JP2007534963A - 三次元サンプルにおける重合のモニター方法 - Google Patents

三次元サンプルにおける重合のモニター方法 Download PDF

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Abstract

光学赤外線サーモグラフィー方法、および三次元サンプルの重合のモニタリングと特性解析におけるその使用が記載されている。

Description

本発明は、光学赤外線サーモグラフィー、ならびに、三次元サンプルの重合のモニターおよび特性解析におけるその使用を目的とする。
重合反応の過程をモニターするために、多くの技術が開発されてきた。モノマーの消失と、それに伴う製品のポリマーの生成をモニターするために、赤外分光法(IR)および核磁気共鳴(NMR)が使用されてきたが、これらの方法では、検討対象の反応の熱力学、とりわけ発生する熱量に関しての情報はほとんど得られない。重合反応の発熱を検討するためには、熱量測定および示差走査熱量測定が使用されてきたが、これらの方法では、バルクのサンプルそのものについての情報しか得られず、そのため、熱的な特性に関する情報、たとえば、具体的なサンプルの面または領域からの発熱すなわち熱の発生に関する情報を得ることは不可能である。
光学的な高温測定法が、各種の物質、特に白熱を発する物質の表面温度の測定や、触媒活性、モノマーまたはその他の反応剤の反応性、反応速度、または薄膜サンプルの反応条件の評価において、有効に使用されてきた。典型的には、薄膜サンプルの評価が行われ、それらのサンプルの温度が記録される。たとえば、各種の触媒をスクリーニングするためには、より高い温度が使用されてきて、より高い温度を示すサンプルが、与えられた条件の組合せの下では触媒活性がより高いとみなされていた。
本発明は、IR検知器アレイを使用して、三次元サンプル中での重合を、その重合の開始を含めて、モニターし、前記サンプルのサーモグラフィープロファイルを取り込むための方法を提供する。この方法は、熱重合および光重合のいずれにも、またはそれらの組合せに使用することが可能である。それらのサンプルには、重合を開始させることが可能な開始表面および1つまたは複数のモニター表面が含まれ、そこで重合がモニターされ、重合のサーモグラフィープロファイルが取り込まれる。
本明細書で使用するとき、「サーモグラム」または「サーモグラフィープロファイル」という用語は、サンプルの1つまたは複数の表面の上の複数のポイントにおける三次元サンプルの温度プロファイル、すなわち、表面の「温度マップ」を指す。サーモグラフィープロファイルは、単一のポイントによる光学的高温測定法とは区別することが可能で、後者では、単一のポイントにおける温度、または表面の平均温度を測定している。
光学的高温測定法は、薄膜の重合の特性解析に使用されてきたが、三次元サンプルの挙動は、薄膜サンプルの場合とは顕著に異なっているであろうと考えられる。薄膜は、相対的に広い表面積を有しているので、重合の際に発生する熱はすべて、バルクのサンプルからの場合よりは、効率的に消散させられる。具体的には、三次元サンプルではピーク温度に達するのにより長い時間がかかり、熱質量が大きいために熱を長い間保持することができる。このことは、たとえば次のようなことに影響が現れる:到達するピーク温度、重合度、収縮率、生成ポリマーの分子量、架橋ポリマーネットワークにおける転化率、分子量分布、収縮、重合の深さ、および欠陥の数。さらに、複合ポリマー材料については、薄膜を用いたのでは簡単に解析できない。
1つの実施態様においては、そのサンプルには1種または複数の加熱重合性モノマーが含まれる。その重合は、少なくとも1つの表面を熱エネルギーに暴露させることにより開始され、そのサーモグラフィープロファイルが取り込まれる。また別な実施態様においては、そのサンプルには1種または複数の光重合性モノマーが含まれていて、その重合は化学線照射に暴露させることにより開始され、そのサーモグラフィープロファイルが取り込まれる。別の実施態様においては、1種または複数の追加の分析手段、たとえばIR分光法と並行して、サーモグラフィープロファイルを取り込むことができる。
それぞれのサーモグラフィープロファイルは、単一のポイントで、ある時間に取り込むか、あるいは時間の関数として取り込むことができる。時間の関数として取り込む場合には、サンプルの表面の個々のポイントについて分析し、その結果を時間に対して比較する。個々のポイントについて、特定の時間において比較し、そのサンプルの中でどのように重合が進行するかを求めたり、1つのサンプルの中の異なったポイントでそれがどのように変化するかを求めたりすることができる。それぞれのサーモグラフィープロファイルは、1つのサンプルの単一の表面の上の複数のポイントを含んでいてもよいし、あるいは、1つのサンプルの異なった表面の上の1つまたは複数のポイントを含んでいてもよいし、あるいは、複数のサンプルのアレイの上の1つまたは複数のポイントを含んでいてもよい。
サーモグラフィープロファイルを使用すれば、配合、硬化条件、硬化の深さ、動力学的プロファイル、および硬化速度を最適化することができる。さらに、サーモグラフィープロファイルを、後硬化の物理的および/または化学的性質に関連させて使用することも可能である。
その方法に含まれるのは、重合性モノマー、オリゴマーまたは架橋性ポリマーのサンプルを備える工程、重合を開始させる工程、およびIR検知器アレイを用いてそのサンプルのサーモグラフィープロファイルを取り込む工程である。本発明の方法においては、複数のサンプルの、複数または単一のアレイを使用することができる。それらのサンプルは、そこで重合が開始される第一の表面と、重合をモニターし、サーモグラフィープロファイルを取り込む1つまたは複数の表面とを有している。「モニター表面(monitoring surface)」は、重合開始表面に対して実質的に垂直に配置されている。「実質的に垂直な」という用語は、重合開始表面とモニター表面との間で形成される角度が、正確に90度である必要はなく、90度から±45度以内、より好ましくは±25度以内、最も好ましくは±10度以内であればよい、ということを意味している。「重合開始表面」および「モニター表面(単一または複数)」の選択は、いずれの具体的なサンプルまたはサンプルのアレイにおいても任意ではあるが、上側の水平面で重合を開始させ、実質的に垂直な鉛直表面の1つから重合をモニターすると好都合であることが多い。
サンプルが、任意のx、yおよびz次元の方向の次元を有すると考えることができる。z次元を鉛直方向と考え、水平な重合開始表面の面に対して垂直であると考える。一般に、そのサンプルサイズは、重合フロント(polymerization front)、すなわちサンプルの中で重合が進行していく仮想的な平面に対して垂直な、z軸方向で少なくとも0.5mmである。サンプルが、深さが少なくとも0.5mmで、直径、すなわちx軸とy軸方向が0.1mmのサイズであるのが好ましい。一般的には上限は存在しないが、サンプルの大きさは、深さ(z方向)が10cm未満で、直径(独立してx方向およびy方向)が5cm未満であれば、取扱いおよび解析するのに都合がよい。これらの範囲内であれば、重合の発熱に関する充分な情報を取り込むことが可能である。しかしながら、いくつかの実施態様においては、たとえば大型の複合材料パネルの製造における製造物体の品質解析の場合のように、これらの寸法よりも大きなサンプルについてモニターし、サーモグラフィープロファイルを取り込むのが有用となることもある。
本発明の方法を使用して、熱可塑性、熱硬化性、エラストマー性、および熱可塑性エラストマー性ポリマーを製造するために、必要とされるモノマー、オリゴマーまたはポリマーの重合をモニターすることができる。本明細書で使用するとき、「重合性(polymerizable)」という用語は、適切な硬化エネルギー源に暴露されたときに硬化反応に与る、モノマー、オリゴマー、および/または(場合によっては)ポリマー骨格に直接結合されているか、または間接的にペンダントされた官能基のことを指す。そのような官能基には一般に、照射に暴露されてフリーラジカル機構により硬化する基のみならず、カチオン機構、アニオン機構、ステップ成長機構、連鎖成長機構、または縮合機構により硬化する基や、光もしくは熱フリーラジカル重合開始剤、光酸発生剤または光塩基発生剤、または酸触媒もしくは塩基触媒などのような、触媒または重合開始剤によって硬化するものが含まれる。この方法は、1種または複数のモノマーの重合、1種または複数のオリゴマーの重合、1種または複数のポリマーの架橋、または、モノマーとオリゴマーの重合もしくはオリゴマーとポリマーの重合のようなそれらの組合せなどのサーモグラフィープロファイルを取り込むのに応用することができる。
本発明の方法において調製することが可能な熱可塑性ポリマーの例を挙げれば(これらに限定される訳ではない)、ポリオレフィンおよびそれらのコポリマーおよびブレンド物(メタロセンポリオレフィン、ポリ(アルファオレフィン)、およびエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーを含む)、スチレンコポリマーおよびターポリマー、アイオノマー、エチレン酢酸ビニル、ポリビニルブチレート、ポリ塩化ビニル、フルオロカーボンエラストマー、その他のフッ素含有ポリマー、ポリエステルポリマーおよびコポリマー、ポリアミドポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリケトン、ならびにポリウレア、などがある。
調製することが可能なポリアミドポリマーの例を挙げれば(これらに限定される訳ではない)、合成品の直鎖状ポリアミド、たとえば、ナイロン−6およびナイロン−66、ナイロン−11、またはナイロン−12、ナイロン−612、ナイロン−69、ナイロン−4、ナイロン−42、ナイロン−46、ナイロン−7、およびナイロン−8などがあり、環含有ポリアミド、たとえば、ナイロン−6Tおよびナイロン−61、ならびにポリエーテル含有ポリアミドを調製することも可能である。
調製することが可能なポリウレタンポリマーとしては、脂肪族、脂環族、芳香族、およびポリ環状ポリウレタンなどが挙げられる。これらのポリウレタンは典型的には、周知の反応機構に従って、多官能イソシアネートをポリオールと反応させることにより製造される。
調製できるその他のポリマーとしては、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが挙げられるが、それらは一般に「(メタ)アクリレート」の用語で表される。例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリルアミド、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、およびメタクリル酸エチル、のポリマーを挙げることができる。調製できるその他のポリマーとしては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリケトン、およびポリウレアなどが挙げられる。
さらにその他のポリマーとしては、フッ素含有ポリマーを挙げることができ、それには、テトラフルオロエチレンと1種または複数のその他のモノマーたとえば、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロ(プロピルビニル)エーテルとのポリマーおよびコポリマー;テトラフルオロエチレンとエチレン性不飽和炭化水素モノマーたとえば、エチレンまたはプロピレンとのコポリマーなどが含まれる。
調製することが可能はさらに別なフッ素含有ポリマーとしては、フッ化ビニリデンベースのものたとえばポリフッ化ビニリデン;フッ化ビニリデンと、1種または複数のその他のモノマーたとえば、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、エチレン、プロピレンなどとのコポリマーが挙げられる。さらにその他の有用なフッ素含有の押出し加工可能なポリマーは、本開示の結果として当業者には公知となるであろう。
ポリオレフィンとしては、オレフィンのホモポリマーおよびコポリマー、さらには、そのようなオレフィンと共重合性のある1種または複数のオレフィンたとえば、ビニルエステル化合物たとえば酢酸ビニルとのコポリマーが挙げられる。オレフィンは一般構造としてCH2=CHRを有し、ここでRは水素またはアルキルラジカルであり、また一般にそのアルキルラジカルには、10個以下の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子が含まれる。代表的なオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−および2−ブテンである。それらのオレフィンと共重合することが可能な代表的なモノマーとしては以下のようなものを挙げることができる:1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、プロピレン、ビニルエステルモノマーたとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、およびクロロプロピオン酸ビニル;アクリル酸およびアルファ−アルキルアクリル酸モノマー、およびそれらのアルキルエステル;アミドおよびニトリル、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、N,N−ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル;ビニルアリールモノマーたとえば、スチレン、o−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、およびビニルナフタレン;ビニルおよびビニリデンハライドモノマー、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン;マレイン酸およびフマル酸のアルキルエステルモノマー、たとえばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル;ビニルアルキルエーテルモノマー、たとえばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル;2−クロロエチルビニルエーテル;ならびにビニルピリジンモノマー。
