成される個体数の範囲のため、シートは、固体数の変動範囲に適合し、それによってすべての人々に適合する1つのシートが設計される。
すべての身体寸法と、すべての身体寸法における姿勢とに適合するシートを設計するため、画成されたシート表面の定義が全乗員からの共通する指標を用いる。乗員の解剖学的構造の使用は、共有される着座乗員のための参照フレームを与える。選択された解剖学的構造は、着座姿勢の生体力学に対して機能的に関連しているため、シート表面は、寸法または姿勢に拘らず、乗員の身体と同じ方法で相互作用する共通のシートパッチに分けることができる。従って、シートパッチは、全乗員の異なる寸法と姿勢との間の共有領域を表す。これら共有パッチ領域を介して空いている着座面を適合させることにより、シートはすべての身体の寸法および姿勢に適合するまで設計される。
ユーザー16は、乗員の身体指標や寸法または姿勢の定義がERL乗員に作り上げられるので、これらを確認する必要がない。しかしながら、ユーザー16は、車両が使用する対象を定められる固体数での乗員の大きさを画成しなければならない。加えて、シートパッチの画成は、ソフトウェアによって計算される。しかしながら、ユーザーは、床と、ペダルと、操舵ハンドルと、反射鏡と、天井の内張りとの基本的幾何学的レイアウトの画成を介して車両の種類を入力しなければならない。その後、ソフトウェアは、ユーザーによって選択されたレイアウトに適合するように、各寸法および姿勢に対する最適な位置を計算する。シートは、着座乗員の重量分布を計算する生体力学的モデルの結果として展開され、乗員の負荷により変形するシートの機械的特性に対して入力される。シートに負荷が掛かっていない場合、この固体数に合致するように作られなければならないシートの形状の意匠が定められる。
Claims (40)
- ある環境にて使用するシートを設計するためのコンピュータベースの方法であって、
一連の環境特性を確定するステップと、
一連の接触面特性を確定するステップと、
シートの対象乗員を表す身体テンプレートのプールを確定するステップと、
シートの領域と身体テンプレートとの間の相互作用を表すと共にシート意匠の表面を画成する複数のパッチを画成することにより、確定した環境特性と、接触面特性と、身体テンプレートとに応じてシートの意匠を確定するステップと
を具えたことを特徴とするコンピュータベースの方法。 - 少なくとも1つのパッチが第1の状態と第2の状態とを有し、第1の状態は、シートの領域が代表的な対象乗員によってどのように変形させられるのかを画成し、第2の状態はシートの領域の変形しない状態を画成することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 少なくとも1つのパッチがクッションパッチであることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- クッションパッチは、シート先端パッチ,前部腿パッチ,腿パッチ,および座骨パッチの何れか1つであることを特徴とする請求項3に記載のコンピュータベースの方法。
- 少なくとも1つのパッチがバックパッチであることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- バックパッチがバイトラインパッチ,腰パッチ,胸パッチ,肩パッチ,およびヘッドレストパッチの何れか1つであることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータベースの方法。
- 少なくとも1つのパッチが座骨パッチ,腿支持パッチ,前部腿パッチ,シート先端パッチ,バイトライン領域パッチ,腰パッチ,胸パッチ,肩パッチ,およびヘッドレストパッチの何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 少なくとも1つのパッチが解剖学的基準位置に関して定められていることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- パッチがシートの二次元断面を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 断面が第1および第2の端部を含み、パッチは断面の第1および第2の端部に隣接して配されると共に一対のトレンチによってこれらから分けられた一対のボルスタを含むことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータベースの方法。
- 各パッチは、長さと、幅と、ボルスタ高さと、ボルスタ幅と、ボルスタ角とを有することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- パッチは、最大ボルスタ貫入度をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータベースの方法。
- 一方のパッチは、代表的な対象乗員によって変形させられるシートの領域を画成する接触パッチであり、他方のパッチは、代表的な対象乗員の何れによっても変形しないシートの領域を画成する非接触パッチであることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 環境特性がシートの調整機構に関連していることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 環境特性は、シートが配される環境に関連していることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 環境が原動機付き車両であることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータベースの方法。
