JP2007533227A - データを伝送するシステムおよびシステムの加入者装置 - Google Patents

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Abstract

加入者間の2つの伝送路を有する、データを伝送するための少なくとも3つの加入者を有するシステムであって、その場合に伝送路がそれぞれ逆の伝送方向を有する第1のリングと第2のリングを形成する、前記システムは、加入者内に第1の接続と第2の接続が設けられており、前記第1の接続によって第1のリングが第2のリングと接続可能であり、かつ前記第2の接続によって第2のリングが第1のリングと接続可能であって、その場合に2つのリングのデータが各加入者内で処理されることを特徴としている。

Description

本発明は、独立請求項の上位概念に記載の、データを伝送するための少なくとも3つの加入者と加入者間の少なくとも2つの伝送路とを有するシステムと対応する加入者端末とに基づいている。
この種のシステムは、WO02/49271A2から知られており、そのシステムはリングネットワークを示しており、そのリングネットワークにおいて個々の加入者はそれぞれ逆の伝送方向を有する2つのリングによって接続されている。この種の、逆方向の冗長なリング状データ路の接続の他に、他の評価システムにおいては、リング状のネットワーク内でデータが冗長な付加接続によって個別ノードを越えて同じ方向に多重に伝送される。その場合に1つには、機械的および温度的作用も大きい場合に冗長な付加接続は、共通に案内される限りにおいて、同時に一度に中断される可能性があり、かつ、それを回避するためには、別々にケーブルを案内する著しい手間と費用が必要になる、という欠点が生じる。
分配された、特に安全上重要なシステムまたはネットワークにおいては、関与している加入者間でデータ交換が必要であって、そのデータ交換はエラーの場合でもさらに確実な決定または評価をもたらし、従ってエラーは認識されなければならず、安全損失またはシステム故障を回避する、該当する措置が導入されなければならない。
この種の分配された安全上重要なシステムは、たとえば車両領域からはX−バイ−ワイヤ−システムとして知られている。その場合に最も重要な課題は、この種のシステムの機能的安全性を保証することである。その場合に、従来技術から知られたシステムに関して、増大された安全上重要な要請の枠内でエラー安全性をさらに向上させるという課題が生じる。
本発明は、加入者間の2つの伝送路を有する、データを伝送するための少なくとも3つの加入者を有するシステムに基づいており、その場合に伝送路がそれぞれ逆の伝送方向を有する第1のリングと第2のリングを形成し、その場合に好ましくは各加入者内に、第1の接続が設けられており、それによって第1のリングが第2のリングと接続可能となり、かつ第2の接続が設けられており、それによって第2のリングが第1のリングと、特にケーブル接続が故障した場合に中断が検出され、かつ中断箇所において、往路のリングと復路のリングの間にループが閉成されるように接続可能である。これは、導線中断のためにも、また個々の加入者が故障したときのためにも設けることができる。それによって中断の前のノードから他のすべてのノードへのデータの伝送が保証されている。このネットワーク構造においては、2つのノード間ですべての接続が分離されている場合でも、常にすべてのノード間の接続を維持することができる。従ってその場合には、2つのノード間の接続についても、往路と復路のために共通のケーブルを利用することもでき、それにもかかわらず増大されたエラー安全性と故障安全性が保証される。各加入者内に第1と第2の接続を実現することによって、データを伝送するクロックのリカバリーも、各加入者ノード内で保証されている。
好ましくはシステム内、または各加入者内にコントロールユニットが設けられており、その中でステータス情報が生成される。このステータス情報は、リング間でそれぞれの接続を介して交換され、それによって、どのリング内でステータス情報が生成されるかに関係なく、その中に含まれるエラー情報の評価が可能である。好ましくは、評価するために、特にコントロールユニット内にステータス情報を評価するために評価ユニットが設けられており、それは、ステータス情報を評価する時にエラーが生じた場合にはそれぞれのリングへのデータの伝送が中断されて、その代わりにデータはそれぞれ接続を介して他のリングへ伝送されるように、形成されている。その場合にデータは予め定めることのできるフレーム内で伝送され、かつ、好ましくは、同様に特にコントロールユニットの結合ユニットが設けられており、それがステータス情報をフレーム内の予め定めることのできる位置へ結合する。