調製することができる熱硬化性ポリマーとしては、以下のものから誘導されるものが挙げられる:フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ビニルエーテル樹脂、ウレタン樹脂、カシューナッツシェル樹脂、ナフタレン樹脂およびフェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、シリコーン(ヒドロシランおよび加水分解性シラン)樹脂、ポリイミド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メチレンジアニリン樹脂、メチルピロリジノン樹脂、アクリレートおよびメタクリレート樹脂、イソシアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびそれらの混合物。
エポキシ(エポキシド)モノマーおよびプレポリマーは、熱硬化性エポキシ物質を製造するのに使用されるが、このことは当業者には周知である。熱硬化性エポキシ化合物は、カチオン重合によって硬化または重合させることができる。エポキシ含有モノマーにはさらに、他のエポキシ化合物またはエポキシ含有モノマーと熱可塑性物質とのブレンド物が含まれていてもよい。エポキシ含有モノマーを特定の物質とブレンドすることによって、硬化または部分硬化させた組成物の最終用途や応用面を広げることが可能である。
エポキシ含有物質には、開環反応によって重合することが可能な少なくとも1個のオキシラン環を有するエポキシ樹脂が含まれる。そのような物質は、広い意味でエポキシドと呼ばれていて、モノマー性およびポリマー性のエポキシドの両方が含まれ、脂肪族、脂環族、または芳香族のいずれであってもよい。それらの物質は一般に、平均して1分子あたり少なくとも2個のエポキシ基を有しているが、1分子あたり3個以上のエポキシ基を有しているのが好ましい。本明細書においては、1分子あたりのエポキシ基の平均の数とは、エポキシ含有物質の中のエポキシ基の数を存在しているエポキシ分子の数で割ったものと定義される。ポリマー性のエポキシドとしては、末端エポキシ基を有する直鎖状ポリマー(たとえば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格オキシラン単位を有するポリマー(たとえば、ポリブタジエンポリエポキシド)、およびペンダントエポキシ基を有するポリマー(たとえば、メタクリル酸グリシジルポリマーまたはコポリマー)などが挙げられる。
フェノール樹脂を調製することも可能である。酸硬化性のレゾールフェノール樹脂が、米国特許第4,587,291号明細書に記載されている。調製できるフェノール樹脂は、所望により、モノマー性フェノールの含量を5%未満とすることができる。それらの樹脂は、公知の方法に従って、最高30%までの尿素、メラミン、またはフルフリルアルコールを用いてさらに変性することも可能である。
フェノールレゾールは、フェノールとアルデヒドのアルカリ縮合された反応生成物であって、単核または多核フェノールのいずれが使用されていてもよい。さらに詳しくは、単核フェノール、ならびに、単官能および多官能フェノールの両方、たとえばフェノールそのものとアルキル置換された同族体、たとえばo−、m−、p−クレゾールもしくはキシレノールが好適である。さらに、ハロゲン−置換フェノール、たとえばクロロ−もしくはブロモフェノールや、多官能フェノール、たとえばレソルシノールまたはピロカテコールもまた好ましい。「多核フェノール」という用語は、たとえばナフトール、すなわち縮合環を有する化合物を指す。多核フェノールは、脂肪族による橋かけや、ヘテロ原子たとえば酸素によって結合されていてもよい。多官能、多核フェノールは、好適な熱硬化性フェニルレゾールを与えることもできる。
フェノールレゾールを形成させるために使用されるアルデヒド成分は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、もしくはブチルアルデヒド、または縮合条件下でアルデヒドを放出する化合物たとえば、亜硫酸水素ホルムアルデヒド、ウロトロピン、トリヒドロキシメチレン、パラホルムアルデヒド、もしくはパラアルデヒドなどであってもよい。フェノールとアルデヒド化合物との化学量論量は、1:1.1から1:3.0までの範囲とすることができる。
オキセタン環モノマーは、マトリックス相の熱硬化性ポリマーを形成させるのにも使用することができる。オキセタン(オキサシクロブタン)環は、エポキシ(オキシラン)環と同様な挙動をとり、その場合、触媒および/または共硬化剤(時には架橋剤と呼ばれることもある)を用いて開環させ、2個またはそれ以上の鎖を結合させて架橋ポリマーを形成させることが可能である。たとえば、ポリカルボン酸無水物およびその他の多官能化合物たとえば、ポリアミン、ポリカルボン酸、ポリメルカプタン、ポリ酸ハライドなどによって、エポキシ部位がエポキシド共硬化剤によって結合されると同様にして、2個またはそれ以上のオキセタン部位を結合させることが可能である。その結果、架橋または硬化されたポリマーの中の三次元構造の量が多くなり、それによって、そのポリマー構造の剛性が上がる。
加熱硬化可能な組成物には、放射線または加熱架橋性官能基を有する成分が含まれているのがよく、それによってその組成物が、放射硬化エネルギーに暴露されると、硬化可能となって硬化または固化される、すなわち、重合および/または架橋反応するが、それを本発明の方法によりモニターすることが可能である。放射線硬化エネルギーの代表例を挙げれば、化学線エネルギー(たとえば、赤外線エネルギー、マイクロ波エネルギー、可視光線、紫外線など)、加速粒子(たとえば、電子ビームエネルギー)、および/または電気的な放電からのエネルギー(たとえば、コロナ、プラズマ、グロー放電、または無声放電)などがある。
放射線架橋性官能基とは、適当な放射線硬化エネルギー源に暴露させることによって架橋および/または重合反応に与るような、モノマー、オリゴマー、またはポリマー骨格から直接的または間接的にペンダントされた官能基を指す。本発明を実施するのに適した放射線架橋性の基の代表例としては、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、オレフィン性炭素−炭素二重結合、三重結合、アリルエーテル基、スチレン基、(メタ)アクリルアミド基、それらの組合せなどが挙げられる。
調製することが可能な熱硬化性ポリマーエラストマーとしては、以下のものから誘導されるものを挙げることができる:架橋ポリウレタン、架橋アクリレート、架橋天然ゴム、架橋合成ゴム、架橋エピクロロヒドリン、架橋クロロスルホン化ポリエチレン、架橋エチレン−アクリリック、アクリロニトリル−ブタジエン(NBR)、ブタジエンゴム、クロロ化およびクロロスルホン化ポリエチレン、クロロプレン、EPM、EPDM、エピクロロヒドリン、イソブチレン−イソプレン、イソプレン、ポリスルフィド、ポリウレタン、シリコーン、PVC−NBR、スチレン−ブタジエン、および酢酸ビニル−エチレン、など。
本発明の方法は、相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)およびセミ−IPNを製造するための材料の重合においても有用である。IPNは、互いの存在下で2種のポリマーが形成されて、2種の別な架橋ポリマーネットワークを形成した結果として得られるものである。それらのポリマーの内の1つがエポキシ樹脂であるようなIPNについては、これまでに記載がある。フリーラジカル重合性のエチレン性−不飽和アクリレートタイプのモノマーと、エポキシモノマーを同時に、または順次に重合させることにより、IPNが調製された。たとえば、米国特許第5,399,637号明細書、米国特許第5,376,428号明細書、米国特許第5,086,086号明細書、および米国特許第4,952,612号明細書を参照されたい。
セミ−相互貫入ポリマーネットワーク(セミ−IPN)は、2種以上のポリマーからなるポリマーネットワークであって、その一方のポリマーが架橋されており、もう一方が非架橋であるようなもの、と定義される。いくつかのポリマー系を含むセミ−IPNについての記載がすでにある(エンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)第8巻(ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ(John Wiley & Sons)、ニューヨーク(New York)、1984)p.279〜332)。主成分として未硬化のエポキシ樹脂、副成分としてブタジエン−アクリロニトリルゴム(英国特許第736,457号明細書)、架橋エラストマー性ラテックス(英国特許第1,247,116号明細書)を含むセミ−IPNの記載がある。ポリオレフィンとトリエポキシ樹脂のセミ−相互貫入ポリマーネットワークについては、ネガマトフ(Negamatov)らによる研究がある(ウズベキスタン・キミチェスキー・ズルナール(Uzb.Khim.Zh.)、1990(6)、65〜7;CA、115:93689n(1991))。硬化剤なし、成分の量、またはIPNを製造するためのプロセスが開示されている。
本発明を実施するのに好適な光重合性基の代表例としては、エポキシ基、(メタ)アクリレート基、オレフィン性炭素−炭素二重結合、アリルオキシ基、アルファ−メチルスチレン基、(メタ)アクリルアミド基、シアネートエステル基、ビニルエーテル基、それらの組合せなどが挙げられる。
光重合性物質の1つの有用なタイプは、1個または複数のエチレン性不飽和基を有する少なくとも1種のモノマー、少なくとも1個のポリチオール;および光重合を開始させるのに充分なUVおよび/または可視域に吸収を有する、フリーラジカル重合光開始剤または光重合開始剤のブレンド物を含む、チオール−エン(thiol−ene)ポリマーである。典型的には、それらの光重合開始剤およびそれらの混合物は、ケトン官能基を含んでいてもよく、それらはアクリレートのフリーラジカル光重合においても有用である。それらの光重合開始剤は、大きく分けて、アセトフェノンタイプの光重合開始剤、アシルホスフィンオキシドタイプの重合開始剤、またはベンゾフェノンタイプの光重合開始剤に分類することができる。さらに、上述のカテゴリーのいずれにおいても、電子供与性化合物および染料増感剤のような相乗剤を有することができる。光重合開始剤は、K.ディートリカー(K.Dietliker)、「ア・コンパイレーション・オブ・フォトイニシエーターズ・コマーシャリー・アベイラブル・フォア・UV・トゥデイ(A compilation of Photoinitiators Commercially Available for UV Today)」(サイタ・テクノロジーズ(SITA Technology)、2002)、およびJ.V.クリベロ(J.V.Crivello)およびK.ディートリカー(K.Dietliker)、「ケミストリー・アンド・テクノロジー・オブ・UV・アンド・EB・フォーミュレーションズ・フォア・コーティングズ・インクス・アンド・ペインツ(Chemistry and Technology of UV & EB Formulations for Coatings,Inks and Paints)」第III卷(サイタ・テクノロジーズ(SITA Technology)、1998)に列記されている。
エチレン性不飽和ビニルモノマーまたはオリゴマーを特に代表するものの例としては以下のものが挙げられる:スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン;ビニルエーテルたとえば、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHVE)およびジエチレングリコールジビニルエーテル(DVE);ビニルエステル、たとえば酢酸ビニル;ならびにN−ビニル誘導体たとえば、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルホルムアミド。
