JP2007533313A6 - 苦味受容体のアゴニストおよびその使用 - Google Patents

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Abstract

hTAS2R14苦味受容体のアゴニストを同定した。そしてそれは食品および製薬産業に重要ないくつかのクラスの苦味化合物に対し特異的に反応することがわかった。本発明者らによって提供されるアゴニストは、これらの受容体の苦味に反応するアンタゴニストのスクリーニングをするための、当業者による情報処理化合物ライブラリの構築を可能にし、同様に食品、特に動物の食物、栄養剤、栄養補助食品および植物化学のようなものを含む薬学的あるいはホメオパシー製剤における食品の苦味成分を抑制あるいは除去することを可能にする。同様に、本発明は又、付加的な苦味受容体のスクリーニングあるいは食品産業で有用な苦味を促進する化合物のスクリーニングでさえ当業者を可能にする。

Description

本発明は、hTAS2R14の苦味受容体のアゴニストおよび苦味伝達におけるその役割に関する。 本発明は、hTAS2R14の苦味伝達あるいは苦味反応を制御、例えば抑制あるいは遮断する化合物のスクリーニングアッセイに関する。
近年研究者は味覚、特に苦味の生物学的なメカニズムの理解に注意を払ってきた。例えば次の文献のレビューを参照されたい。Caicedo A. and Roper S.D. (2001) Science 291: 1557-1560; Dulac C. (2000) Cell 100: 607-610; Kinnamon S.C. (2000) Neuron 25: 507-510; Lindemann B. (2001) Nature 413: 219-225.; and Margolskee RF. (2001) J. Biol. Chem. 277: 1-4.
苦味は嫌悪を感じるものであり、毒物(そのようなものは一般に苦味物質である)に対する防御のメカニズムがそういうものとして人間に備わっている。より巧妙なことに、苦味は飲食物の嗜好性にも影響し、「Drewnowski in "The Science and Complexity of Bitter Taste", (2001) Nutr. Rev. 59: 163-169」でより十分に議論されているとおりであり、それによって人間の栄養学的な性質にも影響を与える。それらは経口投与された薬剤や栄養剤のような他の摂取可能な嗜好性にも影響する。苦味の伝達のメカニズムの理解は食品や製薬産業に密接な係わり合いを持つ。もし苦味伝達経路が操作できるようになれば、より口当たりのよい食べ物を与えることや、患者の経口薬剤の服薬遵守を増加させるために苦味を抑制あるいは排除することが可能になるかもしれない。
味覚伝達は分子、すなわち舌乳頭に位置する味蕾に存在する味覚受容体発現細胞での味物質、の相互作用に関連する。味蕾は食物の栄養含量および毒性を脳に伝える情報を中継する。生化学および生理学の研究における最近の成果は、苦味伝達経路がいわゆるGタンパク共役受容体(GPCR)によって媒介されると研究者が結論づけできたことである。GPCRは、受容体とリガンド(味物質)が相互作用することにより、そこでヘテロ三量体Gタンパクが活性化され、それによって細胞表面で生じたシグナルを増幅する7回膜貫通ドメインからなる細胞表面タンパクである。Gタンパクはアルファとベータ−ガンマサブユニットからなるタンパク複合体である。Gタンパクは通常そのアルファサブユニットによって特定され、一般的に4つのグループ:Gα s,i,qおよび12に分類される。Gα q型と結合するGPCRはホスホリパーゼCを活性化することによって、細胞内Ca2+を増加させる。多くのGα q型は混交して存在し、GPCRと結合でき、そのGPCRは味覚受容体を含み、それらはいわゆる「プロミスキャス(promiscuous)」Gタンパクとして当業者にしられている。これらのGタンパクはアルファとベータ−ガンマサブユニットに活性上分離して考えられ、細胞内の複雑なカスケードの結果、細胞中にカルシウムイオンのようなセカンドメッセンジャーを産生し、その結果細胞が苦味の反応を指示する脳へのシグナルを送ることを可能にする。
GPCRは苦味伝達経路を媒介するという解剖学的な証拠もある:これらの受容体のクラスターはガストデューシン(gustducin)を含有する哺乳類味覚細胞に見出される。ガストデューシンはGタンパクサブユニットであり、哺乳動物において苦味の認識に関わっている。例えば、次の文献を参照されたい:Chandrashekar, J. et al. (2000) Cell 100: 703-711; Matsunami H. et al. (2000) Nature 404: 601-604; or Adler E. et al. (2000) Cell 100: 693-702。GPCRをコードするようなcDNAは同定され、単離されそして他の関連受容体を同定するコンピュータによる発掘データ技術に使用されるDNAライブラリと比較するテンプレートとして用いられている。この方法により、関連受容体いわゆるT2R受容体ファミリー(苦味受容体として繰り返し決定された)、のファミリーを同定することが可能となった。
人間は何千もの異なる苦味化合物をおよそ30の受容体遺伝子の遺伝子レパートリーだけで感知することができる。これは2000年の発見(Adler E. et al. (2000) 同上; Chandrashekar J. et al. (2000) 同上;Matsunami H. et al (2000) 同上) によるものであり、わずか哺乳動物のTAS2Rのみが脱オーファン化され、すなわち、リガンド特にアゴニストが同定された。マウスmTAS2R5(Chandrashekar J. et al (2000)同上)およびラットrTAS2R5(Bufe B. et al. (2002) Nature Genetics 32:397-401)は、毒性のある苦味物質シクロヘキシミドに反応し、マウスmTAS2R5およびヒトhTAS2R5は、高用量のデナトニウムに反応し、より低用量では、6−n−プロピル−2−チオウラシル(Chandrashekar J. et al. (2000)同上)と反応し、ヒトhTAS2R10およびhTAS2R16はストリキニーネおよび苦味β―グルコピラノシドそれぞれと選択的に反応する。限定された交雑さ(promiscuity)のTAS2R(mTAS2R8,hTAS2R4)のようなもの、あるいは化学的関連物質(hTAS2R16)のグループのような特異性は報告されたが、これまで報告されたレセプターによるリガンド認識の関連選択性は、哺乳動物の味覚システムによる莫大な数の苦味認識をとても説明するものではない。限られた数の味覚受容体遺伝子によって認識される増加する味物質の数に対し、いくつかの可能性のあるメカニズムが考えられるが、もっとも単純な方法は、非常に多くの構造的に多様化したリガンドを広く調節する性質を示す受容体を持つべきものである。
本発明はそのような広範囲な調節機能をもつ受容体であると思われる様々な苦味化合物に反応するヒト苦味受容体hTAS2R14をここに示す。この受容体のアンタゴニストを同定することは特に魅力的である。なぜならhTAS2R14苦味認識受容体を遮断することによって、広範囲な様々な異なる苦味物質が減少されあるいは遮断されたことによって引き起こされるものと考えられるからである。
Caicedo A. and Roper S.D. "Taste receptor cells that discriminate between bitter stimuli." Science. 2001 Feb 23;291(5508):1557-60 Dulac C. "The physiology of taste, vintage 2000." Cell. 2000 Mar 17;100(6):607-10. Kinnamon S.C. "A plethora of taste receptors." Neuron. 2000 Mar;25(3):507-10. Lindemann B. "Receptors and transduction in taste." Nature. 2001 Sep 13;413(6852):219-25. Review Margolskee RF. "Molecular mechanisms of bitter and sweet taste transduction." J Biol Chem. 2002 Jan 4;277(1):1-4. Drewnowski "The science and complexity of bitter taste." Nutr Rev. 2001 Jun;59(6):163-9. Review. Chandrashekar, J. et al. "T2Rs function as bitter taste receptors." Cell. 2000 Mar 17;100(6):703-11. Matsunami H. et al. "A family of candidate taste receptors in human and mouse." Nature. 2000 Apr 6;404(6778):601-4. Adler E. et al. "A novel family of mammalian taste receptors." Cell. 2000 Mar 17;100(6):693-702. Bufe B. et al. "The human TAS2R16 receptor mediates bitter taste in response to beta-glucopyranosides." Nat Genet. 2002 Nov;32(3):397-401. Epub 2002 Oct 15. McClintock T.S. et al. "Functional expression of recombinant G-protein-coupled receptors monitored by video imaging of pigment movement in melanophores." Anal Biochem. 1993 Mar;209(2):298-305. McClintock T.S. and Lerner M.R. "Functional analysis by imaging of melanophore pigment dispersion of chimeric receptors constructed by recombinant polymerase chain reaction." Brain Res Brain Res Protoc. 1997 Dec 1;2(1):59-68. Potenza MN and Lerner M.R. "A rapid quantitative bioassay for evaluating the effects of ligands upon receptors that modulate cAMP levels in a melanophore cell line." Pigment Cell Res. 1992 Dec;5(6):372-8. Potenza M.N. et al. "A method for evaluating the effects of ligands upon Gs protein-coupled receptors using a recombinant melanophore-based bioassay." Anal Biochem. 1992 Nov 1;206(2):315-22. Karlin S. and Altschul S.F. "Applications and statistics for multiple high-scoring segments in molecular sequences." Proc Natl Acad Sci U S A. 1993 Jun 15;90(12):5873-7. Altschul et al. "Basic local alignment search tool." J Mol Biol. 1990 Oct 5;215(3):403-10. Altschul et al. "Gapped BLAST and PSI-BLAST: a new generation of protein database search programs." Nucleic Acids Res. 1997 Sep 1;25(17):3389-402. Review. Chang, L.J. and Gay, E.E. "The molecular genetics of lentiviral vectors--current and future perspectives." Curr Gene Ther. 2001 Sep;1(3):237-51. Carlezon, W.A. et al. "Herpes simplex virus-mediated gene transfer as a tool for neuropsychiatric research." Crit Rev Neurobiol. 2000;14(1):47-67. Review. Carter, P.J. and Samulski, R.J. "Adeno-associated viral vectors as gene delivery vehicles." Int J Mol Med. 2000 Jul;6(1):17-27. Review. Kobinger G. P. et al. "Filovirus-pseudotyped lentiviral vector can efficiently and stably transduce airway epithelia in vivo." Nat Biotechnol. 2001 Mar;19(3):225-30. Lindemann D. et al. "Versatile retrovirus vector systems for regulated gene expression in vitro and in vivo." Mol Med. 1997 Jul;3(7):466-76. Springer ML et al. "VEGF gene delivery to muscle: potential role for vasculogenesis in adults." Mol Cell. 1998 Nov;2(5):549-58. Wilkie TM et al. "Characterization of G-protein alpha subunits in the Gq class: expression in murine tissues and in stromal and hematopoietic cell lines." Proc Natl Acad Sci U S A. 1991 Nov 15;88(22):10049-53. Berridge MJ. and Irvine RF. "Inositol trisphosphate, a novel second messenger in cellular signal transduction." Nature. 1984 Nov 22-28; 312(5992):315-21. Review. Ueda T. et al. "Functional interaction between T2R taste receptors and G-protein alpha subunits expressed in taste receptor cells." J Neurosci. 2003 Aug 13;23(19):7376-8 Bufe B. et al. "The human TAS2R16 receptor mediates bitter taste in response to beta-glucopyranosides." Nat Genet. 2002 Nov;32(3):397-401. Epub 2002 Oct 15. Behrens M. et al. "NFI in the development of the olfactory neuroepithelium and the regulation of olfactory marker protein gene expression." Eur J Neurosci. 2000 Apr;12(4):1372-84.