上述したように、各加入者内で2つのリングのデータが処理される場合には、付加的な冗長性が与えられており、それが発生するエラーを、それがどのリング内で発生したかに関係なく、検出して、データ迂回のような、発生したエラーに応じた措置を導入することを可能にする。
好ましくは2つのリングが同一のクロックで駆動されるので、少なくとも1つのクロックユニットが加入者内に設けられており、そのクロックユニットによって第1と第2のリングがデータを伝送するために同一のクロックで駆動される。これは、第1または第2の接続を介してデータを迂回する場合に、複雑なクロック適合プロセスをほぼ回避できるという利点を有している。
冗長性を増大させるために、さらに、好ましくは少なくとも2つのクロックユニットが使用され、それらが少なくとも2つの異なる加入者に対応づけられ、ないしはその加入者内に含まれており、その場合に好ましくは本発明に基づくシステムを簡略化するために、常に1つのクロックユニットのみが2つのリングを駆動するためのクロックを設定し、第1のクロックユニットが故障した場合に、少なくとも第2のクロックユニットがクロックを設定する。
好ましい形態においては、少なくとも2つのクロックユニットを有する、ないしはそれらに対応づけられている加入者端末は、システム内で隣人として、かつ互いに空間的近傍に配置されているので、クロックユニットの簡単な引渡しを行うことができ、かつ空間的に近い近傍において伝送路を維持することができる。
もちろん、システム内に1つのクロックユニットが設けられていれば、十分である。というのは、本発明に基づく、2つの接続を有する構造と各加入者端末内で2つのリングのデータを処理することおよび共通のクロックを使用することに基づいて、各加入者内のデータ伝送から簡単にクロックリカバリーを行うことができ、各加入者端末内に専用のタイムベース、クロックユニットが必要とならないからである。
他の利点と好ましい形態が、明細書および請求項の特徴から明らかにされる。
以下、図面に示す図を用いて、本発明を詳細に説明する。
実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
図1は、マスター103とスレーブ104を備えたマスター−スレーブ−コンビネーション100を有する評価システムを示している。その他、符号105から110でスレーブとしての、つまり特に専用のクロックユニットを持たない、他の6つの加入者が示されている。加入者103から110の接続は、2つの逆方向のリングR1とR2で行われるので、データ伝送のために2つの冗長な、逆方向のリング状のデータ路R1とR2が利用される。マスター−スレーブ−コンビネーション100は、マスターと、マスター機能を引き受けることのできるスレーブの他に、同様に2つの冗長なクロックユニット101と102が設けられていることによって、故障安全性をさらに高めることができる。しかしその場合に、まずマスターに対応づけられた、つまりこのマスター内には含まれず、故障の場合に、駆動を維持するために、クロック情報をスレーブ104へ伝える、1つのクロックユニットだけを設けることもできる。その場合には、クロック情報を問題なく伝送することができるようにするために、マスター103とスレーブ104は隣人として、かつ空間的近傍に配置されていることが必要である。
図2には、マスター−スレーブ−コンビネーション100の代わりに、クロックユニット201を有するマスター200のみが示されている。本発明によれば、マスター−スレーブ−コンビネーション100を使用するか、マスター200を使用するかは選択的に利用可能であって、かつ交換可能である。システム内にエラーが、たとえばここで加入者107と108の間のような導線の中断が生じた場合に、該当する加入者内の情報の迂回によってシステム内のデータ伝送を維持することができる。すなわち、2つのノードまたは加入者間のすべての接続が中断された場合でも、さらにすべてのノード間で確実なデータ交換が与えられている。しかしこれは、本発明に基づいて2つのリングR1とR2のデータが常に各加入者内で評価されて処理され、従来技術とは異なり、加入者内でデータの一重の通過が行われていないことによってのみ可能である。図3には、同じ状況が、1つの加入者全体、ここでは加入者107が故障したという前提の元で示されている。しかし図2においてすでに説明したように、ここでもデータ伝送は、特にここでは、1つのノードまたは加入者が故障した場合に残りの加入者について、さらに維持することができる。