有用なエチレン性不飽和アクリルモノマーまたはオリゴマーの例としては以下のものが挙げられる:(メタ)アクリル酸アルキルまたは(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、たとえば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリルアミド、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸イソボルニル、グリセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、ビス[1−(2−アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、およびエトキシル化アクリレート。特に有用な高官能性アクリレートは、たとえば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、およびペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)である。アクリレートのブレンド物を使用して、硬化速度や硬化物の最終性能を調節することもできる。
有用な、複数のチオール基を有する化合物(ポリチオール)の例としては、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)およびペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)などが挙げられるが、これらはすべて市場で入手することが可能である。好適な高分子量ポリチオールの具体例は、ポリプロピレンエーテルグリコールビス(β−メルカプトプロピオネート)であって、このものは、ポリプロピレン−エーテルグリコール(たとえば、BASF・ワイアンドット・ケミカル・コーポレーション(BASF Wyandotte Chemical Corp.)製のプルラコール(Pluracol)P201)とβ−メルカプトプロピオン酸とをエステル化させることによって調製される。ポリ−α−メルカプトアセテートまたはポリ−β−メルカプトプロピオネートエステル、特にトリメチロールプロパントリエステルまたはペンタエリスリトールテトラエステルが好ましい。好適に採用可能なその他のポリチオールとしては、アルキルチオール官能性化合物たとえば、1,2−ジメルカプトエタン、1,6−ジメルカプトヘキサンなどがある。チオール末端のポリスルフィド樹脂を用いることが可能である。特に有用な高官能性ポリチオールとしては、ペンタエリスリトールテトラメルカプトプロピオネートおよびトリメチロールプロパンメルカプトプロピオネートを挙げることができる。
チオール−エンサンプルを重合させるのに有用な光硬化性光重合開始剤としては、アセトフェノン誘導体、アシルホスフィンオキシドまたは、アシルホスフィンオキシドと250ナノメートルより大きな波長でフリーラジカル重合開始をさせることが可能な市販の重合開始剤とのブレンド物が挙げられ、電子供与性化合物または染料増感剤のような相乗剤は存在させても、存在させなくてもよい。
光重合は、化学線照射源、たとえばUV照射にサンプルを露光させることにより開始させる。本発明の方法においては、照射の波長、強度および領域を変化させて、重合に及ぼすそれらの影響を調べることができる。多くの場合、照射領域を表面のある部分に限定することが有利となるが、それは、光源の散乱効果が起きて、その結果として複数のポイントで重合開始反応が起きることを避けるためである。したがって、照射源またはその照射源の開口部を、サンプルの第一の表面の一部に限定して、第二の表面のサーモグラフィープロファイルを取り込むことが可能で、それによって、第二の表面で重合が開始されないようにする。
各種の化学線照射源、たとえばUVまたは可視光線に反応性を有する光重合開始剤を使用して、重合を検討することが可能である。より簡便で、より害が少ないことから、可視光の光源を使用することができる。サンプルを、所定の強度、速度、および照射時間でスクリーニングすることが可能で、それによって、生成するポリマーセグメントに悪影響を及ぼすことなく、たとえば、最高の物理的性質を得たり、あるいは最適な反応条件を求めたりする、合理的な速度で重合を進めることが可能となる。
フリーラジカル重合(固化)のためには、重合開始系を、照射、加熱またはレドックス/自動硬化化学反応によって重合を開始させる系から選択する。フリーラジカルに活性な官能基の重合を開始させることが可能な重合開始剤のタイプとしては、フリーラジカル発生光重合開始剤を挙げることができ、場合によっては光増感剤または加硫促進剤を組み合わせてもよい。そのような重合開始剤は典型的には、200〜800nmの間の波長を有する光エネルギーに露光させることによって、付加重合のためのフリーラジカルを発生させることが可能である。
各種の可視光または近IR光重合開始剤系が、フリーラジカル重合性樹脂の光重合に使用することができる。たとえば、光重合開始系は、米国特許第4,071,424号明細書に記載があるような、アミンとα−ジケトンとの2成分系を介して重合を開始させるような系から選択することができる。別な方法として、樹脂を、米国特許第5,545,676号明細書(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載されているような、3成分光重合開始剤系と組み合わせることも可能である。その3成分系には、ヨードニウム塩(すなわち、ジアリールヨードニウム塩)、増感剤、および供与体が含まれる。それぞれの光重合開始剤成分については、米国特許第5,545,676号明細書のカラム2の27行から、カラム4の45行までに論じられている。その他有用なフリーラジカル重合開始剤としては、アシルホスフィンオキシドのタイプが挙げられるが、それについては、欧州特許出願公開第173567号明細書、米国特許第4,737,593号明細書、および英国特許第2,310,855号明細書に記載がある。
アシルホスフィンオキシドと組み合わせて、三級アミン還元剤を使用することも可能である。本発明において有用な三級アミンの例としては、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル、およびメタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルなどが挙げられる。重合開始剤は、存在しているエチレン性−不飽和化合物の重量を基準にして、触媒有効量のアシルホスフィンオキシドに加えて、存在しているエチレン性−不飽和化合物の重量を基準にして、0.1〜5重量パーセントの三級アミンを使用することができる。
本発明の歯科材料において代わりに使用することが可能なその他のフリーラジカル重合開始剤系としては、ホウ酸アニオンとその相補カチオン性染料とを含むイオン性染料−対イオン錯体重合開始剤のタイプが挙げられる。ホウ酸塩光重合開始剤は、たとえば、米国特許第4,772,530号明細書、4,954,414号明細書、4,874,450号明細書、5,055,372号明細書、および5,057,393号明細書に記載がある。
硬化可能な樹脂の中のフリーラジカル活性な官能基の重合を開始させることが可能な、さらにまた別の代替え重合開始剤のタイプとしては、従来から使用されている化学的重合開始剤系、たとえばペルオキシドとアミンの組合せを挙げることができる。それらの重合開始剤は加熱レドックス反応に依存するが、「自動硬化(auto−cure)触媒」と呼ばれることも多い。それらは典型的には、二成分系として供給され、そこでは、反応剤は別々に貯蔵されていて、使用する直前に組み合わされる。
有用な光重合開始剤としては、以下のようなものを挙げることができる:ベンゾインエーテル(たとえば、ベンゾインメチルエーテルまたはベンゾインイソプロピルエーテル)、置換ベンゾインエーテル(たとえば、アニソインメチルエーテル(anisoin methyl ether))、置換アセトフェノン(たとえば、2,2−ジエトキシアセト−フェノンおよび2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、置換アルファ−ケトール(たとえば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン)、芳香族スルホニルクロリド(たとえば、2−ナフタレンスルホニルクロリド)および光活性オキシム。市販されている光重合開始剤の例としては以下のようなものが挙げられる:イルガキュア(Irgacure,登録商標)819およびダロキュア(Darocur,登録商標)1173(いずれも、ニューヨーク州ホーソン(Hawthorne,N.Y.)のチバ・ガイギー・コーポレーション(Ciba−Geigy Corp.)から入手可能)、ルツェルン・TPO(Lucern TPO,登録商標)(ニュージャージー州パーシッパニー(Parsippany,N.J.)のBASFから入手可能)およびイルガキュア(Irgacure,登録商標)651,(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−1−エタノン)(チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)から入手可能)。
光重合開始剤は、増感剤と共に使用されることも多い。重合組成物における各種の増感剤およびその濃度の効果は、本発明の方法を使用して求めることができる。好適な増感剤としては、次のカテゴリーに含まれる化合物が挙げられると考えられる:ケトン、クマリン染料(たとえば、ケトクマリン)、キサンテン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン、芳香族多環状炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリールメタン、メロシアニン、スクアリリウム染料、およびピリジニウム染料。ケトン(たとえば、モノケトンまたはアルファ−ジケトン)、ケトクマリン、アミノアリールケトン、およびp−置換アミノスチリルケトン化合物が、好ましい増感剤である。深い硬化(deep cure)が必要とされるような用途(たとえば、高充填複合材料の硬化)の場合には、光重合のための照射の望ましい波長において、吸光係数が約1000Lmol-1cm-1未満、より好ましくは約100Lmol-1cm-1以下であるような増感剤を採用するのがよい。
そのエネルギー源が紫外線照射である場合には、サンプルを入れるためには、適切な紫外光線を透過する容器を使用するのがよい。UV光源としては、2種類のものが使用できる:1)比較的低強度の光源、たとえば、280〜400ナノメートルの波長範囲で一般に10mW/cm2以下の出力のブラックライト(この測定にはたとえば、米国国立標準技術研究所(the United States National Institute of Standards and Technology)公認の手順に従い、たとえば、バージニア州スターリング(Sterling,VA)のエレクトロニック・インストラメンテーション・アンド・テクノロジー・インコーポレーッテッド(Electronic Instrumentation & Technology,Inc.)ユビマ(UVIMA,登録商標)UM365L−Sラジオメーターを使用)、および2)比較的高強度の光源、たとえば、10mW/cm2より大、一般には15〜5000mW/cm2の出力を有する、中圧水銀ランプ。その強度と露光時間を変化させることによって、完全硬化または部分硬化のポリマー組成物、さらには各種のモノマー、触媒、それらの量の効果を検討することが可能である。その強度は、約0.1〜約150mW/cm2、たとえば約0.5〜約100mW/cm2、または約0.5〜約50mW/cm2の範囲とすることができる。時間は短ければ1秒から数分またはそれ以上まで、変化させることが可能である。理想的には、目的とする最終用途の硬化条件に近似できるように、サンプルをスクリーニングする。化学線照射が400ナノメートルを超えるような場合には、その他の光源、たとえば石英タングステンハロゲンランプ、タングステンランプ、水銀アーク、炭素アーク、ドーパントの存在下または非存在下の、発光ダイオード、レーザーおよびマイクロ波駆動無電極ランプを使用する。
所望により、フィルターを使用することにより、光源のIR成分を抑制または排除して、取り込まれるサーモグラフィープロファイルの信号対ノイズ比(S/N)を上げることも可能である。いわゆるカットオフフィルターとしては一般に、下記の3種類のタイプが存在する;光源とサンプルとの間に置かれる水フィルター、低強度のUV光源の場合に使用され、これまた光源とサンプルとの間に置かれる吸収フィルター、およびIR成分を反射するがその他の波長は透過するか、あるいはIRを透過して可視光線を反射する、反射フィルター。
その他の光学要素、たとえばレンズや拡散プレートを使用することにより、化学線照射の均質性を確保することもできる。別な方法として、光学要素を使用することにより、サンプル(単一または複数)への化学線照射にグラジエント(強度グラジエント)を与えることも可能である。