本発明者らはhTAS2R14苦味受容体のアゴニストを同定した。そしてそれは食品および製薬産業に重要ないくつかのクラスの苦味化合物に対し特異的に反応することがわかった。本発明者らによって提供されるアゴニストは、これらの受容体の苦味に反応するアンタゴニストのスクリーニングをするための、当業者による情報処理化合物ライブラリの構築を可能にし、同様に食品、特に動物の食物、栄養剤、栄養補助食品および植物化学のようなものを含む薬学的あるいはホメオパシー製剤における食品の苦味成分を抑制あるいは除去することを可能にする。同様に、本発明は又、付加的な苦味受容体のスクリーニングあるいは食品産業で有用な苦味を促進する化合物のスクリーニングでさえ当業者を可能にする。
ここに用いられた全ての技術的および科学的用語が他の方法により定義されなければ、この発明に属する当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。もし意味が異なる場合には、本明細書に定義されているものに従う。よりよい方法および材料は下記に示されるが、ここに記載されたものと同じあるいは均等な方法および材料は、本発明の実施あるいは試験にここで用いられるものである。全ての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献は全体内容を参照によりこの明細書に援用する。ここに開示された材料、方法および実施例は、説明に用いられるのみであり、これに限定されるものではない。
本発明の一態様としては、hTAS2R14苦味受容体活性のアゴニストあるいはアンタゴニストを単離する方法を提供することであり、その中でhTAS2R14苦味受容体は次の群から選択されるポリヌクレオチドによってコードされており:
(a)SEQ ID NO:1において示される少なくとも成熟型の推定アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(b)SEQ ID NO:2に示される、少なくとも成熟型のhTAS2R14ポリペプチドをコードする、そのコード配列を有するポリヌクレオチド;
(c)(a)と(b)のうちいずれか一からなるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドの断片又は誘導体をコードするポリヌクレオチドであって、該誘導体において一またはそれ以上のアミノ酸残基が該ポリペプチドと比較して保存的に置換されており、該断片あるいは誘導体がhTAS2R14苦味受容体活性を有する;
(d)(a)から(c)のうちいずれか一において定義されたポリヌクレオチドと少なくとも50%の同一性があり、hTAS2R14苦味受容体活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および
(e)(a)から(d)のうちいずれか一において定義されたポリヌクレオチドと好ましくは厳しい条件下でハイブリダイズする相補鎖であるポリヌクレオチドであって、hTAS2R14苦味受容体活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
単離する方法は、以下の工程を含む:
(1)該ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド又は該ポリヌクレオチドもしくは該ポリヌクレオチドを含むベクターで遺伝学的に操作された宿主細胞と潜在的なアンタゴニストもしくは潜在的なアゴニストを接触すること;
(2)該ポリペプチドの苦味受容体活性を、潜在的なアンタゴニストがアンタゴナイズするのか、あるいは潜在的なアゴニストがアゴナイズするのかどうかを決定すること;
上記において、工程(1)と同時におよび/もしくはその後、該ポリペプチド、該宿主細胞あるいは該ベクターは、1,8−ナフタルデヒドロ酸(1,8−naphthaldehydic acid)、1−ナフトエ酸(1−naphthoic acid)、1−ニトロナフタレン(1−nitronaphthalene)、ピクロチン(picrotin)、ピクロトキシニン(picrotoxinin)、ピペロニル酸(piperonylic acid)、安息香酸ナトリウム(sodium benzoate)、(−)−α−ツジョン((−)−α−thujone)、パルテノライド(parthenolide)、ハーボライド A(herbolide A)、酢酸ハーボライド D(herbolide D acetate)、ヒドロキシ−8α―パルテノライド(hydroxy−8α−parthenolide)、シュード−アルタブシン(pseudo―artabsine)、およびその機能的な誘導体からなる群から選択されたアゴニストと接触させられる。
成熟なhTAS2R14苦味受容体となお本質的に同じ活性を示すポリペプチドをコードするこの方法中で使用できるポリヌクレオチドは、すなわち「苦味受容体活性」を有する。該ポリペプチドは、好ましくは少なくとも全長hTAS2R14の活性の20%(例えば、少なくとも:20%;30%;40%;50%;60%;70%;80%;90%;95%;98%;99%;99.5%;もしくは100%あるいはそれ以上)を有する。hTAS2R14活性の測定の好ましい一態様は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされているポリペプチドの発現に依存する苦味に応じて、プロミスキャスGタンパク(例えばマウスG15サブユニットもしくはそのキメラ様式)のアルファサブユニットを恒常的に発現する、例えばHEK293/15のような異種性の細胞発現系における細胞内カルシウムの放出能力である。細胞内カルシウムの放出量は、例えばここに記載されているインビトロFLIPRアッセイによってモニターでき、その他の様々なパラメータの中の一つ(例えばIP3あるいはcAMPを含む)を測定することによってもできる。Gタンパク共役受容体活性の他の測定方法は当業者に知られており、次のものを含むがこれに限定されるものではない。電気生理学的方法、転写アッセイ(それぞれのGタンパク共役型シグナル伝達経路を制御した制御配列に結合する、例えばCATやLUCのようなレポータータンパクを含むレポーター遺伝子の活性化や抑制などを測定する);受容体の内部移行測定アッセイ;あるいは、カエルのメラニン保有細胞でのアッセイ(メラニン保有細胞中の色素移動はアデニル酸シクラーゼあるいはホスホリパーゼ(PLC)の活性の読み取りとして使用され、それは同様に外因的に受容体を発現させたGタンパクを介して結合する)(例えば次の文献を参照、McClintock T.S. et al. (1993) Anal. Biochem. 209: 298-305; McClintock T.S. and Lerner M.R. (1997) Brain Res. Brain, Res. Protoc. 2: 59-68, Potenza MN (1992) Pigment Cell Res. 5: 372-328, and Potenza M.N. (1992) Anal. Biochem. 206: 315-322)。
「潜在的なアンタゴニスト」という用語は、精製されてない、一部精製されたあるいは精製されたあらゆる認識可能な化学物質あるいはその組み合わせを含むが、hTAS2R14受容体活性のアンタゴニストは、一度苦味受容体と接触したhTAS2R14受容体のアンタゴニストが少なくとも10%まで(例えば、少なくとも1%;15%;20%;30%;40%;50%;60%;70%;80%;90%;95%;98%;99%;99.5%;もしくは100%)アンタゴニストがない状態で測定されたhTAS2R14苦味受容体活性を低下する物質である。好ましくは、該アンタゴニストは、該アンタゴニストとの接触前、同時、もしくは後にhTAS2R14ポリペプチド、hTAS2R14ポリペプチドを発現している細胞、hTAS2R14ポリペプチドを含むベクターが、同定された該hTAS2R14アゴニストの一つと接触させられるときに、この活性を有するものである。
「潜在的なアゴニスト」という用語は、精製されてない、一部精製されたあるいは精製されたあらゆる認識可能な化学物質あるいはその組み合わせを含み、同一モル濃度の1,8−ナフタルデヒドロ酸、1−ナフトエ酸、1−ニトロナフタレン、ピクロチン、ピクロトキシニン、ピペロニル酸、安息香酸ナトリウム、(−)−α−ツジョン、パルテノライド、ハーボライド A、酢酸ハーボライド D、ヒドロキシ−8α―パルテノライド、シュード−アルタブシン、およびその機能的な誘導体が当該ポリペプチド、当該宿主細胞あるいはベクターと接触されたときに、苦味受容体活性を誘発し、少なくとも10%、好ましくは20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、あるいはそれ以上の苦味受容体活性が検出されるものである。
本発明方法中で使用できる該hTAS2R14ポリヌクレオチド分子は、DNA、cDNA,ゲノムDNA、合成DNA、あるいは、RNAであってよく、および二本鎖あるいは一本鎖、センスおよび/もしくはアンチセンス鎖であってよい。この分子のセグメントは本発明の範囲内と考えられ、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)あるいは一またはそれ以上の制限エンドヌクレアーゼの処理で生じたものにより産生され得る。リボ核酸(RNA)分子はインビトロ転写によって産生され得る。
