JP2007534875A - 弁体、流体インジェクタ及び弁体を製造する方法 - Google Patents

Abstract

流体インジェクタは、ハウジングと、アクチュエータと、弁体とを有する。弁体は、凹所を備えたカートリッジ（２１）を有しており、カートリッジは、一方の端部において噴射ノズルを形成しており、さらにニードル（２２）を有しており、ニードルは、凹所内に配置されていて、着座領域（２２４）においてカートリッジ（２１）のニードル座部（２１５）に当接するならば噴射ノズルを閉鎖する。ニードル座部（２１５）に隣接したカートリッジ（２１）の領域（２１６）は、円筒状の外部輪郭を有しており、ニードル（２２）は、着座領域（２２４）に隣接した円筒状の領域（２２３）を有している。ニードル座部（２１５）に隣接した領域（２１６）と、円筒状の領域（２２３）とは同じ直径を有している。

Description

本発明は、弁体、流体インジェクタ、及び弁体を製造する方法に関する。弁体は、一方の端部において噴射ノズルを形成した凹所を備えたカートリッジを有する。弁体はさらにニードルを有しており、このニードルは、凹所に配置されており、ニードルの着座領域を用いてカートリッジのニードル座部に当接するならば、噴射ノズルを閉鎖する。

流体インジェクタ、特にディーゼル又はガソリン内燃機関のための燃料インジェクタは、ハウジングと、アクチュエータユニットと、弁体とを有する。弁体はノズルを開閉するニードルを有しており、これによって燃料の噴射を制御する。ますます増大する用途において、圧電アクチュエータを備えたアクチュエータユニットが使用される。圧電アクチュエータは、作動信号に対する極めて迅速な応答時間を有するという利点を有しており、シリンダの一回の作動サイクルの間に内燃機関のシリンダ内に多数の噴射を可能にする。流体インジェクタの噴霧特性を改良するために、流体圧力が高められる。現在のガソリン内燃機関において、流体インジェクタには、２００ｂａｒに達する圧力を有する燃料が供給される。

国際公開第０３／０１６７０７号パンフレットは、燃料供給部へのコネクタと、ハウジングと、アクチュエータユニットと、弁体とを備えた流体インジェクタを開示している。ハウジングは二重管状であり、アクチュエータユニットを収容する凹所を有している。アクチュエータユニットは、ニードルに作用する圧電アクチュエータを含む。二重管状のハウジングの壁部の間において、燃料がコネクタから弁体の燃料入口へ案内される。弁体は、ニードルを収容する凹所を備えたハウジング部分を有している。ニードルの位置に応じて、ニードルが開閉され、個々に燃料が噴射されるか又は噴射されない。

弁体又は弁体を備えた流体インジェクタが配置されている内燃機関のエミッションに関するますます厳しい法規制は、エミッションを低減する手段における多くの努力をなすことを必要にする。排気エミッションの防止のために極めて重要なのは、内燃機関のために使用される流体インジェクタが、流体インジェクタごとにほとんど同じ、規定された一定の噴霧特性を有することである。

本発明の目的は、単純でありかつ規定された一定の噴霧特性を保証する、弁体、流体インジェクタ及び弁体を製造する方法を提供することである。

この目的は請求項１の特徴によって達成された。発明の有利な実施形態は従属請求項に示されている。

本発明は、一方の端部において噴射ノズルを形成した凹所を備えたカートリッジと、ニードルとを備えた弁体を特徴としており、ニードルは、凹所内に配置されており、ニードルの着座領域を用いてカートリッジのニードル座部に当接するならば噴射ノズルを閉鎖する。ニードル座部に隣接したカートリッジの領域は円筒状の外部輪郭を有しており、ニードルは着座領域に隣接して円筒状の領域を有している。ニードル座部に隣接した領域と、円筒状の領域とは、同じ直径を有している。

驚くべきことに、実験によれば、弁体のより長い作動期間の間に、摩耗によるカートリッジとニードルとの間の段部形成が最小限に抑制される。これによって、堆積物の形成も最小限に抑制され、作動中の一定の噴霧形状が達成される。それに加え、ニードル座部によって形成された縁部と、カートリッジのニードル座部に隣接した領域と、着座領域に隣接した円筒状の領域と、ニードルの着座領域とは、弁体が可変リフト量で作動させられたともしても常に整合させられている。