加熱重合性のサンプルは、そのサンプルを熱源に接触させることによって重合を開始させることができる。1つの実施態様においては、サンプル(単一または複数)を加熱した容器の上に載せるかまたは接触させることもできるし、あるいは、そのサンプルを加熱したサンプルステージ、たとえば、プログラム可能なホットプレートと接触させることもできる。別な方法として、IR透過性の窓、たとえば石英製の窓を有する加熱チャンバーの中にサンプルを入れて、サーモグラフィープロファイルを取り込むこともできる。所望により、グラジエント可能な熱源を使用することによって、サンプルに温度勾配をつけた暴露をさせることもできる。その装置のサーモグラフィープロファイルを取り込んで、その重合性サンプルのそれから差し引くことも可能である。対象としている組成を含むが重合開始剤は加えていない「ブランク」サンプルをその反応条件にかけて、サーモグラフィープロファイルを取り込み、次いで、それを重合性サンプルの場合と比較するのが好ましい。このことによって、反応によって発生する熱量に対する、熱の吸収の程度を知ることができる。
好適な熱重合開始剤の例を挙げれば、以下のようなものがある:ペルオキシドたとえば、ベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、シクロヘキサンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ヒドロペルオキシドたとえば、tert−ブチルヒドロペルオキシドおよびクメンヒドロペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、2,2’,−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)、およびt−ブチルペルベンゾエート。市販されている熱重合開始剤としては、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,Del.)のデュポン・スペシャルティ・ケミカル(DuPont Specialty Chemical)から、バゾ(VAZO)の商品名で入手可能な重合開始剤たとえば、バゾ(VAZO,登録商標)64(2,2’−アゾ−ビス(イソブチロニトリル))、バゾ(VAZO,登録商標)67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))、およびバゾ(VAZO,登録商標)52、ならびにペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia,Pa)のエルフ・アトケム・ノース・アメリカ(Elf Atochem North America)からのルシドール(Lucidol,登録商標)70などが挙げられる。
カチオン重合性サンプルは、酸発生重合開始剤たとえば、光酸発生剤または熱酸発生剤を用いて重合させることができる。有用な光酸発生剤としてはイオン性光酸発生剤、たとえばオニウム塩および有機金属塩、たとえば、鉄アレーン錯体;ならびにノニオン性光酸発生剤、たとえばオルガノシラン、潜在性(latent)スルホン酸およびその他各種のノニオン性化合物、たとえばハロメチルトリアジン(たとえば、米国特許第3,987,037号明細書に記載されているようなもの)およびクロロ化アセトフェノンなどが挙げられる。光酸発生剤は公知であって、J.V.クリベロ(J.V.Crivello)およびK.ディートリカー(K.Dietliker)「ケミストリー・アンド・テクノロジー・オブ・UV・アンド・EB・フォーミュレーション・フォア・コーティングズ・インクス・アンド・ペインツ(Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings,Inks and Paints)」、第III卷、(サイタ・テクノロジーズ・リミテッド(SITA Technology Ltd.)、ロンドン(London)、1998)を参照されたい。さらなる参考文献としては、「カーク・オスマー・エンサイクロペディア・オブ・ケミカル・テクノロジー(Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)」第4版、補遺(ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ(John Wiley and Sons)、ニューヨーク(New York))p.253〜255が挙げられれる。
有用なオニウム塩を挙げれば以下のようなものがある:ジアゾニウム塩たとえば、アリールジアゾニウム塩;ハロニウム塩たとえば、ジアリールヨードニウム塩;スルホニウム塩、たとえば、トリアリールスルホニウム塩(たとえば、コネチカット州ダンベリー(Danbury,CT)のダウ・ケミカル(Dow Chemical)から市販されているUVI6976(登録商標));セレンオニウム塩、たとえば、トリアリールセレンオニウム塩;スルホキソニウム塩、たとえば、トリアリールスルホキソニウム塩;ならびに、その他各種のタイプのオニウム塩たとえば、トリアリールホスホニウムおよびアルソニウム塩、ならびにピリリウムおよびチオピリリウム塩。有用なオルガノシランとしては、シラノールとβ−ケトエステルまたはβ−ジケトンのアルミニウム(III)錯体との混合物;o−ニトロベンジルトリアリールシリルエーテル;トリアリールシリルペルオキシド;およびアシルシランなどが挙げられる。有用な潜在性スルホン酸としては、以下のようなものが挙げられる:α−スルホニルオキシケトン;α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホネート;スルホン酸のo−ニトロベンジルエステル;アリールジアジドナフタキノン−4−スルホネート;α−スルホニルアセトフェノン;2−ヒドロキシおよび2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンのメタンスルホネートエステル(チオールの存在下);スルホネート化N−ヒドロキシアミドまたはイミド;ならびにイミノスルホネート。光酸を発生させるには、三元系の光重合開始剤系もまた有効である。オックスマン(Oxman)らの米国特許第6,025,406号明細書を参照されたい。
有用な熱酸発生剤としては、熱エネルギーに暴露されることによって1個または複数の酸分子を放出する、各種ポリマー性または非ポリマー性化合物を挙げることができる。有用な熱酸発生剤は、ビニルアルコールポリマーの分解温度よりも低い活性化温度を有していて、一般に200℃以下、好ましくは170℃以下の活性化温度を有している。さらに、その熱酸発生剤は、溶融物からコーティングするのであれば、ドナー層の溶融温度よりも少なくとも20℃高い活性化温度を有しているべきである。本明細書で使用するとき、「活性化温度」とは、ドナー層において熱酸発生剤によって最初の酸の熱放出が起きる温度である。典型的には、熱酸発生剤は約50℃〜約170℃の活性化温度を有することになろう。
熱酸重合開始剤の1つの有用なタイプは、ポリマー性または非ポリマー性のハロトリアジンである。少なくとも1個のトリハロメチル基により置換されたハロゲン化トリアジン化合物が、たとえば米国特許第4,505,793号明細書および米国特許第3,987,037号明細書に開示されている。
歯科材料は、材料の選択およびその硬化の面における具体的な挑戦目標である。他の用途とは異なって歯科材料は、患者の歯のエナメル質、象牙質および歯肉を含めた生体物質との接触状態下で硬化させることが多い。有用な歯科材料は、高い強度と耐久性を有していなければならず、また容易に成形でき、迅速に硬化(固化)しなければならない。困ったことには、高速で硬化させると患者には耐えられないような高温が発生するので、そのため、歯科材料は、迅速で完全な硬化をして充分な強度を与えるが、患者に不快感を与えるほどの高温または高温の持続があってはならない、という観点からスクリーニングしなければならない。歯髄の温度が5℃上昇するとその時間の15%で歯の壊死が起き、10℃ではその時間の60%を超え、15℃ではその時間の100%で壊死が起きるという報告がある(レオ・ザッハ(Leo Zach)およびゲルソン・コーエン(Gerson Cohen)、エンドドンティックス(Endodontics)、p.515、1965)。口腔内部で硬化させる歯科材料における発熱は、歯髄における温度上昇が5℃未満、好ましくは2.5℃未満となるようにする。本発明の方法を使用することによって、そのような発熱に関してサンプルを迅速にスクリーニングすることが可能となり、その際に使用するサンプルは、歯科補綴材料のサイズと形状を模することが可能である。
本発明の方法を使用すれば、1種または複数のサンプルが歯科用途に適しているかどうかを、迅速かつ高い信頼性でスクリーニングすることが可能である。具体的には、取り込まれたサーモグラフィープロファイルから、重合の開始、達するピーク温度、およびサンプルからの熱の消失速度などについての情報を得ることができる。そのサンプルは、具体的な歯科補綴物のそれに近似した大きさとすることができる。さらに、成分のモノマー、その他の添加剤(たとえば、補強充填剤)およびその量、重合開始剤およびその量、照射露光波長、ならびに照射時間を変化させながら、サンプルのスクリーニングすることができる。
歯科用シーラント、歯科用接着剤、歯科用セメント、修復材または補てつ材のいずれに使用するにしても、歯科材料には一般に硬化可能な樹脂、充填剤および重合開始剤が含まれる。
歯科用樹脂は、硬化によりポリマーネットワークが形成できる熱硬化性樹脂である。好適な樹脂としては、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、およびそれらの混合物が挙げられる。硬化可能な樹脂が、1種または複数のマトリックス形成性オリゴマー、モノマー、もしくはポリマー、またはそれらのブレンド物から製造されているのが好ましい。
歯科用複合材料のための、好適な重合性樹脂として、それらを口腔内環境で使用するのに適した、充分な強度、耐加水分解安定性、および無毒性を有する硬化可能な有機樹脂が挙げられる。そのような樹脂の例を挙げれば、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、カルバモイルイソシアヌレート、エポキシ樹脂、ならびにそれらの混合物および誘導体がある。米国特許第3,066,112号明細書、米国特許第3,539,533号明細書、米国特許第3,629,187号明細書、米国特許第3,709,866号明細書、米国特許第3,751,399号明細書、米国特許第3,766,132号明細書、米国特許第3,860,556号明細書、米国特許第4,002,669号明細書、米国特許第4,115,346号明細書、米国特許第4,259,117号明細書、米国特許第4,292,029号明細書、米国特許第4,308,190号明細書、米国特許第4,327,014号明細書、米国特許第4,379,695号明細書、米国特許第4,387,240号明細書、および米国特許第4,404,150号明細書にそのような樹脂が開示されている。
1つのタイプの硬化可能な樹脂は、フリーラジカル活性な官能基を含む物質であり、1個または複数のエチレン性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、およびポリマーが含まれる。別な方法として、その硬化可能な樹脂が、カチオン活性な官能基を含むタイプの樹脂からのものであってもよい。また別な方法としては、カチオン的に硬化可能な樹脂とフリーラジカル的に硬化可能な樹脂の両方を含む硬化可能な樹脂の混合物を使用してもよい。
フリーラジカル的に活性な官能基を有する硬化可能な樹脂のタイプにおいては、本発明において使用するのに適した物質には、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を含み、付加重合をすることが可能である。そのようなフリーラジカル重合性物質の例を挙げれば、以下のようなものがある:モノ−、ジ−もしくはポリ−アクリレートおよびメタクリレート、たとえば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸アリル、グリセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、ビス−フェノールAのジグリシジルメタクリレート(「ビス−GMA])、ビス[1−(2−アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、およびトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート;分子量200〜500のポリエチレングリコールのビス−アクリレートおよびビス−メタクリレート、アクリレート化モノマーの共重合性混合物(米国特許第4,652,274号明細書に記載されているようなもの)、およびアクリレート化オリゴマー(たとえば、米国特許第4,642,126号明細書のもの);ならびに、ビニル化合物たとえば、スチレン、フタル酸ジアリル、コハク酸ジビニル、アジピン酸ジビニルおよびフタル酸ジビニル。所望により、それらのフリーラジカル重合性物質の2種以上の混合物を使用することもできる。
フリーラジカル重合(固化)のためには、重合開始系を、照射、加熱またはレドックス/自動硬化化学反応によって重合を開始させる系から選択する。フリーラジカルに活性な官能基の重合を開始させることが可能な重合開始剤のタイプとしては、フリーラジカル発生光重合開始剤を挙げることができ、場合によっては光増感剤または加硫促進剤を組み合わせてもよい。そのような重合開始剤は典型的には、200〜800nmの間の波長を有する光エネルギーに露光させることによって、付加重合のためのフリーラジカルを発生させることが可能である。