本発明方法中で使用できる該ポリヌクレオチド分子は、自然に生じる配列、あるいは自然に生じる配列と区別される配列であるが、遺伝暗号の縮重のおかげで同一のポリペプチドをコードするもの(例えば、SEQ ID NO:1と同じポリペプチド)を含むことができる。それに加え、これらの核酸分子はコード配列に限定されず、例えば、コード配列から上流あるいは下流にあるいくつかのあるいは全ての非コード配列を含むことができる。
本発明の該ポリヌクレオチド分子は、インビトロ(例えば、ホスホラミダイトをベースとした合成)で合成でき、あるいは、細菌・哺乳動物の細胞のような細胞から得ることができる。該核酸はヒト由来のものでもよいし、ヒトなどの霊長類でない、マウス、ラット、モルモット、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、あるいはネコなど上記のものと判別できるものである限りそれに由来するものであってよい。核酸のこれらの型の範囲内での該核酸の組み合わせあるいは修飾は包含されるものとする。
さらに、本発明方法中で使用できる該ポリヌクレオチドは、自然状態にないようなセグメントを包含できる。このように、本発明はベクター(例えば、プラスミドあるいはウィルスベクター)あるいは異種細胞のゲノム(あるいは、同一細胞のゲノムであって、自然の染色体の位置とは別の場所)に組み込まれた組換え核酸分子を包含する。組換え核酸分子およびその使用は以下で述べる。
本発明の方法の好ましい一実施態様は、単離された核酸分子の少なくとも50%(あるいは55%、65%、75%、85%、95%、あるいは98%)は、次のものと同一である:(a)SEQ ID NO:2のポリペプチドをコードする核酸分子;(b)SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列;および(c)少なくとも30(例えば、少なくとも30、40、50、60、80、100、125、150、175、200、250、300、400、500、600、700、800、850、900、951)のセグメントを含むSEQ ID NO:1のヌクレオチドである核酸分子。
二つの配列の同一性の割合の決定は、「Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5877」の数学的アルゴリズムの使用によりなされる。そのようなアルゴリズムは、「Altschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215: 403-410」のBLASTNおよびBLASTPに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索はBLASTNプログラムで実行され、スコア=100、語長=12で、HIN−1をコードする核酸と相同性のある核酸配列が得られることになる。BLASTタンパク検索はBLASTPプログラムで実行され、スコア=50、語長=3で、hTAS2R14ポリペプチドと相同性のあるアミノ酸配列が得られることになる。比較の目的でギャップ配列を得るためには、Gapped BLASTが「Altschul et al. (1997) Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402」に記載のとおり利用される。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータが使用される。
ハイブリダイゼーションは二つの核酸配列における相同性の測定にも使用される。hTAS2R14あるいはその一部をコードする核酸配列は、標準的なハイブリダイゼーションの技術によってハイブリダイゼーションのプローブとして使用される。試験対象(例えば哺乳動物細胞)由来DNAあるいはRNAのhTAS2R14のハイブリダイゼーションに用いるプローブは、試験対象中にhTAS2R14DNAあるいはRNAの存在を示す指標となる。ハイブリダイゼーションの条件は当業者に知られており、例えば、「Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y., 6.3.1-6.3.6, 1991」中に見出すことができる。緩やかなハイブリダイゼーションの条件は2X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)で、30℃におけるハイブリダイゼーション後、1XSSC、0.1%SDSで、50℃の洗浄に相当すると定義される。非常に厳しい条件は、6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)で、45℃におけるハイブリダイゼーションの後、0.2XSSC、0.1%SDSで、65℃の洗浄に相当すると定義される。
本発明の方法中に使用できるポリヌクレオチドあるいはタンパクは、上述のポリヌクレオチドによってコードされるタンパクや当該ポリヌクレオチドを含むベクターを含むことができる。「ベクター」という用語は、タンパクやポリヌクレオチドやその混合物であって、細胞中にその細胞の中に含まれるタンパクおよび/もしくは核酸を導入維持し、あるいは導入可能であるものを意味する。導入されたポリヌクレオチドによりコードされたタンパクはベクターの導入により細胞内で発現することが好ましい。
好ましい一実施態様において、本発明の方法で使用できるベクターは、プラスミド、ファージミド、ファージ、コスミド、哺乳類人工染色体、ノックアウトあるいはノックインコンストラクト、ウィルス、特にアデノウィルス、ワクシニアウィルス、弱毒ワクシニアウィルス、カナリアポックスウィルス、レンチウィルス(Chang, L.J. and Gay, E.E. (2001) Curr. Gene Therap. 1: 237-251)、ヘルペスウィルス、特にヘルペスシンプレックスウィルス(HSV−1, Carlezon, W.A. et al. (2000) Crit. Rev. Neurobiol. 14: 47-67)、バキュロウィルス、レトロウィルス、アデノ関連ウィルス(AAV, Carter, P.J. and Samulski, R.J. (2000) J. Mol. Med. 6:17-27)、リノウィルス、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)、フィロウィルスおよびそれを操作したもの(例えば次のものを参照、Kobinger G. P. et al. (2001) Nat. Biotechnol. 19:225-30)、ビロソーム、「裸の」DNAリポソーム、核酸被覆粒子、特に金粒子を含むことを特徴とする。特に好ましいのは、アデノウィルスベクターやレトロウィルスベクター(Lindemann et al. (1997) Mol. Med. 3: 466-76 and Springer et al. (1998) Mol. Cell. 2: 549-58)のようなウィルスベクターである。リポソームは通常カチオン、中性および/もしくはアニオン脂質からなる微小単一層状あるいは複層状の小胞であり、例えば、リポソーム懸濁の超音波処理によるものである。DNAは、例えば、リポソームの表面あるいはリポソームに内包されてイオン的に結合し得るものである。適した脂質混合液は、当業者に知られており、例えば、DOTMA(1,2−ジオレイルオキシプロピル−3−トリメチルアンモニウムブリミド)およびDPOE(ジオレオイルホスファチジル−エタノールアミン)の二つが様々なセルラインにおいて用いられており、これらを含む。
核酸被覆粒子は細胞に機械的に粒子を導入させるいわゆる「遺伝子銃」として細胞中に核酸を導入する別の手段である。好ましくは粒子そのものが不活性であり、それゆえに、好ましい一実施態様は金粒子からなる。
さらに別の一態様における本発明の方法で使用できるポリヌクレオチドは、原核生物および/もしくは真核生物の宿主で発現する制御配列の発現を操作するように連結される。転写の/翻訳の制御因子は上述のものに関係し、次のものを含むが、これに限定されない。誘導的なものおよび非誘導的なもの、構成的なもの(constitutive)、制御された細胞周期、代謝的に制御されたプロモーター、エンハンサー、オペレーター、サイレンサー、リプレッサーおよび当業者に知られている他の因子および遺伝子発現を行うか、制御するもの。このような制御因子は、例えば、次のようなRNAポリメラーゼIIIによって転写されるプロモーターを指示し恒常的に発現する次のものを含むがこれに限定されることはない。snRNA U6あるいはscRNA 7SK遺伝子、サイトメガロウィルスhCMV前最初期遺伝子、SV40アデノウィルスの初期もしくは後期プロモーター、ウィルスプロモーターならびに例えばNBV、HCV、HSV、HPV、EBV、HTLV、MMTVまたはHIV由来のアクチベーター配列;そしてこれらは、例えば次のようなものに誘導性をもつ。CUP−1プロモーター、tet−リプレッサー、例えばtet−onあるいはtet−offシステムで用いられるlacシステム、trpシステム;組織特異的発現、好ましくは味蕾特異的発現を指示する制御因子、例えば、PLCβ2プロモーターあるいはガストデューシンプロモーター、細胞周期特異的発現を指示する制御因子、例えば、cdc2、cdc25C、あるいはcyclinA;あるいはTACシステム、TRCシステム、ファージAの主要オペレーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパクの制御領域、3−ホスホグリセリン酸キナーゼのプロモーター、酸性ホスファターゼのプロモーター、および酵母αあるいはa接合因子のプロモーター。