- 前記原動機付き車両が操舵ハンドルを含み、少なくとも1つの環境特性が操舵ハンドルに関連していることを特徴とする請求項16に記載のコンピュータベースの方法。
- 前記環境特性は、かかとの基準位置,アクセルペダルの長さ,およびアクセルペダルの幅の1つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 前記接触面特性は、乗員の関節角度,乗員とシートとの相互作用,および視覚対象の1つ以上に関連していることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 前記パッチが一連のあらかじめ設定された製造条件に応じて定められていることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータベースの方法。
- 前記製造条件は、パッチとシートのフレームとの間の最小距離を含むことを特徴とする請求項20に記載のコンピュータベースの方法。
- ある環境に対して設計されるシートに関する1つ以上のパッチを確定するための装置であって、
一連の環境特性と、一連の接触面特性と、シートの対象乗員を表す身体テンプレートのプールとを確定するためのユーザーインタフェースと、
ユーザーインタフェースに結合され、シートの領域と身体テンプレートとの間の相互作用を表すと共にシートの意匠表面を画成する複数のパッチを画成することにより、確定した環境特性と、接触面特性と、身体テンプレートとに応じてシートの意匠を確定するための演算機器と
を具えたことを特徴とする装置。 - 少なくとも1のパッチは、第1の状態および第2の状態を有し、第1の状態は、シートの領域が代表的な対象乗員によってどのように変形させられるのかを画成し、第2の状態はシートの領域の変形しない状態を画成することを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 少なくとも1つのパッチがクッションパッチであることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- クッションパッチが先端クッションパッチ,前部腿パッチ,腿パッチ,および座骨パッチの何れか1つであることを特徴とする請求項24に記載の装置。
- 少なくとも1つのパッチがバックパッチであることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- バックパッチがバイトラインパッチ,腰パッチ,胸パッチ,肩パッチ,およびヘッドレストパッチの何れか1つであることを特徴とする請求項26に記載の装置。
- パッチの1つが座骨パッチ,腿支持パッチ,前部腿パッチ,先端クッションパッチ,バイトライン領域パッチ,腰パッチ,胸パッチ,肩パッチ,およびヘッドレストパッチの何れか1つであることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 前記パッチは解剖学的基準位置に対して定められることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 各パッチがシートの二次元断面を含むことを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 前記断面は、第1および第2の端部を含み、各パッチは前記断面の第1および第2の端部に隣接して配された一対のボルスタを含むと共に一対のトレンチによって分けられていることを特徴とする請求項30に記載の装置。
- 各パッチは、長さ,幅,ボルスタ高さ,ボルスタ幅,およびボルスタ角を有することを特徴とする請求項22に記載の装置。
- パッチが最大ボルスタ貫入度をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の装置。
- 少なくとも1つのパッチが代表的な対象乗員によって変形させられるシートの領域を画成する接触パッチであり、他のパッチが代表的な対象乗員の何れによっても変形しないシートの領域を画成する非接触パッチであることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 前記環境特性がシートの調整機構に関連していることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 前記環境特性は、シートが配される環境に関連していることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 前記環境が原動機付き車両であることを特徴とする請求項36に記載の装置。
- 前記原動機付き車両が操舵ハンドルを含み、前記環境特性が操舵ハンドルに関連していることを特徴とする請求項37に記載の装置。
- 前記環境特性がかかとの基準位置,アクセルペダルの長さ,およびアクセルペダルの幅の1つ以上を含むことを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 前記接触面特性は、乗員の関節角度,乗員とシートとの相互作用,および視覚対象の1つ以上に関連していることを特徴とする請求項22に記載の装置。
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