各種の可視光または近IR光重合開始剤系が、フリーラジカル重合性樹脂の光重合に使用することができる。たとえば、光重合開始系は、米国特許第4,071,424号明細書に記載があるような、アミンとα−ジケトンとの2成分系を介して重合を開始させるような系から選択することができる。別な方法として、樹脂を、米国特許第5,545,676号明細書(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載されているような、3成分光重合開始剤系と組み合わせることも可能である。その3成分系には、ヨードニウム塩(すなわち、ジアリールヨードニウム塩)、増感剤、および供与体が含まれる。それぞれの光重合開始剤成分については、米国特許第5,545,676号明細書のカラム2の27行から、カラム4の45行までに論じられている。その他有用なフリーラジカル重合開始剤としては、アシルホスフィンオキシドのタイプが挙げられるが、それについては、欧州特許出願公開第173,567号明細書、米国特許第4,737,593号明細書、および英国特許第2,310,855号明細書に記載がある。
アシルホスフィンオキシドと組み合わせて、三級アミン還元剤を使用することも可能である。本発明において有用な三級アミンの例としては、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル、およびメタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルなどが挙げられる。重合開始剤は、存在しているエチレン性−不飽和化合物の重量を基準にして、触媒有効量のアシルホスフィンオキシドに加えて、存在しているエチレン性−不飽和化合物の重量を基準にして、0.1〜5重量パーセントの三級アミンを使用することができる。
本発明の歯科材料において代わりに使用することが可能なその他のフリーラジカル重合開始剤系としては、ホウ酸アニオンとその相補カチオン性染料とを含むイオン性染料−対イオン錯体重合開始剤のタイプが挙げられる。ホウ酸塩光重合開始剤は、たとえば、米国特許第4,772,530号明細書、4,954,414号明細書、4,874,450号明細書、5,055,372号明細書、および5,057,393号明細書に記載がある。
硬化可能な樹脂の中のフリーラジカル活性な官能基の重合を開始させることが可能な、さらにまた別の代替え重合開始剤のタイプとしては、従来から使用されている化学的重合開始剤系、たとえばペルオキシドとアミンの組合せを挙げることができる。それらの重合開始剤は加熱レドックス反応に依存するが、「自動硬化(auto−cure)触媒」と呼ばれることも多い。それらは典型的には、二成分系として供給され、そこでは、反応剤は別々に貯蔵されていて、使用する直前に組み合わされる。
さらに別な方法としては、熱を用いることにより、フリーラジカル的に活性な基の硬化または重合を開始させることもできる。本発明の歯科材料に適した熱源の例としては、誘導、対流および輻射が挙げられる。熱源は、通常の条件下または昇圧条件下で少なくとも40℃〜150℃の温度を発生できるようなものとすべきである。この手順は、口腔環境の外で起きる物質の重合を開始させるのにも適している。
硬化可能な樹脂においてフリーラジカル的に活性な官能基の重合を開始させることができる、さらに別なタイプの重合開始剤は、フリーラジカル発生熱重合開始剤を含むものである。それらの例としては、ペルオキシドたとえば、ベンゾイルペルオキシドおよびラウリルペルオキシド、ならびにアゾ化合物たとえば、2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)などが挙げられる。
硬化可能な樹脂の話に戻ると、本発明の方法において有用な硬化可能な樹脂のまた別なタイプでは、カチオン的に活性な官能基を含んでいる。カチオン的に活性な官能基を有する物質としては、カチオン重合性エポキシ樹脂、ビニルエーテル、オキセタン、スピロオルトカーボネート、スピロ−オルトエステルなどが挙げられる。
カチオン的に活性な官能基を有する好適な物質は、たとえば米国特許第6,025,406号明細書(オックスマン(Oxman)ら)のカラム2の36行からカラム4の52行までに開示されているような、エポキシ樹脂である。場合によっては、モノヒドロキシ−およびポリヒドロキシ−アルコールを、エポキシ樹脂のための連鎖延長剤として硬化可能な樹脂に添加してもよい。本発明において使用されるヒドロキシル含有物質は、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有する有機物質であるのがよい。
カチオン的に活性な官能基を含む硬化性樹脂では、重合開始系を、放射線、熱またはレドックス/自動硬化化学反応によって重合が開始されるような系から選択することができる。たとえば、エポキシの重合は、加熱硬化剤たとえば、酸無水物またはアミンを使用することにより達成することができる。酸無水物硬化剤の特に有用な例は、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物である。別な方法でさらに好ましいのは、カチオン的に活性な官能基を含む樹脂のための重合開始系が光活性化されるものである。触媒および光重合開始剤産業界において認められている各種広いタイプのカチオン性の光活性化基が、本発明を実施するのに使用することができる。光活性カチオン性残基、および光活性カチオン性有機化合物は、公知のタイプの物質であって、それらの例は以下の特許に開示されている:米国特許第4,250,311号明細書;米国特許第3,708,296号明細書;米国特許第4,069,055号明細書;米国特許第4,216,288号明細書;米国特許第5,084,586号明細書;米国特許第5,124,417号明細書;米国特許第4,985,340号明細書、米国特許第5,089,536号明細書、および米国特許第5,856,373号明細書。カチオン的に硬化可能な物質を、先に述べたような3成分系または三元系光重合開始剤系と組み合わせることもできる。
カチオン的に硬化可能な樹脂を硬化させるために有用な芳香族ヨードニウム錯体塩の例が、米国特許第6,025,406号明細書のカラム5の46行からカラム6の9行までに開示されている。有用な増感剤および電子供与体の例もまた、米国特許第6,025,406号明細書のカラム6の43行からカラム9の43行までに見いだすことができる。カチオン重合のためのまた別な光重合開始剤系が、米国特許第4,985,340号明細書に記載のものから選択される、実質的に金属水素化物または金属アルカリ官能基を含まない、有機金属錯体カチオンの使用が挙げられる。有機金属塩は当業者には公知であって、欧州特許第094,914号明細書ならびに米国特許第5,089,536号明細書、米国特許第4,868,288号明細書、および米国特許第5,073,476号明細書の記載に従って調製することができる。
特に歯科用の複合材料をスクリーニングする場合には、サンプルには充填剤を含んでいてもよい。充填剤は、医療(たとえば、歯科)用途に用いられる組成物に組み入れるのに適した広く各種の物質、たとえば、歯科修復材組成物などに現在用いられている充填剤の1種または複数から選択することができる。充填剤は微細に粉砕されているのが好ましい。充填剤の粒度分布は、ユニモーダルであってもあるいはポリモーダル(たとえば、バイモーダル)であってもよい。充填剤の最大粒度(粒子の最大寸法、典型的には直径)は、好ましくは約10マイクロメートル未満、より好ましくは約2.0マイクロメートル未満である。充填剤の平均粒度が約3.0マイクロメートル未満であれば好ましく、約0.6マイクロメートル未満であればより好ましい。
充填剤は無機物質であってもよい。それは、樹脂系に溶解しない架橋有機物質であってもよく、また場合によっては、無機充填剤を用いて充填されていてもよい。充填剤は、いかなる場合においても毒性が無く、口の中で使用するのに適したものでなければならない。その充填剤は放射線不透過性であっても、あるいは放射線透過性であってもよい。さらに、充填剤は水に実質的に不溶性である。
適切な無機充填剤の例としては、天然産のものであっても合成品であってもよく、たとえば以下のようなものから選択される(これらに限定される訳ではない):石英;窒化物(たとえば、窒化ケイ素);たとえば、Ce、Sb、Sn、Ba、ZnおよびAlから誘導されるガラス;長石;ホウケイ酸ガラス;カオリン;タルク;チタニア;低モース硬度充填剤たとえば、米国特許第4,695,251号明細書(ランドクレフ(Randklev))に記載されているもの;およびコロイダルシリカまたはサブミクロンシリカ粒子(たとえば、熱分解法シリカたとえば、オハイオ州アクロン(Akron,Ohio)のデグッサ・コーポレーション(Degussa Corp.)から商品名「アエロジル(AEROSIL)」として入手可能なものでたとえば、「OX50」、「130」、「150」および「200」シリカ、ならびにイリノイ州タスコーラ(Tuscola,Ill.)のキャボット・コーポレーション(Cabot Corp.)からのキャブ・オ・シルM5(CAB−O−SIL M5)シリカなど)。好適な有機充填剤粒子の例としては、充填または非充填の微粉砕ポリカーボネート、ポリエポキシドなどが挙げられる。
充填剤が酸反応性充填剤であってもよい。酸反応性充填剤は典型的には、酸官能性樹脂成分と組み合わせて使用され、非反応性充填剤と組み合わせて使用してもよいし、使用しなくてもよい。酸反応性充填剤は、所望により、フルオリドを放出する性質を有していてもよい。好適な酸反応性充填剤としては、金属酸化物、ガラス、および金属塩を挙げることができる。好適な金属酸化物としては、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、および酸化亜鉛が挙げられる。好適なガラスとしては、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、およびフルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラスが挙げられる。FASガラスが特に好ましい。FASガラスには、充分な量の溶出可能なカチオンを含んでいるのが好ましく、そのため、そのガラスを硬化可能な組成物の成分と混合したときに、硬化された歯科組成物が形成される。ガラスにはさらに、充分に溶出可能なフルオリドイオンが含まれていて、硬化させた組成物が抗齲食性を有するようになるのが好ましい。そのガラスは、フルオリド、アルミナ、およびその他のガラス形成成分を含む溶融物から、FASガラス製造業界では公知の技術を用いて、製造することができる。FASガラスは、好ましくは、充分に微粉砕された粒子の形態であることが好ましく、それによって、他のセメント成分と簡便に混合でき、また得られた混合物を口の中で使用したときに良好な性能を有するようになる。
充填剤は、硬化させる前には望ましい混合性と取扱特性を有し、硬化後には良好な性能を有するような、硬化可能な組成物を与えるに充分な量で添加する。一般的には、充填剤は、硬化性組成物成分の全重量(水を含む)の約90重量%以下、より好ましくは約85重量%以下、最も好ましくは約80重量%以下とする。充填剤の量は、硬化性組成物成分の全重量(水を含む)の少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、最も好ましくは少なくとも約30重量%であるが、本発明の方法によって、意のままに変化させることができる。
サンプル(単一または複数)のサーモグラフィー画像をIR検知器アレイを用いて取り込むことができるが、それには、赤外線パイロメーターアレイ(すなわち、2個以上のIRパイロメーター)、赤外線カメラ、好ましくはデジタル赤外線カメラが含まれているのがよい。検出器は、その有効温度範囲が約−20℃〜約250℃、好ましくは約20℃〜約200℃のものとするべきである。その検出器はさらに、±0.5℃、好ましくは±0.1℃、最も好ましくは±0.02℃の温度解像度を有しているようにするべきである。1個または複数の検出器を使用することができる。
パイロメーターは、非接触型の温度センサーであって、サンプル上のあるスポットから受け取った熱電磁放射線から温度を測定する。このセンサーの群には、一次元温度分布を作成すると共に、公知の相対的な動きによって、二次元の温度分布も作成することが可能な、線状測定放射温度計に加えて、スポットまたは「ポイント」測定デバイスが含まれており、また温度画像作成または面積測定温度計が含まれていて、ある領域にわたって測定を行い、それから得られた画像を観察した領域の二次元温度マップとして表示することが可能である。IR光学式パイロメーターは赤外線波長に対する感度が高く、典型的には、IC、抵抗式温度検出器または熱電対などの手段により、入力された波長を光学的または電子的な出力に変換させる。この文脈において、赤外線光学式パイロメーターを、白熱のための可視光線の発光をベースとして極めて高い対象物(>700℃)の温度を測定する別な光学式パイロメーターと混同してはならない。有用なIRパイロメーターは、IR領域の6〜14マイクロメートルの間の赤外線出力を測定し、一般的には−20〜538℃の有効温度範囲を有しているので、これは、本発明の方法を用いて重合の発熱を測定するために必要な範囲を充分にカバーしている。有用なIRパイロメーターの1つは、オメガ・インダストリアル(Omega Industrial)IR温度計(OS552−V1−6)である。