「操作するように連結された」とここで用いられるときは、発現制御配列が興味のあるコード配列の発現を効果的に制御するために、遺伝的に構築されるように組み込まれたことを意味する。
同様に、本発明の方法で使用できる該ポリヌクレオチドは、例えばマーカーやレポーターなどの機能をもつ配列のような付加的なポリペプチド配列をコードする遺伝子のハイブリッド遺伝子の一部を形成することもできる。マーカーおよびレポーター遺伝子の例として次のものを含む。β−ラクタマーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(neo、G418)、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、ハイグロマイシン−B−ホスホトランスフェラーゼ(HPH)、チミジンキナーゼ(TK)、lacZ(β−ガラクトシダーゼをコード)、およびキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(XGPRT)。本発明の方法の実施に関連する多くの標準的な工程として、例えば、別の配列はマーカーあるいはレポーターの機能を提供できるなど、当業者はさらに有用なものに気づくだろう。一般的には、ハイブリッドポリペプチドは最初の部分あるいは二番目の部分を含む;最初の部分とは、一またはそれ以上のhTAS2R14ポリペプチドであり、二番目の部分とは、例えば、上述のレポーターあるいはIg定常領域あるいはIg定常領域の一部、例えば、IgG2a重鎖のCH2およびCH3ドメイン。他のハイブリッドは、精製および/もしくは検出が容易になるような抗原タグあるいはHisタグを含むものだろう。組換え核酸分子は、異種性のシグナル配列を操作するように連結されたhTAS2R14ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むこともできる。そのようなシグナル配列は、細胞内の異なる区画(compartment)に該タンパクを発現させることも可能であり、当業者によく知られている。好ましいシグナル配列は、タンパクとなったときに分泌されやすい配列である。
本発明の別の実施態様は、上述のとおりポリヌクレオチドあるいはベクターに遺伝子操作を加えた宿主細胞の使用である。宿主細胞は本発明の方法において用いられてもよい次のものを含むが、これに限定されるものではない。細菌(例えば、大腸菌、枯草菌)のような原核生物の細胞であって、これは例えば、本発明のポリヌクレオチド分子を含有する組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、あるいはコスミドDNA発現ベクターで形質転換することができる;酵母(例えば、サッカロミセスやピキア)のような単純な真核細胞であって、これは例えば、本発明のポリヌクレオチド分子を含有する組換え酵母発現ベクターで形質転換することができる;例えばSf9やHi5細胞のような昆虫細胞システムであって、ポリヌクレオチド分子を含有する組換えウィルス発現ベクター(例えば、バキュロウィルス)で感染させることができる;例えばプラスミドをインジェクションできるアフリカツメガエル卵母細胞;例えば組換えウィルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウィルス(CaMV)あるいはタバコモザイクウィルス(TMV))を感染させることができる、あるいは、hTAS2R14ヌクレオチド配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換できるような植物細胞システム;あるいは哺乳動物細胞システム(例えば、COS、CHO、BHK、HEK293、VERO、HeLa,MDCK、Wi38、およびNIH3T3細胞)であって、例えば哺乳動物細胞のゲノム(例えば、メタロチオネインプロモーター)哺乳動物ウィルス(例えば、アデノウィルス後期プロモーターおよびワクシニアウィルス7.5Kプロモーター)あるいは細菌細胞(例えば、tet−onあるいはtet−offシステムで用いられるtet−リプレッサーが結合するもの)由来のプロモーターを含む組換え発現コンストラクトで形質転換できる。また、宿主細胞で有用なものは、哺乳動物およびプラスミドベクターでトランスフェクトされたあるいはウィルスベクターで感染されたものから直接最初にあるいは二番目に得られた細胞である。本発明のポリヌクレオチドを導入するために使用された宿主細胞およびそれぞれのベクターにより該ポリヌクレオチドは、例えば、染色体あるいはミトコンドリアDNAの中に組み込むことができるもの、あるいは染色体外因子(例えば、エピソーム)のように保持されうるもの、あるいは細胞内で一時的にのみ構成されうるようなものである。
好ましい一実施態様において、そのような細胞によって発現された該hTAS2R14は機能的であり、すなわち、一またはそれ以上の苦味分子と結合し、細胞中の活性化経路の引き金となる。その細胞は好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト、ヒトではない霊長類、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、あるいはスナネズミ)細胞、昆虫細胞、細菌細胞、あるいは菌(酵母を含む)細胞である。
本発明の方法で使用できるポリペプチドは、ここに開示されたものおよびこれらのペプチドの機能的な断片の全てを含む。「ポリペプチド」および「タンパク」は互換的に用いられ、長さや翻訳後修飾に関わらずいかなるアミノ酸のペプチド結合鎖をも意味する。ここに用いられるとおり、hTAS2R14の機能的断片は全長のhTAS2R14より短いが、ここに同定された苦味物質の一つによって刺激を受けた全長hTAS2R14の能力の少なくとも20%(例えば、少なくとも:20%;30%;40%;50%;60%;70%;80%;90%;95%;98%;99%;99.5%;あるいは100%あるいはそれ以上)を有する。結合アッセイおよび苦味物質についてのさらなる詳細については以下に記載する。ポリペプチドは全長hTAS2R14ポリヌクレオチドあるいは非関連アミノ酸配列をそれに融合させた機能的断片かを含む融合タンパクを包含することも可能である。非関連配列は付加的な機能的ドメインあるいはシグナルペプチドであってもよい。シグナルペプチドは以下にさらなる詳細と典型例を記載する。
ポリペプチドは上述のいかなるものであってもよく、50以上ではない(例えば、50、45、40、35、30、25、20、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、あるいは1であって、以上ではない)保存性置換(conservative substitution)であってよい。保存性置換は、以下の群のうちの置換を主として包含する:グリシンとアラニン;バリン、イソロイシンおよびロイシン;アスパラギン酸とグルタミン酸;アスパラギン、グルタミン、セリンとスレオニン;リジン、ヒスチジンおよびアルギニン;およびフェニルアラニンとチロシン。一またはそれ以上の保存性置換をもつポリペプチドの全ては、それぞれの苦味物質によって刺激される全長hTAS2R14の能力の少なくとも20%(例えば、少なくとも:20%;30%;40%;50%;60%;70%;80%;90%;95%;98%;99%;99.5%;あるいは100%あるいはそれ以上)を有することが必要である。
本発明の方法で使用できるポリペプチドおよびポリペプチドの断片は、例えば、インビボで遮断剤の付加により使用するため、アミノ−および/もしくはカルボキシル末端において、インビボでの関連ポリペプチドの残存を高めるために、修飾を受けたものであってよい。このことはペプチド末端が細胞に取り込まれる前にプロテアーゼによって分解を受けやすい状態にある場合に有用となる。そのような遮断剤は、投与されるペプチドのアミノおよび/もしくはカルボキシル基末端に付着できる付加的に関連したあるいは関連してないペプチド配列を含むが、これに限定されるものではない。これはペプチド合成のときに化学的にあるいは当業者によく知られた方法による組換えDNA技術によってなされうるものである。
ここで同定されている苦味受容体のアンタゴニストあるいはアゴニストは、所与の苦味受容体の特異的刺激およびそれをアンタゴナイズする物質の同定それぞれに非常に重要である。
本発明の前後関係における用語「接触する」は、アンタゴニストおよび/もしくはアゴニストとポリペプチドあるいは宿主細胞のいかなる相互作用をも意味し、それによって少なくとも2つの構成物のうちのいずれかは、液相において、例えば溶液中で、あるいは懸濁液中で互いに独立であることができ、又は固体相、例えば、本質的に2次元の形状において、あるいは粒子、真珠などのような形状において、結合することが可能である。好ましい実施態様の一つにおいて、多くの様々な化合物は、固相表面様、例えば化合物ライブラリーチップ固定化され、そして本発明のタンパクは次にこのようなチップと接触される。別の好ましい実施態様の一つにおける宿主細胞は、hTAS2R14をコードするポリヌクレオチドで、あるいは細胞表面上でhTAS2R14苦味受容体を発現するポリヌクレオチドのようなものを含むベクターで遺伝学的に操作され、小さな容器、例えば、様々な化合物がのったマイクロタイタープレート中で、個別に接触される。