図4は、リングの間に横接続が実現される、加入者装置の構造を示している。
この横接続は、図4において接続1として400V1と接続2として400V2が示されている。加入者またはノードは、第1の入力400E1と第1の出力400A1および第2の入力400E2と第2の出力400A2を有している。これらの入力および出力を介して原理的に、リングR1とR2に相当する2つの伝送路が実現される。本発明によれば、もちろん、各伝送路に応じてコントロールユニット401または402が設けられており、その中でステータス情報が生成される。このステータス情報は、たとえばノードまたは加入者の故障に関するネットワーク情報あるいはまたエラー情報または2つの加入者間で故障した接続の故障ステータスを含んでいる。各加入者は、各コントロールユニット401または402に従って、この種のステータス情報自体を生成することができる。このステータス情報は、その後該当する接続400V1または400V2を介してリング間で交換可能である。これは、結合ユニット406を用いてステータス情報を、特に、図6でさらに詳細に示すデータフレーム内へ結合することによって行われる。ユニット407は、フレーム内のステータス情報の正確な位置を求めるために用いられ、それはたとえば、ビットまたはバイトを計数する計数装置を介して行うことができる。
同様なことが、結合ユニット409と検出ユニット410を有する他の方向についても当てはまる。同様に、入力を介してフレーム内へ入ったステータス情報を評価するために評価ユニット405あるいは他の方向については評価ユニット408が設けられている。その場合にこれらのユニット405、406および407は、コントロールユニット内に設けることも、外部に設けることもできる。これは、他の方向についても、エレメント408、409および410についても当てはまる。評価ユニット405あるいは逆方向において評価ユニット408は、ステータス情報を評価するために用いられ、かつステータス情報を評価する際にエラー、たとえば接続または加入者の故障あるいはネットワーク内のその他のエラーが生じた場合に、それぞれ一方のリング上の、つまりレギュラー接続、ここでは400R1上のデータの伝送を中断して、その代わりに接続400V1を介して結合を行うことができるように形成されている。この接続400V1の能動化は、切替えエレメント403の制御入力401ST1を介して直接行うことができるので、1つには、逆方向において伝送フレーム内の該当する箇所に特殊なステータス情報を他の各データ情報と同様に供給することができ、あるいはひどいエラーの場合にはレギュラールート400R1から接続400V1を介して情報の完全な迂回を行うことができる。その場合に、リングR1内にエラーが発生した場合には、切替えエレメント404への制御接続401ST2を介して、400R1を介しての伝送が阻止される。同様に、これが、他の方向についてはコントロールユニット402と評価ユニット408を介して行われる。ここでは制御入力402ST1を介して接続400V2が、つまり検出ユニット410に従って全データ迂回に至るまでステータス情報または他のデータの伝送が、少なくとも部分的に能動化され、かつ同様に切替えエレメント403の制御入力402ST2によって400R2を介してのリングR2内のレギュラーな伝送を阻止することができる。本発明によればさらに、コントロールユニット間に、ここでは破線で示す接続を設けることができ、それによってエラーないしエラーの重要性に従ってコントロールユニット間でこの種の措置を調和させることができ、そのためにそれらのエラーないしエラーの重要性を優先順位テーブルに記入することができる。
図5には、クロックユニット511を有する加入者装置について、同じ機能を示しており、その場合にここでもコントロールユニット501と502、評価ユニット505と508、検出ユニット507と510、結合ユニット506と509、切替えエレメント503と504、接続500V1ないし500V2を能動化するための該当する制御入力501ST2と501ST1および502ST2と502ST1が設けられており、それによって異なるリングへのデータ結合あるいは入力500E1を出力500A2へ、あるいは入力500E2を出力500A1へ切り替えることが可能となる。この加入者装置は、特に、彼がクロックユニット51を有しており、従ってシステム内でマスターまたはバックアップマスターとして機能することができることによって、区別される。その他においては、上述した部分の機能は、図4ですでに説明した機能に相当する。ここでも、2つのコントロールユニット501と502の間に、調和させるために接続を設けることができる。