使用されるデバイスのほとんどは、単一波長帯域の温度計である(それらは、受け取る熱放射の一部分を単一の波長帯域で測定するか、または電磁スペクトルの赤外線部分の一部を測定している)。しかしながら、市場に出ている比例温度計(2色パイロメーター)の多くのものでは、かなりの進歩が見られる。単一波長帯域放射温度計は通常、正確な温度測定を得るためには黒体源に向けられる。
赤外線カメラはラインスキャンカメラであってよく、その場合、センサーの直線アレイがカメラの焦点面を横切って並進して二次元画像を形成してもよいし、またはそれが、センサーの二次元アレイを含んでいてもよい。直線アレイは120ピクセル以上であるのがよいが、それに対して、二次元アレイは一般に、120ピクセル×120ピクセル、256ピクセル×256ピクセル、240ピクセル×320ピクセル、場合によってはそれ以上である。
そのセンサー要素は、マイクロマシン化パッドの上に衝突する赤外線照射が回路の抵抗を変化させる、マイクロボロメーターか、マイクロマシン化パッドが熱電対の高温電極を含む、熱電センサーか、あるいは、パッドの放射加熱がキャパシタンスの変化を起こさせる、パイロ電気センサーかである。これらのタイプの温度センサーは通常、8〜14マイクロメートルの長波長域では赤外光線に対する感度が高いが、パイロ電気センサーは、近IRに及ぶさらに広い波長領域にわたって使用することができる。別な方法として、センサー要素が光電子作用物質、たとえば、アンチモン化インジウム(InSb)、テルル化水銀カドミウム(MCT)、ケイ化白金(PtSi)、セレン化鉛(PbSe)その他であってもよく、それらは一般に、3〜5マイクロメートルの間の赤外線放射を検出するために使用される。ヒ化ガリウム(GaAs)もまた、0.9〜1.7マイクロメートルで高感度なIR検知器アレイを作成するために使用されてきた。センサー要素の第三のタイプは、8〜9マイクロメートルの波長で機能する量子井戸赤外線光検出器(QWIP)である。ここで注目すべきことは、温度センサーは室温でも機能することができるのに対して、光電子作用センサーおよびQWIPでは通常、最適な感度を得るためには液体窒素温度近くにまで冷却しなければならないということである。近IRに対する感度が高いように設計されたいくつかの測光センサー(たとえば:PbSe)は、周囲温度で機能させることができる。カメラもまた放射測定用であってもよく、その場合それらを黒体に対して較正することにより、対象物の真の表面温度を得ることができる(各種のパラメーターたとえば、輻射率、距離などが既知であると仮定して)。熱に対する感度はセンサーのタイプやメーカーによって異なるが、一般には20mKのオーダー(InSb、MCT、QWIP)またはそれ以上である。熱感度、またはNETDは変化する。
原理的には、発光体の温度が高くなるにつれて、黒体放射はより短い波長で発光するので、高温の物体に対しては、より短い波長に対する感度を上げたカメラが一般に使用される。しかしながら、ある所定の用途のために最適なカメラは、以下のような要因の関数となるであろう:感度、画像安定性、測定温度範囲、所望の画像解像度(ピクセル数)、フレームレート、ならびに関連する波長範囲において予想される物質の放射率および透明度、さらには信頼性およびコスト。
市販されている典型的なカメラは、たとえば、FLIR・システムズ(FLIR Systems)、エレクトロフィジックス・コーポレーション(Electrophysics Corp.)、インフレレッド・ソリューションズ・インコーポレーテッド(Infrared Solutions,Inc.)、CMC・エレクトロニクス(CMC Electronics)、マイクロン(Mikron)などの業者から入手することができる。すべてのIRカメラがビデオカメラである訳ではなく、いくつかのものは静止画像のみしか記録できないことに注意されたい。出力信号は、カメラのスクリーン上に表示し、メモリー(オンボードRAMまたは補助記憶素子)に記憶させ、ファイアワイヤー(Firewire,登録商標)、フレームグラッバーインターフェースを介することによりパソコンに供給することが可能であり、あるいは、より高いフレームレートまたはより大きいアレイでは、たとえばドルチ・コンピューター・システムズ(Dolch Computer Systems)から入手可能な、専用のコンピューターに高速インターフェースを介して連結することも可能である。
IR画像は通常12−または14−ビットデータファイルとして出力されるので、市販されている画像取扱パッケージの多くのものは利用できない。したがって、カメラは通常、そのメーカー独自のソフトウェアパッケージと共に入手される。標準的な機能に含まれているのは、1つの画像から他の画像を差し引く性能、あるいは、一連の画像から「正規化された」ビデを作成する性能、画像(あるいは所定の領域または線)の内部における最高温度と最低温度の同定、一連の画像(ビデオ)から与えられたピクセルの温度を追跡して、時間/温度プロファイルを作成する性能、各種の疑似カラーパレット、およびその他種々の機能である。したがって、そのソフトウェアによって、選択されたサンプル領域をマッピングさせて、そのデータを時間の関数としてプロットさせることが可能となる。
IR検知器アレイは通常、ポリマーサンプルの重合開始の表面(「重合開始表面」)に対して実質的に垂直に向けられるが、これはすなわち、サンプルがその第一の表面上で重合開始されるとすると、IR検知器が、その第一の表面に実質的に垂直な第二の表面をモニターするように向けられるということである。場合によっては、さらに他の表面のサーモグラフィープロファイルを取り込むことも可能である。通常、重合開始表面以外の表面上での複数のポイントをモニターする。アレイは、重合開始表面以外の単一の表面上の1つまたは複数のポイントをモニターするか、または重合開始表面以外の複数の表面上の1つまたは複数のポイントをモニターする。そのサンプルが互いに垂直ではない面を有していてもよいが、それでもなお、本発明の方法を適用することが可能であることは、理解されたい。たとえば、図2を参照すれば判るように、くさび形のサンプルを使用するのが好都合なこともある。さらに、二つ以上のサンプルの1つまたは複数のポイントをモニターして、そのサーモグラフィープロファイルを取り込むことも可能である。
モニターし、サーモグラフィープロファイルを得るためのポイントは、使用するIR検知器の解像度と、検出器のサンプル(単一または複数)からの距離とに応じて、大きさをかなり広く変化させることができる。たとえば、赤外線パイロメーターは典型的には解像度が比較的低いので、サンプル表面の比較的広い面積領域をモニターすることになるが、典型的には5ミリメートル未満である。多重のパイロメーターを使用して、1つのサンプルの上の複数のポイントに対するアレイを形成させることもできる。しかしながら、最新のデジタルIRカメラは、極めて高い解像度を有していて、極めて狭い領域の複数のポイントをモニターすることが可能となっているので、デジタルIRカメラそのものでIR検知器アレイを構成することも可能である。デジタルIRカメラのそれぞれのピクセルをサンプルのポイントにマッピングさせて、それぞれを100マイクロメートルまたはそれ以下の領域に対応させることができる。いくつかの市販されているデジタルIRカメラでは、10マイクロメートルの解像度が可能となっており、解像度についてはさらなる進歩が期待される。
IR検知器は一般に、重合開始の起きる面に対して実質的に垂直な焦点パス(focal path)に沿って向けられる、すなわち、IR検知器は重合開始表面に対して実質的に垂直な表面の上のポイントをモニターするように向けられる。光重合性サンプルの場合、サンプルに対して垂直軸(z軸、垂直)から照射して、水平面において重合を開始させ、サンプル(単一または複数)の垂直表面の画像を、水平方向から取り込む。IR検知器アレイ、重合開始表面および照射源(存在すれば)の、その他の相対的な方向も考慮に入っており、本発明の範囲に含まれる。照射源とIR検知器の相対的な方向が正しく90度である必要はないが、それらを、それらの向きを好ましくは±45度以内、より好ましくは±25度以内、最も好ましくは±10度以内とする。所望により、予め選択したある初期条件下で、初期のサーモグラフィープロファイルを取り込んでおいて、後ほど取り込んだサーモグラフィープロファイルから差し引くことによって、サンプルの温度変化をより鮮明にすることができる。たとえば、サンプルを第一の温度に加熱してそのサーモグラフィープロファイルを取り込み、後ほど重合の際に取り込んだサーモグラフィープロファイルからその画像を差し引くことができる。
IR検知器アレイは一般に、サンプル(単一または複数)から距離を置いて、そのサンプルが実質的に視野を満たすようにする。一般的に言って、検出器アレイは約2.54センチメートル〜1メートル(1インチ〜3フィート)の距離を置くが、それはサンプルの大きさと数によって決まる。検出器アレイが実験装置から離れているような場合には、光ファイバーを使用するのが好都合である。
IR検知器アレイを照射源に対して実質的に垂直に向けることによって、そのサンプルの表面のサーモグラフィープロファイルを得ることができる。一般に、ある誘導時間の後に、サンプルの中を進行する昇温の帯域によって表される急速な温度上昇が認められるが、その帯域が重合フロントに対応している。サンプルの上に、モニターするための1つまたは複数のポイントを選択することができる。それらのポイントは、予め決めておいてもよいし、あるいはサーモグラフィープロファイルを取り込んだ後に決めてもよい。たとえば重合の過程で、1つまたは複数のポイントの温度を時間の関数としてプロットすることができ、また、その取り込みは連続的であっても、断続的であってもよい。1つのポイントからの結果を、同一のサンプルの1つまたは複数のポイントと比較することもできるし、あるいは別なサンプルの1つまたは複数のポイントと比較することもできる。
サンプルは、サンプルプラットホームまたはステージの上に搭載することができる。サンプルプラットホームは、同時に複数のサンプル(アレイ)を搭載できるように構成されていてもよいし、サンプル(単一または複数)をプラットホームのx軸、y軸およびz軸にそって独立して移動できるような構成となっていてもよい。サンプルステージを並進的に移動させることによって、検出器アレイの視野に複数のサンプルを移動させることが可能となり、複数のサンプルを順次にサンプリングしていくことが可能となる。好ましいこととは言えないが、サンプルのサーモグラフィープロファイルを、サンプルステージを通過させて取り込むことも可能であるが、その場合にはサンプルステージが赤外線照射に対して透過性を有していなければならない。別な方法として、ステージが重合開始用の波長に対して透過性があるならば、光重合性のサンプルを、同じ手段を用いて、サンプルステージを通して重合開始させることも可能である。加熱手段を備えているのならば、熱重合性サンプルを通して重合を開始させることも可能である。
サンプルは固体、半固体、粘稠液体、または非粘稠液体のいずれであってもよいので、多くのサンプルは容器の中で取り扱うのが好都合である。そのような容器は、どのような大きさや形状であってもよいが、ただし、それらが先に述べたようなサイズのサンプルを受け入れられるようになっていて、重合を開始することが可能であり、輻射をモニターして取り込むことができるような形態になっていなければならない。その容器は、輻射率が公知であるかまたは測定でき、重合性サンプルとは反応しない物質から選択することができるが、IR透過性または半透過性であり、熱伝導率が低い物質から選択するのが好ましい。サンプルチャンバーを使用して、反応チャンバー内の酸素を排除したり、調節した雰囲気(たとえば、不活性ガス)を維持したりすることが可能であるが、前記チャンバーは、1個またはアレイとなったサンプルを保持するのに充分な寸法を有し、サンプル(単一または複数)のサーモグラフィープロファイルを取り込むためのIR透過性の窓を有しているようにする。そのようなチャンバーは加圧チャンバーであってもよい。
また別な実施態様においては、サンプルを三次元のサンプル支持体と接触させた状態で重合させることによって、各種のモノマー、オリゴマー、重合開始剤、温度、および露光時間を用いたコーティングまたは硬化操作をシミュレートすることも可能である。この実施態様においては、三次元支持体、たとえば金型に重合性サンプルをコーティングして、本明細書に記載のようにして硬化させ、重合開始源の平面に対して実質的に垂直になっているIR検知器アレイによりサーモグラフィープロファイルを取り込むことも可能であるが、これは、光重合であっても熱重合であってもよい。そのような三次元支持体に使用される物質は、いかなる大きさと形状であってよく、反応条件下で熱的に安定であり、その重合性サンプルと反応しないものであれば、いかなる物質であってもよい。先にサンプル容器のための使用する、と述べた物質を使用することができる。