アゴニストに関する「その機能的誘導体」という用語は、それぞれ特定化したアゴニスト、例えば苦味物質が化学修飾によって由来し、およびそれは苦味受容体活性の少なくとも20%(例えば、少なくとも:20%;30%;40%;50%;60%;70%;80%;90%;95%;98%;99%;99.5%;あるいは100%あるいはそれ以上)の活性がみられる(それぞれの未修飾の苦味物質と比較した場合)。化学修飾はこれに限定されないが以下のものを含む。一またはそれ以上、好ましくは2つ、3つあるいは4つの新規側鎖あるいは残基あるいは一またはそれ以上の次のような官能基、例えば、Hの導入もしくは置換;直鎖あるいは分枝アルキル、特に低級アルキル(C、C、C、C、およびC、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルあるいはイソペンチル);置換直鎖あるいは分枝アルキル、特に低級置換アルキル;直鎖あるいは分枝アルケニル、特に低級アルケニル(C、C、C、およびC、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル;置換直鎖あるいは分枝アルケニル、特に低級置換アルケニル;直鎖あるいは分枝アルキニル、特に低級アルキニル(C、C,C、およびC);置換直鎖あるいは分枝アルキニル、特に低級置換アルキニル(C、C、C、C、およびC);直鎖あるいは分枝アルカノル(alkanol)、特に低級アルカノル(C、C、C、C、およびC);直鎖あるいは分枝アルカナル(alkanal)、特に低級アルカナル(C、C、C、C、およびC、例えば、COH、CHCOH、CHCHCOH;アリル、特に置換アリル;ヘテロアリル;置換ヘテロアリル、アルキルアリル、特にベンジル;置換アルキルアリル;特に置換ベンジル;アルキルヘテロアリル;置換アルキルヘテロアリル;アミノアルキル、C、C、C、C、およびC、例えば、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH;置換アミノアルキル;アミノケトン、特に−NHCOCH;置換アミノケトン;アミノアリル、特に−NH−Ph;置換アミノアリル、特に−NH−Ph置換;CN;NH;ハロゲン、特にF、ClおよびBr;NO;OH;SH;NH;CN;あるいはCOOH基。上述の残基が、好ましくは、ハロゲン基、特にF、Cl、およびBr、NH、NO、OH、SH、NH、CN、アリル、アルキルアリル、ヘテロアリル、アルキルヘテロアリル、COHあるいはCOOHから選択された置換基でモノ、ジ、あるいはトリ置換される。
hTAS2R14苦味受容体に結合する好ましい化合物は、化学式(I)で表される:
これらの化合物はより詳細に下記に記載するようにインビトロ(表1下参照)で検討された。これらの研究から得られるある程度の推論からhTAS2R14受容体の活性化する化合物の密接な関連性に関して導き出すことができる。Rは好ましくは水素を意味するが、Rは一つの置換基を表すものではなく、アルカリあるいはアルカリ土類金属イオンなど好ましくはNa、K、Li、Mg2+、あるいはCa2+などでその変異が満たされる負に荷電した遊離結合価の酸素残基である。このように、好ましい実施態様における化学式(I)で表される化合物は、hTAS2R14の機能をアゴナイズあるいはアンタゴナイズするのに使用される。
式中、R、RおよびRは互いに独立に水素、C−C10アルキル(適当な分枝、直鎖あるいは環状のもの)、特に好ましいアルキルはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、あるいはイソペンチル残基である;低級アルケニル残基、好ましくは2つ、3つ、4つあるいは5つの炭素原子を有する;低級アルコキシ(C−C10アルコキシ)、特に、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、あるいはブトキシであって、好ましい実施態様においてはさらに、F、Cl、Br、NH、NO、OH、SH、NH、CN、アリル、ヘテロアリル、COHあるいはCOOH基で置換されているものであってよい;さらなる一実施態様として、RおよびRあるいはRおよびRは付加的なCおよび/もしくはヘテロ元素との結合体であってよく、好ましくはN、S、あるいはOさらには3、4、5、6、7、8、9あるいは10のメンバーの環状構造から生じる環状構造、好ましくは芳香族のあるいはヘテロ芳香族の環であり、好ましくは5または6のメンバーからなる環状構造。RおよびRあるいはRおよびRを介してなる一またはそれ以上の環は、それ自身が上記概要のとおりに置換されてもよい。
さらなる段階として潜在的なアゴニストもしくはアンタゴニストのアンタゴナイズする効果を測定した後ならびに少なくとも2つの異なる潜在的なアンタゴニストもしくはアゴニストによる苦味の減少もしくは増加を測定した後、少なくとも1つの潜在的なアンタゴニストもしくはアゴニストは、例えば、既知のアゴニスト単独との接触と比較する場合、細胞内におけるカルシウム放出の減少の検出を理由に選択することができる。
このように選択された(潜在的な)アンタゴニストもしくはアゴニストは、より好ましい実施形態において、さらに更なる段階において修飾される。修飾は当業者に知られている様々な方法に影響され得るものであり、以下のものを包含するがこれに限定されるものではない。一またはそれ以上、好ましくは2つ、3つもしくは4つの新規側鎖あるいは残基の導入あるいは一またはそれ以上の官能基の置換、例えば、ハロゲン、特にF、Cl、もしくはBr;低級アルキル残基、好ましくは1つから5つの炭素原子を有するもの、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはイソペンチル残基の導入もしくは置換;低級アルケニル残基が、好ましくは2つ、3つ、4つまたは5つの炭素原子を有するもの;低級アルキニル残基が、好ましくは2つ、3つ、4つまたは5つの炭素原子を有するものであって、好ましい一実施態様においては、F、Cl、Br、NH、NO、OH、SH、NH、CN、アリル、ヘテロアリル、COHまたはCOOH基でさらに置換されているものであってよい;あるいは例えば、NH、NO、OH、SH、NH、CN、アリル、アルキルアリル、ヘテロアリル、アルキルヘテロアリル、COHあるいはCOOH基からなる群から選択された一またはそれ以上の残基の導入。
このように修飾を受けた(潜在的な)アンタゴニストもしくはアゴニストは、本発明の方法でより個別的に試験されたものであって、すなわちそれらはポリペプチドそのものと、または宿主細胞中で発現したポリペプチドと接触し、その宿主細胞は予め、同時にまたは段階(1)の後に、同定されているアゴニストもしくはその誘導体のうちの一つと接触し、そしてそれに伴って生じる修飾を受けたアンタゴニストもしくはアゴニストによる苦味受容体活性の活性化が測定される。該hTAS2R14タンパクの機能へのこの効果は、例えば細胞内カルシウムの放出の媒介によって測定することができる。必要であれば、アンタゴニストもしくはアゴニストを選別する段階、化合物の修飾、アンタゴニストもしくはアゴニストとポリペプチドもしくは宿主細胞との接触および苦味受容体活性の活性化の測定は、三回あるいは必要に応じ所与の回数繰り返すことができる。上記方法は、複数の段階が修飾と選別を伴っており、それによって化合物のアンタゴナイズもしくはアゴナイズは、特異な性質(例えばhTAS2R14の活性、特に細胞内カルシウム放出を阻害もしくは刺激する能力を阻害、活性化または調節するもの)をもつそれらの能力を最適化する「進化的な」過程において選別されることから、アンタゴニストもしくはアゴニストの「定方向進化(directed evolution)」とも称する。
該受容体をコードするcDNAを発現させるために、典型的なものの一つとして受容体cDNAを転写の促進に係る強力なプロモーター、転写/翻訳ターミネーターおよび翻訳開始のためのリボソーム結合部位を含む発現ベクターにサブクローニングする。適当な細菌のプロモーターは当業者によく知られており、例えば、大腸菌、バチルス(Bacillus)属菌、サルモネラ菌、およびその発現システムに使用できるキットが商業的に利用可能である。同様に真核生物発現システムとして、哺乳動物細胞、酵母、および昆虫細胞が当業者によく知られており、商業的にも利用可能である。その真核生物発現ベクターは、例えば、アデノウィルスベクター、アデノ随伴ベクター、またはレトロウィルスベクターであってもよい。
プロモーターに加え、該発現ベクターは典型的には転写単位あるいは宿主細胞において受容体をコードする核酸の発現のために必要とされる全ての付加的な因子を包含する発現カセットを含んでいる。典型的な発現カセットの一つはこのように、該受容体ならびに転写産物の効率的なポリアデニル化、リボソーム結合部位、および翻訳終始に必要なシグナルをコードする核酸配列を操作して連結されたプロモーターを含んでいる。該受容体をコードする核酸配列は、主として組換え受容体の効率的な細胞表面への発現を促進するラットソマトスタチン−3受容体配列のN末端45アミノ酸のような膜標的シグナルに連結されてもよい。またエンハンサーのような付加的因子がカセットに含まれてもよい。