発明の有利な実施形態において、弁体は、円錐状のニードル座部と、ニードルの円錐状の着座領域とを有している。これによって、有利な噴霧角度が達成されることができる。

弁体の別の有利な実施形態において、カートリッジは、ニードル座部に隣接した領域に隣接した領域を有しており、この領域においてカートリッジの外径はノズルから離れる方向で増大している。これによって、カートリッジの安定性、特にニードル座部の安定性が増大する。

本発明による流体インジェクタは、ハウジングと、アクチュエータと、弁体とを特徴とする。

弁体を製造する方法に関する発明の態様は、一方の端部において噴射ノズルを形成した凹所を備えたカートリッジと、ニードルとを備えた弁体を特徴としており、ニードルは、凹所内に配置されていて、着座領域を用いてカートリッジのニードル座部に当接するならば噴射ノズルを閉鎖する。ニードル座部に隣接したカートリッジの領域は円筒状の外部輪郭を有しており、ニードルは、着座領域に隣接した円筒状の領域を有している。方法は、ニードルを凹所に挿入するステップと、ニードルを、着座領域を用いてニードル座部に当接させるステップと、カートリッジの円筒状の外部輪郭とニードルの円筒状領域とを一緒に研削するステップとを含む。ニードル座部に隣接したカートリッジの円筒状の領域と、ニードルの着座領域に隣接した円筒状の領域とは、砥石車の一定の速度の容易な制御を可能にし、砥石車は、円筒状の領域と、ニードルの軸線とに対して平行に回転する。これによって、研削方向は領域の表面に対して垂直であり、このことは研削プロセスによるシーリング直径の直接制御を容易に可能にし、このことは、噴射ノズルを通過する流体流れの正確な制御のために重要である。

弁体を製造する方法の有利な実施形態において、研削はホーニングプロセスを含む。これは、円筒状領域の直径が極めて正確に調整されることができるという利点を有する。このことは、さらに、表面の極めて良好な仕上げを可能にするという利点を有しており、このことは堆積物形成を回避するために重要である。

弁体を製造する方法の別の有利な実施形態において、研削はラッププロセスを含む。このことは、表面の優れた仕上げを可能にし、このことは表面における堆積物形成を回避するために重要である。

発明の典型的な実施形態は概略的な図面を参照しながら以下に説明される：
図１は流体インジェクタ、
図２は弁体、
図３は弁体の部分の拡大図。

異なる図面に出現する同じ設計及び機能のエレメントは同じ参照符号によって示されている。

内燃機関のための燃料インジェクタとして使用される流体インジェクタは、ハウジング１と、弁体２と、アクチュエータユニット３と、燃料コネクタ４とを有する。燃料コネクタ４は、内燃機関の高圧燃料チャンバに接続されるように設計されており、高圧燃料チャンバには燃料が高圧下で、例えば約２００ｂａｒの圧力下で貯蔵される。

ハウジング１は好適には二重管ハウジングから形成されている。二重管ハウジングの壁部の間に空間において、燃料が燃料コネクタから弁体２の燃料入口２１４へ案内される。

弁体２はカートリッジ２１を有しており、このカートリッジは自由端部のうちの一方において好適には溶接、特にレーザ溶接によってハウジング１に永久に固定されている。カートリッジ２１は凹所２１１（図２）を有しており、この凹所は、一方の端部において噴射ノズル２１３を形成しており、ニードル２２を収容している。

ばね当接部２４はニードル２２に結合されている。戻しばね２５は、ばね当接部２４に当接しており、噴射ノズル２１３から離れる方向にニードル２２をプリテンションしている。これによって、他の外部の力がニードル２２に作用しない場合には、ニードル２２はその先端部によって噴射ノズル２１３を閉鎖する。

燃料は、燃料入口２１４から、ニードル２２と、カートリッジ２１の凹所２１３の壁部との間の空間において、噴射ノズル２１３まで案内される。ニードル２２はさらに、案内されるゾーン２２１を有しており、この案内されるゾーンによってニードル２２は凹所２１３内において案内される。

ニードル２２が噴射ノズル２１３を閉鎖する位置において、ニードル２２は、着座領域２２４によってカートリッジ２１のニードル座部２１５に当接する。ニードル座部２１５と着座領域２２４とは好適な実施形態においては円錐状である。このことは所望の噴霧角度を設定することを可能にする。ニードル座部２１５に隣接したカートリッジ２１の領域２１６は、円筒状の外部輪郭を有している。ニードル２２は、着座領域２２４に隣接した円筒状の領域２２３を有している。ニードル座部２１５に隣接した領域２１６と、円筒状の領域２２３とは同じ直径を有している。同じ直径は、好適には、ニードル２２をカートリッジの凹所２１３に挿入し、ニードルを、着座領域２２４によってニードル座部２１５に当接させることによって達成される。その後、カートリッジ２１の円筒状の外部輪郭と、ニードルの円筒状領域２２３とは一緒に研削される。研削プロセスの間、材料が研削方向５に切削され、この方向は、円筒状の領域２１６及び２２３の表面に対して垂直でありかつ、ニードル２２の軸線に対して垂直であり、このことは、円筒状の領域２１６及び２２３の表面全体に亘る砥石車の一定速度を制御することを容易にする。これによって、円筒状表面２１６及び２２３の直径に相当するシーリング直径は、正確に制御されることができる。