IR透過性物質を一般的に挙げれば、以下のようなものがある:石英、サファイア、硫化亜鉛(ZnS)およびセレン化亜鉛(ZnSe)、ゲルマニウム(Ge)、硫化ヒ素(As23)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、さらには、各種のより複雑な物質、たとえばAMTIR−1(登録商標)(化学式Ge33As12Se55の非晶質ガラス、テキサス州ガーランド(Garland,TX)のアモルファス・マテリアルズ・インコーポレーッテッド(Amorphous Materials Inc.)から入手可能)。赤外線透過性物質の別なタイプとしては、単純なハライド塩、NaCl、NaIなどがあげられるが、CaF2が最も一般的なものの1つである。
重合性サンプルのアレイをスクリーニングする場合、そのようなサンプルのそれぞれを同一の大きさ、重量、形状とし、(必要であれば)同じ材質と形状の容器の中に入れて、容器による影響がすべて平均化されるようにするのが都合がよい。別な方法として、特定の容器に入れた非重合性サンプルのブランクをその反応条件にかけて、そのサーモグラフィープロファイルを取り込み、重合性サンプルから差し引くこともできる。本願出願人は、小さな配向ポリプロピレンチューブ、すなわち飲料用ストローの断片が適していることを見出した。
サーモグラフィー画像またはプロファイルがそのサンプルの真の温度を示している訳ではない、ということは理解されたい。温度を測定するために使用する非接触型の光学的方法においては、黒体放射のためのプランクの法則は、温度と波長の関数として「完全な」黒体の輻射強度を与える。本発明の方法を用いて評価される重合性サンプルは完全な黒体ではないので、ある波長と温度において、プランクの法則により予測されるよりは、低い放射線を輻射する。実際の輻射の予想される黒体輻射に対する比率が輻射率であって、これは、波長、温度、さらにはサンプルの組成、および表面特性に依存する。
多くの場合、サンプルの実際の温度を知る必要はない。あるサンプルが、他のサンプルに比較して、より高い温度になる、熱を長い時間保つ、より早く硬化する、より均一に硬化する、といったことが観察できれば、それで充分である。したがって、複数のサンプルの間、あるいは1つのサンプルの選択された複数の領域またはポイントにおける温度の実験による差によって、そのサンプル(単一または複数)に関する必要な情報が得られる。
実際の温度が望ましい場合には、いくつかの温度で硬化させるか、未硬化か、または部分的に硬化させたサンプルの輻射率を測定し、その結果を、スクリーニング実験の際に得られたサーモグラフィープロファイルと比較することにより、それを推定することができる。サンプルの輻射率および実際の温度を求めるための別な方法が、国際公開第03/087,885号パンフレットおよび米国特許第6,016,190号明細書(グラズマン(Glazman))に開示されている。綿密な較正を行うには、使用した容器の内部での輻射率を評価する必要がある。
サーモグラフィープロファイルの取り込みと同時に、その他の分析技術を用いて、反応剤、生成物、動力学、またはサンプルの機械的性質の特性解析を行うことも可能である。たとえば、IR分光分析法、特にフーリエ変換IR分光法をサンプルのサーモグラフィープロファイルの取り込みと同時に実施することもできる。この方法においては、IR光源とIR分光法の検出器とは、サーモグラフィープロファイルのIR検知器に対して、実質的に垂直にする。サンプルは、先に述べたようなIR透過性の容器に入れておくのがよい。IR光源と検出器は、可撓性のある光パイプまたは光ファイバーを通して、サンプルの近くに置くのが好ましい。このような方法により、当業者では公知のようにして、モノマーの転化、または生成物もしくは副生物の出現をIRの特性吸収から求めることができる。
また別な実施態様においては、重合をさせ、並行してサーモグラフィープロファイルを取り込みながら、サンプルの応力を測定することも可能である。この実施態様においては、サンプルを歪みゲージの上に取り付けるのがよい。多くの場合、硬化によりポリマー材料は収縮する。このことは、たとえば歯科における充填材または修復材の場合のように、材料が拘束された環境にある場合には、特に問題となる。拘束された環境下にありながら、収縮によって寸法変化が起きると、その材料の内部で歪みが発生して、それが典型的にはその周りの環境(たとえば歯牙)への応力に転換される。そのような力は、歯牙とポリマー材料との間の界面破壊を招き、その結果、物理的なギャップが生じ、次いで歯腔の中への微少な漏れが起きることとなる。別な影響としては、そのような力が歯牙および/または複合材料の内部の破壊を導く可能性もある。
簡潔に言えば、サンプルを歪みゲージ(たとえば、ノースカロライナ州ローリー(Raleigh,N.C.)のメジャーメンツ・グループ・インコーポレーテッド・マイクロ−メジャーメンツ・ディビジョン(Measurements Group,Inc.,Micro−Measurements Division)から入手可能なもの)に接着するのがよい。それらの歪みゲージをスキャナー(たとえば、ビシェイ・メジャーメンツ・グループ・インコーポレーテッド・マイクロ−メジャーメンツ・ディビジョン(Vishay Measurements Group,Inc.,Micro−Measurements Division)のモデル5100A)に、クォーターブリッジ回路レイアウト(外部ダミー)を用いて接続する。その歪みスキャナーを、PCIインターフェースカード(たとえばビシェイ・メジャーメンツ・グループ(Vishay Measurements Group)のモデル5101)を介してIBM互換PCに接続し、1測定あたり10Hzで300秒で、歪みゲージチャンネル対時間の両方をリアルタイムで取得する。各種の結果を「マイクロ歪み」単位で報告することができるが、ここで数字が大きいほど、サンプル内の応力および歪みが大きいことを示している。
図1は、本発明の方法において使用される、典型的な実験の模式図100を示している。三次元サンプル10をサンプルステージ12の上に置くが、サンプルステージはサンプルまたは各種サンプルのアレイ(アレイは図示せず)の並進移動を可能としており、また場合によっては熱源を有していてもよい。サンプル10は、図示したサンプルの大きさおよび形状を有する容器(図示せず)の中に存在させてもよいが、先に説明したように大きさや形状が異なっているものも考慮の対象としている。サンプル10の重合は、サンプル10の上表面に向けられた照射源14、たとえばUV源を用いて開始されるが、その照射源14は電源16に接続されている。照射(たとえば、UV)は、サンプル10の上側の水平表面(図示せず)の全体または一部に限定されているのがよい。サンプル10のサーモグラフィープロファイルをIR検知器アレイ18を用いて取り込むが、それが、データの集積と解析のためのコンピューター20にインターフェース接続されている図となっている。IR検知器18はIRデジタルカメラであるのが好ましいが、ここでそれぞれのピクセルは、複数のポイントを取り込むために、サンプル10の表面の上のポイントに「マッピング」されていてもよい。図から判るように、IR検知器18は、サンプル10の重合開始表面に対して実質的に垂直に向けられている。単一の検出器18が示されてはいるが、本明細書に述べられているように、サンプル10の異なった表面に向けた、複数の検出器も考慮の対象となっている。
(いずれの容器の場合でも)サンプル10の最初のサーモグラフィープロファイルを取り込んでおいて、後に重合の際に得られるサーモグラフィープロファイルから差し引くことができる。得られたデータを集積し、コンピューター20を用いてプロットする。画像を時間の関数として取り込んで、「正規化」させたビデオを作ると、サンプルの中における重合フロントの前進や各種の欠陥が明らかになる。そのサンプルを、モノマーの組成、重合開始剤、露光時間、温度などが異なる別なサンプルと比較することも可能である。
図2には、具体的に有用なサンプルの構成200を示している。サンプル30は、変動のある垂直次元zを有していて、その次元は、照射源40と名目上共線関係にあり、表面32およびそれに続けて発生する名目上の重合フロント(図示せず)に対して垂直である。サンプル30は名目状の水平次元xおよびyを有していて、それらは、重合フロントと共平面をなし、さらにIR検知器42の光路と共線関係にある。図から判るように、サンプル30では垂直次元が変化し、さらに水平次元xおよびyにおいても変化があってもよい(図示せず)。サンプル30は名目上くさび形をしていて、厚みが変動し、表面32、34、36および38を有している。重合は、重合開始表面32の上の照射源40によって開始される。表面34および36に向けたIR検知器42によって、重合をモニターし、サーモグラフィープロファイルを取り込むことができる。
サンプル30の組成が一定の場合、すなわち、三次元サンプルの全体にわたって最初のサンプルに変化がない場合には、表面34、36または38のいずれの面をモニターして、サンプルの厚みの関数として、そのサンプルのサーモグラフィープロファイルを取り込むでもよい。別の言い方をすれば、軸zに沿った重合の深さは、厚みの変動のあるサンプル、たとえば、サンプル30を使用することによって求めることができる。
また別な実施態様においては、サンプル30で厚みと同様に組成も変化させることが可能である。この実施態様においては、その組成を表面36から表面38へと変化させることができる。たとえば、表面36では、100%のモノマーXと0%のモノマーYとを含み、表面38では0%のモノマーXと100%のモノマーYとを含み、その間は、この2種のモノマーに濃度勾配を持たせる。先と同様にして、表面32の上の照射源40を用いることにより重合を開始させることができる。モノマーXの重合は、表面36における厚みの関数としてモニターすることができる。同時にモノマーYの重合は、表面38における厚みの関数としてモニターすることができる。最も意味があるのは、サンプルの重合を、表面34と36とで作る縁におけるモノマーX100%から表面34と38とで作る縁におけるモノマーY100%まで変化する、表面34のサーモグラフィープロファイルを取り込むことによって、組成の関数としてモニターすることが可能であるということである。この実施態様では、ポリマーX、ポリマーY、およびX−Yコポリマーのサーモグラフィープロファイルを、三つのIR検知器のアレイを用いて同時に取り込むことが可能となる。図示をしていないが、IR検知器42をさらに、表面32の反対側の表面に向けることも可能であるが、ただしこれは、IR透過性のサンプルステージの場合ではある。そのようなサンプルは熱重合性サンプルであってもよい。
サンプルの中でモノマー濃度が変化するサンプルに加えて、サンプルにおいて、サンプルに用いられるモノマー、オリゴマー、ポリマー、または架橋剤のタイプや、使用される重合開始剤または触媒のタイプまたは量を変化させることも可能である。その組成に勾配を有するサンプルは、メレディス(Meredith)ら、マクロモレキュールス(Macromolecules)、2000、33、p.5760〜5762、およびメレディス(Meredith)ら、マクロモレキュールス(Macromolecules)、2000、33、p.9747〜9756に記載されている方法を用いて調製することができる。基本的には、2種の異なった成分(モノマー、オリゴマー、溶解させたポリマーなど)を異なった速度でビーカーに計量仕込みし、次いでシリンジの中にその混合物を吸引すると、そのシリンジのバレルの方向で、組成が実質的に直線的に変化するようになる。その物質を線状にシリンジから押し出し(一端から他端に向けて組成が変化する)、ナイフエッジで押し広げる。ナイフエッジの速度を変化させることにより、その物質を広げるにつれて、厚みを連続的に変化させることができる。このようにすると、そのサンプルは、1つの軸では厚みが変化し、他の軸では組成が変化することとなるが、典型的にはそれらの軸がx軸とy軸であって、その重合は図2に示したようにz軸の方向から開始させる。たとえばサンプルがくさび形の場合のように、記述した軸が理想的な90度の角度を取ってはいないが、本明細書に記述したように、それらの軸は依然として「実質的に垂直」である。
これらの実施例は、単に説明の目的だけのものであり、添付の特許請求項を限定することを意味しない。実施例および本明細書の残りの部分における、すべての部、パーセント、比率などは、特に断らない限り、重量基準である。すべての化学薬品は、特に断らない限り、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,WI)のシグマ・アルドリッチ・ケミカルズ(Sigma−Aldrich Chemicals)から入手した。データは、サンプルが1の輻射率を有すると仮定して集めたものである。
Figure 2007534963
実施例1
Z250の円筒状のサンプル(6mm×1mm、75mg)をガラススライドの上に置き、ビジラックス2(Visilux 2,登録商標)デンタル・ブルー・ライト・ガン(Dental Blue light gun)(ミネソタ州セント・ポール(St.Paul,MN)のスリーエム・デンタル・プロダクツ・ディビジョン(3M Dental Products Division)から入手可能)をそのサンプルの真上ほぼ1センチメートルのところに保持した。25ミリメートルレンズ(マサチューセッツ州ボストン(Boston,MA)のフラー・システムズ(Flir Systems)製)を取り付けたプリズム・DS(Prism DS,登録商標)赤外線カメラを、サンプルから約46センチメートル(18インチ)の距離のところに保持し、ほぼ10秒間隔で温度データを集積した。サンプルの上部表面の温度を時間の関数として以下の表1に示す。