発現カセットは、効率的な転写終結をもたらすためにも構造的遺伝子の下流に転写終結領域を含有させるべきである。該終結領域はプロモーター配列として同じ遺伝子から得られ、あるいは異なる遺伝子から得られてもよい。
細胞内に遺伝学的情報を運ぶために使用される特定の発現ベクターは特に重要要素ではない。真核生物あるいは原核生物細胞での発現に用いられる任意の従来のベクターが使用できる。標準的な細菌の発現ベクターはプラスミドを基礎としたpBR322、pSKF、pET23D、ならびにGSTおよびLacZのような融合発現システムのようなプラスミドを含むが、さらに多くのものが当業者に知られており、実用的に使用することができる。
真核生物由来の制御因子を含む発現ベクターは、主として真核生物の発現ベクター、例えば、SV40ベクター、パピローマウィルスベクター、ならびにエプスタイン・バーウィルス由来ベクターにおいて用いられる。他の典型的な真核生物のベクターは、pMSG、pAV009/A.sup.+、pMTO10/A.sup.+、pMAMneo−5、バキュロウィルスpDSVE、pcDNA3.1、pIRESならびにSV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳癌ウィルスプロモーター、ラウス肉腫ウィルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、または真核細胞中での発現に効果的な他のプロモーターの指向下でタンパク発現を許容する任意の他のベクターを含む。
ある発現システムは、例えばチミジンキナーゼ、ハイグロマイシン−B−ホスホトランスフェラーゼ、ならびにジヒドロ葉酸還元酵素のような遺伝子増幅をもたらすマーカーを有する。あるいは、遺伝子増幅に関しない高産生発現システムのものでもよい。
該因子は、大腸菌で機能するレプリコン、組換えプラスミドを持つ細菌の選択を許容する薬剤耐性をコードする遺伝子、ならびに真核生物由来の配列を挿入するプラスミドの非必須領域の単一制限酵素部位をも含んでいる発現ベクター中に典型的には含まれている。特定の薬剤耐性遺伝子の選択は決定的なものではなく、任意の多くの当業者に知られている薬剤耐性遺伝子である。原核生物由来の配列は真核生物におけるDNA複製に干渉するものではないなど必要であれば選択的に選ばれる。
標準的なトランスフェクションの方法は、大量の該受容体を発現する細菌、哺乳動物、酵母または昆虫細胞系を産生するために使用することができ、続いて標準的な技術を使用して精製が行われる。
宿主細胞に外来核酸配列を導入するために、当業者によく知られる手法を用いてよい。これらには、リン酸カルシウムトランスフェクション、プロトプラスト融合、電気穿孔、リポソーム、マイクロインジェクション、プラズマベクター、ウィルスベクターならびに任意のその他宿主細胞にクローニングされたゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたは他の外来遺伝物質を導入する当業者によく知られる方法の使用が含まれる。少なくとも一つの遺伝子を受容体の発現が可能な宿主細胞に導入することができる特定の遺伝子工学的手法であればよい。
発現ベクターが細胞に導入された後、そのトランスフェクトされた細胞は、受容体の発現に好ましい条件下で培養され、標準的な技術を用いてその培養液中から回収することができる。例えば細胞は沈降を行う前およびクロマトグラフィーの段階の前に、機械的にあるいは浸透圧ショックにより破砕されてよく、その性質および順序は回収される特定の組換え物質に依存する。また、その組換えタンパクは培養された組換え細胞の培養液から回収されてもよい。
ここに記載される受容体の活性は様々な機能を決定するインビトロおよびインビボのアッセイ、化学的、および物理学的効果、例えば、リガンド結合の測定、セカンドメッセンジャー、例えば、cAMP、cGMP、IP、DAG、またはCa2+、イオン流束、リン酸化レベル、転写レベル、神経伝達物質レベルなどを利用して評価することができる。このようなアッセイは受容体の阻害剤を検討する本発明の方法中で用いられる。
試験化合物で処理される試料またはアッセイは、調節の範囲を調べるため該試験化合物なしにコントロールの試料と比較されてもよい。既知のアゴニストもしくはアンタゴニストと一緒にまたは一緒ではないならびに試験化合物で未処理のコントロール試料は、100の相対的受容体活性値が割り当てられる。受容体活性値がコントロールと比較して低い場合は受容体活性の阻害が達成され、逆に活性がコントロールと比較して高い場合に受容体活性は亢進される。
試験化合物の受容体の機能上の効果は、任意の上記パラメータを調べることによって測定されてもよい。受容体に影響を及ぼす任意の適当な物理学的な変化は、この発明の受容体上の試験化合物の影響で評価するために用いられてもよい。完全な(intact)細胞もしくは動物を用いて機能上の結果が決定されるときは、Ca2+、IPまたはcAMPのような細胞内のセカンドメッセンジャーのような様々な効果を測定することができる。
Gタンパク共役受容体の好ましいアッセイは、受容体活性をレポートするイオン感受性の染色液が添加された細胞を含む。調節化合物を同定するためのアッセイにおいて、細胞質もしくは膜電位のイオンレベルの変化は、イオン感受性もしくは膜電位蛍光指示薬のそれぞれを用いてモニターされる。Gタンパク共役受容体にとって、Gα15およびGα16およびキメラGタンパクのようなプロミスキャスGタンパクは、選択のアッセイ(例えば、Wilkie et al.(1991)Proc Natl Acad Sci U S A. 88:10049-53、参照)に用いられてもよい。そのようなプロミスキャスGタンパクは広い範囲の受容体の結合を許容する。
受容体活性は主としてその後の細胞内の現象を惹起し、例えばIPのようなセカンドメッセンジャーを増加し、そしてそれは細胞内に貯蔵されたカルシウムイオンを放出する。任意のGタンパク共役受容体の活性化は、ホスファチジルイノシトールのホスホリパーゼC媒介加水分解を通じてイノシトール三リン酸(IP3)の形成を刺激する(Berridge & Irvine (1984) Nature 312:315-21)。IPは、次々と細胞内カルシウムイオン貯蔵の放出を刺激する。このように、細胞内のカルシウムイオンのレベルの変化、あるいはIPのようなセカンドメッセンジャーの変化は、Gタンパク共役受容体の機能を評価するために用いられてもよい。Gタンパク共役受容体などを発現する細胞は、細胞内貯蔵およびイオンチャンネルの活性化経由の両方の貢献の結果として細胞質内カルシウムレベルの増加が示されてもよい。その場合において、それは望ましくは、必須ではないが、カルシウムフリーのバッファー中でそのようなアッセイが行われ、選択的にEGTAなどのキレート剤を補充してもよく、内部貯蔵からのカルシウム放出に由来する蛍光応答を区別するものであってよい。
好ましい一実施態様において、受容体活性は、ホスホリパーゼCシグナル伝達経路の受容体に関連するGα15、16またはキメラGタンパクのようなプロミスキャスGタンパクと共に異種細胞中でhTAS2R14を発現することによって測定される。選択的に該細胞系統は、HEK−293であるが、CHOやCOS細胞なども他の哺乳動物細胞でも好ましい。味調節伝達は、細胞内Ca2+のレベルの変化を測定することによってアッセイされ、そしてそれは受容体と関連する分子の投与を介する受容体シグナル伝達経路の調節に応答して変化する。Ca2+レベルの変化は、任意で蛍光Ca2+指示色素および蛍光定量的画像処理を用いて測定される。
シグナル分子の活性および潜在的なアゴニストもしくはアンタゴニストに応答した活性の増加もしくは減少は、苦味受容体活性の識別に関して上記概要のとおり決定されうる。それぞれの活性の増加もしくは減少を示した割合は、それがアンタゴニストもしくはアゴニストとして適当であるといえるために必要とされ、必要なら変更を加え適用するものである。さらに、「接触する」という用語は、上記の概要のとおりの意味をもつ。好ましくはシグナル分子および/もしくはプロミスキャスGタンパクは、細胞内に導入されたものである。細胞種は上記指摘のものであって好ましいものである。
さらに別の実施形態において、受容体のリガンド結合ドメインは、リガンド結合アッセイのために可溶性の状態もしくは固体状態の反応において、インビトロで用いられてもよい。受容体もしくは受容体のドメインのリガンド結合は、脂質一重膜もしくは小胞中で固相に付着した二重膜において、水溶液中で試験されうる。それによって、受容体、もしくはドメイン、へのモジュレーターの結合は、分光学的な特徴、例えば吸光度あるいは屈折率;または水力学的な、例えば形、クロマトグラフィーによる、または溶解特性等、当業者に知られる変化を用いて観察することができる。
受容体のモジュレーターとして試験された化合物は、いかなる低分子の化学物質、あるいはタンパク、糖、核酸、あるいは脂質などの生物学的物質をなすものであってよい。典型的には、試験化合物は低化学分子である。本来いかなる化学物質も本発明のアッセイにおいて潜在的なモジュレーターあるいはリガンドとして用いられてもよいが、個々の受容体のリガンド特性の知識は、当業者であれば関心のある化合物について賢明な選択をすることができるものである。アッセイは、アッセイの段階を自動化し、アッセイに都合のよい供給源から化合物を作製することによって大きなケミカルライブラリーを選別することが計画されてよく、一般的には平行して行われ、例えば全自動アッセイにおけるマイクロタイタープレート上のマイクロタイターフォーマットで行われる。当業者は、化学物質のライブラリーの多くの供給者がいることを理解している。