図6では、データ伝送のためのフレームの例が設けられているので、すべてのデータは同期枠…フレーム内で伝送され、その場合に評価に関与するすべてのノードに、所定のデータ領域が対応づけられている。提案されているフレームは、ここではフレームの始端をマークする、プレアンブルPで始まる。その後Sで、1ビットから1バイトまたは複数バイトまで含むことのできるステータス情報が示されている。DT1、DT2からDTNは、評価に参加するそれぞれの加入者T1、T2からTNの、従って図では103から110ないし200の、データ領域に相当する。CIで、他のコントロール情報が設けられ、LIはループ情報、そしてEOFはフレームの最後、フレーム端部を表示している。すなわち、図4、図5および図6に示すように、ステータス情報がそれぞれの評価ユニット406、408、506、508に従ってリングの評価によって評価され、特殊なステータス領域S内で反対方向のリングへ情報が引き渡され、それぞれ次のノードまたは加入者内でこのステータス情報の然るべき評価によってエラーが認識され、従って補正データが結合され、あるいは加入者または加入者間の導線の故障ステータスの場合にそれぞれの接続へ完全に切り替えることができる。すなわち、たとえば、図4または5に関して、情報、特に一方の方向からのステータス情報が、入力E2、つまり400E2あるいは500E2を介してコントロールユニットへ入力されて、評価され、他方では反対方向において入力E1、つまり400E1または500E1を介して同様にコントロールユニット501または401へ入力されて、図4に示すように、そこで評価される。従ってエラー、特に2つのノードまたは加入者装置の間の導線の中断、特にこの箇所における2つのリングの完全な中断あるいは加入者装置の完全な故障を、自動的に検出することができる。その場合に1つの加入者装置がマスターとして作用し、ネットワーク全体、すなわちシステム全体のためにそのクロックユニットのクロックを設定する。その場合にクロックユニットは、すでに説明したように、冗長に実現することができ、マスター加入者装置がエラーの場合には、この種のクロック生成するエレメント、つまりこの種のクロックユニットへのアクセスを有する各ノードが、機能を引き受けることができる。その場合にエラーの重要性に従って、すでに図2と図3で説明したように、データフローの完全な切替え、従って一方のリングから他方のリングへの迂回を行うか、あるいは余り深刻でない場合にはバイパスを実現することができる。すなわち、その場合に迂回の他に、すでに説明したように、反対側の回路の他のコントロールユニットから情報を結合することによって、補正を行うこともできる。
図6に示すように、情報またはシステムのデータは、予め定められた長さのフレーム内で伝送される。その場合に例えば、32、64または128バイトあるいはまた任意の他のフレーム長を使用することができる。各フレームは、プレアンブルで開始され、データは、たとえばPLLによってクロックリカバリーを行うことができるように、コード化されている。その場合にデータ伝送は、たとえばLVDS(Low Voltage Differential Signaling)、またはUTP(Unshielded Twister Pairs)のような、電気的物理的レイヤー上で行うことができる。すべてのアクティブなノードあるいは加入者、つまり評価に参加している加入者のために、それぞれの加入者に従ってフレーム位置DT1、DT2〜DTNが設けられている。その場合に長さは、評価に参加している、予め定めることのできる数の加入者またはノードに依存している。すべてのノードまたは加入者の同期した作業、つまり同一のクロック周波数の利用によって、該当する加入者によって生成されたのではない、すべての情報または全データを、バイパスすることが可能である。この種のバイパスの最適な実現は、各加入者によって結合することのできる新しいデータを、このそれぞれの構造のバイパスすべきデータ量とフレーム内で同期させることができるようにするために、2つまたは3つのフリップフロップまたは同様なメモリと遅延素子を必要とする。従って、挿入すべきデータ量ないし該当する加入者の挿入すべきデータに関係なく、全データ構造または全データが、各ノードにおいて2または3クロックだけ遅延され、従ってすべての受信する加入者にとってはほぼ同時に生じる。各加入者のデータのために固定されたフレーム位置が使用される場合には、アドレスオーバーヘッドは不要である。従って利用可能な情報のために、全データレートないし全フレームをほぼ完全に使用することができる。すべてのノードの同時伝送と組み合わせた場合には、複雑なプロシージャについても、極めて短いデータ交換周期が生じる。