研削プロセスは好適にはホーニングプロセス及び／又はラッププロセスを含む。ホーニングプロセスにおいては、砥石車は、例えば、ニードル２２の軸線に対して平行な軸方向振動を行い、ニードル及びカートリッジはこれらの軸線を中心に回転させられる。ラッププロセスのためには、切削材料を含むペースト又は流体が使用される。

ニードル座部２２４への領域２１６に隣接したカートリッジの領域は、好適には、噴射ノズル２１３から離れる方向で増大するカートリッジ２１の外径を有する。これによって、カートリッジ２１の安定性、特にニードル座部２２４の安定性が改良される。

流体インジェクタの図である。 弁体の図である。 弁体の部分の拡大図である。

符号の説明

１ ハウジング、 ２ 弁体、 ３ アクチュエータユニット、 ４ 燃料コネクタ、 ２１ カートリッジ、 ２２ ニードル、 ２１１ 凹所、 ２１３ 噴射ノズル、 ２１４ 燃料入口、 ２１５ ニードル座部、 ２１６ 隣接した領域、 ２４ ばね当接部、 ２５ 戻しばね、 ２２１ 案内されるゾーン、 ２２３ 円筒状の領域、 ２２４ 着座領域

Claims (7)

1. 弁体において、凹所（２１１）を備えたカートリッジ（２１）が設けられており、該カートリッジが一方の端部において噴射ノズル（２１３）を形成しており、ニードル（２２）が設けられており、該ニードルが、凹所（２１１）内に配置されておりかつ、着座領域（２２４）を用いてカートリッジ（２１）のニードル座部（２１５）に当接するならば噴射ノズル（２１３）を閉鎖するようになっており、ニードル座部（２１５）に隣接したカートリッジ（２１）の領域（２１６）が円筒状の外部輪郭を有しており、ニードル（２２）が、着座領域（２２４）に隣接した円筒状の領域（２２３）を有しており、ニードル座部（２１５）に隣接したカートリッジ（２１）の領域（２１６）と、円筒状の領域（２２３）とが同じ直径を有することを特徴とする、弁体。
2. ニードル（２２）のニードル座部（２１５）及び着座領域（２２４）が円錐形である、請求項１記載の弁体。
3. カートリッジ（２１）が、ニードル座部（２２４）に隣接した領域（２１６）を有しており、該領域において、カートリッジ（２１）の外径が、噴射ノズル（２１３）から離れる方向で増大している、請求項１又は２記載の弁体。
4. ハウジング（１）と、アクチュエータユニット（３）と、請求項１から３までのいずれか１項記載の弁体（２）とを備えた流体インジェクタ。
5. 弁体を製造する方法において、前記弁体に、凹所（２１１）を備えたカートリッジ（２１）が設けられており、該カートリッジが一方の端部において噴射ノズル（２１３）を形成しており、ニードル（２２）が設けられており、該ニードルが、凹所（２１１）内に配置されておりかつ、着座領域（２２４）を用いてカートリッジ（２１）のニードル座部（２１５）に当接するならば噴射ノズル（２１３）を閉鎖するようになっており、ニードル座部（２１５）に隣接したカートリッジ（２１）の領域（２１６）が円筒状の外部輪郭を有しており、ニードル（２２）が、着座領域（２２４）に隣接した円筒状の領域（２２３）を有しており、
   −ニードル（２２）を凹所（２２１）に挿入し、ニードルを、その着座領域（２２４）においてニードル座部（２１５）に当接させ、
   −カートリッジ（２１）の円筒状の外部輪郭と、ニードル（２２）の円筒状の外部輪郭とを一緒に研削するステップを含むことを特徴とする、弁体を製造する方法。
6. 研削がホーニングプロセスを含む、請求項５記載の弁体を製造する方法。
7. 研削がラッププロセスを含む、請求項５又は６記載の弁体を製造する方法。

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