アッセイはハイスループットスクリーニング法で実行されてもよく、それは莫大な潜在的な治療上のまたは潜在的なリガンド化合物である味物質化合物を含むコンビナトリアルケミカルライブラリーまたはペプチドライブラリーの作製を含む。それからこのようなライブラリーは、所望の特徴の活性を示すライブラリーのメンバー、特に化学種もしくは亜種、を同定するために、一つまたはそれ以上のアッセイでここに記載されているとおりにスクリーニングされる。このように同定された化合物は、最終生産物のモジュレーターの更なる開発のためのリード化合物として役立つことができ、もしくは実際のモジュレーターとしてそのものを使用することができる。
コンビナトリアルケミカルライブラリーは、化学的な合成または生物学的な合成のいずれかによって、試薬のような多くの化学的「積み木」の組み合わせによって、産生された多様な化学物質の集合である。例えば、ポリペプチドライブラリーのような直鎖状のコンビナトリアルケミカルライブラリーは、所与の化合物長、すなわち、ポリペプチド化合物のアミノ酸の数、のあらゆる組み合わせにおける一組の化学的積み木、アミノ酸、の組み合わせによって形成される。何百万もの化学物質は、コンビナトリアルケミストリーの混合した積み木のようなものを通じて合成することができる。
コンビナトリアルケミカルライブラリーの調製およびスクリーニングは当業者によく知られており、ここでこれ以上述べることを要しない。
本発明の高処理アッセイにおいて、一日に数千種類ものモジュレーターやリガンドのスクリーニングを行うことが可能である。特に、マイクロタイタープレートの各ウェルは、選択した潜在的なモジュレーターに対する別のアッセイを実行するために使用することができ、すなわち、濃度やインキュベーション時間の効果が観察できるものである場合、5−10ウェル毎に一つのモジュレーターを試験することができる。従って、一つの標準的なマイクロタイタープレートは、およそ100、例えば96、のモジュレーターについてアッセイできる。もし1536ウェルプレートが用いられた場合、一つのプレートは容易におよそ100からおよそ1500の異なる化合物からのアッセイを行うことができる。一日に数種類のプレートをアッセイすることができる;およそ6,000−20,000までの異なる化合物のスクリーニングアッセイは、本発明に統合されたシステムを用いることによって可能となる。
リード化合物はここに記載された上記の技術によって見出され、あるいはそのようなリードから形成された開発化合物は、苦味の調節を受けるヒトへ直接投与できる。あるいは、そのような化合物は、例えば食品、動物用食品を含む、および飲料水、医薬または栄養補助食品もしくはホメオパシーの調剤などの経口摂取される他の調剤の成分と一緒に処方することができる。
従って、本発明の別な側面は、hTAS2R14のアンタゴニストもしくはアゴニストの同定のための上記方法の工程およびその後に続く同定した化合物もしくはアンタゴニストと食品、任意の前駆物質または食品の製造で使用される添加剤を混合する工程を含むことを特徴とする食品、任意の前駆物質または食品の製造で使用された添加剤の製造方法である。
苦味物質は、特にしばしば不快な苦味を有する医薬品を経口投与する場合に問題となる。特にお年寄りや、子供、および慢性疾患の患者においてこの苦味は、治療投与計画における服用遵守がされない原因となりうる。さらに動物治療の適用において苦味薬剤の経口投与は解決しがたいものと考えられる。従って、本発明のさらなる別な側面は、hTAS2R14のアンタゴニストもしくはアゴニストを同定する方法の工程およびそれに続く薬学的に許容される形態に活性成分と化合物またはアンタゴニストを製剤化する工程を含む栄養補助食品もしくは医薬組成物の製造方法である。
結果として、本発明のさらなる一側面は食料品であり、特に動物用食品、もしくは任意の前駆物質または本発明の方法によって製造される食料品の製造で使用できる添加物である。
また、本発明の方法によって製造される栄養補助食品もしくは医薬組成物および少なくとも一つの活性成分および任意の薬学的に許容される担体および/またはアジュバントが含まれる。
経口摂取される化合物の量はヒトを対象として有益な反応を与えるのに十分な量であって、特定の味モジュレーターおよびその存在、性質、および特定の化合物の投与に伴う全ての不都合な副作用の効力によって決定されるものである。
本発明のさらなる一側面は、1,8−ナフタルデヒドロ酸、1−ナフトエ酸、1−ニトロナフタレン、ピクロチン、ピクロトキシニン、ピペロニル酸、安息香酸ナトリウム、(−)−α−ツジョン、パルテノライド、ハーボライド A、酢酸ハーボライド D、ヒドロキシ−8α―パルテノライド、シュード−アルタブシン、およびその機能的な誘導体からなる群から選択されたhTAS2R14活性のアゴニストの苦味を亢進するための用途である。
本発明のさらなる一側面は、1,8−ナフタルデヒドロ酸、1−ナフトエ酸、1−ニトロナフタレン、ピクロチン、ピクロトキシニン、ピペロニル酸、安息香酸ナトリウム、(−)−α−ツジョン、パルテノライド、ハーボライド A、酢酸ハーボライド D、ヒドロキシ−8α―パルテノライド、シュード−アルタブシン、およびその機能的な誘導体によって誘導される、苦味減少のための本発明の方法で同定したhTAS2R14のアンタゴニストの用途である。
以下の図面や実施例は本発明を説明するものに過ぎず、何より添付したクレームによって指摘される本発明の請求の範囲を限定するものではない。
hTAS2R14のコンディショナル発現
ラットソマトスタチン−3受容体のアミノ酸1−45と一致するアミノ末端輸送タグおよびカルボキシ末端にHSVタグを付加したhTAS2R14のcDNAは、キメラGタンパクサブユニットGαガスト44(Ueda T. et al. (2003) J. Neurosci. 23: 7376-7380)を安定的に発現しているHEK−293T細胞へLipofectamine2000(Invitrogen社)を使用して一時的にトランスフェクトされた。自動蛍光イメージングプレートリーダー(automated fluorometric imaging plate reader)(Molecular Devices社)を用いて、(Bufe B. et al. (2002) Nature Genetics 32: 397-401)に記載のとおりトランスフェクション後24−32時間に、リガンドスクリーニングを行った。略述すると:Hepes−buffered saline(HBS)、140mM NaCl、5mM KCl、2.5mMCaCl、10mM Hepes、10mM グルコースおよび2.5mM probenicide、pH7.4中に4μM FLUO−4/AM(Molecular Probes社)と0.04% Pluronic F−127(Molecular Probes社)を含むものを細胞に、37℃で一時間添加した。その後、自動プレート洗浄液(automated plate washer)(Denley Cellwash,Labsystems社)によってHBS中で穏やかに細胞を洗浄し、FLIPR(Molecular Devices社)へ移した。FLIPRはアルゴンレーザー励起源、96ウェルピペッター、および電荷結合素子(Charged Coupled Device)イメージングカメラを利用した検出システムを統合している。96ウェルからの蛍光発光は、488nm(F488)での励起後、510nmの発光波長でモニターした。蛍光データは、アゴニストによる刺激の6秒前ごとおよび刺激後1秒ごとに収集した。適当な混合溶液C1(130mM NaCl、5mM KCl、10mM Hepes、2mM CaCl、10mM グルコース(pH7.4)およびDMSOの終濃度1%(v/v)をこえないように加えたDMSO)中に3x濃縮アゴニスト(3 x concentrated agonists)(Sigma社)を溶解して50μlとし、それを100μl HBSを含むウェル中へ96ウェルピペッターで加えることによって2秒以内に送達した。アゴニスト反応は蛍光ピークの振幅を用いて定量した。同一の受容体を発現するおよび同一の刺激を受けた細胞を含む5つのウェルの反応を平均化した。3回ずつ行った2つの独立した実験からデータを収集した。用量反応曲線は観察された最大反応で標準化した。結果は下記の表1に示す。
リガンドスクリーニングに用いられた物質は、その名前(列1)およびその化学構造(列2)によって同定される。試験したhTAS2R14活性の濃度は列3にリストした。種々の濃度の化合物で刺激後の細胞内カルシウム濃度の増加の結果として蛍光をモニターしたが、それは列4に示す。化合物の濃度に合わせてmockをトランスフェクトした細胞の反応である列5が適用されるとき、ネガティブコントロールとして示される。縦軸は8000カウント、横軸は10分。n.r.は、反応なしを意味する。A)hTAS2R14を活性化する化合物、B)試験されたネガティブ化合物
ヒト組織のRT−PCR解析