ここで再度、評価プロシージャまたは評価プロセスについて簡単に説明する。評価を実施するために、各加入者は、単純な算術的、論理的および比較演算を実施する可能性を持たなければならない。そのために、たとえば、各評価ユニット内で、この課題を実施するために、簡単な、あるいは小型のプロセッサが用いられる。その場合にこの小型のプロセッサは、図4と図5において説明したように、データフローをコントロールし、ステータス情報を評価して、加入者の正しいオペレーションをチェックするために、コントロールユニットとし、あるいはその中に含めることができる。システムの様々な加入者は、互いに独立して評価プロシージャ、つまり評価を実施する。各加入者は、たとえばセンサから、入力量を得て、それを計算プロセスのために利用する。安全のために必要とされる、異なる種類のセンサに従って、加入者の入力量は許容可能な規模で異なることができる。しかしそれにもかかわらず、同じ入力量からスタートするために、従って評価の評価プロシージャの開始時に、すべての入力量を交換し、評価して、それぞれの計算に従って適切に入れ換えることができる。その後第2のステップとして、計算が実施されて、結果が交換される。その後、各加入者内で評価を実施して、評価結果を同様に交換することができる。この評価結果の評価によって、アクチュエータを調節することができ、それによって所望のシステムリアクションを得ることができる。評価プロシージャの最後に受け入れられない結果を供給した加入者は、評価から排除することができる。従って加入者、特に排除後に残った加入者は、グローバルなシステム行動へ本質的に影響を与えること無く、適合された方法で行動することができる。その場合に、この評価プロセスの様々な段階を互いに分離するための、情報、特に伝送されるデータの種類およびそのデータの有効性、も同様に、ステータス情報に含めることができる。システムステータスとアクティブな加入者の数および評価に関するこの加入者のステータスも同様である。従って各加入者は他の各加入者のステータスを評価することができ、従って異なる場合には容易にエラーを発見することができる。これは、各加入者が、特に評価プロセスから排除された場合に、すべての他の加入者の情報を得ることができることにより、可能である。従ってすでに排除された加入者も、例えばマスター決定によって、新たに評価結果と一致した場合には、新たに評価プロセスに受け入れることができる。このようにして、特に、加入者の過渡的な排除しかもたらさない、加入者の過渡的エラーを認識して、対処することができる。
入ってくるデータ情報は、各加入者内で、たとえばコードエラー、プレアンブル、バイトの数、フレームの数、EOF−バイトなどについて、チェックされる。システムアクティビティがない場合、あるいはフレーム構造内のエラーまたは他の、特に先行ノードまたは加入者装置に発生するエラーの場合に、それを上述したように、排除することができる。この理由から、コントロール情報CIの後にループ情報LIが挿入されており、それによって一方のリングの、つまり一方の伝送方向の情報を他方のリング上で、あるいは他方の伝送方向の情報を、仲介し、それによって両方の伝送方向あるいは両方のリングR1、R2から加入者のアクセサビリティを求めることができる。それによってすべての非マスター加入者は、マスター加入者と同一の情報を得るので、それを同様に監視して、マスター決定が不明の場合に自立的に行動することができる。従ってマスターも、エラーのある非マスターと同様に、バイパスによって、あるいは迂回することによって、システム内の重要な安全性を危険にさらすことなく、システムから排除することができるので、個々のエラーまたは複数のエラーにおいて常にできる限り最高の機能性が生じる。これを、以下で図7から10を用いて再度詳しく説明する。