Figure 2007534963
実施例2
Z250の小型円板(6mm×1mm、75mg)をCEA−06−062WT−120歪みゲージ(ビシェイ・メジャーメンツ(Vishay Measurements)製)の上に置き、サンプルの真上約1センチメートルに保持したビジラックス2(Visilux 2)デンタル・ライト・ガンを用いて光硬化させた。照射は30秒間実施した。光硬化をさせると、収縮のために歪みゲージがカールして歪みゲージに信号を与えたので、それをコンピューターによって記録する。同時にサンプルの温度を、サンプルから約46センチメートル(18インチ)離して三脚にとりつけて保持した、プリズム・DS(Prism DS)カメラを用いて、モニターした。そのサンプルの温度と歪みのプロファイルを照射時間の関数として以下の表2に示す。CEA−06−062WT−120歪みゲージからのデータを、モデル5100Aスキャナー(ビシェイ・メジャーメンツ(Vishay Measurements)製)によって集積し、モデル5101PCIインターフェースカード(ビシェイ・メジャーメンツ(Vishay Measurements)製)を用いてIBM互換PCにインターフェース接続した。デジタル化した信号の解析は、ストレインスマート(StrainSmart)5000ソフトウェア(バージョン3.10、ビシェイ・メジャーメンツ(Vishay Measurements)製)を用いて実施し、無単位の相対的な数値として表2に示した(A/Dは、アナログ・トゥ・デジタルを意味する)。
Figure 2007534963
実施例3
物体を通過する熱の伝播をプリズム・DS(Prism DS)カメラを使用して記録することにより、複合材料配合物の厚みのある部分における硬化動力学を検討した。Z250のサンプルを、寸法が10.9ミリメートル×6.7ミリメートルのほぼ円筒状に手作りで成形した。その円筒を頂部から、ビジュラックス(Visulux)デンタル・ブルー・ライト・ガン(モデル5560)を用いて照射したが、そのライト・ガンのチップを穿孔アルミニウムフォイルでくるむことにより開口部が1ミリメートル未満となるようにして、光の強度を低下させた。そのガンを円筒の頂部から約1ミリメートルに保持して、円筒の側面部には照射が当たらないようにした。熱画像形成カメラを円筒の軸に対して直角に保持し、照射をさせることにより、発熱が円筒の軸の下の方向に進んでいくのを、円筒の長さ方向のいろいろなポイントで250秒にわたって観察した。照射をしてから得られたすべての画像から、元の画像を差し引くことにより、それぞれの時間ポイントにおける温度変化を得た。それぞれの位置における温度変化を時間の関数として、表3に示す。
図3は、経過時間53秒におけるサンプルの、オリジナルで引き算をする前のサーモグラフィープロファイルである。
Figure 2007534963
実施例4
実施例3で使用したのと同じ手順を用いたが、ただし、熱画像化カメラは、CMC・エレクトロニクス(CMC Electronics)TVS−8500IRカメラであった。Z250のサンプル円筒は、10.9ミリメートル×6.1ミリメートルの寸法となるように調製した。この円筒に、実施例3の記載のようにして頂部から照射した。それらの各種のポイントにおける温度を照射時間の関数として表4に示す。
Figure 2007534963
実施例5
Z250のドーム形の形状の部分(幅1.0cm×高さ3mm)を、黒色の絶縁テープを用いて覆った加熱プレートの上に置いた。歯科用複合材料の温度が、ホットプレートの頂部(57.7℃に保持)と平衡になるまで放置した。次いでそのドームを頂部から、ビジラックス(Visilux)デンタル・ブルー・ライト・ガン(モデル2500)を用いて照射したが、そのライト・ガンのチップを穿孔アルミニウムフォイルでくるむことにより開口部が1ミリメートル未満となるようにして、光の強度を低下させた。そのガンは、円筒の頂部から約1ミリメートルの距離に保持した。熱画像化カメラ(プリズム・DS(Prism DS)製)をドームの高さ軸に対して直角に保持し、照射させた後、材料の最も高いポイントから1.5mm下のところで温度を観察した。照射をしてから得られたすべての画像から、元の画像を差し引くことにより、それぞれの時間ポイントにおける温度変化を得た。温度変化を時間の関数として表5に示す。この実施例は、昇温させたバックグラウンドにおける、光硬化の発熱が観察できることを証明している。
Figure 2007534963
実施例6および比較例C1
60重量%のシリカ粒子、32重量%のEPON828、8重量%のTONE201およびUVI−6976(樹脂および充填剤に対して2重量%)を含む、充填エポキシペーストを調製した。そのペーストを、石英チューブ(外径9.5mm×内径6.5mm)の断片の外側円筒表面の上に厚み1mmでコーティングした。そのチューブを横向けにステージの上に置き、円筒の長軸がステージ表面に対して平行になるようにし、それにより、一方の円形の末端面が熱画像化カメラ(プリズム・DS(Prism DS)製)に対して直角になるようにした。次いでそのコーティングした円筒に上部から、レスコ(Lesco,登録商標)光源(スーパー・スポット・マックス(Super Spot Max)、UVA(320〜390nm)0.43W/cm2)を用いて(円筒の長軸に対して直角に)、照射した。照射をしてから、円筒チューブ末端の上部半円全体を等間隔に5等分したポイントで、温度変化を観察した(ポイント1が、左側の最先端、ポイント3が頂部、ポイント5が右側の最先端、ポイント2および4はそれらの中間)。実施例5の場合と同様にして、画像の引き算を使用して、時間の関数としての温度変化を得た。それぞれの観察ポイントにおける変化を表6に示す。比較例C1においては、その石英チューブを充填エポキシコーティングせずに照射して、この場合も5カ所のポイントにおける温度変化を検討した。同一の時間経過では、円の上側半分のいずれのポイントにおいても、5.5℃を超える変化はなかった。
Figure 2007534963
実施例7
実施例7では、HEMA中でバゾ(VAZO)67の1重量パーセント溶液を調製した。小型の石英カップ(直径7.5mm、深さ約8.5mm、内容積約0.36cm3)にその溶液を充填した。アルミニウムフォイルテープ(ミネソタ州セント・ポール(St.Paul,MN)のスリーエム(3M)製)の細片をそのカップの上を横切るように置き、その全体を87〜89℃に維持したホットプレートの上に移した。約28センチメートル(11インチ)の距離をおいた、赤外線カメラ(プリズム・DS(Prism DS)製、マサチューセッツ州ボストン(Boston,MA)のフラー・システムズ(Flir Systems)製25mmレンズつき)を用いて、各種の時間間隔で、全部で10分かけて、そのカップの画像化を行った。カップの中央ポイントにおける時間−温度プロファイルを下記の表7に示す。カップの上面からの深さが異なるところにおける温度プロファイルを表8に示す。
Figure 2007534963
Figure 2007534963
実施例8
硬化配合の厚みのある部分における硬化の動力学について、物体を通過していく熱の伝播をCMC・エレクトロニクス(CMC Electronics)TVS−8500IR熱画像化カメラを用いて記録することにより検討した。Z250のサンプルを飲料用ストローの円筒状の部分(0.7cm×0.5cm)に詰めた。その円筒を頂部から、デンタル・ブルー・ライト・ガン(モデル5560)を用いて照射したが、そのライト・ガンのチップを穿孔アルミニウムフォイルでくるむことにより開口部が1ミリメートル未満となるようにして、光の強度を低下させた。そのガンを円筒の頂部から約1ミリメートルに保持して、円筒の側面部には照射が当たらないようにした。熱画像形成カメラを円筒の軸に対して直角に保持し、照射をさせることにより、発熱が円筒の軸の下の方向に進んでいくのを、円筒の長さ方向のいろいろなポイントで200秒にわたって観察した。それらの各種のポイントにおける温度を照射時間の関数として表9に示す。
Figure 2007534963
本発明の方法において使用される装置の模式図である。 本発明の方法において使用されるサンプルの模式図である。 実施例3のデジタル画像サーモグラフィープロファイルである。 実施例2における、サーモグラフィープロファイルおよび歪み変化の経時変化のプロットである。 実施例3における、各種の点におけるサーモグラフィープロファイルの経時変化のプロットである。

Claims (27)

  1. 赤外線検知器アレイを使用して、三次元サンプル中における重合を、前記重合の開始を含めてモニターし、前記サンプルのサーモグラフィープロファイルを取り込むための方法。
  2. 前記サーモグラフィープロファイルが時間の関数として取り込まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記サーモグラフィープロファイルが、前記サンプルの上のポイントに相当する複数のピクセルを有するデジタル赤外線カメラによって取り込まれる、請求項1に記載の方法。
  4. 重合性サンプルのアレイを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記アレイが同時にサンプリングされる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記アレイが順次にサンプリングされる、請求項4に記載の方法。
  7. 前記IR検知器が、それぞれの順次のサンプルのために位置変更される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記アレイが、それぞれの順次のサンプルのために位置変更される、請求項6に記載の方法。
  9. 前記サンプルが光化学的重合性を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記IR検知器が、照射源に対して実質的に垂直に向けられる、請求項9に記載の方法。
  11. 前記重合性サンプルが重合されて、熱可塑性、熱硬化性、エラストマー性、および熱可塑性エラストマー性ポリマーが製造される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記重合性サンプルが熱重合性を有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記アレイが、以下の
    a)光重合開始剤のタイプ;
    b)光重合開始剤の量;
    c)モノマーの組成;
    d)入射照射の強度;
    e)入射照射の時間;
    f)添加剤のタイプ;および
    g)添加剤の量;
    の内の少なくとも1つにおいて異なっている光重合性サンプルのアレイである、請求項4に記載の方法。
  14. 前記サーモグラフィープロファイルが、前記サンプルの上の前記予め選択されたポイントに相当する複数の出力のために適合させたIR検知器によって取り込まれる、請求項1に記載の方法。
  15. 前記出力のそれぞれが、時間の関数として取り込まれる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記予め選択されたポイントが、垂直に配列されている、請求項1に記載の方法。
  17. 前記サンプルが、少なくとも0.5mmの深さと0.1mmの直径とを有する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記サンプルが固体である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記サンプルが、サンプル容器の中に収納されている、請求項1に記載の方法。
  20. 前記サンプルを歪みゲージに取り付けることにより、同時に応力を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  21. 赤外分光法により赤外線スペクトルを同時に得ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  22. 前記サンプルがモノマーを含み、前記モノマーが重合されて相互貫入ポリマーネットワークまたはセミ−相互貫入ポリマーネットワークを形成する、請求項1に記載の方法。
  23. 前記サンプルが、重合開始表面と、前記サンプルのサーモグラフィープロファイルを取り込むための1つまたは複数のモニター表面とを含み、前記モニター表面が前記重合開始表面に対して実質的に垂直である、請求項1に記載の方法。
  24. 前記サンプルが、垂直次元zと、水平次元xおよびyを有し、前記サンプルが、前記xおよびy次元の少なくとも1つの上で、次元zにおいて変動する、請求項1に記載の方法。
  25. 前記サンプルがくさび形である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記サンプルの組成が、前記xまたはy次元の1つの上で変動する、請求項24に記載の方法。
  27. 前記サンプルが、三次元支持体と接触状態にある、請求項1に記載の方法。
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