ヒトの有郭乳頭および乳頭を含まない舌上皮を、地方倫理委員会の承認を得てボランティアの同意書を伴って取得した。トータルRNAは、TRIzol試薬(Invitrogen)を用いて抽出した。ヒトの小脳、唾液腺、腎臓、および精巣由来のトータルRNAは、BD Biosciences Clontechから購入した。RNAはRNaseを含まないDNaseI(Invitrogen)で消化し、Smart cDNA合成キット(Clontech)を用いてcDNA合成を行った。hTAS2R14cDNAの増幅のためにオリゴヌクレオチド R14__for 5'-GGCCAATTGGAATTCATGGGTGGTGTCATAAAGAGCATATTTACA-3' (SEQ ID NO. 3)、およびR14__rev 5'-TCCTCAATTGTCATCAGCGGCCGCCAGATGATTCTCTAAATTCTTTGTGACCTGAG-3' (SEQ ID NO. 4)を使用した。コントロールとしてGAPDHのcDNA増幅には、オリゴヌクレオチド GAPDH__for 5'-ACCACAGTCCATGCCATCAC-3' (SEQ ID NO. 5)、およびGAPDH__rev 5'-TCCCACCACCCTGTTGCTGTA-3' (SEQ ID NO. 6)を用いた。ネガティブコントロールは、cDNA合成中に逆転写酵素を取り除いた。hTAS2R14のPCRの条件は:94℃で5分予備熱変性、64℃1分、72℃1.5分、94℃0.5分を3サイクル行った後に、72℃2.5分、94℃0.5分、72℃15分35サイクルをPCR産物の精製のために行った。GAPDHの増幅には次のプロトコールを用いた:94℃5分、28サイクル;58℃45秒、72℃45秒、94℃30秒、および58℃5分、72℃10分。
ヒト有郭乳頭のIn situ ハイブリダイゼーション
In situ ハイブリダイゼーションは主として従来(Behrens et al. (2000) Europ. J. Neurosci. 12: 1372-1384)のとおり行った。略述すると:ヒトの舌の有郭乳頭の断面20μmを処置し、正電荷スライドグラス上に解凍してのせた。ハイブリダイゼーション前の切片は、固定化後、透過処理、およびアセチル化を行った。プレハイブリダイゼーションは50℃で5時間行い、その後50℃で終夜ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション後のスライドは、緩やかな条件で数回洗浄し、その後RNaseで処理した。処置および厳しい条件での洗浄は0.4xSSCバッファーを用いて50℃で行った。ハイブリダイズしたリボプローブは抗ジゴキシゲニン抗体を用いて検出し、比色定量を行った。顕微鏡写真は、Zeiss Axioplan顕微鏡にマウントしてCCDカメラで撮影した(RT slider、Diagnostic Instruments社)。
異なるヒト組織におけるhTAS2R14遺伝子発現のRT−PCRによる解析。A)PCR産物はhTAS2R14特異的である、B)GAPDH特異的オリゴヌクレオチドを用いたポジティブコントロールによってcDNAの存在が検出された。M:分子量標準、1;有郭乳頭、2;舌乳頭を含まない舌上皮、3;唾液腺、4;小脳、5;腎臓、6;精巣、7;有郭乳頭−RT(ゲノムDNAの混入を調べるために逆転写酵素を除いたもの)、8;舌上皮−RT、9;唾液腺−RT、10;小脳−RT、11;腎臓−RT、12;精巣−RT、13;HO コントロール ヒト有郭乳頭におけるhTAS2R14mRNAのIn situ ハイブリダイゼーション。20μmのヒトの有郭乳頭の凍結切片ジゴキシゲニンで標識したアンチセンス(A)あるいはセンス(B)のリボプローブでハイブリダイズした。味蕾を丸で囲んだ。スケールバー=50μm。 ピクロトキシニンおよび1−ナフトエ酸の用量反応曲線。異なる濃度の1−ナフトエ酸(A)とピクロトキシニン(B)はhTAS2R14をトランスフェクトした細胞上に投与された。用量反応曲線およびピクロトキシニンおよび1−ナフトエ酸の効果を示す対応するEC50値は、SigmaPlotを用いて計算した。

Claims (8)

  1. hTAS2R14苦味受容体活性のアゴニストあるいはアンタゴニストを単離する方法を提供することであって、
    hTAS2R14苦味受容体は次の群から選択されるポリヌクレオチドによってコードされており:
    (a)SEQ ID NO:2に示される、推定アミノ酸配列を有する少なくとも成熟型のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (b)SEQ ID NO:1に示される少なくとも成熟型のポリペプチドをコードする、そのコード配列を有するポリヌクレオチド;
    (c)(a)と(b)のうちいずれか一からなるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドの断片又は誘導体をコードするポリヌクレオチドであって、該誘導体において一またはそれ以上のアミノ酸残基が該ポリペプチドと比較して保存的に置換されており、該断片あるいは誘導体がhTAS2R14苦味受容体活性を有する;
    (d)(a)から(c)のうちいずれか一において定義されたポリヌクレオチドと少なくとも50%の同一性があり、hTAS2R14苦味受容体活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および
    (e)(a)から(d)のうちいずれか一において定義されたポリヌクレオチドと好ましくは厳しい条件下でハイブリダイズする相補鎖のポリヌクレオチドであって、hTAS2R14苦味受容体活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    単離する方法は、以下の工程を含む:
    (1)該ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド又は該ポリヌクレオチドもしくは該ポリヌクレオチドを含むベクターで遺伝学的に操作された宿主細胞と潜在的なアンタゴニストもしくは潜在的なアゴニストを接触すること;
    (2)該ポリペプチドの苦味受容体活性を、潜在的なアンタゴニストがアンタゴナイズするのか、あるいは潜在的なアゴニストがアゴナイズするのかどうかを決定すること;
    上記において、工程(1)と同時におよび/もしくはその後、該ポリペプチド、該宿主細胞あるいは該ベクターは、1,8−ナフタルデヒドロ酸(1,8−naphthaldehydic acid)、1−ナフトエ酸(1−naphthoic acid)、1−ニトロナフタレン(1−nitronaphthalene)、ピクロチン(picrotin)、ピクロトキシニン(picrotoxinin)、ピペロニル酸(piperonylic acid)、安息香酸ナトリウム(sodium benzoate)、(−)−α−ツジョン((−)−α−thujone)、パルテノライド(parthenolide)、ハーボライド A(herbolide A)、酢酸ハーボライド D(herbolide D acetate)、ヒドロキシ−8α―パルテノライド(hydroxy−8α−parthenolide)、シュード−アルタブシン(pseudo―artabsine)、およびその機能的な誘導体からなる群から選択されたアゴニストと接触させられる。
  2. 請求項1の方法の工程およびそれに続く食品、前駆物質又は食品の製造に使用する添加物と該同定されるアンタゴニスト又はアゴニストとの混合の工程を含む食品、前駆物質又は食品の製造に使用される添加物の製造方法。
  3. 請求項1の方法の工程およびそれに続く該アンタゴニストもしくはアゴニストと薬学的に許容される形態での活性成分との調剤化の工程を含む栄養補助食品または医薬組成物の製造方法。
  4. 請求項2によって製造される食品、任意の前駆物質または食品の製造に使用される添加物。
  5. 請求項3によって製造され、そして少なくとも1つの活性成分ならびに任意の薬学的に許容される担体および/またはアジュバントを含む栄養補助食品もしくは医薬組成物。
  6. 1,8−ナフタルデヒドロ酸、1−ナフトエ酸、1−ニトロナフタレン、ピクロチン、ピクロトキシニン、ピペロニル酸、安息香酸ナトリウム、(−)−α−ツジョン、パルテノライド、ハーボライド A、酢酸ハーボライド D、ヒドロキシ−8α―パルテノライド、シュード−アルタブシン、およびその機能的な誘導体からなる群から選択されたhTAS2R14のアゴニストの苦味を亢進するための用途。
  7. 1,8−ナフタルデヒドロ酸、1−ナフトエ酸、1−ニトロナフタレン、ピクロチン、ピクロトキシニン、ピペロニル酸、安息香酸ナトリウム、(−)−α−ツジョン、パルテノライド、ハーボライド A、酢酸ハーボライド D、ヒドロキシ−8α―パルテノライド、シュード−アルタブシン、およびその機能的な誘導体によって誘導される苦味の減少のための請求項1による方法で同定されたhTAS2R14のアンタゴニストの用途。
  8. 化学式(I)の構造を持つ化合物の用途であって、
    1,8−ナフタルデヒドロ酸、1−ナフトエ酸、1−ニトロナフタレン、ピクロチン、ピクロトキシニン、ピペロニル酸、安息香酸ナトリウム、(−)−α−ツジョン、パルテノライド、ハーボライド A、酢酸ハーボライド D、ヒドロキシ−8α―パルテノライド、シュード−アルタブシン、およびその機能的な誘導体によって誘導される苦味の亢進もしくは減少のための用途。
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