図7は、マスター−スレーブ配置700、マスター103および非マスター加入者104を有するシステム構造を再度示している。ブロック701内に、冗長なクロックユニット702と703が示されており、マスター103あるいは非マスター104に対応づけることができ、従ってシステムの、すなわち加入者105から110および103と104を有するリングR1とR2のための、クロックを設定することができる。複数のクロックジェネレータまたはクロックユニット702と703を有するマスター−スレーブ−コンビネーション700およびマスターと非マスター間の空間的近さを実現することによって、図8で説明するように、故障した場合にマスターの単純な代替とそれに伴う従来のデータ路の代替が可能である。マスター103が故障した場合に、一方では、リングR1に関して加入者装置104から加入者装置110への接続を形成することができ、他方では、リングR2に関して加入者装置110と加入者装置104の間に接続を形成することができる。マスター−スレーブ−コンビネーションが完全に、あるいはまた、図9に示すように、クロックユニットを有するマスター200のみが故障した場合に、それにもかかわらずバックアップマスター、ここでは107bが他のクロックユニット900へのアクセスを有している限りにおいて、残りの加入者装置105から110の駆動を維持することができる。この種の代替マスターまたはバックアップマスターは、システム内に何重にも設けることができるので、ここでも安全スケーリングないしエラースケーリングが可能である。すなわちたとえば、図10に示すように、マスター200および加入者107と108の間の接続が同時に故障した場合に、クロックユニット1001と1002への2つのバックアップマスター105bと110bを使用することによって、サブシステムの形成を行うことができ、そのサブシステム自体がさらに所定の基本機能を維持することができる。この種のシステム内にさらに3つあるいはそれより多い加入者が含まれている場合には、同様に、特にこれらの加入者によってコントロールされる機能のために、評価、つまり評価をさらに実施することができる。さらに2つの加入者が残っている場合には、機能を同一性について比較する場合に、少なくともPay−Safe評価(Fail-Safe-Evaluation)を行うことができる。システム内で使用されるクロックユニットの、従ってその数と配置に応じて、潜在的サブネットワークを予め定めることができることにより、エラー安全性または故障安全性の枠内でスケーリングを行うことができる。
従って本発明に基づくこの解決によって、高い実時間要請を有する安全上リスキーな適用のためのシステムを示すことができる。特に、マスター故障の場合にマスターが移動するケースにおいて、従来は、新しいシステム周波数、従って新しいクロックへの、特にPLLの高い過渡時間を考慮しなければならなかった。このマスターが移動することを回避し、かつ2つのリングまたは伝送路のために同一のクロックを使用する可能性によって、完全な安全性を得ることができる。というのは、然るべき機能を有するこの構造においては、2つの加入者間のすべての接続が中断された場合、あるいはまた加入者、特にマスターが完全に故障した場合でも、完全なデータ交換が保証されているからである。従って本発明は、特にXバイ−ワイヤ−システムシステムにおいて、かつ特に評価、つまり評価が実施されるすべてのところでの、すべての安全上リスキーな適用のために効果的に使用することができる。
対応する評価構造を有する本発明に基づくシステムを示している。 導線中断が発生した場合のシステムを示している。 加入者の故障が発生した場合のシステムを示している。 各加入者の内部構造を示している。 専用のタイムベース、従ってクロックユニットを有する加入者の構造を示している。 本発明に基づくフレーム構造の例を示している。 本発明に基づくシステム内のマスター−スレーブ−コンビネーションを示している。 マスター−スレーブ−コンビネーション内のマスターの故障を示している。 マスター故障または全マスター−スレーブ−コンビネーションの故障と付加的なバックアップマスターを示している。 たとえば、付加的なバックアップマスターを有する接続または加入者の選択とサブシステムの形成のような、同時に第2のエラーが発生した場合の、マスターないしマスター−スレーブ−コンビネーションの故障を示している。

Claims (14)

  1. 加入者間の2つの伝送路を有する、データを伝送するための少なくとも3つの加入者を有するシステムであって、その場合に前記伝送路がそれぞれ逆の伝送方向を有する第1のリングと第2のリングを形成する、前記システムにおいて、
    各前記加入者内に、第1の接続と第2の接続が設けられており、前記第1の接続によって前記第1のリングが前記第2のリングと接続可能であり、かつ前記第2の接続によって前記第2のリングが前記第1のリングと接続可能であって、その場合に2つのリングのデータが各前記加入者内で処理されることを特徴とする、データを伝送するための少なくとも3つの加入者を有するシステム。
  2. 少なくとも1つのコントロールユニットが設けられており、その中でステータス情報が生成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ステータス情報がリング間で接続を介して交換されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  4. 特に前記コントロールユニット内に、前記ステータス情報を評価するために評価ユニットが設けられており、前記評価ユニットは、前記ステータス情報を評価する際にエラーが生じた場合に、それぞれ一方のリング上でのデータの伝送が中断されて、その代わりにデータが接続を介して他方のリングへ伝送されるように、形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  5. 特に前記コントロールユニット内に、結合ユニットが設けられており、前記結合ユニットが前記ステータス情報をフレーム内の予め定めることのできる位置に結合することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  6. 加入者内に少なくとも1つのクロックユニットが設けられており、前記クロックユニットによって前記第1のリングと前記第2のリングがデータを伝送するために同一のクロックで駆動されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  7. 少なくとも2つのクロックユニットが設けられており、かつ前記クロックユニットが少なくとも2つの異なる加入者内に含まれていることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
  8. 常に1つの前記クロックユニットのみが2つのリングを駆動するためのクロックを設定し、第1のクロックユニットが故障した場合に少なくとも第2のクロックユニットがクロックを設定することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
  9. 少なくとも2つの前記クロックユニットを有する加入者が、システム内で隣人として、空間的に互いに近傍に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
  10. データを伝送するシステムのための加入者装置であって、その場合に前記加入者装置は、第1の方向にデータを伝送するために第1の入力と第1の出力を、そして第2の方向にデータを伝送するために第2の入力と第2の出力を有しており、その場合に第1と第2の方向が互いに逆にされている、前記加入者装置において、
    第1の接続が設けられており、前記第1の接続によって前記第1の入力が前記第2の出力と接続可能であって、かつ第2の接続が設けられており、前記第2の接続によって前記第2の入力が前記第1の出力と接続可能であって、その場合に両方向のデータが前記加入者装置内で処理されることを特徴とするデータを伝送するシステムのための加入者装置。
  11. 少なくとも1つのコントロールユニットが設けられており、その中でステータス情報が生成されることを特徴とする請求項10に記載の加入者装置。
  12. 前記ステータス情報が2つのリング間で、2つの接続の一方を介して交換されることを特徴とする請求項11に記載の加入者装置。
  13. 特にコントロールユニット内に、前記ステータス情報を評価するために評価ユニットが設けられており、前記評価ユニットは、前記ステータス情報を評価する際にエラーが生じた場合に、それぞれ一方の出力へのデータの伝送が中断されて、その代わりにデータが接続を介してそれぞれ他方の出力へ伝送されるように、形成されていることを特徴とする請求項11に記載の加入者装置。
  14. データが予め定めることのできるフレーム内で伝送され、かつ、特にコントロールユニット内に、結合ユニットが設けられており、前記結合ユニットが前記ステータス情報をフレーム内の予め定めることのできる位置に結合することを特徴とする請求項11に記載の加入者装置。
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